(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194225
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】画像データを選択的に遮るために可変マスクを利用する画像ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20170828BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20170828BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20170828BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
G09G3/20 680A
G09G3/36
G02F1/13 505
H04N5/64 511A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-222048(P2013-222048)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-92787(P2014-92787A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】13/668,671
(32)【優先日】2012年11月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512067159
【氏名又は名称】エクセリス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ビー. カプラン
【審査官】
西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−046161(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/124431(WO,A1)
【文献】
特開平07−067055(JP,A)
【文献】
特開2002−244074(JP,A)
【文献】
特開平08−094960(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0291269(US,A1)
【文献】
特開2002−252091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 5/42
G02F 1/13
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、該装置は、
第1の画像を投射する源と、
該第1の画像と第2の画像とを第3の画像に組み合わせるように構成されているビームコンバイナであって、該ビームコンバイナは、該第2の画像を受信するように、該第2の画像の経路内に配列されている、ビームコンバイナと、
該ビームコンバイナから該第2の画像の明るい部分をマスクするように構成されている可変マスクであって、該マスクは、可変素子のアレイを含み、該可変素子の各々は、透過状態から不透過状態に変化するように構成されている、可変マスクと、
該第1の画像の暗い部分に対応する該第2の画像の明るい部分をマスクするように該第1の画像の該暗い部分に従って該可変マスクを形づけるように構成されているコントローラであって、該コントローラは、該第1の画像の該暗い部分および該第2の画像の該明るい部分に従って1つ以上の可変素子を透過状態から不透過状態に変化させるように構成されている、コントローラと
を備えている、装置。
【請求項2】
前記マスクは、液晶マトリクスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各可変素子は、前記不透過状態において前記ビームコンバイナから離れて光を反射するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各可変素子は、前記不透過状態において前記ビームコンバイナから離れて光を屈折させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
各可変素子は、前記不透過状態において光を吸収するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
各可変素子は、部分透過状態に変化するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第1の画像に対応するビデオ信号を受信し、該ビデオ信号に従って前記マスクを形づけるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の画像の光レベルを測定し、前記コントローラに光レベルデータを提供するように構成されている光センサをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1の画像および前記光レベルデータに従って前記可変マスクを制御する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の画像の前記暗い部分は、背景画像情報を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は、画像表示デバイスに関し、特に、例えば拡張現実ゴーグル(augmented reality goggles)および暗視ゴーグルのようなユーザ着用可能画像表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
