特許第6194039号(P6194039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194039
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】吸水処理材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A01K1/015 B
【請求項の数】23
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-36617(P2016-36617)
(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公開番号】特開2017-153372(P2017-153372A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2017年5月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000148977
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−198600(JP,A)
【文献】 特開2010−104383(JP,A)
【文献】 特開2015−42155(JP,A)
【文献】 特開平10−262482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の第1の芯部と、接着性材料を含有するとともに前記第1の芯部を覆う被覆部とを有し、液体を吸収する第1の粒状体と、
粒状の第2の芯部を有し、液体を吸収する第2の粒状体と、を備え、
前記第2の粒状体において、前記第2の芯部は、剥き出しになっていることを特徴とする吸水処理材。
【請求項2】
請求項1に記載の吸水処理材において、
前記第1及び第2の粒状体は、複数ずつ設けられている吸水処理材。
【請求項3】
請求項2に記載の吸水処理材において、
前記第1の粒状体の個数は、前記第1及び第2の粒状体の個数の合計の30%以上70%以下である吸水処理材。
【請求項4】
請求項3に記載の吸水処理材において、
前記第1の粒状体の個数は、前記第1及び第2の粒状体の個数の合計の40%以上60%以下である吸水処理材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の吸水処理材において、
前記第1の芯部と前記第2の芯部とは、略同一組成の材料からなる吸水処理材。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の吸水処理材において、
前記第1の芯部と前記第2の芯部とは、略同一の形状及び大きさを有する吸水処理材。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の吸水処理材において、
前記被覆部に含有された前記接着性材料は、吸水性ポリマーである吸水処理材。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の吸水処理材において、
前記第1及び第2の芯部は、接着性材料を含有していない吸水処理材。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の吸水処理材において、
前記被覆部と前記第2の芯部とは、前記第1及び第2の粒状体が前記液体を吸収する前、略同一の色を呈している吸水処理材。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載の吸水処理材において、
前記被覆部は、前記第1の粒状体が前記液体を吸収したときに変色する吸水処理材。
【請求項11】
請求項10に記載の吸水処理材において、
前記被覆部は、水分と反応して発色又は変色する色素材料を含有する吸水処理材。
【請求項12】
液体を吸収する第1の粒状体を形成する第1の粒状体形成工程と、
液体を吸収する第2の粒状体を形成する第2の粒状体形成工程と、
前記第1及び第2の粒状体を混合する混合工程と、を含み、
前記第1の粒状体形成工程は、粒状の第1の芯部を形成する第1の芯部形成工程と、接着性材料を含有するとともに前記第1の芯部を覆う被覆部を形成する被覆部形成工程とを含み、
前記第2の粒状体形成工程は、粒状の第2の芯部を形成する第2の芯部形成工程を含み、
前記第2の粒状体形成工程においては、前記第2の芯部が剥き出しになった前記第2の粒状体を形成することを特徴とする吸水処理材の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記第1の粒状体形成工程においては、複数の前記第1の粒状体を形成し、
前記第2の粒状体形成工程においては、複数の前記第2の粒状体を形成する吸水処理材の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記混合工程においては、前記第1の粒状体の個数が前記第1及び第2の粒状体の個数の合計の30%以上70%以下となるように、前記第1及び第2の粒状体を混合する吸水処理材の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記混合工程においては、前記第1の粒状体の個数が前記第1及び第2の粒状体の個数の合計の40%以上60%以下となるように、前記第1及び第2の粒状体を混合する吸水処理材の製造方法。
