(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194014
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】メトロポリタン・エリア・ネットワークを少なくとも1つのアクセス・ネットワークとリンクする通信ネットワーク・ノード
(51)【国際特許分類】
H04J 14/02 20060101AFI20170828BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20170828BHJP
【FI】
H04J14/02 101
H04B10/27
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-550091(P2015-550091)
(86)(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公表番号】特表2016-503266(P2016-503266A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2013078079
(87)【国際公開番号】WO2014102346
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】12306695.3
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ブルノ,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ド ヴァリコー,ギレーム
【審査官】
後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−174389(JP,A)
【文献】
特開2004−350279(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02538592(EP,A1)
【文献】
D. Chiaroni 他,Optical Packet Ring Network Offering Bit Rate and Modulation Formats Transparency,OFC/NFOEC 2010,米国,2010年 3月
【文献】
Alexandre Garreau 他,10 Gbit/s Drop and Continue Colorless Operation of a 1.5μm AlGalnAs Reflective Amplified Electroabsorption Modulator,ECOC 2006,2006年 9月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メトロポリタン・エリア・ネットワークのノードを少なくとも1つのアクセス・ネットワークに接続する少なくとも1つの光リンクを含む、メトロポリタン・エリア・ネットワークとリンクするように構成された通信ネットワーク・ノードであって、
複数のアクセス・ネットワークから入来するトラフィックを集約できるよう構成された電子カードと、
電子信号を前記電子カードから受信し、および光パケットを前記メトロポリタン・エリア・ネットワークに送信するように構成されたトランスミッタと、
多重化された光パケットの第1のストリームを前記光リンクから抽出すること、および多重化された光パケットの第2のストリームを前記光リンクに挿入することができるサーキュレータと、
前記サーキュレータからの多重化された光パケットの前記第1のストリームを逆多重化し、
逆多重化された光パケットのうちから選択された光パケットを前記アクセス・ネットワークに送信する、
反射型スイッチング・マトリックスと、
を備え、
前記逆多重化された光パケットのうちから選択された前記光パケットは、前記アクセス・ネットワークに送信されるように意図されており、
前記反射型スイッチング・マトリックスが、前記逆多重化された光パケットを受信するように構成され、且つ、それぞれ異なる機能を有する3つのセクションを備え、該3つのセクションのうちの第3のセクションがロジック・ゲートである、少なくとも1つの反射型半導体光増幅器RSOAを備える、
通信ネットワーク・ノード。
【請求項2】
前記反射型スイッチング・マトリックスが、
多重化された光パケットの前記第1のストリームを受信し、前記逆多重化された光パケットを前記RSOAに送信する光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサPOADM
を更に備える、請求項1に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項3】
前記3つのセクションのうちの第1のセクションが、前記逆多重化された光パケットを増幅するように構成された光増幅器であり、
前記3つのセクションのうちの第2のセクションが、
前記増幅された光パケットを前記光増幅器から受信し、
前記RSOAにおいて受信した命令に従って、前記電子カードに直接送信されることが意図された前記増幅された光パケットのうちの少なくとも1つの第1の光パケットを検出する、
ように構成された、検出器であり、
前記ロジック・ゲートは、接地される、前記第3のセクションへの吸収を増やす、または前記電子カードに直接送信されることが意図されていない前記増幅された光パケットのうちの少なくとも1つの第2の光パケットを反射によって送信するように構成されている、請求項1または2に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項4】
