特許第6194135号(P6194135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6194135
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】鋼管穴あけ具
(51)【国際特許分類】
   B23B 45/14 20060101AFI20170828BHJP
   B23B 41/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B23B45/14
   B23B41/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-109021(P2017-109021)
(22)【出願日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年6月1日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517060030
【氏名又は名称】西田 稔
(72)【発明者】
【氏名】西田 稔
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−77619(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104551087(CN,A)
【文献】 実開平7−29365(JP,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0119293(KR,A)
【文献】 特開平5−293706(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0021645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 45/00−45/16,
35/00−41/16,
49/00−49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具であって、
前記鋼管穴あけ具は、外周上に複数の平行面が形成されるナット状の鋼管受け台ブロックの中心位置に鋼管挿入穴を形成すると共に、該平行面毎の中央位置から前記鋼管挿入穴の中心軸に向かって所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴を穿設して成り、
穴あけ作業時において、穴あけされる鋼管を所定の間隔を空けて設置される一対の前記鋼管受け台ブロックの鋼管挿入穴に挿入することで、水平状態を維持しながら鋼管の外周面に小径の穴をあけることを特徴とする鋼管穴あけ具。
【請求項2】
前記鋼管受け台ブロックの平行面の何れか一面の中央位置に前記鋼管挿入穴の中心軸に向かって螺設されるネジ穴とセットビスで構成される鋼管回転防止機能を設けたことを特徴とする請求項1記載の鋼管穴あけ具。
【請求項3】
前記鋼管受け台ブロックが合成樹脂素材で形成され、前記ドリルガイド穴が穿設されていた位置にドリルガイドブッシュ挿入穴を穿設し、該ドリルガイドブッシュ挿入穴に所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴が穿設されたドリルガイドブッシュを挿入止して成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鋼管穴あけ具。
【請求項4】
前記鋼管受け台ブロックの平行面と直交する側面に鋼管の外周面の穴あけ位置が設定できるガイド目盛りを刻設したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか記載の鋼管穴あけ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における鋼管の外周面に小径の穴を開ける手段としては、磁気ボール盤を使用して鋼管への穴あけ作業を容易にする「磁気ボール盤の鋼管穴あけ用治具」(特許文献−1)が提案され、公知技術となっている。
【0003】
しかしながら、係る「磁気ボール盤の鋼管穴あけ用治具」の提案は、鉄心にマグネットコイルが巻装されたマグネットと、前記マグネットの上部に取付けられたスタンドと、前記スタンドに上、下動可能に取付けられた電気ドリルとを含む磁気ボール盤において、加工対象物である鋼管に載置されるように形成される中抜きの長方形状の両端部に鞍状の切欠き部をもった治具と、前記治具の中抜き部分の上方に前記マグネットを配置して前記治具に取付けられ前記マグネットを支えるための複数のボルトを含んで構成されて成る磁気ボール盤を使用した鋼管穴あけ用治具の提案であって、該提案は、鋼管に穴あけする際には、固定された磁気ボール盤に鋼管を穴あけ作業毎にセットし直さなければならないことから使い勝手が悪いと共に、大型且つ重量物であることから移動が困難である上、作業現場が磁気ボール盤の設置可能な個所に限定されることから鋼管設置現場においての穴あけ作業が困難なものであった。
【0004】
また、一般に普及しているハンドドリルを使用した鋼管穴あけ具としては、地中等に埋設したり、地上に配管している鋼管内に電線、ケーブル等が入っているか否かを調べるため、鋼管の外周に穴を開けて、当該穴から内部を覗いているが、この鋼管の外周に穴を開ける際、鋼管内の電線やケーブルを傷つけないようにした「鋼管用穴あけ工具」(特許文献−2)が提案され、公知技術となっている。
【0005】
しかしながら、係る「鋼管用穴あけ工具」の提案は、電気ドリルに着脱自在な穴あけ用の筒状の刃の下端から一定長の外周上部にストッパーを突設し、鋼管の外周に被冠自在な弧状のガイド体を別に設け、このガイド体の略中央に透穴を穿ち、この透穴の内径は上記穴あけ用ドリル刃の筒状の刃の外径よりやや大きくかつストッパー部分の外径より小さい構成とし、また上記筒状の刃の下端からストッパーまでの長さがガイド体の透穴の長さと穴あけする鋼管の厚さを加えた長さに略等しい構成とした鋼管穴あけ用治具の提案であって、該提案は、穴あけする鋼管の外周に被冠自在な弧状のガイド体を穴あけする度に巻き付けなければならず、連続して多数の穴あけ作業をするには、作業性が極めて悪いといった問題点があるものであった。
