(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクチュエータアセンブリは、前記関節転写ヘッドアセンブリに結合されて少なくとも自由度4で関節転写ヘッドアセンブリの位置を調整する第1のアクチュエータサブアセンブリと、前記キャリア基板ホルダに結合され少なくとも自由度2でキャリア基板ホルダ位置を調整する第2のアクチュエータサブアセンブリと、を含む、請求項4に記載の大量転写ツール。
前記関節転写ヘッドアセンブリの前記取付面に対して固定され、前記キャリア基板ホルダ上のキャリア基板の位置を検出する第1の位置センサを更に備える、請求項5に記載の大量転写ツール。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態は、キャリア基板からマイクロデバイス又はマイクロデバイスアレイを転写するためのシステム及び方法を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマイクロデバイス、又はマイクロデバイスアレイは、関連する米国特許出願第13/372,222号、13/436,260号、及び13/458,932号に図示及び説明されたマイクロLEDデバイス構造体のいずれかとすることができる。本発明のいくつかの実施形態は、特にマイクロLEDデバイスについて説明しているが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、いくつかの実施形態は、他のマイクロLEDデバイス、並びに、ダイオード、トランジスタ、IC、及びMEMSのような他のマイクロデバイスにも適用できることを理解すべきである。
【0020】
様々な実施形態において、図面を参照して説明する。しかし、いくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに、又はその他の既知の方法及び構成との組み合わせで実施することができる。以下の説明において、本発明の完全な理解を提供するために、具体的な構成、寸法、及び工程などの数多くの具体的な詳細が明らかにされる。他の例では、本発明を不必要に曖昧とさせないために、周知のプロセスや製造技術は具体的に説明していない。本明細書を通じた「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」等への言及は、本実施形態と関連して述べる特定の機能、構造体、構成、又は特徴が、本発明に関する少なくとも一実施形態の中に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて各所にある「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」などの記述は、必ずしも本発明の同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の機構、構造体、構成、又は特性は、1つ以上の実施形態の中で任意の好適な方法で組み合わせることができる。
【0021】
本明細書内で使用される「マイクロ」デバイス又は「マイクロ」LED構造という言葉は、本発明の実施形態に係る特定のデバイス又は構造体の記述的大きさを指す場合がある。本明細書内で使用されるとき、「マイクロ」デバイス又は構造体という言葉は、1〜100μmの尺度を指すことが意図されている。しかし、本発明の実施形態は必ずしもこれに限定されず、これら実施形態の特定の態様はより大きな尺度、又は場合によってはより小さな尺度に適用できる場合があることを理解すべきである。一実施形態では、マイクロデバイスアレイ内の単一のマイクロデバイス、及び静電転写ヘッドアレイ内の単一の静電転写ヘッドは共に例えば、長さ又は幅が1〜100μmの最大寸法を有する。一実施形態では、各静電転写ヘッドの上部接触面は、1〜100μmの、又はより具体的には3〜10μmの最大寸法を有する。一実施形態では、マイクロデバイスアレイ及び対応する静電転写ヘッドアレイのピッチは、(1〜100μmの)×(1〜100μm)、例えば、10μm×10μmピッチ、又は5μm×5μmピッチである。
【0022】
一態様において、本発明の実施形態は、静電転写ヘッドアレイを用いて既製のマイクロデバイスアレイを大量転写する方法について説明する。例えば、既製のマイクロデバイスは、発光用LED、論理及びメモリ用シリコンIC、並びに、無線(RF)通信用のガリウムヒ素(GaAs)回路などであり、かつこれらに限定されない特定の機能を有し得る。実施形態によっては、ピックアップされる状態にあるマイクロLEDデバイスアレイは、10μm×10μmのピッチ又は5μm×5μmなどのマイクロサイズのピッチを有する。これらの密度では、例えば6インチ基板であれば、10μm×10μmのピッチで約1億6千5百万個のマイクロLEDデバイス、又は5μm×5μmのピッチで約6億6千万個のマイクロLEDデバイスを収容することができる。マイクロLEDデバイスアレイをピックアップして転写先基板に転写するために、対応するマイクロLEDデバイスのアレイのピッチの整数倍に一致する静電転写ヘッドアレイを含む大量転写ツールを使用することができる。このようにして、マイクロディスプレイから大面積ディスプレイに至るどのような寸法の基板でも含む、異種統合システムに、マイクロLEDデバイスを統合して組み立てることができ、しかも、高速な転写速度によりできる。例えば、1cm四方の静電転写ヘッドアレイは、10万個を超えるマイクロデバイスをピックアップして転写することができ、静電転写ヘッドアレイが更に大きければ、更に多くのマイクロデバイスを転写することができる。
【0023】
別の態様では、本発明の実施形態は、マイクロデバイスに静電気力を印加するための静電転写ヘッドアレイを支持する基板を用いたマイクロデバイスの大量転写を促進するシステム及び方法を記載する。一実施形態では、基板を除去し、そしてシステムに再度取り付ける、即ち、基板を交換可能とすることができる。基板が除去可能であるため、システムは、基板をより容易に、点検、清掃、及び修復することができる。基板が静電転写ヘッドアレイの摩耗率に対応する寿命を有することができることを考えると、基板の除去は、静電転写ヘッドアレイが壊れる前に、使用された基板の交換を可能にする。したがって、交換可能な基板を有するシステムは、システムの寿命を改善し、システムの信頼性を高めることができる。
【0024】
別の態様では、本発明の実施形態は、室温より高い温度でのマイクロデバイスアレイを転写するシステム及び方法を記載する。いくつかの実施形態では、キャリア基板からのマイクロデバイスアレイのピックアップ及び/又は転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置は、例えば、キャリア基板にマイクロデバイスアレイを接続する接着層に相変化を生成するか、又は、転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置の間に接着層に相変化を生成するか若しくは接着層を合金化するために、高温で実施することができる。いくつかの実施形態では、キャリア基板から転写先基板への転写中に1つ以上の動作が高温で実施されるが、大量転写ツールの位置合わせ動作も又、熱膨張による転写ツールのずれを補償するために、高い運転温度で行われる。
【0025】
別の態様では、本発明の実施形態は、アクチュエータアセンブリとシステム構成要素の位置に関するフィードバックを提供する様々なセンサを用いて、マイクロデバイスの大量転写を促進するシステム及び方法を記載する。アクチュエータアセンブリは、1つ以上の基準系と他のシステムコンポーネントに対するシステム構成要素の運動を生成することができる任意の数のアクチュエータを含むことができる。例えば、アクチュエータアセンブリは、静電転写ヘッドアレイを支持する基板とマイクロデバイスアレイとを、キャリア基板上で互いに対して少なくとも自由度6で移動させることができる。更に、アクチュエータアセンブリは、システム構成要素の正確な位置合わせ及び移動のために使用することができる。正確な運動制御を有効にするには、システム構成要素の場所及び位置に関連して、コンピュータシステム又はコントローラにフィードバックを提供するために、各種センサを使用することができる。例えば、センサは、約50ナノメートルの解像度で、システム構成要素の場所を検出することができ、それらの場所に応じて、アクチュエータは制御され、即ち、作動させることができる。したがって、組み合わされたアクチュエータアセンブリ及びセンサは、マイクロメートルの尺度で、システム構成要素の空間的関係を調整することができる。一例として、静電転写ヘッドアレイは、約1マイクロメートルの範囲内で、マイクロデバイスアレイの場所に平行に位置合わせできる。これにより、アクチュエータアセンブリ及びセンサを備えたシステムは、以下に説明するように、高いプロセススループット及び歩留まりで、マイクロデバイスアレイを正確にピックアップし、転写することができることを理解されたい。
【0026】
更に別の態様では、本発明の実施形態は、アプリケーション又はシステム構成要素間の接触の適用又は除去を感知するセンサを使用して、マイクロデバイスの大量転写を促進するシステム及び方法を記載する。例えば、位置センサ又は力計は、静電転写ヘッドアレイとマイクロデバイスアレイとの間の接触を感知することができる。また、アクチュエータは、接触に応じて制御され、即ち、作動させることができる。位置センサ又は力計は、同様に、キャリア基板からのマイクロデバイスアレイの除去を感知することができる。したがって、システム構成要素間の接触の適用を感知するセンサを備えたシステムは、高いプロセススループット及び歩留まりで、マイクロデバイスアレイを正確にピックアップし、転写することができることを理解されたい。
【0027】
ここで、
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る大量転写ツールの斜視図が示されている。大量転写ツール100は、上述の態様に従って動作する。そうするために、大量転写ツール100は、静電転写ヘッドアレイを用いてマイクロデバイスの大量転写を促進する機能を有する様々な構成要素及びサブアセンブリを有する1つ以上のアセンブリを含む。例えば、大量転写ツール100は、更に後述するように、静電転写ヘッドアレイを含む基板を受容する関節転写ヘッドアセンブリ106を有する上部アセンブリ102を含むことができる。関節転写ヘッドアセンブリ106は、更に後述するように、基板の交換を可能にする特徴と、静電気力を用いてマイクロデバイスのピックアップを容易にするために静電転写ヘッドに電圧を提供可能にする特徴と、を含むことができる。
【0028】
大量転写ツール100はまた、キャリア基板ホルダ108及び転写先基板ホルダ124を有する下部アセンブリ104を含むことができる。キャリア基板ホルダ108は、マイクロデバイスアレイを支持するキャリア基板を保持するように構成することができる。また、転写先基板ホルダ124は、搬送されたマイクロデバイスを支持するための転写先基板を保持するように構成することができる。したがって、更に後述するように、マイクロデバイスアレイを、静電転写ヘッドアレイを使用して、キャリア基板から転写先基板に転写することができる。
【0029】
上部アセンブリ102及び下部アセンブリ104への言及は、いずれも説明を簡単にするためにのみ行われ、大量転写ツール100の構成要素とサブアセンブリは、上部アセンブリ102及び下部アセンブリ104のいずれか又は両方の一部であってもよいことを理解されたい。例えば、上部アセンブリ102及び下部アセンブリ104は共に、アクチュエータアセンブリ110の構成要素を含むことができる。アクチュエータアセンブリ110は、大量転写ツール100の様々な構成要素を移動し、より具体的には、基板上の静電転写ヘッドアレイを用いて、マイクロデバイスの転写を容易にするために、構成要素間の空間的関係を調整することができる。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106及びキャリア基板ホルダ108及び転写先基板ホルダ124は、関節転写ヘッドアセンブリに取り付けられた基板によって支持された静電転写ヘッドアレイが、キャリア基板ホルダに保持されたキャリア基板、又は転写先基板ホルダに保持された転写先基板に密接に適合するように調整することができる。これらの種類の調整は、多自由度での正確な動きを必要とする。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106は、少なくとも自由度4を有するアクチュエータアセンブリ110の三脚アクチュエータ111によって移動させることができる。同様に、キャリア基板ホルダ108は、少なくとも自由度2を有するアクチュエータアセンブリ110のx−yステージ112によって移動させることができる。したがって、関節転写ヘッドアセンブリに取り付けられた基板に支持された静電転写ヘッドアレイと、キャリア基板ホルダに保持されたキャリア基板によって支持されたマイクロデバイスアレイ、並びに転写先基板ホルダに保持された転写先基板は、自由度6で互いに対して正確に移動させることができる。アクチュエータアセンブリ110は、多くの可能な構成のうちの1つであり、任意の数の構成要素を含むことができることを理解されたい。例えば、
