特許第6194037号(P6194037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 因幡電機産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000002
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000003
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000004
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000005
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000006
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000007
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000008
  • 特許6194037-情報通信ユニット 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194037
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】情報通信ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20170828BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   H01Q1/22 Z
   H01Q21/28
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-35383(P2016-35383)
(22)【出願日】2016年2月26日
(62)【分割の表示】特願2014-143859(P2014-143859)の分割
【原出願日】2014年7月14日
(65)【公開番号】特開2016-129401(P2016-129401A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2017年6月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康智
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0132084(US,A1)
【文献】 国際公開第1997/029524(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
H01Q 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANの周波数帯域に感度を有するアンテナアンテナ素子を内蔵したケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成されている情報通信ユニットであって、
前記ケーシングが、外部に露出される表示面部と、当該表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有し、
記アンテナ素子が、前記ケーシングの内壁面に沿う板状に形成され、前記内挿部の内壁面に沿わせて配置されている情報通信ユニット。
【請求項2】
前記ケーシングが、当該内挿部の後端部から側方に延出し前記設置面の背面側で固定されるフランジ部を有し、
記アンテナ素子が、前記内挿部と前記フランジ部とで形成される後方角部に沿う後方屈曲部を有し、その後方屈曲部を前記後方角部に沿わせた姿勢で配置されている請求項1に記載の情報通信ユニット。
【請求項3】
記アンテナ素子が、前記内挿部の内壁面に沿って前方に延出してその延出方向における先端側に前方屈曲部を有すると共に、前記前方屈曲部の先端側の前方領域が前記設置面に相当する部位よりも前方に位置する請求項1又は2に記載の情報通信ユニット。
【請求項4】
前記表示面部が、前記コンセント部の表面に沿って延びる帯状に形成され、
前記内挿部が、前記表示面部の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部を有し、