前記検出器が、前記少なくとも1つの第1の光パケットを前記電子カードに送信する、請求項3に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項5】
前記ロジック・ゲートが、受信した命令に基づいて、接地される、前記第3のセクションへの吸収を増やす、又は、前記少なくとも1つの第2の光パケットを反射によって送信するように構成されている、請求項3に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項6】
更にミラーを備え、
前記ロジック・ゲートが、前記少なくとも1つの第2の光パケットを反射によって送信するために前記ミラーを用いるように構成され、前記少なくとも1つの第2の光パケットが、多重化された光パケットの前記第2のストリームの一部である、請求項3に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項7】
前記トランスミッタが、
前記電子カードから受信された前記電子信号を一定の光信号に変換するように構成された調整可能または選択可能なレーザと、
前記レーザから受信された前記一定の光信号を変調し、データを挿入し、該一定の光信号及び挿入された前記データを光パケットに変換するように構成された変調器と、
前記変調器から受信された前記光パケットの光ゲートとして機能するように構成された増幅器とを備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項8】
前記トランスミッタから受信された光パケットを前記光リンクに挿入するように構成された少なくとも1つのカプラをさらに備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項9】
前記反射型スイッチング・マトリックスとの間で命令を送受信できる前記電子カードと前記光リンクとの間に少なくとも1つの制御チャネルをさらに備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項10】
前記電子カードに送信されるべき多重化された光パケットの前記第1のストリームを前記光リンクから抽出するように構成された少なくとも1つのカプラをさらに備える、請求項9に記載の通信ネットワーク・ノード。
【請求項11】
前記電子カードから受信した多重化された光パケットの前記第2のストリーム及び前記トランスミッタから受信した光パケットを前記光リンクに挿入するように構成された少なくとも1つのカプラをさらに備える、請求項9または10に記載の通信ネットワーク・ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大都市通信ネットワーク、特に波長分割多重化(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光ファイバ通信ネットワークの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
メトロポリタン・エリア・ネットワークには、柔軟性、自動構成機能、新しいサービスをオンデマンドで導入できるようにする必要性などの特有の要件がある。新しいインターネット・サービスの進化により、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN:Metropolitan Area Network)では、散発的で分散されたトラフィックが発生することが予想される。オンデマンドの帯域幅は、コンテンツ配信ネットワークが大都市地域を対象にしているため、より高い柔軟性を必要とする。光パケット技術の利点は、サブ波長の粒度により、高い効率を可能にすることである。
【0003】
光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサ(POADM:Optical Packet Add/Drop Multiplexer)に基づく通信ノードを備えるWDM波長分割多重化リング型通信ネットワークは、波長チャネル上で送信される光パケット、特に複数のチャネルを経由して送信される光パケットを挿入、抽出、または転送できる。これは、光パケット交換ネットワークの今後の進化にとって有望な候補である。アクセス・ネットワークのライン・カードから入来するトラフィックを集約するために、電子的処理が用いられる。光の透過性により、光パケットは別のPOADM通信ノードに直接移動できるため電子的処理が減少し、不透明なノードを含むリング型通信ネットワークに比べて、消費電力を削減することができる。
【0004】
インライン高速光パケット・セレクタ(FOPS:Fast Optical Packet Selector)を備える固定レシーバを中心に、さまざまな方法が提案されている。ある解決策では、追加トラフィックを任意の波長で挿入できる。別の解決策では、FOPS高速光パケット・セレクタをPOADMノードのレシーバの前に配置して、固定レーザを使用する。ただし、コスト、特にFOPS高速光パケット・セレクタの数とともに増加するコストと、光通信ネットワークの効率との間の妥協点を見つける必要がある。
【0005】
