特許第6194196号(P6194196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194196
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】包装充填装置、紙容器及びブランク
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/28 20060101AFI20170828BHJP
   B65D 5/06 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B65B43/28 B
   B65D5/06 100
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-137612(P2013-137612)
(22)【出願日】2013年6月29日
(65)【公開番号】特開2015-9866(P2015-9866A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229232
【氏名又は名称】日本テトラパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 好人
(74)【代理人】
【識別番号】100088111
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 正三
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】矢野 恵治
(72)【発明者】
【氏名】桑田 宏由
(72)【発明者】
【氏名】大宮 尚
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−329243(JP,A)
【文献】 特開昭56−064943(JP,A)
【文献】 特開2001−031018(JP,A)
【文献】 特開2001−353790(JP,A)
【文献】 米国特許第03412922(US,A)
【文献】 特開2000−280375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/28
B65D 5/06
B65D 5/40
B65B 3/02
B31B50/00−70/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体、上部及び底部を有する紙容器を形成する包装充填装置であって、
該紙容器は、少なくとも最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランクから成形され、
該ブランクは、該紙容器を展開した形状及び折込み線を備え、
該ブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル及び第3パネルの各下端辺から延びる第1底部パネル及び第3底部パネルと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル及び第4パネルの各下端辺から延びる第2底部パネル及び第4底部パネルとを有し、
該第3底部パネルが、該第3底部パネルの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネルを有し、
該第6パネルが、第3底部パネルの下端辺の全長の15%〜65%の幅及び端面からの浸透漏れを遅延させる為に必要な長さを有し、
該容器の上部に対応する複数の上部パネルを有し、
該紙容器の底部は、該第6パネルを該第3底部パネルの下端辺から伸ばし、該第2底部パネル及び第4底部パネルを、該第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げて、該第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるように、該第1底部パネル及び第3底部パネルを、該第2底部パネル及び第4底部パネルの外側に重ね、内側及び外側から押圧及びヒートシールして得られ、
該包装充填装置は、縦シールされ平たくされた複数の該ブランクの供給された束から1つの該ブランクを取出して筒状ブランクを装入する装入手段と、該筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段、該上部開口から液体食品を充填する充填手段と、該上部開口をヒートシールする上部密封手段とを、少なくとも備え、
該装入手段は、該ブランクを取出す取出し手段と、平たい該ブランクを該筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、該筒状ブランクを該底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダーとを有し、
該底部成形手段のプレスステーションで、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧し、該マンドレル先端面に、該第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え
前記押圧面は、前記容器底部に上向き溝を形成する突条面を備え、
前記三角フラップは前記容器内面に三角状段差を形成し、前記三角状エンボスが前記三角状段差に嵌まり、前記第3底部パネルを押圧する、
ことを特徴とする包装充填装置。
【請求項2】
縦シールされた複数のブランクから1つのブランクを取出す取出し手段と、
前記ブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、
前記筒状ブランクをマンドレルに挿入させるインフィーダーと、
