(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内部気流システムと連通する通気孔をさらに備え、該通気孔が前記内部気流システムから前記インサートの外部への空気の通過を許容する、請求項1に記載のインサート。
前記空気室が、ギャップにより分離された第一のローブおよび第二のローブと該第一のローブおよび該第二のローブを接続するブリッジ部材とを備える複数ローブ構造を有する、請求項15に記載のインサート。
【発明の概要】
【0004】
簡単な概要
本発明は概して、センサーシステムを有する履物に関連する。本発明の局面は、アッパー部材およびソール構造を含みセンサーシステムがソール構造に接続されている履物物品に関連する。センサーシステムは、ユーザーの足によってセンサーに対して加えられた力を検出するために構成された複数のセンサーを含む。
【0005】
一つの局面によれば、履物はさらに、センサーと動作可能に接続された通信ポートを含む。一つの実施形態において、通信ポートは、各センサーにより普遍的に読取可能な形式で検知された力に関するデータの送信のために構成されている。ポートは、センサーとモジュールとの間の通信を許容する電子モジュールへの接続用にも構成されうる。
【0006】
別の一つの局面によれば、履物はセンサーと通信する電子モジュールを含み、これは、センサーからのデータを収集するために構成されている。モジュールは、通信ポートを通してセンサーと接続され、かつ履物の空隙内に配置されうる。一つの実施形態において、モジュールはさらに、その後の処理をするためにデータを外部装置に転送するために構成されている。
【0007】
別の一つの局面によれば、履物は、電子モジュールを着脱可能なかたちで受けるために構成されている、ソール構造内に位置するウェルを含みうる。ウェルは、センサーに接続された通信ポートを有してもよく、モジュールと通信するよう構成されている。
【0008】
別の一つの局面によれば、センサーシステムはさらに、センサーをポートおよび/または電子モジュールに接続する複数のセンサーリード線を含む。リード線は、ポートおよび/またはモジュールからの電源をセンサーに供給するための 一つ以上の電源リード線をも含みうる。
【0009】
さらなる局面によれば、センサーは、一つ以上の様々なタイプのセンサーであり得る。一つの実施形態において、センサーは感圧抵抗体(force-sensitive resistor)センサーである。別の実施形態において、センサーは、電極間に配置された感圧抵抗材料を有する2つの電極を含む。電極および感圧材料は、ソール構造の別々の部材上に配置されうる。
【0010】
さらに別の一つの局面によれば、センサーシステムは、ソール構造の第一趾骨エリア内に位置する第一のセンサー、ソール構造の第一中足骨頭エリア内に位置する第二のセンサー、ソール構造の第五中足骨頭エリア内に位置する第三のセンサー、およびソール構造の踵エリア内に位置する第四のセンサーを含む。
【0011】
追加的な局面によれば、インサートは、内部気流システムと連通する通気孔を含んでよく、該通気孔は、内部気流システムからインサートの外部への空気の通過を許容する。この通気孔は、内部気流システムの一つ以上の構成要素と連通してよく、かつ一例において、少なくとも、内部気流システムのエアリザーバーと連通しうる。
【0012】
本発明の別の局面は、上述のようなセンサーシステムを含みうるインサート部材に関連する。インサート部材は、インサート部材を履物物品に挿入すること、および/または履物物品のソール構造の一部など、インサート部材を履物物品の一部として形成することなどにより、ソール構造と接触して配置されるよう適合されている。例えば、インサートは、その他の構成があるなかで、インソール部材、ミッドソールの一部、またはインソール部材の下または上に挿入されるよう適合された別々の部材であり得る。
【0013】
一つの局面によれば、インサートは、足の中足骨部分がはまるように適合された中央部分、中央部分の先端から延び、足の第一趾骨がはまるように適合された第一趾骨部分、および中央部分の後端から延び、足の踵がはまるように適合された踵部分を含むインサート部材から形成される。中央部分は、先端から後端までを測定した長さと、長さに対して直角に測定した幅とを有し、第一趾骨部分は、中央部分の先端から細長く延び、中央部分の幅よりも狭い幅と、第一趾骨部分の幅よりも長い長さとを有する。踵部分は、中央部分の後端から細長く延び、中央部分の幅よりも狭い幅と、踵部分の幅よりも長い長さとを有する。インサートはまた、インサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えたセンサーシステムを含む。力センサーのうちの少なくとも一つは、中央部分上に位置し、力センサーのうちの少なくとも一つは、第一趾骨部分上に位置し、および力センサーのうちの少なくとも一つは、踵部分上に位置し、およびポートは、中央部分上に位置する。インサート部材は、外向きに湾曲した形状を有する前方内側端、内向きに湾曲した形状を有する前方外側端、ならびに少なくとも一つの内向きに湾曲した端部をそれぞれが有する後方内側端および後方外側端を含む周辺端を有しうる。
【0014】
別の一つの局面によれば、インサートは、履物物品のソール構造と接触して配置されるよう適合された可撓性のポリマーインサート部材、およびインサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えたセンサーシステムを含みうる。インサート部材は、インサート部材の厚みを完全に通り抜けて延びた複数のスリットを有し、スリットはセンサーシステムの力センサーのうちの少なくとも一つの近位に配置される。スリットのうちの少なくとも一つは、周辺端から内側方向にインサート部材内に延びることも、および/またはインサート部材内に完全に位置し、周辺端と接触しないようにすることもできる。一つの実施形態において、センサーのうちの少なくとも一つは、内部のギャップを有し、スリットの一つは内部のギャップ内に延びる。別の実施形態において、インサート部材は、その上に電極およびリード線が位置する第一の層と、その上に感圧抵抗材料を有する第二の層を備えている。
【0015】
さらなる局面によれば、インサートは、インサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えたセンサーシステムを含みうる。力センサーのうちの少なくとも一つは、感圧抵抗材料のパッチと、ポートに接続された第一のリード線を有する第一の電極と、ポートに接続された第二のリード線を有する第二の電極とを含む。感圧抵抗材料のパッチは、ギャップにより分離された少なくとも第一のローブおよび第二のローブを含む複数ローブ構造を有する。第一の電極は、第一のローブおよび第二のローブと接触し、第二の電極は、第一のローブおよび第二のローブと接触している。感圧材料のパッチは、第二のギャップにより第一のローブから分離された第三のローブなど、電極と接触している一つ以上の追加的なローブをも含みうる。感圧抵抗材料のパッチは、ギャップに架かりかつ第一のローブおよび第二のローブを接続する一つ以上の狭いブリッジ部材をも含みうる。各電極はまた、電極のいかなる部分も細長いギャップ内に位置しないように、第一および第二のローブ間の細長いギャップ上に重なる拡張した空間を有しうる。
【0016】
さらに別の一つの局面によれば、インサートは、インサート部材、層状構成でインサート部材の表面に接続された、その上にグラフィックデザインを有する材料のシートから形成されたグラフィック層、およびインサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを含むセンサーシステムを含みうる。
【0017】
さらなる局面によれば、インサートは、可撓性のポリマーインサートと、上述のように複数の力センサーとポートとを含むセンサーシステムとを含みうる。インサート部材は、センサーのうちの一つの圧縮が、空気室から空気の通路を通したエアリザーバーへの空気の流れを起こすよう適合されるように、少なくとも一つのエアリザーバーと、センサーのうちの少なくとも一つまたはその周辺に位置する少なくとも一つの空気室と、空気室からエアリザーバーに延びる少なくとも一つの通路とを含む内部気流システムを有する。複数の空気室は、同一のエアリザーバーと連通しうる。さらに、各空気室は、細長いギャップにより分離された一つ以上の拡張したローブと、ローブの接続のためにギャップを横切って延びる一つ以上の狭いブリッジ部材とを含む複数ローブ構造を有しうる。インサートは、エアリザーバー、空気室、および通路が全て2つの層間に配置されるように、上述のように2つの層で形成されうる。
【0018】
本発明の追加的な局面は、足接触部材、または上述の、センサーシステムを有するソール構造の他のソール部材(接続された複数のセンサーを含む)に関連する。足接触部材または他のソール部材は、履物物品に挿入するために構成されうる。一つの実施形態において、このソール部材は、複数の電極と、別のソール部材上に配置された感圧材料に接続されるよう構成されたセンサーリード線とを含みうる。
【0019】
本発明のさらなる局面は、上述の、センサーシステムを有する履物物品を含むシステムに関連し、電子モジュールはセンサーシステムに接続し、かつ外部装置は、電子モジュールとの通信のために構成されている。該モジュールは、センサーからのデータを受信し、データを外部装置に送信するよう構成されており、かつ外部装置は、さらにそのデータを処理するために構成されている。
【0020】
一つの局面によれば、システムはまた、外部装置に接続され、電子モジュールと外部装置との間の通信を可能にするよう構成されたアクセサリ装置を含む。アクセサリ装置はまた、第二の外部装置へ接続して、電子モジュールと第二の外部装置との間の通信を可能にするために構成されてもよい。
【0021】
別の一つの局面によれば、外部装置に通信されるデータは、一つ以上の異なるアプリケーションで使用できる。こうしたアプリケーションには、その他のアプリケーションがある中で、ゲームプログラムなどの外部装置により実行されるプログラムや、運動競技のパフォーマンスの監視のための制御入力としてのデータの使用が含まれうる。運動競技のパフォーマンスの監視には、数ある中で、速度、距離、側方移動、加速、ジャンプの高さ、体重移動、足着地パターン、バランス、足 回内運動または回外運動、ランニング中の滞空時間測定、側方切断力、接触時間、圧力中心、体重分布、および/または衝撃力などのうち、一つ以上のパフォーマンス測定基準の監視が含まれうる。
【0022】
本発明のさらなる局面は、上述のようにセンサーシステムを含む履物物品を利用する方法に関連する。こうした方法には、センサーからのデータを電子モジュールで受信することと、モジュールからのデータをさらなる処理のために遠隔外部装置に送信することが含まれうるが、これは、一つ以上のアプリケーションでの使用を含みうる。こうした方法にはまた、第一の電子モジュールをセンサーシステムから取り外すかまたは接続を解除することと、第二のモジュールを所定位置に接続することが含まれうるが、第二のモジュールは異なる動作のために構成されている。こうした方法にはさらに、一つ以上のアプリケーションで使用するためにデータを処理すること、および/または外部装置用の制御入力としてデータを使用することが含まれうる。本発明の局面は、これらの方法の一つ以上の特徴の実行、ならびに/または上述の履物およびシステムの利用で使用するための命令を含むコンピュータ可読媒体をも含みうる。
【0023】
本発明の別の局面は、上述のようにそれぞれがセンサーシステムを有する、少なくとも二つの履物物品を含むシステムであって、電子モジュールがそれに接続され、それぞれの電子モジュールがセンサーから受信したデータを外部装置に通信するために構成されているシステムに関連する。システムは、いくつかの通信モードを使用しうる。一つの実施形態において、各モジュールは個別に外部装置と通信する。別の実施形態において、モジュールは、追加的にまたは代替的に相互に通信するよう構成されている。さらなる実施形態において、一つの電子モジュールはデータをもう一方の電子モジュールに送信するよう構成され、そのもう一方の電子モジュールは両方の電子モジュールからのデータを外部装置に送信するよう構成されている。
【0024】
[本発明1001]
履物物品のソール構造と接触して配置されるよう適合された、重ね合わされた関係性で一緒に結合された第一の層および第二の層を備える可撓性のポリマーインサート部材と、
前記インサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えたセンサーシステムと
を備え、
前記センサーの圧縮が、空気の通路を通した空気室とエアリザーバーとの間の空気の流れを起こすよう適合されるように、前記インサート部材が、前記第一の層と第二の層の間に画定されるエアリザーバーを備えた内部気流システムと、前記第一の層と第二の層の間に画定される複数の空気室とを有し、各空気室が、前記複数の力センサーのうちの一つに位置し、かつ各空気室が、前記第一の層と第二の層の間をそれぞれの空気室から該エアリザーバーに延びる通路を有する、
足にはめるように適合された、ソール構造および該ソール構造に接続されたアッパー部分を有する履物物品と共に使用するためのインサート。
[本発明1002]
前記センサーシステムが、前記インサート部材の第一趾骨部分上に配置された第一趾骨センサーと、前記インサート部材の中央部分に位置する第一中足骨センサーおよび第五中足骨センサーと、前記インサート部材の踵部分に位置する踵センサーとを含む少なくとも4つのセンサーを備える、本発明1001のインサート。
[本発明1003]
前記センサーシステムが、前記ポートから前記複数の力センサーのそれぞれに延びる複数のリード線をさらに備える、本発明1001のインサート。
[本発明1004]
前記複数の力センサーが、2つの電極および該電極間に配置された感圧抵抗材料を備えた感圧抵抗体(force sensitive resistor)センサーである、本発明1001のインサート。
[本発明1005]
前記インサート部材の前記第一の層と第二の層がそれぞれ、可撓性のポリマーウェビングを含む、本発明1001のインサート。
[本発明1006]
前記複数の力センサーがそれぞれ感圧抵抗材料と接触した一対の電極を備え、前記第一の層がその上に位置する電極を有し、かつ前記第二の層がその上に前記感圧抵抗材料を有する、本発明1001のインサート。
[本発明1007]
前記センサーシステムが、前記力センサーから前記ポートに延びる複数のリード線をさらに備え、前記リード線も前記第一の層に位置している、本発明1006のインサート。
[本発明1008]
追加的な空気室に位置する前記力センサーの圧縮が、第二の空気の通路を通した第二の空気室と第二のエアリザーバーとの間の空気の流れを起こすよう適合されるように、前記気流システムが、第二のエアリザーバー、および前記複数の力センサーのうちの一つに位置する第二の通路を有する追加的な空気室をさらに備え、前記第二の通路が、前記追加的な空気室から前記第二のエアリザーバーに延びる、本発明1001のインサート。
[本発明1009]
前記第一の層と第二の層が、該第一の層と第二の層のうちの少なくとも一つに塗布された結合材料により接続され、かつ前記空気室、前記通路、および前記エアリザーバーが、前記結合材料によって覆われていない領域により形成される、本発明1001のインサート。
[本発明1010]
前記内部気流システムと連通する通気孔をさらに備え、該通気孔が前記内部気流システムから前記インサートの外部への空気の通過を許容する、本発明1001のインサート。
[本発明1011]
前記通気孔が、少なくとも、前記内部気流システムの前記エアリザーバーと連通している、本発明1010のインサート。
[本発明1012]
各空気室が、ギャップにより分離された第一のローブおよび第二のローブと該第一のローブおよび該第二のローブを接続するブリッジ部材とを備える複数ローブ構造を有する、本発明1001のインサート。
[本発明1013]
履物物品のソール構造と接触して配置されるよう適合された可撓性のポリマーインサート部材と、
前記インサート部材に接続された複数の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えたセンサーシステムと
を備え、
第一のセンサーの圧縮が、空気の通路を通した空気室とエアリザーバーとの間の空気の流れを起こすよう適合されるように、前記インサート部材が、エアリザーバーと、前記複数の力センサーの第一のセンサーに位置する空気室と、該空気室から該エアリザーバーに延びる通路とを備えた、内部気流システムを有する、
足にはめるように適合された、ソール構造および該ソール構造に接続されたアッパー部分を有する履物物品と共に使用するためのインサート。
[本発明1014]
第二のセンサーの圧縮が、第二の空気室から、第二の空気の通路を通したエアリザーバーへの空気の流れを起こすよう適合されるように、前記内部気流システムが、前記複数の力センサーのうちの第二のセンサーに位置する第二の空気室と、該第二の空気室から該エアリザーバーに延びる第二の通路とをさらに備える、本発明1013のインサート。
[本発明1015]
第二のセンサーの圧縮が、第二の空気室から、第二の空気の通路を通した第二のエアリザーバーへの空気の流れを起こすよう適合されるように、前記内部気流システムが、第二のエアリザーバーと、前記複数の力センサーのうちの第二のセンサーに位置する第二の空気室と、該第二の空気室から該第二のエアリザーバーに延びる第二の通路とをさらに備える、本発明1013のインサート。
[本発明1016]
前記内部気流システムが、
第二のセンサーの圧縮が、第二の空気室から、第二の空気の通路を通した第二のエアリザーバーへの空気の流れを起こすよう適合されるような、第二のエアリザーバーと、前記複数の力センサーのうちの第二のセンサーに位置する第二の空気室と、該第二の空気室から該第二のエアリザーバーに延びる第二の通路と、
第三のセンサーの圧縮が、第三の空気室から、第三の空気の通路を通したエアリザーバーへの空気の流れを起こすよう適合されるような、前記複数の力センサーのうちの第三のセンサーに位置する第三の空気室と、該第三の空気室から該エアリザーバーに延びる第三の通路と
をさらに備える、本発明1013のインサート。
[本発明1017]
前記センサーシステムが、前記インサート部材の第一趾骨部分上に位置する第一趾骨センサーと、前記インサート部材の中央部分に位置する第一中足骨センサーおよび第五中足骨センサーと、前記インサート部材の踵部分に位置する踵センサーとを含む少なくとも4つのセンサーを備える、本発明1013のインサート。
[本発明1018]
前記センサーシステムが、前記ポートから前記複数の力センサーのそれぞれに延びる複数のリード線をさらに備える、本発明1013のインサート。
[本発明1019]
前記複数の力センサーが、2つの電極および該電極間に位置する感圧抵抗材料を備えた感圧抵抗体センサーである、本発明1013のインサート。
[本発明1020]
前記空気室が、ギャップにより分離された第一のローブおよび第二のローブと該第一のローブおよび該第二のローブを接続するブリッジ部材とを備える複数ローブ構造を有する、本発明1013のインサート。
[本発明1021]
前記内部気流システムと連通する通気孔をさらに備え、該通気孔が前記内部気流システムから前記インサートの外部への空気の通過を許容する、本発明1013のインサート。
[本発明1022]
前記通気孔が、少なくとも、前記内部気流システムの前記エアリザーバーと連通している、本発明1021のインサート。
[本発明1023]
前記内部気流システムが、それぞれが前記複数の力センサーのうちの一つに位置する複数の空気室と、それぞれが該空気室のうちの一つから前記エアリザーバーに延びる複数の空気の通路とをさらに備える、本発明1013のインサート。
[本発明1024]
層状構成で接続された第一の層および第二の層を備え、該第一の層と第二の層の間に、前記エアリザーバー、前記空気室、および前記通路が全て位置する、本発明1013のインサート。
[本発明1025]
前記複数の力センサーがそれぞれ、感圧抵抗材料と接触した一対の電極を備え、前記センサーシステムが、前記力センサーから前記ポートに延びる複数のリード線をさらに備え、かつ該電極およびリード線が前記第一の層上に位置し、かつ前記感圧抵抗材料が前記第二の層上に位置する、本発明1024のインサート。
[本発明1026]
