【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による包装充填装置は、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体、上部及び底部を有する紙容器を形成する包装充填装置であって、
紙容器は、少なくとも最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランクから成形され、
ブランクは、紙容器を展開した形状及び折込み線を備え、
ブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル及び第3パネルの各下端辺から延びる第1底部パネル及び第3底部パネルと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル及び第4パネルの各下端辺から延びる第2底部パネル及び第4底部パネルとを有し、
第3底部パネルが、第3底部パネルの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネルを有し、
第6パネルが、第3底部パネルの下端辺の全長の15%〜65%、好ましくは、20%〜60%、より好ましくは30%〜55%の幅及び端面からの浸透漏れを遅延させる為に必要な高さ(長さ)を有し、
容器の上部に対応する複数の上部パネルを有し、
紙容器の底部は、第6パネルを第3底部パネルの下端辺から伸ばし、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げて、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるように、第1底部パネル及び第3底部パネルを、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側に重ね、内側及び外側から押圧及びヒートシールして得られ、
包装充填装置は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する装入手段と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段、上部開口から液体食品を充填する充填手段と、上部開口をヒートシールする上部密封手段とを、少なくとも備え、
装入手段は、ブランクを取出す取出し手段と、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダーとを有し、
底部成形手段のプレスステーションで、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧し、マンドレル先端面に、第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え
、
前記押圧面は、容器底部に上向き溝を形成する突条面40bを備え、前記上向き溝上に三角状段差が形成され、前記三角状エンボスが前記三角状段差に嵌まり、前記第3低部パネルを押圧する、
ことを特徴とする。
【0008】
この発明による
包装充填装置は、縦シールされた複数のブランクから1つのブランクを取出す取出し手段と、前記ブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、前記筒状ブランクをマンドレルに挿入させるインフィーダーと、前記マンドレルとプレスステーションを有し、前記筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段と、前記上部開口から液体食品を充填する充填手段と、前記上部開口をヒートシールする上部密封手段と、を備え、
前記マンドレルは先端面を有し、前記先端面に前記容器の第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備え、
前記プレスステーションは押圧面を有し、前記押圧面に前記容器の底部に上向き溝を形成する突条面を備え、
前記マンドレル先端面と前記押圧面が前記容器底部の外と内を押圧し、前記三角状エンボスが、前記容器の底部の前記上向き溝上に形成された三角状段差に嵌まり、前記容器の前記第3底部パネルを押圧する。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
この発明による包装充填装置、この包装充填装置によって得られる紙容器、この包装充填装置に用いられその紙容器の材料であるブランクは、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体、上部及び底部を有する紙容器を形成する。
紙容器の上部形状が、屋根型形状である場合、紙容器は、屋根型紙容器であり、牛乳、ジュース等液体食品を包装充填することができる。
【0011】
紙容器は、少なくとも最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランクから成形される。
最外層及び最内層が、ポリエチレンなどの熱可塑性材料からなるので、加熱することによって、溶融軟化し、お互いに押圧することによって、ヒートシールすることができる。
【0012】
ブランクは、紙容器を展開した形状及び折込み線を備える。
ブランクは、紙容器を展開した形状に帯状包装材料を裁断して得られ、縦シールして筒状体に成形される。帯状包装材料に前もって折り曲げ予定線に、線状のエンボスを施して折込み線を付す。
【0013】
ブランクは、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル及び第3パネルの各下端辺から延びる第1底部パネル及び第3底部パネルと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル及び第4パネルの各下端辺から延びる第2底部パネル及び第4底部パネルとを有し、第3底部パネルが、第3底部パネルの下端辺の中央から部分的に延びる第6パネルを有し、容器の上部に対応する複数の上部パネルを有する。
第1パネル、第2パネル、第3パネル及び第4パネルが順次、隣接して接合しており、第1パネルと第4パネルとを縦シールすることによって、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体を成形することができる。縦シールのために、第4パネルの側端辺から延びる第5パネルも付けつことができる。