前記マンドレルとプレスステーションを有し、前記筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段と、
前記上部開口から液体食品を充填する充填手段と、
前記上部開口をヒートシールする上部密封手段と、を備え、
前記マンドレルは先端面を有し、前記先端面に前記容器の第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え、
前記プレスステーションは押圧面を有し、前記押圧面に前記容器の底部に上向き溝を形成する突条面を備え、
前記マンドレル先端面と前記押圧面が前記容器底部の外と内を押圧し、前記三角状エンボスが、前記容器の底部の前記上向き溝上に形成された三角状段差に嵌まり、前記容器の前記第3底部パネルを押圧する、
包装充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース等液体食品の屋根型紙容器の包装充填に用いる包装充填装置、紙容器及びブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
屋根型紙容器に関しては、内外面に熱可塑性樹脂層を設けた紙包装材料からなる底有り角筒状体容器を準備し、容器底を下に容器開口が上になるように容器を垂直に正立させ、容器の内部を滅菌し、容器の上部の開口から内溶液の牛乳、ジュース等飲料を充填し、上部容器内面の密封部分に熱風を吹きつけて、熱可塑性樹脂層を軟化/溶融し、押圧して上部開口を密封し、液体を充填した屋根型紙容器を得る。上記の一連の工程(容器準備、容器正立、滅菌、液体充填、上部密封など)が包装充填機内部で行われる。
【0003】
上記の包装充填では、紙容器展開形状であって折込み線が付されたブランク(図1(A))が、縦シールで筒状に形成された後、底部を折込んで熱圧着により底部を形成して底有り角筒状体容器14を得る(図1(D))。上記の一連の工程で、屋根型紙容器9(図1(E))が形成される。
【0004】
包装充填装置では、図1(A)に示すような、紙容器を展開した形状及び折込み線を備えるブランクを用いる。このブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル1及び第3パネル3の各下端辺から延びる第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル2及び第4パネル4の各下端辺から延びる第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bとを有し、第3底部パネル3bが、第3底部パネル3bの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネル6を有し、容器の上部に対応する複数の上部パネル1t、2t、3t及び4tを有する。
包装充填装置では、例えば、事前の折り曲げ構成を用いず、内外面のポリエチレンなどの熱可塑性樹脂層を加熱し溶融軟化する加熱ステップの後に、容器の底部形成ステップで、第6パネルを2つの湾曲部を有する折り曲げ部材で折り曲げる(例えば、特許文献1参照)。
第6パネルの折り曲げによって、容器底部の内面に露出する紙包装材料の端面を覆い、浸透漏れから保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−226884号公報
【特許文献2】特開平09−226884号公報
【特許文献3】特開平03−182330号公報
【特許文献4】特開平07−040971号公報
【特許文献5】実開昭48−13058号公報
【特許文献6】実用新案登録1582831号公報
【特許文献7】実開昭63−13144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内外面のポリエチレン層を加熱し溶融軟化する加熱ステップの後に、底部形成ステップで、第6パネルを折り曲げ部材で折り曲げると、第6パネルの一部若しくは全体の内外面のポリエチレンも溶融軟化しており、折り曲げ部材の接触部位に付着し、ポリエチレン塊や残渣が折り曲げ部材に堆積する恐れがある。また、第6パネルを折り曲げたとしても、折り曲げた箇所が包装材料端面を保護するに必要なほどに十分に長さを確保することができない。確保するために、第6パネルの幅を広げると、第6パネルを十分に折り曲げることができないという不都合が起こる恐れがある。
この発明は、端面からの浸透漏れに適切に対応することができる包装充填装置、紙容器及びブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による包装充填装置は、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体、上部及び底部を有する紙容器を形成する包装充填装置であって、
紙容器は、少なくとも最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランクから成形され、
ブランクは、紙容器を展開した形状及び折込み線を備え、
ブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル及び第3パネルの各下端辺から延びる第1底部パネル及び第3底部パネルと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル及び第4パネルの各下端辺から延びる第2底部パネル及び第4底部パネルとを有し、
第3底部パネルが、第3底部パネルの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネルを有し、
第6パネルが、第3底部パネルの下端辺の全長の15%〜65%、好ましくは、20%〜60%、より好ましくは30%〜55%の幅及び端面からの浸透漏れを遅延させる為に必要な高さ(長さ)を有し、
容器の上部に対応する複数の上部パネルを有し、