例えば拡張現実ゴーグルのような着用可能表示デバイスは、2つの画像の組み合わせを表示する。例えば、拡張現実ゴーグルは、着用者の視野を、例えば着用者の位置に関するテキスト情報のようなさらなる情報と組み合わせ得る。ゲームアプリケーションの仮想地形において、対抗者およびチームメートは、着用者の現在の視野の実世界環境と組み合わされ得る。例えば暗視ゴーグルのような他の着用可能デバイスは、光強化画像を、例えば、通信情報または戦略的に重要な情報(例えば、敵戦闘員の位置)のようなさらなる情報と組み合わせ得る。
【0003】
しかし、着用可能表示デバイスにおいて、2つの画像の組み合わせは、元の画像の特徴の劣化を生じ得る。例えば、拡張現実ゲームアプリケーションにおいて、仮想地形は暗い領域を含むが、しかし、ユーザの視野は、明るい画像のみを含む場合、仮想情報は、組み合わされた画像では完全にウォッシュアウト(wash out)されて見え得るか、または、不可視となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
表示装置は、源によって投射される第1の画像、および第2の画像を受信するビームコンバイナを含む。ビームコンバイナは、第1の画像と第2の画像とを第3の画像に組み合わせる。可変マスクは、該ビームコンバイナから該第2の画像の部分をマスクするように構成されている。コントローラは、第1の画像の内容に従って可変マスクを形づけるように構成されている。
【0005】
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
装置であって、該装置は、
第1の画像を投射する源と、
該第1の画像と第2の画像とを第3の画像に組み合わせるように構成されているビームコンバイナと、
該ビームコンバイナから該第2の画像の部分をマスクするように構成されている可変マスクと、
該第1の画像の内容に従って該可変マスクを形づけるように構成されているコントローラと
を備えている、装置。
(項目2)
上記マスクは、液晶マトリクスを含む、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目3)
上記マスクは、可変素子のアレイを含み、該可変素子のアレイにおいて、該可変素子の各々は、透過状態から不透過状態に変化するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目4)
各可変アイテムは、該不透過状態において該ビームコンバイナから離れて別の方向に光を反射するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目5)
各可変アイテムは、該不透過状態において該ビームコンバイナから離れて別の方向に光を屈折させるように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目6)
各可変アイテムは、該不透過状態において光を吸収するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目7)
各可変アイテムは、部分透過状態に変化するようにさらに構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目8)
上記コントローラは、上記第1の画像に対応するビデオ信号を受信し、該ビデオ信号に従って上記マスクを形づけるように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目9)
上記コントローラは、上記第1の画像の暗い部分に対応する上記第2の画像の部分をマスクするように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目10)
上記第2の画像の光レベルを測定し、上記コントローラに光レベルデータを提供するように構成されている光センサをさらに備えている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目11)
上記コントローラは、上記第1の画像および上記光レベルデータに従って上記可変マスクを制御する、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目12)
上記装置は、着用可能表示デバイスにおいて実装される、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目13)