図1に説明された特定の実施形態は、下部アセンブリ104内だけにx−yステージ112を説明しているが、上部アセンブリ102の関節転写ヘッドアセンブリ106は、x−yステージ112に加えて、又はその代わりに、x−yステージ上に取り付けできることが想到される。したがって、本発明の実施形態に係る、構成要素間の空間的関係を少なくとも自由度6で調整することが可能な種々の構成が想到される。
【0030】
アクチュエータアセンブリ110の構成要素を共有することに加えて、上部アセンブリ102及び下部アセンブリ104はまた、例えば、システム構成要素間の接触などの空間的関係を感知すること、及び、システム構成要素の位置合わせを容易にするためにアクチュエータアセンブリ110と連携して動作すること、を意図されている様々なセンサを含むことができる。例えば、下向き撮像装置126及び上向き撮像装置128は、構成要素がその範囲内で調整することができる基準系を確立するために、位置合わせツール130を使用して相互に位置合わせできる。同様に、位置センサ(図示せず)は、大量転写ツール100内に統合され、構成要素がその範囲内で調整され得る基準系を確立するために、キャリッジ120及び関節転写ヘッドアセンブリ106に対して取り付けることができる。各種センサは、基準系内の構成要素の位置を検出し、それに応じてシステム構成要素を制御する目的で、入力を受信し処理することができるコンピュータシステム150にフィードバックを提供するために使用することができる。これら及び他のセンサは、以下でより詳細に説明する。
【0031】
様々な構成要素及びサブアセンブリは、例えば、ガントリ113、ベース114、側面支柱116、ブラケット118、及び他の構造の接合具の使用を介して、様々な方法で結合することができる。したがって、
図1に示される大量転写ツール100は、本発明の範囲に係るシステムの一部となり得る全ての構成要素を網羅するものではなく、また説明はこの点において限定的であると考慮すべきではないことを理解されたい。上位のレベルで大量転写ツール100を説明してきたが、大量転写ツール100の構成要素及び構造体についてより具体的に詳細に論じる。
【0032】
図2を参照すると、本発明の実施形態に係る関節転写ヘッドアセンブリを含む大量転写ツールの上部アセンブリ部の底部斜視図が、示されている。上述のように、大量転写ツール100は、静電転写ヘッドアレイ204を受容する交換可能な基板200を支える関節転写ヘッドアセンブリ106を含むことができる。基板200は、関節転写ヘッドアセンブリ106に取り付けられて示されている。より具体的には、基板200は、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に取り付けられている。基板200は、構造的な支持を提供することができるシリコン、セラミックス、及びポリマーなどの様々な材料から形成することができる。一実施形態において、基板200は、更に、静電転写ヘッドアレイ204と接続する配線又はビアを含む。各転写ヘッドは、更に、メサ構造体及びメサ構造体上に形成されるか又はメサ構造体と一体的に形成することができる電極、並びに電極を覆う誘電体層を含むことができる。以下に説明するように、静電転写ヘッドアレイ204は、キャリア基板(図示せず)上に配置されたマイクロデバイスのピッチの整数倍に一致するように選択されたピッチで形成することができる。一実施形態では、静電転写ヘッドアレイ204は、関連する米国特許出願第13/372,277号、13/466,966号、13/481,592号、13/543,675号、及び13/543,684号に記載された転写ヘッドアレイのいずれかであり、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。基板200はまた、以下に説明するように、基板200の正確な位置決め及び位置合わせを可能にするために1つ以上の基準マーク206を含むことができる。
【0033】
関節転写ヘッドアセンブリは、筐体210に包含されることができる。筐体210は、外部の物体から関節転写ヘッドアセンブリ106を分離することによって、それを保護することができる。また、筐体210は、以下に更に説明するような、フレクシャ及び軸アクチュエータ等のアクチュエータアセンブリ110の構成要素を支持することができる。これらのアクチュエータアセンブリ110の構成要素は、関節転写ヘッドアセンブリ106の移動を容易にし得る。少なくとも一実施形態では、筐体210及び関節転写ヘッドアセンブリ106は、相互に移動することができる。各種アクチュエータによって関節転写ヘッドアセンブリ106に結合されることに加えて、筐体210はまた、他のアクチュエータアセンブリ110の構成要素の一部であるか、又はそれに結合されるか、のいずれかである取付板212に結合することができる。例えば、取付板212は、筐体210及び関節転写ヘッドアセンブリ106の作動を可能にするために三脚111に結合することができる。
【0034】
上述のように、大量転写ツール100は、距離を測定して検出し、したがって、アクチュエータアセンブリ110の調整を支援する制御フィードバックを提供するための様々なセンサを含むことができる。
図2は、関節転写ヘッドアセンブリ106に含まれるそのような一つのセンサ、即ち、位置センサ208を示している。位置センサ208は、コンピュータシステム150と直接的又は間接的に通信するための位置センサリード214を有し得る。位置センサ208は、取付面202とほぼ同一平面である先端部で終了することができる。また、位置センサ208の先端部は、取付面202に対して固定することができる。結果として、位置センサ208は、取付面202に対して面までの距離を検出することができる。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係が、アクチュエータアセンブリ110によって調整される際に、位置センサ208は、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202とキャリア基板ホルダ108との間の距離に関するフィードバックを提供することができる。このフィードバックは、例えば、大量転写ツールの状態のユーザへの視覚的表示を提供するために情報であってもよいし又は、アクチュエータアセンブリ110の動きを制御するためのポジティブフィードバックループの一部であってもよい。
【0035】
関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係の感知に加えて、位置センサ208は、他の構成要素間の空間的関係を感知するために使用することができる。例えば、位置センサ208は、取付面202に取り付けられた基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイ204と、キャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板との間の距離を、直接的又は間接的に感知するために、使用することができる。
【0036】
一実施形態では、位置センサ208は、日本の大阪のキーエンス社製マイクロヘッドスペクトル干渉レーザ変位計などの分光干渉レーザ変位計を含むことができる。スペクトル干渉レーザ変位計の使用は、計器の較正を必要とすることなく、絶対的な変位測定の利点を提供する。例えば、基板200が動作中に交換される際、そのような機能は、大量転写ツールの位置合わせに要する時間がより少ないため、本明細書に記載の用途において効率が増大する利点を提供することができる。更に、スペクトル干渉レーザ変位計は、感知場所間の再校正を必要とせずに、複数の表面を感知することができる。それにもかかわらず、位置センサ208は、近接センサ、光センサ、及び超音波センサを含む、他のタイプのセンサを含むことができることを当業者は理解されたい。
【0037】
図3を参照すると、本発明の実施形態に係る、関節転写ヘッドアセンブリを有する大量転写ツールの上部アセンブリ部分の斜視図が、示されている。この図では、基板200は、取付面202に取り付けられていない。したがって、上述のように、少なくとも一実施形態において、基板200は、取付面202から着脱自在に取り付けられ、かつ取り外すことができる。一実施形態では、取付面202は、取付面202に対して配置された対象を吸引するための真空源(図示せず)と連結された少なくとも1つの真空ポート302を含むことができる。より具体的には、基板200は、取付面202に対して配置されたとき、1つ以上の真空チャネル304内の負圧を生成するために、真空ポート302を通って吸引がなされる。図示のように、真空チャネル304は、吸引領域を生成するために、交差するラインのパターンに形成することができる。したがって、基板200は、真空チャネル304と周囲の大気との圧力差によって、取付面202に押し付けられる。その結果、基板200は、取付面202に取り付けられる。真空源が切断され、又は、真空チャネル304内の負圧が基板200を保持するには不十分であるとき、取り付けが解放され、基板200を除去することができる。
【0038】
図3に示すように、取付面202は通常平坦とすることができるが、そうではなくて、取付面202は様々な輪郭を有してもよいことを理解されたい。例えば、一実施形態では、取付面202は、基板200が載ることができる基準の外観を提供するために、楔形か、又は他の輪郭としてもよい。即ち、楔形の取付面202及び楔形の基板200のとき、基板200は、楔形の輪郭内に着脱するたびに、同じ角度向きに向き付けられていることが分かることになる。
【0039】
図4を参照すると、本発明の実施形態に係る、関節転写ヘッドアセンブリを有する大量転写ツールの上部アセンブリの一部を
図2のA−A線について見た断面斜視図が、示されている。基板200は、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に取り付けられて示されている。一実施形態では、取付面202は、ヒータ400に熱的に結合されている。例えば、ヒータ400は、電流の印加に応答して熱を発生させるヒータ棒のような1つ以上の加熱要素402を含むことができる。加熱素子402は、基板200に熱を伝達するために、温度を増加させることができる。例えば、熱は、金属ブロック(図示せず)を介して伝導させることができる。あるいは、熱は、介在する空隙を横切る対流又は放射の加熱によって基板200に伝達することができる。一態様では、ヒータ400は、取付面202の温度を約50〜500℃の範囲に上昇させるように構成することができる。より具体的には、ヒータ400は、取付面202の温度を約100〜350℃の範囲に上昇させるように構成することができる。他の温度及び温度範囲が、本開示の範囲内で想到され得ることを理解されたい。
【0040】
取付面202の加熱が、基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイ204への熱伝達をもたらし、それ故に、静電転写ヘッドアレイが接触するマイクロデバイスアレイに熱が伝達されることを理解されたい。更に後述するように、この熱は、キャリア基板からのマイクロデバイスの除去、及び/又は転写先基板へのマイクロデバイスの載置を促進することができる。
【0041】
上述のように、関節転写ヘッドアセンブリ106又はその一部は、アクチュエータアセンブリ110の1つ以上の構成要素を介して、筐体210などの大量転写ツール100の周囲の構造体に結合してもよい。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106は、フレクシャ404により、大量転写ツール100の筐体210に結合することができる。フレクシャ404は、フレクシャの内縁に沿って関節転写ヘッドアセンブリ106に固定することができる。同様に、フレクシャ404は、外側の縁に沿って、又は締結具の穴を通って、のいずれかによって、大量転写ツール100の筐体210に固定してもよい。したがって、関節転写ヘッドアセンブリ106は、フレクシャ404の撓みを介して筐体210に対して移動可能である。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106の上面を画定することができるプレート416は、筐体210に取り付けられた位置センサ414に対して移動することができる。更に、以下に説明するように、転写ヘッドアセンブリ106の移動は、少なくとも一実施形態において、取付面202が屈曲面に平行であり得るため、取付面202に直交する方向に拘束することができる。しかし、いくつかの実施形態では、取付面202は非平面状表面を形成することができる。したがって、少なくとも一実施形態では、フレクシャ404は、取付面202と平行か又は平行でない静電転写ヘッドアレイ204の接触面205のアレイ(
図6B参照)と直交する方向に転写ヘッドアセンブリ106の移動を制限することができる。
【0042】