紙容器の底部は、第6パネルを第3底部パネルの下端辺から伸ばし、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げて、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるように、第1底部パネル及び第3底部パネルを、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側に重ね、内側及び外側から押圧及びヒートシールして得られ、
包装充填装置は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する装入手段と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段、上部開口から液体食品を充填する充填手段と、上部開口をヒートシールする上部密封手段とを、少なくとも備え、
装入手段は、ブランクを取出す取出し手段と、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダーとを有し、
底部成形手段のプレスステーションで、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧し、マンドレル先端面に、第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え
前記押圧面は、容器底部に上向き溝を形成する突条面40bを備え、前記上向き溝上に三角状段差が形成され、前記三角状エンボスが前記三角状段差に嵌まり、前記第3低部パネルを押圧する、
ことを特徴とする。
【0008】
この発明による包装充填装置は、縦シールされた複数のブランクから1つのブランクを取出す取出し手段と、前記ブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、前記筒状ブランクをマンドレルに挿入させるインフィーダーと、前記マンドレルとプレスステーションを有し、前記筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段と、前記上部開口から液体食品を充填する充填手段と、前記上部開口をヒートシールする上部密封手段と、を備え、
前記マンドレルは先端面を有し、前記先端面に前記容器の第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え、
前記プレスステーションは押圧面を有し、前記押圧面に前記容器の底部に上向き溝を形成する突条面を備え、
前記マンドレル先端面と前記押圧面が前記容器底部の外と内を押圧し、前記三角状エンボスが、前記容器の底部の前記上向き溝上に形成された三角状段差に嵌まり、前記容器の前記第3底部パネルを押圧する
【発明の効果】
【0010】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
この発明による包装充填装置、この包装充填装置によって得られる紙容器、この包装充填装置に用いられその紙容器の材料であるブランクは、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体、上部及び底部を有する紙容器を形成する。
紙容器の上部形状が、屋根型形状である場合、紙容器は、屋根型紙容器であり、牛乳、ジュース等液体食品を包装充填することができる。
【0011】
紙容器は、少なくとも最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランクから成形される。
最外層及び最内層が、ポリエチレンなどの熱可塑性材料からなるので、加熱することによって、溶融軟化し、お互いに押圧することによって、ヒートシールすることができる。
【0012】
ブランクは、紙容器を展開した形状及び折込み線を備える。
ブランクは、紙容器を展開した形状に帯状包装材料を裁断して得られ、縦シールして筒状体に成形される。帯状包装材料に前もって折り曲げ予定線に、線状のエンボスを施して折込み線を付す。
【0013】
ブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル及び第3パネルの各下端辺から延びる第1底部パネル及び第3底部パネルと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル及び第4パネルの各下端辺から延びる第2底部パネル及び第4底部パネルとを有し、第3底部パネルが、第3底部パネルの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネルを有し、容器の上部に対応する複数の上部パネルを有する。
第1パネル、第2パネル、第3パネル及び第4パネルが順次、隣接して接合しており、第1パネルと第4パネルとを縦シールすることによって、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体を成形することができる。縦シールのために、第4パネルの側端辺から延びる第5パネルも付けつことができる。
各底部パネルを折畳んで容器底部を、また、各上部パネルを折畳んで容器上部を成形することができる。
【0014】
この発明の特徴において、第6パネルが、第3底部パネルの下端辺の全長の15%〜65%、好ましくは、20%〜60%、より好ましくは30%〜55%の幅及び端面からの浸透漏れを遅延させる為に必要な高さ(長さ)を有する。
第6パネルは第3底部パネルの下端辺から伸ばすので、第6パネルの幅に相当する長さで、第3底部パネルの下端中央の端面が第6パネルで覆われ、浸透漏れを遅延させる為に必要な長さ(距離)を有し、実質的に容器を浸透漏れから保護することができる。
