(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納部は、前記穿孔パンチの載置面と直交する方向において、その内部に収納された前記穿孔パンチを挟持する挟持手段を有する、請求項1ないし請求項5に記載のパンチ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態について>
以下、この発明の第1の実施の形態に係るパンチについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを示す斜視図であり、
図1(A)がハウジングから穿孔パンチを引き出した状態を示す図であり、
図1(B)がハウジングに穿孔パンチを収納した状態を示す図である。この実施の形態に係るパンチ10は、収納部としてのハウジング20と、用紙などの被穿孔体Pを穿孔するための穿孔パンチ100を構成する二つの穿孔パンチ((一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100R)と、二つの(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rを互いに接続するように固定されたハンドル300とを備える。なお、以下の説明および特許請求の範囲では、方向の表記について、二つの(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rがハウジング20の収納空間22から引き出された状態で、穿孔パンチ100が引き出された側からパンチ10を見たときを正面とする。そして、左右方向とは、二つの(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rを互いに結ぶ方向のことである。前後方向とは、ハウジング20から引き出された状態の(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rが延在する方向のことであり、パンチ10の先端側が手前側であり、ハウジング20側が向こう側である。上下方向とは、左右方向と前後方向の交わる平面(すなわち、パンチ10の載置面)と直交する方向のことである。
【0011】
<第1の実施の形態に係るハウジング20について>
図2〜5は、この発明の第1の実施の形態に係るハウジングについて示す図である。
図2(A)が平面図であり、
図2(B)が底面図である。また、
図3(A)が
図2に示すIIIA矢視図(すなわち、正面図)であり、
図3(B)が
図2に示すIIIB矢視図(すなわち、背面図)である。また、
図4(A)が
図3(A)に示すIVA―IVA断面図であり、
図4(B)がIVB―IVB断面図であり、
図4(C)がIVC―IVC断面図である。また、
図5(A)が
図3(A)に示すVA―VA断面図であり、
図5(B)がVB―VB断面図であり、
図5(C)がVC―VC断面図である。
【0012】
第1の実施の形態に係るハウジング20は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。ハウジング20は、左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lおよび右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rそれぞれを出し入れ可能に収納するためのものである。ハウジング20は、底板30と、底板30の左端辺から立ち上がる側板50Lと、底板30の右端辺から立ち上がる側板50Rと、底板30の後端辺から立ち上がる背板60と、挟持部としての天板80とを有する。すなわち、ハウジング20は、その前方が開放された箱型の形状を有する。
【0013】
<底板30について>
ハウジング20の底板30は、平面視略長方形状であり、左側の側板50Lの近傍に形成される回転軸取付け孔32Lと、右側の側板50Rの近傍に形成される回転軸取付け孔32Rと、略中央に形成される保持部34とを有する。(一方の)左側の回転軸取付け孔32L及び(他方の)右側の回転軸取付け孔32Rは、それぞれが同様の形状であり、互いに左右対称の位置に形成される。(一方の)左側の回転軸取付け孔32L及び(他方の)右側の回転軸取付け孔32Rは、それぞれに、(一方の)左側の回転軸400L及び(他方の)右側の回転軸400Rそれぞれが上方向にのびるように取り付けられる。左側の回転軸取付け孔32Lに取り付けられる回転軸400Lは、第1の穿孔パンチ100Lをハウジング20に対して回転可能に支持するためのものである。また、右側の回転軸取付け孔32Rに取り付けられる回転軸400Rは、第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20に対して回転可能に支持するためのものである。
【0014】
保持部34は、左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lおよび右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rそれぞれに形成された後述する被保持部230とともに、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20内に収納した状態に保持するための保持手段として作用する。保持部34は、底板30の前端辺の近傍を根元として、後端辺に向かって舌状にのびる舌状部36を有する。舌状部36は、底板30の後端辺を抉るように形成された矩形状の切欠部40に形成される。すなわち、舌状部36は、その根元である前端辺が、切欠部40の前端辺と一体的に形成される。また、舌状部36は、その左端辺が、切欠部40の左端辺に沿ってのび、且つその右端辺が、切欠部40の右端辺に沿ってのびる。また、舌状部36は、その後端辺が、切欠部40の後端辺(すなわち、底板30の後端辺と同一直線上の端辺)に沿ってのびる。なお、舌状部36の後端辺と切欠部40の後端辺とは、前後方向に所定の距離だけ離れて形成される。すなわち、切欠部40は、その後方部に形成され、前後方向に所定の寸法を有して左右方向にのびる矩形貫通孔42と、矩形貫通孔42の前端辺の左端から前方に向かってのびる左側のスリット部44Lと、前端辺の右端から前方にのびる左側のスリット部44Lとを有する。
【0015】
舌状部36は、その厚み(すなわち、上下方向の寸法)が、ハウジング20の底板30よりも小さく形成される。舌状部36は、その前端辺36cから後方にのびる前方部と、当該前方部の後端辺から斜め下方向にのびる中間部と、当該中間部の後端辺から後方向にのびる後方部とを有する。すなわち、舌状部36は、その前方部が、後方部よりも上方に形成される。舌状部36は、その前方部の上面が、上下方向において、ハウジング20の底板30の上面と同じ位置に形成される。舌状部36は、その中間部の上面に、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rに形成された被仮固定部230被保持部230それぞれに係合するための(一方の)左側の突部38L及び(他方の)右側の突部38Rが突設される。(一方の)左側の突部38L及び(他方の)右側の突部38Rそれぞれは同様の形状であり、互いに左右対称の位置に形成される。したがって、ここでは左側の突部38Lのみについて説明し、右側の突部38Rの同様となる説明は繰り返さない。突部38Lは、舌状部36の上面における左端辺の近傍に突設される。突部38Lは、平面視矩形状である。また、側面視すると、その前端辺38cに鋭角を有し、且つ後端辺38dが載置面と直交した方向にのびる略直角三角形である。
【0016】
<側板50Lおよび側板50Rについて>
ハウジング20は、底板30の左右端より立設された側板50を有しており、側板50は、底板30と同じ幅で上方にのびる略長方形状である。側板50は、底板30と同じ幅で上方にのびる略長方形状である。側板50は、穿孔パンチ100を収納するために一定の間隔をおいて左右に分かれた、左側の側板50Lと右側の側板50Rとを備える。左側の側板50Lと、右側の側板50Rとは、ハウジング20の略中央に形成された仕切り板24に関して互いに面対称であり、同様の形状を有する。したがって、ここでは左側の側板50Lについてのみ説明し、右側の側板50Rについては同様となる説明は繰り返さない。側板50Lは、内壁50sに、その上下方向の略中央に平板状の台座52Lがハウジング20の内方に向けて一体的に突設される。台座52Lは、その主面がハウジング20の載置面と平行になるように形成される。具体的には、台座52Lは、その左側面が側板50Lの内壁50sと一体的に形成され、且つその後側面が後述する背板60の内壁と一体的に形成される。また、台座52Lは、その前端辺が、平面視したとき、底板30の前端辺と、回転軸取付け孔32Lとの間を左右方向にのびるように配設される。また、台座52Lは、その右端辺が、平面視したとき、回転軸取付け孔32Lの右側を前後方向にのびるように配設される。そして、台座52Lの前端辺および右端辺で形成される角部の近傍には、上下方向にのびる回転軸400Lが通り抜けるための回転軸取付け孔54Lが形成される。台座52Lの回転軸取付け孔54Lは、平面視したとき、底板30に形成された回転軸取付け孔32Lと重なる位置に形成される。すなわち、底板30に形成された回転軸取付け孔32Lと、台座52Lに形成された回転軸取付け孔54Lとが上下方向に連なった状態になる。また、台座52Lの上面には、後述する付勢手段としてのバネ部材410Lが載置される。
【0017】
<背板60について>
ハウジング20は、底板30より立設され、側板50の側板50Lと側板50Rとの間に架け渡された背板60を有している。背板60は、底板30と同じ幅で側板50と同じ高さ(すなわち、上下方向の寸法)を有する略々長方形状である。ハウジング20の背板60は、内壁に、上述したように、その左端辺における上下方向の略中央から、平面視したとき、回転軸取付け孔32Lの右側まで左右方向にのびる台座52Lの後側面が一体的に形成される。また、背板60の内壁における台座52Lの右側には、後述するバネ部材410Lの下方延在部414Lを位置決めするための位置決め部62Lが突設される。位置決め部62Lは、台座52Lの右側面の上端から右方向にのびる下方位置決め部64Lと、下方位置決め部64Lの上方に下方位置決め部64Lに沿って右方向にのびる上方位置決め部66Lとからなる。下方位置決め部64Lの上面と、台座52Lの上面とは、上下方向において、同じ位置になるように形成される。すなわち、後述するバネ部材410Lの下方延在部414Lは、下方位置決め部64Lと上方位置決め部66Lとの間に配設されることによって位置決めされる。また、ハウジング20の背板60の内壁には、その右端辺60Rの近傍にも、前記した左側の台座52Lおよび位置決め部62Lと同様の構造を有する台座52R、位置決め部62Rが突設される。台座52Lと台座52Rとは、ハウジング20の略中央に形成された仕切り板24に関して互いに面対称である。また、位置決め部62Lと位置決め部62Rについても、ハウジング20の略中央に形成された仕切り板24に関して互いに面対称である。したがって、ここでは同様となるため、台座52Rおよび位置決め部62Rの説明を繰り返さない。
【0018】
背板60の略中央には、後述するスイッチ240を取り付けるためのスイッチ取付け部70が上下方向にのびて形成される。スイッチ取付け部70の左右方向の寸法は、上述した底板30に形成される切欠部40のそれとほぼ等しい。スイッチ取付け部70は、背板60の上端辺から下端辺にわたって矩形状にのびるように形成される。スイッチ取付け部70は、背板60の上端辺から下端辺の近傍の位置まで上下方向にのびるスイッチ胴体取付け部72と、スイッチ胴体取付け部72の下端辺から底板30までを切欠いて形成されたスイッチ下端取付け部74とを有する。スイッチ胴体取付け部72は、正面から見たとき、略I字形状である。すなわち、スイッチ胴体取付け部72は、その左端辺における上端および下端を除いた部分が上下方向にのびて矩形状に切り欠かれ、且つその右端辺も同様に上端および下端を除いた部分が上下方向にのびて矩形状に切り欠かれた形状である。
【0019】
スイッチ胴体取付け部72は、その左端辺の切り欠かれた部分の対応した位置に、上下方向にのびる矩形状のスリット78Lが形成される。また、スイッチ胴体取付け部72は、その右端辺の切り欠かれた部分の対応した位置に、上下方向にのびる矩形状のスリット78Rが形成される。左側のスリット78Lと、右側のスリット78Rとは、互いに同じ形状を有し、左右対称の位置に形成される。スイッチ胴体取付け部72の厚み(すなわち、前後方向の寸法)は、背板60の厚みとほぼ等しい。なお、スイッチ胴体取付け部72の前面は、背板60の内壁よりもやや前方にのり出して、上下方向にのびて形成される。そして、スイッチ取付け部70の背面は、背板60の外壁よりもやや前方にのり出し、且つ背板60の内壁よりもやや後方に位置するように、上下方向にのびて形成される。スイッチ胴体取付け部72の左端辺および右端辺それぞれの上端および下端は、背板60の内壁と一体的に形成される。また、スイッチ胴体取付け部72の上端辺は、天板80の内壁と一体的に形成される。
【0020】
スイッチ胴体取付け部72の前面の左右方向における略中央には、ハウジング20に形成された収納空間22を二分割するための仕切り板24が配設される。この仕切り板24により仕切られた左側の収納空間22Lに第1の穿孔パンチ100Lが収納され、右側の収納空間22Rに第2の穿孔パンチ100Rが収納される。仕切り板24は、その後方に位置する側面がスイッチ胴体取付け部72の前面と一体的に形成される。また、仕切り板24は、その前方に位置する側面が、平面視したとき、底板30の前端辺と同一直線状になるように形成される。仕切り板24の下方部には、その後端辺から前端辺の近傍までを切欠くように形成された略矩形状の切欠部28が形成される。この切欠部28の上端辺は、上下方向において、スイッチ下端取付け部74の上端辺とほぼ同じ位置になるように形成される。仕切り板24の下方部の切り欠かれていない前方部の下端辺は、底板30の内壁と一体的に形成される。
【0021】
<天板80について>
ハウジング20は、背板60の上端より向こう側に向けて突設され、側板50の側板50Lと側板50Rとの間に架け渡された天板80を有している。天板80は、側板50と同じ幅で、背板60と同じ長さを有する略々長方形状である。天板80は、その左端辺の近傍に、前端辺から後方に向けて抉るように形成された切欠部88Lと、切欠部88Lと同様の形状を有し、切欠部88Lと左右対称の位置に形成された切欠部88Rとを有する。切欠部88Lと切欠部88Rとは、穿孔パンチ100の第1の穿孔パンチ100Lと第2の穿孔パンチ100Rとの間隔に対応した間隔をおいて、天板80の前端辺より内側に向けて切り欠けた平面視略円弧状の空間を形成する。なお、ここでは左側の切欠部88Lについてのみ説明し、右側の切欠部88Rについての同様となる説明は繰り返さない。
【0022】
切欠部88Lは、天板80の前端辺から後方にのびる矩形状の部分と、矩形状の部分の後方端に形成された半円状の部分とからなる。切欠部88Lの半円状の部分は、その中心が、平面視したとき、上述した底板30に形成された回転軸取付け孔32L、および上述した台座52Lに形成された回転軸取付け孔54Lと同じ位置に位置するように形成される。すなわち、底板30の回転軸取付け孔32Lと、台座52Lの回転軸取付け孔54Lと、天板80の切欠部88L(の半円状の部分)とが上下方向に連なった態様となる。天板80の切欠部88Lの右端辺と、天板80の前端辺とで形成される角部には、棒状の突部82Lが突設される。天板80の切欠部88Rの左端辺と、天板80の前端辺とで形成される角部にも、同様の突部82Rが突設される。
【0023】
<第1の実施の形態に係る穿孔パンチ100について>
第1の実施の形態に係る穿孔パンチ100は、一度に二つの綴じ孔を穿孔するために、二つの綴じ孔の間隔に対応した間隔をおいて、ハウジング20に取り付けられた、左側の第1の穿孔パンチ100Lと右側の第2の穿孔パンチ100Rとを有している。穿孔パンチ100は、穿孔用孔118を有する土台110、土台に対して変位可能に設けられたレバー170、レバーに取り付けられた穿孔刃450、および穿孔刃が土台110の穿孔用孔118から離れるようにレバー170を付勢するためのバネ部材410を有し、土台110およびレバー170が、ハウジング20の収納空間22に対して回転可能に支持される。穿孔パンチ100は、ハウジング20の収納空間22から引き出し、穿孔パンチ100の土台110のダイと穿孔刃450との間に被穿孔体Pを配置し、バネ部材410の弾圧力に抗してレバー170を押すと穿孔刃450が被穿孔体Pを貫通して土台110の穿孔用孔118に入れることによって、被穿孔体Pを穿孔をする。穿孔パンチ100は、ハウジング20の収納空間22内に収納されたり収納空間22から引き出されたりするように、収納空間22に対して、回転軸400を中心に回転可能に支持されている。
【0024】
左側に配設される第1の穿孔パンチ100L及び右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、互いに同様の形状を有し、ハウジング20の左右対称の位置に取り付けられる。したがって、以下の説明では、特に必要な場合を除いて、
(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rをまとめて穿孔パンチ100として説明する。
【0025】
穿孔パンチ100は、前後方向にのび、用紙などの被穿孔体Pが載置される土台110と、前後方向にのび、略上下方向に移動可能な穿孔刃450を上下動させるためのレバー170と、レバー170が穿孔を行うときの動作の支点となる支点シャフト420Fと、穿孔刃450を支持するための穿孔刃支持シャフト420Sと、穿孔刃支持シャフト420Sに支持され、上下方向に移動可能な穿孔刃450と、前後方向にのび、用紙などの被穿孔体Pを穿孔する際に生じる紙屑などを収納するためのダストボックス210と、レバー40を略上方に付勢し、かつ穿孔パンチ100をハウジング20の収納空間22の外側に向けて付勢する付勢手段としてのバネ部材410とを有する。
【0026】
<第1の実施の形態に係る土台110について>
図6および
図7は、この発明の第1の実施の形態に係る土台について示す図である。
図6(A)が平面図であり、
図6(B)が右側面図である。また、
図7は、
図6(A)に示すVII−VII断面図である。第1の実施の形態に係る土台110は、その上面に被穿孔体Pが載置されるベース部112と、レバー170が取り付けられるレバー取付け部130と、ベース部112とレバー取付け部130とを一体的に接続し、且つ回転軸400が取り付けられる回転軸取付け部160とを有する。
【0027】
土台110は、全体的形状が、ハウジング20の収納空間22の中に収納されたときに、ハウジング20の収納空間22より外に食み出されないように構成されている。土台110にレバー170が取り付けられたときの幅及び高さは、ハウジング20の収納空間22の幅及び高さと同じかそれよりも小さい長さに形成されている。土台110は、ベース部112とレバー取付け部130と回転軸取付け部160とを合成樹脂で一体形成されている。
【0028】
<ベース部112について>
ベース部112は、前後方向にのび、その上面に被穿孔体Pが載置される平板状のベース天部114と、ベース天部114の左端辺から下方向にのびる板状ベース側部124Lと、ベース天部114の右端辺から下方向にのびるベース側部124Rとを有する。
ベース天部114は、その上面が平面状に被穿孔材Pを水平に載置できるように平面状形成されている。ベース側部124Lとベース側部124Rとは、左右対称で、上下方向の高さが同一で、同一の高さで穿孔時に接地するように形成されている。
また、回転軸取付け部160が、ベース部112の後方をカバーするように一体的に形成される。すなわち、土台110のベース部112は、正面から見たとき、前方および下方の開放された略逆U字形状である。