足の中足骨部分がはまるように適合された中央部分と、該中央部分の先端から延び、足の第一趾骨がはまるように適合された第一趾骨部分と、該中央部分の後端から延び、足の踵がはまるように適合された踵部分とを備え、重ね合わされた関係性で一緒に結合された第一の層および第二の層をさらに備える、履物物品のソール構造と接触して配置されるよう適合された可撓性のポリマーインサート部材であって、前記第一趾骨部分および前記踵部分が、前記中央部分に対して内側-外側方向に細くなる、ポリマーインサート部材;
第一、第二、第三、および第四の感圧センサーのそれぞれが、
前記第一の層に接続された感圧抵抗材料のパッチと、
第一の電極および第一のリード線が前記第一の層に接続されている、前記ポートに接続された第一のリード線を有する第一の電極と、
第二の電極および第二のリード線が前記第二の層に接続されている、前記ポートに接続された第二のリード線を有する第二の電極と
を備え、
感圧抵抗材料の前記パッチが、ギャップにより分離された第一のローブおよび第二のローブと、該ギャップをつなぎ、かつ該第一のローブおよび該第二のローブを接続するブリッジ部材とを備える複数ローブ構造を有し、前記第一の電極が、前記第一のローブおよび前記第二のローブと接触し、かつ前記第二の電極が、前記第一のローブおよび前記第二のローブと接触する、
前記インサート部材に接続された第一、第二、第三、および第四の力センサーと、電子装置との通信のために構成されたポートとを備えるセンサーシステム
を備え、
前記第一の力センサーが前記インサート部材の前記第一趾骨部分上に位置し、前記第二および第三の力センサーが前記インサート部材の前記中央部分上に位置し、かつ前記第四の力センサーが前記インサート部材の前記踵部分上に位置し、
前記インサート部材が、前記インサート部材の厚みを完全に通り抜けて延びる複数のスリットを有し、該スリットが、前記センサーシステムの第一、第二、第三、および第四の力センサーのうちの少なくとも一つと近接して配置され、かつ
第一、第二、第三、および第四の力センサーの圧縮が、空気の通路を通した空気室とエアリザーバーとの間の空気の流れを起こすよう適合されるように、前記インサート部材が、2つのエアリザーバーと、前記第一の層と前記第二の層の間に画定され、かつ前記第一、第二、第三、および第四の力センサーに位置する複数の空気室とを備える内部気流システムを有し、各空気室が、前記第一の層と第二の層の間に形成され、かつ該空気室から該エアリザーバーのうちの一つに延びる通路を有する、
足にはめるように適合された、ソール構造および該ソール構造に接続されたアッパー部分を有する履物物品と共に使用するためのインサート。
[本発明1027]
空気室の複数ローブ構造が、前記感圧抵抗材料の複数ローブ構造に類似した形状を有するように、各空気室が、ギャップにより分離された第一のローブおよび第二のローブと該第一のローブおよび該第二のローブを接続するブリッジ部材とを備える複数ローブ構造を有する、本発明1026のインサート。
[本発明1028]
前記第一の層と第二の層が、該第一の層と第二の層のうちの少なくとも一つに塗布された結合材料により接続され、かつ前記空気室、前記通路、および前記エアリザーバーが、該結合材料によって覆われていない領域により形成される、本発明1026のインサート。
[本発明1029]
前記内部気流システムと連通する通気孔をさらに備え、該通気孔が前記内部気流システムから前記インサートの外部への空気の通過を許容する、本発明1026のインサート。
[本発明1030]
前記通気孔が前記内部気流システムの前記エアリザーバーのうちの少なくとも一つと連通する、本発明1029のインサート。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の図面と併せた下記の明細書から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本発明は数多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理を例証したものとしてみなされ、本発明の広範な局面を、図示および説明した実施形態に限定することは意図していないことが理解されるという前提で、本発明の好ましい実施形態が図面に図示されかつ本明細書において詳細に説明される。
【0027】
靴などの履物を、
図1〜2に例として図示し、一般に参照番号100で示す。履物100は、例えば、様々なタイプの運動靴を含む、数多くの異なる形態をとることができる。一つの典型的実施形態において、靴100は一般に、ユニバーサル通信ポート14に動作可能に接続された力センサーシステム12を含む。下記にさらに詳細に述べるとおり、センサーシステム12は靴100の装着者に関連するパフォーマンスデータを収集する。ユニバーサル通信ポート14への接続を通して、下記にさらに詳しく記載するように、複数の異なるユーザーが、各種の異なる用途でパフォーマンスデータにアクセスできる。
【0028】
履物物品100は、アッパー120およびソール構造130を含めたものとして
図1〜2に図示されている。以下の説明での参照の目的で、履物100は、
図1に図示したように、足前方部領域111、中足領域112、および踵領域113の3つの大まかな領域に区分されうる。領域111〜113は、履物100の正確なエリアの境界を定めることを意図していない。むしろ、領域111〜113は、下記の考察においての基準枠組みを提供する履物100の大まかなエリアを示すことを意図している。領域111〜113は、概して履物100に適用されるものの、領域111〜113への言及はまた、アッパー120、ソール構造130、またはアッパー120もしくはソール構造130のいずれかの内部に含まれる、および/もしくはその一部を形成する個別の構成要素にも具体的に適用されうる。
【0029】
図1および2にさらに示すように、アッパー120は、ソール構造130に固定され、足を受け入れるための空隙またはチャンバを画定する。参照の目的で、アッパー120は、外側121、反対側の内側122、およびつま革または足の甲の領域123を含む。外側121は、足の外側(すなわち、外側)に沿って延びる位置にあり、一般に各領域111〜113を通過する。同様に、内側122は、足の反対側の内側(すなわち、内側)に沿って延びる位置にあり、一般に各領域111〜113を通過する。つま革エリア123は、外側121と内側122の間に位置し、足の上面または足の甲の領域に相当する。この図示例において、つま革エリア123は、足に対してアッパー120の寸法を修正し、それにより履物100のフィット性を調節する、ひも125または従来型の方法で利用されているその他の望ましい閉鎖機構を有する、つま革の開き124を含む。アッパー120はまた、足にアッパー120内の空隙へのアクセスを提供する、足首の開口部126を含む。アッパー120を構築するために、履物のアッパーで従来的に利用されている材料を含めた、各種の材料が使用されうる。したがって、アッパー120は、例えば、皮革、合成皮革、天然または合成繊維、ポリマーシート、ポリマーフォーム、メッシュ繊維、フェルト、不織布ポリマー、またはラゴム材料のうちの一つ以上の部分から形成されうる。アッパー120は、これらの材料の一つ以上から形成されうるが、その材料または部分は、たとえば、当技術分野で従来的に知られており使用される方法で縫うまたは接着されて共にに結合される。
【0030】
アッパー120は、踵要素(非表示)およびつま先要素(非表示)も含みうる。踵要素は、存在するとき、履物100の快適さを向上させるために、踵領域113内で上方向かつアッパー120の内面に沿って延長しうる。つま先要素は、存在するとき、耐摩耗性を提供し、装着者のつま先を保護し、足の位置合わせを補助するために、足前方部領域111内かつアッパー120の外部表面に位置しうる。一部の実施形態において、踵要素およびつま先要素の一方または両方は不在でありうるか、または踵要素が、例えばアッパー120の外部表面上に配置されうる。上記で考察したアッパー120の構成は履物100にとって適切ではあるが、アッパー120は、本発明から逸脱することなく、望ましい任意の従来型または非従来型のアッパー構造の構成を呈してもよい。
【0031】
ソール構造130は、アッパー120の下部表面に固定され、概して従来型の形状を有しうる。ソール構造130は、例えば、ミッドソール131、アウトソール132、および足接触部材133(中敷き、ストロベル(strobel)、インソール部材、ブーティ要素、靴下などが考えられる)を含むものなどの、マルチピース構造を有しうる(
図4〜5を参照)。
図4〜5に示す実施形態において、足接触部材133はインソール部材である。「足接触部材」という用語は本明細書で使用されるとき、別の要素が直接的接触を妨げうるため、必ずしもユーザーの足との直接的な接触を意味するものではない。むしろ、足接触部材は、履物物品の足を受け入れるチャンバ(chamber)の内面の部分を形成する。例えば、ユーザーは、直接的接触を妨げる靴下を履いていることがある。別の例として、センサーシステム12は、靴上で着脱されるように設計された履物物品、または外部ブーティ要素もしくは靴カバーなどのその他の履物物品に組み込まれうる。こうした物品において、ソール構造の上部部分は、ユーザーの足には直接的には接触しない場合でも、足接触部材とみなされうる。
【0032】
ミッドソール部材131は、衝撃減衰部材でありうる。例えば、ミッドソール部材131は、ポリウレタン、エチルビニルアセテート、またはその他の材料(ファイロン、フィライトなど)などの圧縮して、ウォーキング、ランニング、ジャンプ、またはその他の活動時の地面またはその他の接触面の反作用力を減衰させる、ポリマーフォーム材料から形成されうる。本発明による一部の構造例において、ポリマーフォーム材料は、履物100の快適さ、動作制御、安定性、および/または地面もしくはその他の接触面の反作用力減衰特性を向上させる、液体を充填した袋または減速材などの様々な要素を内部に封入または包含しうる。さらにその他の構造例において、ミッドソール131は、圧縮して地面またはその他の接触面の反作用力を減衰する追加的な要素を含みうる。例えば、ミッドソールは、力の緩衝作用および吸収を助ける支柱タイプの要素を含みうる。
【0033】
アウトソール132は、この図示例の履物構造100ではミッドソール131の下部表面に固定され、かつ歩行またはその他の活動時に地面またはその他の表面と接触するゴムなどの耐摩耗性材料またはポリウレタンなどの可撓性の合成材料から形成される。アウトソール132を形成する材料は、適切な材料で製造する、ならびに/または摩擦および滑りの抵抗を向上させる加工が施こされうる。アウトソール132の構造および製造方法について、下記にさらに考察する。足接触部材133(インソール部材、中敷き、ブーティ部材、ストロベル、靴下などが考えられる)は、履物100の快適さを向上させるために、アッパー120の空隙の内部で、かつ足の下部表面に隣接して(またはアッパー120およびミッドソール131の間)に位置しうる、一般的に薄くて圧縮性の部材である。一部の配置において、インソールまたは中敷きは不在でもよく、その他の実施形態において、履物100は、インソールまたは中敷きの上部に位置する足接触部材を有しうる。
【0034】
図1および2に示すアウトソール132は、アウトソール132の片側または両側の複数の切込みまたはサイプ136を含む。これらのサイプ136は、アウトソール132の下部からその上部またはミッドソール131へと延びうる。一つの配置において、サイプ136は、アウトソール132の下側表面からアウトソール132の下部とアウトソール132の最上部の間の中間点まで延びうる。別の配置において、サイプ136はアウトソール132の下部からアウトソール132の最上部までの中間を越えた点まで延びうる。また別の配列において、サイプ136は、アウトソール132の下部からアウトソール132がミッドソール131に接触する点まで延びうる。サイプ136は、アウトソール132に追加的な可撓性をもたらし得、それによりアウトソールは装着者の足が曲がる自然な方向に、より自由に曲がることができる。さらに、サイプ136は、装着者のための摩擦の提供に役立ちうる。当然のことながら、本発明の実施形態は、その他のタイプおよび構成の靴、またその他のタイプの履物およびソール構造と関連して使用されうる。
【0035】
図3〜5は、本発明に基づくセンサーシステム12を組み込んだ、履物100の典型的な実施形態を図示する。センサーシステム12は、複数のセンサー16を有する力センサー組立品13と、センサー組立品13と通信(たとえば、導体を介して電気的に接続)する通信または出力ポート14とを含む。
図3に図示した実施形態において、システム12は、靴の親指(第一趾骨)エリアにある第一のセンサー16Aと、第一中足骨頭領域にある第二のセンサー16Bおよび第五中足骨頭領域にある第三のセンサー16Cを含む靴の足前方部エリアにある2つのセンサー16B-Cと、踵にある第四のセンサー16Dといった、4つのセンサー16を有する。これらの足のエリアは、一般に動作中に最も大きな度合いの圧力を経験する。下記の
図27〜28に示す実施形態は、センサー16に類似した構成を利用する。各センサー16は、ユーザーの足によってセンサー16に対して及ぼされた力を検出するために構成されている。センサーは、ワイヤリード線および/もしくは別の電導体または適切な通信媒体でありうるセンサーリード線18を通してポート14と通信する。例えば、一つの実施形態において、センサーリード線18は、足接触部材133、ミッドソール部材131、または足接触部材133とミッドソール部材131との間の層などのソール構造130の別の部材に印刷された、電気的に導電性の媒体でありうる。
【0036】
センサーシステム12のその他の実施形態は、後述の
図8、
図11〜21、および
図27〜28に示す実施形態など、異なる数または構成のセンサー16を含むことができ、概して少なくとも一つのセンサー16を含む。例えば、一実施形態において、システム12は、さらに大きな数のセンサーを含み、また別の実施形態において、システム12は、1個は靴100の踵、もう1個は靴のつま先にある、2個のセンサーを含む。さらに、センサー16は、Bluetooth(登録商標)および近距離通信を含む既知の任意のタイプの有線または無線の通信を含む異なる方法でポート14と通信しうる。一足の靴は、対のそれぞれの靴内にセンサーシステム12が設けられてよく、対になったセンサーシステムは相乗的に動作しうるかまたは互いに独立して動作しうること、およびそれぞれの靴内のセンサーシステムは互いに通信してもしなくてもよいことが理解される。センサーシステム12の通信については、さらに詳しく後述する。当然のことながら、センサーシステム12は、データ(たとえば、ユーザーの足の地面またはその他の接触面との相互作用からの圧力データ)の収集および保管を制御するためのコンピュータプログラム/アルゴリズムを備えることがあり、かつこれらのプログラム/アルゴリズムは、センサー16、ポート14、モジュール22、および/または外部装置110内に格納および/またはそれらにより実行されうることが理解される。センサー16は、必要な構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、ソフトウェア、TX/RXなど)を、こうしたコンピュータプログラム/アルゴリズムの保管および/もしくは実行、ならびに/またはポート14および/もしくは外部装置110へのデータおよび/もしくはその他の情報の直接的な(有線または無線)転送を達成するために含みうる。
【0037】
センサーシステム12は、靴100のソール130内にいくつかの構成で配置することができる。
図4〜5に示す例において、ポート14、センサー16、および/またはリード線18を、ミッドソール131の上側表面または足接触部材133の下側表面に接続することなどにより、ポート14、センサー16、およびリード線18を、ミッドソール131と足接触部材133との間に配置することができる。空洞またはウェル135は、後述するように、電子モジュールを受け入れるために、ミッドソール131内(
図4)または足接触部材133内(
図5)に位置することができ、ポート14は、ウェル135内からアクセスされうる。
図4に示す実施形態において、ウェル135は、ミッドソール131上側の主表面にある開口部により形成され、また
図5に示す実施形態において、ウェル135は、足接触部材133の下側の主表面にある開口部により形成される。ウェル135は、その他の実施形態において、ソール構造130内の他の場所に配置されうる。例えば、ウェル135は、一つの実施形態において、部分的に足接触部材133とミッドソール部材131の両方内に位置することができ、または、ウェル135は、ミッドソール131の下側の主表面または足接触部材133の上側の主表面内に位置することもできる。さらなる実施形態において、ウェル135は、アウトソール132内に位置することができ、かつソール130の側部、下部、または踵にある開口部を通すなど、靴100の外側からアクセス可能であり得る。
図4〜5に図示した構成において、ポート14は、後述するように、電子モジュールの接続または接続の解除のために容易にアクセス可能である。その他の実施形態において、センサーシステム12は、異なるかたちで配置することができる。例えば、一つの実施形態において、ポート14、センサー16、および/またはリード線18は、アウトソール132、ミッドソール131、または足接触部材133内に配置することができる。一つの典型的な実施形態において、ポート14、センサー16、および/またはリード線18は、靴下、中敷き、内部フットウェアブーティ、またはその他の類似した物品などの足接触部材133の上側に配置された足接触部材133内に配置されうる。さらなる実施形態において、ポート14、センサー16、および/またはリード線18は、
図12および
図19〜20に示されるような、足接触部材133とミッドソール131の間に迅速かつ容易に挿入可能なように設計された、インサートまたはライナーに形成されうる。さらにその他の構成が可能であり、その他の構成の一部の例を下記に説明する。考察したように、当然のことながら、センサーシステム12は、対のそれぞれの靴に含まれうる。
【0038】
一つの実施形態において、センサー16は、ソール130に及ぼされるかもしくは他の方法でそれと関連する応力、圧縮、もしくは他の力および/もしくはエネルギー、ならびに/またはソール130に対する力を測定するための力センサーである。例えば、センサー16は、感圧抵抗体(FSR)センサーもしくは感圧抵抗材料(量子トンネリング複合体、カスタム導電性フォーム、または力変換ゴムなど。下記により詳しく記載)を利用したその他のセンサー、磁気抵抗センサー、圧電もしくはピエゾ抵抗センサー、ひずみゲージ、ばね型センサー、光ファイバー型センサー、偏光センサー、機械的アクチュエータ型センサー、変位型センサー、および/または足接触部材133、ミッドソール131、アウトソール132などの力および/もしくは圧縮を測定する能力のある他任意のタイプの既知のセンサーもしくはスイッチでありうるか、またはそれを含みうる。センサーは、アナログ装置または力を定量的に検出もしくは測定する能力を有する他の装置でありうるか、またはそれを備えうるか、または単にバイナリー型オン/オフスイッチ(たとえば、シリコン膜タイプのスイッチ)でありうる。当然のことながら、センサーによる力の定量的測定は、モジュール22または外部装置110などの電子装置によって、定量的な力の測定値に変換されうるデータを、収集および送信、または他の方法で利用可能とすることを含みうる。本明細書に記載したように、圧電センサー、感圧抵抗体センサー、量子トンネリング複合体センサー、カスタム導電性フォームセンサーなど、一部のセンサーは、測定した差異を力の成分に変換できるように、抵抗、キャパシタンス、または電位の差異もしくは変化を検出または測定できる。上記で言及したばね型センサーは、変形、または圧力および/もしくは変形に起因する抵抗の変化を測定するよう構成できる。上述の光ファイバー型センサーは、光源およびそれに接続された光測定装置を備えた圧縮可能なチューブを含む。こうしたセンサーにおいて、チューブが圧縮されると、チューブ内の波長またはその他の光の特性が変化し、測定装置はこうした変化を検出し、その変化を力の測定値に変換できる。導電材料に浸したミッドソールなど、ナノコーティングを使用することもできる。偏光センサーを使用することができ、光伝送特性の変化が測定されて、ソールに及ぼされる圧力または力に関連付けられる。一つの実施形態では、複数アレイ(たとえば100)のバイナリーオン/オフセンサーが利用され、特定部位でのセンサー信号の「パドリング(puddling)」により力成分が検出できる。本明細書で言及されていない、さらに他のタイプのセンサーを使用してもよい。当然のことながら、センサーは、比較的廉価なもので、大量生産プロセスで靴内への配置ができるものとすることができる。より高価でありうる、より複雑なセンサーシステムを、トレーニングタイプの靴に組み込むことができる。当然のことながら、異なるタイプのセンサーの組合せが一つの実施形態で使用されうる。
