(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態に係る成形装置を、
図1,2を用いて説明する。
図1は、本実施形態の射出成形装置10を示す断面図である。
図1に示すように、射出成形装置10は、一例として、いわゆる予備可塑化式射出装置である。
【0014】
射出成形装置10は、成形品を成形可能に形成される金型20を締めることが可能に形成される型締装置30と、成形品の材料を可塑化可能に形成される可塑化装置40と、可塑化された材料を金型20内に射出する射出部70と、金型20から成形品を押し出す押出装置80と、制御装置100と、モニタ110と、報知装置120とを備えている。また、可塑化装置40と、射出部70とを合わせて射出装置90と呼ぶこともある。
【0015】
可塑化装置40は、第1の材料(母材)の一例である樹脂材41を可塑化するとともに、当該樹脂材41内に第2の材料の一例である強化材42を混練可能に形成されている。樹脂材41は、一例として、ペレット状である。強化材42は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維等であり、線状である。
【0016】
可塑化装置40は、バレル43と、バレル43内に収容されるスクリュ44と、スクリュ駆動部45と、加熱ヒータ46と、第1の供給部47と、第2の供給部48と、計量装置49とを備えている。
【0017】
バレル43は、円筒状に形成される。スクリュ44は、バレル43内に収容される。スクリュ44は、バレル43の軸と同軸に配される軸体50と、軸体50の外周面に形成された螺旋状のフライト51とを備えている。スクリュ44については、後で具体的に説明する。
【0018】
スクリュ駆動部45は、バレル43の一端部に設けられており、スクリュ44の一端部に連結されている。スクリュ駆動部45は、スクリュ44をその軸線回りに回転可能に形成されている。一例として、スクリュ駆動部45は、モータを備えており、当該モータが回転することによって、スクリュ44が回転される。
【0019】
加熱ヒータ46は、バレル43内に供給された樹脂材41を可塑化するための加熱手段の一例である。加熱ヒータ46は、バレル43の周囲に設けられており、バレル43を加熱可能に形成されている。加熱ヒータ46によってバレル43の周壁部が加熱されることによって、バレル43内の樹脂材41が加熱される。
【0020】
第1の供給部47は、バレル43内に樹脂材41を供給可能に形成されている。第1の供給部47は、バレル43に設けられる第1の供給口52と、ホッパ53とを備えている。第1の供給口52は、バレル43の周壁部を貫通している。本実施形態では、第1の供給口52は、一例として、バレル43においてスクリュ駆動部45が設けられる側の端部に設けられている。ホッパ53は、第1の供給口52に設けられており、第1の供給口52を通してバレル43内と連通する。ホッパ53は、内部に樹脂材41を貯留可能に形成されている。ホッパ53内に貯留される樹脂材41は、第1の供給口52を通してバレル43内に供給される。
【0021】
第2の供給部48は、バレル43内に強化材42を供給可能に形成されている。第2の供給部48は、バレル43に設けられる第2の供給口54と、強化材42が巻きつけられたボビン55とを備えている。なお、
図1中では、ボビン55は、省略されており、
図2に示されている。
図2は、第2の供給部48によって強化材42がバレル43内に供給される様子を説明する説明図である。
図2に示すように、ボビン55に巻きつけられた強化材42の一端部は、第2の供給口54を通してバレル43内に挿入される。強化材42は、バレル43内でスクリュ44が回転することによって、第2の供給口54を通してバレル43内に引き込まれる。
【0022】
バレル43の先端部には、後述される射出部70の射出シリンダ71内に可塑化された材料を吐出する吐出ノズル56が設けられている。なお、ここで言う可塑化された材料とは、混練された、バレル43内で可塑化された樹脂材41と強化材42との混合物である。
【0023】
スクリュ44について、具体的に説明する。フライト51は、スクリュ44がバレル43内に収容された状態において、軸体50において第1の供給口52に対向する位置から先端部まで形成されている。
【0024】
フライト51の外周側端であるエッジとバレル43の内面との間には、ギャップが形成される。フライト51は、バレル43の内面と軸体50の外周面との間の空間を、螺旋状に仕切る。この空間内には、樹脂材41と、強化材42とが収容される。
【0025】
樹脂材41は、スクリュ44が回転することによってバレル43内で攪拌されるとともに、加熱ヒータ46によって加熱されることによって、可塑化される。強化材42は、攪拌される樹脂材41によって生じるせん断力などによって切断されて、可塑化される樹脂材内に混練される。このように可塑化された材料は、スクリュ44の回転によって、螺旋状に形成されるフライト51に押されてバレル43の吐出ノズル56に送られる。