記アンテナ素子が、前記平面状側壁部に沿わせて配置されている請求項1〜のいずれか1項に記載の情報通信ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Wi−Fi(登録商標)やWiMAX(登録商標)などの無線LANを行うためのアンテナ素子を備えた情報通信ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末のようなモバイル通信端末を用いて室内などで無線LAN通信を行うために、無線LAN用のアンテナ素子を備えた情報通信ユニットが室内に設置される。従来の情報通信ユニットとしては、装置の意匠性や設置箇所の美観などを損なわないように、アンテナ素子をケーシングに内蔵し、室内に面する壁面などの設置面に設置可能なものが知られている(例えば特許文献1及び2を参照。)。
【0003】
上記特許文献1記載の情報通信ユニットは、設置面に対してケーシング全体を外部に露出させた姿勢で設置可能に構成されており、広範囲での無線LAN通信を確立するべく、2つのアンテナ素子がケーシングに内蔵されている。
しかし、この種の情報通信ユニットでは、設置面に対してケーシング全体が外部に露出していることから、設置面からの突出量が大きくなる。すると、設置箇所の美観が低下する上に、歩行の妨げになり易く、その歩行者との衝突などにより装置が損傷し易くなるという問題があった。
【0004】
そこで、上記特許文献2に記載の情報通信ユニットは、ケーシング全体を外部に露出させるのではなく、設置面に設けられたコンセント部にケーシングの一部を埋設状態で設置可能に構成されている。よって、設置面からの突出量が極力小さくなり、上記のような美観の低下や歩行の邪魔になるなどの問題が回避されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−050564号公報
【特許文献2】特開2013−157738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の情報通信ユニットにおいて、安定且つ広範囲の無線LAN通信を確立するためには、複数のアンテナ素子をケーシングに内蔵させるだけでなく、それら複数のアンテナ素子を、送受信波の相互干渉が十分に抑制されるような配置状態でケーシング内に配置する必要がある。そして、上記特許文献1に記載の情報通信ユニットのように、ケーシング全体が設置面から外部に露出する場合には、ケーシングの大きさや形状に制限が略無いので、その内部において夫々のアンテナ素子を十分な離間距離を設けて略自由に配置することができる。
しかしながら、上記特許文献2に記載の情報通信ユニットのように、ケーシングの少なくとも一部が設置面に設けられたコンセント部に埋設される場合には、そのコンセント部が標準化された市販の資材を利用したものであるために、ケーシングの大きさや形状に制限が生じる。そして、このような大きさなどに制限があるケーシング内では、複数のアンテナ素子を配置されていなかった。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、無線LANを行うためのアンテナ素子を備えた情報通信ユニットにおいて、コンセント部へ埋設状態で設置可能なケーシング内に複数のアンテナ素子を配置するにあたり、夫々のアンテナ素子における送受信波の相互干渉を良好に抑制することで、安定且つ広範囲の無線LAN通信を実現可能な技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
線LANの周波数帯域に感度を有する複数のアンテナの夫々のアンテナ素子をケーシングに内蔵し、
前記ケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成されている情報通信ユニットであって、
前記ケーシングが、外部に露出される表示面部と、当該表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有し、
前記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子が、前記ケーシングの内壁面に沿う板状に形成されていると共に、前記内挿部の互いに異なる内壁面において前記表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されていてもよい
【0009】
本構成によれば、ケーシングの内挿部をコンセント部に内挿し、その前方側に連接する表示面部を室内に露出させる形態で、ケーシングをコンセント部に埋設状態で設置できる。そして、このような設置形態を採用することにより、設置面からの表示面部の突出量が極力小さくなり、設置箇所の美観が向上されると共に、歩行の妨げになることが抑制される。
更に、コンセント部に対して埋設状態で設置可能なことで大きさ等に制限が生じるケーシング内において、複数のアンテナ素子を配置するにあたり、それら複数のアンテナ素子が、ケーシングの内壁面に沿う板状に形成され、更には、内挿部の内壁面において表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている。このことで、夫々のアンテナ素子間の離間距離を十分に大きくとって、当該夫々のアンテナ素子における送受信波の相互干渉を良好に抑制することができる。
