(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の潤滑油劣化センサは、外部に設けられた装置によって潤滑油の劣化を判定している。すなわち、潤滑油の劣化度を判定する際には、外部装置が必要である。このため、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができる潤滑油劣化センサが求められている。また、外部装置を用いずに測定範囲の調整等も行うことができる潤滑油劣化センサが求められている。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができる潤滑油劣化センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
一態様では、上記課題を解決する潤滑油劣化センサは、検出対象の潤滑油が入る検査部と、前記検査部に対し検出光を出射する発光素子と、前記潤滑油を透過した前記検出光の色情報を表す検出値を取得する受光素子と、前記検出値の測定範囲を検出対象の潤滑油に応じて校正する校正部と、前記検出値に基づいて前記潤滑油の劣化度を判定する判定部と、ハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記検査部と、前記発光素子と、前記受光素子と、前記校正部と、前記判定部と、が収容され
、前記判定部は、複数の前記検出値を取得して、複数の前記検出値における最頻値を、前記潤滑油に含まれる気泡によるノイズを除去した検出値として判定に用いることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、発光素子から出射された検出光が検査部において潤滑油中を透過し、潤滑油を透過した検出光の色情報を受光素子が検出する。すなわち、受光素子は、該色情報を表す検出値を取得する。そして、受光素子が検出した検出値の測定範囲を校正部が検出対象の潤滑油に応じて校正する。このため、検出精度を高めることができる。この校正された検出値に基づいて判定部が潤滑油の劣化度を判定する。よって、潤滑油劣化センサ単体で、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができるとともに、外部装置を用いずに検出値の測定範囲を調整することができる。
また、潤滑油には気泡が含まれることがある。潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも小さくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分に対する検出値は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも大きい値となる。そこで、同構成によれば、判定部が複数の検出値を取得して、これらの検出値のうち最頻値を判定に用いる。このため、本来の検出値よりも大きい検出値をノイズとして除去して、正しいと考えられる検出値を潤滑油の劣化度の判定に用いることができ、検出精度を高められる。
一態様では、上記課題を解決する潤滑油劣化センサは、検出対象の潤滑油が入る検査部と、前記検査部に対し検出光を出射する発光素子と、前記潤滑油を透過した前記検出光の色情報を表す検出値を取得する受光素子と、前記検出値の測定範囲を検出対象の潤滑油に応じて校正する校正部と、前記検出値に基づいて前記潤滑油の劣化度を判定する判定部と、ハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記検査部と、前記発光素子と、前記受光素子と、前記校正部と、前記判定部と、が収容され、前記判定部は、前記検出値に基づいて色付きの前記潤滑油であれば、複数の前記検出値を取得して、複数の前記検出値のうち最小値を判定に用いることをその要旨としている。
同構成によれば、発光素子から出射された検出光が検査部において潤滑油中を透過し、潤滑油を透過した検出光の色情報を受光素子が検出する。すなわち、受光素子は、該色情報を表す検出値を取得する。そして、受光素子が検出した検出値の測定範囲を校正部が検出対象の潤滑油に応じて校正する。このため、検出精度を高めることができる。この校正された検出値に基づいて判定部が潤滑油の劣化度を判定する。よって、潤滑油劣化センサ単体で、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができるとともに、外部装置を用いずに検出値の測定範囲を調整することができる。また、潤滑油には気泡が含まれる
ことがある。色が付いた潤滑油について、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも小さくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分に対する検出値は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも大きい値となる。そこで、同構成によれば、判定部が複数の検出値を取得して、これらの検出値のうち最小値を判定に用いる。このため、本来の検出値よりも大きい検出値をノイズとして除去して、正しいと考えられる検出値を潤滑油の劣化度の判定に用いることができ、検出精度を高められる。