【0039】
さらに、センサー16は、数多くの異なる方法で、靴構造と係合するように配置または位置づけされうる。一例において、センサー16は、靴100、または靴下、ブーティ、インサート、ライナー、インソール、ミッドソールなどで使用するための、エアバッグもしくは他の液体を充填したチャンバ、フォーム材料、または別の材料などのソール部材上に配置された、印刷した導電性インクセンサー、電極、および/またはリード線でありうる。センサー16および/またはリード線18は、例えば、衣服または布地構造を織ったり編んだりするときに導電性の布地または毛糸を使用して、衣服または布地構造(ソックライナー、ブーティ、アッパー、インサートなど)に織ることができる。センサーシステム12の数多くの実施形態は、後述および
図8および11〜21に示すように、例えば、感圧抵抗体センサーまたは感圧抵抗材料を使用することにより、廉価に作成できる。当然のことながら、センサー16および/またはリード線18は、従来的な配置技術により、導電性ナノコーティングにより、従来型な機械的コネクターにより、および他任意の適用される既知の方法などによって、任意の希望の方法で、靴構造の一部分上に配置またはそれに関連させることができる。センサーシステムは、機械的フィードバックを装着者に提供するよう構成することもできる。さらに、センサーシステム12は、電力を供給する、またはセンサー16に対する接地の役目をする、別々の電源リード線を含みうる。下記で説明する、
図5A〜5Eおよび
図27〜35に示す実施形態において、センサーシステム12、1312、1412、1512は、センサー16、1316、1416、1516をポート14、14A〜Eに接続して、モジュール22からセンサー16、1316、1416、1516に電力を供給するために使用する別々の電源リード線18A、1318A、1418A、1518Aを含む。さらなる例として、センサーシステム12は、印刷した導電性インクセンサー16もしくは電極および導電性布地もしくは毛糸のリード線18を組み込むことにより、またはそうしたセンサーを靴のフォームもしくはエアバッグ上に形成することにより、作成できる。センサー16は、各種の方法でエアバッグ上、またはその内部に組み込まれうる。一つの実施形態において、センサー16は、ひずみゲージのような効果を達成するために、エアバッグ上の導電性の感圧材料を、エアバッグの一つ以上の表面上に印刷することで作成することができる。活動中にバッグの表面が膨張および/または収縮すると、センサーは感圧材料の抵抗の変化を通してそのような変化を検出でき、エアバッグに対する力を検出する。一貫した形状を維持するために内部の織物を有するバッグにおいて、導電性材料は、エアバッグの上部および下部に配置でき、バッグが膨張および収縮する際の導電性材料間のキャパシタンスの変化が、力を決定するために使用できる。さらに、空気圧の変化を電気的信号に変換できる装置を、エアバッグが圧縮されたときの力の決定に使用できる。
【0040】
ポート14は、センサー16により収集されたデータを、一つ以上の既知の方法で、外部のソースに通信するために構成されている。一つの実施形態において、ポート14は、普遍的に読取可能な形式でのデータの通信のために構成されたユニバーサル通信ポートである。
図3〜5に示す実施形態において、ポート14は、
図3でポート14と接続した状態で示される電子モジュール22への接続のためのインターフェース20を含む。
図3〜5に示す実施形態において、インターフェース20は、電気接点の形態をとる。さらに、この実施形態において、ポート14は、履物物品100の中央のアーチまたは中足領域内のウェル135内に位置する電子モジュール22を挿入するために、ハウジング24を伴う。
図3〜5でのポート14の位置決めは、最小限の接触、刺激、またはユーザーの足との他の干渉を呈するだけでなく、足接触部材133を単に持ち上げることによるアクセスの容易さを提供する。さらに、
図6に図示したように、センサーリード線18はまた、ポート14およびポートインターフェース20への接続のために、その終端で統合インターフェースまたは接続19を形成する。一つの実施形態において、統合インターフェース19は、複数の電気接点を通してなど、センサーリード線18のポートインターフェース20への個別の接続を含みうる。別の実施形態において、センサーリード線18は、後述するプラグタイプのインターフェースなど、または別の方法で、外部インターフェース19を形成するために統合され得、さらなる実施形態では、センサーリード線18は、各リード線18がそれ自身のサブインターフェースを有する非統合インターフェースを形成しうる。
図6に図示したように、センサーリード線18は、単一の場所に収束して統合インターフェースを形成しうる。さらに後述するように、モジュール22は、ポートインターフェース20および/またはセンサーリード線18への接続のためのインターフェース23を有しうる。
【0041】
ポート14は、各種の異なる電子モジュール22への接続のために適合されるが、これは、メモリ構成要素(たとえば、フラッシュドライブ)といった単純なものでもよく、または、これはより複雑な特徴を含みうる。当然のことながら、モジュール22は、パーソナルコンピュータ、モバイル機器、サーバーなどといった複雑な構成要素でありうる。ポート14は、保管および/または処理のために、センサー16により収集されたデータをモジュール22に送信するために構成されている。別の実施形態において、ポート14は、必要な構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、ソフトウェア、TX/RXなど)を、こうしたコンピュータプログラム/アルゴリズムの保管および/もしくは実行、ならびに/またはデータおよび/もしくは他の情報の外部装置110への直接的な(有線または無線)転送を達成するために含みうる。履物物品内のハウジングおよび電子モジュールの例が、米国特許出願番号第11/416,458号(米国出願公開番号第2007/0260421号として公開)に図示されており、これは、参照により本明細書に組み入れられ、その一部を成す。ポート14は、モジュールへの接続のためのインターフェース20を形成する電子接点として図示されているが、その他の実施形態において、ポート14は、センサー16、モジュール22、外部装置110、および/または別のコンポーネントとの通信のための一つ以上の追加的または代替的な通信インターフェースを含みうる。例えば、ポート14は、USBポート、ファイヤーワイヤーポート、16ピン式ポート、もしくは他のタイプの物理的接触型の接続を含むもしくは備えるか、またはWi-Fi、ブルートゥース、近距離通信、RFID、ブルートゥース低エネルギー、Zigbee(登録商標)、もしくは他の無線通信技術などの無線もしくは非接触の通信インターフェース、もしくは赤外線もしくは他の光通信技法(またはこうした技術の組合せ)のためのインターフェースを含みうる。
【0042】
センサーリード線18は、各種の異なる構成でポート14に接続しうる。
図5A〜5Eは、上述のように、ソール構造130のソール部材内など、履物物品100のウェル135内に位置するポート14A〜Eの実施形態の例を図示する。
図5A〜5Eに示す実施形態において、ウェル135は、側壁139およびベース壁143を含む複数の壁を有する。
【0043】
図5Aは、ポート14Aの実施形態を図示するが、4つのセンサーリード線18と電源リード線18Aがウェル135の単一の側壁139を通してポート14Aに接続されている。図示した実施形態において、センサーリード線18は、ポート14Aのインターフェース20に接続される、5ピン式接続の形態での統合インターフェースを形成する。この構成において、リード線18、18Aは、ポートインターフェース20に接続され、統合インターフェースを形成し、各リード線18、18Aは、接続ピン62で終結し、複数ピン式接続を形成する。この接続ピン62は、一つの実施形態において、ウェル135内でアクセスが可能なリード線18、18Aの露出端であると見なすことができる。同様に、モジュール22は、ポートインターフェース20でのリード線18、18Aの接続ピン62への接続のための5ピン接続60を含む接続またはインターフェース23を有する。
【0044】
図5Bは、ポート14Bの実施形態を図示するが、ここで、2つのセンサーリード線18は、ウェル135の側壁139のうち一つを通してポート14Bに接続され、かつその他の2つのセンサーリード線18および電源リード線18Aは、側壁139のうち別の一つを通してポート14Bに接続される。この実施形態において、リード線18は、外部インターフェース19の形態で2つの別個の統合リードインターフェース19を形成し、ポート14Bは、リード線18、18Aに接続するための2つの別個のインターフェース20を有する。外部インターフェース19は、プラグタイプのインターフェース、ピンタイプのインターフェース、またはその他のインターフェースとすることができ、ポートインターフェース20は、外部リードインターフェース19に接続するために補完的に構成される。さらに、この構成において、モジュール22は、ポートインターフェース20への接続のために構成された2つのインターフェース23を有する。
【0045】
図5Cは、ポート14Cの実施形態を図示し、ここで、センサーリード線18および電源リード線18Aは、側壁139を通して、およびウェル135のベース壁143を通して、ポート14C に接続される。この実施形態において、センサーリード線18は、ポート14Cに接続するためのいくつかの別個のリードインターフェース19を形成する。ポート14Cは、モジュールインターフェース23への接続のための、ポートインターフェース20への全てのリード線18、18Aの接続を統合する内部回路64を含む。ポート14Cはさらに、各リードインターフェース19への接続のための補完的なインターフェースを含みうる。当然のことながら、この実施形態において、リード線18、18Aは、ウェル135の一つ以上の側壁139を通して接続でき、リード線18、18Aは、例証の目的で、側壁139のうち2つを通して接続された状態で示している。この実施形態において、当然のことながら、2本以上のリード線18、18Aを、ウェル135の特定の側壁139を通して接続でき、かつ1本のみのリード線18、18Aを、ベース壁143を通して接続できる。
【0046】
図5Dは、ポート14Dの実施形態を図示し、ここで、4つのセンサーリード線18および電源リード線18Aは、ウェル135のベース壁143を通してポート14Dに接続される。図示した実施形態において、リード線18、18Aは、上述および
図5Aに示す接続に類似した構成で、ポート14Dの下部でインターフェース20に接続された統合インターフェースを形成する。各リード線18、18Aは、ポートインターフェース20にある接続ピン62で終結し、モジュールインターフェース23は、リード線18、18Aの接続ピン62への接続のために構成された複数のピン接続60を含む。
【0047】
図5Eは、ポート14Eの実施形態を図示し、ここで、4つのセンサーリード線18および電源リード線18Aは、ウェル135の4つの側壁139のそれぞれを通してポート14Eに接続される。この実施形態において、リード線18、18Aは、上述および
図5Cに示す実施形態と同様に、ポート14Eに接続するためのいくつかの別個のインターフェース19を形成する。上述のように、ポート14Eは、リードインターフェース19に接続するための補完的なインターフェースを含むことができ、かつ、モジュール22に接続するためのインターフェースを含みうる。その他の実施形態において、リード線18、18Aは、ウェル135の任意の数の側壁139を通して接続できる。
【0048】
図5B、5C、および5Eに図示したものなどの実施形態においては、センサー18が複数のインターフェース19を形成し、ポート14B、14C、14Eおよび/またはモジュール22は、複数のインターフェース20、23を有しうるか、または単一のインターフェース20、23のみを有してよく、かつポート14は、全てのリード線18、18Aをインターフェース20、23に接続するための内部回路64を有しうる。さらに、モジュール22は、それへの接続のために、ポート14のインターフェース20に対して補完的な一つ以上のインターフェース23を有しうる。例えば、ポート14が側壁139および/またはそのベース壁143内にインターフェース20を有する場合、モジュール22は、同様に側壁および/またはベース壁内に補完的なインターフェース23を有しうる。当然のことながら、モジュール22およびポート14は、全く同様に補完的なインターフェース20、23を有さなくてもよく、1対のみの補完的なインターフェース20、23が、構成要素間の通信を達成しうる。その他の実施形態において、ポート14およびウェル135は、リード線18、18Aの接続のための異なる構成を有しうる。さらに、ポート14は、より多くの種類の接続構成を可能にしうる異なる形状を有しうる。さらに、本明細書に記載した任意の接続構成またはその組合せは、本明細書に記載したセンサーシステムの様々な実施形態と共に利用できる。
【0049】
モジュール22は、後述および
図6に示すように、例えば処理のために、外部装置110に接続してデータを送信するための一つまたは複数の通信インターフェースを追加的に有しうる。こうしたインターフェースは、上述した任意の接触式または非接触式のインターフェースを含むことができる。一例において、モジュール22は、少なくとも、コンピュータに接続するための格納式USB接続を含む。別の例において、モジュール22は、腕時計、携帯電話、携帯音楽プレーヤーなどのモバイル機器への接触式または非接触式の接続のために構成されうる。モジュール22は、上述の格納式USB接続または別の接続インターフェースによるなど、履物100から取り外してデータ転送のために外部装置110に直接接続されるように構成されうる。しかしながら、別の実施形態において、モジュール22は、外部装置110を備えた無線通信用に構成され得、これにより必要に応じて、装置22を履物100内に留めることが可能となる。無線の実施形態において、モジュール22は、無線通信用のアンテナに接続されうる。アンテナは、選択した無線通信方法のために適切な伝送周波数で使用するために成形、サイズ変更、および位置づけされうる。さらに、アンテナは、モジュール22の内部、またはポート14もしくは別の場所などのモジュール22の外部に配置されうる。一例において、センサーシステム12それ自体(リード線18およびセンサー16の導電性部分など)が、アンテナの全体または一部を形成するために使用されうる。当然のことながら、モジュール22は、ポート14、一つまたは複数のセンサー16などのセンサーシステム12の他の場所で接続されているアンテナに加えて、アンテナを含みうる。一つの実施形態において、モジュール22は、履物100内に永久的に取り付けてもよく、または代替的にユーザーの自由選択で着脱可能でありかつ必要に応じて履物100内に留めることが可能でありうる。さらに、下記にさらに説明するとおり、モジュール22は、取り外して、別の方法でセンサー16からのデータを収集および/または利用するためにプログラムおよび/または構成された別のモジュール22と交換されうる。モジュール22が、履物100内に永久的に取り付けられる場合、センサーシステム12は、
図7に示すように、USBまたはファイヤーワイヤーポートなどのデータ転送および/または電池充電を可能にするための外部ポート15をさらに含みうる。こうした外部ポート15は、追加的または代替的に情報の通信用に使用されうる。モジュール22は、誘導充電など、非接触充電用にさらに構成されうる。当然のことながら、モジュール22は、接触式および/または非接触式の通信用に構成されうる。
【0050】
ポート14は、本発明から逸脱することなく、各種の位置に配置され得、一つの実施形態において、ポート14は、たとえば、運動活動中など、装着者が履物物品100を踏み込む、および/またはその他の方法で使用するとき、装着者の足との接触および/またはそれの刺激を避けるかまたは最小化するような位置および方向で提供されるならびに/またはその他の方法で構造化される。
図3〜5のポート14の位置付けは、こうした例の一つを図示する。別の実施形態において、ポート14は、靴100の踵または足の甲領域の付近に位置する。履物構造100のその他の特徴は、装着者の足とポート14(またはポート14に接続された要素)との間の接触を低減または回避し、履物構造100の全体的な快適さを改善するのに役立ちうる。例えば、
図4〜5に図示したように、足接触部材133、またはその他の足接触部材は、ポート14の上にフィットし、少なくともそれを部分的にカバーすることができ、それによって、装着者の足とポート14の間にパッド層が提供される。装着者の足とポート14との間の接触を低減し、望ましくない何らかの感覚を調節するための追加的な特徴を使用してもよい。もちろん、必要に応じて、本発明から逸脱することなく、ポート14の開口部が、足接触部材133の上側表面を通して提供されうる。こうした構成は、例えば、ハウジング24、電子モジュール22、およびポート14のその他の特徴にユーザーの足での感覚を調節するための構造が含まれる、および/またはそれらがそのための材料で製造されている場合、追加的な快適さおよび感覚を調節する要素が提供されている場合、などに使用されうる。装着者の足とハウジング(またはハウジング内に受け入れられる要素)との間の接触の低減または回避、および履物構造の全体的な快適さの改善に役立つ、上述の任意の様々な特徴は、
図4〜5に関連して記載した様々な特徴、ならびその他の既知の方法および技術を含めて、本発明から逸脱することなく提供されうる。
【0051】
ポート14が、ソール構造130内のウェル135に含まれるモジュール22を備えた接触式の通信用に構成されている一つの実施形態において、ポート14は、モジュール22への接続のためにウェル135の内部またはすぐ近くに配置される。当然のことながら、ウェル135がモジュール22のためのハウジング24をさらに含む場合、ポート14のための物理的空間を提供することにより、またはポート14とモジュール22との間の相互接続のためのハードウェアを提供することなどにより、ハウジング24はポート14への接続のために構成されうる。
図3でのポート14の配置は、こうした例の一つを図示するもので、ハウジング24は、モジュール22への接続のためのポート14を受け入れる物理的空間を提供している。
【0052】
図6は、データ送信/受信システム106によるデータ送信/受信機能を含む電子モジュール22の例の概略図を示し、これは、本発明の少なくとも一部の例に従って使用されうる。
図6の構造例は、データ送信/受信システム(TX-RX)106を電子モジュール構造22に統合されたものとして図示しているが、当業者であれば、発明の全ての例において、別個の構成要素が履物構造100の一部としてもしくはデータ送信/受信用のその他の構造として含まれうること、および/またはデータ送信/受信システム106が単一のハウジングもしくは単一のパッケージ内に完全に含まれる必要はないことを理解するであろう。むしろ、必要に応じて、データ送信/受信システム106の様々な構成要素または要素は、本発明から逸脱することなく、異なるハウジング内に、異なるボード上に分けられ、および/または各種の異なる方法で履物物品100もしくはその他の装置と別々に係合しうる。異なる潜在的な取付け構造の様々な例を、下記に詳しく記載する。
【0053】
図6の例において、電子モジュール22は、一つ以上のリモートシステムへのデータの送信および/またはそこからのデータの受信用のデータ送信/受信要素106を含みうる。一つの実施形態において、送信/受信要素106は、上述した接触式または非接触式のインターフェースによるなど、ポート14を通した通信のために構成されている。
図6に示す実施形態において、モジュール22は、ポート14および/またはセンサー16への接続用に構成されたインターフェース23を含む。