【0026】
計量装置49は、第2の供給部48が供給する強化材42の量を計量可能に形成されている。なお、計量装置49は、計量装置49の周囲の構造を示すために
図1では図示が省略されており、
図2に示されている。
図2は、計量装置49を示す概略図である。
【0027】
図2に示すように、計量装置49は、バレル43とは別体に、(独立に、)備えられていても良い。あるいは、
図2とは異なるが、計量装置49は、バレル43と一体的に備えられていても良い。計量装置49は、計量ローラ57と、光源装置58と、押さえローラ59と、パルスカウンタ60とを備えている。計量ローラ57は、強化材42の移動経路Lに配置されている。移動経路Lは、線状の強化材42が移動する、言い換えると送られる経路である。
【0028】
計量ローラ57は、一例として平板形状であり、回転軸61回りに回転可能に形成されている。計量ローラ57は、複数のスリット62が形成されている。複数のスリット62は、計量ローラ57の周縁部に配置されており、各々、回転軸61回りに等間隔離間して並んでいる。各スリット62は、計量ローラ57を貫通している。
【0029】
計量ローラ57は、計量ローラ57の周縁が移動経路L上に配置されて当該周縁が強化材42に接触するように、配置されている。強化材42と計量ローラ57の周縁との間には摩擦が生じるため、強化材42が移動経路L上を移動すると、この移動に伴って、計量ローラ57が回転する。
【0030】
光源装置58は、計量ローラ57の周縁部の一部に対向する位置に配置されている。なお、
図2では、光源装置58は、その一部が計量ローラ57を挟んで紙面奥に配置されている。光源装置58は、固定されている。光源装置58は、計量ローラの周縁部のうち、計量ローラ57が対向する部分に向って光を照射可能に形成されている。
【0031】
押さえローラ59は、移動経路Lを挟んで、計量ローラ57と対向する位置に配置されている。押さえローラ59は、回転軸63回りに回転自由に形成されている。
【0032】
押さえローラ59の周縁部の一部は、移動経路L上に配置されており、計量ローラ57との間に強化材42を挟持可能に配置されている。また、押さえローラ59は、強化材42が計量ローラ57の周縁部に対して滑らないように、強化材42を計量ローラ57の周縁に押さえつけるとともに、強化材42が計量ローラ57から外れないように、計量ローラ57との間に強化材42を挟持可能に形成されている。
【0033】
例えば、計量ローラ57の側面と押さえローラ59の側面には、強化材42に対応して凹む溝が形成されている。この溝内に強化材42が入り込むことによって、強化材42が計量ローラ57と押さえローラ59との間から外れることが抑制される。
【0034】
パルスカウンタ60は、計量ローラ57において光源装置58から光が照射されるスリット62に対向する位置に配置されている。光源装置58から照射された光は、計量ローラ57のスリット62を通過して、パルスカウンタ60に到達する。また、計量ローラ57が回転することによって、スリット62の位置が変化するので、光は、断続的に、パルスカウンタ60に到達する。パルスカウンタ60は、光が照射されると、後述される制御装置100に信号を送信可能に形成されている。上述のように、光はスリット62を通過することによってパルスカウンタ60に照射されるので、パルスカウンタ60は、制御装置100に断続的に送信する。
【0035】
射出部70は、バレル43の吐出ノズル56と連通する射出シリンダ71と、射出シリンダ71内に収容される射出プランジャ130と、進退駆動部73と、プランジャ駆動部160とを備えている。
【0036】
射出シリンダ71は、筒状に形成されている。射出プランジャ130は、射出シリンダ内に収容されている。進退駆動部73は、射出シリンダ71を、後述される金型20に向う方向および金型から離れる方向に沿って移動可能に形成されている。本実施形態では、可塑化装置40と射出部70とは、互いに連結されている。このため、進退駆動部73によって、可塑化装置40と射出部70とは、一体に移動する。
【0037】
プランジャ駆動部160は、射出プランジャ130を、射出シリンダ71の先端に向う方向および先端から離れる方向に移動させることができるように形成されている。
【0038】
可塑化装置40のバレル43内で可塑化された樹脂材41と強化材42との混練材料(樹脂材料41と強化材42との混合物)は、吐出ノズル56を通して射出プランジャ130の先端側に送られる。混練材料が射出プランジャ130の先端に送られると、先端の圧力が高くなる。この混練材料の圧力上昇によって、射出プランジャ130が後退させられる。この、圧力に起因する射出プランジャ130の後退動作に基づいて、射出プランジャ130の先端側に進入した混練材料の計量動作が行われる。
【0039】