一態様では、上記課題を解決する潤滑油劣化センサは、検出対象の潤滑油が入る検査部と、前記検査部に対し検出光を出射する発光素子と、前記潤滑油を透過した前記検出光の色情報を表す検出値を取得する受光素子と、前記検出値の測定範囲を検出対象の潤滑油に応じて校正する校正部と、前記検出値に基づいて前記潤滑油の劣化度を判定する判定部と、ハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記検査部と、前記発光素子と、前記受光素子と、前記校正部と、前記判定部と、が収容され、前記判定部は、前記検出値に基づいて色付きがない前記潤滑油であれば、複数の前記検出値を取得して、複数の前記検出値のうち最大値を判定に用いることをその要旨としている。
一態様では、上記課題を解決する潤滑油劣化センサは、検出対象の潤滑油が入る検査部と、前記検査部に対し検出光を出射する発光素子と、前記潤滑油を透過した前記検出光の色情報を表す検出値を取得する受光素子と、前記検出値の測定範囲を検出対象の潤滑油に応じて校正する校正部と、前記検出値に基づいて前記潤滑油の劣化度を判定する判定部と、ハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記検査部と、前記発光素子と、前記受光素子と、前記校正部と、前記判定部と、が収容され、前記判定部は、前記検出値に基づいて色付きの前記潤滑油であれば、複数の前記検出値を取得して、複数の前記検出値のうち最小値を判定に用い、前記検出値に基づいて色付きがない前記潤滑油であれば、複数の前記検出値を取得して、複数の前記検出値のうち最大値を判定に用いることをその要旨としている。
上記構成によれば、発光素子から出射された検出光が検査部において潤滑油中を透過し、潤滑油を透過した検出光の色情報を受光素子が検出する。すなわち、受光素子は、該色情報を表す検出値を取得する。そして、受光素子が検出した検出値の測定範囲を校正部が検出対象の潤滑油に応じて校正する。このため、検出精度を高めることができる。この校正された検出値に基づいて判定部が潤滑油の劣化度を判定する。よって、潤滑油劣化センサ単体で、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができるとともに、外部装置を用いずに検出値の測定範囲を調整することができる。
【0009】
上記潤滑油劣化センサについて、前記受光素子は第1受光素子であり、前記潤滑油劣化センサは、前記発光素子から出射される検出光を直接検出して検出結果を取得する第2受光素子を備え、前記校正部は、前記検出結果に応じて前記発光素子の光量を校正することが好ましい。
【0010】
同構成によれば、発光素子の検出光を直接検出する第2受光素子を備え、校正部が第2受光素子の検出結果に応じて光量を校正する。このため、発光素子が経年劣化等で劣化したり、温度変化によって光量が低下したりした際に、劣化や温度変化による検出光の変化によって潤滑油の劣化判定に誤差が発生するおそれがあるが、発光素子の検出光を直接検出することで発光素子の劣化や温度変化を検出することができる。よって、発光素子の光量の校正によって潤滑油の劣化度の判定に影響しないようにできる。
【0011】
上記潤滑油劣化センサについて、前記受光素子は第1受光素子であり、前記潤滑油劣化センサは、前記発光素子から出射される検出光を直接検出して検出結果を取得する第2受光素子を備え、前記校正部は、前記検出結果に応じて前記検出値を校正することが好ましい。
【0012】
同構成によれば、発光素子の検出光を直接検出する第2受光素子を備え、校正部が第2受光素子の検出結果に応じて検出値を校正する。このため、発光素子が経年劣化等で劣化したり、温度変化によって光量が低下したりした際に、劣化や温度変化による検出光の変化によって潤滑油の劣化判定に誤差が発生するおそれがあるが、発光素子の検出光を直接検出することで発光素子の劣化や温度変化を検出することができる。よって、検出値の校正によって潤滑油の劣化度の判定に影響しないようにできる。
【0015】
上記潤滑油劣化センサについて、前記判定部は、前記検出値から算出される明度及び色成分最大差の少なくとも1つを利用した算出値に基づいて前記潤滑油の劣化度を判定することが好ましい。
【0016】
同構成によれば、判定部が検出値から算出される明度及び色成分最大差(最大色差)の少なくとも1つを利用して潤滑油の劣化度を判定する。このため、潤滑油が使用された機械から発生した不純物が潤滑油に混入する場合、そうした潤滑油においては明度が顕著に変化するので、潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。また、透明度が高く、酸化劣化等によって基油の色が変化し易い潤滑油においては最大色差が顕著に変化するので、潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。さらに、明度及び色成分最大差を組み合わせることで、不純物の混入と基油の色の変化との少なくとも一方が発生する潤滑油においても潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。
【0017】