前述したように、FOPS高速光パケット・セレクタのコストは、POADMマルチプレクサに基づくノードを備える光通信ネットワークを展開するための実際の提案において、極めて重要である。半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)をロジック・ゲートとして使用して、光パケットを削除または増幅する解決策が提案されているが、この解決策を実際のシステムで使用するには、デバイス(特に、SOA光増幅器)の高いコストが障害になる。
【0006】
この他に、各種の技術(SOA、VOA、MZM(March−Zender Modulator))によってInP(シリコン・プラットフォーム)に内蔵されるFOPS高速光パケット・セレクタとして、さまざまな解決策が提案されている。例えば、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)に基づく、シリコンに内蔵されるフォトニックFOPS高速光パケット・セレクタなどである。ただし、これらの解決策は、これらの製品の長期的な進化について検討されているだけであり、まだ非常に高価である。
【0007】
最近、パケット反射型光スイッチ(PROS:Packet−Reflective Optical Switch)が提案されている。この構造では、反射型半導体光増幅器(RSOA:Reflective Semiconductor Optical Amplifier)が使用される。アクセス・ネットワーク用に設計されたこのRSOA光増幅器は、POADMノードのコストの大幅な削減を可能にする低コストのデバイスであり、容易に入手できる。ネットワークの効率と柔軟性を向上するには、PROS反射型高速光パケット・セレクタを光接続上またはPOADMノードのレシーバの前に配置する必要がある。ただし、デバイスのコストとネットワーク性能の間で行われる妥協は、アーキテクチャの効率の低下につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近まで、主にFOPS高速光パケット・セレクタのコストを低減することに努力が傾けられてきたが、必要なFOPS高速光パケット・セレクタの数に関するコストが、依然として問題となっている。本発明は、光通信ネットワークのアーキテクチャに含まれる高速光パケット選択に必要なデバイスの数がより少ない解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主題は、メトロポリタン・エリア・ネットワークとリンクし、ノードを少なくとも1つのアクセス・ネットワークに接続する少なくとも1つの光リンクを備える通信ネットワーク・ノードであって、
− 複数のアクセス・ネットワークから入来するトラフィックを集約できるようにする電子カードと、
− 電子カードから電子信号を受信し、光パケットをメトロポリタン・エリア・ネットワークへ送信できるトランスミッタと、
− 多重化された光パケットのストリームを光リンクから抽出し、多重化された光パケットのストリームを光リンクに挿入できるサーキュレータと、
− サーキュレータによって送信された多重化された光パケットのストリームを受信し、受信した光パケットから光パケットを選択し、アクセス・ネットワークに送信されることが意図された光パケットを検出する反射型スイッチング・マトリックスとを備える通信ネットワーク・ノードである。
【0010】
一実施形態では、反射型スイッチング・マトリックスは、
− 多重化された光パケットを受信し、逆多重化された光パケットを送信する光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサPOADMと、
− それぞれ異なる機能を有する3つのセクションを備え、逆多重化された光パケットを受信できる少なくとも1つの反射型半導体光増幅器RSOAとを備える。
【0011】
別の実施形態では、反射型半導体光増幅器RSOAは、
− 逆多重化された光パケットを増幅するための光増幅器である第1のセクションと、
− 逆多重化され増幅された光パケットを受信し、受信した命令に従って、電子カードに直接送信されることが意図された逆多重化され増幅された光パケットを検出する検出器である第2のセクションと、
− 逆多重化され増幅された光パケットを抽出する、または反射によって送信するためのロジック・ゲートである第3のセクションとを備える。
【0012】
提案する技術解決策は、高速光パケット・セレクタ/検出器(PROS/D)と呼ばれる独自の反射型スイッチング・マトリックスであり、送信データ・ストリームの光パケットの選択および同時検出を可能にする。この技術解決策は、異なる機能を同時に実現するために、マルチセクション光増幅器RSOAによって形成される。単一チップに内蔵されたPROS/DのマルチセクションRSOAスイッチング・マトリックスによって、必要なFOPSの数を減らすと同時に、高いネットワーク性能を維持する。このPROS/Dスイッチング・マトリックスによって、単一パケットを複数の異なるノードに送信する場合(例えばマルチキャスト送信)に、検出機能、選択機能、および配布/選択機能が可能になる。
【0013】
一実施形態では、検出器は、逆多重化され増幅された光パケットを識別し、受信した命令を参照し、逆多重化され増幅された光パケットをアクセス・ネットワークの電子カードに送信する。
【0014】
別の実施形態では、検出器は、逆多重化され増幅された光パケットを識別し、受信した命令を参照し、逆多重化され増幅された光パケットを第3のセクションに送信する。
【0015】