後述するように、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げるので、容器底面内側には、幾何学上、第3底部パネルの下端中央のみが露出することになる。しかしながら、包装材料が紙主体からなるので、露出部分が広がり、ズレ、若しくは撓むことがある。この発明において、第3底部パネルの下端辺の全長の広い幅で、上記の広がり、ズレ、撓みなどに対応して保護することができ、信頼性の高い、容器とすることができる。
【0015】
紙容器の底部の形成においては、第3底部パネルの下端辺から伸ばし、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げる。
第6パネルが第3底部パネルの下端辺から伸びるので、第6パネルの端面が容器内側に露出しても、第6パネルが長いので、浸透を遅くすることができる。
また、第2底部パネル及び第4底部パネルは、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げるので、第2及び第4底部パネルの下端面が容器内側に露出する恐れを無くすことができる。
紙容器の底部の形成においては、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるように、第1底部パネル及び第3底部パネルを、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側に重ねる。
第2底部パネル及び第4底部パネルの外側を、第1底部パネル及び第3底部パネルで覆うので、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側の端面が、第1底部パネル及び第3底部パネルで保護することができる。更に、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるので、第3底部パネルの端面が、第1底部パネルで覆われ保護される。容器底部の外面には、最小限の端面、すなわち、第1底部パネルの下端面のみが、容器外側に露出することに留めることができる。
最外層及び最内層が、ポリエチレンなどの熱可塑性材料からなるので、加熱し、底部の内側及び外側から押圧して、ヒートシールすることができる。
【0016】
包装充填装置は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する装入手段と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段、上部開口から液体食品を充填する充填手段と、上部開口をヒートシールする上部密封手段とを、少なくとも備える。
包装充填装置では、紙容器の材料であるブランクを送入し、その底部を形成し、容器内に液体を充填し、上部を密封して紙容器を製造することができる。
【0017】
装入手段は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する。
装入手段では、縦シールされ平たくされた複数のブランクの束を供給する。ブランクの束、ブランクスから、1枚の平たいブランクを取り出す。取出したブランクを筒状にして次のステップへ装入することができる。
【0018】
底部成形手段は、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る。
底部成形手段は、具体的には、回転軸に複数本のマンドレルが放射状に設けられ、マンドレルに上部開口から容器を嵌合させ、マンドレルを間欠的に回転させながら、マンドレル外端側の容器底部部分を加熱し、底部パネルを折畳み、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧して、上部開口及び底部を有する容器を得ることができる。
【0019】
充填手段では、上部開口から牛乳、ジュース等の液体食品を充填する。
容器には、側壁の他、底部が既に形成されているので、確実に牛乳、ジュース等の液体食品を充填することができる。
【0020】
上部密封手段では、容器の上部開口を、加熱し、押圧することによって、ヒートシールすることができる。
この包装充填装置においては、必要に応じて、容器内面、内部を殺菌する過酸化水素液などの殺菌剤、紫外線や電子線などの高エネルギー線を利用した殺菌手段、ヒートシールを容易にする事前の加熱手段、液体食品を充填した後の容器上部空隙への窒素ガス置換手段などを設置することができる。
【0021】
装入手段は、ブランクを取出す取出し手段と、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダーとを有する。
【0022】
立上がり手段では、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせることができる。
インフィーダーでは、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させる。
インフィーダーが、無端チェーンを備え、そのチェーン上に、筒状ブランクの第6パネルと共に移動するキャリアを備え、キャリアが下方向に移動して戻るに従って、筒状ブランク及び第6パネルから離れる。
【0023】
底部成形手段のプレスステーションで、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧し、マンドレル先端面に、第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備える。
第2及び第4底部パネルの三角形状フラップは、容器内面に三角状段差を形成する。三角状エンボスは三角状段差に嵌まり、第3底部パネルを押圧し、より均質なシールを形成することができる。
【0024】