上記潤滑油劣化センサについて、前記校正部は、前記算出値を校正して初期値を取得し、前記判定部は、前記算出値が前記初期値から所定量変化していることを条件に、前記潤滑油の劣化度を判定することが好ましい。
【0018】
同構成によれば、校正部が校正した算出値の初期値について、判定部が算出値が初期値から所定量変化していることを条件に、潤滑油の劣化度を判定する。このため、初期値に対する変化量が所定量あることで潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。
【0019】
上記潤滑油劣化センサについて、前記判定部は、前記検出値に基づいて前記潤滑油が使用されている機械の破損を判定することが好ましい。
潤滑油が使用された機械が破損すると不純物が発生する。同構成によれば、判定部が検出値を利用して潤滑油が使用されている機械の破損を判定する。このため、不純物によって変化した検出値によって機械の破損を容易に判定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、
図1〜
図3を参照して、潤滑油劣化センサの一実施形態について説明する。潤滑油劣化センサは、潤滑油を使用する機械に設けられ、潤滑油の劣化や機械の破損を判定する。機械は、潤滑油を必要とする可動部品が破損していると、摩耗等によって潤滑油に不純物が混入するため、潤滑油の状態から機械の破損を判定できる。なお、本実施形態では、潤滑油に作動油も含む。
【0025】
図1に示されるように、潤滑油劣化センサ10は、大きく分けて、検出光を出射して検出光を検出する光センサ部20と、各種制御と潤滑油の劣化判定を行う制御部30と、外部との電源供給や情報を仲介する外部インターフェイス部40とを備えている。
【0026】
光センサ部20は、発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)21と、検出光を反射する第1プリズム23及び第2プリズム24と、検出光の色情報を検出する受光素子(第1受光素子)としてのカラーセンサ22と、LED21からの直接光を検出する第2受光素子としてのフォトダイオード(PD)29とを備えている。さらに、光センサ部20は、カラーセンサ22及びフォトダイオード29から出力された電圧値を増幅するオペアンプ26と、オペアンプ26が出力する電圧値の測定範囲を校正するデジタルポテンショメータ27と、LED21を駆動するLEDドライバ28とを備えている。
【0027】
制御部30は、各種制御及び潤滑油の劣化度を判定するマイクロコントロールユニット(MCU:Micro Control Unit)31と、オペアンプ26から出力されたアナログの電圧値をデジタル値に変換するアナログ−デジタル変換回路(A/D変換回路)32とを備えている。さらに、制御部30は、MCU31から出力されたデジタル値をアナログの電圧値に変換するデジタル−アナログ変換回路(D/A変換回路)33と、判定閾値や計測データ等を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)34とを備えている。なお、デジタルポテンショメータ27とLEDドライバ28とは、MCU31によって制御される。MCU31から電圧値にて出力する際には、D/A変換回路33を介してデジタル値を電圧値に変換して出力する。
【0028】
外部インターフェイス部40は、外部DC電源から電力が供給される電源41と、USB電源から電力が供給されるとともにデジタルデータの出入力を行うUSB42と、接点43と、潤滑油の劣化状態を表示する表示用LED44とを備えている。表示用LED44は、例えば赤色、黄色、緑色のLEDを備え、これらのLEDを選択的に点灯させることで、潤滑油の劣化状態やセンサのエラー状態を表示する。
【0029】
潤滑油劣化センサ10は、検出値の精度を維持するために、初期検出値に対して校正処理を行う。すなわち、オペアンプ26とデジタルポテンショメータ27とは、非反転増幅回路の構成となっている。オペアンプ26の増幅率は、デジタルポテンショメータ27の可変抵抗で調整することができる。検出対象の潤滑油は、用途に応じて着色されており、潤滑油の種類によって検出値の初期値が異なる。MCU31は、オペアンプ26から出力された電圧値がA/D変換回路32を介して入力されると、増幅率が適当であるか否かを判定して、更に増幅する必要があればデジタルポテンショメータ27に指示して、増幅率を徐々に増加させる。MCU31は、デジタルポテンショメータ27の抵抗値を下限抵抗値に初期設定しておいて、入力される電圧値を見ながら抵抗値を上げることで増幅率を増加させて、入力される電圧値が所定の電圧値になるまで調整する。すなわち、カラーセンサ22が検出した検出値の測定範囲の校正は、MCU31、デジタルポテンショメータ27、及びオペアンプ26によって行われる。MCU31、デジタルポテンショメータ27、及びオペアンプ26が校正部として機能する。
【0030】