後者の実施形態の1つの変形では、第3のセクションのロジック・ゲートは、逆多重化され増幅された光パケットを識別し、受信した命令を参照し、光パケットを抽出する。別の変形では、第3のセクションのロジック・ゲートは、逆多重化して増幅された光パケットを識別し、受信した命令を参照し、ミラーによって光パケットをマルチプレクサに返す。
【0016】
さらに別の実施形態では、トランスミッタは、
− 電子カードから受信された電子信号を一定の光信号に変換できる調整可能または選択可能なレーザと、
− レーザから受信された一定の光信号を変調し、データを挿入し、それを光パケットに変換できる変調器と、
− 変調器から受信された光パケットの光ゲートとして機能する増幅器とを備える。
【0017】
第1の態様では、メトロポリタン・エリア・ネットワーク・ノードはさらに、トランスミッタから受信された光パケットを光リンクに挿入できる少なくとも1つのカプラを備える。
【0018】
第2の態様では、メトロポリタン・エリア・ネットワーク・ノードはさらに、命令を反射型スイッチング・マトリックスとの間で送受信できる電子カードに光リンクを接続する少なくとも1つの制御チャネルを備える。
【0019】
第3の態様では、メトロポリタン・エリア・ネットワーク・ノードはさらに、制御チャネルの光パケットを光リンクから抽出できる少なくとも1つのカプラを備える。
【0020】
第4の態様では、メトロポリタン・エリア・ネットワーク・ノードはさらに、制御チャネルの光パケットを光リンクに挿入できる少なくとも1つのカプラを備える。
【0021】
WDMパケット交換通信ネットワークは、間もなく展開されると予想される。高効率で低価格のPOADM光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサ通信ノードは、そのようなネットワークを構築するための重要な要素であり、既存のネットワークとのその互換性は必要不可欠である。PROS/D高速セレクタ/検出器は、FOPS光パケット・セレクタのコスト、およびそれらのセレクタの数の削減を可能にする(2つのFOPSと比較して、1ノードのアークテクチャで1つのPROS/D)。
【0022】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の一実施形態の説明で明らかにする。以下の実施形態は、これに限定されない実施例であり、添付の図面で例示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】リング型通信メトロポリタン・エリア・ネットワークに属するPOADM光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサ通信ノードのアーキテクチャの図である。
【
図2】POADM光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサ通信ノードのPROS/D反射型スイッチ・マトリックスの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示す実施形態では、リング型通信メトロポリタン・エリア・ネットワーク1は、POADM光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサに基づく通信ノード2、多重化された光信号を伝達し、POADM通信ノードを互いに接続する光ファイバなどの光リンク3、およびPOADM通信ノード間に追加で配置される可能性のあるエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium−Doped Fiber Amplifier)4を備える。サーキュレータ5は、光リンク3内を循環する多重化された光パケットのストリームを、POADM通信ノード2のスイッチング・マトリックス7に向かう矢印6で示された方向に向ける。POADM通信ノード2について、以下でさらに詳細に説明する。
【0025】
POADM通信ノード2は、光パケットを電気信号に変換できるようにする電子カード9によって、ユーザ・アクセス・ネットワーク8との通信を確立できるようにする。電気信号は、受信ポートRX10でアクセス・ネットワーク8から受信され、送信ポートTX11でアクセス・ネットワーク8に送信される。さらに、受信ポートRX12は、制御チャネル13の専用波長で伝達される光パケットの形態で、POADM通信ノード2が動作するために必要な命令を受信する。制御チャネル13は、POADM通信ノード2の入力でリング型ネットワーク1に接続され、光リンク3内を循環する多重化された光パケットのストリームから制御チャネル13を抽出する役割を持つカプラで検出される。送信ポートTX14は、POADM通信ノード2の動作に関する情報を、光パケットの形態で、制御チャネル15によって送り返す。制御チャネル15は、制御チャネル15を光リンク3内の多重化された光パケットのストリームに挿入する機能を持つカプラによって、リング型メトロポリタン・エリア・ネットワーク1に接続される。専用波長上の制御チャネル13、15は、各光パケットの送信先を取得するため、および必要な情報をPOADM通信ノード2に送信するために特に使用され、それによって光パケットが送信先に到達できるようにするために提供されたさまざまな動作(抽出、追加、検出、送信など)を実行できる。
【0026】