図3に図示したモジュール22において、インターフェース23は、ポート14と接続するために、ポート14のインターフェース20の接点に対して補完的な接点を有する。その他の実施形態において、上述のように、ポート14およびモジュール22は、有線または無線でありうる異なるタイプのインターフェース20、23を含みうる。当然のことながら、一部の実施形態において、モジュール22は、TX-RX素子106により、ポート14および/またはセンサー16とのインターフェースをとりうる。したがって、一つの実施形態において、モジュール22は、履物100の外側とすることができ、ポート14は、モジュール22との通信のための無線送信機インターフェースを備えうる。この例の電子モジュール22はさらに、処理システム202(たとえば、一つ以上のマイクロプロセッサ)、メモリシステム204、および電源206(たとえば、電池またはその他の電源)を含む。電源206は、センサー16および/またはセンサーシステム12のその他の構成要素に電力を供給しうる。靴100は追加的にまたは代替的に、必要に応じて、電池、圧電、太陽光電源、またはその他など、センサー16を動作させる別個の電源を含みうる。
【0054】
一つ以上のセンサーへの接続は、TX-RX素子106により達成でき、かつ非常に多様な異なるタイプのパラメータに関するデータまたは情報を感知または提供するための追加的なセンサー(非表示)が提供されうる。こうしたデータまたは情報の例は、履物物品100の使用またはユーザーに関連した物理的または生理学的データを含み、これには、歩行計型の速度および/または距離の情報、その他の速度および/または距離のデータセンサー情報、温度、高度、気圧、湿度、GPSデータ、加速度計出力またはデータ、心拍数、脈拍数、血圧、体温、EKGデータ、EEGデータ、角度方向および角度方向の変化に関するデータ(ジャイロスコープベースのセンサーなど)などが含まれ、かつこのデータは、例えば、送信/受信システム106によってどこかの遠隔の場所またはシステムに送信するために、メモリ204内に保管および/または利用可能にされうる。存在する場合、追加的なセンサーは、加速度計(たとえば、歩行計タイプの速度および/または距離の情報用など、ステップ時の方向の変化を感知するため、ジャンプの高さを感知するためなど)も含みうる。
【0055】
追加的な例として、履物物品に対して自動衝撃減衰制御を提供するために、上述した様々なタイプの電子モジュール、システム、および方法が使用されうる。こうしたシステムおよび方法は、例えば、履物物品の衝撃減衰特性を能動的および/または動的に制御するためのシステムおよび方法を記述した、米国特許第6,430,843号、米国出願公開番号第2003/0009913号、および米国出願公開番号第2004/0177531号に記載のあるものと同様に動作しうる(米国特許番号第6,430,843号、米国出願公開番号第2003/0009913号、および米国特許出願公開番号第2004/0177531号は、それぞれ参照により全体的に本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を成す)。速度および/または距離タイプの情報を提供するために使用するとき、米国特許番号第5,724,265号、第5,955,667号、第6,018,705号、第6,052,654号、第6,876,947号、および第6,882,955号に記載のあるタイプの感知装置、アルゴリズム、および/またはシステムが使用されうる。これらの各特許は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。センサーおよびセンサーシステムの追加的な実施形態、ならびにそれを利用した履物物品およびソール構造および部材については、米国特許出願公報第2010/0063778号および第2010/0063779号に記載があり、参照によりその出願書の全体が本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を成す。
【0056】
図6の実施形態において、電子モジュール22は、起動システム(非表示)を含みうる。起動システムまたはその部分は、電子モジュール22のその他の部分と共に、またはそれとは別個に、モジュール22と、または履物物品100(またはその他の装置)と連動しうる。起動システムが、電子モジュール22および/または電子モジュール22の少なくとも一部の機能(たとえば、データ送信/受信機能など)を選択的に起動するために使用されうる。非常に多様な異なる起動システムが、本発明から逸脱することなく使用されうる。一例において、センサーシステム12は、連続的もしくは交互のつま先/踵タップ、または許容限界力を一つ以上のセンサー16に及ぼすなど、特定のパターンでセンサー16を起動することにより、起動および/または非アクティブ化されうる。別の例において、センサーシステム12は、モジュール22上に、靴100上に、またはセンサーシステム12と通信する外部装置上にある、およびその他の位置に位置しうる、ボタンまたはスイッチにより起動されうる。これらの実施形態のいずれでも、センサーシステム12は、設定された無活動時間の後にシステム12を非アクティブ化できる「スリープ」モードを含みうる。一つの実施形態において、意図的でない起動の場合に備えて、起動後の短時間内にその後の活動がなかった場合には、センサーシステム12は、「スリープ」モードに戻りうる。代替的な一つの実施形態において、センサーシステム12は、起動または非アクティブ化をしない低消費電力装置として動作しうる。
【0057】
モジュール22はさらに、外部装置110との通信用に構成されうるが、これは、
図6に示すように、外部のコンピュータもしくはコンピュータシステム、モバイル機器、ゲームシステム、またはその他のタイプの電子装置でありうる。
図6に示す典型的外部装置110は、プロセッサ302、メモリ304、電源306、ディスプレイ308、ユーザー入力310、およびデータ送信/受信システム108を含む。送信/受信システム108は、モジュール22の送信/受信システム106を介した、任意のタイプの既知の電子的通信による、モジュール22との通信のために構成されており、これには、上記および本明細書の他の場所に記載した接触式および非接触式の通信方法が含まれる。当然のことながら、モジュール22は、非常に多様な異なるタイプおよび構成の電子装置を含めた、複数の外部装置との通信のために構成でき、またモジュール22が通信する相手の装置は、時間経過に伴い変更できる。さらに、モジュール22の送信/受信システム106は、複数の異なるタイプの電子通信用に構成されうる。さらに当然ながら、本明細書に記載した外部装置110は、情報を外部装置110に渡す一つ以上の中間装置を含む、モジュール22、ポート14、および/または互いに通信する2つ以上の外部装置により具体化でき、かつ外部装置110の処理、プログラム/アルゴリズムの実行、およびその他の機能は、外部装置の組合せにより実施されうる。
【0058】
上述のように、本発明に従い、数多くの異なるタイプのセンサーをセンサーシステムに組み込むことができる。
図8は、複数の感圧抵抗体(FSR)センサー216を組み込んだセンサー組立品213を含むセンサーシステム212が含まれる靴100の一つの典型的実施形態を図示する。センサーシステム212は、上述のセンサーシステム12と類似したものであり、また、電子モジュール22と通信するポート14およびFSRセンサー216をポート14に接続する複数のリード線218も含む。モジュール22は、靴100のソール構造130にあるウェルまたは空洞135内に含まれ、ポート14は、ウェル135内でのモジュール22への接続を可能にするためにウェル135に接続される。ポート14およびモジュール22は、接続および通信のための補完的なインターフェース220、223を含む。
【0059】
図8に示す感圧抵抗体は、第一および第二の電極または電気接点240、242と、電極240、242を一緒に電気的に接続するために電極240、242間に配置された感圧抵抗材料244とを含む。圧力が感圧材料244にかかると、感圧材料244の比抵抗および/または導電率が変化し、これが電極240、242間の電位および/または電流を変化させる。抵抗の変化は、センサー216にかかる力を検出するセンサーシステム212により検出できる。感圧抵抗材料244は、様々な方法で圧力下でその抵抗を変化させうる。例えば、力感応材料244は、下記にさらに詳しく説明する量子トンネリング複合体に似た、材料が圧縮されたときに減少する内部抵抗を有しうる。この材料をさらに圧縮するとさらに抵抗を減少することができ、定量的測定や、バイナリー(オン/オフ)測定が可能となる。一部の状況において、このタイプの感圧抵抗挙動は、「体積ベースの抵抗」として描写されることがあり、またこの挙動を示す材料は、「スマート材料」と呼ばれることがある。別の例として、材料244は表面と表面の接触度合いを変化させることで抵抗を変化しうる。これは、圧縮されていない状態で表面抵抗を増加させるマイクロプロジェクションを表面に対して使用することにより(ここでマイクロプロジェクションが圧縮されると表面抵抗は減少する)、または別の電極との表面と表面の接触を増大させるように変形できる可撓性の電極を使用することによってなど、いくつかの方法で達成できる。この表面抵抗は、材料244と電極240、242との間の抵抗、および/または複数層材料244の導電層(例えば、炭素/グラファイト)と力感応層(例えば、半導体)との間の表面抵抗でありうる。圧縮が大きいほど、表面と表面の接触が大きくなり、その結果、抵抗が低くなり、定量的測定が可能となる。一部の状況において、このタイプの感圧抵抗動作は、「接触ベースの抵抗」として描写されうる。本明細書で定義するとおり、感圧抵抗材料244は、ドープまたは非ドープの半導体材料であるか、またはそれを含みうることが理解される。
【0060】
FSRセンサー216の電極240、242は、金属、炭素/グラファイト繊維もしくは複合体、その他の導電性複合体、導電性ポリマーもしくは導電性材料を含むポリマー、導電性セラミックス、ドープ半導体、またはその他任意の導電性材料を含む、任意の導電性材料で形成できる。リード線218は、溶接、ハンダ付け、ろう付け、接着による接合、留め具、またはその他任意の統合型または非統合型の接合方法を含む、適切な任意の方法により、電極240、242に接続できる。別の方法として、電極240、242および関連するリード線218 は、同じ材料の単一ピースで形成されうる。
【0061】
図9〜10は、
図8に示すFSRセンサー216など、センサー16内の感圧抵抗材料Mの使用を大まかに図示する。電極(+)および(−)は、
図9に示すようにその間に電位P1を有する。
図10に示すように、感圧抵抗材料 Mが圧縮されると材料Mの抵抗は変化し、よって、電極(+)および(−)電荷間の電位P2が変化する。材料Mは、体積ベースの抵抗、接触型の抵抗、またはその他のタイプの感圧抵抗の挙動を利用しうる。例えば、
図8におけるセンサー216の感圧抵抗材料244は、この方法で動作しうる。別の例として、下記および
図16〜20に記載した、量子トンネリング複合体、カスタム導電性フォーム、力伝達ゴム、およびその他の感圧抵抗材料は、感圧抵抗の挙動を示す。当然のことながら、電極(+)および(−)の間に配置された材料Mでのサンドイッチ配置など、電極(+)および(−)は、異なる配置で位置付けられうる。
【0062】
図8に示す実施形態の例において、FSRセンサー216の電極240、242は、絡み合うまたは互いにかみ合う複数のフィンガー246を有し、感圧抵抗材料244は、電極240、242を相互に電気的に接続するためにフィンガー246間に配置されている。
図8に示す実施形態において、各リード線218は、モジュール22からそれぞれのリード線218が接続されているセンサー216に独立的に電力を供給する。当然のことながら、センサーリード線218は、各電極240、242からポート14に延びる別個のリード線を含むことができ、また本明細書の他の場所に記載されているように、モジュール22は、別個の電源リード線18A、1318Aを通すことによるなど、こうした別個のリード線を通して電極240、242に電力を供給しうる。
【0063】
センサーシステム212での使用に適した感圧抵抗体は、Sensitronics LLCなどの供給元から市販されている。使用に適切でありうる感圧抵抗体の例は、米国特許番号第4,314,227号および第6,531,951号に表示および記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を成す。
【0064】
図27〜28は、履物物品100に組み込むためのFSRセンサーシステム1312の別の実施形態を図示する。センサーシステム1312は、
図3に示す構成と同様に、第一趾骨(親指)エリア内に配置された第一のセンサー1316、第一中足骨頭エリアに配置された第二のセンサー1316、第五中足骨頭エリアに配置された第三のセンサー1316、および踵エリア内に配置された第四のセンサー1316といった4つのセンサー1316を含む。センサー1316はそれぞれ、センサー1316をポート14に接続するセンサーリード線1318を有する。さらに、電源リード線1318Aは、ポート14から延び、4つの全てのセンサー1316に接続されている。電源リード線1318Aは、様々な実施形態において並列、直列、またはその他の構成で接続でき、また各センサー1316は、別の実施形態では個別の電源リード線を有しうる。
図28に示すように、各リード線1318、1318Aは、ポート14に接続されたモジュール(非表示)への接続およびデータ転送のためにポート14に接続される。当然のことながら、ポート14は、本明細書に記載した任意の構成を有しうる。この実施形態において、リード線1318、1318Aは、
図5Aに示すように複数の接続ピン62を備えた5ピン式接続に適するように位置付けられている。
【0065】
図8に関連して上述したシステム212と同様に、センサーシステム1312の各センサー1316は、第一および第二の電極または電気接点1340、1342と、電極1340、1342をまとめて電気的に接続するために電極1340、1342の間に配置された感圧抵抗材料1344とを含む。圧力が感圧材料1344にかかると、感圧材料1344の比抵抗および/または導電率が変化し、これが電極1340、1342間の電位を変化させる。抵抗の変化は、センサー1316にかかる力を検出するセンサーシステム1312により検出できる。さらに、FSRセンサー1316はそれぞれ、絡み合うまたは互いにかみ合う複数のフィンガー1346を有し、感圧抵抗材料1344は、電極1340、1342を互いに電気的に接続するために、フィンガー1346間に配置されている。
【0066】
図27〜28に示すセンサーシステム1312の実施形態において、各センサー1316は、金属層上に接触面を形成する導電性金属層および炭素層(カーボンブラックなど)により構成された2つの接点1340、1342を含む。センサー1316はまた、これも炭素(カーボンブラックなど)の層またはパドルで構成された感圧抵抗材料1344を含み、これは電極1340、1342の炭素接触面と接触している。炭素同士の接触によって、圧力下でより大きな導電率の変化を生じることができ、センサー1316の有効性が増大する。リード線1318、1318Aは、この実施形態において、接点1340、1342の金属層の材料と同一でありうる導電性金属材料により構成される。一つの実施形態において、リード線1318、1318Aおよび接点1340、1342の金属層は、銀で構成される。
【0067】
図27〜28に示すように、この実施形態の例において、センサーシステム1312は、後述するように、足接触部材133とミッドソール部材131の間など、組み合わせて履物物品に挿入するためのインサート部材1337を形成する、2つの可撓性の層1366および1368で構成される。層は、可撓性のポリマー材料など、可撓性の任意の材料で形成できる。一つの実施形態において、層1366、1368は、厚み0.05〜0.2mmの成形しやすい薄いマイラ(Mylar)材料で形成される。インサート1337は、まず第一の層1366上に、例えば印刷により、リード線1318、1318Aおよびセンサー1316の電極1340、1342のトレースパターンで導電性金属材料を配置し、
図27に示す構成を形成することにより構成される。次に、追加的な炭素接触層が、センサー1316の電極1340、1342をトレースしながら第一の層1366上に配置され、炭素感圧抵抗材料1344が、これも
図27に示すように、第二の層1368上にパドルとして配置される。全ての材料が配置された後、電極1340、1342が、感圧抵抗材料1344のパドルと整列して、履物物品100に挿入するためのインサート部材1337を形成するように、層1366、1368が、
図28に示すように重ね合わせ法で配置される。当然のことながら、導電性金属材料および炭素材料1344は、互いに向かい合った層1366、1368の面上に配置される(例えば、最下層1366、1368の上側表面と、最上層1366、1368の下側表面)。一つの実施形態において、この方法で構成されたセンサーシステム1312は、10〜750 kPaの範囲の圧力を検出できる。さらに、センサーシステム1312は、この範囲の少なくとも一部分の全体にわたる圧力を高い感度で検出できる能力を有しうる。
【0068】
図29〜32は、履物物品100に組み込むためのFSRセンサーシステム1412の別の実施形態を図示する。センサーシステム1412は、
図3および
図27〜28に示す構成と同様に、第一趾骨(親指)エリア内に配置された第一のセンサー1416、第一中足骨頭エリアに配置された第二のセンサー1416、第五中足骨頭エリアに配置された第三のセンサー1416、および踵エリア内に配置された第四のセンサー1416といった4つのセンサー1416を含む。センサー1416はそれぞれ、センサー1416をポート14に接続するセンサーリード線1418を有する。さらに、電源リード線1418Aは、ポート14から延び、4つの全てのセンサー1416に接続されている。電源リード線1418Aは、様々な実施形態において並列、直列、またはその他の構成で接続でき、また各センサー1416は、別の実施形態での個別の電源リード線を有しうる。
図29に示すように、各リード線1418、1418Aは、ポート14に接続されたモジュール(非表示)への接続およびデータ転送のためにポート14に接続される。当然のことながら、ポート14は、本明細書に記載した任意の構成を有しうる。この実施形態において、リード線1418、1418Aは、
図5Aに示すように複数の接続ピン62を備えた5ピン式接続に適すように位置付けされる。
【0069】
図26〜28に関連して上述したシステム1312と同様に、
図29〜32に示すセンサーシステム1412の各センサー1416は、第一および第二の電極または電気接点1440、1442と、電極1440、1442をまとめて電気的に接続するために電極1440、1442の間に配置された感圧抵抗材料1444とを含む。この実施形態において、
図26〜28の実施形態と同様に、電極1440、1442は、下記にさらに詳しく記載するように、電極1440、1442および感圧材料1444が、表面間接触で互いに係合することができる向かい合った表面を有するように、感圧材料1444の表面と接触して位置する。力/圧力が感圧材料1444にかかると、感圧材料1444の比抵抗および/または導電率が変化し、これが電極1440、1442間の電位および/または電流を変化させる。抵抗の変化は、センサー1416にかかる力を検出するセンサーシステム1412により検出できる。さらに、FSRセンサー1416の電極1440、1442はそれぞれ、絡み合うまたは互いにかみ合う複数のフィンガー1446を有し、感圧抵抗材料1444は、電極1440、1442を互いに電気的に接続するために、フィンガー1446間に配置されている。
【0070】
図29〜32に示すセンサーシステム1412の実施形態において、各センサー1416は、
図27〜28のセンサー1316に関連して上述のように、導電性金属層と、オプションとして炭素層(カーボンブラックなど)により構成されて金属層(非表示)上に接触面を形成する2つの電極1440、1442を含む。センサー1416はまた、これも炭素(カーボンブラックなど)の層、パッチ、またはパドル1444Aで構成された感圧抵抗材料1444を含み、これは電極1440、1442の炭素接触面と接触している。リード線1418、1418Aは、この実施形態において、電極1440、1442の金属層の材料と同一でありうる導電性金属材料により構成される。一つの実施形態において、リード線1418、1418Aおよび電極1440、1442 の金属層は、銀で構成される。
【0071】
図32に示すように、感圧材料1444のパッチ1444Aは、互いに分離または実質的に分離している複数のローブ1470で形成される複数ローブ構造を有する。