【0006】
本出願人は、従来の鋼管穴あけ手法においての作業性および安全性の確保に加えて穴あけ作業の熟練度が求められる現状に着目し、一般的に普及しているハンドドリルを使用して誰でもが簡単に鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができないものかという着想の下、鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具を開発し、本発明における「鋼管穴あけ具」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−138416号公報
【特許文献2】実開平7−027714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点を鑑み、鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具の提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされるもので、本発明における鋼管穴あけ具は、鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具であって、前記鋼管穴あけ具は、外周上に複数の平行面が形成されるナット状の鋼管受け台ブロックの中心位置に鋼管挿入穴を形成すると共に、該平行面毎の中央位置から前記鋼管挿入穴の中心軸に向かって所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴を穿設して成り、穴あけ作業時において、穴あけされる鋼管を所定の間隔を空けて設置される一対の前記鋼管受け台ブロックの鋼管挿入穴に挿入することで、水平状態を維持しながら鋼管の外周面に小径の穴をあける手段を採る。
【0010】
また、本発明における鋼管穴あけ具は、前記鋼管受け台ブロックの平行面の何れか一面の中央位置に前記鋼管挿入穴の中心軸に向かって螺設されるネジ穴とセットビスで構成される鋼管回転防止機能を設けた手段を採る。
【0011】
また、本発明における鋼管穴あけ具は、前記鋼管受け台ブロックが合成樹脂素材で形成され、前記ドリルガイド穴が穿設されていた位置にドリルガイドブッシュ挿入穴を穿設し、該ドリルガイドブッシュ挿入穴に所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴が穿設されたドリルガイドブッシュを挿入止して成る手段を採る。
【0012】
また、本発明における鋼管穴あけ具は、前記鋼管受け台ブロックの平行面と直交する側面に鋼管の外周面の穴あけ位置が設定できるガイド目盛りを刻設した手段を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の鋼管穴あけ具によれば、鋼管受け台ブロックを鋼管の外周面に対して着脱自在に装着することによって、鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができるといった優れた効果を奏する。
【0014】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、穴あけ手段が、手動のハンドドリルまたは固定式のボール盤を使用して鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができるといった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、外周上に複数の平行面が形成されるナット状の鋼管受け台ブロックを使用することで、鋼管が安定的に保持されると共に、加工される小径の穴が鋼管の主軸方向に対して正確にあけられるといった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、目的とする鋼管径の専用穴あけ具として複数用意することで、簡易構造化、軽量化、経済化、利便性、携帯性、量産化を求めることができるといった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、鋼管以外の塩ビパイプ、陶器パイプ、ガラスパイプ、丸棒木材等の外周面に小径の穴をあける穴あけ具としても使用することができるといった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、一般ユーザーによるDIY作業によって鋼管に多数の穴を容易にあけることができることから、雪国地方における温水と鋼管を使用した融雪装置が容易且つ安価にできるといった優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、ネジ穴とセットビスで構成される鋼管回転防止機能が設けられていることによって、穴あけ作業が難しい硬質の金属パイプの外周面に小径の穴を容易にあけることができるといった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、ドリルガイドブッシュ挿入穴に交換用のドリルガイドブッシュを挿入して寸法の異なる小径の穴を容易にあけることができると共に、鋼管受け台ブロック自体を加工が容易で安価な合成樹脂素材で形成することができるといった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明の鋼管穴あけ具によれば、鋼管受け台ブロックの平行面と直交する側面に鋼管の外周面の穴あけ位置が設定できるガイド目盛りを刻設することで、鋼管の外周面に小径の穴の位置を縦横無尽且つ正確に設定することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の鋼管穴あけ具における実施形態を示す説明図である。(実施例1)