フォトダイオード29は、LED21からの検出光を直接検出すると、その光量を電圧値に変換した検出値をオペアンプ26及びA/D変換回路32を介してMCU31に出力する。MCU31は、入力された電圧値が初期電圧値から一定量の電圧低下を超えた場合に、LED21が劣化していると判断する。MCU31は、初期状態の光量となるようにLEDドライバ28を制御することでLED21の劣化を校正する。すなわち、LEDドライバ28は、抵抗による電流制御によって電流量を多くしてLED21の光量を初期状態に変化させる。例えば、LEDドライバ28の電流制御の抵抗をデジタルポテンショメータ27に置き換え、デジタルポテンショメータ27をMCU31が制御することによりLED21に流す電流を変化させる。
【0031】
MCU31は、A/D変換回路32で変換されたデジタル値から電圧値を読み取り、測定不可か否かを判断してエラー出力を行なう。エラー出力例としては、デジタル信号としてUSB42からエラー信号の出力や、エラー表示となる組み合わせで表示用LED44の点灯を行う。表示用LED44は、例えば以下のように点灯される。潤滑油が新油、すなわち劣化がほぼない状態(正常)では、緑色のLEDのみを点灯させる。潤滑油がある程度劣化している状態(注意)では、黄色のLEDのみを点灯させる。潤滑油の劣化が非常に進んでいる場合(警告)では、赤色のLEDのみを点灯させる。潤滑油劣化センサ10が計測不可能である場合(異常)では、緑色、黄色、赤色の全てのLEDを点滅させる。
【0032】
図4に示されるように、無色透明に近い潤滑油では、潤滑油の気泡を含まない部分の検出値は、白丸で示した新油の状態から時間の経過とともにほぼ直線状に低下していく。しかしながら、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも大きくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分に対する検出値は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも小さい値となる。また、
図4中の破線よりも下部分のように、劣化して色が付いた潤滑油では、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも小さくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分に対する検出値は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも大きい値となる。その結果、劣化して着色した潤滑油では、気泡を含む潤滑油に対する検出値は、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光と潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光とによって、本来の検出値に対して上下に振れた値となる。
【0033】
そこで、
図5に示されるように、MCU31は、単位時間当たりに複数の検出値を取得する。MCU31は、上下に変動している検出値のうち、単位時間当たりに最も多い回数で検出された値である最頻値を判定に用いる。このため、本来の検出値とずれている検出値をノイズとして除去して、正しいと考えられる検出値を潤滑油の劣化度の判定に用いることができ、検出精度を高められる。
図4に示されるように、色の付いた潤滑油では、気泡が含まれないときの本来の検出値に対して最初から上下に振れた検出値が検出される。潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも小さくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも大きい値となることがある。そこで、MCU31は、色付きの潤滑油であれば、一度の検出で複数の検出値を取得して、複数の検出値のうち最小値を判定に用いる。このため、検出値のうち最小値を判定に用いることで検出精度を高めることができる。
【0034】
図4に示されるように、無色透明に近い潤滑油では、気泡が含まれないときの本来の検出値よりも小さい検出値が検出される。劣化による色付きがない間は、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、潤滑油の気泡を含まない部分を通過した検出光の減衰量よりも大きくなる。そのため、潤滑油の気泡を含む部分を通過した検出光の減衰量は、検出対象の潤滑油を通過した際に得られる本来の検出値よりも小さい値となる。そこで、MCU31は、無色透明に近く劣化による色付きがほとんどない潤滑油であれば、一度の検出で複数の検出値を取得して、複数の検出値のうち最大値を判定に用いる。このため、検出値のうち最大値を判定に用いることで検出精度を高めることができる。
【0035】
MCU31は、入力されたデジタル値から例えば明度や色成分最大差等を算出して、時間の経過とともに、算出した明度や最大色差等が潤滑油の劣化を判定する油劣化閾値に達しているか否かによって潤滑油の劣化を判定する。さらに、MCU31は、算出した明度や最大色差等が機械の破損を判定する機械破損閾値に達しているか否かによって機械の破損を判定する。すなわち、MCU31が判定部に相当する。なお、油劣化閾値に達したときには赤色のLEDのみを点灯させ、機械破損閾値に達したときには赤色のLEDのみを点滅させる。
【0036】