図29〜32に示す実施形態において、感圧材料1444のパッチ1444Aは、ギャップ1471によって分離された3つのローブ1470を有する。ローブ1470は互いに実質的に分離しており、またブリッジ1472がローブ1470間で電気的接続を形成するように、ギャップ1471を横断して延びるブリッジ1472により接続されている。
図32の構成において、ローブ1470は、列を成して配置され、また3つのローブ1470間に2つのギャップ1471を有し、各ギャップ1471はそれを横切って架かるブリッジ1472を有する。言い換えれば、列の中央のローブ1470は、その他の2つのローブ1470からギャップ1471により分離され、ギャップ1471を横切って延びるブリッジ1472は、中央のローブ1470をその他の2つのローブ1470に接続している。さらに、この構成において、ブリッジ1472のうち一つは、パッチ1444Aの一方の外側に位置し、その他のブリッジ1472は、パッチ1444Aの反対側の外側に位置し、パッチ1444A に実質的なS型構造を与えている。さらに、ギャップ1471は、この実施形態において、直線で細長い構成を有し、センサー1416が取り付けられているインサート1437の材料は、後述のとおり、ギャップ1471内に延びるスリット1476を有しうる。その他の実施形態において、パッチ1444Aは、ローブでないか、または異なるように構成されたローブ1470、ギャップ1471、および/もしくはブリッジ1472を有する異なる複数ローブ構造など、異なる構造を有しうる。例えば、パッチ1444Aは、2ローブ構造を有しうるか、または3つのブリッジ1472を有する三角形状などの異なる構造を有する3ローブ構造を有しうるか、または相互に電気的に接続されていないローブ1470をさらに有しうる。
【0072】
電極1440、1442は、この実施形態において、
図31〜32に示すように、上述の電極1340、1342と同様に、スペースのあいた複数のフィンガー1446を有する。各電極1440、1442は、感圧材料のパッチ1444Aのそれぞれのローブ1470と接触した複数のフィンガー1446のうちの少なくとも一つを有する。さらに、電極1440、1442はそれぞれ、フィンガー1446間のその他のスペースよりも大きい2つの拡張したスペース1473を有し、スペース1473は感圧材料のギャップ1471上に重なるように位置する。スペース1473のゆえに、電極1440、1442は、ギャップ1471内に位置するフィンガー1446を持たない。言い換えれば、この実施形態において、電極1440、1442は、感圧材料1444のパッチ1444Aに類似した、スペース1473により実質的に分離されたローブを有する実質的にS字型の複数ローブ構造を有するものと考えられうる。さらに、この構成は、センサー1416にかかる力とセンサー1416により生成される信号との間での望ましい関係または比例性を達成するうえでの助けとなりうる。一つの実施形態において、センサー1416は、力の漸進的な増大に伴い、信号強度の漸進的な変化を生成するが、こうした関係は、本質的に直線または曲線となりうる。例えば、一つの実施形態において、かけられた力と結果生じる信号の間の関係は、1に近づく傾きを有する線形であるが、言い換えれば、信号は、かけられた力に対して凡そ1:1の比率で増大および減少する。信号はかけられた力に正比例する方法で変化するため、かけられた力と抵抗/出力との間のこの関係により、かけられた力の正確な決定が可能となる。したがって、この実施形態において、センサーシステム1412は、センサー1416にかかった力を正確に反映する信号およびデータを生成でき、これはその他の目的があるなかで、例えば、センサー1416にかかる力を正確に測定するため、またはセンサー1416にかかる力の相対的差異を正確に決定するために使用できる。その他の実施形態において、センサー1416にかかる力は、結果的な信号に対して異なる関係または比例性を有することがあり、また一つの実施形態においては、単純なバイナリー(オン・オフ)スイッチング関係でありうる。
【0073】
図32に示すように、この実施形態の例において、センサーシステム1412は、組み合わせて、履物物品に、例えば後述するように足接触部材133とミッドソール部材131の間などに挿入するためのインサート部材1437を形成するための、2つの可撓性の層1466および1468で構成される。層は、可撓性のポリマー材料など、可撓性の任意の材料で形成できる。一つの実施形態において、層1466、1468は、薄いPET(例えば、Teslin)もしくはマイラ(Mylar)材料、または本明細書に記載した材料を含むその他任意の適切な材料で形成される。一つ以上の追加的な保護層(非表示)も、インサート1437内に使用され得、これは第一の層と第二の層1466、1468と同一の材料または異なる材料で作成されうる。インサート1437は、まず第一の層1466上に、例えば印刷により、リード線1418、1418Aおよびセンサー1416の電極1440、1442のトレースパターンで導電性金属材料を配置し、
図29〜32に示す構成を形成することによって構成される。次に、もしある場合、追加的な炭素接触層が、センサー1416の電極1440、1442をトレースしながら第一の層1466上に配置され、炭素感圧抵抗材料1444が、これも
図32に示すように、第二の層1468上にパドルまたはパッチ1444Aとして配置される。全ての材料が配置された後、電極1440、1442が、感圧抵抗材料1444のパドルと整列して、履物物品100に挿入するためのインサート部材1437を形成するように、層1466、1468は、
図32に示すように重ね合わせ法で配置される。層1466、1468は、一つの実施形態において、接着剤またはその他の結合材料により共に接続でき、またその他の実施形態において、層1466、1468の接続に、ヒートシール、スポット溶接、またはその他の既知の技術など、各種のその他の技術を使用できる。一つの実施形態において、この方法で構成されたセンサーシステム1412は、10〜750 kPaの範囲の圧力を検出できる。さらに、センサーシステム1412は、この範囲の少なくとも一部分の全体にわたる圧力を高い感度で検出できる能力を有しうる。
【0074】
図29〜32に図示したインサート1437は、
図27〜28でのインサート1337の構成など、その他のインサート構成よりも少ない材料を使用しうる構成を有する。インサート1437の構成は、引き裂きや裂け/亀裂の伝播への耐性、製造中または製造後の靴への挿入のしやすさにおいてなど、追加的な利点を提供しうる。この実施形態において、インサート1437は、外側の足前方部エリアまたは外側および内側の踵エリア等における不必要なことがあるインサート1437領域の材料切抜き部分をいくつか有する。この構成でのインサート1437は、ユーザーの足の中足および/または足前方部(すなわち、中足骨)領域により係合されるように構成された中央部分1474Aを有し、第一趾骨部分1474B、および中足部1474Aの反対側の端部から延びる踵部分1474Cは、それぞれ、ユーザーの足の第一趾骨領域および踵領域によって係合されるように構成されている。当然のことながら、ユーザーの足の形状に応じて、第一趾骨部分1474Bは、ユーザーの足の第一趾骨領域のみに係合しうる。この実施形態において、第一趾骨部分1474Bおよび踵部分1474Cが、より広い中央部分1474Aから細長いく延びるインサート材料の細片または舌革として構成されるように、中央部分1474Aの幅は、第一趾骨部分1474Bや踵部分1474Cの幅よりも大きい。本明細書で参照したように、インサート1437の部分の幅は、内外方向に測定され、長さは前後方向に測定される。
図29〜32の実施形態において、センサー1416は、上述のように、
図3のセンサー16A〜Dと同様に配置されている。第一趾骨部分1474Bは、ユーザーの第一趾骨が係合する、その上に位置するセンサー1416の一つを有し、また、踵部分1474Cは、ユーザーの踵が係合する、その上のセンサー1416のうちの別の一つを有する。残りの2つのセンサー1416は、インサート1437の足前方部エリアの中央部分1474A上に位置し、具体的には、ユーザーの足のそれぞれ第一および第五中足骨頭領域が係合する第一中足骨頭領域と、第五中足骨頭領域とに位置する。
【0075】
図29〜32に示す実施形態において、インサート1437は、インサート1437周囲を画定し、また上述のように、いくつかの切り抜き部分のある周辺端1475を有する。例えば、インサート1437は、第二から第五までの趾骨領域にまたはその周辺に切り抜き部分を有し、また踵部分1474Cの内側および外側の端に2つの切り抜き部分を有する。別の方法で説明すると、周辺端1475は、中央部分1474Aの内側から第一趾骨部分1474Bの内側に延びる前方内側端1475A、中央部分1474Aの外側から第一趾骨部分1474Bの外側に延びる前方外側端1475B、中央部分1474Aの内側から踵部分1474Cの内側に延びる後方内側端1475C、および中央部分1474Aの外側から踵部分1474Cの外側に延びる後方外側端1475Dを有する。前方外側端1475Bは、内向きに湾曲しているか、またはそうでなければ湾入した形状を有し、切り抜き部分を形成しているが、一方で前方内側端1475Aは外向きに湾曲した形状を有する。さらに、後方内側端1475Cおよび後方外側端1475Dはそれぞれ、少なくとも一つの内向きに湾曲したまたはその他の方法で湾入した端部を有し、その他の切り抜き部分を形成する。切り抜き部分は、第一趾骨部分1474Bおよび踵部分1474Cに、その細長い片または舌革の構成を与える。当然のことながら、インサート1437は、任意の数の異なる構成、形状、および構造を有することができ、異なる数および/または構成のセンサー1416を含み、異なるインサート構造または周辺形状を有しうる。
【0076】
図29〜32のインサート1437は、インサート1437の材料に複数のスリット1476を追加的に有し、これはインサート1437の曲げおよび折り曲げの特性に影響を与えうる。例えば、スリット1476は、センサー1416の圧縮時などに、インサート1437の周辺領域のより均一な折り曲げを可能にし、センサー1416に対して、より法線にちかい(すなわち、垂直の)力を生成する。センサー1416は、一般に曲げ力、ねじり力、またはせん断力よりも、法線力に対してより効果的に作動し、したがって、この結果、ノイズおよび/または歪みの少ない、よりきれいな信号となりうる。少なくともスリット1476のいくつかは、センサー1416の付近に配置することができ、インサート1437の周辺端1475から内向きに延びうる。さらに、スリット1476の一つ以上は、センサー1416の一つ以上の内部のギャップ、ノッチ、湾入などの中に配置されうる(上述のギャップ1471など)。
図29〜32に示す実施形態において、2つのスリット1476は各センサー1416の付近に位置し、各スリット1476は、感圧材料1444にあるローブ1470間のギャップ1471の一つへと延びる。この実施形態において、スリット1476は細長く、インサート1437の材料を完全に通り抜けて延びる。さらに、スリット1476のいくつかは、インサート1437の周辺端1475から内向きに延び、そのほかは、完全にインサート1437の内部に位置し、周辺端とは接触しない。当然のことながら、インサート1437は、様々な実施形態において、センサー1416および/または構成の異なるスリット1476の境界にまで延びていない、追加的なスリット1476を含みうる。
【0077】
図29〜32にさらに示すように、一つの実施形態において、インサート1437は任意で、インサート1437の圧縮および/または折り曲げ時にインサート1437を通過する空気の流れを許容するよう構成された内部気流システム1477を含みうる。気流システム1477は、センサー1416に、またはその周辺になど、適切な位置に配置された一つ以上の空気室1478を含むことができ、また、空気室1478と連通する一つ以上のエアリザーバー1479を含みうる。
図29〜32に図示したインサート1437の実施形態は、
図31Aにより詳細に示す内部気流システム1477を有し、これは4つの空気室1478を含み、4つの空気室1478はセンサーシステム1412の4つのセンサー1416に位置する。気流システム1477はまた、空気の通路1480を経由して、それぞれ空気室1478の一つ以上と連通する2つのエアリザーバー1479を含む。一つのエアリザーバー1479は、インサート1437の中央部分1474Aに位置し、第一趾骨部分1474Bのセンサー1416に位置する第一の空気室1478、ならびに中央部分1474Aの第一中足骨頭および第五中足骨頭の領域にあるセンサー1416に位置する第二および第三の空気室1478である、3つの空気室1478と連通する。その他のエアリザーバー1479は、インサート1437の踵部分1474Cに位置し、踵部分1474Cにあるセンサー1416に位置する第四の空気室1478と連通する。気流システム1477は、隣接するセンサー1416の圧縮または折り曲げによるなど、空気室1478および/またはエアリザーバー1479の周辺の領域が圧縮されたとき、空気室1478とエアリザーバー1479との間の空気の流れを許容するよう構成されている。図示した実施形態において、空気室1478は、動作時に著しい圧縮を経験する領域に位置し、気流システム1477は、インサート1437の部分の折り曲げおよび変形の制御に役立つ。その他の実施形態において、気流システム1477は、
図36に図示し、後述する実施形態など、異なる数または構成の空気室1478、エアリザーバー1479、および/または空気の通路1480を含みうる。一つの実施形態において、インサート1437は、
図31に図示したように、気流システム1477の構成要素の一つ内に位置するか、またはそれと連通する一つ以上の通気孔1484を有しうる。例えば、通気孔1484は、空気室1478の一つ以上、エアリザーバー1479の一つ以上、空気の通路1480の一つ以上、および/またはその任意の組合せと連通しうる。この構成の通気孔1484は、気流システム1477からインサート1437の外側への空気通過を許容しうる。さらに、一つ以上の通気孔1484は、層1466、1468の一つ以上を通してではなく、インサート1437の周辺端に伸びうる。
【0078】
図31Aに示す実施形態における空気室1478は、上述のように、感圧材料1444のパッチ1444Aと類似した複数ローブ構造を有する。したがって、この実施形態において、空気室1478は、ギャップ1482により分離された3つのローブ1481を有する。ローブ1481は互いに実質的に分離し、ブリッジ1483がローブ1481間の気流のための通路を形成するように、ギャップ1482を横切って延びるブリッジ1483により接続されている。
図31Aに示す構成において、ローブ1481は、列を成して配置され、3つのローブ1481間に2つのギャップ1482を有し、各ギャップ1482は、上述のパッチ1444Aと同様に、それを横切って架かるブリッジ1483を有する。さらに、この構成において、ブリッジ1483のうち一つは、各空気室1478の一方の外側に位置し、その他のブリッジ1483は、空気室1478の反対側の外側に位置し、各空気室1478 に実質的にS型構造を与えている。この実施形態において、空気室1478は、感圧材料1444のパッチ1444Aと実質的に同一の形状であり、感圧材料1444に関して実質的に重なった位置に位置する。この配置において、空気室1478のギャップ1482は、スリット1476が同様に空気室1478内のギャップ1482内に延びるように、感圧材料1444のギャップ1471と同一の位置に位置する。その他の実施形態において、空気室1478の一つ以上は、異なる形状または構成を有しうる。
【0079】
図29〜32に示す実施形態において、気流システム1477の空気室1478、エアリザーバー1479、および空気の通路1480は、インサート材料の層1466、1468間のスペースにより形成される。層1466、1468は、上述のように、気流システム1477の構成要素の形状が互いに封着されていない層1466、1468の領域によって画定されるよう、例えばヒートシール、結合材料、またはその他の接合技法等により、互いに封着することができる。例えば、一つの実施形態において、層1466、1468は、一方または両方の層1466、1468に塗られた接着剤またはその他の結合材料により、印刷または別の技法により、互いに封着され、また気流システム1477は、空気室1478、エアリザーバー1479、および空気の通路1480を画定する領域に接着剤を塗らないことにより形成される。空気室1478および/またはエアリザーバー1479は、層1466、1468の分離を保つのに役立つ非伝導材料(非表示)の塗布を含みうる。さらに、一つの実施形態において、一方または両方の層1466、1468は、使用および/または製造中に、層1466、1468間から空気を逃がすための少なくとも一つの通気孔1484を有しうる。通気孔1484は、
図31には、インサート1437の封着された領域内に位置するように示されているが、インサート1437は、上記に言及したとおり、追加的または代替的に気流システム1477の構成要素のうちの一つの中に位置する通気孔1484を有しうる。通気孔1484は、気流システム1477に加えて、またはその代わりに使用できる。通気孔1484は、層1466、1468の接続後に封着して閉じて、空気の再進入を防ぎうる。
【0080】
インサート1437は、その上にラフィックデザイン1485またはその他の印も含みうる。グラフィックデザイン1485は、インサート1437の層1466、1468のうち一方または両方に配置された一つ以上のグラフィック層1486上に供給されうる。
図32に図示した実施形態において、インサート1437は、その上にグラフィックデザインまたは印1485を含む追加的なグラフィック層1486を含む。この実施形態において、グラフィック層1486は、第一の層1466の上に位置し、第一の層1466に対して封着される。グラフィック層1486は、第一の層と第二の層1466、1468と同一の周辺形状およびプロフィールを有するが、別の実施形態においては、グラフィック層1486は、第一の層と第二の層1466、1468よりも小さい周辺サイズを含む、異なる形状を有しうる。さらに、グラフィック層1486は、その他の層1466、1468と同一の材料、または異なる材料で作成されうる。グラフィックデザイン1485は、任意の適切な構成を有しうる。
図33に示す一つの実施形態において、グラフィックデザイン1485は、センサー1416および/もしくはセンサーシステム1412または気流システム1477のその他の構成要素の様式化された、または様式化されていない描画を含みうる。
【0081】
図33は、
図29〜32のセンサーシステム1412の代替的な実施形態を図示し、ここで、感圧材料1444に対する層1466、1468の向きおよび電極1440、1442の向きが逆になっている。言い換えれば、その上に導電材料を有し電極1440、1442を形成する第一の層1466が、構造において下部の層として位置し、その上に感圧材料1444を有する第二の層1468が、第一の層1466の上に位置する。層1466、1468、電極1440、1442、および感圧材料1444は、そうでなければ、上述した同一の形態または構成で提供できる。さらに、
図33に示すセンサーシステム1412の実施形態には、上記に言及したとおり、センサー1416の様式化された、または様式化されていないバージョンの形態でのグラフィックデザイン1485を有するグラフィック層1486が含まれるが、これは、ユーザーに対してセンサー1416が位置する場所を示すために使用できる。
【0082】
図34〜36は、履物物品100への組み込みのためのFSRセンサーシステム1512の別の実施形態を図示する。センサーシステム1512は、
図29〜32に示す構成と同様に、第一趾骨(親指)エリア内に配置された第一のセンサー1516、第一中足骨頭エリアに配置された第二のセンサー1516、第五中足骨頭エリアに配置された第三のセンサー1516、および踵エリア内に配置された第四のセンサー1516といった4つのセンサー1516を含む。
図34〜36に示す実施形態のセンサーシステム1512は、数多くの面で、
図29〜32に示す実施形態のセンサーシステム1412と同一に、または実質的に類似して構成されうる。したがって、センサーシステム1512の少なくとも一部の特徴は、簡潔にするために、あまり詳細に説明されないことがあるが、当然のことながら、差異が記載されている箇所を除き、