上記着用可能表示デバイスは、暗視ゴーグルまたは拡張現実ゴーグルのうちの少なくとも一方を備えている、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目14)
上記第1の画像は、コンピュータ生成アプリケーションデータを含む、上記項目のいずれか一項に記載の装置。
(項目15)
方法であって、該方法は、
第1の画像をビームコンバイナに提供することと、
該第1の画像に従って可変マスクを形づけることと、
第2の画像の部分を選択的に遮るために、該第2の画像を該可変マスクに通すことと、
該第2の画像を該ビームコンバイナに提供することと、
該ビームコンバイナにおいて該第1の画像と該第2の画像とを組み合わせることと
を含む、方法。
(項目16)
上記可変マスクを形づけることは、そうでなければ上記第1の画像の暗い領域と組み合わされるであろう上記第2の画像の領域を遮るように該マスクを形づけることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記可変マスクを形づけることは、該マスクの可変素子を透過状態と不透過状態との間で選択的に移行させることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記可変マスクを形づけることは、液晶マトリクスの部分を透過状態と不透過状態との間で選択的に移行させることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記可変マスクを形づけることは、上記第1の画像と上記第2の画像とを評価することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
上記第1の画像を提供することは、ビデオ信号に従って該第1の画像を投射することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
上記可変マスクを形づけることは、上記ビデオ信号に従って該マスクを形づけることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0006】
(摘要)
表示装置は、源によって投射される第1の画像、および第2の画像を受信するビームコンバイナを含む。ビームコンバイナは、第1の画像と第2の画像とを第3の画像に組み合わせる。可変マスクは、該ビームコンバイナから該第2の画像の部分をマスクするように構成されている。コントローラは、第1の画像の内容に従って可変マスクを形づけるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の画像と第2の画像とを組み合わせる例示的画像表示デバイスの描写である。
【
図2】
図2は、第1の画像と第2の画像とを組み合わせる第2の例示的表示デバイスの描写である。
【
図3a】
図3aは、完全透過状態にある可変マスクの描写である。
【
図3b】
図3bは、透過部分と不透過部分とを含む可変マスクの描写である。
【
図4】
図4は、第1の画像と第2の画像とを組み合わせる第3の例示的表示デバイスの描写である。
【
図5】
図5は、透過部分と、不透過部分と、部分透過部分とを含む可変マスクの描写である。
【
図6】
図6は、拡張現実ゴーグルにおいて実装されている表示デバイスの描写である。
【
図7】
図7は、第1の画像と第2の画像とを組み合わせる画像を表示する方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(例示的実施形態)
ビームコンバイナ105を備えている表示装置100が
図1に示されている。ビームコンバイナ105は、ビデオ源115から第1の画像110を受信する。特に、例えば液晶ディスプレイまたは有機発光ダイオードディスプレイのような投射器120が、ビームコンバイナ105の中に第1の画像110を投射する。ビームコンバイナ105は、第2の画像125も受信し、第2の画像125は、例えば、一対の拡張現実ゴーグルを介するユーザの視野または第2のビデオ源からの第2の画像を含み得る。第1の画像110と第2の画像125とは、ビームコンバイナ105において組み合わされ、第3の画像130を形成する。第3の画像130は、眼135によって示されるようにユーザに対して表示される。
【0009】
図1の実施例において、第1の画像110は、暗い部分140を含み、一方、第2の画像125は、一般的に非常に明るく、特に、ビームコンバイナ105において第1の画像110と組み合わされた後、暗い部分140と重なる第2の画像125の領域が明るい。従って、第3の画像130において、暗い部分140に対応する部分145は、第2の画像125の明るさによりウォッシュアウトされて見える。一部の実施例では、暗い部分140は、第3の画像130において完全にウォッシュアウトされ得、従って、ユーザ135にとって完全に不可視となり得る。
【0010】
ここで
図2を参照すると、
図2には別の例示的表示装置200が示されている。