油劣化閾値及び機械破損閾値は、油種によらず、校正処理を行って得られた初期値に対して所定量変化させた値であって、初期値から決定する。なお、劣化した潤滑油の試料をユーザが所持している場合には、試料の検出値を閾値として設定してもよい。このようにすれば、より確度の高い判定をすることができる。また、透明度が高い潤滑油の場合、劣化した潤滑油であっても初期値との変化量が小さいことがあるので、ユーザが所持している試料やデータベースにより閾値として設定してもよい。また、同一油種であっても潤滑油は、ユーザが個別に着色していることがあるので、油種のみである程度の閾値を設定した後、ユーザ毎に任意の閾値を設定してもよい。このようにすれば、より確度の高い判定をすることができる。
【0037】
明度は、潤滑油を使用する機械の稼働時間の増加に伴って減少する。明度(ΔE)は、R値、G値、B値からΔE=√(R
2+G
2+B
2)によって求められる。
MCU31は、検出値から演算される潤滑油の明度に基づいて潤滑油の劣化状態を判定する場合には、検出値から演算される潤滑油の明度と油劣化閾値との比較に基づいて潤滑油の状態を判定する。MCU31は、明度が油劣化閾値以下である場合に、潤滑油が劣化していると判定する。また、MCU31は、検出値から演算される潤滑油の明度に基づいて機械の状態を判定する場合には、検出値から演算される潤滑油の明度と機械破損閾値との比較に基づいて機械の破損を判定する。機械破損閾値は、油劣化閾値よりも小さい値である。MCU31は、明度が機械破損閾値以下である場合に、機械が破損していると判定する。
【0038】
色成分最大差(最大色差)は、潤滑油を使用する機械の稼動時間の増加に伴って増加し、極値を持って、極値から減少に転じる。色成分差は、|R−G|、|G−B|、|R−B|で表される絶対値である。そして、色成分最大差は、これらの色成分差のうち最大となる値である。R値、G値、B値のうち最小値はB値であることが多く、最大値はR値であることが多いため、色成分最大差として|R−B|のみを演算してもよい。
【0039】
MCU31は、検出値から演算される潤滑油の色成分最大差に基づいて潤滑油の劣化状態を判定する場合には、検出値から演算される潤滑油の色成分最大差と油劣化閾値との比較に基づいて潤滑油の状態を判定する。MCU31は、色成分最大差が極値を通過した上で油劣化閾値以下である場合に、潤滑油が劣化していると判定する。また、MCU31は、検出値から演算される
潤滑油の色成分最大差に基づいて機械の状態を判定する場合には、検出値から演算される潤滑油の色成分最大差と機械破損閾値との比較に基づいて機械の破損を判定する。機械破損閾値は、油劣化閾値よりも小さい値である。MCU31は、色成分最大差が極値を通過した上で機械破損閾値以下である場合に、機械を破損と判定する。
【0040】
EEPROM34は、判定に使用する油劣化閾値と機械破損閾値とを記憶するとともに、定期的に検出された検出対象の潤滑油の検出値を検出データとして記憶する。
図2を参照して、潤滑油劣化センサ10の構造について説明する。
【0041】
潤滑油劣化センサ10は、金属又は樹脂製の円柱状のハウジング11を備えている。ハウジング11の上部には、収容部11aが設けられている。収容部11aは、カバー17によって覆われている。ハウジング11の下部外周には、雄螺子が形成されている。潤滑油劣化センサ10は、該雄螺子を用いて機械に装着される。
【0042】
収容部11aは、回路基板16を収容している。回路基板16は、ハウジング11に固定されている。回路基板16には、LED21、カラーセンサ22、フォトダイオード29、及びMCU31等の各種電子部品(図示略)が設置されている。LED21は、白色の検出光を出射する公知の素子である。カラーセンサ22は、RGBセンサであって、検出光の光量に応じた色情報としてのR値、G値、B値を出力する。フォトダイオード29は、LED21と回路基板16との間に設置され、LED21から第1プリズム23側へ出射される光とは逆方向に出射される光を検出する。
【0043】
ハウジング11は、検出光の光軸方向に延びる第1貫通孔11cを有している。第1貫通孔11cは、収容部11aの底面からハウジング11の底面まで貫通している。ハウジング11の底面であって、第1貫通孔11cの出口には、第1プリズム23が設けられている。第1プリズム23は、石英又はガラス等の透光性材料からなる直角プリズムである。第1プリズム23は、第1貫通孔11cを通過した検出光が入射する入射面25aと、入射面25aから入射した検出光が反射する反射面25bと、反射面25bによって反射した検出光が出射する出射面25cと、を有している。
【0044】
入射面25a及び出射面25cは、光学研磨されている。反射面25bは、金属蒸着膜及び保護膜から構成される。金属蒸着膜は、例えばアルミニウム等の薄膜であって、透光性材料の外側に成膜されている。保護膜は、例えば二酸化ケイ素薄膜、フッ化マクグネシウム薄膜であって、金属蒸着膜の外側に成膜されて、金属蒸着膜を保護している。入射面25aに対する反射面25bの角度は、反射面25bに入射した光の経路を、入射方向に対して90°の方向に反射するように調整されている。
【0045】