一実施形態では、第2のフレクシャ404’は、以下のように、関節転写ヘッドアセンブリ106の移動を更に制限するために使用することができる。フレクシャ404’は、フレクシャ404’と同様の形状及び構成を含むことができる。更に、フレクシャ404’は、フレクシャ404と同じ又は異なる構造体に結合することができる。一実施形態では、フレクシャ404’の屈曲面は、フレクシャ404の屈曲面に実質的に平行に向き付けることができる。その結果、フレクシャ404及びフレクシャ404’は、取付面202の動きを同じ方向に制約することができる。
【0043】
転写ヘッドアセンブリ106の動きは、少なくとも2つの方法で行うことができることを理解されたい。まず、取り付けられた基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイが、駆動されて別の物体又は表面、例えば、キャリア基板に支持されたマイクロデバイスアレイに追突するように、関節転写ヘッドアセンブリ106が駆動される際、衝突の反力は取付面202にバイアス荷重をかけ、それがフレクシャ404の撓みに変わり得る。第2に、取付面202を有する関節転写ヘッドアセンブリ106は、アクチュエータアセンブリ110の軸方向アクチュエータ406の構成要素などの、他のアクチュエータ構成要素によって駆動することができる。一実施形態では、軸方向アクチュエータ406は、リニアアクチュエータを含むことができる。例えば、軸方向アクチュエータ406は、ボイスコイルアクチュエータを含むことができる。ボイスコイルアクチュエータでは、電流は軸方向アクチュエータ406のボイスコイルを通過して、軸方向アクチュエータが直線的に延びるように永久磁石を駆動する磁場を発生させることができる。リニアモータ、油圧ピストン、及び軸方向運動を発生させる他のアクチュエータなどの他のアクチュエータを使用することができることを理解されたい。一態様では、フレクシャ404は、転写ヘッドアセンブリに大きな横荷重を付与するアクチュエータであっても、軸方向アクチュエータ406の機能を実行するために使用することができるように、単一の方向に沿って転写ヘッドアセンブリ106の移動を拘束する。
【0044】
図5を参照すると、本発明の実施形態に係る、フレクシャの斜視図が、示されている。この実施形態では、フレクシャ404は、外縁502、内縁504、及びその間に挟まれた屈曲面506を含むディスク形状を有している。屈曲面506に沿って、スロット付き領域の局所的な柔軟性を増大させるために、一つ以上のスロット508を形成することができる。例えば、内縁504と外縁502との間の環状領域に配置された複数の同心円状に形成されたスロット508は、屈曲面510を生成することができる。屈曲面510は、フレクシャの撓みを一つの方向に制約することができる。より具体的には、屈曲面510は、外縁502に対する内縁504の動きを、内縁504及び外縁502の双方が同心円上に配置されている軸に沿った方向に制限することができる。
【0045】
図6Aに示すように、本発明の実施形態に係る、静電電圧源接続部を有する大量転写ツールの関節転写ヘッドアセンブリ部の一部の断面図が、示されている。静電電圧源接続部410は、静電転写ヘッドアレイ204を用いて静電気力を生成するために使用することができる。一実施形態では、静電電圧源接続部410は、コンタクト604、膝部606、及びベースクリップ608を有する弾性導体602を含むことができる。ベースクリップ608は、接点604に電圧を伝達するために、大量転写ツール100の配線に取り付けることができる。ベースクリップ608及び接点604は、弾性導体602の末端に配置することができ、膝部606によって分かれている。膝部606は、弾性導体602用の屈曲面を提供することができる。膝部606の形状及び静電電圧源接続部410を構成するために使用される材料の選択により、膝部606は弾性的に圧縮できるものとする。つまり、基板200は、取付面202に取り付けられ、接点604を押圧したとき、膝部606は撓むことができる。上述のように、基板200は、取付面202に形成された真空ポート302を介して、基板200を吸引することによって、取付面202に取り付けることができ、この吸引は、基板200に印加される保持力並びに弾性導体602上の圧縮荷重の両方を提供することができる。したがって、基板200に印加される保持力は、接点604で弾性導体602に伝達され、膝部606で材料の変形と撓みを引き起こすのに十分な荷重を発生させるために、膝部606が撓むのである。基板200を除去すると、膝部606が緩み、接点604は、取付面202を越えて伸長し、ベースクリップ608から離れることができる。したがって、膝部606は、大量転写ツール100の動作中に、接点604が電気的接触を維持するのに十分な力で基板200を押圧することを可能にするエネルギーを格納する。結果として、少なくとも一実施形態において、膝部606はまた、真空ポート302を介した真空状態を中止することによって吸引が除去されたとき、基板200を除去するための排出機構として、機能することができる。
【0046】
膝部606は、弾性導体602が基板200に適切に接触することを確実にするために、弾性構造体を提供する一つの方法を表すだけであることを理解されたい。弾力性のある構造体を提供する他のとりうる形状は、構造体全体の弾性変形を助長する螺旋状、弓状、ジグザグ及びその他の形状を含む。更に、バネ仕掛けの接触ピンなどの他の構造体が、適切な電気的接触が静電電圧源と基板との間になされることを確実にするために、弾性構造体の代わりに使用することができる。
【0047】
一実施形態では、静電電圧源接続部410は、導電性材料から部分的に又は全体的に形成することができる。たとえば、静電電圧源接続部410は、ベリリウム銅合金から形成することができる。材料は、弾性導体602の弾性構造体を生成するために、型打ちされたり、曲げられたり、巻かれたり、又は他の処理をされてもよい。
【0048】
図6Bは、本発明の一実施形態に係る、取付面202に取り付けられ、一つ以上の静電電圧源接続部410と電気的に接続された静電転写ヘッドアレイ204の支持基板200の概略側面図である。電圧源接続部410は、単一の電圧源又は別々の電圧源に接続されてもよい。一つ以上の電圧源は、定電流電圧又は交流電圧を印加することができる。一実施形態では、交流電圧が各静電転写ヘッド内の双極電極構造体に印加される。図示のように、一つ以上の静電電圧源接続部410の静電転写ヘッドアレイ204への電気的結合は、例えば、ビア構造体207を経由して、又は、接点604のポイントから基板200の中を通って静電転写ヘッドアレイ204に至る配線を介して、なされることができる。あるいは、電気的結合は、接点604のポイントから基板200の上を通って、静電転写ヘッドアレイ204に至る配線によって、なされることができる。
【0049】
図7を参照すると、本発明の実施形態に係る、キャリア基板ホルダ及び転写先基板ホルダを有する大量転写ツールの下部アセンブリの斜視上面図が、示されている。下部アセンブリ104の部分は、大量転写ツール100のキャリッジ120に連結されて、マイクロデバイスアレイを支持するキャリア基板706を保持するように構成することができるキャリア基板ホルダ108を含む。一実施形態では、キャリア基板706は、キャリア基板ホルダ108の凹部内に載置される。例えば、キャリア基板ホルダ108は、上面に形成された座ぐりを含むことができ、この座ぐりは、キャリア基板706の輪郭に適合し、それよりわずかに大きい輪郭を有する。
【0050】
別の実施形態では、キャリア基板706は、能動的にキャリア基板ホルダ108内に保持されることができる。例えば、キャリア基板706は、更に後述するように、真空源に結合された真空ポートを含む保持面上に載置することができる。キャリア基板706が保持面上に載置されたときに、真空ポートによって、キャリア基板706に吸引を適用することができる。能動的にキャリア基板706を保持する別の方法が、本開示の範囲内で想到され得ることを理解されたい。例えば、キャリア基板ホルダ108は、キャリア基板ホルダ108内にキャリア基板706を保持するために、キャリア基板706の表面を押圧する把持部を有する万力のようなチャックを含むことができる。これらの代替実施形態のそれぞれは、キャリア基板ホルダ108内にキャリア基板706の位置を保持し、安定化させる機能を果たすことができる。
【0051】
一実施形態では、キャリア基板ホルダ108に結合された力計704がある。例えば、キャリア基板ホルダ108は、様々な留め具を使用して、力計704のプレートに固定することができる。その結果、力計704は、キャリア基板ホルダ108に印加される力を測定することができる。荷重がキャリア基板ホルダ108に印加されていないとき、力計704は、キャリア基板ホルダ108の重量を測定することになる。キャリア基板706がキャリア基板ホルダ108上に載置されると、力計704は、ひいては、キャリア基板706とキャリア基板ホルダ108の累積重量を測定することになる。更に、関節転写ヘッドアセンブリ106の静電転写ヘッドアレイ204が、軸方向アクチュエータ406によって駆動されて、キャリア基板706に追突するなどの追加の力が印加されたとした場合、次に、力計704は、累積重量及び関節転写ヘッドアセンブリ106によってキャリア基板ホルダ108に印加された力を測定することになる。様々な仕様の力ゲージは、本開示の範囲内で使用することができるが、少なくとも1つの実施形態では、力計704は、少なくともマイクログラムの分解能で測定することができることを理解されたい。
【0052】
キャリア基板ホルダ108は、本明細書の範囲内で、追加の特徴を含むことができることを理解されたい。例えば、キャリア基板ホルダ108は、キャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板706を傾斜させるか、そうでなければ、キャリア基板の向きを調整することができるジャックねじ(図示せず)を含むことができる。この特徴及び他の特徴は、本開示の範囲内で当業者によって想到されるであろう。
【0053】
更に
図7を参照すると、下部アセンブリ104の部分は、大量転写ツール100のキャリッジ120に結合された転写先基板ホルダ124を含むことができる。一実施形態では、転写先基板714は、転写先基板ホルダ124の凹部内に載置される。例えば、転写先基板ホルダ124は、上面に形成された座ぐりを含むことができ、この座ぐりは、転写先基板714の輪郭に適合し、それよりわずかに大きい輪郭を有する。
【0054】
別の実施形態では、転写先基板714は、能動的に転写先基板ホルダ124内に保持することができる。例えば、保持面は、更に後述するように、真空源に結合された真空ポートを含む。転写先基板714が保持面上に載置されたときに、真空ポートによって、転写先基板714に吸引を適用することができる。能動的に転写先基板を保持する別の方法が、本開示の範囲内で想到され得ることを理解されたい。例えば、転写先基板ホルダ124は、転写先基板ホルダ124内の転写先基板を保持するために、転写先基板714の表面を押圧する把持部を有する万力のようなチャックを含むことができる。これらの代替実施形態のそれぞれは、転写先基板ホルダ124内の転写先基板714の位置を保持し、安定化させる機能を果たすことができる。
【0055】
一実施形態では、転写先基板ホルダ124に結合された力計712がある。例えば、転写先基板ホルダ124は、様々な留め具を使用して、力計712のプレートに固定することができる。その結果、力計712は、転写先基板ホルダ124に印加される力を測定することができる。荷重が転写先基板ホルダ124に印加されていないとき、力計712は、転写先基板ホルダ124の重量を測定することになる。したがって、転写先基板714が転写先基板ホルダ124上に載置されると、力計712は、転写先基板714と転写先基板ホルダ124の累積重量を測定することになる。更に、関節転写ヘッドアセンブリ106の静電転写ヘッドアレイ204が、軸方向アクチュエータ406によって駆動されて、転写先基板714に追突するなどの追加の力が印加されたとした場合、力計は、累積重量及び関節転写ヘッドアセンブリ106によって転写先基板ホルダ124に印加された力を測定することができる。様々な仕様の力ゲージは、本開示の範囲内で使用することができるが、少なくとも1つの実施形態では、力計712は、少なくともマイクログラムの分解能で測定することができることを理解されたい。
【0056】
転写先基板ホルダ124は、本明細書の範囲内で追加の特徴を含むことができることを理解されたい。例えば、転写先基板ホルダ124は、転写先基板ホルダ124に保持された転写先基板714を傾斜させるか、そうでなければ、転写先基板の向きを調整することができるジャックねじ(図示せず)を含むことができる。この特徴及び他の特徴は、本開示の範囲内で当業者によって想到されるであろう。
【0057】
図8を参照すると、本発明の実施形態に係る、キャリア基板ホルダと転写先基板ホルダとを有する大量転写ツールの下部アセンブリ部分を