上述のように、端面からの浸透漏れに適切に対応することができる包装充填装置、紙容器及びブランクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明で使用することができる紙容器に関しての、展開された形状のブランクの平面図(A)、縦シールされ平らなブランク平面図(B)、筒状ブランク(C)、上部開口し底部形成された空容器の斜視図(D)及び充填され密封された紙容器(E)の斜視図である。
図2】この発明で使用することができる紙容器の上部開封及び底部分解を示す斜視図である。
図3】この発明で使用することができる縦シールされ平らなブランクの平面図(A)及び第6パネルの変形例の部分平面図(B)、(C)及び(D)である。
図4】この発明で使用することができる紙容器を底部を残して切断した斜視図である。
図5】この発明で使用できる装入手段がブランクを取出し、受取り、移す様子を示す概要図である。
図6】この発明で使用できるブランクを受取り移す回転ローラーを示す部分斜視図である。
図7】この発明で使用できるインフィーダーの先端部分の斜視図である。
図8】この発明で使用できる底部成形手段で、マンドレル外側先端の容器底部パネルを加熱するヒーターの内外ノズルの分解斜視図である。
図9】この発明で使用できる底部成形手段で、第2及び第4底部パネルを折畳む様子を示す概要平面図である。
図10】この発明で使用できる底部成形手段で、第1及び第3底部パネルを折畳む様子を示す部分断面側面図である。
図11】この発明で使用できる底部成形手段で、容器底部の外から押圧する押圧面を示す斜視図である。
図12】この発明で使用できる包装充填装置例の概念図である。
図13】この発明で使用することができる紙容器を底部を残して切断した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
この発明の実施の形態では、図1(C)及び(E)に示すように、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体8、上部10及び底部11を有する紙容器9を形成する。
紙容器の上部形状が、屋根型形状である場合、紙容器は、屋根型紙容器であり、牛乳、ジュース等液体食品を包装充填することができる。
通常の1リッター容量の容器の場合、その寸法は、上記正方形の1辺が、73mmであり、容器の高さが、234mmになる。
【0027】
図1(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)に示される順序で、紙容器9は、最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランク12から成形される。
最外層及び最内層が、ポリエチレンのヒートシール性材料からなる。加熱することによって、溶融軟化し、お互いに押圧することによって、ヒートシールする。
【0028】
図1(A)に示すように、ブランク12は、紙容器9を展開した形状、及び複数の折込み線を備える。
ブランク12は、紙容器9を展開した形状に帯状包装材料(図示せず)を裁断して得られる。縦シールして筒状体に成形される。帯状包装材料に前もって折り曲げ予定線(折込み線)に、線状のエンボスを施して折込み線を付す。
【0029】
図1(A)に示すように、ブランク12は、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル1及び第3パネル3の各下端辺から延びる第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル2及び第4パネル4の各下端辺から延びる第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bとを有し、第3底部パネル3bが、第3底部パネル3bの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネル6を有し、容器9の上部10に対応する複数の上部パネル1t、2t、3t及び4tを有する。
図1(A)に示すように、第1パネル1、第2パネル2、第3パネル3及び第4パネル4が順次、隣接して接合しており、第1パネル1と第4パネル4とを縦シールすることによって、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体を成形する。縦シールのために、第4パネル4の側端辺から延びる第5パネル5を有する。
第5パネル5で縦シールされた筒状本体が平坦にされたブランク13を、図1(B)に示す。
【0030】
この態様の特徴において、図3(A)に示すように、第6パネル6が、第3底部パネルの下端辺の全長Dの15%〜65%、好ましくは、20%〜60%、より好ましくは30%〜55%の幅d及び折り曲げ容易可能な高さhを有する。
第6パネルの具体的な寸法は、容器容量(容器の1辺)に依存し、例えば、1辺が73mmである場合、その幅は、例えば、20〜40mmである。下限値未満では、第3底部パネルの下端中央の端面が露出する恐れがある。他方、上限値を超えると容器底部の厚みが増す。
第6パネルは第3底部パネルの下端辺から伸ばすので、第6パネルの幅に相当する長さで、第3底部パネルの下端中央の端面が第6パネルで覆われ、浸透漏れを遅延させる為に必要な長さ(距離)を有するので、実質的に容器を浸透漏れから保護する。
【0031】
第6パネル6の形状、寸法の例示を、図3(B)、(C)及び(D)に例示する。第6パネル6の形状は、台形、逆台形、矩形などがあり、適宜選択し、また変更することができる。
第6パネルの高さ(長さ)hは、浸透漏れを遅延させるに必要な時間に応じて適宜選択変更する。
【0032】
第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bは、図2(A)に示すように、第2及び第4底部パネル2b及び4bの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げられる。