【0010】
記ケーシングが、当該内挿部の後端部から側方に延出し前記設置面の背面側で固定されるフランジ部を有し、
前記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子の少なくとも一つが、前記内挿部と前記フランジ部とで形成される後方角部に沿う後方屈曲部を有していてもよい
【0011】
本構成によれば、ケーシングの内挿部の後方側に連接するフランジ部をコンセント部の背面側に固定する形態で、ケーシングをコンセント部に埋設状態で設置できる。更に、上記のような後方屈曲部を有するアンテナ素子については、その後方屈曲部がケーシング内の後方側に形成された後方角部に沿わせた姿勢で配置されているので、当該アンテナ素子の姿勢及び位置が安定し、当該アンテナ素子のずれ等による通信不良や損傷等が回避されることになる。
【0012】
記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子の少なくとも一つが、前記内挿部の内壁面に沿って前方に延出してその延出方向における先端側に前方屈曲部を有すると共に、前記前方屈曲部の先端側の前方領域が前記設置面に相当する部位よりも前方に位置していてもよい
【0013】
本構成によれば、上記のような前方屈曲部を有すると共にその前方屈曲部の先端側の前方領域が設置面に相当する部位よりも前方に位置するアンテナ素子については、そのアンテナ素子の前方領域において、その後方側に位置する設置面に邪魔されることなく設置面の前方側に存在するモバイル通信端末との間で良好な送受信波の授受が行われることになる。結果、一層安定した無線LAN通信を実現することができる。
【0014】
記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子の少なくとも一つが、前記内挿部の内壁面に沿って前方に延出してその延出方向における先端側に前記内挿部と前記表示面部とで形成される前方角部に沿う前方屈曲部とを有すると共に、その前方屈曲部の先端側の前方領域が前記表示面部の内壁面に沿って延出していてもよい
【0015】
本構成によれば、上記のような前方屈曲部を有するアンテナ素子については、その前方屈曲部をケーシング内において前方側に形成された前方角部に沿わせた姿勢で配置されているので、当該アンテナ素子の姿勢及び位置が安定し、当該アンテナ素子のずれ等による通信不良や損傷等が回避されることになる。
更に、前方角部に沿って屈曲する前方屈曲部の先端側の前方領域が外部に露出される表示面部の内壁面に沿って延出しているアンテナ素子については、そのアンテナ素子の前方領域において、その側方側に位置する設置面に邪魔されることなく設置面の前方側に存在するモバイル通信端末との間で良好な送受信波の授受が行われることになる。結果、一層安定した無線LAN通信を実現することができる。
【0016】
記表示面部に、モジュラープラグが挿入される接続窓が形成され、当該接続窓の後方側に前記モジュラープラグが着脱自在に接続されるモジュラーアダプタが設けられていてもよい
【0017】
本構成によれば、モジュラーアダプタに対して接続窓を介して有線LAN用や電話回線用のモジュラープラグが接続可能となるので、無線LANに加えて、有線LANや電話回線が利用可能となる。
また、表示面部の後方側にこのようなモジュラーアダプタが配置されているので、表示面部の後方側を挟んで離間する位置に分配配置される複数のアンテナ素子を、かかるモジュラーアダプタを間に挟んだ状態で配置することができる。すると、夫々のアンテナ素子における送受信波の相互干渉が一層良好に抑制されることになる。
【0018】
記表示面部が、前記コンセント部の表面に沿って延びる帯状に形成され、
前記内挿部が、前記表示面部の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部を有し、
前記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子が、前記一対の平面状側壁部の夫々に分配配置されていてもよい
【0019】
本構成によれば、表示面部を上記帯状に形成することで、コンセント部において内挿部が挿入される取付け窓の形状を、市販のコンセントカバーに形成された標準的な長方形形状として、その取付け窓に表示面部の外延部から後方に延出する内挿部を挿入する状態で、ケーシングをコンセント部に埋設状態で設置できる。