図7のB−B線について見た断面斜視図が示されている。一実施形態では、キャリア基板ホルダ108は、保持面802上のキャリア基板706を受容する。保持面802は、溝であっても、又は他の形状又は形状の組み合わせであってもよい。例えば、保持面802は、平坦な表面であってもよい。また、上述のように、保持面802は、能動的にキャリア基板706を保持する真空を適用するための真空ポート(図示せず)を含むことができる。
【0058】
キャリア基板ホルダ108によって保持されるときに、キャリア基板706は、熱分配プレート804の近くに置くことができる。熱分配プレート804は、熱伝導のために、例えばアルミニウム又はシリコンカーバイドなどの金属から、形成されてもよい。したがって、熱分配プレート804を介してヒータ806からキャリア基板706に熱を容易に伝達できることにより、キャリア基板706から静電転写ヘッドアレイ204へのマイクロデバイスの転写が容易になる。ヒータ806は、多数の異なる構成を有する加熱要素とすることができる。例えば、ヒータ806は、電気ディスクヒータ(electric disc heater)とすることができる。あるいは、ヒータ806は、放射加熱器とすることができる。一実施形態では、ヒータ806からキャリア基板706に伝達された熱は、約100〜200℃の温度範囲にキャリア基板706の温度を上昇させることができる。別の実施形態では、キャリア基板706の温度は、約140〜180℃の温度範囲に増加させることができる。更に別の実施形態では、転写先基板714の温度は約150℃の温度に増加させることができる。
【0059】
一実施形態では、転写先基板ホルダ124は、保持面810上に転写先基板714を受容する。保持面810は、溝であっても、又は他の形状又は形状の組み合わせであってもよい。例えば、保持面810は、平坦な表面であってもよい。更に、上述のように、保持面810は、能動的にキャリア基板706を保持する真空を適用するための真空ポート(図示せず)を含むことができる。
【0060】
転写先基板ホルダ124によって保持されるときに、転写先基板714は、熱分配プレート812の近くに置くことができる。熱分配プレート812は、良好な熱伝導特性を有する、例えばアルミニウム又はシリコンカーバイドなどの金属から形成されてもよい。したがって、ヒータ814から転写先基板714に熱を容易に伝達できることにより、静電転写ヘッドアレイ204から転写先基板714へのマイクロデバイスの転写が容易になる。ヒータ814は、多数の異なる構成を有する加熱要素とすることができる。例えば、ヒータ814は、電気ディスクヒータとすることができる。あるいは、ヒータ814は、放射加熱器とすることができる。一実施形態では、ヒータ814から転写先基板714に伝達された熱は、転写先基板714の温度を、室温と約250℃との間の温度範囲に上昇させることができる。別の実施形態では、転写先基板714の温度は約100〜200℃の温度範囲に増加させることができる。別の実施形態では、転写先基板714の温度は約150℃の温度に増加させることができる。
【0061】
上述の説明に照らして、関節転写ヘッドアセンブリ106に取り付けられた基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイ204を用いて、マイクロデバイスアレイを、キャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板706から、転写先基板ホルダ124に保持された転写先基板714に転写するために、関節転写ヘッドアセンブリ106が基板ホルダに対して移動できることは明らかである。より具体的には、様々な大量転写ツール100の構成要素間の相対運動及び空間的関係は、マイクロデバイスアレイの転写が容易になるように調整することができる。より具体的には、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係は自由度6で調整することができ、これによって、これらの構成要素に固定又は結合された任意の構成要素との間の完全な空間上の関節動作(articulation)を可能にする。空間的関係の調整は、様々なアクチュエータアセンブリ110の構成要素によって行うことができる。
【0062】
上述のように、下部アセンブリ104は、ガントリ113、ベース114、又は側面支柱116などの基準点に対するキャリア基板ホルダ108の調整をするために、キャリア基板ホルダ108に結合されたアクチュエータアセンブリ110の構成要素を含むことができる。例えば、下部アセンブリ104は、2つの軸に沿って直線的に移動するアクチュエータを有するアクチュエータアセンブリ110の構成要素を含むことができる。これらのアクチュエータは、キャリッジ120に結合されたx−yステージ112とすることができる。これによって、キャリッジ120に搭載されたキャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板200は、自由度2の完全な制御下で、単一の平面内で平行移動することができる。ステージは、このようにして、キャリッジ及びこれに結合された構成要素に対して並進運動を付与することができる。このようなアクチュエータは、単独で、静電転写ヘッドアレイ204とキャリア基板706との間の調整を自由度2で可能にする。
【0063】
図9を参照すると、本発明の実施形態に係る、三脚のアクチュエータを有する大量転写ツールの上部アセンブリ部分の斜視図が、示されている。一実施形態において、上部アセンブリ102は、ガントリ113、ベース114、又はサイドビーム116などの基準点に対する関節転写ヘッドアセンブリ106の調整をするために、関節転写ヘッドアセンブリ106に結合されたアクチュエータアセンブリ110の構成要素を含むことができる。上部アセンブリ102の部分は、少なくとも一つの自由軸を提供する1つ以上のアクチュエータを含むことができる。例えば、アクチュエータは、3つのリニアアクチュエータ902を有する三脚アクチュエータ111の一部であってもよい。3つの線形アクチュエータの場合には、各リニアアクチュエータ902が後退又は伸長して、ベースプレート906に対する軸周りに取付板212を回転させることができる。同様に、全てのアクチュエータ902は、ベースプレート906に直交する軸に沿って取付板212の直線運動を引き起こすために連携して動くことができる。
【0064】
直線運動の軸を追加することにより、取付板212はベースプレート906に対して、前後及び左右の傾斜(tilt, tip)、伸長、又は後退する方向に運動することができるだけではないことを理解されたい。例えば、6つのリニアアクチュエータ(図示せず)を有する六脚アクチュエータの場合には、回転運動は、ベースプレート906と直交する軸の周りに取付板212を回転させるように実現することができる。もちろん、この回転運動は、ベースプレート906と大量転写ツール100の別の部分との間に、ステッピングモータなどの回転アクチュエータ(図示せず)を付加することによっても達成することができる。したがって、当業者であれば、任意の数のアクチュエータが、取付板212とベースプレート906との間の自由度を増加するために追加することができることを理解するであろう。
【0065】
リニアアクチュエータ902は、直線運動を発生させることができるリニアモータ、油圧ピストン、及び他のアクチュエータを含むことができる。軸に沿った点の移動が軸上の位置に関して画定することができる、即ち、その軸方向の位置が自由度1を有するので、自由度の一つの軸は自由度1を提供することを当業者は理解するであろう。リニアアクチュエータ902は、また、取付板212と連結する端部と、ベースプレート906と連結する端部とを含むことができる。ベースプレート906は、ブラケット118を介してガントリ113に三脚アクチュエータ111を固定するために用いることができ、それによって、取付板212の移動のための基準点を生成する。リニアアクチュエータ902は、留め具、ヒンジ、又は他の結合を介してプレートに結合することができる。したがって、それぞれの軸に沿ったリニアアクチュエータ902の作動は、取付板212上の点と、ベースプレート906上の点との間の相対位置の変化を発生する。このように、各リニアアクチュエータ902は、ベースプレート906に対して取り付け板212に少なくとも自由度1を提供する。上述のように、関節転写ヘッドアセンブリ106は、取り付け板212に固定することができるので、三脚のアクチュエータ111は、関節転写ヘッドアセンブリ106をベースプレート906、ガントリ113、又は他のシステム構成要素に対して移動するために使用することができる。
【0066】
アクチュエータアセンブリ110は、本開示の範囲内で、上述したものとは異なるアクチュエータを含むことを理解されたい。例えば、上述の説明は、例えばフレクシャ404などのパッシブアクチュエータ、及び、例えば三脚アクチュエータ111、軸方向アクチュエータ406、x−yステージ112などのアクティブなアクチュエータについて触れた。しかし、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係の更なる制御を提供するために、他のアクチュエータがアクチュエータアセンブリ110に含まれ得ることを、当業者は理解するであろう。限定ではなく例として、アクチュエータアセンブリ110は、電気モーター、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、櫛歯ドライブ、圧電アクチュエータ、熱バイモルフを含むことができる。
【0067】
前述の説明から、システム構成要素間の運動、より具体的には、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108と転写先基板ホルダ124との間の運動は、アクチュエータアセンブリ110によって提供できることは分かるであろう。アクチュエータアセンブリ110によって提供される正確な動作は、大量転写ツール100を通じた各種センサからのフィードバック入力に基づいて、コンピュータシステム150によって制御することができる。これらの各種センサやその動作モードは以下で更に説明される。
【0068】
図10を参照すると、本発明の実施形態に係る、センサを有する大量転写ツールの下部アセンブリの斜視図が、示されている。大量転写ツールは、1つ以上の撮像装置126、128を含むことができる。例えば、撮像装置126は、上部アセンブリ102に結合され、関節転写ヘッドアセンブリ106の近くに位置することができる。一実施形態では、撮像装置126は、関節転写ヘッドアセンブリ106に対して固定することができる。更に、撮像装置128は、下部アセンブリ104に結合することができ、キャリア基板ホルダ108の近くに位置することができる。一実施形態では、撮像装置128は、キャリア基板ホルダ108に対して固定することができる。したがって、一実施形態においては、関心のある新しい場所を検視するためのいずれかの撮像装置の動きは、関連する関節転写ヘッドアセンブリ106又はキャリア基板ホルダ108の対応する動きを生じる。このように、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の相対運動は、撮像装置126、128の動きに基づいて決定することができる。
【0069】
撮像装置128は、基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイ204内の単一の静電転写ヘッドを検視するために、十分な解像度及び焦点範囲を有するカメラを含むことができる。例えば、カメラは1マイクロメートル未満の寸法の解像を可能にする画像の解像度を有することができる。撮像装置126は、キャリア基板704によって支持される単一のマイクロデバイスを検視するために十分な解像度と焦点範囲を有するカメラを含むことができる。
【0070】
別の実施形態では、上部及び下部アセンブリ102、104のそれぞれに配置された複数の撮像装置があってもよい。例えば、各サブアセンブリは、高倍率カメラ126、128と、低倍率カメラ1002、1004とを含むことができる。限定ではなく一例として、低倍率カメラの1102、1004は、アクチュエータアセンブリ110の大まかな調整及び移動を制御するためにコンピュータシステム150へフィードバック入力を提供する目的で使用することができる一方で、高倍率カメラの126、128は、アクチュエータアセンブリ110の精細な調整及び移動を制御するためにコンピュータシステム150にフィードバック入力を提供する目的で使用することができる。
【0071】
また、撮像装置126、128は、上下のサブアセンブリ102、104又はそれに付属した構成要素の位置に関するフィードバックを提供するための一つの代替手段表すのに過ぎないことを理解されたい。他のデバイスが本開示の範囲内で想到され得る。例えば、大量転写ツール100は、撮像装置の利用よりもむしろ、関節転写ヘッドアセンブリ106及びキャリア基板ホルダ108を位置合わせするための容量性近接センサを含むことができる。他の代案は、大量転写ツール100の機能に関する以下の説明から明らかになるであろう。
【0072】