ハウジング11の底面11bには、第2プリズム24が設けられている。第2プリズム24は、第1プリズム23に対して間隙を介して設けられている。第2プリズム24は、第1プリズム23と同様の構成であって、入射面26aと、反射面26bと、出射面26cとを有している。第1プリズム23と第2プリズム24との間に設けられた間隙は、潤滑油が入る油浸入間隙25であって、検査部として機能する。
【0046】
ハウジング11は、第1貫通孔11cと平行に延びる第2貫通孔11dを備えている。第2貫通孔11dは、収容部11aの底面からハウジング11の底面11bまで延びており、第2プリズム24とカラーセンサ22との間に設けられている。
【0047】
従って、LED21から出射された白色の検出光は、第1貫通孔11cを直進して第1プリズム23に入射する。その反射面25bによって検出光の光路が90°曲げられ、検出光は出射面25cから油浸入間隙25に入射する。さらに検出光は油浸入間隙25に入った潤滑油を透過し、第2プリズム24に入射する。第2プリズム24に入射した検出光の光路は、その反射面26bによって90°曲げられ、検出光は第2貫通孔11dを直進し、カラーセンサ22によって受光される。すなわち、LED21から出射された検出光の光路は、第1プリズム23及び第2プリズム24によって、180°反転される。潤滑油を透過した検出光は、潤滑油の色相に応じた波長域が吸収された光である。
【0048】
次に、
図3を参照して、前述のように構成された潤滑油劣化センサ10による校正処理について説明する。校正処理は、初期検出値に対して行う。つまり、潤滑油が用いられる機械に潤滑油劣化センサ10が装着されて、潤滑油が検査部である油浸入間隙25に入った際に校正処理を行う。
【0049】
例えば、A/D変換回路32の測定可能範囲が0〜5Vであって、A/D変換回路32の精度が10bitであるとする。そして、測定範囲の下限電圧値を0V、測定範囲の上限電圧値を3.5Vとして、測定範囲内を8bit(256段階)で判断したいとする。なお、A/D変換回路32の測定可能範囲が0〜5Vで、精度が10bitなので、5÷1024=0.0049Vの電圧変化を読み取ることができる。
【0050】
MCU31は、電源が繋がれて、潤滑油が検査部に入ると、校正処理を開始する。MCU31は、デジタルポテンショメータ27を下限抵抗値に設定する(ステップS11)。すなわち、MCU31は、最低の増幅率から試すために、下限抵抗値に設定する。
【0051】
次に、MCU31は、カラーセンサ22から出力された電圧値をA/D変換して取得する(ステップS12)。すなわち、カラーセンサ22は、LED21から出射された検出光を受光して、検出光の光量に応じた色情報としてのR値、G値、B値を電圧値としてオペアンプ26にて増幅させて、A/D変換回路32に出力する。MCU31は、A/D変換回路32にてデジタル値に変換された電圧値を取得する。
【0052】
続いて、MCU31は、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値が上限電圧値よりも小さいか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、MCU31は、所望の電圧変化である8bit(256段階)で判定できるか否かを判断する。そして、MCU31は、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値が上限電圧値よりも小さくないと判断した場合には(ステップS13:NO)、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値を測定範囲の上限電圧値に設定する(ステップS18)。すなわち、MCU31は、変換した電圧値が上限電圧値(3.5V)を超えているので、所望の電圧変化である8bit(256段階)で判定できると判断する。そして、MCU31は、現在の電圧値を測定範囲の上限電圧値に設定する。
【0053】
一方、MCU31は、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値が上限電圧値よりも小さいと判断した場合には(ステップS13:YES)、デジタルポテンショメータ27の抵抗値が上限値であるか否かを判断する(ステップS14)。すなわち、MCU31は、変換した電圧値が上限電圧値(3.5V)を超えていないので、所望の電圧変化である8bit(256段階)で判定できないと判断する。そして、MCU31は、現在の増幅率を増加させるために、デジタルポテンショメータ27の抵抗値に増加させる余裕があるか否かを判断する。そして、MCU31は、デジタルポテンショメータ27の抵抗値が上限値でないと判断した場合には(ステップS14:NO)、デジタルポテンショメータ27の抵抗値を一段階増加させ(ステップS17)、ステップS13に移行する。すなわち、MCU31は、デジタルポテンショメータ27の抵抗値が上限値でないので、現在の増幅率を増加させるために一段階増加させて、変換した電圧値が上限電圧値と比較する。ステップS13、S14、S17を繰り返すことによってオペアンプ26の増幅率を調整する。
【0054】