図2】本発明の鋼管穴あけ具における穴あけ作業状態を示す説明図である。
図3】本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
図4】本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の実施形態を示す説明図である。(実施例3)
図5】本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明における鋼管穴あけ具10は、鋼管Pの外周面に小径の穴Hをズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具10であって、鋼管穴あけ具10は、外周上に複数の平行面21が形成されるナット状の鋼管受け台ブロック20の中心位置に鋼管挿入穴22を形成すると共に、該平行面21毎の中央位置に所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴23を鋼管挿入穴22の中心軸に向かって穿設して成り、穴あけ作業時において、穴あけされる鋼管Pを、所定の間隔を空けて設置される鋼管受け台ブロック20の鋼管挿入穴22に挿入することで水平状態を維持しながら鋼管Pの外周面に小径の穴Hをズレることなく正確にあけることができる手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
尚、本発明の鋼管穴あけ具10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で適宜変更することができる。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の鋼管穴あけ具における実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明の鋼管穴あけ具10における使用状態を示す斜視図である。
図1(b)は本発明の鋼管穴あけ具10における組み立て状態を示す斜視図である。
本発明の鋼管穴あけ具10は、外周上に複数の平行面21が形成されるナット状の鋼管受け台ブロック20の中心位置に鋼管挿入穴22を形成すると共に、該平行面21毎の中央位置から鋼管挿入穴22の中心軸に向かって所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴23を穿設した形状に形成される。
【0026】
鋼管受け台ブロック20は、金属、焼き入れ鋼や、歯車などの素材に使用される高強度樹脂などの素材でナット状に形成され、、使用されるドリル刃Cの外径に合わせて複数用意されると共に、使用時においてそれらが任意に選択されて使用される。
【0027】
平行面21は、ナット状の多角形ブロックの外周上に形成されるもので、例えば四角形、六角形、八角形、十二角形の板状のブロックによって形成される。
【0028】
鋼管挿入穴22は、ナット状の鋼管受け台ブロック20の中心位置に形成され、任意の外径の鋼管Pを選択して挿入することで、鋼管Pを安定的に保持する役目を果たす。
【0029】
ドリルガイド穴23は、ドリル刃Cの外径が上下にスライドするガイド穴であって、最深部位置が鋼管Pの外周面に密着することで、鋼管Pのドリル穴あけ作業でのドリル刃Cの滑りを防止する役目を果たす。
【0030】
鋼管Pは、足場用の鋼管パイプ、水道管、ガス管、ケーブル配管用鋼管等を対象とし、その他としては、塩ビパイプ、陶器パイプ、ガラスパイプ、丸棒木材等が使用される。
【0031】
以上で構成される本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管Pに対して着脱自在に装着することによって、ドリル刃Cが鋼管Pの外周部に対して滑ることなく、安全且つ容易に穴あけすることができると共に、穴あけ工具が、手動のハンドドリルDまたは固定式のボール盤であっても容易に穴あけ作業ができる鋼管穴あけ具10の提供を可能にする。
【0032】
図2は、本発明の鋼管穴あけ具における穴あけ作業状態を示す説明図である。
図2(a)は本発明の鋼管穴あけ具10における穴あけ作業状態を示す側面図である。
図2(b)は本発明の鋼管穴あけ具10における穴あけ作業状態を示す正面図である。
《作業状況の説明》
(1)作業台の上にこれから小径の穴Hをあけようとする鋼管Pと、本発明の鋼管穴あけ具10を2基用意する。
(2)2基の鋼管穴あけ具10の鋼管挿入穴22に鋼管Pを挿入し、鋼管Pを平行状態にセットする。
(3)これから穴あけようとするドリルガイド穴23が設けられている鋼管穴あけ具10をセットする。(図示では左側にセット)
(4)鋼管Pを上方から片手で抑え込んだ状態でハンドドリルDのドリル刃Cを鋼管穴あけ具10のドリルガイド穴23に挿入する。
(5)ハンドドリルDのドリル刃Cを鋼管受け台ブロック20のドリルガイド穴23に沿って上下にスライドさせて鋼管Pの外周面に小径の穴Hをあける。
(6)鋼管Pをずらし(回転と送り)ながらケビキ線Kに沿って順次鋼管Pの外周面に小径の穴Hをあけていく。
(7)2基の鋼管受け台ブロック20を鋼管Pから引き抜く。
(8)完了。
【0033】
以上で構成される本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管受け台ブロック20を鋼管Pの外周面に対して着脱自在に装着することによって、ドリル刃Cが鋼管Pの外周部に対して滑ることなく、安全且つ容易に穴あけすることができると共に、穴あけ工具が、手動のハンドドリルDまたは固定式のボール盤であっても容易に穴あけ作業ができる鋼管穴あけ具10の提供を可能にする。
【実施例2】
【0034】
