特許第6194060号(P6194060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝エレベータ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000002
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000003
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000004
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000005
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000006
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000007
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000008
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000009
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000010
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000011
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000012
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000013
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000014
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000015
  • 特許6194060-BIMシステム、方法およびプログラム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6194060
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】BIMシステム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20170828BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20170828BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20170828BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20170828BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   B66B7/00 G
   H01M10/48 P
   H01M10/42 P
   H02J7/00 Y
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-107611(P2016-107611)
(22)【出願日】2016年5月30日
【審査請求日】2016年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芦川 栄晃
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−062152(JP,A)
【文献】 特開2015−162967(JP,A)
【文献】 特開2014−010651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
B66B 7/00
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備えるBIMシステムであって、
前記記憶部は、
建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、
前記建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関する情報であるパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、
前記昇降機に電力を供給する蓄電池装置の運転に関する情報である運転情報を記憶する蓄電池運転情報記憶手段と、を備え、
前記BIMモデル記憶手段は、前記蓄電池装置の設置に関する情報である設置情報を、前記建築物のBIMモデルを構成する前記蓄電池装置のBIMモデルに関連付けて記憶しており、
前記制御部は、
入力される作成条件に対応する前記BIMパーツを、前記パーツ情報記憶手段に記憶されている前記パーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段と、
前記昇降機モデリング手段により作成された前記BIMパーツを、前記建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段と、
前記昇降機の稼働後に、前記設置情報で示される前記蓄電池装置から取得した運転情報を前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積する運転情報蓄積手段と、
を備えることを特徴とするBIMシステム。
【請求項2】
前記運転情報は、前記蓄電池装置の出力電圧の情報を含んでおり、
前記制御部は、
前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積されている運転情報の出力電圧の情報に基づいて、前記蓄電池装置の出力電圧が所定値以下のときに、前記蓄電池装置が故障していると判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記蓄電池装置が故障していると判定された場合、前記蓄電池装置の故障を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のBIMシステム。
【請求項3】
前記運転情報は、前記蓄電池装置のSOC(State Of Charge)値の情報を含んでおり、
前記記憶部は、
前記蓄電池装置の最大SOC値の大きさに応じて推奨運転が対応付けられた判定情報を記憶する判定情報記憶手段を、さらに備え、
前記制御部は、
前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積されている運転情報のSOC値の情報と、前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報と、に基づいて、前記蓄電池装置の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転を判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された推奨運転を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のBIMシステム。
【請求項4】
前記運転情報は、前記蓄電池装置のSOC値の情報を含んでおり、
前記記憶部は、
前記蓄電池装置の最大SOC値の大きさに応じて推奨保守点検時期が対応付けられた判定情報を記憶する判定情報記憶手段を、さらに備え、
前記制御部は、
前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積されている運転情報のSOC値の情報と、前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報と、に基づいて、前記蓄電池装置の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨保守点検時期を判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された推奨保守点検時期を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のBIMシステム。
【請求項5】
制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備えるBIMシステムにおいて実行される方法であって、
前記記憶部は、
建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、
前記建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関する情報であるパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、
前記昇降機に電力を供給する蓄電池装置の運転に関する情報である運転情報を記憶する蓄電池運転情報記憶手段と、を備えており、
前記BIMモデル記憶手段は、前記蓄電池装置の設置に関する情報である設置情報を、前記建築物のBIMモデルを構成する前記蓄電池装置のBIMモデルに関連付けて記憶しており、
前記制御部において実行される、
入力される作成条件に対応する前記BIMパーツを、前記パーツ情報記憶手段に記憶されている前記パーツ情報を用いて作成する昇降機モデリングステップと、
前記昇降機モデリングステップにより作成された前記BIMパーツを、前記建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリングステップと、
前記昇降機の稼働後に、前記設置情報で示される前記蓄電池装置から取得した運転情報を前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積する運転情報蓄積ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備えるBIMシステムに実行させるためのプログラムであって、
前記記憶部は、
建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、
前記建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関する情報であるパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、
前記昇降機に電力を供給する蓄電池装置の運転に関する情報である運転情報を記憶する蓄電池運転情報記憶手段と、を備えており、
前記BIMモデル記憶手段は、前記蓄電池装置の設置に関する情報である設置情報を、前記建築物のBIMモデルを構成する前記蓄電池装置のBIMモデルに関連付けて記憶しており、
前記制御部に、
入力される作成条件に対応する前記BIMパーツを、前記パーツ情報記憶手段に記憶されている前記パーツ情報を用いて作成する昇降機モデリングステップと、
前記昇降機モデリングステップにより作成された前記BIMパーツを、前記建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリングステップと、
前記昇降機の稼働後に、前記設置情報で示される前記蓄電池装置から取得した運転情報を前記蓄電池運転情報記憶手段に蓄積する運転情報蓄積ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、BIMシステム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BIM(Building Information Modeling)を利用することで、建築に関する作業やデータ管理の合理化や効率化が図られている。また、BIMの適用対象となる建築物に対して、自然環境保護、省エネルギー等を目的として、BEMS(Building Energy Management System)が急速に普及しつつある。
【0003】
一般に、BEMSでは、電源設備として蓄電池装置が用いられる。蓄電池装置を用いることで、次のようなメリットがある。例えば、夜間に蓄電し、日中にその電気を使用すれば、省エネルギー、低コスト等を実現できる。また、災害等で停電になった場合でも電力を供給できるので、エレベータ、照明装置、給排水システム、セキュリティシステム(防犯カメラ、入退室管理等)等が停止しないで済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−164604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、建築物に蓄電池装置を適用する場合に、蓄電池装置の劣化検知、故障検知、保守点検等の管理は、BIMシステムやBEMSとは別に独立して行われていたので、蓄電池装置の管理の合理化や効率化が望まれている。
【0006】
そこで、本実施形態が解決しようとする課題は、BIMシステムにおいて蓄電池装置の管理を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のBIMシステムは、制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備える。記憶部は、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関する情報であるパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、昇降機に電力を供給する蓄電池装置の運転に関する情報である運転情報を記憶する蓄電池運転情報記憶手段と、を備える。BIMモデル記憶手段は、蓄電池装置の設置に関する情報である設置情報を、建築物のBIMモデルを構成する蓄電池装置のBIMモデルに関連付けて記憶している。制御部は、入力される作成条件に対応するBIMパーツを、パーツ情報記憶手段に記憶されているパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段と、昇降機モデリング手段により作成されたBIMパーツを、建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段と、昇降機の稼働後に、設置情報で示される蓄電池装置から取得した運転情報を蓄電池運転情報記憶手段に蓄積する運転情報蓄積手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、昇降機のBIMパーツの一例を示す図である。
図3図3は、昇降機のBIMパーツを建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルの一例を示す図である。
図4図4は、蓄電池設置情報の一例を示す図である。
図5図5は、蓄電池運転情報の一例を示す図である。
図6図6は、蓄電池装置の経年劣化による最大SOC値の低下の様子の一例を示すグラフである。
図7図7は、判定情報の一例を示す図である。
図8図8は、端末装置の画面例等を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の管理に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図12図12は、第2の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第2の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の管理に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第3の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図15図15は、第3の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施形態にかかるBIMシステム、方法およびプログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
BIMによる設計方法では、各業者にて建物全体のデータである建築物の3次元モデル(すなわち、建築物のBIMモデル)を共有することができるので、共通のデータ上でそれらの関連性および整合性の確認を行うことができる。以下の実施形態では、このBIMを使用した昇降機客先提案システムについて説明する。
【0011】
以下、実施形態の構成および処理について、第1の実施形態(BIMシステム(機能分散型))、第2の実施形態(BIMシステム(サーバ主導の機能分散型))、第3の実施形態(BIMシステム(スタンドアロン型のBIM装置))の順にて詳細に説明する。なお、以下において、原則として、単に「パーツ」と称する場合は建築物を構成する現実の構成部品を指し、「BIMパーツ」と称する場合はパーツに対応するBIM上の仮想的な構成部品を指すものとするが、説明の便宜上、「パーツ」が対応する「BIMパーツ」を指す場合や、「BIMパーツ」が対応する「パーツ」を指す場合もあるものとする。
【0012】
[第1の実施形態]
最初に、第1の実施形態について、図1図10を参照して以下に説明する。なお、第1の実施形態で例示するBIMシステムにおけるサーバ側と端末装置側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0013】
[第1の実施形態におけるBIMシステムの構成]
まず、第1の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち主要な部分を概念的に示している。
【0014】
図1に示すように、第1の実施形態のBIMシステムでは、概略的に、昇降機の3次元モデル(すなわち、昇降機のBIMパーツ)等の情報を提供できるサーバ装置200と、単数または複数のBIMアプリケーション等を搭載した端末装置100と、蓄電池装置500とが、有線または無線のネットワーク300を介して通信可能に接続して構成される。また、端末装置100、サーバ装置200のそれぞれにおいて、各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態のBIMシステムにおいて、サーバ装置200は、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えている。また、端末装置100は、出力部(表示部114および音声出力部116)と入力部118と制御部102と記憶部106とを少なくとも備えている。
【0016】
[サーバ装置200の構成]
図1において、サーバ装置200は、端末装置100から送信される作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを作成し、端末装置100へ送信する等の機能を有する。サーバ装置200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、端末装置100と相互に通信可能に接続されている。制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、サーバ装置200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、端末装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(パーツ情報データベース206a等)を格納する。
【0017】
パーツ情報データベース206aは、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関するパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段である。本実施形態において、昇降機は、エレベータおよび乗客コンベアを含む概念であり、乗客コンベアは、エスカレータおよび動く歩道を含む。ここで、パーツ情報は、利用者が昇降機のBIMパーツを設計する上で必要となるあらゆる情報を含む。パーツ情報としては、例えば、用途、定員、積載量、動作速度、色、機種等といった昇降機の仕様、昇降機を建築物に設置する際に必要とされるスペース、寸法、各種付属設備に関する情報、昇降機を構成する必要部材の部材強度、価格、寸法、質量、色、素材、固有振動数といった情報の他、納期、在庫状況、据付時間、仕上げ材、耐用年数、メーカー情報、品番型番などが挙げられるが、上記に限定されない。
【0018】
より具体的には、本実施形態において、パーツ情報は、例えば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツをBIMモデルに組み込む際等に参照されるBIMパーツのサイズ(寸法)情報を含む。ここで、BIMパーツのサイズ情報は、BIMパーツを構成する各ユニット、構成部品のサイズ情報も含む。BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、本実施形態のように昇降機がエレベータである場合には、昇降路、乗りかご、カウンタウェイト、メインロープ、巻上機、ガイドレール、乗り場ホール関連品、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管等が挙げられる。また、BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、昇降機がエスカレータである場合には、トラス、踏段、踏段チェーン、移動手摺、乗降板、欄干、駆動装置、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管等が挙げられる。また、パーツ情報は、例えば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツを変更する際に用いられる設定パラメータを含む。ここで、設定パラメータは、BIMパーツを構成する各ユニットのサイズ、色、材質、上記各種配線配管等を規定するパラメータを含む。なお、BIMパーツは、典型的なBIMモデルと同様に、このBIMパーツ自体に対象の昇降機に関連するパーツ情報等の属性情報を含んでいる。
【0019】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、作成条件受信部202a、昇降機モデリング部202b、および、情報送受信部202cを備える。
【0020】
作成条件受信部202aは、端末装置100から送信される作成条件を受信する作成条件受信手段である。ここで、作成条件は、利用者が所望する昇降機の仕様等を示す条件である。つまり、作成条件は、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するための条件である。作成条件は、例えば、機種、色、素材、希望の価格、納期、利用者の嗜好性等のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。また、作成条件は、利用者により端末装置100において入力部118を介して入力されたものであってもよいし、予め作成条件が記憶された外部記憶装置(図示せず)から読み込まれたものであってもよい。
【0021】
昇降機モデリング部202bは、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段である。昇降機モデリング部202bは、例えば、図2に示すようなエレベータの3次元のBIMパーツを作成する。ここで、図2は、昇降機のBIMパーツの一例を示す図である。図2の左側は、昇降路、乗りかご、ガイドレール等のユニットから構成されるBIMパーツであり、図2の右側は、乗り場ホーム関連品の一例として、乗降口のドアのユニット等から構成されるBIMパーツである。
【0022】
図1に戻って、昇降機モデリング部202bは、利用者が画面上で確認しながら選択可能なように、作成条件を満たす複数の昇降機のBIMパーツを作成してもよい。昇降機モデリング部202bは、例えば、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に基づいた後述のBIMモデルの構造情報等に基づいて、建築物の概要、規模、設置位置、電源設備容量等から当該建築物に設置可能な昇降機のBIMパーツを単数あるいは複数作成する。また、昇降機モデリング部202bは、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に基づいた納期、価格、あるいは、嗜好性に応じてBIMパーツを自動的に最適化して作成するようにしてもよい。例えば、昇降機モデリング部202bは、利用者によって昇降機の設置に際し納期優先の選択がなされている場合には、設置可能な昇降機のBIMパーツのうち納期が早いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。同様に、昇降機モデリング部202bは、利用者によって価格優先の選択がなされている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち価格が安いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。昇降機モデリング部202bは、利用者によって利用者の嗜好性が設定されている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち嗜好性にあったものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。ここで、昇降機モデリング部202bは、作成した昇降機のBIMパーツを記憶部206に格納して、BIMパーツデータベース(図示せず)を構築してもよい。
【0023】
情報送受信部202cは、昇降機モデリング部202bにより作成された昇降機のBIMパーツを端末装置100へ送信する情報送受信手段である。情報送受信部202cは、複数のBIMパーツを含む計算結果を端末装置100へ送信してもよい。
【0024】
[端末装置100の構成]
図1において、端末装置100は、サーバ装置200へBIMパーツを作成するのに必要な作成条件を送信し、作成条件にしたがって作成されたBIMパーツを含むサーバ装置200の計算結果を、サーバ装置200から受信する等の機能を有する。また、端末装置100は、図3に示すように、サーバ装置200から受信した昇降機のBIMパーツを建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する等の機能を有する。ここで、図3は、昇降機のBIMパーツを建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルの一例を示す図である。図3では、昇降機組込建築物の完成時におけるエレベータの設置状態を示す統合BIMモデルの一部が示されている。
【0025】
端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置等である。端末装置100は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、BIMアプリケーション等を搭載していてもよい。端末装置100は、例えば、表示部114と音声出力部116とを少なくとも含む出力部を備えている。また、端末装置100は、例えば、データ入力等を行う入力部118を備えている。
【0026】
図1において、表示部114は、アプリケーション等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネル等)である。音声出力部116は、音声情報を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)である。入力部118は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、マイク等である。入出力制御インターフェース部108は、表示部114、音声出力部116、入力部118等の制御を行う。
【0027】
図1において、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、端末装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、サーバ装置200、蓄電池装置500等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。ネットワーク300は、端末装置100およびサーバ装置200と、図示しない外部機器または外部システム(例えば、BIMモデルデータベースサーバ等として機能する外部のデータベース装置など)とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、電力線通信(PLC(Power Line Communications))等である。
【0028】
図1において、記憶部106は、HDDやSSD等の大容量のストレージ手段、および/または、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやファイルやテーブル(BIMモデルデータベース106a、蓄電池運転情報データベース106b、判定情報ファイル106c等)を格納する。ここで、記憶部106は、各種のデータベース、ファイル等を一時的に記憶するものであってもよい。
【0029】
BIMモデルデータベース106aは、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段である。また、BIMモデルデータベース106aは、蓄電池装置500の設置に関する情報である蓄電池設置情報(以下、単に「設置情報」という場合もある。)を、建築物のBIMモデルを構成する蓄電池装置500のBIMモデルに関連付けて記憶している。本実施形態において、BIMモデルデータベース106aには、予め設計者により設計された建築物のBIMモデルが格納されている。BIMモデルには、例えば、建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性、部材強度、固有振動数、耐用年数等の構造情報が含まれるが、これらに限定されない。この他、構造情報は、例えば、建物用途、建物規模、階床数、階床名、階高、各階の使用用途、フロア人員、占有面積等から算出可能な昇降機の利用人数などの情報を含む。更に、構造情報は、例えば、対象の建築物を構成する各構造ユニットに関する寸法、位置等を示す情報を含む。ここで、BIMモデルを構成する各構造ユニットとしては、例えば、建築物に配置される部屋、壁、通路、非常階段、避難経路、ガス管、水道管、火災報知機、スプリンクラー、梁、安全対策品、蓄電池装置500等が挙げられる。
【0030】
ここで、蓄電池設置情報について説明する。図4は、蓄電池設置情報の一例を示す図である。図4に示すように、蓄電池設置情報は、例えば、品名、型式、仕様、製造会社、施工会社、設置場所、設置時期、負荷設備(電力供給先設備)、図面、その他の情報から構成される。
【0031】
蓄電池運転情報データベース106bは、蓄電池装置500の運転に関する情報である蓄電池運転情報(以下、単に「運転情報」という場合もある。)を記憶する蓄電池運転情報記憶手段である。図5は、蓄電池運転情報の一例を示す図である。図5に示すように、蓄電池運転情報は、例えば、運転履歴、保守点検履歴、故障履歴の情報から構成される。また、運転履歴は、例えば、出力電圧、放充電量、放充電サイクル数、SOC(State Of Charge)値の情報から構成される。なお、蓄電池装置500が複数の場合、それぞれの蓄電池装置500に対して、蓄電池設置情報と蓄電池運転情報が対応付けて設けられる。
【0032】
判定情報ファイル106cは、蓄電池装置500の最大SOC値の大きさに応じて推奨運転と推奨保守点検時期が対応付けられた判定情報を記憶する判定情報記憶手段である。なお、推奨運転と推奨保守点検時期以外に、蓄電池装置500の推奨交換時期等を対応付けておいてもよい。一般に、蓄電池装置は、充電、放電を繰り返すうちに、満タンまで充電したときの充電量が減ってくる。最大SOC値とは、当初の満タン時の充電量に対する、そのときの満タン時の充電量の百分率(%)を示す。
【0033】
図6は、蓄電池装置500の経年劣化による最大SOC値の低下の様子の一例を示すグラフである。図6に示すように、最大SOC値L1は、経年とともに、当初の満タン時の充電量L2から下がってくる。このようなトレンドグラフにより、蓄電池装置500の劣化度合いを正確に把握し、推奨運転、推奨保守点検時期等を正確に特定することができる。
【0034】
図7は、判定情報の一例を示す図である。図7に示すように、判定情報は、最大SOC値が、上から順に、90%〜100%(90%超、100%以下)、80%〜90%(80%超、90%以下)、70%〜80%(70%超、80%以下)、60%〜70%(60%超、70%以下)の4つに分けられ、それぞれに対して、推奨運転と推奨保守点検時期が対応付けられている。
【0035】
推奨運転は、上から順に、全負荷OK、照明1/2(照明装置による電力消費を半減)、エレベータ(ELV)起動回数減、ポンプ時間制限である。推奨保守点検時期は、図7での図示を省略しているが、当然、下にいくほど早い推奨保守点検時期が設定されている。
【0036】
図1に戻って、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、作成条件送信部102a、情報送受信部102b、統合モデリング部102c、判定部102d、表示制御部102e、運転情報蓄積部102fを備える。なお、制御部102における各部102a〜102f以外の制御について説明するときは、動作主体を制御部102と記載する。この点、サーバ装置200における制御部202、および、図14における制御部402についても同様である。
【0037】
作成条件送信部102aは、利用者により入力される作成条件をサーバ装置200へ送信する作成条件送信手段である。
【0038】
情報送受信部102bは、サーバ装置200から送信される作成条件に対応するBIMパーツを含む計算結果を受信する等の情報の送受信を行う情報送受信手段である。情報送受信部102bは、複数のBIMパーツを含む計算結果をサーバ装置200から受信してもよい。情報送受信部102bは、受信したBIMパーツを記憶部106に格納して、BIMパーツデータベース(図示せず)を構築してもよい。
【0039】
統合モデリング部102cは、情報送受信部102bにより受信された昇降機のBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段である。ここで、統合モデリング部102cは、図3に示したような作成した統合BIMモデルを記憶部106に格納して、統合BIMモデルデータベース(図示せず)を構築してもよい。
【0040】
判定部102dは、蓄電池運転情報データベース106bに蓄積されている蓄電池運転情報(図5)の出力電圧の情報に基づいて、蓄電池装置500の出力電圧が所定値以下のときに、蓄電池装置500が故障していると判定する判定手段である。所定値は、例えば、蓄電池装置500の仕様等に基づいて、予め設定しておけばよい。また、判定部102dは、蓄電池運転情報データベース106bに蓄積されている運転情報のSOC値の情報と、判定情報ファイル106cに記憶されている判定情報(図7)と、に基づいて、蓄電池装置500の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転や推奨保守点検時期を判定する。
【0041】
表示制御部102eは、判定部102dによって蓄電池装置500が故障していると判定された場合、蓄電池装置500の故障を表示部114に表示する表示制御手段である。また、表示制御部102eは、判定部102dによって判定された推奨運転や推奨保守点検時期を表示部114に表示する。なお、表示制御部102eによる表示に合わせて、制御部102は、音声出力部116により音声出力させてもよい。
【0042】
運転情報蓄積部102fは、昇降機の稼働後に、設置情報で示される蓄電池装置500から取得した運転情報を蓄電池運転情報データベース106bに蓄積する運転情報蓄積手段である。
【0043】
図8は、端末装置100の表示部114に表示される画面例等を示す図である。画面例の説明の前に物理構成について説明すると、蓄電池装置500は、建物受電設備700と電源供給ルートによって接続されているとともに、電力供給先設備である負荷設備600と電線で接続されている。
【0044】
次に、表示部114に表示される画面例について説明する。この画面例は、例えば、利用者が、蓄電池装置500の保守点検、故障点検、移設、改造等を行う前に表示させる画面である。領域A1には対象となる施設(建築物)全体が表示され、その中で、領域A11と領域A12に蓄電池装置500が表示されるとともに、領域A13と領域A14に負荷設備600の一例であるエレベータが表示されている。
【0045】
領域A2には、領域A11の蓄電池装置500について、次の情報が表示されている。
●調査対象設備 蓄電池装置
・所在場所:1階電気室
・負荷設備:エレベータ
・電気配線ルート
・高電圧キュービクル
・電気室〜天井裏〜ELVシャフト
・分電盤No.1、No.2、No.3
【0046】
領域A3には、POP画面が表示されている。領域A31には、領域A11の蓄電池装置500に関するPOP画面が表示されている。領域A311には、領域A11の蓄電池装置500の設置情報(図4)が次のように表示されている。
・蓄電池装置
・2001/4/1 新設
・型式 BAT001
・メーカー ○○電機
・仕様
・200V 25KW 25KWh
・・・・
・・
【0047】
また、領域A312には、領域A11の蓄電池装置500の運転情報(図5)のうちの保守点検履歴が次のように表示されている。
・保守点検履歴
・2003/6/3 点検
・2002/5/10 点検
・2001/4/1 新設
【0048】
また、領域A313には、領域A11の蓄電池装置500の診断画面が次のように表示されている。
・蓄電池装置 診断画面
・2016/1/15 15:00 表示
★中故障 発報中!
・電池残量 50%
・放電電力 5KW (200V、25A)
・仕様
・200V 25KW 25KWh
・・・・
・・
【0049】
領域A32には、領域A13のエレベータの設置情報が次のように表示されている。
・負荷設備
・エレベータ
・2001/4/1 新設
・型式 ELV01
・メーカー ○○電機
・仕様
・200V 7KW
・・・・
・・
【0050】
領域A33には、判定情報(図7)の一部が次のように表示されている。
・推奨運転
・90%〜100% 全負荷OK
・80%〜90% 照明1/2
・70%〜80% ELV起動回数減
・60%〜70% ポンプ時間制限
【0051】
領域A34には、現在の最大SOC値が90%〜100%、80%〜90%、70%〜80%、60%〜70%のうちいずれに該当するかが表示される(図8の例では「70%〜80%」)。
【0052】
なお、図8の画面例において、例えば、重故障発生の蓄電池装置500があれば、その部分を赤色で表示するとともに、製造会社のサービスコールへの問い合わせに誘導する表示を行ってもよい。また、例えば、軽故障発生の蓄電池装置500があれば、その部分を青色で表示するとともに、点検を促す表示を行ってもよい。
【0053】
以上で、第1の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例の説明を終える。
【0054】
[第1の実施形態におけるBIMシステムの処理]
次に、このように構成された第1の実施形態におけるBIMシステムの処理の例について、図9図10を参照して説明する(適宜他図参照)。図9は、第1の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、端末装置100の作成条件送信部102aは、利用者により入力部118を用いて入力される作成条件をサーバ装置200へ送信する(ステップSA−1)。サーバ装置200の作成条件受信部202aは、その作成条件を受信する(ステップSA−2)。
【0056】
次に、サーバ装置200の昇降機モデリング部202bは、ステップSA−2で受信した作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する(ステップSA−3)。例えば、昇降機モデリング部202bは、図2に示すようなエレベータのBIMパーツを作成する。ここで、ステップSA−3において、昇降機モデリング部202bは、作成条件を満たす複数の昇降機のBIMパーツを作成してもよい。
【0057】
次に、サーバ装置200の情報送受信部202cは、作成された昇降機のBIMパーツを端末装置100へ送信する(ステップSA−4)。端末装置100の情報送受信部102bは、その昇降機のBIMパーツを受信する(ステップSA−5)。
【0058】
次に、端末装置100の統合モデリング部102cは、ステップSA−5で受信した単数または複数の昇降機のBIMパーツをBIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する(ステップSA−6)。例えば、統合モデリング部102cは、図3に示すような、エレベータのBIMパーツが建築物のBIMモデルに組み込まれた状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する。
【0059】
次に、端末装置100の制御部102は、利用者による入力部118を用いた蓄電池装置500の設置情報(図4)の入力を受け付け(ステップSA−7)、BIMモデルデータベース106aに格納する。なお、設置情報のうち、ステップSA−6における統合BIMモデルの作成に必要な設置情報は予めBIMモデルデータベース106aに格納されており、このステップSA−7では、その他の設置情報の入力を受け付け、BIMモデルデータベース106aに格納する。
【0060】
次に、端末装置100の制御部102は、利用者による入力部118を用いた判定情報(図7)の入力を受け付け(ステップSA−8)、判定情報ファイル106cに格納し、処理を終了する。
【0061】
このようにして、BIMシステムにおいて、蓄電池装置500の設置情報や判定情報を登録することができる。
【0062】
図10は、第1の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の管理に関する処理の一例を示すフローチャートである。図10の処理は、蓄電池装置500の稼働後に開始される。
【0063】
端末装置100において、運転情報蓄積部102fは、蓄電池装置500から取得した運転情報を蓄電池運転情報データベース106bに蓄積する(ステップSB−1)。
【0064】
次に、判定部102dは、蓄電池装置500に故障が発生しているか否かを判定し(ステップSB−2)、Yesの場合はステップSB−3に進み、Noの場合はステップSB−4に進む。ステップSB−2では、具体的には、判定部102dは、蓄電池装置500の出力電圧が所定値以下のときに、蓄電池装置500が故障していると判定する。
【0065】
ステップSB−3において、表示制御部102eは、蓄電池装置500に故障が発生していることを表示部114に表示し、ステップSB−1に戻る。これにより、利用者は表示部114を見て蓄電池装置500の故障を知ることができる。
【0066】
ステップSB−4において、判定部102dは、蓄電池装置500の劣化度合いを分析する。劣化度合いの分析は、例えば、最大SOC値を算出することにより行えばよい。つまり、最大SOC値が低いほど、劣化度合いは大きい。その場合、判定部102dは、蓄電池運転情報データベース106bに蓄積されている運転情報のSOC値の情報に基づいて、最大SOC値を算出することができる。
【0067】
ステップSB−4の後、判定部102dは、判定情報ファイル106cにおける判定情報(図7)を参照して、ステップSB−4で算出した蓄電池装置500の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転や推奨保守点検時期を判定し、表示制御部102eは、その推奨運転や推奨保守点検時期を表示部114に表示し(ステップSB−5)、ステップSB−1に戻る。
【0068】
このようにして、本実施形態によれば、BIMシステムにおいて、蓄電池装置500の管理を行うことができる。具体的には、蓄電池装置500の設置情報や判定情報を端末装置100に登録しておくことで、例えば、蓄電池装置500の管理者やメンテナンス業者等、誰でも、それらの情報をいつでも閲覧、使用、更新等することができる。
【0069】
また、昇降機の稼働後に、蓄電池装置500から取得した運転情報を蓄電池運転情報データベース106bに蓄積することで、自動的に、蓄電池装置500の故障を発見したり、蓄電池装置500の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転、推奨保守点検時期、推奨交換時期等を表示したりすることができる。
【0070】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について、図11図13を参照して以下に説明する。図11は、第2の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本実施形態に関係する部分を概念的に示している。以下、第1の実施形態と同様の事項については、説明を適宜、簡略化または省略する。なお、第2の実施形態は、蓄電池装置500の管理に関する機能を主にサーバ装置200側で有する点で、第1の実施形態と異なっている。
【0071】
[第2の実施形態におけるBIMシステムの構成]
まず、第2の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例について、図11を参照して以下に説明する。
【0072】
図11に示すように、第2の実施形態のサーバ装置200は、有線または無線のネットワーク300を介して端末装置100と通信可能に接続され、制御部202と記憶部206とを少なくとも備える。端末装置100は、出力部(表示部114および音声出力部116)と入力部118と制御部102と記憶部106とを少なくとも備える。また、端末装置100、サーバ装置200のそれぞれにおいて、各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0073】
図11において、サーバ装置200は、端末装置100から送信される作成条件に対応するBIMパーツを作成し、BIMパーツをBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する等の機能を有する。
【0074】
なお、サーバ装置200における通信制御インターフェース部204および記憶部206(パーツ情報データベース206a、蓄電池運転情報データベース206c、判定情報ファイル206d等)の機能、また、端末装置100における表示部114、音声出力部116、および、入力部118の機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、記憶部206のうち、BIMモデルファイル206bには、端末装置100側の記憶部106のBIMモデルデータベース106aに記憶された複数の建築物のBIMモデルのうち、対象の建築物のBIMモデルが予めサーバ装置200側へ転送されて一時的に記憶されているものとする。
【0075】
図11において、制御部202は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、作成条件受信部202a、昇降機モデリング部202b、統合モデリング部202d、判定部202e、表示制御部202f、運転情報蓄積部202gを備える。
【0076】
作成条件受信部202aは、端末装置100から送信される作成条件を受信する作成条件受信手段である。
【0077】
昇降機モデリング部202bは、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段である。
【0078】
統合モデリング部202dは、昇降機モデリング部202bにより作成された昇降機のBIMパーツを、BIMモデルファイル206bに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んで統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段である。
【0079】
判定部202eは、蓄電池運転情報データベース206cに蓄積されている蓄電池運転情報(図5)の出力電圧の情報に基づいて、蓄電池装置500の出力電圧が所定値以下のときに、蓄電池装置500が故障していると判定する判定手段である。また、判定部202eは、蓄電池運転情報データベース206cに蓄積されている運転情報のSOC値の情報と、判定情報ファイル206dに記憶されている判定情報(図7)と、に基づいて、蓄電池装置500の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転や推奨保守点検時期を判定する。
【0080】
表示制御部202fは、判定部202eによって蓄電池装置500が故障していると判定された場合、端末装置100に、蓄電池装置500の故障を表示部114に表示するように指示する表示制御手段である。また、表示制御部102eは、端末装置100に、判定部102dによって判定された推奨運転や推奨保守点検時期を表示部114に表示するように指示する。
【0081】
運転情報蓄積部202gは、昇降機の稼働後に、端末装置100から取得した蓄電池装置500の運転情報を蓄電池運転情報データベース206cに蓄積する運転情報蓄積手段である。
【0082】
なお、図11では、BIMモデルデータベース106aが端末装置100側の記憶部106に備えられた例を説明したが、これに限定されない。図示しないが、BIMモデルデータベースは、サーバ装置200側の記憶部206側に備えられていてもよく、また、ネットワーク300を介して通信可能に接続されたデータベースサーバとして外部装置の記憶部側に備えられていてもよい。
【0083】
以上で、第2の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例の説明を終える。
【0084】
[第2の実施形態におけるBIMシステムの処理]
次に、このように構成された第2の実施形態におけるBIMシステムの処理の例について、以下に図12図13を参照して詳細に説明する(適宜他図参照)。図12は、第2の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図12に示すように、まず、端末装置100の制御部102は、利用者により入力部118を用いて入力される作成条件をサーバ装置200へ送信する(ステップSC−1)。サーバ装置200の作成条件受信部202aは、その作成条件を受信する(ステップSC−2)。
【0086】
次に、サーバ装置200の昇降機モデリング部202bは、ステップSC−2で受信した作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する(ステップSC−3)。
【0087】
次に、サーバ装置200の統合モデリング部202dは、ステップSC−3で作成した昇降機のBIMパーツを、BIMモデルファイル206bに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する(ステップSC−4)。
【0088】
次に、サーバ装置200の制御部202は、統合BIMモデルや所定のフォーマット情報等に基づき、蓄電池装置500の設置情報の入力用画面と、判定情報の入力用画面とを含むBIM情報を端末装置100に送信する(ステップSC−5)。端末装置100は、そのBIM情報を受信する(ステップSC−6)。
【0089】
次に、端末装置100の制御部102は、利用者による入力部118を用いた蓄電池装置500の設置情報と判定情報の入力をそれぞれの入力用画面から受け付ける(ステップSC−7)。
【0090】
次に、端末装置100の制御部102は、ステップSC−7で入力を受け付けた設置情報と判定情報をサーバ装置200に送信する(ステップSC−8)。サーバ装置200の制御部202は、その設置情報と判定情報を受信し(ステップSC−9)、それぞれ、BIMモデルファイル206b、判定情報ファイル206dに格納し、処理を終了する。
【0091】
このようにして、BIMシステムにおいて、蓄電池装置500の設置情報や判定情報を登録することができる。
【0092】
図13は、第2の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置500の管理に関する処理の一例を示すフローチャートである。図13の処理は、蓄電池装置500の稼働後に開始される。
【0093】
端末装置100において、制御部102は、蓄電池装置500から取得した運転情報をサーバ装置200に送信する(ステップSD−1)。サーバ装置200の運転情報蓄積部202gは、その運転情報を受信し、蓄電池運転情報データベース206cに蓄積する(ステップSD−2)。
【0094】
次に、サーバ装置200の判定部202eは、蓄電池装置500に故障が発生しているか否かを判定し(ステップSD−3)、Yesの場合はステップSD−4に進み、Noの場合はステップSD−7に進む。ステップSD−3では、具体的には、判定部202eは、蓄電池装置500の出力電圧が所定値以下のときに、蓄電池装置500が故障していると判定する。
【0095】
ステップSD−4において、サーバ装置200の表示制御部202fは、端末装置100に、蓄電池装置500の故障を表示部114に表示するように指示する。
【0096】
ステップSD−5において、端末装置100の制御部102は、サーバ装置200から蓄電池装置500の故障発生表示指示を受信したか否かを判定し、Yesの場合はステップSD−6に進み、Noの場合はステップSD−9に進む。
【0097】
ステップSD−6において、端末装置100の制御部102は、蓄電池装置500に故障が発生していることを表示部114に表示し、ステップSD−9に進む。これにより、利用者は表示部114を見て蓄電池装置500の故障を知ることができる。
【0098】
ステップSD−7において、サーバ装置200の判定部202eは、蓄電池装置500の劣化度合いを分析する。劣化度合いの分析は、例えば、最大SOC値を算出することにより行えばよい。その場合、判定部202eは、蓄電池運転情報データベース206cに蓄積されている運転情報のSOC値の情報に基づいて、最大SOC値を算出することができる。
【0099】
ステップSD−7の後、判定部202eは、判定情報ファイル206dにおける判定情報(図7)を参照して、ステップSD−7で算出した蓄電池装置500の現在の最大SOC値の大きさに対応した推奨運転と推奨保守点検時期を判定し、表示制御部202fは、端末装置100に、その推奨運転と推奨保守点検時期を表示部114に表示するように指示する(ステップSD−8)。次に、端末装置100の制御部102は、その推奨運転と推奨保守点検時期を受信し、表示部114に表示する(ステップSD−9)。
【0100】
以上で、第2の実施形態におけるBIMシステムの処理の例の説明を終える。
【0101】
このようにして、第2の実施形態におけるBIMシステムによれば、第1の実施形態の場合と同等の効果に加えて、端末装置100のデータ管理やデータ処理の負担を軽減することができ、特に、サーバ装置200に対して多くの端末装置100が接続されている場合に有効である。
【0102】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について、図14図15を参照して以下に説明する。図14は、第3の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本実施形態に関係する部分を概念的に示している。第3の実施形態におけるBIMシステムは、スタンドアロン型に構成され単独で処理を行うBIM装置400により実現される。
【0103】
第3の実施形態においては、全ての機能をBIM装置400に集約しており、BIM装置400がスタンドアロン型に構成され単独で処理を行う点でその他の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態、第2の実施形態の少なくともいずれかと同様の事項については、説明を適宜、簡略化または省略する。
【0104】
[第3の実施形態におけるBIMシステムの構成]
まず、第3の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例について、図14を参照して以下に説明する。
【0105】
図14に示すように、第3の実施形態のBIM装置400は、出力部(表示部414および音声出力部416)と入力部418と制御部402と記憶部406とを少なくとも備える。BIM装置400の各部は任意の通信路を介して通信可能に互いに接続されている。BIM装置400は、例えば、PND(Portable Navigation Device)等の各種情報処理端末、ノート型のパーソナルコンピュータ等の各種情報処理装置、または、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置等により実現できる。また、BIM装置400は、通信制御インターフェース部(図示せず)を介してネットワークを経由し、外部装置と相互に通信可能に接続されていてもよい。
【0106】
図14において、入出力制御インターフェース部408、表示部414、音声出力部416、および、入力部418の各機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、記憶部406の各部についても、一部がサーバ装置200ではなくBIM装置400に備えられている点を除き、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、制御部402の各部についても、一部がサーバ装置200ではなくBIM装置400に備えられている点を除き、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0107】
以上で、第3の実施形態におけるBIMシステムの構成の一例の説明を終える。
【0108】
[第3の実施形態におけるBIMシステムの処理]
次に、このように構成された第3の実施形態におけるBIMシステムの処理の例について、以下に図15を参照して詳細に説明する。図15は、第3の実施形態におけるBIMシステムによる蓄電池装置の情報登録等の処理の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図15に示すように、まず、作成条件設定部402aは、利用者により入力部418を用いて入力される作成条件を設定する(ステップSE−1)。
【0110】
次に、昇降機モデリング部402bは、ステップSE−1で設定された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース406aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する(ステップSE−2)。
【0111】