混練材料の計量後に、制御装置100の制御によって、プランジャ駆動部160が駆動される。プランジャ駆動部160は、射出シリンダ71内を金型20に向って移動することにより、射出シリンダ71内の混練材料を、射出シリンダ71の吐出ノズル77から金型20内に射出する。
【0040】
射出部70の射出シリンダ71に対向する位置には、金型20と、型締装置30と、押出装置80とが配置されている。
【0041】
型締装置30は、固定プラテン31と、移動プラテン32と、トグル機構33と、型締駆動部34とを備えている。固定プラテン31と移動プラテン32とは、互いに離間し、互いに対向するように配置されている。トグル機構33は、一端部が移動プラテン32に連結されている。固定プラテン31は、固定されている。移動プラテン32は、固定プラテン31に対して、移動可能に形成されている。
【0042】
金型20は、固定プラテン31に取り付けられた固定型21と、移動プラテン32に取り付けられた可動型22とを備えている。固定型21と可動型22とには、各々、成形品に対応する窪みが形成されている。固定型21と可動型22とが互いに接触して重ねられたときに、これら窪みが互いに重なることによって、成形品の形状に対応するキャビティが形成される。
【0043】
型締駆動部34は、トグル機構33を駆動可能に形成されている。トグル機構33は、型締駆動部34によって駆動されることによって伸縮可能であり、移動プラテン32を固定プラテン31に向って移動可能に形成されている。移動プラテン32が移動されることによって、可動型22が固定型21に接触し、キャビティが形成される。このように、トグル機構33によって、金型20が開閉される。
【0044】
押出装置80は、例えば可動型22の近傍に配置されており、金型20内で成形された成形品を金型20内から押し出し可能に形成されている。
【0045】
モニタ110は、計量装置49によって計量された、可塑化装置40に供給された強化材42の供給量を表示可能に形成されている。報知装置120は、本実施形態では、一例として、スピーカを備えている。報知装置120は、スピーカから警報を発することによって、周囲に報知可能に形成されている。
【0046】
制御装置100は、射出成形装置10の動作を制御する。具体的には制御装置100は、可塑化装置40に対しては、スクリュ駆動部45と、加熱ヒータ46と動作を制御するとともに、パルスカウンタ60の検出結果に基づいて強化材42の供給量を算出可能である。
【0047】
具体的には、制御装置100は、計量装置49のパルスカウンタ60から送信された信号に基づいて、バレル43に供給された強化材42の量を算出する。具体的には、制御装置100は、パルスカウンタ60から送信される信号の数をカウントする。このカウント数を用いて、以下の数式1に基づいて、供給された強化材42の量を算出する。
【0048】
数式1は、Fw=(Pulse/slit)×(1/1000)×(π×RD)×Fuwとなる。ここで、Fwは、供給された強化材42の量を示す。Pulseは、制御装置100がカウントした信号の数を示す。RDは、計量ローラ57の直径を示す。Fuwは、強化材42の単位質量であり、言い換えると、1m当たりの質量である。RDとFuwとは、事前に求められており、制御装置100に記憶されている。このため、本実施形態では、制御装置100は、可塑化装置40の一部であると捉えることもできる。
【0049】
射出部70では、進退駆動部73と、プランジャ駆動部160とを制御する。このため、制御装置100は、射出部70の一部であると捉えることもできる。
【0050】
また、制御装置100は、モニタ110と報知装置120の動作とを制御する。制御装置100は、算出した強化材42の供給量をモニタ110に表示するよう、モニタ110を制御する。
【0051】
次に、射出成形装置10の動作を説明する。制御装置100は、加熱ヒータ46を駆動してバレル43を加熱する。バレル43の温度は温度センサなどの温度検出装置によって検出されて、制御装置100へ送られる。
【0052】
制御装置100は、バレル43の温度が所定値に達したと判断すると、第1の供給部47を作動させて、第1の供給口52から樹脂材41をバレル43内に供給する。そして、制御装置100は、スクリュ駆動部45を駆動して、スクリュ44を回転させる。スクリュ44が回転することによって、強化材42がバレル43内に引き込まれる。
【0053】
樹脂材41は、スクリュ44の回転によって、バレル43の先端に向って送られる。樹脂材41は、スクリュ44によってバレル43の先端に向って送られる過程で加熱ヒータ46によって加熱されて溶けて軟化されるとともに、強化材42が混入される。樹脂材41と強化材42とは、スクリュ44の回転によって混練される。
【0054】