図29〜32のセンサーシステム1416の記述は、センサーシステム1512の記述に組み込まれる。また当然のことながら、センサーシステム1512は、上述および
図33に示す、センサーシステム1412の実施形態の任意の特性を有しうる。
【0083】
図34〜36に図示したセンサー1516は、
図29〜32のセンサー1416と実質的に同一に構成される。この実施形態のセンサー1516 はそれぞれ、センサー1516をポート14に接続するセンサーリード線1518を有する。さらに、電源リード線1518Aは、ポート14から延び、4つの全てのセンサー1516に電力を供給するために直列構成で4つの全てのセンサー1516に接続される。
図29〜32におけるセンサー1416と同様に、センサーシステム1512の各センサー1516は、第一および第二の電極または電気接点1540、1542と、電極1540、1542をまとめて電気的に接続するために電極1540、1542の間に配置された感圧抵抗材料1544とを含む。この実施形態において、
図29〜32の実施形態と同様に、電極1540、1542は、感圧材料1544の表面と接触して位置する。また、
図29〜32の実施形態と同様に、電極1540、1542は、絡み合うまたは相互にかみ合う複数のフィンガー1546を有する。当然のことながら、センサー1516は、上記に
図29〜32に関連して記述したものと同一の方法で構造化され、また同一の方法で同様に機能する。
【0084】
図34に示すように、この実施形態において、感圧材料1544のパッチ1544Aは、互いに分離または実質的に分離している複数のローブ1470で形成される複数ローブ構造を有する。感圧材料1544のパッチ1544Aは、
図29〜32の感圧材料1444と実質的に同一に構成され、細長いギャップ1571により分離されたローブ1570を有し、ブリッジ1572がギャップ1571を横切って延び、ローブ1570間に電気的接続を形成する。上述と同様に、パッチ1544Aは、実質的にS型構造を有しうる。また上述のように、各電極1540、1542は、感圧材料1544のパッチ1544Aの各ローブ1570と接触した複数のフィンガー1546のうちの少なくとも一つを有する。さらに上述のように、この実施形態において、電極1540、1542は、感圧材料1544におけるギャップ1571の上に位置する2つの拡張したスペース1573を有する複数ローブ構造を有する。
【0085】
図34〜36の実施形態において、センサーシステム1512は、
図29〜32に関連して上述したように、組み合わせて履物物品に挿入するためのインサート部材1537を形成するための、2つの可撓性の層1566および1568で構成される。上述のように、第一の層1566は、その上に位置する電極1540、1542およびリード線1518、1518Aを有することができ、また第二の層1568は、その上に感圧材料1544を有しうる。
図34〜36から、この実施形態のインサート1537の周辺形状および周辺端1575の輪郭は、
図29〜32のインサート1437のものとは異なり、インサート1537の形状は、
図27〜28のインサート1337の形状とより類似していることが見て取ることができる。当然のことながら、この実施形態のインサート1537は、グラフィックデザインまたは印(非表示)も含みうるが、これは、上述および
図32および33に示すグラフィックデザイン1485およびグラフィック層1486と類似したグラフィック層(非表示)上に提供されうる。
【0086】
図34〜36のインサート1537 は、インサート1537の材料に複数のスリット1576を有し、これはインサート1576を完全に通り抜けて延びうる。スリット1576は、ギャップ1571内で、またはその他の方法でセンサー1516内に内部的に延びることを含めて、センサー1516の近辺に配置でき、また上述のインサート1437と同様に、インサート1537の周辺端1575から内向きに延びうる。
図34〜36に示すインサート1537のスリット1576は、
図29〜32のスリット1476とは異なって構成される。スリット1576の一部は、異なる長さおよび形状を有し、また踵センサー1516は、感圧材料1544のギャップ1571内にスリット1576を有さない。さらに、インサート1537は、センサー1516内には延びない多数のスリット1576を有し、これには、インサート1537の踵領域にあるセンサー1516の周辺に位置する複数の周辺スリット(集合的に、1576A)が含まれる。周辺スリット1576Aは、インサート1537の踵領域での周辺端1575の輪郭に沿って湾曲したスリット1576であり、踵センサー1516周囲のまわりで湾曲する。上述および
図29〜32に示すスリット1476と同様に、スリット1576は、センサー1516の圧縮時などに、インサート1537の周辺領域のさらに均一な折り曲げを可能にでき、センサー1516に対して、より法線に近い圧縮が生成されうる。例えば、インサート1537の踵領域にある周辺スリット1576Aにより、踵の圧縮時にインサート1537がセンサー1516の周辺で「カッピング」形状に折れ曲がることが可能になり、これによりセンサー1516に対してより法線に近い力が生成される。
【0087】
また
図29〜32に関連して上述したように、一つの実施形態において、インサート1537は任意で、インサート1537の圧縮および/または折り曲げ時にインサート1537を通過する空気の流れを許容するよう構成された内部気流システム1577を含みうる。この実施形態の気流システム1577は、
図36にさらに詳しく示す。
図34〜36に図示したインサート1537の実施形態は、4つの空気室1578を含む内部気流システム1577を有し、4つの空気室1578はセンサーシステム1512の4つのセンサー1516に位置する。気流システム1577はまた、空気の通路1580を経由してそれぞれ空気室1578の一つ以上と連通する2つのエアリザーバー1579を含む。1つのエアリザーバー1579は、第一趾骨センサー1516に位置する第一の空気室1578、ならびに第一中足骨頭および第五中足骨頭の領域のセンサー1516に位置する第二および第三の空気室1578である、3つの空気室1578と連通する。その他のエアリザーバー1579は、踵領域内に位置し、踵領域内のセンサー1516に位置する第四の空気室1578 と連通する。気流システム1577は、
図29〜32の気流システム1477に関連して上述したものと実質的に同一に機能する。エアリザーバー1579および空気の通路1580は、
図31Aと
図36の間の比較で見られるように、
図29〜32に示す気流システム1477のものとは異なる形状および位置を有する。さらに、この実施形態において空気室1578は、上述の
図29〜32の空気室1478と実質的に同一の複数のローブ構造を有し、ギャップ1582により分離され、ギャップ1582を横切って延びるブリッジ1583により接続されている3つのローブ1581を有する。気流システム1577の構成要素も、
図29〜32の気流システム1477に関連して上述したものと同一の技術を使用して形成できる。さらに、インサート1537は、上述のように、一つ以上の通気孔(非表示)を含みうる。
【0088】
図8および
図27〜36に示すセンサーシステム212、1312、1412、1512、および
図27〜36に示すインサート1337、1437、1537は、
図4および5に示すように、靴100内部の足接触部材133とミッドソール部材131の間に実現できる。一つの実施形態において、FSRセンサーシステム212、1312、1412、1512は、靴100の製造時に、アッパー120をミッドソール131およびアウトソール132に接続した後で、ミッドソール部材131の上方(およびストロベルが存在する場合にその上方)に挿入され、その後、足接触部材133をセンサーシステム212、1312、1412、1512上に挿入できる。さらに、一つの実施形態において、センサーシステム212、1312、1412、1512は、
図12および
図27〜36に示すインサート部材437、1337、1437、1537など、インサート部材の一部として挿入できる。
図11〜14は、FSRセンサーを靴100などの履物物品に実施する追加的な例を図示する。
図11〜14に示す実施形態は、上述および
図4に示すように、電子モジュール22を受け入れるためのその中のウェル135と、モジュール22への接続のためのポート14とを有する、ミッドソール部材131を図示する。しかしながら、当然のことながら、ウェル135および/またはポート14は、
図5に示すように全体的または部分的に足接触部材133の内部に、または靴100のほかの場所など、他の場所に配置されうる。
【0089】
一例として、
図11は、FSRセンサーシステム312を含む履物物品のソール構造130の部分を図示するもので、ミッドソール部材131はそれに接続されたFSRセンサー組立品313を有する。この実施形態において、FSRセンサー316は、ミッドソール部材131内に部分的に埋め込まれ、またセンサーリード線318は、ミッドソール部材131の上側表面に接続される。当然のことながら、ミッドソール部材131は、ミッドソール部材131内にセンサー316を保持するためにそれを覆う層を有することができ、またセンサー318は、全体的または部分的にミッドソール部材131内に埋め込むことができ、あるいは、ミッドソール部材131はセンサー316を挿入するための「ポケット」を有しうる。ミッドソール部材131 は、それに接続されたポート14も有する。ポート14は、センサーリード線318に接続され、ウェル135内に受け入れられる電子モジュール22との接続のためにウェル135内に位置する。センサーリード線318は、ポート14への接続のためにポート14に近接してインターフェース319を形成する。
【0090】
別の例として、
図12は、FSRセンサーシステム412を含む履物物品のソール構造130の一部を図示するもので、追加ソール部材437はFSRセンサー組立品413を含む。この実施形態において、追加ソール部材437は、足接触部材133とミッドソール部材131の間に挿入するよう構成されたインサートまたはライナーである。インサート437は、FSRセンサー416およびそれに接続されたセンサーリード線418を有する。インサート437は、上述および
図27〜28に示すインサート1337の構成と類似した構成を有しうるか、または、別の構成を有しうる。さらに、この実施形態において、インサート437は、センサーを所定位置に保持するための、上に取り付けられたFSRセンサー416およびセンサーリード線418を有する、可撓性のポリマーウェビング材料の薄い層である。当然のことながら、センサー416および/またはリード線418は、全体的または部分的にインサート437のポリマー材料内に埋め込まれうる。別の実施形態において、インサート437は、結合またはウェビング材料は何もなしに、完全にセンサー組立品413から構成されうる。インサート437はまた、ポート14へのセンサーリード線418の接続のために構成され、インサート437が足接触部材133とミッドソール131との間に位置するとき、センサーリード線418のインターフェース419は、ポート14によって接続するためにウェル135の内部またはそれに隣接するように位置し、電子モジュール22はウェル135内に受け入れられる。さらに、ソール構造130には、異なる構成のセンサー416 を有する一つ以上のその他のインサート437を提供できる。これらのその他のインサート437は、足接触部材133を持ち上げて、1つのインサートを別の異なる構成のインサート437と置き換えることにより、取り外して置き換えが可能である。これにより、必要に応じて、単一の履物物品は、異なる用途のために異なるセンサー416の構成で使用できるようになる。例えば、後述するように、センサーシステム412は、外部装置110との通信のために構成でき、また外部装置110で実行する異なるゲームまたはその他のプログラム用にセンサー416の異なる構成を使用できる。さらに、インサート437は、異なるサイズの数多くの異なる履物物品で使用して、汎用性を提供できるような大きさでありうる。
【0091】
図13に示す代替的な一つの実施形態において、インサート、ライナー、またはその他の追加ソール部材437Aは、足接触部材133の上部に配置するためにセンサー組立品412Aと共に構成できる。このインサート437Aは、センサー416Aとそれに接続されたセンサーリード線418Aを有する可撓性のポリマー ウェビング材料を有するなど、上述のインサート437と同様に構成できる。センサー組立品412Aは、足接触部材133の周辺またはそれを通して延び、電子モジュール22への接続のためのウェル135内に配置されたポート14に接続されるよう構成されたインターフェース419A内で終結する、拡張および/または統合されたワイヤリード線418Aを含みうる。当然のことながら、このインサート437Aは、一部の状況において、インサート437Aがソール構造130の上部分を形成するため、「足接触部材」とみなされうる。上述したインサート437と同様に、インサート437Aは、取り外して、異なるセンサー416Aの構成を有するその他のインサート437Aと交換でき、また様々な異なるサイズを有する履物内に配置するための大きさでありうる。
【0092】
別の代替的実施形態において、インサート部材は、足接触部材133またはミッドソール部材131など、別のソール部材に接続するために作成できる。このインサート部材は、センサー416、416Aおよびそれに接続されたセンサーリード線418、418Aを有する可撓性のウェビング材料(ポリマーなど)を有するなど、上述および
図12〜13に示すインサート437および437Aと類似しうる。この構成により、完全なセンサーシステムを創出するために、センサー組立品413、413Aは、必要に応じて、ソール構造130の任意の部材上に取り付けることができる。インサート部材は、例えば接着剤、留め具、溶接、ヒートシール、またはその他任意の適切な技法など、数多くの異なる方法でソール部材に接続可能でありうる。当然のことながら、一つの実施形態において、インサート部材437、437Aは、ウェビング材料を持たないものとすることができ、センサー組立品413、413Aの電子的構成要素のみを含みうる。
【0093】
さらなる例として、
図14は、FSRセンサーシステム512を含み、足接触部材133がそれに接続されたFSRセンサー組立品513を有する、履物物品のためのソール構造130の一部分を図示する。
図14に図示した足接触部材133は、インソール部材または中敷きであるが、上述のように、足接触部材133は、履物物品で使用するために、代替的にブーティ要素、ストロベル、中敷き、靴下、またはその他のタイプの足接触部材でありうる。この実施形態において、FSRセンサー516は、部分的に足接触部材133内に埋め込まれ、センサーリード線518は、足接触部材133の下側表面に接続される。当然のことながら、足接触部材133は、足接触部材133内にセンサー516を保持するためにそれを覆う層を有することができ、またセンサー518は全体的または部分的に足接触部材133内に埋め込むことができるか、または足接触部材133は、センサー516を受けるためのポケットを有しうる。センサーリード線518の末端は、ポート14への接続のために構成され、また、足接触部材133がミッドソール部材131の上に位置するとき、リード線518のインターフェース519が、ウェル135内に受け入れられた電子モジュール22とのポート14を通した接続のために、ウェル135の内部またはそれに隣接するように配置される。さらに、ソール構造130には、異なる構成のセンサー 組立品513を有する複数の足接触部材133を提供できる。これらのその他の足接触部材133は、足接触部材133を取り外して、それを異なる構成のセンサー516を有する別の足接触部材133で置き換えることにより、取り外して置き換えが可能である。これにより、必要に応じて、単一の履物物品が、上述のように、外部装置110上で実行されるプログラムを含む、異なるアプリケーション用の異なるセンサー516の構成と併用できるようになる。
【0094】
図15は、複数のセンサー616を組み込んだセンサー組立品613を含むセンサーシステム612が含まれる靴100の別の典型的な実施形態を図示する。センサー616は、電極640、642の対641と、電極640、642と接触する感圧抵抗材料644を含む別個の感圧抵抗素子650を利用する。この実施形態において、各電極の対641および感圧材料644は、組み合わさってセンサー616を形成し、上述および
図9〜10に示す電極(+)および(−)および材料Mと同様に動作する。センサーシステム612は、上述のセンサーシステム12, 212と類似したように配置でき、また、電子モジュール22と通信するポート14および電極640、642をポート14に接続する複数のリード線618も含む。モジュール22は、靴100のソール構造130にあるウェルまたは空洞135内に含まれ、ポート14は、ウェル135内でのモジュール22への接続を可能にするためにウェル135内で接続される。
【0095】
図15の感圧抵抗素子650は、電極640、642と接触して配置される任意の要素とすることができる。感圧要素650は、完全に感圧抵抗材料644で構成することも、感圧材料644の層や、感圧材料644を含む戦略的に配置した領域を含むことによるなど、部分的にのみ感圧材料644で構成することもできる。さらに、感圧要素650は、1つの連続したピースとすることもでき、あるいはいくつかの別個のピースを含むこともできる。一つの実施形態において、後述および
図16〜20に示す実施形態など、感圧要素650は、ソール構造130の部材内に含まれることも、ソール構造130の部材を全体的に形成することもできる。
【0096】
感圧抵抗材料244としての使用に適した1つの材料は、体積ベースの抵抗挙動を提供する量子トンネリング複合体(「QTC」)である。量子トンネリング複合体は、一般に、金属粒子またはその他の導電性粒子を含むポリマーマトリクス材料を含む。圧縮すると、導電性粒子は、互いに近づいて移動し、電子が絶縁性ポリマーマトリクスを通過して量子の機械的なトンネル効果が許容される。圧縮が増大するにつれて、導電性粒子は、互いにさらに近づいて移動し、より多くの電気的流れが許容され、測定される抵抗が減少する。量子トンネリング複合体内の粒子は、不規則な表面を有することがあり、これによって粒子が互いに接触することなく、より大きな相対的範囲の粒子の動きが可能となる。この挙動により、感圧材料に対する力の定量的またはバイナリー(オン/オフ)検出が可能となる。適切な量子トンネリング複合体材料は、その他の供給元があるなかで、Peratech Limitedから入手できる。
【0097】
感圧抵抗材料244としての使用に適した別の材料は、これも感圧抵抗動作を提供するカスタム導電性フォームである。カスタム導電性フォームは一般に、カーボンブラックもしくは炭素のその他の形態、もしくは導電性ポリマーなど、導電材料から製造されるか、または導電材料添加物を含むフォームを含む。カスタム導電性フォームにより、フォームが圧縮されるとより大きな電子の伝導が許容され、そのため測定された抵抗が減少する。感圧抵抗材料244としての使用に適したさらなる材料は、力変換ゴムである。感圧材料644は、体積ベースまたは接触型の抵抗を有する上述の任意の材料を含む、感圧抵抗挙動を示すその他の任意の材料でありうる。
【0098】
電極640、642は、電極240、242に関連して上述した、任意の材料から作成できる。一つの実施形態において、電極640、642および/またはリード線618は、足接触部材133、ミッドソール部材131、または別のソール部材などの表面に、導電性インクを使用して印刷することができる。別の実施形態において、この目的で導電性テープ、ならびに上述のその他の構造および技術を使用できる。
【0099】
図15に示すセンサーシステム612は、例えば感圧抵抗素子650を足接触部材133またはミッドソール部材131のいずれかに接続する等により、
図4および5に示すように靴100内の足接触部材133とミッドソール部材131との間に実現することができる。
図11〜20は、別個の感圧抵抗素子を使用して、センサーを靴100などの履物物品に実現する追加的な例を図示する。
図11〜20に示す実施形態は、上述および
図4に示すように、電子モジュール22を受け入れるためのその中のウェル135と、モジュール22への接続のためのポート14とを有する、ミッドソール部材131を図示する。しかしながら、当然のことながら、ウェル135および/またはポート14は、
図5に示すように全体的または部分的に足接触部材133の内部に、または靴100のほかの場所など、他の場所に配置されうる。