このようなケーシングの内挿部における四方の内壁面において、表示面部の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部が存在することになる。そして、これら一対の平面状側壁部の夫々に複数のアンテナ素子を分配配置するという合理的な構成により、これら複数のアンテナ素子を表示面部の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置することができる。
また、これら一対の平面状側壁部は互いに平行な平面となるので、その平面状側壁部に沿った姿勢で配置される複数のアンテナ素子の夫々において、指向性を決定する延出方向が設定しやすくなる。
【0020】
記複数のアンテナの夫々のアンテナ素子が、前記一対の平面状側壁部の夫々において、前記表示面部の後方側内部空間を挟んで対角位置に分配配置されていてもよい
【0021】
本構成によれば、複数のアンテナ素子が上記のように表示面部の後方側内部空間を挟んで対角位置に配置されているので、夫々のアンテナ素子間の離間距離を一層大きくとって、当該夫々のアンテナ素子における送受信波の相互干渉を一層良好に抑制することができる。
〔1〕本発明の第1特徴構成は、無線LANの周波数帯域に感度を有するアンテナのアンテナ素子を内蔵したケーシングが、設置面に設けられたコンセント部に埋設状態で設置可能に構成されている情報通信ユニットであって、
前記ケーシングが、外部に露出される表示面部と、当該表示面部の外縁部から後方に延出し前記コンセント部に内挿される内挿部とを有し、
前記アンテナ素子が、前記ケーシングの内壁面に沿う板状に形成され、前記内挿部の内壁面に沿わせて配置されている点にある。
〔2〕本発明の第2特徴構成は、前記ケーシングが、当該内挿部の後端部から側方に延出し前記設置面の背面側で固定されるフランジ部を有し、
前記アンテナ素子が、前記内挿部と前記フランジ部とで形成される後方角部に沿う後方屈曲部を有し、その後方屈曲部を前記後方角部に沿わせた姿勢で配置されている点にある。
〔3〕本発明の第3特徴構成は、前記アンテナ素子が、前記内挿部の内壁面に沿って前方に延出してその延出方向における先端側に前方屈曲部を有すると共に、前記前方屈曲部の先端側の前方領域が前記設置面に相当する部位よりも前方に位置する点にある。
〔4〕本発明の第4特徴構成は、前記表示面部が、前記コンセント部の表面に沿って延びる帯状に形成され、
前記内挿部が、前記表示面部の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部を有し、
前記アンテナ素子が、前記平面状側壁部に沿わせて配置されている点にある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】コンセント部の正面図
図2】情報通信ユニットの前面側斜視図
図3】情報通信ユニットの背面側斜視図
図4】情報通信ユニットの分解斜視図
図5】情報通信ユニットの前面側分割ケーシングの内壁面におけるアンテナ素子の配置状態を示す斜視図
図6】情報通信ユニットの前面側分割ケーシングの内壁面におけるアンテナ素子の配置状態を示す斜視図
図7】別実施形態の情報通信ユニットの前面側分割ケーシングの内壁面におけるアンテナ素子の配置状態を示す斜視図
図8】別実施形態の情報通信ユニットの前面側分割ケーシングの内壁面におけるアンテナ素子の配置状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る情報通信ユニットの実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンセント部1は、設置面Wに貫通形成された矩形状(長方形状)の設置用孔Waの背面側に設置したコンセントボックス2と、設置面Wの前面側に配置されたコンセント部1の外表面を覆うコンセントカバー3とを、それらの間において設置面Wの前面に当接する金属製の取付けフレーム(図示せず)を介して固定することにより構成されている。
【0024】
このコンセント部1には、本発明の情報通信ユニットU1を含めて4つのユニットが装備されている。
つまり、コンセント部1の左右方向の中央位置には、有線LAN用のモジュラージャックが挿入される有線LAN用モジュラーアダプタ32(図4参照)用の接続窓15、及び、電話回線用のモジュラージャックが挿入される電話回線用モジュラーアダプタ31(図4参照)用の接続窓14を前面側(即ち室内側)に備えた本発明の情報通信ユニットU1が設けられている。
また、コンセント部1の左右方向の一側部(図1の左側部)には、上下に2つの差込口を備えた電源コンセントユニットU2が設けられ、コンセント部1の左右方向の他側部(図1の右側部)には、テレビアンテナ用の同軸ケーブルを接続する同軸接続ユニットU3の二組が設けられている。尚、この二つの同軸接続ユニットU3は、共に地上波放送及び衛星放送の混合波が出力されるものであってもよく、また、一方が地上波放送、他方が衛星放送などに分岐された短波が出力されるものであってもよい。