撮像装置126、128は、アクチュエータアセンブリ110のための基準点を確立しアクチュエータアセンブリ110の動作を制御するために使用できるデータを生成するために、システム構成要素上の関心のある特徴と場所、例えば、基板200上の基準マーク206の識別を容易にし得る。一実施形態では、撮像装置126、128との間の基準点の確立する容易にするために、大量転写ツール100は、位置合わせツール130を含むことができる。一実施形態では、位置合わせツールは、基準マーク1006を含む。例えば、基準マーク1006は、位置合わせブラケット1010によって支持される透明板1008(例えば、ガラス)の一部とすることができる。より具体的には、基準マーク1006を有する板1008は、上方視野撮像装置(upward-viewing imaging device)128と下方視野撮像装置(downward-viewing imaging device)126との間に位置することができる。一実施形態では、板1008は2つの平面の間に配置することができ、1つの面は、ほぼ上方視野撮像装置128の撮像面とほぼ合致し、他の面は、下方視野撮像装置126の撮像面とほぼ合致する。撮像面は、デジタルカメラの電荷結合素子(CCD)画像センサ面と同一平面上にあるものとして画定することができる。したがって、基準マーク1006は、上方視野撮像装置128と下方視野撮像装置126両方により、同時又は異なる時点で検視することができる。
【0073】
基準マーク1006は、いくつかの異なる方法を用いて形成することができることを理解されたい。例えば、基準マーク1006は、インク又はレーザ印刷プロセスを用いて板1008に印刷することができる。あるいは、基準マーク1006は、例えば、フッ化物化合物などの酸性エッチング液を用いて、プレート1008内にエッチングすることができる。また、苛性又は研磨エッチング剤が、基準マーク1006を形成するために用いることができる。
【0074】
一実施形態では、基準マーク1006は非対称パターンを含む。例えば、基準マーク1006は、数字の直立状態から左に曲がり右には曲がっていない番号「1」の上部に類似してもよい。また、基準マーク1006は、垂直方向と水平方向のラインの中点以外の点で交差する十字パターンであってもよい。したがって、高倍率で検視するときに、基準マーク1006はその向きに関連する情報を提供する。例えば、カメラで検視するとき、数字「1」の曲がりが大量転写ツール100の前方に向くことが知られている場合、基準マーク1006は、大量転写ツールの向きに対する画像の向きに関する情報を提供するであろう。
【0075】
以下に更に説明するように、撮像センサ126、128が、構成部品を位置合わせするために、基準系を確立し、アクチュエータアセンブリ110の移動を可能にする目的で、基準マークの認識を容易にし得ることを以下で更に説明するが、大量転写ツールの構成要素の相対位置に関するフィードバックを提供するために、大量転写ツール100の中に追加の位置センサが含まれ得ることを理解されたい。一つのそのような位置センサ208は既に上述である。別の実施形態では、位置センサ1011は、アクチュエータアセンブリ110の調整に役立つフィードバック入力を提供するために、キャリア基板ホルダ108の近くに取り付けることができる。例えば、位置センサ1011は、保持面802(
図8)即ちキャリア基板ホルダ108の表面とほぼ同一平面上にある先端部で終端することができる。したがって、位置センサは、キャリア基板ホルダ108に対する表面までの距離を検出することができる。例えば、位置センサは、これらの構成要素が相互に調整されるときに、キャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板706と、関節転写ヘッドアセンブリ106に取り付けられた基板200との間の距離に関するフィードバックを提供することができる。
【0076】
システム構成要素の相対位置を検出することに加えて、大量転写ツールの各種センサは、システム構成要素の撓み及び接触を感知するために使用することもできる。
図11によれば、本発明の実施形態に係る、関節転写ヘッドアセンブリを有する大量転写ツールの上部アセンブリ部分の概略側面図が、示されている。この図は、以前上記
図4に示した大量転写ツール部分の概略図を示す。基板200は、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に取り付けられている。関節転写ヘッドアセンブリ106は、1つ以上のフレクシャ404、404’により大量転写ツールの筐体210に連結されたプレート416を含む。関節転写ヘッドアセンブリ106の両方の部分が移動できるが、フレクシャ404、404’は、以下のようにして、それらを遮断することを理解されたい。即ち、基板200との接触は、移動プレート416を移動させるが、フレクシャ404、404’は、撓んで筐体210に伝達されるいかなる力も弱める。したがって、プレート416は、筐体210に対して移動することができる。更に、位置センサ414は、筐体210と結合することができる。位置センサ414は、検出光がプレート416を感知し、板とその周辺部との間の距離1102の変化に関するフィードバックを提供するように、筐体210に対して固定することができる。位置センサ414によって検出された距離1102が変化するとき、フレクシャ404、404’が撓んだことにより、基板200と他の構造体、例えば、キャリア基板706又は転写先基板714などとの間で接触がなされたか又は解除されたことを示すものと判断できる。一実施形態では、位置センサ414は、50ナノメートルのフレクシャ404の撓み、即ちプレート416と筐体210との間の50ナノメートルの相対運動を検出することが可能な分光干渉レーザ変位センサとすることができる。
【0077】
上述のように、別の実施形態では、キャリア基板ホルダ108と結合された力計704(
図7)は、キャリア基板ホルダ108に印加された荷重を感知し、アクチュエータアセンブリ110を制御するために、これらの荷重に関するフィードバックを提供できる。例えば、キャリア基板ホルダ108に印加された荷重は、静電転写ヘッドアレイ204がキャリア基板706に接触するときに増加するであろう。この荷重の増加は、力計704によって測定することができ、力計704は、アクチュエータアセンブリ110を制御するために、コンピュータシステム150にフィードバック入力を提供できる。上述のように、力計704は、例えば、キャリア基板ホルダ108が搭載されているキャリッジ210と統合することができる。荷重がキャリア基板ホルダ108に保持されたキャリア基板706に印加されたときに感知する他の方法及び他の場所に力計704を取り付けることができることを当業者は認識するであろう。同様に、転写先基板ホルダ124に結合された力計712は、転写先基板ホルダ124に印加された荷重を感知し、アクチュエータアセンブリ110を制御するために、これらの荷重に関するフィードバックを提供することができる。
【0078】
大量転写ツール100の構成要素及び構造体のいくつかの態様を説明してきたが、大量転写ツール100を動作させる方法のいくつかの実施形態について以下に説明する。より具体的には、大量転写ツール構成要素を位置合わせする方法、及び大量転写ツールを使用してマイクロデバイスを転写する方法が記載されている。本明細書の範囲内で、以下の方法が組み合わされて、任意の順序で実行され得ることを理解されたい。更に、すべての動作を行う必要はない。例えば、転写方法は、マイクロデバイスが転写されるたびに発生し得るが、位置合わせ方法は、それよりも少ない頻度で実行できる。
【0079】
更に、大量転写ツールを動作させる次の方法の実施形態は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック、プログラム可能ロジック、マイクロコード等)、ソフトウェア(処理装置上で実行される命令等)、又はそれらの組み合わせを含む処理論理により、実行してもよい。一実施形態では、この方法は、大量転写ツール100及びコンピュータシステム150を含む、大量転写ツールシステムによって実行される。コンピュータシステム150は、大量転写ツール100の外部にあるか、又は大量転写ツールに統合されていてもよい。
【0080】
次に、
図17を参照すると、本発明の実施形態に係る、マイクロデバイスアレイをピックアップする大量転写ツールの動作方法を示すフローチャートが、示されている。例示目的のために、
図17の以下の説明はまた、
図18〜19Dに示す実施形態を参照して説明する。動作1701で、基板200と結合された関節転写ヘッドアセンブリ106と、キャリア基板706を保持するキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係を調整することができる。関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係は、アクチュエータアセンブリ110を用いて調整することができる。空間的関係の調整は、線形又は回転アクチュエータなどの、関節転写ヘッドアセンブリ106及びキャリア基板ホルダ108に結合された1つ以上のアクチュエータの動作又は移動によって行うことができる。更に、この文脈での空間的関係は、キャリア基板ホルダ108に対する関節転写ヘッドアセンブリ106の場所のみならず、キャリア基板ホルダ108に対する関節転写ヘッドアセンブリ106の姿勢又は向きもさすことができる。より具体的には、空間的な関係は、大量転写ツール構成要素間の自由度によって画定することができる。
【0081】
図18は、本発明の実施形態に従って示された、関節転写ヘッドアセンブリとキャリア基板ホルダとの間の空間的関係の調整の概略図である。これは、
図17の動作1701の一態様を示す図である。関節転写ヘッドアセンブリ106は、自由度4で移動可能であるとして示されている。具体的には、関節転写ヘッドアセンブリ106は、z軸1802上に直線的に移動することができ、又は、x軸1804及びy軸1806、並びにz軸1802の周りのx軸回転、y軸回転、及びz回転を行うことができる。同様に、キャリア基板ホルダ108は、自由度2で移動可能であるように示されている。具体的には、キャリア基板ホルダ108は、x’軸1808及びy’軸1810に沿って直線的に移動することができる。少なくとも一実施形態において、x軸はx’軸と位置合わせでき、y軸はy’軸と位置合わせできる。したがって、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の相対的な位置は、各構成要素の位置が示された自由度6内で知られている場合に、記述することができることを考慮して、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係は、自由度6を有するものとして示されている。したがって、この空間的関係は、いずれかの構成要素をそれぞれの自由度で移動させることによって、調整することができる。例えば、キャリア基板ホルダ108は、キャリア基板ホルダ108が接続されているx−yステージ112を移動させることにより、x’軸1808に沿った1つの自由度で移動させることができる。このように、空間的な関係は、大量転写ツール100のアクチュエータアセンブリ110の様々なアクチュエータのいずれかによって調整することができる。この調整により、関節転写ヘッドアセンブリ106と、キャリア基板ホルダ108と、それらに結合された基板200及びキャリア基板706などの構成要素との間の空間的関係が調整されるであろうことを理解されたい。更に、
図18に記載された特定の実施形態は、本発明の実施形態に係る、関節転写ヘッドアセンブリ106の自由度4及びキャリア基板ホルダ108の自由度2を示すが、構成要素間の空間的関係を少なくとも自由度6で調整するための他の構成が、想到されることが理解される。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106も又、x−yステージ上に取り付けることができる。
【0082】
図19は、本発明の一実施形態に係る、関節転写ヘッドアセンブリとキャリア基板ホルダとの間の空間的関係が、調整された後、キャリア基板706上のマイクロデバイスアレイ708の上に位置する静電転写ヘッドアレイ204の側面断面図である。再び
図17を参照すると、動作1705で、基板200によって支持された静電ヘッドアレイ204が、キャリア基板706上のマイクロデバイスアレイと接触させられる。
図19Bは、本発明の実施形態に係る、マイクロデバイスアレイ708と接触している静電転写ヘッドアレイ204の側面断面図である。図示のように、静電転写ヘッドアレイ204のピッチは、マイクロデバイスアレイ708のピッチの整数倍である。接触は、アクチュエータアセンブリ110の一つ以上のアクチュエータを用いて、キャリア基板ホルダ108に向かって関節転写ヘッドアセンブリ106を移動させることによって達成できる。基板200とキャリア基板706の正確な位置合わせによって、基板200とキャリア基板706が互いに実質的に平行に向き付けられている間に、接触がなされることを理解されたい。したがって、接触点において、対向面での横荷重又は撓みは最小限である。これは、静電ヘッドアレイ204と、キャリア基板の表面上に載置された1つ以上のマイクロデバイスとの間の不一致を防ぐことができるので、有益である。それは、また、静電ヘッドアレイ204及び1つ以上のマイクロデバイスへの損傷の危険性を低減する。