【0029】
ベース天部114の内壁の前端辺の近傍には、ダストボックス210を嵌合する際に雄部材となる嵌合雄板116が左右方向にのびるように突設される。また、ベース天部114の略中央には、平面視略円形状の穿孔用孔118が形成される。この穿孔用孔118は、穿孔刃450が被穿孔体Pに穿孔する際にその内部に挿入され、且つ穿孔する際に生じる紙屑などをベース天部114の上面からダストボックス210に落下させるために形成される。
【0030】
左側のベース側板124Lと、右側のベース側板124Rとは、互いに鏡映されたような形状を有し、左右対称の位置に形成される。したがって、ここではベース側板124Lについてのみ説明し、ベース側板124Rの同様となる説明は繰り返さない。ベース側板124Lの内壁における下端辺の前方端には、前後方向にのびる略直方体形状の嵌合凹部126Lが形成される。嵌合凹部126Lの左側に位置する側壁は、上端からやや右斜め下方向にのびる。すなわち、嵌合凹部126Lは、下方から上方に向かって徐々に左右方向の寸法が大きくなるように形成される。
【0031】
<レバー取付け部130について>
レバー取付け部130は、ベース部112の上方においてベース部112の一部を覆うように形成され、その底面が、ベース天部114の上面と対向するように形成される。レバー取付け部130の底面と、ベース天部114の上面とは、上下方向に所定の距離だけ離れて平行に対向する。すなわち、レバー取付け部130の底面と、ベース天部114の上面との間には前後方向にのびる間隙が形成される。
この間隙は、被穿孔材Pを穿孔するための被穿孔材Pを穿孔する穿孔体差し込み間隙を構成している。
レバー取付け部130は、ベース部112のベース天部114の前端縁より後方に位置しており、ベース部112のベース天部114はレバー取付け部130の前端縁より手前側が解放されている。
被穿孔体Pは、この穿孔体差し込み間隙に挿し込まれるようにして、ベース天部114の上面に載置される。レバー取付け部130は、その左右方向の寸法(すなわち、幅方向の寸法)が、上述したベース部112のそれよりも小さく形成される。そして、レバー取付け部130は、平面視したとき、ベース部112の左右方向における中央を前後方向にのびるように形成される。レバー取付け部130は、その前面が、ベース部112の前面よりも後方に位置するように形成される。レバー取付け部130は、前方から順に、前後方向摺動受け部132と、上下方向摺動受け部142と、根元接続部152とを有する。前後方向摺動受け部132、上下方向摺動受け部142および根元接続部152は、一体的に形成される。
【0032】
<前後方向摺動受け部132について>
レバー取付け部130の前後方向摺動受け部132は、前後方向摺動受け底板134と、前後方向摺動受け底板134の左端辺から立ち上がる前後方向摺動受け側板136Lと、前後方向摺動受け底板134の右端辺から立ち上がる前後方向摺動受け側板136Rと、前後方向摺動受け底板134の後端辺から立ち上がる前後方向摺動受け背板とを有する。すなわち、前後方向摺動受け部132は、その前方および上方の開放された略箱型の形状を有し、正面から見ると、略U字形状である。なお、前後方向摺動受け背板は、上下方向摺動受け前板144でもある。
【0033】
前後方向摺動受け底板134の前面は、その上端辺がその下端辺よりも前方に位置するように形成される。こうすることにより、レバー取付け部130の底面と、ベース天部114の上面との間に、被穿孔材Pを穿孔するために被穿孔材Pを挿入する穿孔体差し込み間隙が形成され、その間隙は、前端辺(すなわち、被穿孔体Pの差し込み口)が上下方向に広がった態様となるため、被穿孔体Pを間隙に差し込みやすくなる。また、前後方向摺動受け底板134は、その底面の前方端辺に略三角柱形状の突部135が形成される。突部135は、左右方向にのびるように形成される。この突部135により、ベース天部114の上面に載置された被穿孔体Pの動きを抑制することができる。
【0034】
前後方向摺動受け側板136Lおよび前後方向摺動受け側板136Rは、互いに同様の形状を有するため、ここでは、前後方向摺動受け側板136Lおよび前後方向摺動受け側板136Rを前後方向摺動受け側板136として説明する。前後方向摺動受け側板136は、その前面を後方に向けて抉るように形成された前後方向摺動切欠き138が形成される。前後方向摺動切欠き138は、前後方向摺動受け側板136の前面から後方に向かって矩形状にのび、その後端が略円弧状に形成される。この前後方向摺動切欠き138の内部を、後述する支点シャフト420Fが前後方向に摺動する。
【0035】
<上下方向摺動受け部142について>
レバー取付け部130の上下方向摺動受け部142は、上下方向摺動受け前板144と、上下方向摺動受け背板146と、左側の上下方向摺動受け側板148Lと、右側の上下方向摺動受け側板148Rとを有する。すなわち、上下方向摺動受け部142は、上下方向に貫通した孔を有する略円筒状に形成される。この上下方向に貫通した孔を穿孔刃移動空間150とする。この穿孔刃移動空間150の内部を穿孔刃450が上下方向に移動する。穿孔刃移動空間150は、上述したベース天部114の上面に形成される穿孔用孔118の真上に形成される。
【0036】
上下方向摺動受け側板148Lおよび上下方向摺動受け側板148Rは同様の形状を有するため、ここでは上下方向摺動受け側板148Lおよび上下方向摺動受け側板148Rを上下方向摺動受け側板148として説明する。上下方向摺動受け側板148には、上下方向にのびる上下方向摺動切欠き149が形成される。上下方向摺動切欠き149は、略矩形状である。上下方向摺動切欠き149は、その上端および下端が略円弧状に形成される。上下方向摺動切欠き149の内部を、後述する穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向に摺動する。穿孔刃支持シャフト420Sには、穿孔刃450が取り付けられる。すなわち、穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向摺動切欠き149の内部を上下方向に摺動することにより、穿孔刃450が穿孔刃移動空間150の内部を上下方向に移動する。
【0037】
<根元接続部152について>
レバー取付け部130の根元接続部152は、根元接続底板154と、根元接続底板154の左端辺から立ち上がる根元接続側板156Lと、根元接続底板154の右端辺から立ち上がる根元接続側板156Rと、根元接続底板154の前端辺から立ち上がる根元接続前板とを有する。すなわち、根元接続部152は、その後方および上方の開放された略箱型の形状を有し、背面から見ると、略U字形状である。なお、根元接続部152の根元接続前板は、上下方向摺動受け部142の上下方向摺動受け背板146でもある。根元接続底板154は、その後端部が、回転軸取付け部160の上面の前端部と一体的に形成される。
【0038】
根元接続側板156Lおよび根元接続側板156Rは同様の形状を有するため、ここでは根元接続側板156Lおよび根元接続側板156Rを根元接続側板156として説明する。根元接続側板156は、その上下方向の寸法が前方から後方に向かって徐々に小さくなるように形成される。すなわち、根元接続側板156は、側面の側から見ると、前方から後方に向かって斜め下にのびるように形成される。根元接続側板156は、その後端部が、回転軸取付け部160の上面の前端部と一体的に形成される。
【0039】
なお、前後方向摺動受け側板136と、上下方向摺動受け側板148と、根元接続側板156とは、一枚板であり、一体的に形成されている。すなわち、前後方向摺動受け側板136と、上下方向摺動受け側板148と、根元接続側板156とが、レバー取付け部130の側板である。
【0040】
<回転軸取付け部160について>
回転軸取付け部160は、ベース部112の後方にのびるようにベース部112と連続して形成されており、略直方体の形状を有する。回転軸取付け部160は、ベース部112のベース側部124L及びベース側部124Rに続く側部を備え、その側部は、ベース側部124L及びベース側部124Rの下端縁に連側する下端縁を備える。回転軸取付け部160の底面には、その前端辺から後端辺の近傍まで前後方向にのびる凹部162が形成される。凹部162の上壁には、その前方部の左右方向の両端辺それぞれに、上下方向にのびる平面視略矩形状の(一方の)左側の矩形穴164L及び(他方の)右側の矩形穴164Rが形成される。また、凹部162の上壁には、(一方の)左側の矩形穴164L及び(他方の)右側の矩形穴164Rの後方に、回転軸取付け部160の上面まで貫通する平面視略円形状の回転軸取付け孔166が形成される。この回転軸取付け孔166に、回転軸400が通される。回転軸取付け部160の前面の上方部分に、上述したベース部112の後端部およびレバー取付け部130の後端部が一体的にされる。
【0041】
<第1の実施の形態に係るレバー170について>
図8および
図9は、この発明の第1の実施の形態に係るレバーについて示す図である。
図8(A)が平面図であり、
図8(B)が右側面図である。また、
図9は、
図8(A)に示すIX−IX断面図である。第1の実施の形態に係るレバー170は、レバー天板172と、レバー天板172の左端辺から垂れ下がるレバー側板182Lと、レバー天板172の右端辺から垂れ下がるレバー側板182Rと、レバー天板の前端辺から垂れ下がるレバー前板188と、レバー天板172の後端辺から垂れ下がり、平面視略円弧状のレバー背板192とを有する。すなわち、レバー170は、その下方が開放された略箱型の形状を有する。レバー天板172は、その後方端に円筒状のハンドル取付け部174が突設される。このハンドル取付け部174のハンドル取付け軸孔178に、後述するハンドル300に形成されるハンドル突部392が嵌合される。
【0042】
レバー側板182Lおよびレバー側板182Rは、互いに鏡映されたような同様の形状を有するため、ここではレバー側板182Lについてのみ説明し、レバー側板182Rの同様となる説明は繰り返さない。レバー側板182Lは、前端辺から前後方向の略中央辺りまでの前方部の上下方向の寸法が、後方部の上下方向の寸法よりも大きく形成される。レバー側板182Lの前方部には、二つのシャフト取付け孔184が前後方向に所定の距離だけ離れて形成される。前方のシャフト取付け孔184に、支点シャフト420Fが取り付けられる。また、後方のシャフト取付け孔184に、穿孔刃支持シャフト420Sが取り付けられる。
【0043】
<支点シャフト420Fおよび穿孔刃支持シャフト420Sについて>
図10は、この発明の第1の実施の形態に係る雄シャフトを示す図である。
図10(A)が底面図であり、
図10(B)が側面図である。また、
図11は、この発明の第1の実施の形態に係る雌シャフトを示す図である。
図11(A)が底面図であり、
図11(B)が側面図であり、
図11(C)が
図11(A)に示すXIC−XIC断面図である。支点シャフト420Fおよび穿孔刃支持シャフト420Sは、互いに同じ構造を有する。具体的には、支点シャフト420Fおよび穿孔刃支持シャフト420Sは、一対の雄シャフト430および雌シャフト440から構成される。雄シャフト430は、略円板状の雄頭部432と、雄頭部432の一方の主面の略中央から軸方向にのびる雄主軸部434とを有する。雄頭部432の他方の主面は、雄主軸部434がのびる方向と反対側に湾曲して突出するように形成される。
【0044】
雌シャフト440は、略円板状の雌頭部442と、雌頭部442の一方の主面の略中央から軸方向にのびる雌主軸部444とを有する。雌頭部442の他方の主面は、雌主軸部444がのびる方向と反対側に湾曲して突出するように形成される。雌主軸部444は、その直径が、雄主軸部434の直径よりも大きく形成される。雌主軸部444の底面には、雄主軸部434に対応した形状の雄シャフト嵌合穴446が形成される。すなわち、この雄シャフト嵌合穴446に、雄シャフト430の雄主軸部434が嵌合される。このようにして、雌シャフト440に雄シャフト430が取り付けられ、一本の支点シャフト420Fまたは穿孔刃支持シャフト420Sとなる。
【0045】
レバー170は、ハウジング20の収納空間22に穿孔パンチ100を収納したときにおいて、レバー天板172が土台110のベース部112の下端部と略々平行になるように、土台110のレバー取付け部130に取り付けられている。
レバー170は、ハウジング20の収納空間22から穿孔パンチ100を被穿孔材Pに穿孔するために取り出したときにおいては、その端縁が上方に上がり、傾斜するように、土台110のレバー取付け部130に取り付けられている。
【0046】
<第1の実施の形態に係る穿孔刃450について>
図12は、この発明の第1の実施の形態に係る穿孔刃について示す図である。
図12(A)が平面図、
図12(B)が(A)に示すXIIB矢視図、
図12(C)が(A)に示すXIIC矢視図である。穿孔刃450は、軸方向の寸法を有する略円柱形状である。穿孔刃450は、その下端に二股状の刃部452を有する。また、穿孔刃450の側面には、その上方部に、軸方向と直行する方向に貫通する平面視円形状のシャフト取付け孔454が形成される。シャフト取付け孔454は、二股の刃部452が並ぶ方向にのびて形成される。
【0047】
<土台110へのレバー170の取付けについて>
土台110のレバー取付け部130に、下方の開放されたレバー170をかぶせるようにして嵌め込む。このとき、レバー取付け部130に形成された前後方向摺動切欠き138と、レバー170に形成された前側のシャフト取付け孔184との位置を合わせ、且つレバー取付け部130に形成された上下方向摺動切欠き149と、レバー170に形成された後側のシャフト取付け孔184との位置を合わせた状態にして嵌め込む。
【0048】
次に、レバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された前側のシャフト取付け孔184に、雌シャフト440を挿入する。そして、雌シャフト440を挿入したレバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に対向した側のレバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された前側のシャフト取付け孔184から、雄シャフト430を挿入する。このとき、雄シャフト430の雄主軸部434を、雌シャフト440に形成された雄シャフト嵌合穴446に嵌合するようにして、雄シャフト430を挿入する。
【0049】
次に、レバー取付け部130に形成された穿孔刃移動空間150に穿孔刃450を挿入する。このとき、穿孔刃450に形成されたシャフト取付け孔454と、レバー取付け部130に形成された(一方の)左側の上下方向摺動受け部142L及び(他方の)右側の上下方向摺動受け部142Rとが左右方向に連なるようにして、レバー取付け部130に形成された穿孔刃移動空間150に穿孔刃450を挿入する。そして、レバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された後側のシャフト取付け孔184から、雌シャフト440を挿入する。このとき、雌シャフト440は、レバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された後側のシャフト取付け孔184と、穿孔刃450に形成されたシャフト取付け孔454と、対向した側のレバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された後側のシャフト取付け孔184とを通るようにして挿入される。したがって、雌シャフト440によって、穿孔刃450が上下方向に支持される。そして、雌シャフト440を挿入したレバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に対向する側のレバー側板182((一方の)左側のレバー側板182Lまたは(他方の)右側のレバー側板182R)に形成された後側のシャフト取付け孔184から、雄シャフト430を挿入する。このとき、雄シャフト430の雄主軸部434を、雌シャフト440に形成された雄シャフト嵌合穴446に嵌合するようにして、雄シャフト430を挿入する。
【0050】
上述のようにして、土台110に取り付けられたレバー170は、土台110の前後方向摺動切欠き138に取り付けられた支点シャフト420Fを略支点にして、上下方向と前後方向の交わる平面で回転する。このとき、レバー170は、土台110の上下方向摺動切欠き149に取り付けられた穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向に移動するように回転する。具体的には、支点シャフト420Fが前後方向摺動切欠き138の内部を前後方向に摺動しながら、穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向摺動切欠き149の内部を上下方向に摺動する。支点シャフト420Fは、穿孔刃支持シャフト420Sが下方向に移動するとき、前後方向摺動切欠き138の上壁に当接しながら前方向に摺動する。また、支点シャフト420Fは、穿孔刃支持シャフト420Sが上方向に移動するとき、前後方向摺動切欠き138の底壁に当接しながら後方向に摺動する。穿孔刃支持シャフト420Sの上下方向の摺動にともなって、穿孔刃450が穿孔刃移動空間150の内部を上下方向に移動する。穿孔刃450は、最も下方に移動したとき、その刃先がベース天部114に形成された穿孔用孔118にまで至る。したがって、穿孔刃450を上下方向に移動させることにより、ベース天部114に載置された被穿孔体Pに綴じ孔をあけることができる。また、穿孔の際に生じる紙屑などを下方に配設されるダストボックス210に落下させて収納することができる。
【0051】
<第1の実施の形態に係るダストボックス210について>
図13および
図14は、この発明の第1の実施の形態に係るダストボックスについて示す図である。
図13(A)が平面図であり、
図13(B)が右側面図である。また、
図14が
図13(A)に示すXIV−XIV断面図である。ダストボックス210は、穿孔の際に生じる紙屑などを収納するためのものである。第1の実施の形態に係るダストボックス210は、可撓性を有する物質で形成される。ダストボックス210は、前後方向にのびるダストボックス底板212を有する。ダストボックス底板212には、その後方部に、厚み(すなわち、上下方向の寸法)が小さくなったヒンジ部214が形成される。
【0052】
ダストボックス底板212は、ヒンジ部214の前方部の厚み(すなわち、上下方向の寸法)が、その後方部分の厚みよりも小さく形成される。ダストボックス底板212のヒンジ部214の前方部には、その左端辺および右端辺から立ち上がる(一方の)左側のダストボックス側板217L及び(他方の)右側のダストボックス側板217Rが形成される。また、ダストボックス底板212の前端辺の近傍には、ダストボックス前板218が形成される。また、ダストボックス底板212には、ダストボックス前板218と前後方向に並ぶようにして、ダストボックス前板218とほぼ同じ形状のダストボックス仕切り板220が形成される。ダストボックス前板218と、ダストボックス仕切り板220とにより、上下方向にのびる嵌合雌部228が形成される。この嵌合雌部228は、上述したベース天部114に形成される嵌合雄板116の雌部材となる。また、ダストボックス底板212の前端辺には、左方向に突出する嵌合凸部216Lと、右方向に突出する嵌合凸部216Rとが形成される。すなわち、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部は、後方および上方が開放された略箱型の形状を有する。また、ダストボックス底板212のヒンジ部214の後方部には、上下方向に貫通する平面視略円形状の回転軸取付け孔222が形成される。
【0053】