【0025】
コンセントボックス2の周壁部及び底壁部には、図示はしないが、設置面Wの背面側空間に配線された電源ケーブル(図示せず)、通信線(通信ケーブル)の一例である電話ケーブル(図示せず)、同軸ケーブル(図示せず)、WAN側の通信ケーブル(図示せず)の端部が挿入される挿入口が形成されている。そして、この挿入口を通してコンセントボックス2内に導入された各ケーブルのうち、電源ケーブルは電源コンセントユニットU2に接続され、電話ケーブル及びWAN側の通信ケーブルは情報通信ユニットU1に接続され、更に、同軸ケーブルは同軸接続ユニットU3に接続されている。
コンセントカバー3には、各ユニットU1〜U3に対応した形状の取付け窓4が形成され、各取付け窓4を通して各ユニットU1〜U3の前面部分が外部である室内に露出する形態で取付けられている。
【0026】
図4に示すように、情報通信ユニットU1は、無線LANの周波数帯域に感度を有する複数のアンテナ素子51をケーシング10に内蔵し、ケーシング10が、設置面に設けられたコンセント部1に埋設状態で設置可能に構成されている。
図2図4に示すように、ケーシング10は、設置面Wに対して直交する前後方向(設置面Wの表裏方向)から互いに脱着自在に嵌合する前側分割ケーシング10Aと後側分割ケーシング10Bとで二分割された合成樹脂製のケーシングである。
前側分割ケーシング10Aの後端側の接合部位の複数個所には係合爪20が一体形成され、後側分割ケーシング10Bの前端側の接合部位の複数個所には、前側分割ケーシング10Aの係合爪20が係合する係合孔21が形成されている。
【0027】
図2に示すように、前側分割ケーシング10Aは、コンセントカバー3の取付け窓4を通して前方に突出して外部に露出される表示面部11と、当該表示面部11の外縁部から後方に延出しコンセントカバー3に形成された取付け窓4に内挿される内挿部12と、内挿部12の後端部から側方に延出し、設置面Wの背面側、具体的にはコンセントカバー3の背面側で固定されるフランジ部13とを有する。
【0028】
表示面部11は、コンセントカバー3の表面に沿って上下方向に延びる略長方形の帯状に形成されており、詳しくは、前方への突出代が最も少ない偏平な上側表面部11aと、これの下端から前方下方に向かって延びる傾斜姿勢の中間傾斜表面部11bと、これの下端から下方に延びる最も突出代の大きな偏平な下側表面部11cとからなる。
【0029】
図2及び図4に示すように、表示面部11の上側表面部11aには、電話回線用モジュラーアダプタ31の接続口部31aが外部に臨む接続窓14と、情報通信ユニットU1に電源が投入されており、ルーティング機能(有線LANや無線LANを利用した情報通信機能)が利用可能であるときに点灯する電源インジケータ33の光を透過させる表示孔16と、ネットワークのアクセス状態を点灯によって表示するアクセスインジケータ34の光を透過させる表示孔17と、ケーシング10内のリセットスイッチ35を爪楊枝等の細い棒状の操作具でリセット操作するための操作孔18などが設けられている。
表示面部11の下側表面部11cには、LAN用モジュラーアダプタ32の接続口部20aが外部に臨む接続窓15が設けられている。
【0030】
図5及び図6に示すように、内挿部12は、表示面部11の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部12a、12bを有する。
そして、フランジ部13は、これら一対の平面状側壁部12a、12bの夫々から左右方向に延出する一対の鍔状平板部13a,13bとして形成されている。
即ち、前側分割ケーシング10Aの内壁面には、内挿部12の平面状側壁部12a,12bの内壁面とフランジ部13の鍔状平板部13a,13bの内壁面とで形成される互いに平行な一対の後方角部41a,41bと、内挿部12の平面状側壁部12a,12bの内壁面と表示面部11の内壁面とで形成される互いに平行な一対の前方角部42a,42bとが設けられることになる。
前側分割ケーシング10Aの両フランジ部13の複数個所には、図2に示すように、取付けフレームの係合突起と係合して、情報通信ユニットU1を取付けフレームに取付けるための係合凹部19が形成されている。
【0031】
図3及び図4に示すように、後側分割ケーシング10Bの背面は、後方への突出代が最も少ない垂直で偏平な上側背面部22と、これの下端から水平方向に沿って後方に延びる偏平な中間水平背面部23と、これの先端から下方に延びる突出代の最も大きな垂直で偏平な下側背面部24とから構成されている。