【請求項16】
請求項12乃至15の何れかに記載の吸水処理材の製造方法において、
前記第1の芯部形成工程と前記第2の芯部形成工程とは、同一の装置を用いて同時に実行される吸水処理材の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記第1及び第2の芯部形成工程においては、造粒装置を用いて芯部材料を造粒することにより、前記第1及び第2の芯部となる複数の造粒物を形成する吸水処理材の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記複数の造粒物を、第1のグループと第2のグループとに分ける分割工程を含み、
前記被覆部形成工程においては、前記第1のグループに分けられた前記造粒物のみを対象として前記被覆部を形成する吸水処理材の製造方法。
【請求項19】
請求項12乃至18の何れかに記載の吸水処理材の製造方法において、
前記被覆部に含有される前記接着性材料は、吸水性ポリマーである吸水処理材の製造方法。
【請求項20】
請求項12乃至19の何れかに記載の吸水処理材の製造方法において、
前記第1及び第2の芯部形成工程においては、それぞれ、接着性材料を含有しない第1及び第2の芯部を形成する吸水処理材の製造方法。
【請求項21】
請求項12乃至20の何れかに記載の吸水処理材の製造方法において、
前記被覆部形成工程において形成される前記被覆部と前記第2の芯部形成工程において形成される前記第2の芯部とは、前記第1及び第2の粒状体が前記液体を吸収する前、略同一の色を呈する吸水処理材の製造方法。
【請求項22】
請求項12乃至21の何れかに記載の吸水処理材の製造方法において、
前記被覆部形成工程においては、前記第1の粒状体が前記液体を吸収したときに変色する前記被覆部を形成する吸水処理材の製造方法。
【請求項23】
請求項22に記載の吸水処理材の製造方法において、
前記被覆部形成工程においては、水分と反応して発色又は変色する色素材料を含有する前記被覆部を形成する吸水処理材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吸収する吸水処理材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸水処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された吸水処理材は、動物用の排泄物処理材であって、吸水性を有する多数の粒状体からなる。各粒状体は、粒状に成形された芯部と、芯部を覆う被覆部とを有している。被覆部は、使用時に液体を吸収した粒状体どうしを接着させる機能を有する。それにより、使用済みの複数の粒状体からなる固まりが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−190026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように被覆部は、使用済みの粒状体の固まり形成に寄与するものであり、接着性材料を含有する被覆材料によって構成される。しかしながら、各粒状体に被覆部を設けることは、かかる被覆材料の使用量を増大させ、ひいては吸水処理材の製造コストの上昇につながる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低コストで製造することが可能でありながら、使用済みの粒状体の固まりが得られる吸水処理材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による吸水処理材は、粒状の第1の芯部と、接着性材料を含有するとともに上記第1の芯部を覆う被覆部とを有し、液体を吸収する第1の粒状体と、粒状の第2の芯部を有し、液体を吸収する第2の粒状体と、を備え、上記第2の粒状体において、上記第2の芯部は、剥き出しになっていることを特徴とする。
【0007】
この吸水処理材においては、第1及び第2の粒状体が設けられている。第1の粒状体においては、第1の芯部が、接着性材料を含有する被覆部によって覆われている。他方、第2の粒状体においては、第2の芯部が剥き出しになっている。すなわち、第2の芯部は、被覆されていない。このように一部の粒状体(第1の粒状体)にのみ被覆部を設けることにより、被覆材料の使用量を節約することができる。また、第1の粒状体に設けられた被覆部の接着作用は、当該第1の粒状体の周囲の第2の粒状体にも及ぶ。このため、第2の粒状体に被覆部が設けられていなくても、使用済みの第1及び第2の粒状体からなる固まりが形成される。
【0008】
また、本発明による吸水処理材の製造方法は、液体を吸収する第1の粒状体を形成する第1の粒状体形成工程と、液体を吸収する第2の粒状体を形成する第2の粒状体形成工程と、上記第1及び第2の粒状体を混合する混合工程と、を含み、上記第1の粒状体形成工程は、粒状の第1の芯部を形成する第1の芯部形成工程と、接着性材料を含有するとともに上記第1の芯部を覆う被覆部を形成する被覆部形成工程とを含み、上記第2の粒状体形成工程は、粒状の第2の芯部を形成する第2の芯部形成工程を含み、上記第2の粒状体形成工程においては、上記第2の芯部が剥き出しになった上記第2の粒状体を形成することを特徴とする。