ダストボックス210は、土台110の下方部分に取り付けられる。具体的には、ダストボックス210の嵌合雌部228に、土台110の嵌合雄板116が嵌合され、且つダストボックス210の嵌合凸部216が、土台110の嵌合凹部126に嵌合される。このようにして、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部が、土台110のベース部112の下方部に取り付けられる。また、ダストボックス210のヒンジ部214の後方部が、回転軸取付け部160の底面に形成された凹部162に嵌合される。このようにして、ダストボックス210のヒンジ部214の後方部分が、土台110の回転軸取付け部160の下方部に取り付けられる。
【0054】
上述したように、ダストボックス210が、土台110の下方部に取り付けられることにより、土台110のベース天板114に形成された穿孔用孔118の下方に、穿孔の際に生じる紙屑などを収納するための空間が形成される。また、ダストボックス210に形成された回転軸取付け孔222と、土台110に形成された回転軸取付け孔166とが上下方向に連なる。この連なった孔に、回転軸400が通されて固定されることにより、ダストボックス210のヒンジ部214の後方部分が土台110に固定される。また、ダストボックス210に収納された紙屑などを取り除く際には、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部を下方に撓ませる。このようにして、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部における土台110との嵌合を外し、ダストボックス210から紙屑などを取り除く。
【0055】
<第1の実施の形態に係る回転軸400について>
図15は、この発明の第1の実施の形態に係る回転軸について示す図である。
図15(A)が平面図であり、
図15(B)が側面図である。第1の実施の形態に係る回転軸400は、略円板状の回転頭部402と、回転頭部402の一方の主面の略中央から軸方向にのびる回転主軸部404とを有する。回転頭部402の他方の主面は、回転主軸部404がのびる方向と反対側に湾曲して突出するように形成される。回転主軸部404の先端の近傍には、周方向にわたって周方向凹部406が形成される。この周方向凹部406に、後述する留めリング460が取り付けられる。
【0056】
<留めリング460について>
図16は、この発明の第1の実施の形態に係る留めリングについて示す図である。
図16(A)が平面図であり、
図16(B)が側面図である。留めリング460は、上述した回転軸400を固定するためのものである。留めリング460は、両面が略平板状に形成される。留めリング460は、その縁部の一部から中心方向に向かって幅寸法が小さくなるように形成された挿入切欠き部462と、留めリング460の略中央に挿入切欠き部462と一体的に形成された略円形状の軸留め切欠き部464とを有する。
【0057】
<付勢手段(バネ部材410)について>
付勢手段としてのバネ部分410は、穿孔パンチ100を穿孔時から常態時に戻すための付勢手段であるとともに、穿孔パンチ100をハウジング20に収納した状態から、穿孔するためにハウジング20から穿孔パンチ100を構成する第1の穿孔パンチ100Lと第2の穿孔パンチ100Rとを同時に、中央から両側に開くために旋回するための付勢手段である。
【0058】
図17は、この発明の第1の実施の形態に係るバネ部材について示す図である。
図17(A)が平面図であり、
図17(B)が側面図である。付勢手段としてのバネ部材410は、主として、コイルばねで構成されており、コイルの軸方向にのびる主巻き部412と、主巻き部412の下端から軸方向と直交する方向にのびる下端延在部414と、主巻き部412の上端から軸方向と直交する方向であり、且つ下端延在部414とは反対側にのびる上端延在部416とを有する。下端延在部414は、その寸法が、上端延在部416のそれよりも大きく形成される。主巻き部412、下端延在部414および上端延在部416は、弾性を有する鋼等の線材で一体的に形成される。
【0059】
<穿孔パンチ100のハウジング20への取付けについて>
まず、上述したように、土台110にレバー170およびダストボックス210を取り付ける。次に、土台110の後端部である回転軸取付け部160およびダストボックス210のヒンジ部214の後方部分を、ハウジング20の底板30と台座52の間に挿入する。このとき、底板30に形成された回転軸取付け孔32と、ダストボックス210に形成された回転軸取付け孔222と、土台110に形成された回転軸取付け孔166と、台座52に形成された回転軸取付け孔54とが上下方向に連なるようにして挿入する。そして、この上下方向に連なった回転軸取付け孔32,回転軸取付け孔222,回転軸取付け孔166及び回転軸取付け孔54に回転軸400の回転主軸部404を挿入する。このように回転軸400が挿入されると、回転主軸部404は、その先端が台座52の上面よりも上方に位置するようになる。
【0060】
バネ部材410は、台座52の上面に載置される。このとき、バネ部材410は、その主巻き部412のバネ軸孔418に、台座52の上面からとび出た回転軸400が通される。また、バネ部材410の下端延在部414は、ハウジング20の背板60に左右方向にのびて形成される下方位置決め部64と、上方位置決め部66との間に通されることにより、位置決めされる。また、バネ部材410の上端延在部416は、レバー側板182Lの内壁にはりつくように配設される。最後に、留めリング460を、回転軸400の台座52の上面からとび出た部分に取り付けて、回転軸400を位置決めする。具体的には、留めリング460を、その挿入切欠き部462から、回転軸400の周方向凹部406に挿入し、その軸留め切欠き部464を、回転軸400の周方向凹部406に嵌合することにより、回転軸400を位置決めする。上述のようにして、ハウジング20の左側の側板100Lの近傍に第1の穿孔パンチ100Lを取り付ける。また、ハウジング20の右側の側板100Rの近傍に第1の穿孔パンチ100Lを取り付ける。このようにして、ハウジング20に取り付けられた(一方の)左側の第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)右側の第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、ハウジング20に回転可能に支持される。このとき、左側の回転軸400Lおよび右側の回転軸400Rは、第1の回転軸として作用する。また、このとき、(一方の)左側のレバー170L及び(他方の)右側のレバー170Rそれぞれは、その後端部が、ハウジング20の天板80に形成された(一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rを上下方向に通るように配設される。
【0061】
上述のようにして、ハウジング20の左側の側板100Lの近傍に穿孔パンチ100Lを取り付ける。また、ハウジング20の右側の側板100Rの近傍に穿孔パンチ100Lを取り付ける。このようにして、ハウジング20に取り付けられた左側に配設される第1の穿孔パンチ100L,右側に配設される第1の穿孔パンチ100Rそれぞれは、ハウジング20に回転可能に支持される。このとき、左側の回転軸400Lおよび右側の回転軸400Rは、第1の回転軸として作用する。また、このとき、レバー170L、170Rそれぞれは、その後端部が、ハウジング20の天板80に形成された切欠き部88L、88Rを上下方向に通るように配設される。
【0062】
<第1の実施の形態に係るハンドル300について>
図18および
図19は、この発明の第1の実施の形態に係るハンドルについて示す図である。
図18(A)が平面図であり、
図18(B)が正面図であり、
図18(C)が底面図である。また、
図19は、(A)が
図18(B)に示すIXXA−IXXA断面図、(B)が
図18(C)に示すIXXB−IXXB断面図である。第1の実施の形態に係るハンドル300は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。ハンドル300は、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれを穿孔操作するためのものである。
ハンドル300は、左右方向にのびる平面視略矩形状のハンドル天板310と、ハンドル天板310の左端辺から垂れ下がる一方の左側のハンドル側板330Lと、ハンドル天板310の右端辺から垂れ下がる一方の右側のハンドル側板330Rと、ハンドル天板310の前端辺から垂れ下がるハンドル前板350と、ハンドル天板310の後端辺から垂れ下がるハンドル背板370とを有する。
【0063】
すなわち、ハンドル300は、下方の開放された略箱型の形状を有する。なお、ハンドル天板310を平面視したときの外形(スイッチ上端挿入部312などの切り欠かれた部分を除く)は、ハウジング20を平面視したときの外形((一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rなどを除く)とほぼ等しい。
【0064】
ハンドル300は、一方の穿孔パンチ100Lと他方の穿孔パンチ100Rとの間に架け渡される長さを備えている。ハンドル天板310は、その背面における左右方向の略中央に、ハンドル前板350の方向に凹む平面視略矩形状のスイッチ上端挿入部312が形成される。このスイッチ上端挿入部312に、後述するスイッチ240の上端部が挿入される。ハンドル天板310は、その内壁の左端辺の近傍に、下方に突出するハンドル突部380Lが形成される。また、ハンドル突部380Lの左右対称の位置に、ハンドル突部380Lと同じ形状のハンドル突部380Rが形成される。(一方の)左側のハンドル突部380L及び(他方の)右側のハンドル突部380Rそれぞれは同じ形状を有するため、ここでは、(一方の)左側のハンドル突部380L及び(他方の)右側のハンドル突部380Rをハンドル突部380として説明する。
【0065】
ハンドル突部380は、ハンドル突部軸孔382を有する略円筒状に形成される。ハンドル突部380の先端には、その軸方向の上側にのびるようにハンドル切欠き部384が形成される。また、ハンドル突部380の先端には、その周方向にわたって、外径方向に突出する突部386が形成される。ハンドル突部380は、上述したような形状を有することにより、特にその先端部分が内径方向に撓むことができる。ハンドル300は、その(一方の)左側のハンドル突部380L及び(他方の)右側のハンドル突部380Rそれぞれが内径方向に撓みながら、(一方の)左側のレバー170L及び(他方の)右側のレバー170Rに形成された(一方の)左側のハンドル取付け部174L及び(他方の)右側のハンドル取付け部174Rに挿入される。このようにして、ハンドル300は、左側の第1の穿孔パンチ100L、右側の第2の穿孔パンチ100Rそれぞれを互いに接続するように、(一方の)左側のレバー170L及び(他方の)右側のレバー170Rに取り付けられる。
【0066】
このとき、ハンドル300は、(一方の)左側のレバー170L及び(他方の)右側のレバー170Rそれぞれに回転可能に取り付けられる。(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rを接続するようにして一つのハンドル300を取り付けることにより、ハンドル300を略下方に押すだけで左側の第1の穿孔パンチ100Lと右側の第2の穿孔パンチ100Rとを同時に操作して、被穿孔体Pに綴じ孔をあけることができる。(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハウジング20に対する第1の回転軸としての(一方の)左側の回転軸400L及び(他方の)右側の回転軸400Rと、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハンドル300に対する第2の回転軸としてのハンドル突部380(またはレバー170のハンドル取付け部174)とは、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rが被穿孔体Pに綴じ孔をあけたとき、一直線状になる。
【0067】
<第1の実施の形態に係るスイッチ240について>
図20および
図21は、この発明の第1の実施の形態に係るスイッチについて示す図である。
図20(A)が平面図であり、
図20(B)が(A)に示すXXB矢視図(すなわち、正面図)である。また、
図21は、
図21(B)に示すXXI−XXI断面の拡大図である。
スイッチ240は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。スイッチ240は、
図1(B)に示すようにハウジング20に収納された(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rをワンタッチで
図1(A)に示すように引き出された状態に切り替えるためのものである。
スイッチ240は、上下方向にのびる板状のスイッチ板部242と、スイッチ板部242の左端辺における上下方向の略中央に上下方向にのびるように突設された左側のスライド突部244Lと、左側のスライド突部244Lと同じ形状を有し、スライド突部244Lと左右対称の位置に形成されるスライド突部244Rと、スイッチ板部242の下端辺から立ち上がるように形成されたスイッチ下端突部250と、スイッチ板部242の上端辺から立ち上がるように形成されたスイッチ上端突部260とを有する。左側のスライド突部244L、右側のスライド突部244R、スイッチ下端突部250およびスイッチ上端突部260は、すべて、スイッチ板部242から前方向に突出するように形成される。
【0068】
(一方の)左側のスライド突部244L及び(他方の)右側のスライド突部244Rそれぞれは、その先端に、スイッチ板部242の外方向に突出する平面視略直角三角形の(一方の)左側のスライド係合部245L及び(他方の)右側のスライド係合部245Rが形成される。
【0069】
スライド突部244L,244Rそれぞれは、その先端に、スイッチ板部242の外方向に突出する平面視略直角三角形のスライド係合部245L、245Rが形成される。
【0070】
スイッチ下端突部250は、スイッチ板部242の下端辺全域にわたって形成されたスイッチ下端幅方向突部252と、スイッチ板部242の下端辺の左右方向における略中央に形成された3つのスイッチ下端長手方向突部254とを有する。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、その底面がスイッチ下端幅方向突部252の上面に当接する。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、互いに左右方向において所定の距離だけ離れて形成される。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、正面からみると略矩形状であり、側面から見るとその前端部に鋭角を有し、後端部の底面が直角に形成された略直角三角形である。なお、前端部の鋭角の先端は、その角部が切り落とされたように平板状に形成される。
【0071】
スイッチ上端突部260は、スイッチ板部242の上端辺全域にわたって形成されたスイッチ上端幅方向突部262と、スイッチ板部242の上端辺の左右方向における略中央に形成された3つのスイッチ上端長手方向突部264と、スイッチ板部242の上端辺の左端部および右端部に形成された二つのスイッチ上端長手方向突部264とを有する。すなわち、スイッチ上端長手方向突部264は、合計で5つ形成される。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、その上面がスイッチ上端幅方向突部262の底面に当接する。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、互いに左右方向において所定の距離だけ離れて形成される。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、正面からみると略矩形状である。
【0072】
スイッチ240は、ハウジング20の背板60の外壁から、ハウジング20の背板60に形成されたスイッチ取付け部70に取り付けられる。具体的には、スイッチ下端突部250が、スイッチ取付け部70の外壁から収納空間22に通されて、ハウジング20の底板30に形成された舌状部36に取り付けられる。このとき、3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれの底面が、舌状部36の上面に載置され、且つスイッチ下端幅方向突部252の前面と、舌状部36の前面とが当接するように配設される。このようにして、スイッチ取付け部70のスイッチ下端取付け部74に、スイッチ下端突部250が取り付けられる。
【0073】
スイッチ板部242は、その前面が、スイッチ胴体取付け部72の外壁に当接して上下方向にのびるように配設される。また、スイッチ上端突部262は、ハウジング20の天板80よりも上方に位置するように配設される。スイッチ240の(一方の)左側のスライド突部244L及び(他方の)右側のスライド突部244Rそれぞれは、スイッチ取付け部70に上下方向にのびるように形成された(一方の)左側のスリット78L及び(他方の)右側のスリット78Rそれぞれに取り付けられる。このようにして、スイッチ240は、ハウジング20に上下方向にスライド可能に取り付けられる。
【0074】
<穿孔パンチ100の収納状態について>
穿孔パンチ100は、ハウジング20に回転可能に支持されることにより、
図1(A)に示す引き出された状態と、
図1(B)に示す収納された状態とを切り替えることができる。
図22は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチがハウジングに収納されて保持された状態を示す断面図である。
穿孔パンチ100がハウジング20の収納空間22に収納された状態では、土台110のベース側部124Rの前方部に形成された嵌合凹部126Rと、ダストボックス210の前方部分の右側凹部とが連なることにより形成された被保持部230に、舌状部36の上面36iに突設された突部38が係合する。このようにして、穿孔パンチ100が、ハウジング20の収納空間22に保持される。
【0075】
<穿孔パンチ100をハウジング20からの引き出す手順について>
図23は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングに保持された穿孔パンチを解除する様子を示す断面図である。スイッチ240の上端を押下することにより、穿孔パンチ100がハウジング20の収納空間22に保持された状態を解除することができる。具体的には、スイッチ240の上端を押下すると、スイッチ下端長手方向突部254が、ハウジング20に形成された舌状部36の後方部を下方に撓ませる。こうすることにより、穿孔パンチ100の底面に形成された被保持部230と、舌状部36に突設された突部38との係合がはずれる。
【0076】
ここで、ハウジング20の収納空間22に収納された穿孔パンチ100は、バネ部材410により、常にハウジング20の収納空間22から外にとび出す方向に付勢されている。したがって、上述したように、スイッチ210の上端を押下することによって、穿孔パンチ100の底面に形成された被保持部230と、舌状部36に突設された突部38との係合がはずれると、穿孔パンチ100が、ハウジング20の収納空間22から外側にとび出し、
図1(A)に示す引き出された状態となる。第1の穿孔パンチ100Lと、第2の穿孔パンチ100Rとは、ハウジング20の中央から両側に開くように(すなわち、観音開きのように)、ハウジング20の収納空間22から回転してとび出し、
図1(A)に示す状態となる。このようにして、ハウジング20の底板30に形成された保持部34、および穿孔パンチ100に形成された被保持部230が、保持手段および解除手段として作用する。