後側分割ケーシング10Bの中間水平背面部23には、WAN用の開口部26と電話回線用の開口部25とが形成されている。WAN用の開口部26には、WAN側の通信ケーブルのモジュラージャックが脱着自在に接続されるWAN用のモジュラーアダプタ39が、それの接続口部39aを上方に露出開口させた状態で装備され、また、電話回線用の開口部25には、6極2芯の電話ケーブルの二本の芯線が脱着自在に差し込み接続される通信回線接続用コネクタの一例である電話回線接続用コネクタ38が、それの両通信線挿入孔38aを上方に露出開口させた状態で装備されている。
【0032】
図4に示すように、ケーシング10の内部には、回路基板30が備えられている。この回路基板30は、情報通信ユニットU1がコンセント部1に取付けられた状態において、設置面である壁面に沿う姿勢でケーシング10に固定されている。
回路基板30は、前側分割ケーシング10Aに装備される第1回路基板30Aと、後側分割ケーシング10Bに装備される第2回路基板30Bとから構成されている。
【0033】
第1回路基板30Aと第2回路基板30Bとの間は、信号コネクタ36やスペーサ37によって電気的な絶縁距離が確保されていると共に、第1回路基板30Aと第2回路基板30Bとは信号コネクタ36等を介して電気的に接続されている。
第2回路基板30Bには、後側分割ケーシング10Bの背面側に配備されるWAN用のモジュラーアダプタ39及び電話回線接続用コネクタ38が実装されている。
【0034】
第1回路基板30Aには、表面側に配備される電話回線用モジュラーアダプタ31とLAN用モジュラーアダプタ32及び無線LAN用アンテナ50が実装されている。
この無線LAN用アンテナ50としては、共に無線LANの周波数帯域に感度を有する第1アンテナ50Aと第2アンテナ50Bとの2つのアンテナ50A,50Bから構成されて、これら夫々のアンテナ50A,50Bは、ケーシング10の内壁面に沿って延出する帯板状に形成されたアンテナ素子51と、当該アンテナ素子51に対して電磁界結合可能な距離を隔てて近接配置された板状のグランド板52とからなる。
これらアンテナ素子51とグランド板52とは、銅などの導電性金属板で構成されており、夫々が第1回路基板30Aに接続されることで、グランド板52は接地され、一方、アンテナ素子51は、無線LAN用の通信に用いられる所定の周波数の高周波電圧が印加される。そして、これらアンテナ50A,50Bは、アンテナ素子51に高周波電圧を印加することにより、アンテナ素子51とグランド板52との間に電磁界を生じさせる形態で、通信波の送受信を行うように構成されている。
尚、夫々のアンテナ50A,50Bにおける夫々のアンテナ素子51及びグランド板52は、前後方向において伸縮するバネ端子40を介して回路基板30に接続されている。尚、このバネ端子40は、通常回路基板30側に固定されているが、アンテナ素子51側に固定するように構成することもできる。
【0035】
更に、情報通信ユニットU1は、2つのアンテナ50A,50Bの夫々に設けられた2つのアンテナ素子51A,51Bの配置状態に特徴を有する。以下、このアンテナ素子51の配置状態の特徴について、図4図6を参照して説明を加える。
2つのアンテナ素子51A,51Bが、前側分割ケーシング10Aの内壁面に沿う板状に形成された上で、表示面部11の外縁部から後方に延出する内挿部12の内壁面において、表示面部11の後方側内部空間を挟んで離間する位置に分配配置されている。このことで、夫々のアンテナ素子51A,51B間の離間距離が十分に大きくとられ、当該夫々のアンテナ素子51A,51Bにおける送受信波の相互干渉が良好に抑制されている。
【0036】
表示面部11の後方側には、上述したように有線LAN用モジュラーアダプタ32及び電話回線用モジュラーアダプタ31が配置されている。即ち、表示面部11の後方側を挟んで離間する位置に分配配置される複数のアンテナ素子51A,51Bが、かかるモジュラーアダプタ31,32を間に挟んだ状態で配置されることになる。このことにより、夫々のアンテナ素子51A,51Bにおける送受信波の相互干渉が一層良好に抑制される。
【0037】
内挿部12は、表示面部11の両側縁部の夫々から後方に延出し互いに対向する一対の平面状側壁部12a、12bを有している。
即ち、この平面状側壁部12a,12bは、夫々が鉛直方向に立設する平面とされ、水平方向において互いに対向する姿勢で配置されている。
そして、2つのアンテナ素子51A,51Bは、これら一対の平面状側壁部12a、12bの夫々の内面側に分配配置されている。要するに、第1アンテナ50Aのアンテナ素子51Aは、前方方向視(図1における手前方向視)において左側にある平面状側壁部12aの内面側に配置され、一方、第2アンテナ50Bのアンテナ素子51Bは、同前方方向視において右側にある平面状側壁部12bの内面側に配置されている。