【0100】
一つの例として、
図16は、センサーシステム712を含み、足接触部材133がそれに接続された電極組立品713 を有する、履物物品のためのソール構造130の一部分を図示する。この実施形態において、電極組立品713は、足接触部材133の下側表面に接続された電極対741およびセンサーリード線718を含む。一つの実施形態において、電極対741およびセンサーリード線718は、足接触部材133の下部に印刷することができ、および別の実施形態において、電極対741およびリード線718は、足接触部材133の下部の層内に含めることができる。当然のことながら、電極対741および/またはリード線718は、全体的または部分的に足接触部材133内に埋め込まれうる。ミッドソール部材131は、感圧抵抗素子750を、その上側表面上の感圧抵抗材料744の層751の形態で含む。当然のことながら、この層751は、一部の実施形態において、連続的でなくてもよい。センサーリード線718は、ウェル135内に受け入れられた電子モジュール22とのポート14を通した接続のために、ウェル135の内部またはそれに隣接して配置されたインターフェース719を有する。さらに、ソール構造130には、異なる構成の電極組立品713を有する複数の足接触部材133を提供できる。これらのその他の足接触部材133は、足接触部材133を取り外して、それを異なる構成の電極対741を有する別の足接触部材133で置き換えることにより、取り外して置き換えが可能である。これにより、必要に応じて、単一の履物物品が、上述のように、外部装置110上で実行されるプログラムを含む、異なるアプリケーション用の異なるセンサーの構成と併用できるようになる。また当然のことながら、この構成は逆にでき、足接触部材133は、それに接続された感圧抵抗素子750を有し、かつ電極対741は、ミッドソール部材131に接続されうる。
【0101】
図17に示す別の実施形態において、ソール構造130は、センサーシステム812を含み、足接触部材133は、上述および
図16に示す電極組立品713と同一の構成の、それに接続された電極組立品813を有する。上述と同様に、電極組立品813は、足接触部材133の下側表面に接続された電極対841およびセンサーリード線818 を含み、リード線818は、ポート14への接続のためにインターフェース819で終結する。しかしながら、
図17の実施形態において、ミッドソール部材131それ自体が、感圧抵抗素子850として機能し、完全に感圧抵抗材料844から構成される。本実施形態は、そうでなければ、
図16に示す実施形態と同一の方法で機能し、同一の互換性を提供する。また当然のことながら、この構成は逆にでき、足接触部材133が感圧抵抗素子850として機能し、感圧抵抗材料844から構成され、かつ電極対841は、ミッドソール部材131に接続されうる。
【0102】
別の例として、
図18は、センサーシステム912を含む履物物品のためのソール構造130の一部分を図示し、足接触部材133、ミッドソール部材131、および追加ソール部材937は、ミッドソール部材131と足接触部材133の間に位置する、それに接続された電極組立品713を有する。電極組立品913は、追加ソール部材937に接続された電極対941およびセンサーリード線918を含む。この実施形態において、追加ソール部材133は、電極対941を所定位置に保持するための、上に取り付けられた電極対941およびセンサーリード線918を有する、可撓性のポリマーウェビング材料の薄い層から作成したインサート937である。当然のことながら、電極対941および/またはリード線918は、全体的または部分的にインサート937のポリマー材料内に埋め込まれうる。別の実施形態において、インサート937は、結合またはウェビング材料は何もなしに、完全に電極組立品913から構成されうる。ミッドソール部材131は、
図16の感圧要素750と同様に、その上側表面上に、感圧抵抗材料944の層951の形態で感圧抵抗素子950を含む。当然のことながら、この層951は、一部の実施形態において、連続的でなくてもよい。インサート937はまた、ポート14へのセンサーリード線918の接続のために構成され、インサート937が足接触133とミッドソール131との間に位置するとき、センサーリード線918のインターフェース919が、ウェル135内に受け入れられた電子モジュール22とのポート14を通した接続のために、ウェル135の内部またはそれに隣接するように位置するように位置付けられる。さらに、ソール構造130には、異なる構成の電極組立品913を有する複数のインサート937を提供できる。これらのその他のインサート937は、足接触部材133を持ち上げて、異なる構成の電極対941を有する別のインサート937とインサート937を置き換えることにより、取り外して置き換えが可能である。これにより、必要に応じて、単一の履物物品が、上述のように、外部装置110上で実行されるプログラムを含む、異なるアプリケーション用の異なるセンサーの構成と併用できるようになる。
【0103】
図19に示す別の実施形態において、ソール構造130は、センサーシステム1012を含み、インサート1037は、上述および
図18に示す電極組立品913と同一の構成の、それに接続された電極組立品1013を有する。上述と同様に、電極組立品1013は、ミッドソール部材131と足接触部材133の間に位置するインサート1037に接続された電極対1041およびセンサーリード線1018を含み、リード線1018は、ポート14への接続のためにインターフェース1019で終結する。しかしながら、
図19の実施形態において、ミッドソール部材131それ自体が、感圧抵抗素子1050として機能し、完全に感圧抵抗材料1044から構成される。本実施形態は、そうでなければ、
図18に示す実施形態と同一の方法で機能し、同一の互換性を提供する。当然のことながら、代替的な実施形態において、足接触部材133は感圧抵抗材料1044で構成でき、感圧抵抗素子1050として機能する。この構成において、インサート1037および/または電極組立品1013は、インサート1037の下側ではなく、上側にある感圧材料1044に接触するよう、再構成または再配置が必要となることがある。
【0104】
当然のことながら、代替的な実施形態において、
図18〜19に示すインサート937、1037は、感圧抵抗素子950、1050を含むか、またはそれを備えた足接触部材133と共に使用できる。足接触部材133が、ミッドソール部材131の上側表面上ではなく、その下側表面に位置する感圧抵抗材料944の層951を有するとき、インサート937および/または電極組立品913は、インサート937の下側ではなく、上側にある感圧材料944に接触するよう、再構成または再配置が必要となることがある。足接触部材133はまた、その上側に感圧材料944の層951を有することがあり、その場合、インサート937、1037は、同様に上側に挿入できる。当然のことながら、足接触部材133全体が、感圧抵抗素子1050を備える場合、インサート937、1037は足接触部材133の上側または下側のどちらにも使用できる。
【0105】
図20に示す別の実施形態において、ソール構造130は、センサーシステム1112を含み、インサート1137は、上述および
図18に示す電極組立品913と同一の構成の、それに接続された電極組立品1113を有する。上述と同様に、電極組立品1113は、ミッドソール部材131と足接触部材133の間に位置するインサート1137に接続される電極対1141およびセンサーリード線1118を含み、リード線1118は、ポート14への接続のためにインターフェース1119で終結する。しかしながら、
図20の実施形態において、感圧抵抗素子1150は、ミッドソール部材131または足接触部材133に取り付けられていない感圧抵抗材料1144の別個のライナー1151に含まれる。ライナー1151は、完全に感圧抵抗材料1144で構成することも、感圧材料1144から成る部分または領域を含むこともできる。さらに、この実施形態において、ライナー1151は、ミッドソール部材131とインサート1137の間に配置されるが、別の実施形態において、ライナー1151は、足接触部材133とインサート1137の間に配置されうる。当然のことながら、ライナー1151の位置が変化した場合、インサート1137および/または電極組立品1113は、インサート1137の下側ではなく、上側にある感圧材料1144に接触するよう、再構成または再配置が必要となることがある。さらに、その他の実施形態において、ライナー1151およびインサート1137は、電極対1141が感圧材料1144と接触している限り、ソール構造130のどこにでも配置できる。本実施形態は、そうでなければ、
図18に示す実施形態と同一の方法で機能し、異なる電極組立品の同一の互換性が提供される。本実施形態はまた、異なる材料1144が望ましい場合、または感圧要素が損傷または磨耗した場合などに、感圧要素1150の互換性を提供する。
【0106】
別の代替的実施形態において、インサート部材は、足接触部材133またはミッドソール部材131など、別のソール部材に接続するために作成できる。このインサート部材は、上述のように、電極対941、1041、1141と、端部がポート14への接続のために構成されたセンサーリード線918、1018、1118とを有する、可撓性のウェビング材料(ポリマーなど)を有するなど、上述および
図18〜20に示すインサート937、1037、1137と類似したものでありうる。この構成により、完全なセンサーシステムを創出するために、必要に応じて、電極組立品913、1013、1113を、ソール構造130の任意の部材上に取り付けることができる。インサート部材は、例えば接着剤、留め具、溶接、ヒートシール、またはその他任意の適切な技法等など、数多くの異なる方法でソール部材に接続可能でありうる。当然のことながら、一つの実施形態において、インサート部材937、1037、1137は、ウェビング材料を有さないものとすることができ、センサー組立品913、1013、1113の電子的構成要素のみを含みうる。
【0107】
当然のことながら、量子トンネリング複合体、カスタム導電性フォーム、力伝達ゴム、および本明細書で考察したその他の感圧抵抗材料は、上述および
図8に示す、FSRセンサー216と類似した個別の自蔵センサー(self-contained sensor)の作製に利用でき、また別個の電極および感圧要素を有するセンサー組立品での使用に限定されない。こうした個別のセンサーは、
図9〜10に図示するように、2つの電極および感圧抵抗材料を含みうる。
【0108】
図21に示す代替的な一つの実施形態において、センサーシステム1212は、ソール構造130ではなく、履物物品100のアッパー120に接続されたセンサー組立品1213を含みうる。上述した異なるタイプのセンサーはどれも、この実施形態で使用でき、センサーは任意の適切な方法でアッパー120に接続できる。例えば、一つの実施形態において、センサー1216は、アッパー材料に織り込まれたFSRセンサーであり得、導電性織物もリード線1218を形成するためにアッパーに織り込まれる。この実施形態において、モジュール22は、靴100のソール130内に入っている状態で示され、リード線1218は、アッパー120から、足接触部材133に隠れて、モジュール22と通信するポート14に延びている。しかしながら、当然のことながら、モジュール22は、その他の実施形態において、アッパー120に取り付けることも含め、他の場所にも位置しうる。
【0109】
センサー/電極組立品413、413A、913、1013、および1113を有する互換性のあるインサート437、437A、937、1037、および1137、ならびにセンサー/電極組立品513、713、および813を有する互換性のある足接触部材133を含め、本明細書で上述の様々な互換性のあるソールインサートにより、手ごろな予算でのセンサーシステムのカスタム開発が可能になる。例えば、FSRセンサーインサート437および437AならびにFSRセンサー組立品513を有する足接触部材133は、様々な異なる供給元によって様々な目的で特注製造でき、かつ非常に多様な履物100に挿入することができる。別の例として、インサート937、1037、および1137ならびに電極組立品713、813、913、1013、および1113を有する足接触部材133は、同様に特注製造ができ、かつ非常に多様な履物100に挿入できる。一つの実施形態において、履物100は、感圧抵抗材料を含めて製造ができ、また任意のセンサー組立品の構成713、813、913、1013、および1113を、履物100に挿入して感圧材料と共に機能させることができる。上述のように、感圧抵抗材料1144の別個のライナー1151も、非常に多様な履物に挿入するために製造することができ、システムの汎用性がさらに増大する。後述のとおり、こうしたセンサー組立品は、電子モジュール22および/または外部装置110用の特定のソフトウェアと共に使用するためにカスタム化ができる。サードパーティが、カスタム化されたセンサー組立品を有するソールインサートと共に、こうしたソフトウェアをパッケージとして提供しうる。
【0110】
センサーシステム12、212、312、412、412A、512、612、712、812、912、1012、1112、1212、1312、1412、1512の動作および使用については、
図3〜5に示すセンサーシステム12に関連して後述し、また当然のことながら、センサーシステム12の動作原理は、全ての実施形態およびその変形物を含めて、上述のセンサーシステム212、312、412、412A、512、612、712、812、912、1012、1112、1212、1312、1412、1512のその他の実施形態に適用される。作動中、センサー16は、その機能および設計に従いデータを集め、そのデータをポート14に送信する。次に、ポート14は、電子モジュール22が、センサー16とのインターフェースをとることを可能にし、後の使用および/または処理のために、データを収集する。一つの実施形態において、各種の異なるアプリケーションで、各種の異なる目的での使用のために、複数のユーザーがデータにアクセスでき、および/またはダウンロードできるように、データは普遍的に読取可能な形式で収集、保存、および送信される。一例において、データは、XML形式で収集、保存、および送信される。さらに、一つの実施形態において、データは連続した方法でセンサー16から収集されることができ、また別の実施形態において、データは2つ以上のセンサー16から同時に収集されうる。
【0111】
異なる実施形態において、センサーシステム12は、異なるタイプのデータを収集するように構成されうる。一つの実施形態において(上述)、センサー16は、圧縮の数、順序、および/または頻度に関するデータを収集できる。例えば、システム12は、履物100の着用中に発生したステップ、ジャンプ、カット、キック、またはその他の圧縮力の数または頻度、ならびに接触時間および滞空時間などのその他のパラメータを記録できる。定量的センサーおよびバイナリーオン/オフタイプのセンサーの両方がこのデータを収集できる。別の例において、システムは、履物によって発生した圧縮力の順序を記録でき、これは、足の回内運動または回外運動、体重移動、足着地パターン、またはその他のこうした用途を決定するなどの目的で使用できる。別の実施形態において(上記にも記載)、センサー16は、靴100の隣接部分に対する圧縮力を定量的に測定することが可能であり、その結果としてデータは定量的な圧縮力および/または衝撃測定値を含みうる。靴100の異なる部分に対する力についての相対的差異は、体重分布および靴100の「圧力中心」の決定に利用できる。体重分布および/または圧力中心は、一方または両方の靴100について独立的に計算することができ、また人の身体全体についての圧力中心または体重分布の中心を求めるなど、両方の靴についてまとめて計算することもできる。上述のように、比較的高密度に実装されたアレイのオン/オフバイナリーセンサーを使用して、より大きな圧縮の瞬間にセンサーの「パドリング」起動で検出された変化により、定量的力を測定することができる。さらなる実施形態において、センサー16は、圧縮力、接触時間、滞空時間もしくは衝撃間の時間(ジャンプまたはランニングについてなど)、および/またはその他の時間的に依存するパラメータの変化率を測定することもできる。当然のことながら、任意の実施形態において、センサー16は、力/衝撃を登録する前にある特定の閾値の力または衝撃を要求しうる。
【0112】
上述のように、データは、そのデータを使用できるアプリケーション、ユーザー、およびプログラムの数がほぼ無制限となるように、ユニバーサルポート14を通してモジュール22に普遍的に読取可能な形式で供給される。こうして、ポート14およびモジュール22は、ユーザーの希望に応じて構成および/またはプログラムされ、またポート14およびモジュール22は、センサーシステム12からの入力データを受信し、そのデータは、異なるアプリケーションに対して望ましい任意の方法で使用されうる。多くのアプリケーションにおいて、データは、使用の前に、モジュール22および/または外部装置110によりさらに処理される。当然のことながら、センサー16、ポート14、モジュール22、外部装置110(装置110Aを含む)、および/またはこうした構成要素の任意の組合せのうち一つ以上は、そうした構成要素が、処理機能を備えたハードウェアおよび/またはその他の構造を含んでいる場合に、一部の実施形態において、データの少なくとも一部分を処理しうる。外部装置110がデータをさらに処理する構成において、モジュール22は、データを外部装置110に送信しうる。この送信されたデータは、同一の普遍的に読取可能な形式で送信することも、別の形式で送信することもでき、またモジュール22は、データの形式を変更するように構成されうる。さらに、モジュール22は、一つ以上の特定のアプリケーション用に、センサー16からのデータを収集、利用、および/または処理するよう、構成および/またはプログラムすることができる。一つの実施形態において、モジュール22は、複数のアプリケーションで使用するために、データを収集、利用、および/または処理をするよう構成されている。こうした使用およびアプリケーションの例を以下に示す。本明細書で使用するとき、「アプリケーション、用途」という用語は、一般に特定の用途を意味し、その用語がコンピュータ技術で使用されている時、コンピュータプログラムアプリケーションでの使用を必ずしも意味しない。それにもかかわらず、特定用途は、全体的または部分的にコンピュータプログラムアプリケーションで実現されうる。
【0113】
さらに、
図22の実施形態において図示したように、モジュール22は、履物100から取り外して、第一のモジュール22とは異なって動作するように構成された第二のモジュール22Aと置き換えることができる。当然のことながら、モジュール22は、電池の消耗、誤作動などによる交換など、取り外して、類似したまたは同一の方法で構成された別のモジュール22Aで置き換えることができる。
図22の実施形態において、交換は、足接触部材133を持ち上げ、ポート14から第一のモジュール22を切り離し、ウェル135から第一のモジュール22を取り外した後、ウェル135に第二のモジュール22Aを挿入し、ポート14に第二のモジュール22Aを接続し、最後に足接触部材133を元の位置に配置することによって達成される。第二のモジュール22Aは、第一のモジュール22とは異なってプログラムおよび/または構成されうる。一つの実施形態において、第一のモジュール22は、一つ以上の特定のアプリケーションでの使用について構成され、第二のモジュール22Aは、一つ以上の異なるアプリケーションでの使用について構成されうる。例えば、第一のモジュール22は、一つ以上のゲームアプリケーションでの使用のために構成され、第二のモジュール22Aは、一つ以上の運動競技のパフォーマンスの監視アプリケーションのために構成されうる。さらに、モジュール22、22Aは、同一タイプの異なるアプリケーションでの使用について構成されうる。例えば、第一のモジュール22は、あるゲームまたは運動競技のパフォーマンスの監視アプリケーションでの使用について構成され、第二のモジュール22Aは、異なるゲームまたは運動競技のパフォーマンスの監視アプリケーションでの使用について構成されうる。別の例として、モジュール22、22Aは、同一のゲームまたはパフォーマンスの監視アプリケーション内での異なる使用について構成されうる。別の実施形態において、第一のモジュール22は、あるタイプのデータの収集をするよう構成され、および第二のモジュール22Aは、異なるタイプのデータの収集をするよう構成されうる。定量的力測定、相対的力測定(すなわち、互いに相対的なセンサー16)、体重の移動/伝達、衝撃の順序(足着地パターンについてなど)、力の変化率などを含む、このようなデータタイプの例が本明細書に記載されている。さらなる実施形態において、第一のモジュール22は、第二のモジュール22Aとは異なる方法でセンサー16からのデータを利用または処理するように構成されうる。例えば、モジュール22、22Aは、データの収集、保存、および/または通信のみのために構成され、モジュール22、22Aは、データの整理、データ形式の変更、データを使用した計算の実行などいくつかの方法でデータをさらに処理するよう構成されうる。また別の実施形態において、モジュール22、22Aは、異なる通信インターフェイスを有する、または異なる外部装置110と通信するよう構成されているなど、異なって通信するよう構成されうる。モジュール22、22Aは、異なる電源を使用する、または上述のように追加的なセンサーなど、追加的もしくは異なるハードウェア構成要素(たとえば GPS、加速度計など)を含むなど、構造的および機能的な局面の両方を含め、その他の局面でも異なって機能しうる。