また、制御装置100は、光源装置58を駆動して、計量ローラ57に向って光を照射させる。計量ローラ57は、強化材42がバレル43内に供給される際の強化材42の移動に伴って、回転する。これは、計量ローラ57と強化材42との間に摩擦力が生じるためである。計量ローラ57が回転することによって、パルスカウンタ60と光源装置58との間が、断続的に遮断される。これは、計量ローラ57が回転することによって、計量ローラ57において隣り合うスリット62の間の部分が、光源装置58とパルスカウンタ60との間を遮断するためである。
【0055】
このため、光源装置58から照射された光は、断続的にパルスカウンタ60に照射される。パルスカウンタ60は、断続的に照射されるので、制御装置100に断続的に信号を送信する。
【0056】
制御装置100は、パルスカウンタ60から送信された信号の数をカウントし、数式1Fw=(Pulse/slit)×(1/1000)×(π×RD)×Fuwに基づいて、供給量を算出する。制御装置100は、モニタ110を駆動して算出結果をモニタ110に表示させる。なお、射出成形装置10が駆動されている状態では、制御装置100は、強化材42の供給量をリアルタイムで算出し、モニタ110に表示させる。例えば作業員は、モニタ110を監視することによって、強化材42の供給量をリアルタイムに確認することができる。
【0057】
作業員は、強化材42の供給量が適切な量ではないと判断すると、射出成形装置10の動作を停止することができる。なお、ここで言う適切な量とは、成形品に対して要求される強度や剛性などによって予め決定されている値である。そして、作業員は、適切な量の強化材42が供給されるように、スクリュ44の回転数など、可塑化装置40を調整する。
【0058】
以上の動作によって、樹脂材41と強化材42とが混練されるとともに、供給された強化材42の供給量が算出されてモニタ110に表示される。混練された樹脂材41と強化材42との混合物は、射出部70の射出プランジャ130の先端側に供給される。
【0059】
また、制御装置100は、パルスカウンタ60からの信号を受信しなくなると、計量ローラ57が回転していない状態であり、強化材42がなくなった状態、強化材42が途中で第2の供給口54に到達する前に切断された状態、強化材42が計量ローラ57から外れた状態のいずれかの状態であると判断する。
【0060】
これらの状態は、強化材42が正常にバレル43内に供給されていない状態または、強化材42が計量ローラ57から外れており、通常の移動経路Lから外れている状態であるので、報知装置120を駆動する。
【0061】
作業員は、報知装置120が駆動されると、上述の状態であることを認識できるので、射出成形装置10の動作を停止する。
【0062】
次いで、制御装置100は、型締駆動部34を駆動してトグル機構33を介して移動プラテン32を移動することにより金型20を閉じる。
【0063】
次いで、制御装置100は、射出部70の進退駆動部73を駆動して射出部70を金型20に近接させ、吐出ノズル77が金型20のキャビティに連通するようにセットする。
【0064】
次いで、制御装置100は、射出プランジャ130の先端に送られた混練材料の圧力による射出プランジャ130の後退によって計量(計量動作)を行う。そして、計量結果に基づく所定のタイミングでプランジャ駆動部160を駆動して射出プランジャ130を前後動作させることによって、混練材料を金型20内に射出させる。
【0065】
制御装置100は、混練材料の射出動作が終了すると、成形品の成形が完了した所定のタイミングで型締駆動部34を駆動して金型20を開くとともに進退駆動部73を駆動して射出部70を金型20から退避させる。
【0066】
その後、制御装置100は、押出装置80を駆動して成形品を可動型22から突出させる。突出された成形品は、取出装置により取り出される。
【0067】
本実施形態では、計量装置49によって、強化材42が供給される動作中に強化材42の供給量を検出することができる。このため、作業員は、この検出結果に基づいて、強化材42の供給量が適切であるか否かの判断をすることができる。このため、材料の無駄の発生を抑制することができる。
【0068】
この点について、具体的に説明する。例えば、強化材42の供給量がリアルタイムで検出されない場合、例えば、射出成形後に、強化材の減少量に基づいて強化材42の供給量を検出する場合などでは、強化材42がどの時点で供給されなくなったかを判断しにくくなる。このため、成形された成形品に強化材42が含まれていない場合があるため、成形された成形品、および、可塑化装置40のバレル43内と射出部70の射出シリンダ71内に含まれる混練材料とを破棄しなければならない場合がある。
【0069】
しかしながら、本実施形態では、装置の動作中に強化材42の供給量を検出することによって、強化材42が供給されていない状態に気づくことができるので射出成形装置10の動作を停止することができる。そして、強化材42がなくなっている場合には新しい強化材42を設置して強化材42を第2の供給口を通してバレル43内に挿入し、または、強化材42が切断されている場合は強化材42を第2の供給口を通してバレル43内に挿入しなおした後、射出成形装置10の動作を再開することにより、成形品破棄、および、バレル43と射出シリンダ71内にある混練材料を破棄することがないので、材料を無駄にすることを抑制できる。