【0077】
<穿孔パンチ100をハウジング20に収納する手順について>
図24は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを側面視したときの断面図であり、穿孔パンチが引き出された状態で、レバーが略上方に付勢された状態の図である。
図25は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを側面視したときの断面図であり、穿孔パンチが引き出された状態で、レバーが穿孔した位置にあるときの図である。
図26は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを平面視したときの断面図であり、穿孔パンチが引き出された状態を示す図である。
図27は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを平面視したときの断面図であり、穿孔パンチがハウジングに収納された状態を示す図である。
図28は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを正面からみたときの図である。
図29は、この発明の第1の実施の形態に係るパンチを正面からみたときの断面図である。
【0078】
続いて、二つの(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rを、
図1(A)に示すハウジング20の手前側に引き出された状態から、
図1(B)に示すハウジング20に収納された状態に切り替える手順について説明する。まず、(一方の)左側のバネ部材410L及び(他方の)右側のバネ部材410Rの略上方の付勢力に抗って、ハンドル300を略下方に移動させる。このとき、土台110と、レバー170とが、互いに略平行に上下方向に重なった状態となるまでハンドル300を略下方に移動させる。また、このとき、二つのレバー170それぞれの後方端部に突設されたハンドル取付け部174が、ハウジング20の天板80の前端辺に形成された(一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rそれぞれを下方から上方に向けて貫通する。また、二つのレバー170それぞれに取り付けられたハンドル300両端のハンドル突部380それぞれも、ハウジング20の天板80の前端辺に形成された(一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rそれぞれを上方から下方に向けて貫通する。また、このとき、ハンドル300に形成されたスイッチ上端挿入部312に、スイッチ242に形成されたスイッチ上端突部260が挿入される。また、このとき、レバー170の後端部と、土台110の後端部との間に、台座52が挟まれた状態になる。また、このとき、ハンドル300と、ハウジング20の天板80とが上下方向に重なった状態となる。このようにして、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハウジング20に対する第1の回転軸としての(一方の)左側の回転軸400L及び(他方の)右側の回転軸400Rと、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハンドル300に対する第2の回転軸としてのハンドル突部380(またはレバー170のハンドル取付け部174)とが、一直線状になる。
【0079】
そして、(一方の)左側のバネ部材410L及び(他方の)右側のバネ部材410Rの付勢力に抗って、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20の(一方の)左側の収納空間22L及び(他方の)右側の収納空間22Rの方向に回転させて、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれの底面に形成された被保持部230と、ハウジング20の底板30に突設された(一方の)左側の突部38L及び(他方の)右側の突部38Rとを係合させることにより、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に保持する。このようにして、二つの(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rを、
図1(A)に示すハウジング20の手前側に引き出された状態から、
図1(B)に示すハウジング20に収納された状態に切り替える。
【0080】
なお、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、ハンドル300が略下方に押下され、土台110とレバー170とが前後方向にのびるように略平行になった状態のときの外形が、ハウジング20の収納空間22L、22Rと同じである。また、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、互いに同じ形状を有し、且つハウジング20の収納空間22L、22Rそれぞれも互いに同じ形状を有する。したがって、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれがハウジング20の収納空間22L,22Rに収納された状態のとき、パンチ10はコンパクトな態様になる。
【0081】
<第1の実施の形態のまとめについて>
上述したように、穿孔パンチ100L,100Rは、スイッチ210の上端を押下するのみで(すなわち、ワンタッチで)、ハウジング20に収納された状態から引き出された状態に切り替えることができる。さらに、穿孔パンチ100L,100Rそれぞれは、一つのハンドル300によって接続されている。したがって、一つのハンドル300を略下方に押すのみで、穿孔パンチ100L,100Rそれぞれに被穿孔体Pに対する穿孔を行わせることができる。
【0082】
上述したように、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rは、スイッチ210の上端を押下するのみで(すなわち、ワンタッチで)、ハウジング20に収納された状態から引き出された状態に切り替えることができる。さらに、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、一つのハンドル300によって接続されている。したがって、一つのハンドル300を略下方に押すのみで、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれに被穿孔体Pに対する穿孔を行わせることができる。
【0083】
また、ハウジング20の天板80の前端辺に形成された(一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rそれぞれによって、ハンドル300を下方に移動させ、且つ土台110と、レバー170とを互いに略平行に上下方向に重なった状態で、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納することができる。すなわち、よりコンパクトな状態で、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納することができる。さらに、ハンドル天板310を平面視したときの外形(スイッチ上端挿入部312などの切り欠かれた部分を除く)と、ハウジング20を平面視したときの外形((一方の)左側の切欠部88L及び(他方の)右側の切欠部88Rなどを除く)とがほぼ等しいため、ハンドル300と、ハウジング20の天板80とが上下方向に重なることにより、よりコンパクトな状態で、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納することができる。さらに、ハンドル300に形成されたスイッチ上端挿入部312に、スイッチ240の上端突部260が挿入されるため、よりコンパクトな状態で、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納することができる。
【0084】
さらに、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハウジング20に対する第1の回転軸としての(一方の)左側の回転軸400L及び(他方の)右側の回転軸400Rと、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハンドル300に対する第2の回転軸としてのハンドル突部380(またはレバー170のハンドル取付け部174)とが、一直線状で収納できるため、よりコンパクトな状態で、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納することができる。パンチ10は、上述したような構造を有するため、(一方の)第1の穿孔パンチ100L及び(他方の)第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に収納した際、その外形が、綺麗な略直方体の形状となる。したがって、パンチ10は、携帯する際にも便利である。
【0085】
<第2の実施の形態について>
続いて、
図30〜43を参照しながら、この発明の第2の実施の形態に係るパンチについて説明する。第2の実施の形態に係るパンチは、ハウジングに収納された状態の穿孔パンチを指などで押し出すことにより、ハウジングから引き出された状態に切り替えるための構造を有する。第2の実施の形態に係るパンチは、このような構造を除いて、上述した第1の実施の形態に係るパンチ10と同様の構造を有する。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0086】
<第2の実施の形態に係るハウジング20について>
図30〜33は、この発明の第2の実施の形態に係るハウジングを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が底面図である。また、
図31(A)が
図30に示すXXXIA矢視図(すなわち、正面図)であり、
図31(B)が
図30に示すXXXIB矢視図(すなわち、背面図)である。また、
図32は、
図31(A)に示すXXXII―XXXII断面図である。また、
図33(A)は、
図31(A)に示すXXXIIIA―XXXIIIA断面図であり、
図33(B)は、
図31(A)に示すXXXIIIB―XXXIIIB断面図である。
【0087】
第2の実施の形態に係るハウジング20は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。ハウジング20は、底板30と、側板50Lと、側板50Rと、背板60と、挟持部としての天板80とを有する。なお、この実施の形態に係るハウジング20の天板80は、上述した第1の実施の形態と同様である。したがって、ここでは、第1の実施の形態と異なる構造を有する底板30、側板50L、側板50Rおよび背板60のみを説明し、側板50L、側板50Rおよび天板80の同様となる説明は繰り返さない。
【0088】
<底板30について>
底板30は、平板状に形成され、左側の側板50Lの近傍に形成される回転軸取付け孔32Lと、右側の側板50Rの近傍に形成される回転軸取付け孔32Rとを有する。すなわち、この実施の形態に係るハウジング20の底板30には、第1の実施の形態に係る底板30に形成された保持部34が形成されない。
【0089】
<側板50L,側板50Rについて>
左側の側板50Lおよび右側の側板50Rは、ハウジング20の略中央に形成される仕切り板24に関して、互いに面対称である。したがって、ここでは左側の側板50Lについてのみ説明し、右側の側板50Rについての同様となる説明は繰り返さない。側板50Lの内壁の上下方向における略中央には、左右方向にのびるように台座52Lが突設される。なお、この台座52Lは、第1の実施の形態と同様であるため、ここでは同様となる説明を繰り返さない。
【0090】
側板50Lの内壁における底板30の近傍には、前後方向にのびるように、正面から見たとき略半円状の突部摺動凹部502が形成される。突部摺動凹部502は、その内部を後述する土台後端突部542が摺動するために形成される。突部摺動凹部502は、上下方向において、台座52と、底板30の間に形成される。
【0091】
<背板60について>
この実施の形態に係るハウジング20の背板60には、第1の実施の形態に係る背板60に形成された位置決め部62およびスイッチ取付け部70が形成されない。この実施の形態に係る背板60は、その略中央を前後方向に貫通するように形成されるプッシュ孔522と、その内壁に後方向に凹むように形成された4つのシャフト頭嵌入部524FL,シャフト頭嵌入部524SL,シャフト頭嵌入部524FR及びシャフト頭嵌入部524SRと、側板50Lおよび側板50Rそれぞれの近傍に形成された(一方の)左側の穿孔パンチ固定部526L及び(他方の)右側の穿孔パンチ固定部526Rとを有する。
【0092】
<プッシュ孔522について>
プッシュ孔522は、上下方向において、その略中央が、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rが有する支点シャフト420Fの中心と同じ位置になるように形成される。プッシュ孔522は、正面から見たとき、背板60の左右方向における略中央を左右方向にのび、その両端部が円弧状に形成される。プッシュ孔522は、たとえば、ユーザーがその背面(すなわち、ハウジング20の背板60の外壁側)から指を通して、ハウジング20に収納された状態の第1の穿孔パンチ100L、および第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20の収納空間22から押し出すために形成される。したがって、プッシュ孔522は、その大きさが、人の指を貫通させるのに十分であることが好ましい。
【0093】
<シャフト頭嵌入部524について>
シャフト頭嵌入部524FL,524SLそれぞれは、ハウジング20の収納空間22Lに収納された状態の第1の穿孔パンチ100Lの支点シャフト420F、穿孔刃支持シャフト420Sそれぞれの雄頭部432(または雌頭部442)を嵌入させるために形成される。また、同様に、シャフト頭嵌入部524FR,524SRそれぞれは、ハウジング20の収納空間22Rに収納された状態の第2の穿孔パンチ100Rの支点シャフト420F、穿孔刃支持シャフト420Sそれぞれを嵌入させるために形成される。
【0094】
<穿孔パンチ固定部526について>
左側の穿孔パンチ固定部526Lは、ハウジング20の背板60における左側の側板50Lの近傍に形成される。また、右側の穿孔パンチ固定部526Rは、ハウジング20の背板60における右側の側板50Rの近傍に形成される。左側の穿孔パンチ固定部526L、右側の穿孔パンチ固定部526Rは、互いに鏡映されたような同様の形状を有し、左右対称の位置に形成される。したがって、ここでは、左側の穿孔パンチ固定部526Lについてのみ説明し、右側の穿孔パンチ固定部526Rについての同様となる説明は繰り返さない。
【0095】
穿孔パンチ固定部526Lは、上下方向において、上述した側板50Lに形成される突部摺動凹部502Lと同じ位置に左右方向にのびるように形成される。穿孔パンチ固定部526Lは、背板60に左右方向にのびて形成される切欠きに対応した形状の穿孔パンチ固定舌状部528Lと、穿孔パンチ固定舌状部528Lの左端の近傍に形成された穿孔パンチ固定凹部530とを有する。穿孔パンチ固定舌状部528Lは、右端辺が背板60と一体的に形成され、上端辺、下端辺および左端辺が、背板60に左右方向にのびて形成される切欠きの縁部にそってのびる。穿孔パンチ固定舌状部528Lは、このような形状を有することにより、その右端辺を支点として、前後方向に撓むことができる。
【0096】
<第2の実施の形態に係る穿孔パンチ100について>
図34および
図35は、この発明の第2の実施の形態に係る土台について示す図である。
図34(A)が平面図であり、
図34(B)が右側面図である。また、
図35は、
図34(A)に示すXXXV−XXXV断面図である。第2の実施の形態に係る土台110は、土台後端突部542および土台バネ部材嵌入突部544を除いて、上述した第1の実施の形態に係る土台110と同様の構造を有する。したがって、ここでは、土台後端突部542および土台バネ部材嵌入突部544についてのみ説明し、その他の構成の同様となる説明は繰り返さない。
【0097】
第2の実施の形態に係る土台100は、その回転軸取付け部160の背面の略中央に、略半球状の土台後端突部542が突設される。この土台後端突部542は、上述したように、ハウジング20から引き出された状態に穿孔パンチ100を固定するために形成される。また、第2の実施の形態に係る土台100の回転軸取付け部160の上面における前端(すなわち、レバー取付け部130と接する位置)には、土台バネ部材嵌入突部544が突設される。土台バネ部材嵌入突部544は、その幅方向の寸法が、レバー取付け部130のそれとほぼ等しい。土台バネ部材嵌入突部544は、土台バネ部材嵌入土台部546と、土台バネ部材嵌入土台部546の上面の略中央に突設される土台バネ部材嵌入先端部548とを有する。
【0098】
<第2の実施の形態に係るレバー170について>
図36および
図37は、この発明の第2の実施の形態に係るレバーについて示す図である。
図36(A)が平面図であり、
図36(B)が右側面図である。また、
図37は、
図36(A)に示すXXXVII−XXXVII断面図である。第2の実施の形態に係るレバー170は、レバーバネ部材嵌入突部564を除いて、上述した第1の実施の形態に係るレバー170と同様の構造を有する。したがって、ここでは、レバーバネ部材嵌入突部564についてのみ説明し、その他の構成の同様となる説明は繰り返さない。
【0099】
レバーバネ部材嵌入突部564は、レバー天板172の内壁における後方部のハンドル取付け部174に隣接した位置に突設されるレバーバネ部材嵌入突部564は、レバーバネ部材嵌入土台部566と、レバーバネ部材嵌入土台部566の底面の略中央に突設されるレバーバネ部材嵌入先端部568とを有する。
【0100】
<第2の実施の形態に係るバネ部材410について>
図38は、この発明の第2の実施の形態に係るバネ部材について示す図である。
図38(A)が平面図であり、
図38(B)が正面図である。第2の実施の形態に係る付勢手段としてのバネ部材410は、下端延在部414および上端延在部416が形成されないことを除いて、上述した第1の実施の形態のバネ部材410と同様の構造を有する。すなわち、この実施の形態に係るバネ部材410は、軸方向にのびる主巻き部412のみからなり、主巻き部412は、その軸孔であるバネ軸孔418を有する。
【0101】
<第2の実施の形態に係るパンチ10の穿孔態様につて>
図39および
図40は、第2の実施の形態に係るパンチ10の穿孔態様を説明するための側面から見たときの断面図である。
図39は、レバー170が略上方に付勢された状態を示す断面図であり、
図40は、レバー170を略下方に押下して被穿孔体Pに穿孔した状態を示す断面図である。まず、この実施の形態に係る回転軸400は、上述した第1の実施の形態に係る回転軸400の構造とは異なり、支点シャフト420Fまたは穿孔刃支持シャフト420Sと同様の構造である。すなわち、この実施の形態に係る回転軸400は、その雌頭部442を上方に位置させて上下方向にのびるように取り付けられた雌シャフト440と、この雌シャフト440の雄シャフト嵌合穴446にその雄主軸部434を嵌合され、上下方向にのびるように取り付けられた雄シャフト430とから構成される。また、上述したように、ハウジング20から引き出された状態のとき、この実施の形態に係る穿孔パンチ100は、その土台後端突部542が、ハウジング20の背板60に形成される穿孔パンチ固定凹部530に嵌合することにより、固定される。