【0083】
静電転写ヘッドアレイ204の小さなサイズ及び構造的特徴を考慮すると、静電転写ヘッドアレイ204とキャリア基板706上のマイクロデバイスアレイとの間で接触がいつ行われたかを正確に感知することが重要であり得る。接触は、多数の方法で制御することができる。例えば、関節転写ヘッドアセンブリ106を、それらの構成要素間の計算された位置の差に基づいて、所定の距離だけ、キャリア基板706に向かって移動させるような接触駆動の手順を使用することができる。一実施形態では、接触がいつ行われるかを感知し、アクチュエータアセンブリ110の動きを制御するための関連する信号を提供するために、アクティブフィードバック制御を使用することができる。フレクシャの撓み又は関節転写ヘッドアセンブリの移動などの感知、及びキャリア基板ホルダに結合された力計によって測定された荷重の変化の感知などの、接触を感知するための種々の実施形態が上述されている。
【0084】
動作1710で、静電転写ヘッドアレイ204は、静電電圧源接続部410を介して電圧を静電転写ヘッドアレイ204に印加されることによって活性化することができる。キャリア基板706に接触する前、最中、又は後に、静電転写ヘッド204の電極に電圧を印加できる。一実施形態では、電圧は、定電流電圧又は交流電圧とすることができる。電圧の印加は、マイクロデバイス上での把持圧力を生成してマイクロデバイスのピックアップを可能にする。一実施形態では、約25Vと300Vの間の動作電圧を印加することによって、マイクロデバイスをピックアップするために、1気圧より高い充分な把持圧力(例えば、2〜20気圧)を生成することができる。
【0085】
一実施形態では、熱は、必要に応じて、例えば、キャリア基板にマイクロデバイスアレイを保持する接着層に相変化を生成するために、キャリア基板上のマイクロデバイスアレイに印加することができる。例えば、熱は、関節転写ヘッド106内のヒータ400、及び/又はキャリア基板ホルダ108に接続されたヒータ806から印加することができる。
【0086】
更に
図17を参照すると、動作1715で、マイクロデバイスアレイをキャリア基板706からピックアップすることができる。
図19Cは、本発明の実施形態に係る、マイクロデバイスアレイ708をピックアップする静電転写ヘッドアレイの断面側面図である。一実施形態では、軸方向アクチュエータ406などのアクチュエータが、関節転写ヘッドアセンブリ106をキャリア基板706から離すために使用され、それ故に、取付面202に取り付けられた静電転写ヘッドアレイ204によって把持されたマイクロデバイスアレイのピックアップを生じさせる。あるいは、例えば、軸方向アクチュエータ406などの別のアクチュエータを非通電にしたときに後退力を印加するフレクシャ404などのパッシブアクチュエータを用いて、ピックアップを達成できる。このような実施形態では、非通電は、関節転写ヘッドアセンブリ106に印加される伸長力を除去し、したがって、関節転写ヘッドアセンブリ106は、フレクシャ404の固有のばね力に基づいて、キャリア基板表面806から後退する。
【0087】
マイクロデバイスアレイのピックアップは、接触動作の感知について説明した上述と同様の方法で感知することができる。一実施形態では、アクチュエータアセンブリ110又は筐体210に結合された位置センサ414は、フレクシャ404の撓み、又は関節転写ヘッドアセンブリ106の移動を検出することができる。一実施形態では、キャリア基板ホルダに結合された力計によって測定された荷重の変化は、マイクロデバイスアレイのピックアップを示すことができる。
【0088】
図19Dは、本発明の実施形態に係る、転写先基板714上に解放されたマイクロデバイスアレイ708の側面断面図である。マイクロデバイスアレイ708は、マイクロデバイスアレイ708が解放される前に、転写先基板に接触するまで転写先基板714の上におろすことができる。転写先基板714とマイクロデバイスアレイ708との間の接触は、大量転写ツールの作動を介して行うことができる。更に、動作1705に関して上述のように、接触は、位置センサ又は力計を使用して感知できる。
【0089】
転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置は、高温で実施することができる。それは、例えば、マイクロデバイスアレイ708上及び/又は転写先基板706上の接着層に相変化を生成したり、又は転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置中に接着層の相変化を生成したり、又は接着層を合金化したりするためである。
【0090】
マイクロデバイスアレイが転写先基板714に接触した後、静電電圧源接続部410を介して静電転写ヘッドアレイ204に印加された電圧を除去するか又は変更することにより、マイクロデバイスアレイを転写先基板714上に解放することができる。
【0091】
関節転写ヘッドアセンブリ106は、次に、転写先基板714から離すことができる。マイクロデバイスアレイからの静電転写ヘッドアレイの除去は、転写先基板から離れて移動するときに、ピックアップ感知について上述したのと同様の方法で、感知することができる。更に、マイクロデバイスアレイからの静電転写ヘッドアレイの除去は、動作1715に関して上述のように、位置センサ又は力計を使用して感知することができる。
【0092】
上方視野撮像装置128は、マイクロデバイスの存在について静電転写ヘッドアレイ204を点検するために、使用することができる。より具体的には、ピックアップの後、マイクロデバイスの存在は、アクチュエータアセンブリ110を用いて、撮像装置128の上の場所に関節転写ヘッドアセンブリ106及び基板200を移動させることにより、上方視野撮像装置128によって検視することができる。この検視する動作は、当技術分野で知られているように、高及び低倍率の両方で行うことができる。
【0093】
図12Aは、本発明の一実施形態に係る、静電転写ヘッドアレイを支持する基板を基準系に位置合わせする方法を示すフローチャートである。動作1201で、x軸及びx−y平面を含む基準系が確立される。基準系は、大量転写ツール100内の様々な構成要素の位置合わせを可能にするために有用となり得る。具体的には、基準系は、基準の幾何形状に関する、及び互いに関する、システム構成要素の移動を可能にする。これらの構成要素の移動は監視され、アクチュエータアセンブリ110を制御するコンピュータシステム150に入力できる。動作1220において、静電転写ヘッドアレイ204を支持する基板200は、大量転写ツール100の様々なセンサを用いて、確立された基準系と位置合わせされる。一実施形態では、静電転写ヘッドアレイ204を支持する基板200は、基板を基準系と位置合わせする前に、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に着脱自在に取り付けられ、1つ以上の静電電圧源接続部410と接続される。
【0094】
図12Bは、本発明の実施形態に係る、基準系を確立する方法を示すフローチャートである。動作1203では、x−y原点は、第1の撮像装置及び第2の撮像装置を、第1の撮像装置と第2の撮像装置との間の基準マークに位置合わせすることにより、設定される。動作1205で、z原点は、第1の位置センサと第2の位置センサとの間にあってx−y原点を有するx−y平面に平行な同一平面上の第1の面及び第2の面をセンシングすることによって、設定される。一実施形態では、x−y原点及びz原点は、基準系を画定するために使用される。
【0095】
図12Cは、本発明の実施形態に従って示した、マイクロデバイスアレイを転写する大量転写ツールの動作方法を示すフローチャートである。動作1230で、キャリア基板ホルダ108上のキャリア基板706の向きは、大量転写ツール100の様々なセンサを使用して決定される。動作1240で、転写先基板ホルダ124上の転写先基板714の向きが決定される。動作1245で、基板200の向きは、キャリア基板706に一致される。動作1250において、マイクロデバイスアレイは、キャリア基板706からピックアップされる。動作1255で、基板200の向きは、転写先基板714に一致される。動作1260で、マイクロデバイスアレイが転写先基板上に解放される。
図12Cに記載された動作は、更に細分化、又は別の順序で実行できることを理解されたい。
【0096】
以下の説明は、
図12A〜
図12Bに示した位置合わせ処理及び
図12Cに示した転写処理の動作に関するさらなる詳細を提供する。説明は、時々、
図12A〜
図12Cに戻って、追加の詳細がこれから提供される特定の動作を明確にする。しかし、以下の詳細は、この説明の範囲内で位置合わせと動作の別の方法に適用することができ、上述の動作の全体的な方法とは独立して行うことができることを理解されたい。
【0097】
図13Aによれば、本発明の実施形態に係る、x−y原点を設定する方法の概略側面図が、示されている。この図は、
図12Bの動作1203の態様を記載している。図に示された大量転写ツールの部分は、下向き撮像装置1302及び上向き撮像装置1304を含み、共に例えばカメラを含むことができる。プレート1008は、上向き撮像装置1304と下向きの撮像装置1302との間に配置することができる。より具体的には、板1008は上向き撮像装置1304の撮像面1308と下向き撮像装置1302の撮像面1316との間に向き付けることができる。上述のように、板1008は、基準マーク1006を含み、上向き撮像装置1304及び下向き撮像装置1302は、アクチュエータアセンブリ110の一つ以上のアクチュエータの作動によって、同時に基準マーク1006を検視するために移動させることができる。
【0098】
上向き撮像装置1304及び下向き撮像装置1302は、同時に基準マーク1006を検視し、基準マーク1006は撮像装置からの各画像内で中央に位置され、集光されると、撮像装置は位置合わせされることになる。したがって、その位置で、基準マーク1006は、撮像面に平行な面内で撮像装置の相対位置を決定するために、上向きカメラ1304又は下向きカメラ1302のいずれかの動きを比較することが可能な基準点となる。一実施形態では、上向き撮像装置1304は、キャリア基板ホルダ108に対して固定され、下向き撮像装置1302は、関節転写ヘッドアセンブリ106に対して固定されると、基準マーク1006は、関節転写ヘッドアセンブリ106又はキャリア基板ホルダ108の移動が比較されてx軸及びy軸方向のこれらの構成要素の相対的な位置を決定するための基準点となる。
【0099】
図13Bを参照すると、本発明の実施形態に係る、x−y原点を設定する方法の概略斜視図が示されている。この図はまた、
図12Bの動作1203の態様を説明している。上向き撮像装置1304及び下向き撮像装置1302は、
図13Aに関して説明したように、それらの両方が、板1008上の基準マーク1006を検視するような位置に移動させることができる。
図13Bにおいて、基準マーク1006は、撮像装置1302、1304によって中心に置かれて焦点を合わせると、x−y原点1320を確立する。更に、x軸1322及びy軸1324は、x−y原点1320を介して交差すると決定される。一実施形態では、x軸1322及びy軸1324は、上向き撮像装置が結合されるx−yステージの運動軸に対応する。更に、x軸1322及びy軸1324は、x軸1322、y軸1324、及びx−y原点1320を通るx−y平面1326を画定する。したがって、x軸1322及びx−y平面1326を有する基準系は、上述の方法に従って確立できる。上述のように、いくつかの実施形態は、下部アセンブリ104だけにx−yステージ112を含むものとして記載され、説明されているが、上部アセンブリ102の関節転写ヘッドアセンブリ106は、x−yステージ112に追加された、又はその代わりの、x−yステージ上に取り付けできることが想到される。このような実施形態では、x軸1322及びy軸1324は、下向き撮像装置が結合されているx−yステージの運動軸に対応することができる。
【0100】
図14Aを参照すると、本発明の実施形態に係る、z原点を設定する方法の側面図が示されている。この図は、
図12Bの動作1205の態様を説明している。下向き位置センサ(downward-looking position sensor)1402は、基準系のx−y平面1326に向けて下方向1404を検視している。同時に、上向き位置センサ(upward-looking position sensor)1406は、下方向とは逆の上方向1408を検視している。したがって、上向きセンサ1402及び下向き位置センサ1406の方向は、互いにほぼ平行であり、x−y平面1326とほぼ直交し得る。上述のように、位置センサは、対象の絶対距離を求めることができる分光干渉レーザ変位センサとすることができる。