各底部パネルを折畳んで容器底部を、また、各上部パネルを折畳んで容器上部を成形することができる。
【0014】
この発明の特徴において、第6パネルが、第3底部パネルの下端辺の全長の15%〜65%、好ましくは、20%〜60%、より好ましくは30%〜55%の幅及び端面からの浸透漏れを遅延させる為に必要な高さ(長さ)を有する。
第6パネルは第3底部パネルの下端辺から伸ばすので、第6パネルの幅に相当する長さで、第3底部パネルの下端中央の端面が第6パネルで覆われ、浸透漏れを遅延させる為に必要な長さ(距離)を有し、実質的に容器を浸透漏れから保護することができる。
後述するように、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げるので、容器底面内側には、幾何学上、第3底部パネルの下端中央のみが露出することになる。しかしながら、包装材料が紙主体からなるので、露出部分が広がり、ズレ、若しくは撓むことがある。この発明において、第3底部パネルの下端辺の全長の広い幅で、上記の広がり、ズレ、撓みなどに対応して保護することができ、信頼性の高い、容器とすることができる。
【0015】
紙容器の底部の形成においては、第3底部パネルの下端辺から伸ばし、第2底部パネル及び第4底部パネルを、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げる。
第6パネルが第3底部パネルの下端辺から伸びるので、第6パネルの端面が容器内側に露出しても、第6パネルが長いので、浸透を遅くすることができる。
また、第2底部パネル及び第4底部パネルは、第2及び第4底部パネルの下端面が外側になるように三角形状フラップを形成して内側に折り曲げるので、第2及び第4底部パネルの下端面が容器内側に露出する恐れを無くすことができる。
紙容器の底部の形成においては、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるように、第1底部パネル及び第3底部パネルを、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側に重ねる。
第2底部パネル及び第4底部パネルの外側を、第1底部パネル及び第3底部パネルで覆うので、第2底部パネル及び第4底部パネルの外側の端面が、第1底部パネル及び第3底部パネルで保護することができる。更に、第1底部パネルが第3底部パネルの外側になるので、第3底部パネルの端面が、第1底部パネルで覆われ保護される。容器底部の外面には、最小限の端面、すなわち、第1底部パネルの下端面のみが、容器外側に露出することに留めることができる。
最外層及び最内層が、ポリエチレンなどの熱可塑性材料からなるので、加熱し、底部の内側及び外側から押圧して、ヒートシールすることができる。
【0016】
包装充填装置は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する装入手段と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る底部成形手段、上部開口から液体食品を充填する充填手段と、上部開口をヒートシールする上部密封手段とを、少なくとも備える。
包装充填装置では、紙容器の材料であるブランクを送入し、その底部を形成し、容器内に液体を充填し、上部を密封して紙容器を製造することができる。
【0017】
装入手段は、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランクを取出して筒状ブランクを装入する。
装入手段では、縦シールされ平たくされた複数のブランクの束を供給する。ブランクの束、ブランクスから、1枚の平たいブランクを取り出す。取出したブランクを筒状にして次のステップへ装入することができる。
【0018】
底部成形手段は、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器を得る。
底部成形手段は、具体的には、回転軸に複数本のマンドレルが放射状に設けられ、マンドレルに上部開口から容器を嵌合させ、マンドレルを間欠的に回転させながら、マンドレル外端側の容器底部部分を加熱し、底部パネルを折畳み、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧して、上部開口及び底部を有する容器を得ることができる。
【0019】
充填手段では、上部開口から牛乳、ジュース等の液体食品を充填する。
容器には、側壁の他、底部が既に形成されているので、確実に牛乳、ジュース等の液体食品を充填することができる。
【0020】
上部密封手段では、容器の上部開口を、加熱し、押圧することによって、ヒートシールすることができる。
この包装充填装置においては、必要に応じて、容器内面、内部を殺菌する過酸化水素液などの殺菌剤、紫外線や電子線などの高エネルギー線を利用した殺菌手段、ヒートシールを容易にする事前の加熱手段、液体食品を充填した後の容器上部空隙への窒素ガス置換手段などを設置することができる。
【0021】
装入手段は、ブランクを取出す取出し手段と、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせる立上がり手段と、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させるインフィーダーとを有する。
【0022】
立上がり手段では、平たいブランクを筒状ブランクに立上がらせることができる。
インフィーダーでは、筒状ブランクを底部成形手段のマンドレルに挿入させる。
インフィーダーが、無端チェーンを備え、そのチェーン上に、筒状ブランクの第6パネルと共に移動するキャリアを備え、キャリアが下方向に移動して戻るに従って、筒状ブランク及び第6パネルから離れる。
【0023】
底部成形手段のプレスステーションで、マンドレル先端面と押圧面とで容器底部の外と内から押圧し、マンドレル先端面に、第3底部パネルが容器内面に露出する位置に当接する三角状エンボスを備える。
第2及び第4底部パネルの三角形状フラップは、容器内面に三角状段差を形成する。三角状エンボスは三角状段差に嵌まり、第3底部パネルを押圧し、より均質なシールを形成することができる。
【0024】
上述のように、端面からの浸透漏れに適切に対応することができる包装充填装置、紙容器及びブランクを提供することができる。