【0102】
また、上述した第1の実施の形態では、バネ部材410が第1の回転軸としての回転軸400の上端部に取り付けられた。しかしながら、この第2の実施の形態に係るバネ部材410は、その下端部が土台110に突設された土台バネ部材嵌入突部544に取り付けられ、且つその上端部がレバー170に突設されたレバーバネ部材嵌入突部564に取り付けられることにより、レバー170を略上方に付勢する。土台バネ部材嵌入突部544と、レバーバネ部材嵌入突部564とは、被穿孔体Pに綴じ孔をあけた状態のとき、上下方向に一直線状になる。
【0103】
<第2の実施の形態に係る穿孔パンチ100を収納する態様について>
図41は、この発明の第2の実施の形態に係るパンチを平面視したときの断面図であり、穿孔パンチが引き出された状態を示す断面図である。
図42は、この発明の第2の実施の形態に係るパンチを平面視したときの断面図であり、穿孔パンチがハウジングに収納された状態を示す断面図である。また、ハウジング20の収納空間22Lから引き出された状態の第1の穿孔パンチ100Lが、ハウジング20に収納されるとき、まず、第1の穿孔パンチ100Lに形成された土台後端突部542が、背板60に形成された穿孔パンチ固定舌状部528の前面に形成された穿孔パンチ固定凹部530との嵌合を外され、穿孔パンチ固定舌状部528Lの前面に接触し、穿孔パンチ固定舌状部528を後方に撓ませながら左方向に移動する。次に、第1の穿孔パンチ100Lに形成された土台後端突部542は、側板50Lに形成された突部摺動凹部502内を摺動し、ハウジング20に収納された状態となる。
【0104】
<変形例につて>
続いて、この発明の変形例に係るパンチについて説明する。なお、この変形例に係るパンチは、3つまたは4つの穿孔パンチが配設されることを除いて、上述した第1の実施の形態に係るパンチまたは第2の実施の形態に係るパンチと同様の構造を有する。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0105】
図44および
図45は、この発明の変形例に係るパンチの正面図である。
図44は、穿孔パンチが3つ配設される場合の変形例を示す図である。
図44(A)が第1の変形例を示す図であり、
図44(B)が第2の変形例を示す図である。また、
図45は、穿孔パンチが4つ配設される場合の変形例を示す図である。
図45(A)が第3の変形例を示す図であり、
図45(B)が第4の変形例を示す図である。
図46は、この発明の第5の変形例に係るパンチを示す正面図である。
【0106】
<第1の変形例につて>
図44(A)に示すように、この発明の第1の変形例に係るパンチ10は、ハウジング20の左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lと、右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rと、左右方向において、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rの間に配設される第3の穿孔パンチ100Tとを有する。ハウジング20の左側の収納空間22Lの左方に第1の穿孔パンチ100Lが配設される。また、ハウジング20の右側の収納空間22Rの右方に第2の穿孔パンチ100Rが配設され、且つ左方に第3の穿孔パンチ100Tが配設される。そして、ハウジング20の左側の収納空間22Lの右方には、等間隔用空間600が形成される。この等間隔用空間600を形成することにより、第1の穿孔パンチ100L,第2の穿孔パンチ100R、第3の穿孔パンチ100Tによって、被穿孔体Pに互いに等間隔の3つの綴じ孔をあけることができる。なお、右側の収納空間22Rの左方を等間隔用空間600としてもよい。
【0107】
<第2の変形例について>
図44(B)に示すように、この発明の第2の変形例に係るパンチ10は、ハウジング20の左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lと、右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rと、左右方向において、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rの間に配設される第3の穿孔パンチ100Tとを有する。ハウジング20の左側の収納空間22Lに第1の穿孔パンチ100Lが配設され、ハウジング20の右側の収納空間22Rに第2の穿孔パンチ100Rが配設され、且つハウジング20の中央の収納空間22Cに第3の穿孔パンチ100Tが配設される。収納空間22L,22R,22Cは、第1〜第3の穿孔パンチ100L,100R,100Tとほぼ同じ大きさ(体積)に形成される。すなわち、この第2の変形例に係るパンチ10は、上述した第1の変形例に係るパンチ10のような等間隔用空間600が形成されない。したがって、よりコンパクトに穿孔パンチ100をハウジング20に収納することができる。
【0108】
<第3の変形例について>
図45(A)に示すように、この発明の第3の変形例に係るパンチ10は、ハウジング20の左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lと、右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rと、第1の穿孔パンチ100Lの右方に隣接して配設される第3の穿孔パンチ100Tと、第2の穿孔パンチ100Rの左方に隣接して配設される第4の穿孔パンチ100Fとを有する。また、第3の穿孔パンチ100Tと、第4の穿孔パンチ100Fとの間に、等間隔用空間600が形成される。なお、等間隔用空間600を空間とせず、直方体形状の物体とするようにしてもよい。こうすることにより、パンチ10の強度を強めることができる。
【0109】
<第4の変形例について>
図45(B)に示すように、この発明の第4の変形例に係るパンチ10は、ハウジング20の左側に配設される第1の穿孔パンチ100Lと、右側に配設される第2の穿孔パンチ100Rと、第1の穿孔パンチ100Lの右方に隣接して配設される第3の穿孔パンチ100Tと、第2の穿孔パンチ100Rの左方に隣接して配設される第4の穿孔パンチ100Fとを有する。また、第3の穿孔パンチ100Tと、第4の穿孔パンチ100Fとの間に、等間隔用空間600が形成される。すなわち、この第4の変形例に係るパンチ10は、上述した第3の変形例に係るパンチ10のような等間隔用空間600が形成されない。したがって、よりコンパクトに穿孔パンチ100をハウジング20に収納することができる。
【0110】
<第5の変形例について>
図46に示すように、この発明の第5の変形例に係るパンチ10は、上述した第3の変形例に係るパンチ10のハンドル300が2つに分かれている。すなわち、この発明の第5の変形例に係るパンチ10は、左側に取り付けられる第1のハンドル300Lと、右側に取り付けられる第2のハンドル300Rとを有する。第1のハンドル300Lは、第1の穿孔パンチ100Lと、第3の穿孔パンチ100Tとを接続するように取り付けられ、第1の穿孔パンチ100Lと、第3の穿孔パンチ100Tとを同時に穿孔操作するためのものである。第2のハンドル300Rは、第2の穿孔パンチ100Rと、第4の穿孔パンチ100Fとを接続するように取り付けられ、第2の穿孔パンチ100Rと、第4の穿孔パンチ100Fとを同時に穿孔操作するためのものである。このように、少なくとも2つの穿孔パンチを接続するハンドルを複数設けてもよい。
【0111】
なお、たとえば、6つの穿孔パンチ100を備えるパンチ10の場合、6つ全ての穿孔パンチ100を接続する一つのハンドル300であってもよいし、左端部に配設される二つの穿孔パンチ100を接続するように取り付けられる第1のハンドル300Lと、右端部に配設される二つの穿孔パンチ100を接続するように取り付けられる第2のハンドル300Rと、中央部に配設される二つの穿孔パンチ100を接続するように取り付けられる第3のハンドル300Tとを備える態様であってもよい。さらに、左側の3つの穿孔パンチ100を接続する第1のハンドル300Lと、右側の3つの穿孔パンチ100を接続する第2のハンドル300Rとを備える態様であってもよい。さらに、左側の2つの穿孔パンチ100を接続する第1のハンドル300Lと、右側の4つの穿孔パンチ100を接続する第2のハンドル300Rとを備える態様であってもよいし、左側の4つの穿孔パンチ100を接続する第1のハンドル300Lと、右側の2つの穿孔パンチ100を接続する第2のハンドル300Rとを備える態様であってもよい。このように複数のハンドル300を備えるパンチ10とすることにより、複数のハンドル300それぞれを別々に押下して穿孔を行うことができるため、より臨機応変に作業を行うことが可能となる。
【0112】
<第3の実施の形態について>
以下、この発明の第3の実施の形態に係るパンチについて、図面を参照しながら説明する。この実施の形態に係るパンチ10は、収納部としてのハウジング20と、用紙などの被穿孔体Pに綴じ孔を形成するための第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rと、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rを互いに接続するように固定されたハンドル300と、スイッチ240とを備える。なお、以下の説明において、ハウジング20に収納された第1の穿孔パンチ100L(及び第2の穿孔パンチ100R)を引き出された側から見たときを正面視とし、ハウジング20に取り付けられたスイッチ240の側から見たときを背面視とする。また、左右方向とは、第1の穿孔パンチ100Lと第2の穿孔パンチ100Rとを互いに結ぶ方向(すなわち、ハンドル300が延在する方向)のことであり、前後方向とは、ハウジング20から引き出された第1の穿孔パンチ100L(及び第2の穿孔パンチ100R)が延出する方向のことであり、上下方向とは、左右方向及び前後方向の交わる平面(すなわち、パンチ10の載置面に平行な面)に直交する方向のことである。
【0113】
<第3の実施の形態に係るハウジング20について>
図47〜59は、この実施の形態に係るハウジングについて示す図である。
図47は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングを示す平面図である。
図48は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングを示す底面図である。
図49は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングを示す正面図である。
図50は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングを示す背面図である。
図51は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLI−LI断面図である。
図52は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLII−LII断面図である。
図53は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLIII−LIII断面図である。
図54は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図53に示すLIV部の拡大図である。
図55は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLV−LV断面図である。
図56は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLVI−LVI断面図である。
図57は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLVII−LVII断面図である。
図58は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLVIII−LVIII断面図である。
図59は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングの
図49に示すLII−LII断面図である。
【0114】
この実施の形態に係るハウジング20は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。ハウジング20は、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rをその内部に出し入れ可能に収納するものである。ハウジング20は、その前面が開放された中空の略直方体形状である。すなわち、ハウジング20は、底板30と、底板30の左端縁から立ち上がる左側板50Lと、底板30の右端縁から立ち上がる右側板50Rと、底板30の後端縁から立ち上がる背板60と、底板30と上下方向において相対するように配設された天板80とを有する。
【0115】
<底板30について>
ハウジング20の底板30は、左右方向に延在する略長方形状であり、左側板50Lの近傍に形成される左回転軸取付け孔32Lと、右側板50Rの近傍に形成される右回転軸取付け孔32Rと、左右方向において略中央に形成される仮固定部34とを有する。左回転軸取付け孔32Lは、第1の穿孔パンチ100Lを回転可能に支持するための回転軸400を底板32に取り付けるために形成される。左回転軸取付け孔32Lは、底面視(及び平面視)略円形状である。右回転軸取付け孔32Rは、ハウジング20の左右方向における略中央を前後方向に延びるように配設された仕切り板24に関して、左回転軸取付け孔32Lと面対称である。したがって、ここでは同様となる説明を繰り返さない。
【0116】
保持部34(保持手段)は、ハウジング20の内部に収納された第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rを保持するために設けられる。保持部34は、底板30の前端縁の近傍を根元として、底板30の後端縁の近傍まで延びる舌状部36と、舌状部36の外縁の根元である前端縁を除いた部分に沿って穿設された舌状外縁孔40とを有する。舌状部36は、その根元である前端縁から後方に延びる略四角形状の舌状部先端36aと、舌状部先端36aの後端縁の左右方向における略中央からさらに後方に向けて突設される略四角形状の舌状先端部36bとを含む。
【0117】
舌状部36の厚み(すなわち、上下方向の寸法)は、ハウジング20の底板30のそれよりも薄く形成され、舌状部36の上面が底板30の上面と同じ高さであり、舌状部36の底面が底板30の底面よりも上方に位置する。舌状部先端36aの上面には、その左後ろの角部近傍に突部38Lが突設され、その右後ろの角部近傍に突部38Rが突設される。突部38Lと突部38Rは、ハウジング20の左右方向における略中央を前後方向に延びるように配設された仕切り板24に関して面対称である。突部38L、38Rは、平面視略四角形状であり、その前端縁が底板30の上面と同じ高さに位置する。突部38L、38Rは、その前端縁から後端縁になるほど高くなるように傾斜し、その後端縁で屈曲して下方へと延びる略三角柱形状である。突部38L、38Rの後端縁(または後端面)と舌状部先端36aの後端縁(または後端面)とは、前後方向において同じ位置であり、且つ上下方向において略直線状に連なって形成される。
【0118】
舌状部36は、上記したように、底板30の前端縁の近傍を根元として底板30の後端縁の近傍まで延び、また、舌状部36の前端縁を除いた部分の外縁に沿って、舌状外縁孔40が形成される。したがって、底板30の前端縁およびその近傍のうち、舌状部36の前端縁に沿った部分には、底板30の舌状部36(および舌状外縁孔40)の左側の部分と右側の部分とを一体的に接続するように、底板前端接続部46が形成される。また、底板30の後端縁およびその近傍のうち、舌状部36(および舌状外縁孔40)の後端縁に沿った部分には、底板30の舌状部36(および舌状外縁孔40)の左側の部分と右側の部分とを一体的に接続するように、後端接触防止部48が形成される。底板前端接続部46および後端接触防止部48それぞれの底面は、ハウジング20の底板30の底面とフラットな態様で一体的に形成される。
【0119】
さらに、舌状部36の上面には、その左右方向における略中央を前後方向に延びるように前後方向リブ部37が突設される。前後方向リブ部37は、その左右方向の寸法がハウジング20の仕切り板24のそれと同じかまたはほぼ同じであり、且つその上下方向の寸法が舌状部36に突設された突部38L、38Rのそれよりもやや小さい。
【0120】
<左側板50Lおよび右側板50Rについて>
ハウジング20の左側板50Lと右側板50Rとは、ハウジング20の略中央に形成された仕切り板24に関して互いに面対称であり、同様の形状を有する。したがって、ここでは左側板50Lについてのみ説明し、右側板50Rについての同様となる説明は繰り返さない。左側板50Lの内壁50sの上下方向の略中央には、略平板状の台座52Lが突設される。台座52Lは、付勢手段としてのバネ部材410Lを載置するために設けられる。台座52Lは、ハウジング20の底板30(および天板80)と平行になるように配設される。また、台座52Lは平面視略四角形状であり、その左端縁が左側板50Lの内壁50sと一体的に形成され、且つその後端縁が背板60の内壁60sと一体的に形成される。そして、台座52Lは、平面視したとき、その前端縁が底板30の前端縁と回転軸取付け孔32Lとの間を左右方向に延びるように形成され、且つその右端縁が回転軸取付け孔32Lの右側を前後方向に延びるように形成される。そして、台座52Lの前端縁と右端縁とにより形成される角部の近傍には、回転軸400Lが通り抜けるための回転軸取付け孔54Lが形成される。回転軸取付け孔54Lは、平面視したとき、底板30に形成された回転軸取付け孔32Lと重なるように形成される。すなわち、台座52Lの回転軸取付け孔54Lと、底板30の回転軸取付け孔32Lとは、左右方向と前後方向が交わる面において同じ位置に形成される。
【0121】
この実施の形態に係る台座52Lは、その前端縁において上方に向けて突設されたバネ位置決め部56を有する。バネ位置決め部56は、台座52Lの前端縁において左右方向に延びるように形成される。
【0122】
この実施の形態に係る左側板50Lの内壁50sには、その前端縁において揺動抑制部58Lが突設される。揺動抑制部58Lは、ハウジング20から引き出された状態の穿孔パンチ100Lが揺動することを抑制するために設けられる。揺動抑制部58Lは、左側板50Lの内壁50sの前端縁における下端部から台座52Lとほぼ同じ高さまでを上下方向に延びるように形成される。
【0123】
<背板60について>
背板60は、ハウジング20の略中央に形成された仕切り板24に関して面対称である。したがって、ここでは特に必要な場合を除き、背板60の左側部分の構造についてのみ説明し、右側部分の同様となる説明は繰り返さない。ハウジング20の背板60の内壁の左側部分には、上記したように、台座52Lの後端縁が一体的に形成される。位置決め部62Lは、台座52Lの右端縁の上端から右方向に延びるように形成された下方位置決め部64Lと、下方位置決め部64Lの上方に下方位置決め部64Lに沿って右方向に延びるように形成された上方位置決め部66Lとを有する。後述するバネ部材410Lの下方延在部414Lは、下方位置決め部64Lと上方位置決め部66Lとの間に配設されることによって位置決めされる。下方位置決め部64Lの上面と、台座52Lの上面とは、上下方向において同じ位置になるように形成される。下方位置決め部64Lは、その前端縁の左右方向の略中央よりもやや左側板50Lに近い部分に前方へと突出する左突起部59Lを有する。左突起部59Lの上面は、下方位置決め部64Lの他の部分の上面とフラットになるように一体的に形成される。下方位置決め部64Lは、その左端部から左突起部59Lの右端部までの上下方向の寸法が、左突起部59Lの右端部よりも右側の部分のそれよりも大きくなるように形成される。