【0070】
さらに、射出成形装置10は、可塑化装置40のスクリュ44の回転によって、強化材42がバレル43内に引き込まれる構成である。このため、作業員などは、強化材42の供給量の検出結果に基づいて、スクリュ44の回転数を調整することによって、供給量を調整することができ、適切な供給量を得ることができる。このため、材料の無駄が発生することを抑制できる。
【0071】
また、計量装置49は、計量ローラ57を備える構造であるので、簡素な構造にすることができる。また、計量装置49は、押さえローラ59を備えるので、強化材42が計量ローラ57の周縁から離れることを抑制できる。
【0072】
また、制御装置100が、計量ローラ57が回転していないと判断すると、報知装置120によって当該状態が発生したことが報知されるので、作業員などは、当該状態が発生したことを認識することができる。作業員などは、当該状態が発生したことを認識することによって射出成形装置10の動作を停止するので、強化材42が供給されない状態の発生を抑制することができる。さらに、材料の無駄の発生を抑制することができる。
【0073】
また、成形動作後に、強化材42の減少量に基づいて成形品内に含まれる強化材42の量を算出する場合では、強化材42の供給量が適切な量となるスクリュ44の回転数を実験などによって求めることになる。しかしながら、本実施形態では、供給量を検出することによって、供給量が適切な量となるスクリュ44の回転数を少ない時間で求めることができるので、無駄になる材料の量を小さく抑えることができる。
【0074】
また、強化材42の供給量をモニタ110に表示することによって、作業員などが供給量を容易に確認にすることができる。
【0075】
また、報知装置120を備えることによって、パルスカウンタ60からの信号を受信しなくなった状態などの異常状態が発生したことを、報知することができる。
【0076】
なお、本実施形態では、報知装置120は一例としてスピーカであり、音で報知する。他の例としては、例えば報知装置120は、ランプを備える構造であってもよい。ランプを備える構造である場合は、ランプを点灯することによって、異常状態を報知することができる。
【0077】
また、本実施形態では、制御装置100は、強化材42がバレル43内に供給されていない状態を検出すると、報知装置120を駆動した。他の例としては、制御装置100は、強化材42の供給量の適切な値を記憶するとともに、算出した供給量と記憶された適切な値とを比較するようにしてもよい。そして、算出した供給量と記憶された適切な値とが異なる場合は、報知装置120を駆動するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、制御装置100は、強化材42が供給されていない状態を検出すると、射出成形装置10の動作を停止するようにしてもよい。同様に、他の例としては、制御装置100が、上述のように、供給量の算出結果と記憶された適切な値とを比較する場合は、供給量の算出結果と記憶された適切な値とが異なる場合は、射出成形装置10の動作を停止してもよい。
【0079】
また、本実施形態では、1つの強化材42が供給される構造を説明した。複数の強化材42が供給される場合は、計量装置49は、強化材42ごとに1つずつ設けられる。そして、制御装置100は、各強化材42の供給量を算出するとともに、当該算出結果の合算値を強化材42の供給量とする。
【0080】
次に、本発明の第2の実施形態に係る押出機について、
図3を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
図3は、本実施形態の押出機200を示す断面図である。
図3に示すように、押出機200は、第1の実施形態の可塑化装置40と同様に構成される。なお、吐出ノズル56に代えて、所望の形状のダイが取り付けられる。本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
第1,2の実施形態では、金型20は、型の一例である。バレル43は、可塑化用容器の一例である。スクリュ44と加熱ヒータ46は、可塑化手段の一例を構成している。射出プランジャ130とプランジャ駆動部160とは、射出手段の一例を構成するとともに、押出手段の一例を構成している。計量ローラ57は、ローラの一例である。パルスカウンタ60は、回転数検出部の一例である。射出部70は、射出手段の一例である。制御装置100は、算出部の一例である。型締装置30は、金型20を開閉する開閉手段の一例である。計量装置49は、計量部、あるいは計量手段の一例である。
【0083】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態の構成を組み合わせてもよい。