【0009】
この製造方法は、第1及び第2の粒状体形成工程を含んでいる。第1の粒状体形成工程においては、第1の芯部が接着性材料を含有する被覆部によって覆われた第1の粒状体が形成される。他方、第2の粒状体形成工程においては、第2の芯部が剥き出しになった第2の粒状体が形成される。すなわち、第2の芯部は、被覆されない。このように一部の粒状体(第1の粒状体)にのみ被覆部を設けることにより、被覆材料の使用量を節約することができる。また、製造後の吸水処理材において、第1の粒状体に設けられた被覆部の接着作用は、当該第1の粒状体の周囲の第2の粒状体にも及ぶ。このため、第2の粒状体に被覆部が設けられていなくても、使用済みの第1及び第2の粒状体からなる固まりが形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低コストで製造することが可能でありながら、使用後に粒状体の固まりが得られる吸水処理材、及びその製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による吸水処理材の一実施形態を示す模式図である。
図2】粒状体10を示す模式図である。
図3】粒状体20を示す模式図である。
図4】一実施形態に係る製造方法の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明による吸水処理材の一実施形態を示す模式図である。吸水処理材1は、複数の粒状体からなる吸水処理材であって、粒状体10(第1の粒状体)及び粒状体20(第2の粒状体)を備えている。各粒状体10,20は、吸水性を有しており、処理対象となる液体を吸収する。本実施形態において粒状体10及び粒状体20は、複数ずつ設けられている。吸水処理材1においては、これらの粒状体10,20が混在している。粒状体10の個数は、粒状体10及び粒状体20の個数の合計の30%以上70%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。吸水処理材1は、例えば、人又は動物の排泄物を吸収処理する排泄物処理材である。
【0014】
図2は、粒状体10を示す模式図である。粒状体10は、芯部12(第1の芯部)及び被覆部14を有している。芯部12は、粒状に成形されている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、楕円体等が挙げられる。芯部12は、液体を吸水及び保水する機能を有する。芯部12は、有機物を主材料とすることが好ましい。ここで、芯部12の主材料とは、芯部12を構成する材料のうち、当該芯部12に占める重量割合が最大のものをいう。有機物としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。芯部12は、接着性材料を含有していない。
【0015】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、塩ビ壁紙分級物(塩ビ壁紙を分級することにより得られる紙)、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。プラスチック類としては、例えば、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)を用いてもよい。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。
【0016】
被覆部14は、芯部12を覆っている。被覆部14は、芯部12の表面の全体を覆っていてもよいし、芯部12の表面の一部のみを覆っていてもよい。被覆部14は、使用時に液体を吸収した粒状体10,20どうしを接着させて固まりにする機能を有する。被覆部14は、接着性材料を含有している。かかる接着性材料としては、例えば、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、デキストリン、又は吸水性ポリマーを用いることができる。
【0017】
被覆部14も、有機物を主材料とすることが好ましい。被覆部14は、粒状体10が液体を吸収したときに変色する。被覆部14は、水分と反応して発色又は変色する色素材料を含有している。色素材料としては、例えば、染料又は顔料を用いることができる。
【0018】
図3は、粒状体20を示す模式図である。粒状体20は、芯部22(第2の芯部)を有している。芯部22は、粒状に成形されている。芯部22は、液体を吸水及び保水する機能を有する。芯部22は、有機物を主材料とすることが好ましい。本実施形態において芯部22は、芯部12と略同一組成の材料からなる。芯部22は、接着性材料を含有していない。また、芯部22は、芯部12と略同一の形状及び大きさを有している。粒状体20において、芯部22は、剥き出しになっている。芯部22上に被覆部は設けられておらず、芯部22の表面全体が露出している。このように粒状体10は芯部12及び被覆部14からなる複層構造を有する一方で、粒状体20は芯部22のみからなる単層構造を有している。使用前(粒状体10及び粒状体20が液体を吸収する前)、芯部22は、被覆部14と略同一の色を呈していることが好ましい。
【0019】
続いて、本発明による吸水処理材の製造方法の一実施形態として、吸水処理材1の製造方法の一例を説明する。この製造方法は、第1の粒状体形成工程、第2の粒状体形成工程、及び混合工程を含んでいる。