【0038】
そして、このような合理的な構成により、夫々のアンテナ素子51A,51Bは、表示面部11の後方側内部空間を挟んで離間する位置に配置され、更には、表示面部11の後方側内部空間を挟んで対角位置に配置されることになり、当該夫々のアンテナ素子51A,51Bにおける送受信波の相互干渉が一層良好に抑制されることになる。
また、これら一対の平面状側壁部12a、12bは互いに平行な平面であるため、その平面状側壁部12a、12bに沿った姿勢で配置される夫々のアンテナ素子51A,51Bは、その平面に沿って鉛直又は水平に延出する状態として、夫々の指向性が決定されることになる。
【0039】
夫々のアンテナ素子51A,51Bは、前側分割ケーシング10Aの内壁面に沿って独特な形状及び姿勢で配置されており、その形状及び姿勢について以下に説明を加える。
先ず、左側の平面状側壁部12a側に配置されている第1アンテナ50Aのアンテナ素子51Aは、図5に示すように、平面状側壁部12aと鍔状平板部13aとで形成される後方角部41aに沿う後方屈曲部P2aを有する。
【0040】
具体的に、アンテナ素子51Aの後方屈曲部P2aよりも基端側では、当該後方屈曲部P2aを基点に鍔状平板部13aの内壁面に沿って当該内壁面と平行に水平方向側方側に延出する第1延出部P1aが形成されており、その延出部P1aにおいてバネ端子40が接続される。
一方、アンテナ素子51Aの後方屈曲部P2aよりも先端側では、当該後方屈曲部P2aを基点に平面状側壁部12aの内壁面に沿って当該内壁面と平行に水平方向前方側に延出する第2延出部P3aが形成されている。
更に、この第2延出部P3aの先端側には、鉛直方向下方側に屈曲する前方屈曲部P4aが形成されており、この前方屈曲部P4aの先端側では、当該前方屈曲部P4aを基点に平面状側壁部12aに沿って当該平面状側壁部12aと平行に鉛直方向下方側に延出する第3延出部P5a(前方領域の一例)が形成されている。
【0041】
即ち、アンテナ素子51Aは、後方屈曲部P2aを後方角部41aに沿わせた姿勢で、且つ、その後方角部41の先端側全体において平面状側壁部12aに沿って当該平面状側壁部12aと平行に水平方向及び鉛直方向に延出する状態で配置されているので、当該アンテナ素子51Aの姿勢及び位置が安定化し、当該アンテナ素子51Aのずれ等による通信不良や損傷等が回避されることになる。
【0042】
更に、このアンテナ素子51Aの第3延出部P5aについては、コンセントカバー3の表面から最も突出代の大きな下側表面部11cの内壁部に隣接する位置に配置されており、具体的には、前方屈曲部P4aの先端側の前方領域である第3延出部P5aは、設置面Wに相当する部位よりも前方に位置することになる。
従って、アンテナ素子51Aの第3延出部P5aにおいて、その後方側に位置する設置面Wに邪魔されることなく設置面Wの前方側に存在するモバイル通信端末との間で良好な送受信波の授受が行われることになり、結果、一層安定した無線LAN通信が確立される。
更に、この第3延出部P5aの幅は、接続窓14と隣接する領域については当該接続窓14との干渉がない程度に設定されているが、その下方については比較的広くなるように設定されている。このことで、無線LAN通信の安定化及び高速化が向上されている。
【0043】
次に、右側の平面状側壁部12b側に配置されている第2アンテナ50Bのアンテナ素子51Bは、上述した第1アンテナ50Aと同様のアンテナ素子51Aと同様に、図6に示すように、平面状側壁部12bと鍔状平板部13bとで形成される後方角部41bに沿う後方屈曲部P2bを有する。
【0044】
具体的に、アンテナ素子51Bの後方屈曲部P2bよりも基端側では、当該後方屈曲部P2bを基点に鍔状平板部13bの内壁面に沿って当該内壁面と平行に水平方向側方側に延出する第1延出部P1bが形成されており、その延出部P1bにおいてバネ端子40が接続される。
一方、アンテナ素子51Bの後方屈曲部P2bよりも先端側では、当該後方屈曲部P2bを基点に平面状側壁部12bの内壁面に沿って当該内壁面と平行に水平方向前方側に延出する第2延出部P3bが形成されている。
更に、この第2延出部P3bの先端側には、平面状側壁部12bの内壁面と表示面部11の内壁面とで形成される前方角部42bに沿う前方屈曲部P4bとを有すると共に、その前方屈曲部P4bの先端側には、表示面部11の内壁面に沿って当該内壁面と平行に鉛直方向下方側に延出する第3延出部P5b(前方領域の一例)が形成されている。