図1におけると同様に、ビームコンバイナ105は、投射器120を介するビデオ源115からの第1の画像110と、第2の画像125とを受信する。第1の画像110と第2の画像125とは組み合わされて第3の画像130を形成する。しかし、
図1の装置100におけるのとは異なり、第1の画像110の暗い部分140は、第3の画像130においてはウォッシュアウトされて見えない。むしろ、暗い部分140に対応する第3の画像130の部分245は、組み合わされた第3の画像130において同様に暗く見える。暗い部分140の保存は、可変マスク250およびコントローラ255により達成される。
【0011】
図示されているように、可変マスク250は、第2の画像125の源とビームコンバイナ105との経路に配置される。可変マスク250は、透過部分260と不透過部分265とから成る。不透過部分265が、組み合わされた画像130において暗い部分140と重なる第2の画像125の部分をマスクするか、または遮るように、不透過部分265が、第2の画像125の経路に配列された場合、暗い部分140は、第2の画像125の対応する部分の比較的より明るい画像によってウォッシュアウトされない。換言すると、可変マスクは、第1の画像110の暗い領域140に対応する第2の画像125の部分の局所的なディミングを提供するために使用される。
【0012】
可変マスク250の不透過部分265および透過部分260は、コントローラ225によって制御される。特に、コントローラ225は、投射器120に送信されるビデオ信号と同じビデオ信号を受信する。ビデオ信号を分析することにより、コントローラ225は、画像110のどの部分が暗い部分140を含むかを決定し得、次に、これらの領域に対応するマスク250の部分に対して不透過となるように可変マスク250を制御し得る。従って、コントローラ225は、第1の画像110に対応するビデオ信号を受信し、第1の画像110が、暗い部分140を含むことを決定する。この決定に応答して、コントローラ225は、可変マスク250に、暗い部分140に対応する領域において不透過部分265を形成させる。
【0013】
可変マスク250が、第2の画像125がビームコンバイナ105に入るために取る経路内に配置されるので、不透過部分265に対応する第2の画像125の部分は遮られる。従って、ビームコンバイナ105が、第1の画像110と第2の画像125とを組み合わせる場合、暗い部分140は、暗い部分140に対応する第2の画像125の明るい部分が遮られているので、ウォッシュアウトされない。
【0014】
図示されているように、表示デバイス200は、単一のビームコンバイナ105と、単一の投射器120と、単一の可変マスク250とを利用する。他の実施例は、さらなるコンポーネントを使用し得る。例えば、三次元の仮想画像を提供するために、拡張現実ゴーグルは、複数の投射器を使用し得、ユーザの眼の各々に第1の画像のわずかに異なるバージョン(version)を送る。従って、第1の画像の各バージョンを第2の画像と組み合わせるために、2つのビームコンバイナおよび2つの可変マスクが使用される。この実施例において、各可変マスクの不透過部分は、わずかに異なることが必要であり得る。同様に、第1の画像が、ユーザの周辺視野の中に投射される画像のみを含む場合、第1の画像は、ビームコンバイナのうちの一方の中にのみ投射され得る。従って、可変マスクのうちの一方のみが、不透過部分を含むように制御され得る。
【0015】
ビデオ源115およびコントローラ225は、2つの別個のコンポーネントとして示されているが、しかし、それらは、より少ないか、またはより多くの数のコンポーネントにおいて実装され得る。例えば、単一のプロセッサが、ビデオ源115とコントローラ225との両方として働き得る。他の実施例(例えば、複数の投射器および複数の可変マスクを使用する実装)では、複数のコントローラが提供され得、各コントローラは、可変マスクのうちの1つのために働く。
【0016】
図3aおよび
図3bを参照すると、
図3aおよび
図3bには、可変マスク250の拡大図、ならびにビデオ源115、第1の画像110およびコントローラ225が示されている。可変マスク250は、複数の可変素子360a〜cから成り、複数の可変素子360a〜cは、透過状態から不透過状態に、およびその逆に変化するようにコントローラ225によって制御されることができる。
図3aに示されているように、第1の画像110が暗い領域を含まない場合、コントローラ225は、透過状態へ変化するか、または、透過状態のままでいるように可変素子360a〜cのすべてを制御する。
【0017】
一方、
図3bに示されているように、第1の画像110が暗い領域を含む場合、コントローラ225は、暗い部分140に対応する可変マスク250の領域が不透過状態になるように変化するように、例えば可変素子360bおよびその周囲の素子のような選択された可変素子を制御する。
【0018】