【0020】
第1の粒状体形成工程は、粒状体10を形成する工程である。この工程は、第1の芯部形成工程、及び被覆部形成工程を含んでいる。第1の芯部形成工程は、芯部12を形成する工程である。この工程においては、造粒装置を用いて芯部材料(芯部12を構成する材料)を造粒することにより、芯部12を形成する。本実施形態においては、複数の芯部12が形成される。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒に先立って、芯部材料には、粉砕、混練、加水等の前処理が必要に応じて行われる。
【0021】
被覆部形成工程は、被覆部14を形成する工程である。この工程においては、コーティング装置等を用いて、芯部12の表面に被覆材料を付着させることにより、被覆部14を形成する。この被覆材料は、接着性材料を含有している。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。これにより、粒状体10が得られる。
【0022】
第2の粒状体形成工程は、粒状体20を形成する工程である。この工程は、第2の芯部形成工程を含んでいる。第2の芯部形成工程は、芯部22を形成する工程である。この工程においては、造粒装置を用いて芯部材料(芯部22を構成する材料)を造粒することにより、芯部22を形成する。本実施形態においては、複数の芯部22が形成される。第2の粒状体形成工程において芯部22は、被覆されない。これにより、芯部22が剥き出しになった粒状体20が得られる。
【0023】
図4は、本実施形態に係る製造方法の流れを説明するための図である。本実施形態において第2の芯部形成工程は、第1の芯部形成工程と、同一の装置を用いて同時に実行される(ステップS41)。すなわち、第1及び第2の芯部形成工程は、1つの工程として実行される。この工程においては、造粒装置を用いて共通の芯部材料を造粒することにより、芯部12及び芯部22となる複数の造粒物を形成する。その後、分割工程が実行される(ステップS42)。分割工程は、複数の造粒物を、所定の割合で第1のグループと第2のグループとに分ける工程である。第1のグループに分けられた造粒物が芯部12となり、第2のグループに分けられた造粒物が芯部22となる。被覆部形成工程(ステップS43)においては、第1のグループに分けられた造粒物のみを対象として、被覆部(被覆部14)の形成が行われる。
【0024】
混合工程(ステップS44)は、第1の粒状体形成工程において形成された粒状体10と、第2の粒状体形成工程において形成された粒状体20とを混合する工程である。この工程においては、粒状体10の個数が粒状体10及び粒状体20の個数の合計の30%以上70%以下となるように、粒状体10及び粒状体20を混合することが好ましい。また、粒状体10の個数が粒状体10及び粒状体20の個数の合計の40%以上60%以下となるように、粒状体10及び粒状体20を混合することがより好ましい。この工程においては、混合された粒状体10及び粒状体20を撹拌することが好ましい。以上により、粒状体10と粒状体20とが混在した吸水処理材1が得られる。
【0025】
本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、粒状体10及び粒状体20が形成される。粒状体10においては、芯部12が、接着性材料を含有する被覆部14によって覆われている。他方、粒状体20においては、芯部22が剥き出しになっている。すなわち、芯部22は、被覆されていない。このように一部の粒状体(粒状体10)にのみ被覆部を設けることにより、被覆材料の使用量を節約することができる。また、粒状体10に設けられた被覆部14の接着作用は、粒状体10の周囲の粒状体20にも及ぶ。このため、粒状体20に被覆部が設けられていなくても、使用済みの粒状体10及び粒状体20からなる固まりが形成される。したがって、低コストで製造することが可能でありながら、使用後に粒状体10,20の固まりが得られる吸水処理材1、及びその製造方法が実現されている。
【0026】
このように、複数の粒状体からなる固まりを形成するには、全ての粒状体が被覆部を有している必要はなく、一部の粒状体が被覆部を有していれば充分である。従来の吸水処理材におけるように全ての粒状体が被覆部を有する場合、製造コストの上昇を招くばかりか、固まりにおける粒状体間の接着力が過剰となり、吸水処理材の水分散性を低下させるという問題もある。ここで、水分散とは、使用済みの複数の粒状体からなる固まりが、水中で崩壊して、個々の粒状体にばらけることをいう。水分散性が不充分であると、固まりを水洗トイレに流したときにトイレの詰まりの原因となってしまう。この点、本実施形態においては、一部の粒状体にのみ被覆部が設けられている。これにより、粒状体間の接着力が適度となり、固まり形成機能と水分散性とを両立することができる。
【0027】
被覆材料の使用量を節約し、製造コストの削減を図る上では、吸水処理材1全体に占める粒状体10の割合が小さい方が有利である。かかる観点から、粒状体10の個数は、粒状体10及び粒状体20の個数の合計の70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。他方、粒状体10の割合が小さすぎると、被覆部14の接着作用が不足し、使用済みの粒状体10,20の固まり形成に支障が生じかねない。かかる観点から、粒状体10の個数は、粒状体10及び粒状体20の個数の合計の30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