即ち、アンテナ素子51Bは、後方屈曲部P2bを後方角部41bに沿わせた姿勢で、且つ、その後方角部41の先端側全体において平面状側壁部12aに沿って当該平面状側壁部12aと平行に水平方向及び鉛直方向に延出する状態で配置され、且つ、その前方屈曲部P4bを前方角部42bに沿わせた姿勢で配置されているので、当該アンテナ素子51Bの姿勢及び位置が安定化し、当該アンテナ素子51Bのずれ等による通信不良や損傷等が回避されることになる。
【0045】
更に、このアンテナ素子51Bの第3延出部P5bについては、コンセントカバー3の表面から最も突出代が少ない上側表面部11aを基点に鉛直方向下方側に延出し、下方ほど前方への突出代が増加する中間傾斜表面部11bを縦断する姿勢で配置されている。即ち、このアンテナ素子51Bの第3延出部P5aは、設置面Wに相当する部位よりも前方に位置し、且つ、室内に対して斜め上向き姿勢の中間傾斜表面部11bの内壁面に沿った姿勢で配置されることになる。
従って、アンテナ素子51Bの第3延出部P5aにおいて、その後方側に位置する設置面Wに邪魔されることなく設置面Wの前方側且つ斜め上向き側に存在するモバイル通信端末との間で良好な送受信波の授受が行われることになり、結果、一層安定した無線LAN通信が確立される。
【0046】
更に、上側表面部11aにおいて、接続窓14の側縁部と前方角部42bとの間の領域の幅は比較的広くなっており、アンテナ素子51Bの第3延出部P5bの幅は、この比較敵広い領域の幅と略同等に設定されており、これにより、無線LANの通信速度及び感度の向上が図られている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)
上記実施形態では、情報通信ユニットU1を、電話回線用のモジュラージャックが挿入される電話回線用モジュラーアダプタ31及びその接続窓15を備えたタイプとして構成したが、別に、図7及び図8に示すように、電話回線用モジュラーアダプタ31及びその接続窓15を備えないタイプとして構成しても構わない。尚、この情報通信ユニットに設けられる無線LAN用アンテナ60は、上述した実施形態の無線LAN用アンテナ50と略同様の構成及び形状を有するものとして配置されている。
即ち、2つのアンテナ素子61A,61Bの夫々は、有線LAN用モジュラーアダプタ32が配置された表示面部11の後方側内部空間を挟んで離間する位置に配置され、更には、表示面部11の後方側内部空間を挟んで対角位置に配置されることになり、当該夫々のアンテナ素子61A,61Bにおける送受信波の相互干渉が良好に抑制されることになる。
更に、アンテナ素子61A,61Bは、上記実施形態と同様に、後方屈曲部P2a,P2bを後方角部41a,41bに沿わせた姿勢で、且つ、その後方角部41の先端側全体において平面状側壁部12a,12bに沿って当該平面状側壁部12a,12bと平行に水平方向及び鉛直方向に延出する状態で配置されており、更に、アンテナ素子61Bについては、その前方屈曲部P4bを前方角部42bに沿わせた姿勢で配置されているので、当該アンテナ素子61A,61Bの姿勢及び位置が安定化し、当該アンテナ素子61A,61Bのずれ等による通信不良や損傷等が回避されることになる。
更に、アンテナ素子61A,61Bの第3延出部P5aについては、設置面Wに相当する部位よりも前方に適切な状態で位置することで、安定した無線LAN通信が確立されている。
【0048】
(2)
上記実施形態では、アンテナ素子51A,51Bは、姿勢及び位置の安定化や無線LAN通信の安定化のために、後方屈曲部P2a,P2bや前方屈曲部P4a,P4bを設けた例を説明したが、これら屈曲部P2a,P2b,P4a,P4bは適宜省略しても構わない。
【0049】
(3)
上記実施形態で説明したケーシング10の形状については、適宜改変可能であり、本発明において、当該ケーシング10は、外部に露出される表示面部11と、当該表示面部11の外縁部から後方に延出し取付け窓4に内挿される内挿部12と、当該内挿部12の後端部から側方に延出しコンセントカバー3の背面側で固定されるフランジ部13とを有するものであれば良い。
【符号の説明】
【0050】
1 :コンセント部
3 :コンセントカバー
4 :取付け窓
10 :ケーシング
11 :表示面部
12 :内挿部
12a :平面状側壁部
12b :平面状側壁部
13 :フランジ部
14 :接続窓
15 :接続窓
31 :モジュラーアダプタ
32 :モジュラーアダプタ
39 :モジュラーアダプタ
41 :後方角部
41a :後方角部
41b :後方角部
42a :前方角部
42b :前方角部
50 :アンテナ
51 :アンテナ素子
60 :アンテナ
61 :アンテナ素子
P2a :後方屈曲部
P2b :後方屈曲部
P4a :前方屈曲部
P4b :前方屈曲部
U1 :情報通信ユニット
W :設置面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8