容器底面11の内側には、設計上、図4及び図2に示すように、第3底部パネル3bの下端中央3bcが上記三角形状フラップの両先端間に位置する。包装材料が紙主体からなるので、実際には、露出部分が広がり、ズレ、若しくは撓むことがある。この態様の特徴において、第3底部パネルの下端辺の全長に対して広幅であるので、上記の広がり、ズレ、撓みなどに対応して保護する。
【0033】
図2に示すように、紙容器の底部11の形成においては、第6パネル6を伸ばしたまま、第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bを、第2及び第4底部パネル2b及び4bの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げる。
図4に示すように、第6パネル6が第3底部パネル3bの下端辺から長く伸びるので、第6パネル6の端面が容器内側に露出しても、浸透を遅くする。
【0034】
図2に示すように、紙容器の底部11の形成においては、第1底部パネル1bが第3底部パネル3bの外側になるように、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bを、第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bの外側に重ねる。
第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bの外側を、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bで覆うので、第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bの外側の端面が、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bで保護する。更に、第1底部パネル1bが第3底部パネル3bの外側になるので、第3底部パネル3bと第6パネル6とのそれぞれの端面が、第1底部パネル1bで覆われ保護される。容器底部の外面には、第1底部パネルの下端面のみが、容器外側に露出する。
【0035】
この態様の包装充填装置は、図12の概念図に示すように、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランク13を取出して筒状ブランク8を装入する装入手段15と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器14を得る底部成形手段16、上部開口から液体食品を充填する充填手段17と、上部開口をヒートシールする上部密封手段18とを備える。
包装充填装置では、紙容器の材料の、縦シールされた筒状本体が平坦にされたブランク13を送入し、容器底部11を形成し、容器内に液体を充填し、上部を密封して紙容器9を製造する。
【0036】
装入手段15は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束20から1つのブランク13を取出して筒状ブランク8を底部成形手段16に装入する。
装入手段15は、ブランク13を取出す取出し手段21と、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段22と、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダー23とを有する。
取出し手段21は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの束を供給し、ブランクの束20、ブランクスから、1枚の平たいブランクを取り出す。
【0037】
取出されたブランクの第6パネル6は、図3(A)に示すように、第1底部パネル(1b)と第3底部パネル3bとの2枚が重なったパネルから突出した状態である。
【0038】
この態様の取出し手段21を、図5及び図6を参照して説明する。
取出し手段21は、吸引力を用いて束20から1枚のブランク13を吸引して倒す吸引手段24と、ブランクス13の縁部を挟み搬送する円弧状ローラー25と対向ローラー26とを備える。この態様では、3個の円弧状ローラー25が、回転ローラーの軸27にある。
【0039】
取出された平たいブランク13は、回転ローラー25で、受け取られ、次のステップに移送される。回転ローラー25では、ブランクの位置を検知してローラーを回転させ、対向ローラー26とで挟みながら受け取る。
【0040】
立上がり手段22では、平たいブランク13を、図1(C)に示すように、筒状ブランク8に立上がらせる。
【0041】
インフィーダー23では、筒状ブランク8を底部成形手段16のマンドレルに挿入させる。
【0042】
図7に示す斜視図は、この態様のインフィーダー23の先端の様子を示す。
底部成形手段16のマンドレル28に対する、インフィーダー23のフィーダーコンベア29の前端部を示す。フィーダーコンベア29に取り付けたキャリア30を有する。筒状ブランク8(図7に図示せず)をフィーダーコンベア29のキャリア30の前に位置させ、筒状ブランク8がフィーダーコンベア29に沿って移動するのに従って、キャリア30はこの筒状ブランク8に追従する。筒状ブランク8がマンドレル28に移載されるのに従って、フィーダーコンベア29は、元に戻るために、下方の降り、その結果としてキャリア30も下方向に移動し始める。キャリア30が下方向に移動するのに従って、第6パネル6も追随するが、やがて、フィーダーコンベア29が更に移動すると、キャリア30はマンドレル28や第6パネル6から離れる。
【0043】
底部成形手段16は、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器14を得る。