受信ポートRX10および電子カード9を介してアクセス・ネットワーク8から受信された電気信号は、トランスミッタ16によって処理され、通信ノード2の光レイヤに送信される。トランスミッタ16は、変調されない一定の光信号を放射する調整可能または選択可能な高速レーザ17を備える。一定の光信号は、変調器18に送信される。その後、光信号は変調され、データを追加することによって光パケットに変換される。変調器18の後に配置された光増幅器19によって、さまざまな光パケットの削除または増幅が可能になる。選択可能なレーザは、単一チップに内蔵された複数の固定レーザを備える光集積回路(PIC:Photonic Integrated Circuit)にすることができる。トランスミッタ16では、調整可能または選択可能な高速レーザ17を使用してさまざまな波長を生成し、変調器18を使用して光パケットを変調し、SOA光増幅器19を光ゲートとして使用して光パケットを遮断(または増幅)する。例えば、調整可能または選択可能な高速レーザ17が新しい波長に調整され、その動作中にSOA光増幅器19が「オフ」の位置に設定されることによって、不要な光パケット(干渉によるノイズ)が遮断される。次に、SOA光増幅器19は、調整可能または選択可能な高速レーザ17をリング型ネットワーク1に接続する光チャネル20によって新しい光パケットがその新しい波長に送信されるときに、再び「オン」の位置に設定される。トランスミッタ16からの光パケットは、例えばカプラによって、リング型通信ネットワーク1のトラフィックに挿入される。カプラの機能は、チャネル20を介してトランスミッタ16から受信された光パケットを、光リンク3内を循環する多重化された光パケットのストリームに挿入することである。
【0027】
ここで、POADM通信ノード2の、PROS/D(高速光パケット・セレクタ/検出器)として知られる反射型スイッチング・マトリックス7を詳細に示す
図2について検討する。光パケットのストリームは、サーキュレータ5を離れると、光パケット・アド/ドロップ・マルチプレクサ30に入り、ここで各光パケットは、その波長に基づいて分離され、RSOA増幅器31a、31b、…、31h、31iにそれぞれ割り当てられる。例えば、RSOA反射型光増幅器31aは、それぞれ異なる機能(増幅、検出、および送信/削除)を提供する3つのセクションを備える。
【0028】
入力では、常に正に分極される第1のセクション32aが、逆多重化された入来光パケット34aを増幅する機能を持つ光増幅器33aとして使用される。
【0029】
負に分極される第2のセクション35aは、受信した命令に従って、逆多重化され増幅されて入来光パケット34aを検出および選択する機能を持つレシーバ36aとして使用される。検出された光信号は、接続37aよって電子カード9を介してアクセス・ネットワーク8に送信される電気信号に変換される。レシーバ36aは、増幅された入来光パケット34aを選択しないで、引き続き第3のセクションで処理できるようにする命令を受信することもできる。第2のセクション35aの長さは、40GHz以上の検出帯域幅を得るために、検出帯域幅と感度の間の妥協として決定される。
【0030】
RSOA反射型半導体光増幅器31aの第3のセクション38aは、ロジック・ゲート39aと、その後のミラー40aで構成される。ロジック・ゲート39aは、制御チャネル13が提供する命令を、電気信号の形態で接続41aを介して受信する。第3のセクション38aは、正に分極されて入来光パケットを送信するか、または接地されるか、または光パケットを削除するために、負に分極されてそのエリアへの吸収を増やす。ここでは、後者について示している。
【0031】
同様に、RSOA光増幅器31iも、前述したRSOA光増幅器に類似した3つのセクションを備える。常に正に分極される第1のセクション32iは、入来光パケット34iを増幅する機能を持つ光増幅器33iである。
【0032】
第2のセクション35iは、第1のセクション32iで増幅された入来光パケット34iを検出する機能を持つレシーバ36iである。レシーバ36iは、受信した命令に従って、検出されて電気信号に変換された光信号を、接続37iによってアクセス・ネットワーク8に送信する。
【0033】
RSOA反射型半導体光増幅器31iの第3のセクション38iは、ロジック・ゲート39iと、その後のミラー40iで構成される。ロジック・ゲート39iは、制御チャネル13が提供する命令を、電気信号の形態で接続41iを介して受信する。ここでは、第3のセクション38iは、正に分極されて光パケットを送信している。光パケットが送信されると、そのパケットは、ミラー40iによって反射され、送信光パケット42iの形態で逆方向にマルチプレクサ30に送信される。この場合、第1のセクション32iの光増幅器33iの機能は、送信光パケット42iを活性化することである。
【0034】
効率的に光パケットを遮断できるロジック・ゲート39aを得るには、スイッチとして機能するこのセクションの長さをできるだけ長くしなければならないということに注意する必要がある。このセクションが、できるだけ短くする必要のある高速フォトダイオードの機能を追加で提供することを意図している場合、従来技術では、このセクションの長さについて妥協する必要があり、それによってロジックおよび機能の性能が低下する。
【0035】
本発明は、前述した実施形態に制限されず、本発明の精神から逸脱せずに、当技術分野の熟練者が利用できる多くの形態に変更される場合がある。特に、通信ネットワーク内の少なくとも1つのアクセス・ネットワークと接続するメトロポリタン・エリア・ネットワークのPROS/D高速光パケット・セレクタ/検出器反射型スイッチング・マトリックスのRSOA反射型半導体光増幅器の数は、本発明の範囲から逸脱せずに変更することができる。