一方、MCU31は、デジタルポテンショメータ27の抵抗値が上限値であると判断した場合には(ステップS14:YES)、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差が既定値以上であるか否かを判断する(ステップS15)。すなわち、A/D変換回路32が256段階で判断できる最小の電圧範囲は、精度が10bitであると、0.0049×256=1.26Vとなる。つまり、測定範囲の下限値である0Vとの差が1.26Vあれば誤差に対する余裕はないが判定することはできる。よって、MCU31は、変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差を既定値(1.26V)と比較する。そして、MCU31は、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差が既定値以上であると判断した場合には(ステップS15:YES)、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値を測定範囲の上限電圧値に設定して(ステップS18)、校正処理を終了する。すなわち、MCU31は、変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差が既定値(1.26V)以上あるので、判定することができ、この電圧値を測定範囲の上限電圧値とする。
【0055】
一方、MCU31は、オペアンプ26が増幅してA/D変換回路32が変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差が既定値より小さいと判断した場合には(ステップS15:NO)、測定不可としてエラーを出力して(ステップS16)、校正処理を終了する。すなわち、MCU31は、変換した電圧値と測定範囲の下限電圧値との差が既定値(1.26V)より小さいので、10bitの精度で判定することができない。よって、MCU31は、測定ができないとしてエラーを出力するとともに、表示用LED44にエラー表示させる。
【0056】
前述のように構成された潤滑油劣化センサ10の動作について説明する。潤滑油劣化センサ10は、潤滑油が用いられた機械に装着されて、電源が繋がれると一定時間が経過する毎に潤滑油の劣化度を判定する。なお、潤滑油の劣化度の判定は、随時行ってもよく、ユーザの指示によって必要なときに行ってもよい。
【0057】
まず、潤滑油劣化センサ10のMCU31は、潤滑油の初期検出値に対して校正処理を行い、検出精度を測定範囲内で最大とする。このとき、MCU31は、フォトダイオード29の検出結果に応じて検出値を校正する。例えば、MCU31は、フォトダイオード29の検出値からLED21の劣化度を算出して、この劣化度を加味して上記の測定範囲を校正する。また、MCU31は、フォトダイオード29の検出結果に応じて光量を校正する。例えば、MCU31は、フォトダイオード29の検出値からLED21の光量の増減を算出して、LED21の光量を校正する。そして、MCU31は、校正処理が行われた検出値から明度や色成分最大差等を算出して、油劣化閾値と機械破損閾値と比較することで、潤滑油の劣化及び機械の破損を判定する。MCU31は、判定結果を表示用LED44によって表示する。
【0058】
本実施形態ではこのように、潤滑油劣化センサ10が検出から判定を行い、結果を出力するので、外部装置を用いずに潤滑油劣化センサの単体において潤滑油の劣化度を判定することができる。また、潤滑油劣化センサ10は、外部装置を用いずに検出値の測定範囲の調整も行うことができる。
【0059】
以上説明したように、実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)LED21から出射された検出光が油浸入間隙25において潤滑油中を透過し、潤滑油を透過した検出光の色情報をカラーセンサ22が検出する。すなわち、カラーセンサ22は、該色情報を表す検出値を取得する。そして、カラーセンサ22が検出した検出値の測定範囲をMCU31、デジタルポテンショメータ27、及びオペアンプ26が検出対象の潤滑油に応じて校正する。MCU31、デジタルポテンショメータ27、及びオペアンプ26は、校正部として機能する。このため、検出精度を高めることができ、この校正された検出値に基づいてMCU31が潤滑油の劣化度を判定する。よって、潤滑油劣化センサ10単体で、外部装置を用いずに潤滑油の劣化度を判定することができるとともに、外部装置を用いずに検出値の測定範囲を調整することができる。
【0060】
(2)LED21の検出光を直接検出するフォトダイオード29を備え、MCU31がフォトダイオード29の検出結果に応じてLED21の光量を校正する。このため、LED21が経年劣化等で劣化したり、温度変化によって光量が低下したりした際に、劣化や温度変化による検出光の変化によって潤滑油の劣化判定に誤差が発生するおそれがあるが、LED21の検出光を直接検出することでLED21の劣化や温度変化を検出することができる。よって、LED21の光量の校正によって潤滑油の劣化度の判定に影響しないようにできる。
【0061】
(3)LED21の検出光を直接検出するフォトダイオード29を備え、MCU31がフォトダイオード29の検出結果に応じて検出値を校正する。このため、LED21が経年劣化等で劣化したり、温度変化によって光量が低下したりした際に、劣化や温度変化による検出光の変化によって潤滑油の劣化判定に誤差が発生するおそれがあるが、LED21の検出光を直接検出することでLED21の劣化や温度変化を検出することができる。よって、検出値の校正によって潤滑油の劣化度の判定に影響しないようにできる。