【0124】
背板60の左右方向における略中央には、後述するスイッチ240を取り付けるためのスイッチ取付け部70が上下方向に延びて形成される。スイッチ取付け部70の左右方向の寸法は、上述した底板30に形成される舌状部36のそれよりもやや大きい。スイッチ取付け部70は、背板60の上端縁から下端縁の近傍の位置まで上下方向にのびるスイッチ胴体取付け部72を有する。スイッチ胴体取付け部72は、正面から見たとき、略I字形状である。すなわち、スイッチ胴体取付け部72は、その左端縁における上端および下端を除いた部分が上下方向にのびて矩形状に切り欠かれ、且つその右端縁も同様に矩形状に切り欠かれた形状である。
【0125】
この実施の形態に係るスイッチ胴体取付け部72の下端縁は、前述したハウジング20の底板30の上面と同じ高さに位置する。そして、このスイッチ胴体取付け部72には、その下端縁の左右方向における略中央から上方に向けて略四角形状に切り欠かれることによりスイッチ下端取付け切欠き部74が形成される。ハウジング20の背板60に形成されたスイッチ下端取付け部74は、略四角形状であり、その左右方向の寸法は、舌状部36に形成された左突起部59Lの右端縁と、右突起部59Rの左端縁とが離間する距離と同じである。スイッチ胴体取付け部72の厚み(すなわち、前後方向の寸法)は、背板60の厚みとほぼ等しい。なお、スイッチ胴体取付け部72の前面は、背板60の内壁よりもやや前方にのり出して形成され、スイッチ胴体取付け部72の背面は、背板60の外壁よりもやや前方にのり出して形成される。スイッチ胴体取付け部72の左端縁および右端縁それぞれの上方部分および下方部分は、背板60の内壁と一体的に形成される。また、スイッチ胴体取付け部72の上端縁は、天板80の内壁と一体的に形成される。スイッチ胴体取付け部72の上端縁は、その上下方向の位置が、背板60の上端縁と同じである。
【0126】
スイッチ胴体取付け部72の前面の左右方向における略中央には、ハウジング20に形成された収納空間22を二分割するための仕切り板24が配設される。この仕切り板24により仕切られた左側の収納空間22Lに第1の穿孔パンチ100Lが収納され、右側の収納空間22Rに第2の穿孔パンチ100Rが収納される。仕切り板24の後端面は、スイッチ胴体取付け部72の前面と一体的に形成される。また、仕切り板24の前端面は、底板30の前端面と上下方向において略一直線状になるように形成される。仕切り板24の下方部分には、その後端縁から前端縁の近傍までを前後方向に切欠くように略矩形状の切欠部28が形成される。この切欠部28の上下方向の寸法は、舌状部36に形成された左突起部59Lおよび右突起部59Rの上下方向の寸法よりも大きい。仕切り板24の下方部分の切り欠かれていない前方部分の下端縁は、底板30の内壁と一体的に形成される。
【0127】
<天板80について>
ハウジング20の天板80は、仕切り板24に関して面対称である。したがって、ここでは天板80の左側の構成についてのみ説明し、右側の同様となる説明は繰り返さない。天板80の前端縁には、左端縁の近傍から後方に向けて抉るように形成された切欠部88Lが形成される。切欠部88Lは、天板80の前端縁から後方にのびる矩形状の部分と、矩形状の部分の後端に一体的に形成された半円状の部分とからなる。切欠部88Lの半円状の部分は、その中心が、平面視したとき、上述した底板30に形成された回転軸取付け孔32L、および台座52Lに形成された回転軸取付け孔54Lと同じ位置になるように形成される。すなわち、底板30の回転軸取付け孔32Lと、台座52Lの回転軸取付け孔54Lと、天板80の切欠部88Lとが上下方向に連なった態様となる。天板80の切欠部88Lの右端縁と、天板80の前端縁とで形成される角部には、突部82Lが突設される。なお、この実施の形態に係る突部82Lの左右方向の寸法は、上記した第1および第2の実施の形態に係るパンチ10の突部82Lよりも大きく形成される。
【0128】
<第3の実施の形態に係る穿孔パンチ100について>
第3の実施の形態に係るパンチ10は、一度に二つの綴じ孔を穿孔するために、ハウジング20の左側部分に出し入れ可能に取り付けられた第1の穿孔パンチ100Lと、右側部分に出し入れ可能に取り付けられた第2の穿孔パンチ100Rとを備える。なお、第1の穿孔パンチ100Lと、第2の穿孔パンチ100Rとは、ハウジング20に形成された仕切り板24に関して面対称であり、同様の構造を有する。したがって、以下の説明では特に必要な場合を除き、第1の穿孔パンチ100Lについてのみ説明し、第2の穿孔パンチ100Rについての同様となる説明は繰り返さない。
【0129】
穿孔パンチ100は、前後方向にのび、用紙などの被穿孔体Pの一部を載置するための土台110と、穿孔刃450を略上下方向に動作させるためのレバー170と、レバー170が穿孔を行うときの動作の支点となる支点シャフト420Fと、穿孔刃450を支持するための穿孔刃支持シャフト420Sと、穿孔刃支持シャフト420Sに支持され、穿孔刃支持シャフト420Sとともに略上下方向に移動可能な穿孔刃450と、前後方向にのび、用紙などの被穿孔体Pを穿孔する際に生じる紙屑などを収納するためのダストボックス210と、レバー40を略上方に付勢し、かつ穿孔パンチ100をハウジング20の収納空間22の外側に向けて付勢する付勢手段としてのバネ部材410とを有する。
【0130】
<土台110について>
図60は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチの土台を示す平面図である。
図61は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチの土台を示す側面図である。
図62は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチの土台の
図60に示すLXII−LXII断面図である。この実施の形態に係る土台110は、被穿孔体Pが載置されるベース部112と、レバー170が取り付けられるレバー取付け部130と、ベース部112とレバー取付け部130とを一体的に接続し、且つ回転軸400が取り付けられる回転軸取付け部160とを有する。
【0131】
<ベース部112について>
ベース部112は、正面から見たとき、前方および下方の開放された略逆U字形状である。すなわち、ベース部112は、前後方向にのび、その上面に被穿孔体Pが載置される平板状のベース天部114と、ベース天部114の左端縁から下方向へと延びる板状のベース側部124Lと、ベース天部114の右端縁から下方向へと延びるベース側部124Rとを有する。ベース天部114の上面は、用紙などの被穿孔材Pを安定して載置できるように平坦に形成される。ベース天部114の内壁の前端縁の近傍には、ダストボックス210を嵌合する際に雄部材となる嵌合雄板116が左右方向に延びて突設される。また、ベース天部114の略中央には、平面視略円形状の穿孔用孔118が形成される。上下動する穿孔刃450が穿孔用孔118を通り抜けることにより、ベース天部114の上面に載置された被穿孔材Pに穿孔することができる。また、被穿孔材Pを穿孔した際に生じる紙屑が、ベース天部114の上面から穿孔用孔118を通り抜け、下方に配設されたダストボックス210へと落下する。
【0132】
ベース側部124Lとベース側部124Rとは、土台110の左右方向の略中央を通り前後方向に延びる面に関してほぼ面対称であり、ほぼ同様の形状を有する。したがって、ここでは特に必要な場合を除いて、ベース側板124Lについてのみ説明し、ベース側板124Rの同様となる説明は繰り返さない。ベース側板124Lの内壁における下端縁には、前端部から後方へと延びるように略直方体形状の嵌合凹部126Lが形成される。嵌合凹部126Lの左側の側壁は、ベース部112を正面視したとき、その上端部からやや右側へと傾斜して下方向にのびる。すなわち、嵌合凹部126Lは、上方から下方になるほど徐々に左右方向の寸法が小さくなるように形成される。また、ベース部112の後方をカバーするように、回転軸取付け部160が一体的に形成される。
【0133】
<レバー取付け部130について>
レバー取付け部130は、ベース部112の上方に形成される。レバー取付け部130の底面は、ベース天部114の上面と上下方向に所定の距離だけ離間して平行に対向する。すなわち、レバー取付け部130の底面と、ベース天部114の上面との間には前後方向に延びる間隙が形成される。レバー取付け部130の前端面は、ベース部112の前端面よりも後方に位置するように形成される。また、レバー取付け部130は、その左右方向の寸法(すなわち、幅方向の寸法)が、ベース部112のそれよりも小さく形成される。そして、レバー取付け部130は、平面視したとき、ベース部112の左右方向における中央を前後方向にのびるように形成される。レバー取付け部130は、その前端部から後端部へと向かう順に、前後方向摺動受け部132と、上下方向摺動受け部142と、根元接続部152とを有する。前後方向摺動受け部132、上下方向摺動受け部142および根元接続部152は一体的に形成される。
【0134】
<前後方向摺動受け部132について>
前後方向摺動受け部132は、前方および上方が開放された略箱型の形状を有し、正面から見ると、略U字形状である。すなわち、レバー取付け部130の前後方向摺動受け部132は、前後方向摺動受け底板134と、前後方向摺動受け底板134の左端縁から立ち上がる前後方向摺動受け側板136Lと、前後方向摺動受け底板134の右端縁から立ち上がる前後方向摺動受け側板136Rと、前後方向摺動受け底板134の後端縁から立ち上がる前後方向摺動受け背板とを有する。なお、前後方向摺動受け背板は、後述する上下方向摺動受け前板144でもある。
【0135】
前後方向摺動受け底板134の前端面は、上端縁が下端縁よりも前方に位置するように傾斜して形成される。これにより、レバー取付け部130の底面と、ベース天部114の上面との間に形成された前後方向に延びる間隙へと被穿孔体Pを容易に案内することができる。すなわち、前述した間隙に被穿孔体Pを差し込みやすくなる。また、前後方向摺動受け底板134の底面には、その前端縁に略三角柱形状の突部135が形成される。突部135は、左右方向に延びて形成される。この突部135により、ベース天部114の上面に載置された被穿孔体Pの動きを抑制することができる。
【0136】
前後方向摺動受け側板136Lおよび前後方向摺動受け側板136Rは、互いに同様の形状を有するため、ここでは前後方向摺動受け側板136Lについてのみ説明し、前後方向摺動受け側板136Rの同様となる説明は繰り返さない。前後方向摺動受け側板136は、その前端縁から後方へと抉るように形成された前後方向摺動切欠き138が形成される。前後方向摺動切欠き138は、前後方向摺動受け側板136の前端面から後方に向かって矩形状にのび、その後端が略円弧状に形成される。この前後方向摺動切欠き138の内部を、後述する支点シャフト420Fが前後方向に摺動する。
【0137】
<上下方向摺動受け部142について>
レバー取付け部130の上下方向摺動受け部142は、上下方向に貫通した平面視略円形状の孔を有する。上下方向摺動受け部142は、平面視略円弧状の上下方向摺動受け前板144と、平面視略円弧状の上下方向摺動受け背板146と、左側の上下方向摺動受け側板148Lと、右側の上下方向摺動受け側板148Rとを有する。この上下方向に貫通した孔を穿孔刃移動空間150とする。穿孔刃移動空間150の内部を穿孔刃450が上下方向に移動する。穿孔刃移動空間150は、上述したベース天部114の上面に形成された穿孔用孔118の真上に形成される。
【0138】
上下方向摺動受け側板148Lおよび上下方向摺動受け側板148Rは同様の形状を有するため、ここでは上下方向摺動受け側板148Lについてのみ説明し、上下方向摺動受け側板148Rの同様となる説明は繰り返さない。上下方向摺動受け側板148Lには、上下方向にのびる上下方向摺動切欠き149が形成される。上下方向摺動切欠き149は、略矩形状である。上下方向摺動切欠き149は、その上端および下端が略円弧状に形成される。上下方向摺動切欠き149の内部を、後述する穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向に摺動する。穿孔刃支持シャフト420Sには、穿孔刃450が取り付けられる。すなわち、穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向摺動切欠き149の内部を上下方向に摺動することにより、穿孔刃450が穿孔刃移動空間150の内部を上下方向に移動する。
【0139】
<根元接続部152について>
レバー取付け部130の根元接続部152は、その後方および上方の開放された略箱型の形状を有し、背面側から見ると、略U字形状である。すなわち、根元接続部152は、根元接続底板154と、根元接続底板154の左端縁から立ち上がる根元接続側板156Lと、根元接続底板154の右端辺から立ち上がる根元接続側板156Rと、根元接続底板154の前端縁から立ち上がる根元接続前板とを有する。なお、根元接続部152の根元接続前板は、上下方向摺動受け部142の上下方向摺動受け背板146でもある。根元接続底板154は、その後端部が、回転軸取付け部160の上面の前端部と一体的に形成される。
【0140】
根元接続側板156Lおよび根元接続側板156Rは同様の形状を有するため、ここでは根元接続側板156Lについてのみ説明し、同様となる根元接続側板156Rの説明は繰り返さない。根元接続側板156Lは、その上下方向の寸法が前方から後方に向かって徐々に小さくなるように形成される。すなわち、根元接続側板156Lは、側面の側から見ると、前方から後方に向かって斜め下に延びて形成される。根元接続側板156Lは、その後端部が、回転軸取付け部160の上面の前端部と一体的に形成される。
【0141】
この実施の形態に係る根元接続側板156Lの左面(外面)には、その下端縁に沿って前後方向に延びるように外側リブ部158が突設される。また、根元接続側板156Rの右面には、その下端縁に沿って前後方向に延びるように内側リブ部159が突設される。外側リブ部158の前端縁の前後方向の位置は、穿孔パンチ100Lがハウジング20に収納された状態のとき、底板30(および天板80)の前端縁の前後方向の位置と一致する。なお、外側リブ部158の厚み(すなわち、左右方向の寸法)はその前端部を除いて一定である。内側リブ部159は、その前方部分の厚み(すなわち、左右方向の寸法)が後方部分のそれに比べて薄くなるように形成される。内側リブ部159の後方部分の厚みは、外側リブ部158の厚みと同じである。
【0142】
なお、前後方向摺動受け側板136と、上下方向摺動受け側板148と、根元接続側板156とは、一枚板であり、一体的に形成される。すなわち、前後方向摺動受け側板136と、上下方向摺動受け側板148と、根元接続側板156とが、レバー取付け部130の側板である。
【0143】
<回転軸取付け部160について>
回転軸取付け部160は、ベース部112の後端部に一体的に形成され、略直方体形状である。回転軸取付け部160は、ベース部112のベース側部124L及びベース側部124Rに続く側部を備え、その側部は、ベース側部124L及びベース側部124Rの下端縁に連続する下端縁を備える。回転軸取付け部160の底面には、その前端縁から後端辺の近縁まで前後方向にのびる凹部162が形成される。凹部162の上壁には、その前方部の左右方向の両端辺それぞれに、上下方向にのびる平面視略矩形状の左側の矩形穴164L及び右側の矩形穴164Rが形成される。また、凹部162の上壁には、左側の矩形穴164L及び右側の矩形穴164Rの後方に、回転軸取付け部160の上面まで貫通する平面視略円形状の回転軸取付け孔166が形成される。この回転軸取付け孔166に、回転軸400が通される。回転軸取付け部160の前面の上方部分が、上記したベース部112の後端部およびレバー取付け部130の後端部と一体的に形成される。
【0144】
<レバー170について>
図63は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチのレバーを示す平面図である。
図64は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチのレバーを示す側面図である。
図65は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチのレバーを示す底面図である。
図66は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチのレバーの
図63に示すLXVI−LXVI断面図である。
図67は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチのレバーの
図64に示すLXVII−LXVII断面図である。
【0145】
レバー170は、その下方が開放された中空の略直方体形状である。レバー170は、レバー天板172と、レバー天板172の左端縁から下方へと延びるレバー側板182Lと、レバー天板172の右端縁から下方へと延びるレバー側板182Rと、レバー天板172の前端縁から下方へと延びるレバー前板188と、レバー天板172の後端縁から下方へと延びた平面視略円弧状のレバー背板192とを有する。レバー天板172の後端部には、円筒状のハンドル取付け部174が突設される。ハンドル取付け部174には、上下方向に貫通してハンドル取付け軸孔178が形成される。
【0146】
この実施の形態に係るハンドル取付け軸孔178内の上方部分には、ハンドル取付け可撓部176が形成される。ハンドル取付け可撓部176は、ハンドル取付け軸孔178と同軸の略円筒形状である。ハンドル取付け可撓部176は、その上端部分の外壁がハンドル取付け軸孔178の上端部分の内壁と一体的に形成され、そこからハンドル取付け軸孔178の内部を略下方へと延びる。ハンドル取り付け軸孔178は、下方になるほど、その直径(内径および外径)が小さくなるように形成される。すなわち、ハンドル取付け可撓部176は、ハンドル取付け軸孔178の内壁と一体的に形成される上端部分を除いた部分が、径方向において、ハンドル取付け軸孔178の内壁と離間し、下方になるほどその距離が大きくなる。そして、ハンドル取付け可撓部176は、その内壁側から軸方向の外側へと向かう方向に外力を加えられた場合、ハンドル取付け軸孔178の内壁と一体的に形成された上端部分を除いた部分が径方向の外側へと(すなわち、ハンドル取付け軸孔178の内壁側へと)撓むことができ、弾力性を有する。すなわち、ハンドル取付け可撓部176は、後述するハンドル300の底面に突設されるハンドル突部392が挿入される際、その内壁側から軸方向の外側へと向かう方向に外力を加えられ、径方向の外側へと(すなわち、ハンドル取付け軸孔178の内壁側へと)撓む。そして、ハンドル取付け可撓部176は、変形前の状態に戻ろうとする径方向の内側への復元力によって、ハンドル突部392を固定する。
【0147】
この実施の形態に係るレバー天板172の底面(すなわち、内壁)には、厚み方向(すなわち、左右方向)の略中央をハンドル取付け軸孔178の前端辺りから前方へと延びて略平板状のバネ誤配設防止板180が形成される。バネ誤配設防止板180は、その下端縁と後端縁とで形成される角部が切り落とされたような形状を有する。すなわち、バネ誤配置防止板180の後端縁は、レバー天板172の内壁から下方へと略直線状に延びたあと前方へと屈曲し、傾斜してさらに下方へと略直線状に延びる。
【0148】
レバー側板182Lおよびレバー側板182Rは、厚み方向(すなわち、左右方向)の略中央を通り前後方向に延びる面に関して面対称である。したがって、ここではレバー側板182Lについてのみ説明し、レバー側板182Rの同様となる説明は繰り返さない。レバー側板182Lは、前端縁から前後方向の略中央辺りまでの前方部の上下方向の寸法が、後方部の上下方向の寸法よりも大きく形成される。レバー側板182Lの前方部には、二つのシャフト取付け孔184が前後方向に所定の距離だけ離れて形成される。前方のシャフト取付け孔184に支点シャフト420Fが取り付けられ、後方のシャフト取付け孔184に、穿孔刃支持シャフト420Sが取り付けられる。