底部成形手段16は、この態様では、回転軸に複数本のマンドレルが放射状に設けられ、マンドレルに上部開口から容器を嵌合させ、マンドレルを間欠的に回転させながら、マンドレル外端側の容器底部部分を加熱ステーション32で加熱し、底部パネルをパネル折畳みステーション33で折畳み、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内からプレスステーション34で押圧して、上部開口及び底部を有する容器14を得る。
【0044】
底部成形手段16は、放射状外側を向いた複数のマンドレルによって構成される回転可能なマンドレル・アセンブリによってブランクを搬送する。
マンドレルを加熱ステーション32に回転し、ブランクの底部パネルを適当な加熱装置で加熱する。この加熱装置は、熱風を底部パネルにノズルから吹き付ける装置である。マンドレルを次のパネル折畳みステーション33に回転して底部パネルを折り曲げ、プレスステーション34で容器のシールした底端部壁を形成する。
【0045】
底部成形手段16の加熱ステーション32を、ノズルの分解斜視図の図8を参照して、容器底部パネルを加熱するヒーターを説明する。
ヒーターの内ノズル35a及び外ノズル35bは、それぞれ、底部パネル(図8に図示せず)の内側面及び外側面をホットエアーの吹付けによって、加熱する。
組立てられた内ノズル35a及び外ノズル35bの間隙に、底部パネルが嵌まるように、マンドレルの先端部分にヒーターが近づく。
【0046】
図8では、内ノズル35a1が、第1底部パネル1bの内面を、内ノズル35a4が、第4底部パネル4bの内面を加熱する。外ノズル35b2が、第2底部パネル2bの外面を、外ノズル35b3が、第3底部パネル3bの内面を加熱する。
【0047】
パネル折畳みステーション33において、マンドレル先端面37に向けて、底部パネルが折畳まれる様子を、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bが、第2第4パネル折畳み部材36、36のアーム36a、36aによって、第2及び第4底部パネル2b及び4bの下端面2be及び4beが外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げられる様子を示す。
なお、図9には、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bを図示していない。
【0048】
第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bの折畳みが終了する前に、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3b並びに第6パネルの折畳みが開始する。
図10は、底部成形手段の第1パネル折畳み部材39及び第3パネル折畳み部材38で、第1及び第3底部パネル1b、3bを折畳む様子を示す。なお、図10には、第2底部パネル及び第4底部パネルは図示されていない。
この態様では、第6パネル6は、第3底部パネル3bの端辺から伸びる。
第1底部パネル1bが第3底部パネル3bの外側になるように、第3パネル折畳み部材38によって、第3底部パネル3bを、第2底部パネル2b及び第4底部パネル4b(図10に図示せず)の外側に重ねる。
第1底部パネル1bが第3底部パネル3bの外側になるように、第1パネル折畳み部材39によって、第1底部パネル1bを折畳む。
第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bの外側を、第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bで覆う。第1底部パネル1bが第3底部パネル3bの端面を覆う。
【0049】
底部成形手段16のプレスステーション34では、マンドレル先端面37と押圧面40とで容器底部11の外と内から押圧する。
この態様の押圧面40は、第1底部パネル1bの外面に対向する平面40a、第3底部パネル3bの外面に対向する平面40c、容器底部11に上向き広溝を形成するトップ平面の突条面40b、シールを補強する複数のエンボス40dを有する。
押圧面のいずれの面40a、40b、40cも平坦なので、容器底部の底面を凹凸の無いものとする。
他方、マンドレル先端面37には、図9に図示されているように、第3底部パネル3bが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボス41を備える。
第2及び第4底部パネル2b、4bの三角形状フラップは、図4図13に示すように、容器内面に三角状段差Hを形成する。三角状エンボス41は三角状段差Hに嵌まり、第3底部パネル3bを押圧する。容器底部内面の中央部は、段差や不連続箇所を形成されるが、エンボスは段差に嵌まることで、より均一に押圧する。
【0050】
この態様の充填手段17では、容器上部10の開口から牛乳、ジュース等の液体食品を充填する。
容器には、側壁の他、底部が既に形成されている。
【0051】
この態様の上部密封手段18では、容器上部10の開口を、加熱し、押圧することによって、ヒートシールする。
この包装充填装置においては、図12に図示しない、容器内面や内部を殺菌する過酸化水素液などの殺菌剤、紫外線や電子線などの高エネルギー線を利用した殺菌手段、ヒートシールを容易にする事前の加熱手段、液体食品を充填した後の容器上部空隙への窒素ガス置換手段を備える。
【0052】
上記態様に示されるように、端面からの浸透漏れに適切に対応することができる包装充填装置、紙容器及びブランクを提供する。
【0053】
なお、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 第1パネル
2 第2パネル
3 第3パネル
4 第4パネル
6 第6パネル
9 紙容器
12、13 ブランク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13