【0062】
(4)判定部が複数の検出値を取得して、これらの検出値のうち最頻値を判定に用いる。このため、本来の検出値からずれた検出値をノイズとして除去して、正しいと考えられる検出値を潤滑油の劣化度の判定に用いることができ、検出精度を高められる。
【0063】
(5)判定部が複数の検出値を取得して、これらの検出値のうち最小値を判定に用いる。このため、本来の検出値よりも大きい検出値をノイズとして除去して、正しいと考えられる検出値を潤滑油の劣化度の判定に用いることができ、検出精度を高められる。
【0064】
(6)判定部が検出値から算出される明度及び色成分最大差(最大色差)の少なくとも1つを利用して潤滑油の劣化度を判定する。このため、潤滑油が使用された機械から発生した不純物が潤滑油に混入する場合、そうした潤滑油においては明度が顕著に変化するので、潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。また、透明度が高く、酸化劣化等によって基油の色が変化し易い潤滑油においては最大色差が顕著に変化するので、潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。さらに、明度及び色成分最大差を組み合わせることで、不純物の混入と基油の色の変化との少なくとも一方が発生する潤滑油においても潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。
【0065】
(7)MCU31、デジタルポテンショメータ27、及びオペアンプ26が校正した算出値の初期値について、MCU31が算出値が初期値から所定量変化していること、すなわち、算出値が油劣化閾値よりも小さいことを条件に、潤滑油の劣化度を判定する。このため、初期値に対する変化量が所定量あることで潤滑油の劣化度を容易に判定することができる。
【0066】
(8)潤滑油が使用された機械が破損すると不純物が発生する。MCU31が検出値を利用して潤滑油が使用されている機械の破損を判定する。このため、不純物によって変化した検出値によって機械の破損を容易に判定することができる。
【0067】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、潤滑油の劣化から機械の破損を判定したが、必要に応じて、潤滑油の劣化のみを判定してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、検出値において初期値に対して所定量の変化があることを条件に潤滑油の劣化度を判定した。しかしながら、潤滑油毎に異なる所定量を用いて、潤滑油の劣化度を判定してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、明度や色成分最大差に基づいて潤滑油の劣化度を判定した。しかしながら、明度や色成分最大差に限らず、他の算出値によって潤滑油の劣化度を判定してもよい。
【0073】
・上記実施形態では、LED21の検出光を直接検出する受光素子としてフォトダイオード29を採用したが、応答性が許容範囲であればフォトトランジスタを採用してもよい。
【0074】
・上記実施形態では、フォトダイオード29がLED21の検出光を直接検出して、MCU31がフォトダイオード29の検出結果に応じて検出値の校正を行った。しかしながら、LED21の劣化による影響が微小で許容範囲であれば、検出値の校正をしなくてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、フォトダイオード29がLED21の検出光を直接検出して、MCU31がフォトダイオード29の検出結果に応じて光量の校正を行った。しかしながら、LED21の劣化による影響が微小で許容範囲であれば、LED21の光量を校正しなくてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、光センサ部にプリズムによる反射タイプを採用したが、光センサ部に発光素子と受光素子とを対向配置したタイプ等を採用してもよい。
・上記実施形態において、潤滑油を必要として可動する軸受やピストン等を備えた機械や、風力発電機、建設機械、航空機、鉄道車両、真空ポンプ等機械に適用してもよい。補足すると、風力発電機では、例えば風力発電機用増速器やその軸受、ピッチ駆動用油圧シリンダや減速機、YAW駆動用油圧モータである。建設機械では、例えば油圧モータ、油圧シリンダ、油圧用バルブ(ロードセンシングバルブ等)や走行モータ、旋回モータ、ジョイント等である。航空機では、例えばスポイラー、エルロン、エレベーター、ラダー、フラップ、スラット、ブレーキ、ステアリング等を駆動するフライトコントロールアクチュエータ、油圧モータ等である。鉄道車両では、例えば鉄道車両用空気圧縮装置である。商用車、乗用車では、例えばブレーキアクチュエータ、エンジンオイルの循環ポンプ、燃料の供給ポンプ等である。船舶では、例えばエンジンオイルの循環ポンプ、燃料の供給ポンプ、油圧駆動装置・機器等である。