【0150】
<ハンドル300について>
図68は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハンドルを示す平面図である。
図69は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハンドルを示す正面図である。
図70は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハンドルを示す底面図である。
図71は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハンドルを示す
図69のLXXI−LXXI断面図である。
図72は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハンドルを示す
図70のLXXII−LXXII断面図である。
【0151】
この実施の形態に係るハンドル300は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。ハンドル300は、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれを穿孔操作するためのものである。ハンドル300は、左右方向に延びる平面視略矩形状のハンドル天板310と、ハンドル天板310の左端縁から下方へと延びる左側のハンドル側板330Lと、ハンドル天板310の右端縁から下方へと延びる右側のハンドル側板330Rと、ハンドル天板310の前端縁から下方へと延びるハンドル前板350と、ハンドル天板310の後端縁から下方へと延びるハンドル背板370とを有する。
【0152】
すなわち、ハンドル300は、下方の開放された中空の略直方体形状である。なお、ハンドル天板310を平面視したときの外形(スイッチ上端挿入部312などの切り欠かれた部分を除く)は、ハウジング20を平面視したときの外形(左側の切欠部88L及び右側の切欠部88Rなどを除く)とほぼ等しい。
【0153】
ハンドル300は、一方の穿孔パンチ100Lと他方の穿孔パンチ100Rとの間に架け渡される長さを備えている。ハンドル天板310は、その背面における左右方向の略中央に、ハンドル前板350の方向に凹む平面視略矩形状のスイッチ上端挿入部312が形成される。このスイッチ上端挿入部312に、後述するスイッチ240の上端部が挿入される。ハンドル天板310は、その内壁の左端縁の近傍に、下方へと突出するハンドル突部380Lが形成される。また、ハンドル突部380Lの左右対称の位置に、ハンドル突部380Lと同様の形状のハンドル突部380Rが突設される。左側のハンドル突部380L及び右側のハンドル突部380Rそれぞれは同じ形状を有するため、ここでは、左側のハンドル突部380Lのみについて説明し、右側のハンドル突部380Rの同様となる説明は繰り返さない。
【0154】
ハンドル突部380Lは、ハンドル突部軸孔382を有する略円筒状に形成される。また、ハンドル突部380Lの先端には、その周方向にわたって、外径方向に突出する突部386Lが形成される。ハンドル突部380Lは、上述したような形状を有することにより、その内径方向に撓むことができる。
【0155】
<スイッチ240について>
図73は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるスイッチを示す平面図である。
図74は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるスイッチを示す正面図である。
図75は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるスイッチを示す側面図である。
図76は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるスイッチを示す
図74のLXXVI−LXXVI断面図である。
【0156】
この実施の形態に係るスイッチ240は、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されることが好ましい。スイッチ240は、ハウジング20に収納された第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rをワンタッチでハウジング20から引き出された状態に切り替えるためのものである。スイッチ240は、上下方向にのびる板状のスイッチ板部242と、スイッチ板部242の左端縁における上下方向の略中央に上下方向にのびるように突設された左側のスライド突部244Lと、左側のスライド突部244Lと同じ形状を有し、スライド突部244Lと左右対称の位置に形成されたスライド突部244Rと、スイッチ板部242の下端縁から前方へと立ち上がるように形成されたスイッチ下端突部250と、スイッチ板部242の上端辺から前方へと立ち上がるように形成されたスイッチ上端突部260とを有する。左側のスライド突部244L、右側のスライド突部244R、スイッチ下端突部250およびスイッチ上端突部260は、すべて、スイッチ板部242から前方向に突出するように形成される。
【0157】
左側のスライド突部244L及び右側のスライド突部244Rそれぞれは、その先端に、スイッチ板部242の外方向に突出する平面視略直角三角形の左側のスライド係合部245L及び右側のスライド係合部245Rが形成される。
【0158】
スライド突部244L,244Rそれぞれは、その先端に、スイッチ板部242の外方向に突出する平面視略直角三角形のスライド係合部245L、245Rが形成される。
【0159】
スイッチ下端突部250は、スイッチ板部242の下端縁全域にわたって形成されたスイッチ下端幅方向突部252と、スイッチ板部242の下端縁の左右方向における略中央に形成された3つのスイッチ下端長手方向突部254とを有する。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、その底面がスイッチ下端幅方向突部252の上面に当接する。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、互いに左右方向において所定の距離だけ離れて形成される。3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれは、正面からみると略矩形状であり、側面から見るとその前端部に鋭角を有し、後端部の底面が直角に形成された略直角三角形である。なお、前端部の鋭角の先端は、その角部が切り落とされたように平板状に形成される。
【0160】
スイッチ上端突部260は、スイッチ板部242の上端縁全域にわたって形成されたスイッチ上端幅方向突部262と、スイッチ板部242の上端縁の左右方向における略中央に形成された3つのスイッチ上端長手方向突部264と、スイッチ板部242の上端縁の左端部および右端部に形成された二つのスイッチ上端長手方向突部264とを有する。すなわち、スイッチ上端長手方向突部264は、合計で5つ形成される。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、その上面がスイッチ上端幅方向突部262の底面に接続される。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、互いに左右方向において所定の距離だけ離れて形成される。5つのスイッチ上端長手方向突部264それぞれは、正面からみると略矩形状である。
【0161】
<ダストボックス210について>
図77は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるダストボックスを示す平面図である。
図78は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるダストボックスを示す側面図である。
図79は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるダストボックスを示す
図77のLXXIX−LXXIX断面図である。
【0162】
ダストボックス210は、穿孔の際に生じる紙屑などを収納するためのものである。この実施の形態に係るダストボックス210は、可撓性を有する物質で形成される。ダストボックス210は、前後方向に延びるダストボックス底板212を有する。ダストボックス底板212には、その後方部に、厚み(すなわち、上下方向の寸法)が小さくなったヒンジ部214が形成される。
【0163】
ダストボックス底板212は、ヒンジ部214の前方部の厚み(すなわち、上下方向の寸法)が、その後方部分の厚みよりも小さく形成される。ダストボックス底板212のヒンジ部214の前方部には、その左端縁および右端縁から立ち上がる左側のダストボックス側板217L及び右側のダストボックス側板217Rが形成される。また、ダストボックス底板212の前端縁の近傍には、ダストボックス前板218が形成される。ダストボックス底板212の前端縁には、左方向に突出する嵌合凸部216Lと、右方向に突出する嵌合凸部216Rとが形成される。すなわち、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部は、後方および上方が開放された中空の略直方体形状である。また、ダストボックス底板212のヒンジ部214の後方部には、上下方向に貫通する平面視略円形状の回転軸取付け孔222が形成される。
【0164】
<付勢手段(バネ部材410)について>
付勢手段としてのバネ部分410は、穿孔パンチ100を穿孔時から常態時に戻すための付勢手段であるとともに、穿孔パンチ100をハウジング20に収納した状態から、穿孔するためにハウジング20から穿孔パンチ100を構成する第1の穿孔パンチ100Lと第2の穿孔パンチ100Rとを同時に、中央から両側に開くために旋回するための付勢手段である。
【0165】
図80は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるバネ部材の平面図である。
図81は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるバネ部材の正面図である。付勢手段としてのバネ部材410は、主として、コイルばねで構成されており、コイルの軸方向にのびる主巻き部412と、主巻き部412の下端から軸方向と直交する方向にのびる下端延在部414と、主巻き部412の上端から軸方向と直交する方向であり、且つ下端延在部414とも直交する方向へと延びる上端延在部416とを有する。下端延在部414は、その寸法が、上端延在部416のそれよりも大きく形成される。主巻き部412、下端延在部414および上端延在部416は、弾性を有する鋼等の線材で一体的に形成される。
【0166】
<他の構成要素について>
この実施の形態に係る他の構成、すなわち、回転軸400、留めリング460、支点シャフト420F、穿孔刃支持シャフト420S、および穿孔刃450は、上記した第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0167】
<組立て手順について>
上記した構成要素により、この実施の形態に係るパンチ10を組み立てる手順について説明する。
【0168】
まず、穿孔パンチ100の土台110のレバー取付け部130に、下方の開放されたレバー170をかぶせるようにして嵌め込む。このとき、レバー取付け部130に形成された前後方向摺動切欠き138と、レバー170に形成された前側のシャフト取付け孔184との位置を合わせ、且つレバー取付け部130に形成された上下方向摺動切欠き149と、レバー170に形成された後側のシャフト取付け孔184との位置を合わせた状態にして嵌め込む。
【0169】
次に、左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された前側のシャフト取付け孔184に、雌シャフト440を挿入する。そして、雌シャフト440を挿入した左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに対向した側の左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された前側のシャフト取付け孔184から、雄シャフト430を挿入する。このとき、雄シャフト430の雄主軸部434を、雌シャフト440に形成された雄シャフト嵌合穴446に嵌合するようにして、雄シャフト430を挿入する。
【0170】
次に、レバー取付け部130に形成された穿孔刃移動空間150に穿孔刃450を挿入する。このとき、穿孔刃450に形成されたシャフト取付け孔454と、レバー取付け部130に形成された左側の上下方向摺動受け部142L及び右側の上下方向摺動受け部142Rとが左右方向に連なるようにして、レバー取付け部130に形成された穿孔刃移動空間150に穿孔刃450を挿入する。そして、左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された後側のシャフト取付け孔184から、雌シャフト440を挿入する。
【0171】
このとき、雌シャフト440は、左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された後側のシャフト取付け孔184と、穿孔刃450に形成されたシャフト取付け孔454と、対向した側の左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された後側のシャフト取付け孔184とを通るようにして挿入される。したがって、雌シャフト440によって、穿孔刃450が上下方向に支持される。そして、雌シャフト440を挿入した左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに対向する側の左側のレバー側板182Lまたは右側のレバー側板182Rに形成された後側のシャフト取付け孔184から、雄シャフト430を挿入する。このとき、雄シャフト430の雄主軸部434を、雌シャフト440に形成された雄シャフト嵌合穴446に嵌合するようにして、雄シャフト430を挿入する。
【0172】
上述のようにして、土台110に取り付けられたレバー170は、土台110の前後方向摺動切欠き138に取り付けられた支点シャフト420Fを略支点にして、上下方向と前後方向の交わる平面で回転する。このとき、レバー170は、土台110の上下方向摺動切欠き149に取り付けられた穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向に移動するように回転する。具体的には、支点シャフト420Fが前後方向摺動切欠き138の内部を前後方向に摺動しながら、穿孔刃支持シャフト420Sが上下方向摺動切欠き149の内部を上下方向に摺動する。支点シャフト420Fは、穿孔刃支持シャフト420Sが下方向に移動するとき、前後方向摺動切欠き138の上壁に当接しながら前方向に摺動する。また、支点シャフト420Fは、穿孔刃支持シャフト420Sが上方向に移動するとき、前後方向摺動切欠き138の底壁に当接しながら後方向に摺動する。穿孔刃支持シャフト420Sの上下方向の摺動にともなって、穿孔刃450が穿孔刃移動空間150の内部を上下方向に移動する。穿孔刃450は、最も下方に移動したとき、その刃先がベース天部114に形成された穿孔用孔118にまで至る。したがって、穿孔刃450を上下方向に移動させることにより、ベース天部114に載置された被穿孔体Pに綴じ孔をあけることができる。また、穿孔の際に生じる紙屑などを下方に配設されるダストボックス210に落下させて収納することができる。
【0173】
ダストボックス210は、土台110の下方部分に取り付けられる。具体的には、ダストボックスの前端部に形成された嵌合突部216Lおよび216Rが土台110の前端部と嵌合する。ダストボックス210のヒンジ部214の後方部が、回転軸取付け部160の底面に形成された凹部162に嵌合される。このようにして、ダストボックス210のヒンジ部214の後方部分が、土台110の回転軸取付け部160の下方部に取り付けられる。
【0174】
上述したように、ダストボックス210が、土台110の下方部に取り付けられることにより、土台110のベース天板114に形成された穿孔用孔118の下方に、穿孔の際に生じる紙屑などを収納するための空間が形成される。また、ダストボックス210に形成された回転軸取付け孔222と、土台110に形成された回転軸取付け孔166とが上下方向に連なる。この連なった孔に、回転軸400が通されて固定されることにより、ダストボックス210のヒンジ部214の後方部分が土台110に固定される。また、ダストボックス210に収納された紙屑などを取り除く際には、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部を下方に撓ませる。このようにして、ダストボックス210のヒンジ部214の前方部における土台110との嵌合を外し、ダストボックス210から紙屑などを取り除く。
【0175】
<穿孔パンチ100のハウジング20への取付けについて>
上述したように、土台110にレバー170を取付ける。また、土台110の下方からダストボックス210を取り付ける。次に、土台110の後端部である回転軸取付け部160およびダストボックス210のヒンジ部214の後方部分を、ハウジング20の底板30と台座52の間に挿入する。このとき、底板30に形成された回転軸取付け孔32と、ダストボックス210に形成された回転軸取付け孔222と、土台110に形成された回転軸取付け孔166と、台座52に形成された回転軸取付け孔54とが上下方向に連なるようにして挿入する。そして、この上下方向に連なった回転軸取付け孔32,回転軸取付け孔222,回転軸取付け孔166及び回転軸取付け孔54に回転軸400の回転主軸部404を挿入する。このように回転軸400が挿入されると、回転主軸部404は、その先端が台座52の上面よりも上方に位置するようになる。
【0176】
バネ部材410は、台座52の上面に載置される。このとき、バネ部材410は、その主巻き部412のバネ軸孔418に、台座52の上面からとび出た回転軸400が通される。
【0177】
また、バネ部材410の下端延在部414は、ハウジング20の背板60に左右方向にのびて形成される下方位置決め部64と、上方位置決め部66との間に通されることにより、位置決めされる。また、バネ部材410の上端延在部416は、レバー側板182Lの内壁にはりつくように配設される。最後に、留めリング460を、回転軸400の台座52の上面からとび出た部分に取り付けて、回転軸400を位置決めする。具体的には、留めリング460を、その挿入切欠き部462から、回転軸400の周方向凹部406に挿入し、その軸留め切欠き部464を、回転軸400の周方向凹部406に嵌合することにより、回転軸400を位置決めする。上述のようにして、ハウジング20の左側の側板100Lの近傍に第1の穿孔パンチ100Lを取り付ける。また、ハウジング20の右側の側板100Rの近傍に第1の穿孔パンチ100Lを取り付ける。このようにして、ハウジング20に取り付けられた左側の第1の穿孔パンチ100L及び右側の第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、ハウジング20に回転可能に支持される。このとき、左側の回転軸400Lおよび右側の回転軸400Rは、第1の回転軸として作用する。また、このとき、左側のレバー170L及び右側のレバー170Rそれぞれは、その後端部が、ハウジング20の天板80に形成された左側の切欠部88L及び右側の切欠部88Rを上下方向に通るように配設される。