【0101】
ゲージ1410は、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に着脱自在に取り付けられており、上向きセンサ1402と下向き位置センサ1406との間に位置することができる。ゲージ1410は、基準系内でのz原点を確立するために使用されるので、「zゲージ」と呼ぶことができる。zゲージ1410の取り付けは、取付面202への基板200の取付けと同様な方法で達成することができる。例えば、吸引は、取付面202の真空ポートを介して、zゲージ1410に対して行うことができる。
【0102】
図14Aに示すように、zゲージ1410は、x−y平面1326と平行でないとき、即ち、zゲージ1410が基準系内で傾いているときには、上向き位置センサ1406は第1の面1412までの距離を感知し、下向き位置センサ1402は第2の面1414までの距離を感知することができる。これらの表面は、例えば、zゲージ1410の外面に形成された2つの座ぐりの底面とすることができる。座ぐり面1412、1414は、互いに同一平面とすることができる。一実施形態では、座ぐりはそれぞれがzゲージ1410の厚さの半分まで延びているので、表面は同一平面上にある。
【0103】
一実施形態では、第1の面1412及び第2の面1414は、基準面(surface plane)1416と同一平面上にある。例えば、一実施形態では、zゲージ1410は貫通孔を有する2枚のシリコンウェーハから形成することができる。2枚のシリコンウェーハは、スルーホールの開口部が他方のウェーハの表面に隣接するように接合されている。したがって、貫通孔の底部は、他のウェーハの表面となり、ウェーハが互いに並置されているので、それらの接合面は同一平面上にある。したがって、貫通孔の底面も同一平面上にあり、zゲージ1410のための座ぐりとして使用することができる。別の実施形態では、第1の表面1412及び第2の表面1414は同一平面上にない。例えば、表面1412及び1414は、均一で既知の厚さの層によって分離することができる。
【0104】
zゲージ1410がx−y平面1326と平行でないとき、それぞれの上向き位置センサ1406及び下向き位置センサ1402からの第1の面1412及び第2の面1414までの距離は、それらが非平行面上の異なる点に存在するため、zに沿った異なる場所に対する距離になる。その結果、上向き位置センサ1406と下向き位置センサ1402との間には共通のz原点がない。
【0105】
したがって、zゲージ1410を取り付ける前か後のいずれかの時点に、基準系のz原点の確立を容易にするために、関節ヘッドアセンブリ106の取付面202をx−y平面1326に対して平行にすることができる。これを行うには、上方向きの位置センサ1406は、取付面202、zゲージ1410、又は取付面202に対して平行であることが知られている任意の他の構造体、の2つ以上の点までの距離を検出することができる。種々の測定点までの距離が上向き位置センサ1406から同じ距離になるまで、関節転写ヘッドアセンブリ106をアクチュエータアセンブリ110によって前後及び左右に傾斜させることができる。これが発生すると、取付面202は上向き位置センサ1406の検出方向に直交することができ、したがって、取付面202はx−y平面1326にほぼ平行となる。取付面がx−y平面1326に対して平行に向き付けられると、z原点を確立することができる。
【0106】
図14Bを参照すると、本発明の実施形態に係る、大量転写ツールの一部の側面図が示されている。この図は、
図12Bの動作1205の態様を説明している。ここでは、上述のように、関節転写ヘッドアセンブリ106を上向き位置センサ1406に対して移動させることにより、取付面202又はzゲージ1410のいずれかがx−y平面1326に対して平行に位置合わせされたので、基準面はx−y平面1326に対して平行であることが知られている。したがって、基準面1416がx−y平面1326に対して平行であると、上向き位置センサ1406から第1表面1412までの距離、及び下向き位置センサ1402から第2の表面1414までの距離は、基準面1416までの既知の距離として登録できる。第1の表面1412及び第2の表面1414が同一平面であることを考慮すると、基準面1416はこの向きのz原点1420として確立することができ、上向き位置センサ1406又は下向き位置センサ1402のいずれかを用いて、次にz原点1420までの距離を測定することができる。
【0107】
x軸1322とx−y平面1326と共にz原点1420が確立されると、基準系は既知となり、大量転写ツール100の構成要素を移動できる。例えば、zゲージ1410は、次に取付面から除去され、転写ヘッドアレイ204を支持する基板200に取り換えることができる。基板200は、上述した方法のいずれかを使用して、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面602に取り付けることができる。一実施形態では、真空は、取付面202に基板200を保持し、1つ以上の電圧源接続部410及び基板200を接続する接点604の膝部606を圧縮するために使用される。実施形態において、zゲージ1410は、基準面1416が、基板200に支持された静電転写ヘッドアレイ204の接触面205(
図6B)と合致する場所から約100マイクロメートル以内にあるように、形成することができる。したがって、zゲージ1410を基板200に取り替えると、z原点1420は静電転写ヘッドアレイ204とほぼ合致し、上向きセンサ1402及び下向きセンサ1406を使用したその後の調整を実質的により容易にする。
【0108】
図15を参照すると、本発明の実施形態に係る、基板を基準系に位置合わせする方法の概略斜視図が示されている。これは、
図12Aの動作1220の態様を示している。基準系が確立された後、基板200は基準系に位置合わせできる。一実施形態において、基準系を確立した後、関節転写ヘッドアセンブリ106の取付面202に基板200を取り付けることに続いて、基板200は位置合わせされる。基準系は、上述した方法に基づいて知ることができる。より具体的には、基準系は、x軸1322、y軸1324、及びx−y平面1326の識別又は割り当てに基づいて確立される。更に、基板200の基準系1502に対する位置は、大量転写ツール100の様々なセンサに基づいて決定できる。例えば、上向き撮像装置1406は、基板200の第1の位置合わせマーカ1504を検視することができ、第1の位置合わせマーカ1504を検視する間と、x−y原点1320に合致する基準マーク1006を検視する間の上向き撮像装置1406の位置の差に基づいて、x軸1322及びy軸1324に沿っての第1の位置合わせマーカ1504の相対位置を決定することができる。このような位置の差は、例えば、アクチュエータサブアセンブリ110のエンコーダによって提供されるデータから、決定され得ることを理解されたい。より具体的には、上向き撮像装置1406、又は撮像装置が結合されているキャリッジ120を移動させるために使用されるx−yステージ112は、x−yステージ112の位置、したがって、上向き撮像装置1406の位置に関するデータを提供するためのロータリーエンコーダを含むことができる。同様に、第2の位置合わせマーカ1506の位置は、x−y原点1320に対して決定できる。
【0109】
基板表面上に少なくとも2つの位置合わせマーカ1504、1506を識別することにより、第1の位置合わせマーカ1504及び第2の位置合わせマーカ1506を通るように、位置合わせの軸1508を計算することができる。更に、位置合わせ軸1508と基準系の軸、例えば、x軸1322との間を比較することにより、z軸1510についての基準系1502に対する基板200の向きを決定することができる。
【0110】
これは、第1の位置合わせマーカ1504及び第2の位置合わせマーカ1506は、基板200上に配置された任意の既知のマーカであり得ることを理解されたい。例えば、一実施形態では、位置合わせマーカは、インク若しくはレーザ印刷、又はエッチングを用いて基板200に付加することができる。あるいは、位置合わせマーカは、静電転写ヘッドアレイ204からの2以上の静電転写ヘッドとすることができる。例えば、アレイ204の外縁に沿った2つの静電転写ヘッドは、アレイ204の外縁に合致しかつその基準とすることができる位置合わせの軸1508を生成できる。
【0111】
基板200とx−y平面1326との間の角度関係はまた、上向き位置センサ1406を用いて決定できる。基板200の表面上の2以上の点は、上向き位置センサ1406によって検出できる。例えば、一実施形態では、基板200の表面上の4つの点が上向き位置センサ1406によって検出できる。これらの点までの距離は、その点を通る平面、即ち、基板200の表面と合致する平面を計算するために使用することができる。この表面は、例えば、電極のアレイ上の誘電体層などの、静電転写ヘッドアレイ204上の接触面205とすることができる。したがって基板表面と基準系1502のx−y平面1326との間で比較を行い、x軸1322及びy軸1324についての基準系1502に対する基板200の向きを決定することができる。
【0112】
図15Bを参照すると、本発明の実施形態に係る、基板と基準系を位置合わせする方法を示す概略斜視図が示されている。これは、
図12Aの動作1220の態様を示している。基準系1502と基板200との間の関係に基づいて、基板200は基準系1502に位置合わせできる。より詳細には、基板200の位置合わせの軸1508をx軸1322と平行に位置合わせし、基板表面をx−y平面1326と平行に位置合わせするために、関節転写ヘッドアセンブリ106をいくつかの自由度の範囲内で調整することができる。これは、アクチュエータアセンブリ110の様々なアクチュエータを用いて、関節転写ヘッドアセンブリ106を前後及び左右に傾斜させ、回転させることによって達成できる。
【0113】
別の実施形態では、基板200と基準系1502の位置合わせは、基板200上の2つ以上のポイント、例えば、位置合わせマーカ1504、1506を検視して、基板200が撮像装置の撮像面に平行であるか判断することを含むことができる。具体的には、上方視野撮像装置は、基板200上の少なくとも2点を検視して、それらの点を検出するための焦点距離を決定できる。例えば、撮像装置は、第1の静電ヘッド、又は位置合わせマーカ1504を検視して、焦点を合わせることができる。第1の静電ヘッドに焦点が合うと、画像は第1の焦点長さを有する。撮像装置は、次に、同じ平面内の新しい場所に撮像装置を移動させることにより、第2の静電ヘッド又は位置合わせマーカ1506を検視するために、使用できる。静電ヘッド又は位置合わせマーカ1504、1506は、撮像面から同じ距離にある場合、それぞれについて焦点距離が同じため、再び焦点を合わせる必要がないことになる。しかし、撮像装置は、第2の静電ヘッドに焦点を合わせるために、再び焦点を合わせる必要がある場合は、焦点距離が異なるので、静電ヘッドのアレイを支持する基板面は撮像面と平行でないことになる。したがって、撮像装置が、基板200上の基準点を検視する場所との間で移動するときに、再び焦点を合わせる必要がなくなるまで、関節転写ヘッドアセンブリ106を前後及び左右に傾斜させることができる。これが起こると、再び焦点を合わせる必要がなく、したがって、基板200は、基準系の対応する平面に平行であることになる。
【0114】
今基板200を基準系1502と位置合わせする方法を説明したので、基準系が、大量転写ツール100内の様々な構成要素の位置合わせを可能にするのに有用であることが理解されるであろう。より具体的には、基準系は、基準の幾何形状に関する、及び互いに関する、システム構成要素の移動を可能にする。これらの構成要素の移動は監視され、アクチュエータアセンブリ110を制御するコンピュータシステム150に入力できる。一例として、基準系を確立した後、x−yステージ112に取り付けられたキャリッジ120に搭載されたキャリア基板ホルダ108の運動は、x−yステージ112のエンコーダによって決定できる。したがって、x−yステージ112がy軸に沿って3インチ移動する場合、エンコーダは、キャリア基板ホルダ108がy軸方向に3インチだけ位置を変更したと判断することになる。同様に、キャリア基板ホルダ108と関節転写ヘッドアセンブリ106との間の位置の変化は、移動中に関節転写ヘッドアセンブリ106が静止したままである場合、y軸方向に3インチであることが分かる。これは、基準系を確立することの重要性の基本的な説明であり、基準系は、システムの多くの異なる構成要素間の相対位置を決定するために使用できることを示す。このように、以下の説明は、
図12Cに示される方法の態様に関してより詳細に渡り、マイクロデバイスアレイをキャリア基板から転写先基板に転写するために、互いに対して部品を移動させる能力を利用している。
【0115】
再び