図3は、本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の実施形態を示す説明図である。
本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管受け台ブロック20の平行面21の何れか一面の中央位置に鋼管挿入穴22の中心軸に向かって螺設されるネジ穴31とセットビス32で構成される手段を採ることができる。
【0035】
鋼管回転防止機能30は、鋼管受け台ブロック20の平行面21の何れか一面の中央位置に鋼管挿入穴22の中心軸に向かって螺設されるネジ穴31セットビス32で構成され、作業時の鋼管Pの回転を完全に止める目的で設けられるもので、鋼管Pの材質が硬いステンレス鋼などの穴あけ作業に使用される。
【0036】
以上で構成される本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管Pに対してド鋼管穴あけ具10を鋼管回転防止機能30によって完全に固着させることによって、ドリル刃Cが鋼管Pの外周部に対して滑ることなく、安全且つ容易に穴あけすることができると共に、穴あけ工具が、手動のハンドドリルDまたは固定式のボール盤であっても容易に穴あけ作業ができる鋼管穴あけ具10の提供を可能にする。
【実施例3】
【0037】
図4は、本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の実施形態を示す説明図である。
本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管受け台ブロック20が合成樹脂素材で形成され、ドリルガイド穴23が穿設されていた位置にドリルガイドブッシュ挿入穴41を穿設し、該ドリルガイドブッシュ挿入穴41に所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴23が穿設されたドリルガイドブッシュ40を挿入止する手段を採ることができる。
【0038】
鋼管受け台ブロック20は、製品単価の低減と軽量ならびに量産化の向上を図るため合成樹脂素材で形成することができる。
【0039】
ドリルガイドブッシュ40は、ナット状の鋼管受け台ブロック20の平行面21に穿設されるドリルガイドブッシュ挿入穴41に挿入止される交換用のブッシュで、外径形状を同じくし、内径に所定のドリルガイド穴23を穿設して複数備えられる。
【0040】
ちなみに、ドリルガイドブッシュ40をドリルガイドブッシュ挿入穴41に挿入止する手段としては、嵌合式、落とし込み式、圧入式、挿入式、螺合式、スライド式など多様な手段を用いて着脱・係止自在に挿入止される。
【0041】
ドリルガイドブッシュ挿入穴41は、交換用のドリルガイドブッシュ40が挿入される挿入穴で、外周上に複数の平行面21の中央位置から鋼管挿入穴22の中心軸に向かって平行面21毎に穿設される。
【0042】
以上で構成される本発明の鋼管穴あけ具10は、ドリルガイドブッシュ挿入穴41に交換用のドリルガイドブッシュ40を挿入して寸法の異なる小径の穴Hを容易且つ効率的に穴あけすることができると共に、鋼管受け台ブロック20が安価且つ加工が容易な合成樹脂素材で形成することができる鋼管穴あけ具10の提供を可能にする。
【実施例4】
【0043】
図5は、本発明の鋼管穴あけ具におけるその他の使用状態を示す斜視図である。
本発明の鋼管穴あけ具10は、鋼管受け台ブロック20の平行面21と直交する側面に鋼管Pの外周面の穴あけ位置が設定できるガイド目盛り42を刻設した手段を採ることができる。
【0044】
ガイド目盛り42は、これから小径の穴Hをあけしようとする鋼管Pの外周面の穴あけ位置が設定できるように鋼管受け台ブロック20の平行面21と直交する側面に刻設される。
軸方向の送りに関しては、ケビキ線Kと鋼管挿入穴22との境界部で設定し、回転角度方向の送りに関しては予め任意の角度で刻設された角度目盛りによって設定することができる。
【0045】
以上で構成される本発明の鋼管穴あけ具10は、穴あけ位置は、鋼管Pの外周面にランダムに小径の穴Hをあけることができると共に、、鋼管Pの外周面にケビキ線Kを書き込んでその位置を表示されているガイド目盛り42に合わせることで任意の回転角度位置に正確に小径の穴Hをあけることができる鋼管穴あけ具10の提供を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の鋼管穴あけ具は、鋼管の外周面に小径の穴を開けることができる鋼管穴あけ具として使用することができると共に、塩ビパイプ、陶器パイプ、ガラスパイプ、丸棒木材用等の穴あけ具としても利用することができることから、本発明の「鋼管穴あけ具」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0047】
10 鋼管穴あけ具
20 鋼管受け台ブロック
21 平行面
22 鋼管挿入穴
23 ドリルガイド穴
30 鋼管回転防止機能
31 ネジ穴
32 セットビス
40 ドリルガイドブッシュ
41 ドリルガイドブッシュ挿入穴
42 ガイド目盛り
P 鋼管
H 小径の穴
D ハンドドリル
C ドリル刃
K ケビキ線
【要約】
鋼管の外周面に小径の穴をズレることなく正確にあけることができる鋼管穴あけ具の提供を図る。
【課題】本発明の鋼管穴あけ具10は、外周上に複数の平行面21が形成されるナット状の鋼管受け台ブロック20の中心位置に鋼管挿入穴22を形成すると共に、該平行面21毎の中央位置から鋼管挿入穴22の中心軸に向かって所定の穴径寸法で形成されるドリルガイド穴23を穿設して成り、穴あけ作業時において、穴あけされる鋼管Pを所定の間隔を空けて設置される一対の鋼管受け台ブロック20の鋼管挿入穴22に挿入することで、水平状態を維持しながら鋼管Pの外周面に小径の穴Hをあける手段を採る。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5