【0178】
上述のようにして、ハウジング20の左側の側板100Lの近傍に穿孔パンチ100Lを取り付ける。また、同様の手順で、ハウジング20の右側の側板100Rの近傍に穿孔パンチ100Lを取り付ける。
【0179】
ハンドル300は、左側のハンドル突部380L及び右側のハンドル突部380Rそれぞれが内径方向に撓みながら、左側のレバー170L及び右側のレバー170Rに形成された左側のハンドル取付け部174L及び右側のハンドル取付け部174Rに挿入される。このようにして、ハンドル300は、第1の穿孔パンチ100L、第2の穿孔パンチ100Rそれぞれを互いに接続するように、左側のレバー170L及び右側のレバー170Rに取り付けられる。
【0180】
このとき、ハンドル300は、左側のレバー170L及び右側のレバー170Rそれぞれに回転可能に取り付けられる。第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rを接続するようにして一つのハンドル300を取り付けることにより、ハンドル300を略下方に押すだけで左側の第1の穿孔パンチ100Lと右側の第2の穿孔パンチ100Rとを同時に操作して、被穿孔体Pに綴じ孔をあけることができる。第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハウジング20に対する第1の回転軸としての左側の回転軸400L及び右側の回転軸400Rと、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハンドル300に対する第2の回転軸としてのハンドル突部380(またはレバー170のハンドル取付け部174)とは、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rが被穿孔体Pに綴じ孔をあけたとき、一直線状になる。
【0181】
スイッチ240は、ハウジング20の背板60の外壁から、ハウジング20の背板60に形成されたスイッチ取付け部70に取り付けられる。具体的には、スイッチ下端突部250が、スイッチ取付け部70の外壁から収納空間22に通されて、ハウジング20の底板30に形成された舌状部36に取り付けられる。このとき、3つのスイッチ下端長手方向突部254それぞれの底面が、舌状部先端36bの上面に載置される。このようにして、スイッチ取付け部70のスイッチ下端取付け部74に、スイッチ下端突部250が取り付けられる。
【0182】
スイッチ板部242は、その前面が、スイッチ胴体取付け部72の外壁に当接して上下方向にのびるように配設される。また、スイッチ上端突部262は、ハウジング20の天板80よりも上方に位置するように配設される。スイッチ240の左側のスライド突部244L及び右側のスライド突部244Rそれぞれは、スイッチ取付け部70に上下方向にのびるように形成された左側のスリット78L及び右側のスリット78Rそれぞれに取り付けられる。このようにして、スイッチ240は、ハウジング20に上下方向にスライド可能に取り付けられる。
【0183】
<穿孔パンチ100の収納状態について>
図82は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチの穿孔パンチがハウジングに収納された状態を示す正面図である。
図83は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチの穿孔パンチがハウジングに収納された状態を示す背面図である。
【0184】
穿孔パンチ100は、ハウジング20に回転可能に支持されることにより、ハウジング20から引き出された状態と、ハウジング20に収納された状態とを切り替えることができる。
【0185】
穿孔パンチ100がハウジング20の収納空間22に収納された状態では、土台110のベース側部124Rの前方部に形成された嵌合凹部126Rと、ダストボックス210の前方部分の右側凹部とが連なることにより形成された被保持部230に、舌状部36の上面36iに突設された突部38が係合する。このようにして、穿孔パンチ100が、ハウジング20の収納空間22に保持される。
【0186】
<穿孔パンチ100をハウジング20からの引き出す手順について>
図84は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチの穿孔パンチがハウジングに収納された状態における左右方向に沿った断面図である。
図85は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチの穿孔パンチがハウジングに収納された状態における左右方向に沿った断面図である。
図86は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチの上下方向に沿った断面図であり、バネ部材および回転軸のハウジングへの取り付け態様を示す図である。
図87は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備える穿孔パンチがハウジングに収納されて保持された状態を示す断面図である。
図88は、この発明の第3の実施の形態に係るパンチが備えるハウジングに収納されて保持された穿孔パンチを解除する様子を示す断面図である。
【0187】
スイッチ240の上端を押下することにより、穿孔パンチ100がハウジング20の収納空間22に保持された状態を解除することができる。具体的には、スイッチ240の上端を押下すると、スイッチ下端長手方向突部254が、ハウジング20に形成された舌状部36の舌状部先端36bを下方に撓ませる。こうすることにより、穿孔パンチ100の底面に形成された被保持部230と、舌状部36に突設された突部38との係合がはずれる。
【0188】
ここで、ハウジング20の収納空間22に収納された穿孔パンチ100は、バネ部材410により、常にハウジング20の収納空間22から外にとび出す方向に付勢されている。したがって、上述したように、スイッチ210の上端を押下することによって、穿孔パンチ100の底面に形成された被保持部230と、舌状部36に突設された突部38との係合がはずれると、穿孔パンチ100が、ハウジング20の収納空間22から外側にとび出し、ハウジング20から引き出された状態となる。第1の穿孔パンチ100Lと、第2の穿孔パンチ100Rとは、ハウジング20の中央から両側に開くように(すなわち、観音開きのように)、ハウジング20の収納空間22から回転してとび出す。このようにして、ハウジング20の底板30に形成された保持部34、および穿孔パンチ100に形成された被保持部230が、保持手段および解除手段として作用する。
【0189】
<穿孔パンチ100をハウジング20に収納する手順について>
つづいて、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rを、ハウジング20の手前側に引き出された状態から、ハウジング20に収納された状態に切り替える手順について説明する。まず、左側のバネ部材410L及び右側のバネ部材410Rの略上方の付勢力に抗って、ハンドル300を略下方に移動させる。このとき、土台110と、レバー170とが、互いに略平行に上下方向に重なった状態となるまでハンドル300を略下方に移動させる。また、このとき、二つのレバー170それぞれの後方端部に突設されたハンドル取付け部174が、ハウジング20の天板80の前端辺に形成された左側の切欠部88L及び右側の切欠部88Rそれぞれを下方から上方に向けて貫通する。また、二つのレバー170それぞれに取り付けられたハンドル300両端のハンドル突部380それぞれも、ハウジング20の天板80の前端辺に形成された左側の切欠部88L及び右側の切欠部88Rそれぞれを上方から下方に向けて貫通する。また、このとき、ハンドル300に形成されたスイッチ上端挿入部312に、スイッチ242に形成されたスイッチ上端突部260が挿入される。また、このとき、レバー170の後端部と、土台110の後端部との間に、台座52が挟まれた状態になる。また、このとき、ハンドル300と、ハウジング20の天板80とが上下方向に重なった状態となる。このようにして、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハウジング20に対する第1の回転軸としての左側の回転軸400L及び右側の回転軸400Rと、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれのハンドル300に対する第2の回転軸としてのハンドル突部380(またはレバー170のハンドル取付け部174)とが、一直線状になる。
【0190】
そして、左側のバネ部材410L及び右側のバネ部材410Rの付勢力に抗って、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20の左側の収納空間22L及び右側の収納空間22Rの方向に回転させて、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれの底面に形成された被保持部230と、ハウジング20の底板30に突設された左側の突部38L及び右側の突部38Rとを係合させることにより、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rそれぞれをハウジング20に保持させる。このようにして、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rを、ハウジング20の手前側に引き出された状態から、ハウジング20に収納された状態に切り替える。
【0191】
なお、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、ハンドル300が略下方に押下され、土台110とレバー170とが前後方向にのびるように略平行になった状態のときの外形が、ハウジング20の収納空間22L、22Rと同じである。また、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれは、互いに同じ形状を有し、且つハウジング20の収納空間22L、22Rそれぞれも互いに同じ形状を有する。したがって、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれがハウジング20の収納空間22L,22Rに収納された状態のとき、パンチ10はコンパクトな態様になる。
【0192】
<まとめについて>
この実施の形態に係るパンチ10は、上記した第1の実施の形態に係るパンチ10が備える効果に加えて、以下のような効果も有する。
【0193】
この実施の形態に係るハウジング20の底板30の後端縁およびその近傍のうち、舌状部36(および舌状外縁孔40)の後端縁に沿った部分には、底板30の舌状部36(および舌状外縁孔40)の左側の部分と右側の部分とを一体的に接続するように、後端接触防止部48が形成される。後端接触防止部48を設けることにより、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20に収納された状態から引き出された状態に切り替えるとき、スイッチ240の上端部を押下する指と、ハウジング20の底板30の下側の指とがパンチ10を挟持しても、舌状部36にその底面から触れることがなくなる。これにより、舌状部36がスイッチ240のスイッチ下端突部250にその上面から押されることにより下方へと撓むことを妨げることがなくなる。したがって、例えば、片手でも、第1の穿孔パンチ100L及び第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20に収納された状態から引き出された状態に切り替えることができる。以上の通りであるため、より容易且つ確実に前記した操作を行うことができる。
【0194】
さらに、この実施の形態に係るハウジング20の台座52L、52Rには、その前端縁において上方に向けてバネ位置決め部56が左右方向に延びて突設される。バネ位置決め部56により、台座52L、52Rからバネ部材410が落下してしまうことを防止することができる。
【0195】
さらに、この実施の形態に係るハウジング20の左側の側板50Lの内壁50sには、その前端縁において揺動抑制部58Lが突設される。ハウジング20から引き出された状態の第1の穿孔パンチ100Lの土台110の左側(すなわち、ハウジング20の外側)のベース側板124に、ハウジング20の前端縁において揺動抑制部58が当接することにより、引き出された状態の第1の穿孔パンチ100Lの揺動を抑制することができる。なお、ハウジング20の右側の側板50Rにも揺動抑制部58Rが突設されるため、第2の穿孔パンチ100Rの揺動も同様に抑制することができる。
【0196】
この実施の形態に係るハウジング20の背板60の内壁に形成された位置決め部62Lが有する下方位置決め部64Lは、その前端縁の左右方向の略中央よりもやや左側板50Lに近い部分に前方へと突出する左突起部59Lを有する。この左突起部59Lは、第1の穿孔パンチ100Lがハウジング20に収納されたとき、穿孔パンチ100Lの土台110の内側リブ部159のうち、仕切り板24に近い厚み(穿孔パンチ100Lのハウジング20に収納された状態における前後方向の寸法)が薄くなっている部分に当接する。
【0197】
第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rがハウジング20から引き出された状態を平面視したとき、第1の穿孔パンチ100Lは、その左側に外側リブ部158が形成され、その右側に厚みの薄くなった部分を有する内側リブ部159が形成される。一方、第2の穿孔パンチ100Rは、その右側に外側リブ部158が形成され、その左側に厚みの薄くなった部分を有する内側リブ部159が形成される。すなわち、第1の穿孔パンチ100Lは、仮に、右側の収納空間22Rに取り付けて収納しようとしても、その一部が収納空間22Rの前端縁よりも前方にはみ出した状態になってしまう。すなわち、ハウジング20の左側の収納空間22Lにのみ収納することができ、右側の収納空間22Rには収納できない。同様に、第2の穿孔パンチ100Rは、ハウジング20の右側の収納空間22Rにのみ収納することができ、左側の収納空間22Lには収納できない。
【0198】
ここで、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rそれぞれの土台110は、金型成形により成形されることが好ましい。土台110が成形用金型により成形される場合、金型により成形後にエジェクタピンを用いて成形用金型から押し出す工程を行う必要がある。このとき、土台110の表面には、エジェクタピンが当接した部分にその痕跡が形成されてしまう。したがって、この面に磨き処理を施す必要がある。このような磨き処理は通常手作業により行われるが、これにより、複数成形される土台110それぞれの磨かれた側の面の厚みにバラつきが生じてしまう。仮に、このような磨き処理によるバラつきが生じている面を、ハウジング20から引き出された状態においてハウジング20の揺動抑制部58Lおよび揺動抑制部58Rに当接するように取り付けてしまうと、ハウジング20から引き出された状態の第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rの位置が定まらない。これにより、穿孔作業を正確に行うことができなくなってしまう。
【0199】
この実施の形態に係る第1の穿孔パンチ100Lは、上記したように、ハウジング20の左側の収納空間22Lにのみ収納することができ、右側の収納空間22Rには収納できず、同様に、第2の穿孔パンチ100Rは、ハウジング20の右側の収納空間22Rにのみ収納することができ、左側の収納空間22Lには収納できない。すなわち、土台110の外側面と内側面とがどちらになるかが一義的に定まる。これにより、金型成形を行う際に、内側リブ部159が形成される側の面にエジェクタピンを当接させるようにすることで、磨き処理によりバラつきが生じる面がハウジング20の揺動抑制部58Lおよび揺動抑制部58Rに当接する側とは反対側になり、上記したような問題を解消することができる。
【0200】
この実施の形態に係るハウジング20の天板80の上面の前端縁に突設された突部82Lおよび82Rの左右方向の寸法は、上記した第1の実施の形態に係るそれらよりも大きい。これにより、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20に収納する際、誤った手順で行われることを抑制することができる。ここで、ハウジング20から引き出された状態の第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20に収納する正しい手順は次の通りである。まず、ハンドル300をバネ部材410の付勢力に抗って押下することにより、レバー170を土台110と略平行に重ね合わせる。そして、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20の側へと回転させることにより、ハウジング20へと収納する。ここで、ハンドル300を押下する前に、第1の穿孔パンチ100Lおよび第2の穿孔パンチ100Rをハウジング20の側へと回転させようとすると、それぞれのレバー170が突部82Lおよび突部82Rに衝突する。これにより、誤った手順で収納作業が行われることを抑制することができる。この実施の形態に係るパンチ10は、突部82Lおよび突部82Rが左右方向の十分な寸法を有することにより、前述した効果がより顕著となる。
【0201】
この実施の形態に係るレバー170は、そのレバー天板172の底面に、バネ誤配置防止板180が下方へと突設される。このバネ後配置防止板180により、バネ部材410の取付け位置を間違えることを防止することができる。なお、バネ誤配置防止板180の後端部が上記したように切り欠かれたようにして傾斜していることで、バネ部材410を所望の配設位置へと案内することができる。
【0202】
なお、上述した第1の実施の形態に係るパンチ10では、付勢手段としての一つのバネ部材410が、穿孔パンチ100のレバー170を略上方に付勢し、且つ穿孔パンチ100をハウジング20の収納空間22から引き出す方向に付勢する場合について説明した。しかしながら、この場合に限られず、穿孔パンチ100のレバー170を略上方に付勢するバネ部材410と、背板60の内壁から突出するように別のバネ部材を配設し、この別のバネ部材が穿孔パンチ100をハウジング20の収納空間22から引き出す方向に付勢するような構造としてもよい。
【0203】
なお、上述した第1および第2の実施の形態、ならびに第1〜第5の変形例に係るパンチ10では、挟持手段がハウジング20の天板80である場合について説明したが、この場合に限られず、例えば、ハウジング20に天板80を設けず、背板60の内壁から棒状の部材を前後方向にのびるように突設することにより、底板30と協同して挟持手段として作用するような構造としてもよい。
【0204】
なお、上述した第1および第2の実施の形態、ならびに第1〜第5の変形例に係るパンチ10では、付勢手段がバネ部材410である場合を説明したが、この場合に限られず、合成樹脂により形成されたゴムなどを付勢手段として用いてもよい。また、その他の付勢力を有する部材を付勢手段として用いてもよい。
【0205】
なお、上述した第1および第2の実施の形態、ならびに第1〜第5の変形例に係るパンチ10では、2〜4つの穿孔パンチが配設される場合について説明したが、この場合に限られず、1つまたは5つ以上の穿孔パンチが配設されてもよい
【0206】
なお、第2の実施の形態に係るパンチ10が備える穿孔パンチ100をハウジング20から引き出された状態に固定する構造(すなわち、突部摺動凹部502、穿孔パンチ固定部526および突部後端突部542)を、第1の実施の形態に係るパンチ10が備えるようにしてもよい。
【0207】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。