図12Cに示すように、動作1230で、キャリア基板706の向きを決定できる。例えば、キャリア基板は、キャリア基板706を保持し、安定化させるために真空を適用する保持面802上に保持できる。あるいは、キャリア基板706を保持するために、機械的な把持機構又は摩擦嵌合(friction fits)を使用できる。キャリア基板706の向きは、取付面202に取り付けられた基板200の向きを決定するための上述の方法と同様の方法を用いて、決定できる。例えば、下方視野撮像装置は、基準系のx−y原点1320に対するマーカの相対距離を決定するために、キャリア基板706上のいくつかのマーカを検視できる。この決定は、基準系のz軸周についてのキャリア基板706の向きを決定するために使用できる。また、下向き視野位置センサ1402は、基準系のx軸とy軸についてのキャリア基板706の向きを決定する目的で、キャリア基板706の表面上の複数の点を検出するために使用できる。例えば、下向き視野位置センサ1402は、キャリア基板706の表面上の4つの点を検出するために使用できる。したがって、基準系内のキャリア基板706の関係を決定するために、キャリア基板706の位置合わせ軸及び面の向きを決定できる。
【0116】
動作1240で、転写先基板714の向きは、
図12Cの動作1230に関して上述したのと同様の方法で決定できる。例えば、転写先基板714は、キャリア基板706に関して上述したのと同様の方法で、転写先基板ホルダ上に保持できる。
【0117】
キャリア基板706及び転写先基板124の向きを決定した後、キャリア基板706から転写先基板124へのマイクロデバイスの転写を行うことができる。いくつかの実施形態では、キャリア基板から転写先基板へのマイクロデバイスアレイの移動は、例えば、キャリア基板にマイクロデバイスアレイを接続する接着層に相変化を生成するか、又は、転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置の間に接着層に相変化を生成するか若しくは接着層を合金化するために、高温で実施することができる。
【0118】
図16A〜
図16Cは、本発明の実施形態に係る、大量転写ツールを使用して、向きを一致させ、基板をキャリア基板に接触させる方法の概略側面図である。これらは、
図12Cの動作1240及び1245の追加の態様を例示する。例示目的のために、基板200又はキャリア基板ホルダ108の保持面に関するキャリア基板706の向きの差が誇張されている。
【0119】
次に
図16Aを参照すると、基板200が関節転写ヘッドアセンブリ106に取り付けられて示されている。基板200の向きは、すでに基準系に位置合わせされて示されている。より具体的には、基準系のx軸及びx−y平面とそれぞれ位置合わせされた位置合わせの軸及び表面を有する基板が示されている。少なくとも1つの実施形態において、基板は、基準系の他の基準幾何形状に位置合わせできることを理解されたい。
【0120】
キャリア基板706が、キャリア基板ホルダ108に取り付けられて示されている。キャリア基板706の向きは、基板200と異なり、基準系と位置合わせされていない。したがって、基板200とキャリア基板706の向きは位置合わせされていない。しかし、これらの向きの不一致は解決できる。例えば、上述のように、基板200とキャリア基板706の向きは、基準系との位置合わせに基づいて分かっている。したがって、キャリア基板706と基板200との間の向きのオフセットを決定するための比較を行うことができる。
【0121】
キャリア基板706の向きよりも、むしろキャリア基板ホルダ108の向きも決定できることを理解されたい。具体的には、キャリア基板706の表面にほぼ平行なキャリア基板ホルダ108上の表面点は、キャリア基板ホルダ108の向きを画定するために検出できる。キャリア基板ホルダ108と基板200との間の向きのオフセットを決定するための比較を行うことができる。
【0122】
16B図を参照すると、関節転写ヘッドアセンブリ106とキャリア基板ホルダ108との間の空間的関係は、基板200とキャリア基板706を位置合わせするために調整できる。これは、
図12Cの動作1245の態様を示している。より具体的には、
図16Aに示すように、キャリア基板706の向きを決定した後、関節転写ヘッドアセンブリ106は、基板200の向きが、キャリア基板706の向きに一致するように変換されるまで、1つ以上のアクチュエータによって移動させることができる。その結果、基板200とキャリア基板706は互いに近接し、それらの対向する表面は平行となる。
【0123】
図16Cに示すように、基板200によって支持された静電転写ヘッドアレイ204は、キャリア基板706上のマイクロデバイスアレイと接触させられる。これは、
図12Cのピックアップ動作1250の態様を示している。これは、アクチュエータアセンブリ110の1つ以上のアクチュエータを用いて、キャリア基板ホルダ108に向かって、関節転写ヘッドアセンブリ106を移動させることによって達成できる。基板200とキャリア基板706の正確な位置合わせによって、基板200とキャリア基板706が互いに実質的に平行に向き付けられる間に、接触がなされることを理解されたい。したがって、接触点において、対向面での横荷重又は撓みは最小限である。これは、静電ヘッドアレイ204と、キャリア基板の表面上に載置された1つ以上のマイクロデバイスとの間の不一致を防ぐことができるので、有益である。それは、また、静電ヘッドアレイ204及び1つ以上のマイクロデバイスへの損傷の危険性を低減する。ピックアップ動作1250は、様々な方法で、様々なセンサを用いて測定できる。例えば、ピックアップ動作1250は、
図17に関して上述したピックアップ動作と同様に行うことができる。
【0124】
図12Cを参照すると、動作1255及び1260は、ピックアップしたマイクロデバイスを転写先基板714に転写するために行うことができる。これらの動作は、上述の動作1245及び1250、並びに
図17と同様の方法で行うことができる。より具体的には、動作1255で、関節転写ヘッドアセンブリ106と転写先基板ホルダ124との間の空間的関係は、静電転写ヘッドアレイ204によってピックアップされたマイクロデバイスアレイを転写先基板714の表面に近接させるように調整することができる。また、転写先基板714とマイクロデバイスアレイとの間の接触は、大量転写ツール100のさらなる動作を通して行うことができる。マイクロデバイスアレイ708及び転写先基板714との間の接触は、上述のものと同様の方法で、位置センサ、力計、及び他のセンサを用いて感知できる。いくつかの実施形態では、転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置は、例えば、転写先基板上へのマイクロデバイスアレイの載置中に接着層に相変化を生成したり、又は接着層を合金化したりするために、高温で実施してもよい。
【0125】
動作1260において、マイクロデバイスアレイが転写先基板714と接触するときに、静電電圧源接続部410を介して静電転写ヘッドアレイ204に印加された電圧を除去できる。このような除去は、また、把持圧力を除去するため、転写先基板714上にマイクロデバイスアレイを解放できる。
【0126】
マイクロデバイスアレイを解放した後、キャリア基板706から転写先基板714へのマイクロデバイスの転写が達成される。その後、関節転写ヘッドアセンブリ106は、転写先基板714から離れることができる。マイクロデバイスアレイからの移動と、その除去の感知は共に、上述と同様の方法で達成できる。更に、静電転写ヘッドアレイ204は、上述と同様の方法で、マイクロデバイスアレイの解放を確認するために、上方視野撮像装置128によって点検できる。
【0127】
大量転写ツールの様々な構成要素は、上述の動作中に加熱できることを理解されたい。例えば、一実施形態では、静電転写ヘッドアレイ204を支持する基板200及び/又は取付面202は、動作1201から1260までのいずれかで、約100〜350℃の温度範囲に加熱できる。例えば、感知、位置合わせ、一致動作のいずれも、キャリア基板から転写先基板にマイクロデバイスを転写するために使用される作動温度で行うことができる。一実施形態では、動作温度は、接着層の相変化又は合金化を生成するための高温である。一実施形態では、動作1203及び1205でのx−y原点及びz原点を設定する際、取付面202は約100〜350℃の温度範囲に加熱される。一実施形態では、基板を基準系に位置合わせする際、取付面202及び基板200は約100〜350℃の温度範囲に加熱される。一実施形態では、キャリア基板又は転写先基板の向きを決定し、基板の向きをキャリア又は転写先基板の向きに一致させる際、取付面202及び基板200は約100〜350℃の温度範囲に加熱される。一実施形態では、マイクロデバイスアレイに接触し、ピックアップし、又は解放する際、取付面202及び基板200は、約100〜350℃の温度範囲に加熱される。一実施形態では、動作1203及び1205において、x−y原点及びx軸原点を設定する際、キャリア基板は室温から約200℃までの温度範囲に加熱される。一実施形態では、キャリア基板又は転写先基板の向きを決定し、基板の向きをキャリア又は転写先基板の向きに一致させる際、キャリア基板又は転写先基板は、室温から約200℃までの温度範囲に加熱される。一実施形態では、静電転写ヘッドアレイ204がキャリア基板706上のマイクロデバイスアレイに接触している間に、キャリア基板706は室温から約200℃までの温度範囲に加熱できる。一実施形態では、静電転写ヘッドアレイ204が転写先基板714に接触している間に、転写先基板714は約100℃から約200℃までの温度範囲に加熱できる。これらは単なる例であり、大量転写ツール100のこれらの又は他の構成要素は、上述の方法の範囲内で、これらの又は異なる温度範囲に加熱することができることを理解されたい。
【0128】
次に
図20を参照すると、本発明の実施形態の部分は、例えば、コンピュータ制御システムの機械使用可能媒体内に存在する、永続的な機械可読及び機械実行可能な命令から構成されるか又は制御される。
図20は、本発明の実施形態に従って使用できる例示的なコンピュータシステム150の概略図である。コンピュータシステム150は例示的であり、本発明の実施形態は、汎用ネットワークコンピュータシステム、埋め込みコンピュータシステム、ルータ、スイッチ、サーバ装置、クライアント装置、様々な中間デバイス/ノード、スタンドアロンコンピュータシステムなど、を含む多数の異なるコンピュータシステムの上で若しくは中で動作するか、又はそれらによって制御することができることを理解すべきである。
【0129】
図20のコンピュータシステム150は、情報を通信するためのアドレス/データバス2010と、情報及び命令を処理するための、バス2010に結合された中央処理装置(central processor unit)2001と、を含む。システム150はまた、中央処理装置2001のための情報及び命令を記憶するためにバス1210に結合された、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ使用可能な揮発性メモリ2002と、中央処理装置2001のための静的な情報及び命令を記憶するためにバス2010に結合された、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)のようなコンピュータ使用可能な不揮発性メモリ2003と、情報及び命令を記憶するためにバス2010に結合されたデータ記憶装置2004(例えば、磁気ディスク又は光ディスク、及びそのディスクドライブ)、などのデータ記憶装置を含む。本実施形態のシステム2012は、また、中央処理装置2001に情報及びコマンド選択を通信するためにバス2010に結合された英数字及びファンクションキーを含むオプションの英数字入力装置1206を含む。システム150はまた、選択によって、中央処理装置1201にユーザ入力情報及びコマンド選択を通信するためにバス2010に結合されたオプションのカーソル制御装置2007を含む。本実施形態のシステム2012はまた、情報を表示するための、バス210に結合されたオプションの表示装置2005を含む。
【0130】
データ記憶装置2004は、本明細書で説明される方法又は動作の中のいずれか1つ以上を具現化する命令(例えばソフトウェア2009)の1つ以上のセットを記憶した永続的機械可読記憶媒体2008を含むことができる。ソフトウェア2009はまた、揮発性メモリ2002、不揮発性メモリ2003、及び/又はコンピュータシステム150によって実行されるときにプロセッサ2001、の中に完全に、又は少なくとも部分的に存在することができ、揮発性メモリ2002と、不揮発性メモリ2003と、プロセッサ2001とは、また、永続的機械可読記憶媒体を構成できる。
【0131】
上述の明細書では、本発明は、その特定の例示的実施形態を参照して説明されている。以下の請求項に明記されているような本発明のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらに対して種々の変更がなされてもよいことは明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきである。