特許第6194097号(P6194097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6194097圧電式リニアアクチュエータ、圧電駆動バルブ、及び、流量制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194097
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】圧電式リニアアクチュエータ、圧電駆動バルブ、及び、流量制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/02 20060101AFI20170828BHJP
   F16K 7/14 20060101ALI20170828BHJP
   H02N 2/04 20060101ALI20170828BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20170828BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20170828BHJP
   H01L 41/053 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   F16K31/02 A
   F16K7/14 A
   H02N2/04
   H01L41/09
   H01L41/083
   H01L41/053
【請求項の数】23
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-503961(P2016-503961)
(86)(22)【出願日】2015年2月10日
(86)【国際出願番号】JP2015000602
(87)【国際公開番号】WO2015125438
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2016年5月25日
(31)【優先権主張番号】特願2014-32501(P2014-32501)
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】安本 直史
(72)【発明者】
【氏名】土肥 亮介
(72)【発明者】
【氏名】西野 功二
(72)【発明者】
【氏名】池田 信一
(72)【発明者】
【氏名】執行 耕平
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−008974(JP,A)
【文献】 特開2007−192269(JP,A)
【文献】 特開2008−008356(JP,A)
【文献】 実開昭63−193173(JP,U)
【文献】 特表2003−502998(JP,A)
【文献】 米国特許第03598506(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 7/14
F16K 31/00−31/05
H01L 41/053
H01L 41/083
H01L 41/09
H02N 2/00−2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層圧電アクチュエータと、
前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、
前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、
前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、
前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、
を備えることを特徴とする、圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項1に記載に圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項5】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項6】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項7】
前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、及び、前記変位伝達部材が、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっていることを特徴とする請求項1に記載の圧電式リニアアクチュエータ。
【請求項8】
積層圧電アクチュエータと、前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、を備える圧電式リニアアクチュエータと、
前記圧電式リニアアクチュエータが取り付けられるとともに内部に流路が形成された弁ブロックと、
前記弁ブロック内に設けられ、前記圧電式リニアアクチュエータの出力部に設けられた弁棒と、
該弁棒の操作により前記流路を開閉する弁体と、を備えることを特徴とする圧電駆動バルブ。
【請求項9】
前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされていることを特徴とする請求項8に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項10】
前記ガイド部材は、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項8に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項11】
前記ガイド部材は、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項8に記載に圧電駆動バルブ。
【請求項12】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項10に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項13】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項11に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項14】
前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、前記変位伝達部材、及び前記弁ブロックが、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっていることを特徴とする請求項8に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項15】
前記弁体が金属ダイヤフラム弁体であることを特徴とする請求項8に記載の圧電駆動バルブ。
【請求項16】
積層圧電アクチュエータと、前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、を備える圧電式リニアアクチュエータと、
前記圧電式リニアアクチュエータが取り付けられるとともに内部に流路が形成された弁ブロックと、前記弁ブロック内に設けられて前記圧電式リニアアクチュエータの出力部に設けられた弁棒と、該弁棒の操作により前記流路を開閉する弁体と、を備える圧電駆動バルブと、
前記圧電駆動バルブを開閉制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする流量制御装置。
【請求項17】
前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされていることを特徴とする請求項16に記載の流量制御装置。
【請求項18】
前記ガイド部材は、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項16に記載の流量制御装置。
【請求項19】
前記ガイド部材は、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有することを特徴とする請求項16に記載に流量制御装置。
【請求項20】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項18に記載の流量制御装置。
【請求項21】
前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備えることを特徴とする請求項19に記載の流量制御装置。
【請求項22】
前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、前記変位伝達部材、及び前記弁ブロックが、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっていることを特徴とする請求項16に記載の流量制御装置。
【請求項23】
前記弁体の下流側の流路内に介在されたオリフィスと、前記オリフィスの上流側の流路内圧力を検出する圧力検出器と、を更に備え、
前記制御装置は、前記圧力検出器の検出値に基づいて前記圧電駆動バルブを開閉制御することを特徴とする請求項16に記載の流量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層圧電アクチュエータを用いた圧電式リニアアクチュエータ、該リニアアクチュエータを備える圧電駆動バルブ、及び、該圧電駆動バルブを備える流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リニアアクチュエータの駆動部やバルブの駆動部において圧電素子を積層して構成された積層圧電アクチュエータが多用され、積層圧電アクチュエータを用いた圧電駆動バルブにより流量を制御する流量制御装置も知られている。
【0003】
この種の流量制御装置の一例として、図10に示す流量制御装置は、弁ブロック12の内部の流路11に介在された金属ダイヤフラム弁等の弁体13を、弁ブロック12に取り付けられた積層圧電式アクチュエータ2によって開閉操作できるようになっている(特許文献1〜3等)。
【0004】
図10に示す流量制御装置は、圧力式流量制御装置と呼ばれ、流路11に介在されたオリフィス14の下流側圧力Pと上流側圧力Pとの間に(P/P)≧約2の所謂臨界膨張条件が保持されていると、オリフィス14を流通するガス流量QがQ=KP(但しKは定数)の関係となる。
【0005】
このような関係を利用して、圧力検出器15で検出される圧力Pを制御することにより流量Qを高精度で制御することができ、しかも、弁体13の上流側ガスの圧力が大きく変化しても、制御流量値が殆ど変化しないという優れた特性を発揮することができる。圧力Pの高精度の制御は、応答性の優れた積層圧電アクチュエータ2により成され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−120832号公報
【特許文献2】特開平8−338546号公報
【特許文献3】特開2010−151698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、特に半導体製造装置の分野においては、ガス供給系の小型化が求められているため、ガス供給系を構成するバルブや流量制御装置について小型化が求められている。
【0008】
しかしながら、従来では、積層圧電アクチュエータの周囲を囲むようにして筒体固定ガイド体24(図10参照、特許文献1)や圧電素子支持部材(特許文献2)が設けられており、これらが小型化を阻害していた。
【0009】
そこで、本発明は、積層圧電アクチュエータを用いた圧電式リニアアクチュエータを薄型化することにより、圧電式リニアアクチュエータを備える圧電駆動バルブ、及び圧電駆動バルブを備える流量制御装置を小型化することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第1の側面は、積層圧電アクチュエータと、前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第2の側面は、前記第1の側面において、前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされる。
【0012】
本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第3の側面は、前記第1の側面において、前記ガイド部材が、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0013】
本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第4の側面は、前記第1の側面において、前記ガイド部材が、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0014】
本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第5の側面は、前記第3又は第4の側面において、前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備える。
【0015】
本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの第6の側面は、前記第1の側面において、前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、及び、前記変位伝達部材が、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっている。
【0016】
また、本発明に係る圧電駆動バルブの第1の側面は、積層圧電アクチュエータと、前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、を備える圧電式リニアアクチュエータと、
前記圧電式リニアアクチュエータが取り付けられるとともに内部に流路が形成された弁ブロックと、
前記弁ブロック内に設けられ、前記圧電式リニアアクチュエータの出力部に設けられた弁棒と、
該弁棒の操作により前記流路を開閉する弁体と、を備える。
【0017】
本発明に係る圧電駆動バルブの第2の側面は、前記圧電駆動バルブの第1の側面において、前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされる。
【0018】
本発明に係る圧電駆動バルブの第3の側面は、前記圧電駆動バルブの第1の側面において、前記ガイド部が、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0019】
本発明に係る圧電駆動バルブの第4の側面は、前記圧電駆動バルブの第1の側面において、前記ガイド部材が、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0020】
本発明に係る圧電駆動バルブの第5の側面は、前記圧電駆動バルブの第3又は4の側面において、前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備える。
【0021】
本発明に係る圧電駆動バルブの第6の側面は、前記圧電駆動バルブの第1の側面において、前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、前記変位伝達部材、及び前記弁ブロックが、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっている。
【0022】
本発明に係る圧電駆動バルブの第7の側面は、前記圧電駆動バルブの第1の側面において、前記弁体が金属ダイヤフラム弁体である。
【0023】
また、本発明に係る流量制御装置の第1の側面は、
積層圧電アクチュエータと、前記積層圧電アクチュエータを支持するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる下部支持部材と、前記積層圧電アクチュエータを上部から押圧するとともに該積層圧電アクチュエータの左右側方に延びる押圧部材と、前記積層圧電アクチュエータの左右両側において前記下部支持部材に連結されるとともに前記押圧部材の左右をガイドするガイド部材と、前記積層圧電アクチュエータの圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材であって、前記積層圧電アクチュエータの左右両側に沿って延びるとともに前記下部支持部材及び前記押圧部材に対して上下動可能に交差し且つ前記下部支持部材の下方及び前記押圧部材の上方において各々連結された一対の変位伝達板と、前記一対の変位伝達板と連結され前記変位伝達板の前記押圧部材に対する相対高さ位置を調節可能な調節螺子と、前記下部支持部材の下方において前記一対の変位伝達板と連結された出力部と、該出力部を下方に付勢する弾性体と、を備える前記変位伝達部材と、を備える圧電式リニアアクチュエータと、
前記圧電式リニアアクチュエータが取り付けられるとともに内部に流路が形成された弁ブロックと、前記弁ブロック内に設けられて前記圧電式リニアアクチュエータの出力部に設けられた弁棒と、該弁棒の操作により前記流路を開閉する弁体と、を備える圧電駆動バルブと、
前記圧電駆動バルブを開閉制御する制御装置と、を備える。
【0024】
本発明に係る流量制御装置の第2の側面は、上記流量制御装置の第1の側面において、前記ガイド部材と前記押圧部材との間に介在された弾性部材を更に備え、該弾性部材により前記押圧部材が前記積層圧電アクチュエータを押圧する構成とされている。
【0025】
本発明に係る流量制御装置の第3の側面は、上記流量制御装置の第1の側面において、前記ガイド部材が、前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0026】
本発明に係る流量制御装置の第4の側面は、上記流量制御装置の第1の側面において、前記ガイド部材が、前記下部支持部材に立設されて前記押圧部材の左右を摺動自在に貫通するガイド軸を有する。
【0027】
本発明に係る流量制御装置の第5の側面は、上記流量制御装置の第3又は第4の側面において、前記ガイド軸に外挿されて前記押圧部材を前記積層圧電アクチュエータの側へ押圧するコイルバネを更に備える。
【0028】
本発明に係る流量制御装置の第6の側面は、上記流量制御装置の第1の側面において、前記下部支持部材、前記押圧部材、前記ガイド部材、前記変位伝達部材、及び前記弁ブロックが、前記積層圧電アクチュエータの幅寸法の範囲内に収まっている。
【0029】
本発明に係る流量制御装置の第7の側面は、上記流量制御装置の第1の側面において、前記弁体の下流側の流路内に介在されたオリフィスと、前記オリフィスの上流側の流路内圧力を検出する圧力検出器と、を更に備え、前記制御装置は、前記圧力検出器の検出値に基づいて前記圧電駆動バルブを開閉制御する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記構成を採用したことにより、積層圧電アクチュエータの左右に構成部材を集約することで、圧電式リニアアクチュエータを極限まで、即ち、積層圧電アクチュエータの幅寸法まで薄型化が可能となり、斯かる積層圧電アクチュエータを用いた圧電駆動バルブ及び流量制御装置も薄型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明に係る圧力式リニアアクチュエータの一実施形態を示す縦断正面図である。
図2図2は、図1の圧力式リニアアクチュエータの中央縦断側面図である。
図3図3は、図1の圧力式リニアアクチュエータの平面図である。
図4図4は、図1の構成要素である押圧部材を示す平面図である。
図5図5は、図1の構成要素である変位伝達部材の要部を示す斜視図である。
図6図6は、図1の実施形態の変更態様を示す縦断正面図である。
図7図7は、本発明に係る流量制御装置の一実施形態を示す縦断正面図である。
図8図8は、図7の側面図である。
図9図9は、本発明に係る流量制御装置の他の実施形態を示す縦断正面図である。
図10図10は、従来の圧力式流量制御装置を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態について、以下に図1図9を参照して説明する。なお、全図及び全実施例を通じ、同一又は類似の構成部分には同符号を付した。
【0033】
図1は、本発明に係る圧電式リニアアクチュエータの一実施形態を示す縦断正面図、図2は中央縦断側面図、図3は平面図である。
【0034】
圧電式リニアアクチュエータ1は、積層圧電アクチュエータ2と、積層圧電アクチュエータ2を支持するとともに積層圧電アクチュエータ2の左右側方に延びる下部支持部材3と、積層圧電アクチュエータ2を上部から押圧するとともに積層圧電アクチュエータ2の左右側方に延びる押圧部材4と、積層圧電アクチュエータ2の左右両側において下部支持部材3に連結支持されるとともに押圧部材4の左右をガイドするガイド部材5と、積層圧電アクチュエータ2の圧電効果による変位を伝達する変位伝達部材6と、を備えている。
【0035】
圧電式リニアアクチュエータ1は、積層された圧電素子が金属ケース内に密封された、いわゆる金属密封型積層圧電アクチュエータ2が用いられ得る。金属密封型積層圧電アクチュエータ2の金属ケースの下部には半球状凸部1a(図2参照)が設けられている。
【0036】
下部支持部材3は、円柱状をした積層圧電アクチュエータ2の幅(外径)W2以下の幅の板状部材とすることができ、基台7上に設置されている。図示例では、下部支持部材3の幅寸法は、図2を参照すれば、積層圧電アクチュエータ2の幅寸法W2と同じである。下部支持部材3の左右両側には通孔3a、3bが形成されており、それらの通孔3a、3bを通して、ガイド部材5の下部に形成された雄螺子部5aが基台7に螺入されることにより、下部支持部材3が基台7に固定されている。
【0037】
変位伝達部材6は、積層圧電アクチュエータ2の左右両側に沿って延びる一対の変位伝達板6a、6bを備えている。変位伝達板6a,6bの最大幅寸法W1(図5)は、積層圧電アクチュエータ2の幅寸法W2(図2)以下の寸法に設定されている。
【0038】
変位伝達板6a、6bは下部に細幅部6cを備えており、下部支持部材3には変位伝達板6a、6bの細幅部6cが挿通可能な矩形孔3dが形成されている。変位伝達板6a、6bの細幅部6cが下部支持部材3の矩形孔3dに貫通し、変位伝達板6a、6bが下部支持部材3に上下摺動可能に交差している。これとは逆に、図示しないが、下部支持部材3が変位伝達板6a,6bを貫通する態様とすることもできる。
【0039】
変位伝達板6a、6bの下部は、連結ピン等の連結部材6cにより連結されており、連結部材6cに出力部6dが連結されている。基台7には、連結部材6cを収容する凹部7aが形成されるとともに、出力部6dを挿通させる通孔7bが形成されている。
【0040】
変位伝達板6a、6bの上部には、押圧部材4を挿入して貫通させるための上下方向に延びるスリット6eが其々形成されている。押圧部材4は、下部支持部材3と同様に積層圧電アクチュエータ2の幅以下の幅を持つ板状部材であって、図4の平面図に示すように変位伝達板6a,6bのスリット6eの部位で係合する凹溝4bが形成されており、組立時にはスリット6e、6eに連通させてから長さ方向軸線回りに90°回転させることにより、板面を水平にされる。なお、図4において、凹部4cは、積層圧電アクチュエータ2に電圧を印加するためのリード線(不図示)を通す凹部である。
【0041】
スリット6e、6eは、変位伝達板6a、6bを、押圧部材4に対して上下動可能になし得る長さ寸法に形成されている。押圧部材4の上方において、変位伝達板6a、6bは互いに連結部6fにより連結されている。図示しないが、押圧部材に通孔を形成して変位伝達板が押圧部材を貫通する態様とすることもできる。
【0042】
変位伝達板6a、6bの連結部6fに調節螺子6gが螺入され、押圧部材4に当接している。調節螺子6gは、緩み止めナット6hを有している。調節螺子6gの螺入度合を調節することにより、押圧部材4に対する変位伝達板6a、6bの相対高さ位置を調節することができる。なお、図5において、連結部6fの正面及び裏面において上下に延びる凹所6kは、積層圧電アクチュエータ2に電圧を印加するためのリード線(不図示)を通す凹部である。
【0043】
図1に示すガイド部材5は、雄螺子部5aが基台7に螺入され下部支持部材3に立設された支柱部5bと、支柱部5bの上部に同軸線で形成された雌螺子5cに螺合された雄螺子5dとを備えている。雄螺子5dの軸部は、押圧部材4の左右両側に形成された通孔4aを摺動自在に貫通し、押圧部材4を上下にガイドするガイド軸5eを構成している。
【0044】
ガイド部材5と押圧部材4との間に弾性部材8が介在され、押圧部材4が積層圧電アクチュエータ2を押圧している。図1に示す例では、弾性部材8は、雄螺子5dの軸部に、雄螺子5dの頭部5fと押圧部材4との間で、圧縮状態で外挿されたコイルバネとされている。弾性部材8は、図6に示すように、コイルバネに代えて、皿バネとしても良い。
【0045】
出力部6dを下方に付勢する弾性体9が設けられている。図1に示された弾性体9は、出力部6dの下端部に設けられた鍔部6iと基台7との間で出力部6dに外挿されたコイルバネである。
【0046】
上記構成の圧電式リニアアクチュエータ1は、積層圧電アクチュエータ2に電圧を印加することで積層圧電アクチュエータ2が伸長し、弾性部材8及び弾性体9に抗して押圧部材4を押し上げ、変位伝達部材6を押し上げて出力部6dを上昇させる。印加電圧を遮断することで、押圧部材4及び変位伝達部材6が元位置に復帰し、出力部6dも降下して元位置に復帰する。
【0047】
下部支持部材3、押圧部材4、ガイド部材5、及び、変位伝達部材6の其々の幅寸法が積層圧電アクチュエータの幅寸法以下とされることで、これらの部材が積層圧電アクチュエータ2の幅寸法の範囲内に収められ、圧電式リニアアクチュエータの薄型化が図られている。
【0048】
図7及び図8は、上記のような圧電式リニアアクチュエータ1を備える流量制御装置を示している。図7及び図8の例は、圧力式流量制御装置であるが、圧力式流量制御装置の基本構成は図10の従来例と同様であるので同符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0049】
圧力式流量制御装置10は、圧電式リニアアクチュエータ1が取り付けられるとともに内部に流路11が形成された弁ブロック12と、弁ブロック12内に設けられて圧電式リニアアクチュエータ1の出力部6dに設けられた弁棒と、弁棒を構成する出力部6dの操作により流路11を開閉する弁体13と、を含む圧電駆動バルブを備える。また、圧力式流量制御装置10は、弁体13の下流側の流路内に介在されたオリフィス14と、オリフィス14の上流側の流路11内の圧力を検出する圧力検出器15と、圧力検出器15の検出値に基づいて圧電駆動バルブを開閉制御する制御装置(不図示)を、を備えている。弁棒である出力部6dを下方へ押圧するための弾性体9は、図示例では積み重ねられた複数枚の皿バネである。また、図示例では、弁体13が金属ダイヤフラム弁体であり、弁体押え17によって周囲を押されて固定されている。
【0050】
図示例の圧力式流量制御装置10は、薄板のケーシング18内に収容されているが、基台7、弁体押え17、弁ブロック12も、積層圧電アクチュエータ2とほぼ同幅に設計されており、装置全体の薄型化が図られている。
【0051】
図9は、本発明係る流量制御装置の他の実施形態を示している。図9の実施形態では、ガイド部材5Aが図7の実施形態と相違している。すなわち、図9では、ガイド部材5Aは門型をしていて、下端部が基台7に図示しない螺子等で固定されることにより下部支持部材3に連結されており、上部にガイド軸5e’を垂下するように連結している。その他の構成は、図7の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0052】
上記実施形態では、圧力式流量制御装置について説明したが、本発明の積層圧電式アクチュエータを利用する他の流量制御装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 圧電式リニアアクチュエータ
2 積層圧電アクチュエータ
3 下部支持部材
4 押圧部材
5 ガイド部材
5c ガイド軸
6 変位伝達部材
6a,6b 変位伝達板
6d 出力部
6g 調節螺子
8 弾性部材
9 弾性体
10 流量制御装置
11 流路
12 弁ブロック
13 弁体
14 オリフィス
15 圧力検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10