一部の実施例では、可変マスク250は、液晶マトリクスから成る。特に、各透過素子360a〜cは、液晶画素から成り得、この液晶画素においては、液晶分子は、透明電極の間、および、垂直に配列された偏光子の間に挟まれている。電極をオンおよびオフにすることにより、コントローラは、透過状態から不透過状態に、およびその逆に個々の可変素子を変化させることができる。他の実施例では、各可変素子は、例えばミラー、レンズ、ならびに他の反射型および屈折型光学素子のような適応性のある光学素子から成り得る。この実施例において、コントローラ225は、透過状態においてはビームコンバイナ250の方に向かうように、および、不透過状態においてはビームコンバイナ250から遠ざかるように入射光を導くように適応性のある光学素子を制御し得る。
【0019】
他の実施例(例えば、暗視ゴーグルにおいて実装されている表示装置)では、可変マスクは、第2の画像の直接的光経路の外側に位置し得る。例えば、一部の暗視ゴーグルは、光学画像を電子画像に変化させ、次に、結果として生じた電子画像を、例えばマイクロチャネルプレートのような粒子増倍管に通すことにより電子画像の強度を増加させる。次に、電子画像は、ユーザに対する表示のために、元の光学画像に変化させられる。このような実装において、可変マスクは、当初に受け取られた光学画像、最初の電子画像、強化された電子画像、または強化された光学画像の経路に配置され得る。
【0020】
ここで
図4を参照すると、
図4には、別の例示的画像表示デバイス400が示されている。画像表示デバイス400は、画像表示デバイス400が可変マスク250とコントローラ225とを含む点において、
図2に示されているデバイスと同様である。表示デバイス400は、画像信号源465をさらに含み、画像信号源465は、第2の画像125の内容に対応する画像信号467を提供する。暗視ゴーグル実装において、画像信号源465は、拡張される暗い画像の輝度およびコントラストを増加するために使用される信号処理論理を備え得る。実施例に従って、画像信号源465は、ユーザの視野における画像の内容を決定するために使用される画像センサを備え得る。他の実施例において、画像信号源は、2つのビデオ信号が、ビームコンバイナ105において組み合わされる場合、ビデオ信号源を備え得る。
【0021】
画像信号467を提供することによって、コントローラ225は、可変マスク250を制御する際に、第1の画像と第2の画像との両方の内容を考慮し得る。
図4の実施例では、第2の画像125は、暗い部分480と、明るい部分485と、適度に暗い部分490とを含む。第2の画像125の内容を考慮することよって、コントローラ225は、可変マスク250の不透過部分をより正確に形づけ得る。
【0022】
特に、第2の画像125は、暗い部分480と明るい部分485とを含んでいるので、第1の画像110の暗い部分140を第3の画像130において可視とするために、暗い部分480を遮ることは不必要であり得る。コントローラ225は画像信号467を受信しているので、コントローラ225は、既に暗い第2の画像125の部分を知っており、従って、可変マスク250の対応する部分を不透過にしない。さらに、適度にのみ暗い第2の画像の部分490が存在し得る。従って、第1の画像110の暗い部分140のウォッシングアウトを首尾よく防止するために、可変マスク250の対応する部分を部分的にのみ透過にする必要があり得る。
【0023】
第1の画像110の内容が、第1の画像125の部分によって部分的に不明瞭にされるべきであるとコントローラ225が決定するときも存在し得る。例えば、表示デバイスが、拡張現実ゴーグルにおいて実装される場合、コントローラ225は、第1の画像110の幾つかの暗い部分が、第2の画像125によって故意にウォッシュアウトされることを可能にするように決定し得る。画像110が、ゲームアプリケーションのために地形または対抗者を含む場合、これら対抗者または地形がたとえ暗いにしても、コントローラ225は、画像の部分が第1の画像125によってウォッシュアウトされることを可能にするようになおも決定し得る。例えば、画像110が、拡張現実アプリケーションのために暗い仮想背景を提供する場合、第2の画像125の明るい実世界の前景要素が、画像110の暗い背景要素をウォッシュアウトすることを許される。従って、コントローラ225は、可変マスク250のどの部分を不透過にするかを決定する場合、第1の画像110の内容と第2の画像125の内容との両方を考慮に入れ得る。
【0024】
画像表示デバイス400はまた、画像信号467をビデオ源115に提供する。従って、可変マスク250が、第2の画像125の内容に応じて調整され得るのみならず、第1の画像110の内容も、第2の画像125の内容に応じて調整され得る。例えば、画像表示デバイス400が、ゲームアプリケーションのために拡張現実ゴーグルにおいて実装される場合、ビデオ源115は、第2の画像125に示されている実世界の要素および地形と相互作用するように見える対抗者およびチームメートを第1の画像110の中に配置し得る。
【0025】
ここで
図5を参照すると、
図5には、透過可変素子360aと不透過可変素子360bと部分透過可変素子360cとを含む可変マスク250のクローズアップが示されている。
図4を参照して上記において論議されたように、可変素子360cは、適度にのみ暗い画像の部分を遮るために、部分透過にされ得る。部分透過可変素子360cは、不透過部分360bに対してアンチエイリアシングを実行するためにも使用され得る。