次に、統合モデリング部402cは、ステップSE−2で作成した昇降機のBIMパーツを、BIMモデルデータベース406bに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する(ステップSE−3)。
【0112】
次に、制御部402は、利用者による入力部418を用いた蓄電池装置500の設置情報(図4)の入力を受け付け(ステップSE−4)、BIMモデルデータベース406bに格納する。
【0113】
次に、制御部402は、利用者による入力部418を用いた判定情報(図7)の入力を受け付け(ステップSE−5)、判定情報ファイル406dに格納し、処理を終了する。
【0114】
このようにして、BIM装置400において、蓄電池装置500の設置情報や判定情報を登録することができる。
【0115】
第3の実施形態における蓄電池装置500の管理に関する処理の一例は、第1の実施形態の図10に示す処理と同様であるので、説明を省略する。
【0116】
以上で、第3の実施形態におけるBIMシステムの処理の例の説明を終える。
【0117】
このようにして、第3の実施形態におけるBIM装置400によれば、第1の実施形態の場合と同等の効果に加えて、BIM装置400がスタンドアロン型であることにより、データ処理がシンプルになるという効果を奏する。
【0118】
[他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0119】
例えば、上述の実施形態では、昇降機としてエレベータを例にして説明したが、エスカレータ、動く歩道等の乗客コンベアについても同様に本発明を適用できる。
【0120】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0121】
この他、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0122】
また、端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0123】
例えば、端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部102、制御部202、および、制御部402にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400に機械的に読み取られる。すなわち、ROM(Read Only Memory)またはHDDなどの記憶部106、記憶部206、および、記憶部406などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0124】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0125】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EP(Erasable Programmable)ROM、EEP(Electrically Erasable and Programmable)ROM、CD−ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0126】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0127】
記憶部106、記憶部206、および、記憶部406に格納される各種のデータベース、ファイル等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0128】
また、端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、端末装置100、サーバ装置200、および、BIM装置400は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0129】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0130】
100 端末装置、102 制御部、102a 作成条件送信部、102b 情報送受信部、102c 統合モデリング部、102d 判定部(判定手段)、102e 表示制御部(表示制御手段)、102f 運転情報蓄積部(運転情報蓄積手段)、104 通信制御インターフェース部、106 記憶部、106a BIMモデルデータベース、106b 蓄電池運転情報データベース(蓄電池運転情報記憶手段)、106c 判定情報ファイル(判定情報記憶手段)、108 入出力制御インターフェース部、114 表示部、116 音声出力部、118 入力部、200 サーバ装置、202 制御部、202a 作成条件受信部、202b 昇降機モデリング部(昇降機モデリング手段)、202c 情報送受信部、202d 統合モデリング部、202e 判定部(判定手段)、202f 表示制御部(表示制御手段)、202g 運転情報蓄積部(運転情報蓄積手段)、204 通信制御インターフェース部、206 記憶部、206a パーツ情報データベース(パーツ情報記憶手段)、206b BIMモデルファイル、206c 蓄電池運転情報データベース(蓄電池運転情報記憶手段)、206d 判定情報ファイル(判定情報記憶手段)、300 ネットワーク、400 BIM装置、402 制御部、402a 作成条件設定部、402b 昇降機モデリング部(昇降機モデリング手段)、402c 統合モデリング部、402d 判定部(判定手段)、402e 表示制御部(表示制御手段)、402f 運転情報蓄積部(運転情報蓄積手段)、406 記憶部、406a パーツ情報データベース(パーツ情報記憶手段)、406b BIMモデルデータベース、406c 蓄電池運転情報データベース(蓄電池運転情報記憶手段)、406d 判定情報ファイル(判定情報記憶手段)、408 入出力制御インターフェース部、414 表示部、416 音声出力部、418 入力部、500 蓄電池装置、600 負荷設備、700 建物受電設備
【要約】
【課題】BIMシステムにおいて蓄電池装置の管理を行うことを課題とする。
【解決手段】実施形態のBIMシステムは、制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備える。記憶部は、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関する情報であるパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、昇降機に電力を供給する蓄電池装置の運転に関する情報である運転情報を記憶する蓄電池運転情報記憶手段と、を備える。BIMモデル記憶手段は、蓄電池装置の設置に関する情報である設置情報を、建築物のBIMモデルを構成する蓄電池装置のBIMモデルに関連付けて記憶している。制御部は、昇降機の稼働後に、設置情報で示される蓄電池装置から取得した運転情報を蓄電池運転情報記憶手段に蓄積する運転情報蓄積手段を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15