【0028】
芯部12と芯部22とは、略同一組成の材料からなる。これにより、芯部12の形成に用いる芯部材料と芯部22の形成に用いる芯部材料とを共通化することができる。しかも、芯部12と芯部22とは、略同一の形状及び大きさを有している。これにより、芯部12の形成に用いる造粒装置と芯部22の形成に用いる造粒装置とを共通化することができる。
【0029】
このように芯部12と芯部22とが略同一組成の材料からなるとともに、略同一の形状及び大きさを有する場合、これらの芯部12及び芯部22は、同一の装置を用いて同時に形成することが可能となる。実際、本実施形態においては、第1及び第2の芯部形成工程が、同一の装置を用いて同時に実行されている。これにより、粒状体10及び粒状体20が混在した吸水処理材1を効率良く製造することができる。このことも、吸水処理材1の製造コストの削減につながる。
【0030】
第1及び第2の芯部形成工程においては、造粒装置を用いて芯部材料を造粒することにより、芯部12,22となる複数の造粒物が形成される。そして、その後に分割工程が実行されて、これらの造粒物が、芯部12となる造粒物群(第1のグループ)と芯部22となる造粒物群(第2のグループ)とに分けられる。このように第1及び第2の芯部形成工程において形成される各造粒物は、分割工程が実行されて初めて、芯部12又は芯部22の何れになるのかが決定される。それゆえ、第1及び第2の芯部形成工程の段階では、芯部12となる造粒物と芯部22となる造粒物とを区別して扱う必要がない。このため、本実施形態においては、2種類の粒状体(粒状体10,20)が形成されるにもかかわらず、第1及び第2の芯部形成工程を1つの工程として、1種類の粒状体しか形成されない場合と同様に実行することができる。
【0031】
芯部12及び芯部22は、接着性材料を含有していない。これにより、比較的高価な材料である接着性材料の使用量を節約し、吸水処理材1の製造コストを一層削減することができる。
【0032】
使用前、芯部22と被覆部14とが略同一の色を呈している場合、吸水処理材1においては、2種類の粒状体が混在しているにもかかわらず、統一感のある外観が得られる。このことは、吸水処理材1の美観の向上につながる。
【0033】
被覆部14は、粒状体10が液体を吸収したときに変色する。これにより、使用済みの粒状体10,20(からなる固まり)と、未使用の粒状体10,20とを視覚的に容易に区別できるようになる。
【0034】
被覆部14は、水分と反応して発色又は変色する色素材料を含有する。これにより、簡易な構成で、粒状体10が液体を吸収したときに変色する被覆部14を実現することができる。また、芯部12,22及び被覆部14のうち、被覆部14にのみ色素材料を含有させることにより、色素材料の使用量を節約することができる。
【0035】
吸水性ポリマーは液体を吸収すると膨潤する性質を有するため、吸収性ポリマーが含有された被覆部14は、液体吸収時に粒状体10の周囲に広がるように変形する。これにより、被覆部14が周囲の粒状体20を巻き込むようにして、粒状体10,20の固まりが形成される。したがって、吸水性ポリマーは、被覆部14に含有される接着性材料として特に好適である。
【0036】
芯部12及び被覆部14が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体10を得ることができる。同様に、芯部22が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体20を得ることができる。このように粒状体10,20が焼却処分に適していれば、使用済みの吸水処理材1を可燃ゴミとして捨てることもできるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0037】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、第1及び第2の芯部形成工程が同一の装置を用いて同時に実行される場合を例示した。しかし、第1及び第2の芯部形成工程は、異なる装置を用いて同時に実行されてもよい。また、第1及び第2の芯部形成工程は、同一又は異なる装置を用いて順番に実行されてもよい。その場合、第1の芯部形成工程を第2の芯部形成工程より先に実行してもよいし、第2の芯部形成工程を第1の芯部形成工程より先に実行してもよい。
【0038】
上記実施形態においては、芯部12と芯部22とが略同一組成の材料からなる場合を例示した。しかし、芯部12と芯部22とは、相異なる組成の材料からなっていてもよい。また、上記実施形態においては、芯部12と芯部22とが略同一の形状及び大きさを有する場合を例示した。しかし、芯部12と芯部22とは、形状又は大きさが相違していてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 吸水処理材
10 粒状体(第1の粒状体)
12 芯部(第1の芯部)
14 被覆部
20 粒状体(第2の粒状体)
22 芯部(第2の芯部)
図1
図2
図3
図4