【0026】
可変マスク250における可変素子の密度次第で、不透過部分360bによって遮られた画像の部分は、組み合わされた画像において画素化されて見え得る。デジタル撮像において、画素化された画像のエッジは、移行部の両側に画素の色および強度を組み合わせる画素を移行部に沿って配置することによって滑らかにされることができる。同様な技術が、可変マスク250において使用され得る。不透過可変素子から透過可変素子への移行部に沿って可変素子を部分的に透過にすることによって、組み合わされた画像における画素化の一部または全てが除去され、遮られた領域のエッジは、滑らかにされ得る。
【0027】
例えば、不透過部分360bが、画像110の円形の暗い部分540を遮ることを試みている場合、結果として生じる不透過部分は、可変素子360の密度により、濃淡のむらがある(blocky)十字形状の模様であり得る。結果として生じる組み合わされた画像における遮られた部分のエッジを滑らかにするために、部分透過部分360cが使用され得、可変マスク250の不透過部分のエッジをアンチエイリアス処理する。
【0028】
図6を参照すると、
図6には、本明細書において教示される表示デバイスを実装する拡張現実ゴーグル600が示されている。拡張現実ゴーグル600は、通常の眼鏡のようにユーザの眼の前に着用されるように設計されている。次に、拡張画像が、ゴーグルのレンズに投射される。ビームコンバイナ105が、ゴーグルの前部に配置され、投射器120によって生成された第1の画像110と、ユーザの視野から成る第2の画像125とを組み合わせる。第1の画像110は、第2の画像125の実世界の画像を拡張するために使用される画像を含み得る。可変マスク250は、ビームコンバイナ105の前においてユーザの視野に配置される。
【0029】
コントローラ255と投射器120との両方は、ビデオ源115からビデオ信号を受信する。投射器120は、第1の画像110をビームコンバイナ105の中に投射するためにビデオ信号を使用し、コントローラ255は、第2の画像125のどの部分かが遮られるべきかどうかを決定するためにビデオ信号を使用する。第1の画像110の暗い部分140に対応する第2の画像125の部分が遮られるべきであると決定すると、コントローラ255は、可変マスク250の部分265が不透過になるようにする。従って、部分140に対応するユーザの視野の一部分が、不透過部分265によって遮られる。不透過部分265が画像125からの光を遮り、暗い部分140は、第1の画像110が第2の画像125と組み合わされる場合、ウォッシュアウトされない。
【0030】
ここで
図7を参照すると、
図7には、画像表示方法を例示する流れ
図700が示されている。方法は、第1の画像がビームコンバイナに提供されるステップ705で始まる。上記において論議されたように、第1の画像は、ビデオ信号に従ってビームコンバイナの中に投射され得る。
【0031】
ステップ710において、可変マスクが第1の画像に従って形づけられる。可変マスクは、例えば液晶画素のような可変素子のマトリクスを含み得る。透過状態から不透過状態に、およびその逆に可変素子を変化させることによって、マスクは、マスクを通過する画像の部分を遮るように選択的に形づけられ得る。マスクの形づけを制御するために、例えば、第1の画像に対応するビデオ信号のような信号が、コントローラによって受信され得る。次に、コントローラは、ビデオ信号に従ってマスクの可変素子を変化させ得る。例えば、コントローラは、第1の画像の暗い部分に対応するように可変マスクの不透過部分を形づけ得る。
【0032】
ステップ715において、第2の画像の部分を選択的に遮るために、第2の画像が可変マスクを通過させられる。例えば、可変マスクが、マスクの不透過部分が第1の画像の暗い領域に対応するように形づけられている場合、第1の画像の暗い領域に対応する第2の画像の領域が選択的に遮られる。
【0033】
ステップ720において、第2の画像がビームコンバイナに提供される。特に、可変マスクによって選択的に遮られていない第2の画像の部分が、ビームコンバイナに入る。
【0034】
最後に、ステップ725において、第1の画像と第2の画像とが、ビームコンバイナにおいて組み合わされる。従って、可変マスクが、第1の画像の暗い領域に対応する第2の画像の部分を遮るように形づけられた場合、第1の画像と第2の画像とは、第1の画像の暗い領域が、第2の画像の対応する領域によってウォッシュアウトされることなく組み合わされる。
【0035】
上述は、例を示すことのみが意図されている。
【符号の説明】
【0036】
100 表示装置
105 ビームコンバイナ
110 第1の画像
115 ビデオ源
120 投射器
125 第2の画像
130 第3の画像
135 眼
140 暗い部分
145 暗い部分140に対応する部分
250 可変マスク
255 コントローラ
260 透過部分
265 不透過部分
360a 透過可変素子
360b 不透過可変素子
360c 部分透過可変素子
465 画像信号源
467 画像信号