【0114】
システム12によるデータ収集について意図された一つの用途は、体重移動の測定でのものであり、これはゴルフのスイング、野球/ソフトボールのスイング、ホッケーのスイング(アイスホッケーまたはフィールドホッケー)、テニスのスイング、ボール投げ/投球など、数多くの運動活動にとって重要である。システム12により収集した圧力データは、適用される任意の運動分野での技法向上における使用に対して、バランスおよび安定性に関する価値の高いフィードバックを与えることができる。当然のことながら、それによって収集されるデータの使用目的に基づき、値段や複雑度が高いまたは低いセンサーシステム12が設計されうる。
【0115】
システム12により収集したデータは、各種のその他の運動競技のパフォーマンス特性の測定に使用できる。データは、足の回内/回外運動の度合いおよび/または速度、足着地パターン、バランス、ならびにそうしたその他のパラメータを測定するために使用でき、ランニング/ジョギングまたはその他の運動活動での技法を向上するために使用できる。回内/回外運動に関しては、データの分析は、回内/回外運動の予測因子として使用することもできる。速度および距離の監視を実行できるが、これは、接触測定または滞空時間測定など、歩行計ベースの測定を含みうる。接触または滞空時間の測定を使用することなどにより、ジャンプの高さも測定できる。カッティング時に靴100の異なる部分にかかる力の差を含め、側方切断力を測定できる。センサー16は、靴100内の横方向の足のスリップなど、せん断力を測定するためにも配置できる。一例として、側面に対する力を感知するために、靴100のアッパー120の側面に追加的なセンサーが組み込まれうる。別の例として、高密度アレイのバイナリーセンサーは、起動したセンサーの「パドリング」における外側の変化によってせん断作用を検出できる。
【0116】
別の実施形態において、上述のように、一つ以上のセンサー1216を、靴100のアッパー120に追加的または代替的に組み込むことができる。センサー1216は、上述の任意の方法でアッパー120に組み込むことができる。例えば、センサー1216は、アッパーの材料に織り込まれ得、導電性織物もリード線を形成するためにアッパーに織り込まれる。この構成において、サッカーまたはフットボールなどでのキック力や、サッカーでの「タッチ」の数および/または頻度などの追加的なパラメータを測定できる。
【0117】
そこから得られたデータまたは測定値は、速度、パワー、機敏さ、一貫性、技法などの向上を含む運動トレーニングの目的で有用でありうる。ポート14、モジュール22、および/または外部装置110は、ユーザーに能動的でリアルタイムのフィードバックを与えるよう構成できる。一例において、ポート14および/またはモジュール22は、結果をリアルタイムで伝達するために、コンピュータ、モバイル機器などと通信して配置できる。別の例において、靴の一部分を振動させることにより動作の制御を助けることで、ユーザーにフィードバックを与えることができる一つ以上の振動要素が靴100に含まれ得、これには、米国特許番号第6,978,684号に記載のある特徴などがあり、この出願は参照により本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を成す。さらに、データは、ある動作をユーザーの過去の動作と比較して一貫性、上達、またはその欠如を示す、またはユーザーの動作を、プロゴルファーのスイングなど他者の同一の動作と比較するなど、運動動作を比較するために使用できる。さらに、システム12は、ある運動選手の「特徴的な」運動動作のための生体力学データを記録するために使用されうる。このデータは、ゲームアプリケーションでの使用、またはある動作をユーザーの類似した動作に重ねるシャドーアプリケーションなど、動作の再現または模擬での使用のために、他者に提供されうる。
【0118】
システム12は、ユーザーが一日全体で携わる様々な活動を記録するために、「一日中の活動」追跡用に構成することもできる。システム12は、モジュール22、外部装置110、および/またはセンサー16などに、この目的用の特殊なアルゴリズムを含みうる。
【0119】
システム12は、データ収集および処理の用途ではなく、制御の用途にも使用されうる。言い換えれば、システム12は、センサー16により検出されたユーザーの動作に基づいて、コンピュータ、テレビ、ビデオゲームなどの外部装置110の制御に使用するために、履物、または体と接触する別の物品に組み込まれうる。実際には、組み込まれたセンサー16とユニバーサルポート14に延びるリード線18とを備えた履物により、履物が入力システムの役割を果たすことができ、また電子モジュール22は、センサー16からの入力を受信し、例えばリモートシステムのための制御入力としてなど、この入力データを任意の希望の方法で使用するように構成、プログラム、および適合できる。例えば、センサー制御を備えた靴は、コンピュータ用の、またはコンピュータにより実行中のプログラム用の制御または入力装置として、ある特定の足動作、ゼスチャーなど(たとえば、フットタップ、ダブルフットタップ、踵タップ、ダブル踵タップ、サイドツーサイドの足動作、フットポイント、フットフレックスなど)が、コンピュータ上の予め指定された動作(たとえば、ページダウン、ページアップ、元に戻す、コピー、カット、貼り付け、保存、閉じる、など)を制御できる場合に、マウスと同様に使用されうる。この目的で足のゼスチャーを異なるコンピュータ機能制御に割り当てるために、ソフトウェアを供給できる。オペレーティングシステムは、センサーシステム12からの制御入力を受信し認識するよう構成されうることが意図されている。テレビまたはその他の外部電子装置を、この方法で制御できる。システム12を組み込んだ履物100は、特定の動作をある特定の機能に割り当てることができ、および/またはユーザーの動作の仮想的表示を表示画面に生成するために使用できる、Nintendo Wii コントローラと同様に、ゲームアプリケーションおよびゲームプログラムでも使用できる。一例として、圧力中心データおよびその他の体重分布データは、バランス、体重移動、およびその他のパフォーマンス活動の仮想的表示が関与しうるゲームアプリケーションで使用できる。システム12は、ゲームもしくはその他のコンピュータシステム用の専用コントローラとして、または補完的なコントローラとして使用できる。こうした制御についての外部装置および足のゼスチャーの制御としての履物物品のためのセンサーシステムを使用する構成および方法の例は、米国仮出願番号第61/138,048号に表示および記述があり、この出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0120】
さらに、システム12は、直接的に外部装置110、および/または外部装置用のコントローラと通信できるように構成されうる。上述のように、
図6は、電子モジュール22と外部装置との間の通信のための一つの実施形態を図示する。
図23に示す別の実施形態において、システム12は、外部ゲーム装置110Aとの通信用に構成できる。外部ゲーム装置110Aは、
図6に示す典型的外部装置110と類似した構成要素を含む。外部ゲーム装置110Aはまた、ゲームプログラム(たとえば、カートリッジ、CD、DVD、Blu-Ray、またはその他の記憶装置)を含む少なくとも一つのゲーム媒体307、および送信/受信要素108を通して有線および/または無線接続で通信するよう構成された少なくとも一つのリモコン305を含む。図示した実施形態において、コントローラ305は、ユーザー入力310を補完するが、一つの実施形態において、コントローラ305は、唯一のユーザー入力として機能しうる。この実施形態において、システム12には、外部装置110および/またはコントローラ305と接続してモジュール22との通信を可能にするように構成された、USBプラグインを有する無線送信機/受信機など、アクセサリ装置303が提供される。一つの実施形態において、アクセサリ装置303は、コントローラ305および外部装置110と同一および/または異なるタイプの一つ以上の追加的なコントローラおよび/または外部装置に接続するよう構成されうる。当然のことながら、システム12が上述のその他のタイプのセンサー(たとえば、加速度計)を含む場合、こうした追加的なセンサーを、ゲームまたは外部装置110上のその他のプログラムの制御に組み込むこともできる。
【0121】
コンピュータ/ゲームシステムなどの外部装置110には、システム12と相互作用するその他のタイプのソフトウェアを提供できる。例えば、ゲームプログラムは、ユーザーの現実の活動に基づきゲーム内のキャラクターの属性を変更するよう構成されうるが、これにより、ユーザーによるエクササイズまたはさらなる活動を奨励できる。別の例において、プログラムは、靴の感知システムにより収集されたユーザーの活動に関連または比例して動くユーザーのアバターを表示するよう構成されうる。こうした構成において、ユーザーが活動的であった場合、アバターは活気がある、精力的であるなどのように見え、またユーザーが活動していなかった場合、アバターは、眠たい、怠惰であるなどのように見えうる。センサーシステム12は、運動選手の「特徴的な動き」を描写するデータを記録するために、より精巧な感知をするよう構成することもでき、その後これが、ゲームシステムまたはモデリングシステムなど様々な目的で利用される。
【0122】
図24は、「メッシュ」通信モードを図示し、ここで、モジュール22、22'は、相互に通信するように構成され、また外部装置110との独立した通信をするようにも構成されている。
図25は、「デイジーチェーン」通信モードを図示し、ここで、1つのモジュール22'は、その他のモジュール22を通して外部装置110と通信する。言い換えれば、第二のモジュール22'は、信号(これには、データが含まれうる)を第一のモジュール22に通信するように構成され、また第一のモジュール22は、モジュール22、22'の両方からの信号を外部装置110に通信するように構成されている。同様に、外部装置は、信号を第一のモジュール22に送信することにより、第一のモジュール22を通して第二のモジュール22'と通信し、第一のモジュール22が信号を第二のモジュール22'に通信する。一つの実施形態において、モジュール22、22'はまた、外部装置110との間で信号の送受信をする以外の目的で相互に通信することもできる。
図26は、「独立」通信モードを図示し、ここで、各モジュール22、22'は、外部装置110との独立した通信のために構成され、かつモジュール22、22'は、相互に通信するようには構成されていない。その他の実施形態において、センサーシステム12、12'は、別の方法での相互の通信および/または外部装置110との通信のために構成されうる。
【0123】
システム12により収集したデータのさらにその他の使用および用途が、本発明の範囲の中で意図されており、これは当業者であれば理解できる。
【0124】
本開示を読むことで当業者に認識されるとおり、本明細書に記載した様々な局面は、方法、データ処理システム、またはコンピュータプログラム製品として具体化されうる。したがって、こうした局面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの局面を組み合わせた実施形態の形態をとりうる。その上、こうした局面は、記憶媒体内、またはそれ上に具体化された、コンピュータ可読プログラムコード、または命令を有する、一つ以上の有形のコンピュータ可読記憶媒体または記憶装置により保存されるコンピュータプログラム製品の形態をとりうる。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶装置、および/またはその任意の組合せを含む、任意の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体を利用しうる。さらに、本明細書に記載したように、データまたはイベントを表す様々な無形の信号は、金属ワイヤ、光ファイバー、および/または無線送信媒体(たとえば、空気および/または空間)などの、信号を伝導する媒体を通って移動する電磁波の形態で、発生源と目的地との間で伝達されうる。
【0125】
上述のように、本発明の局面は、コンピュータおよび/またはそのプロセッサにより実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令といった一般的な文脈で説明されうる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、物体、構成要素、データ構造などを含む。こうしたプログラムモジュールは、上述のように、有形のコンピュータ可読媒体内に含まれうる。本発明の局面はまた、通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理装置によりタスクが実行される分散型コンピュータ環境内でも実施されうる。プログラムモジュールは、モジュール22のメモリ204、または外部装置110のメモリ304、またはゲーム媒体307などの外部媒体といった、メモリ内に位置し得、これは、メモリ記憶装置を含む、ローカルおよびリモート両方のコンピュータ記憶媒体を含みうる。当然のことながら、モジュール22、外部装置110、および/または外部媒体は、特定アプリケーション等において一緒に使用するための補完的なプログラムモジュールを含みうる。また当然のことながら、モジュール22および外部装置110では、簡単にするために、単一のプロセッサ202、302および単一のメモリ204、304について表示および記述がなされており、プロセッサ202、302およびメモリ204、304は、それぞれ複数のプロセッサおよび/またはメモリを含むことができ、またプロセッサおよび/またはメモリのシステムを含みうる。
【0126】
本明細書に記載したセンサーシステム、ならびにセンサーシステムを組み込んだ履物物品、足接触部材、インサート、およびその他の構造の様々な実施形態は、既存の技術に比べて利益および利点を提供する。例えば、本明細書に記載したセンサーの実施形態の多くは、センサーシステムをわずかな追加コストと良好な信頼性で履物物品に組み込むことができるように、センサーシステム用の比較的低コストかつ耐久性のあるオプションを提供する。その結果、履物は、最終的に消費者がセンサーシステムの使用を希望するかどうかに関わらず、目につくほど価格に影響することなく、一体型のセンサーシステムと共に製造することができる。さらに、カスタム化したセンサーシステムを備えたソールインサートは、目につくほどソフトウェアの価格に影響することなく、センサーシステムを利用するためにデザインされたソフトウェアと共に廉価に製造し流通させることができる。別の例として、センサーシステムは、ゲーム、フィットネス、運動のトレーニングおよび上達、コンピュータおよびその他の装置の実用的制御、ならびに本明細書に記載され、かつ当業者にとって認識可能なその他多くを含む、非常に多様なアプリケーション用に非常に広範な機能性を提供する。一つの実施形態において、サードパーティソフトウェア開発者は、ゲームおよびその他のプログラムを含む、センサーシステムからの入力を使用して実行するように構成されたソフトウェアを開発できる。データを普遍的に読取可能な形式で供給するセンサーシステムの能力により、センサーシステムが使用できるサードパーティソフトウェアおよびその他のアプリケーションの範囲が大幅に拡張する。さらに、一つの実施形態において、センサーシステムは、かけられた力の正確な検出を許容する信号およびデータを生成することができ、これがより大きな有用性および汎用性を提供する。さらなる例として、ライナー、インソール、およびその他の要素を含めた、センサーシステムを含む様々なソールインサートにより、異なるアプリケーション用にセンサーシステムの互換性およびカスタム化が可能となる。なおさらに、切り抜き部分および/またはスリットを有するインサートの構成により、より均一なインサートの折り曲げが許容され、また圧縮時のセンサーに対する、より法線に近い(すなわち、垂直の)力の維持に役立つ。これによりセンサーがより効果的に機能し、またノイズおよび/または歪みの少ない、よりきれいな信号が得られる。なおも別の例として、本明細書に記載した気流システムは、より均一なセンサーの折り曲げおよび圧縮の達成にも役立ちうる。その他の利点が、当業者には認識可能である。
【0127】
本明細書に記載したように、センサーシステム12を含む単一の履物物品100は、単独で、または
図24〜26に図示した、一足の靴100、100'など、それ自体のセンサーシステム12'を有する第二の履物物品100'との組合せで使用できる。第二の靴100'のセンサーシステム12'は概して、センサーリード線18'によって電子モジュール22'と通信状態にあるポート14'に接続された一つ以上のセンサー16'を含む。
図24〜26に示す第二の靴100'の第二のセンサーシステム12'は、第一の靴100のセンサーシステム12と同一の構成を有する。しかしながら、別の実施形態において、靴100、100'は、異なる構成を有するセンサーシステム12、12'を有しうる。2つの靴100、100'は、どちらも外部装置110との通信用に構成され、また図示した実施形態において、それぞれの靴100、100'は、外部装置110と通信するよう構成された電子モジュール22、22'を有する。別の実施形態において、両方の靴100、100'は、同一の電子モジュール22と通信するよう構成されたポート14、14'を有しうる。この実施形態において、少なくとも一つの靴100、100'は、モジュール22との無線通信用に構成されうる。
図24〜26は、モジュール22、22'間の通信のための様々なモードを図示する。
【0128】
いくつかの代替的な実施形態および例を、本明細書で描写および図示してきた。当業者であれば、個別の実施形態の特徴、および構成要素の考えられる組合せおよび変形物を理解する。当業者であればさらに、任意の実施形態は、本明細書で開示したその他の実施形態との任意の組合せで提供されうることを理解する。当然のことながら、本発明は、その精神または中心的な特性から逸脱することなく、その他の特定の形態で具体化されうる。よって、現在の例および実施形態は、あらゆる面で例証的であり、制限的ではないものと考慮され、また本発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されないものとする。「第一の」、「第二の」、「上部」、「下部」、などの用語は、本明細書で使用されるとき、例証的な目的のみが意図され、いかなる方法でも実施形態を限定することがない。さらに、「複数」という用語は、本明細書で使用するとき、無限数に至るまで、必要に応じて離説的または接続的のいずれかでの1より大きい任意の数を示す。さらに、物品または装置の「提供」は、本明細書で使用するとき、物品に対して実施される将来的な行為について、物品を利用可能またはアクセス可能にすることを大まかに意味するもので、その物品を提供する当事者がその物品を製造、生産、もしくは供給したこと、またはその物品を提供する当事者が、その物品について所有権または統制を有することは暗示していない。したがって、具体的な実施形態の図示および記載をしてきたが、数多くの改変が本発明の精神から著しく逸脱することなく思い浮かび、保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。