【実施例】
【0018】
図1は本発明に係るスライディングノズル装置の一実施例を示す正面図、
図2は
図1のA−A断面図、
図3は平面図である。
図4は
図1のスライディング装置のオイルシリンダー側を上にして開閉金枠を開いた状態を示す斜視図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように本発明に係るスライディングノズル装置10は、取鍋等の溶融金属容器の底に取り付けられる固定金枠20と、固定金枠20に対してスライド可能かつ開閉可能に取り付けられたスライド金枠30と、固定金枠20に対して開閉可能に取り付けられた2つの開閉金枠40とを備える。また、固定金枠20には上プレート50が、スライド金枠30には下プレート60が公知の固定方法によって保持固定されている。なお、上プレート50の上に取り付けられる上ノズル及び下プレート60の下に取り付けられる下部ノズルは省略している。
【0020】
固定金枠20は、図示していないが溶融金属容器の底の鉄皮にボルトなどを使用して取り付けられる。また、固定金枠20にはスライド金枠30を直線的にスライドさせるための駆動装置としてのオイルシリンダー70が取り付けられている。
【0021】
図2に示すようにスライド金枠30は、その一端の連結部31に設けた長孔32に、固定金枠20に設けたピン21を貫入させることで固定金枠20に連結されている。この連結によってスライド金枠30は固定金枠20に対して開閉可能、かつスライド方向にスライド可能となり、しかも長孔32はスライド方向に対して垂直方向に長く形成されているので、この長孔32の範囲でスライド方向に対して垂直方向に移動可能となっている。
【0022】
また、
図4に示すように、スライド金枠30のプレート保持面とは反対側の面の長辺側の端部には、摺動部材33がスライド金枠のスライド方向中心線(長手方向中心線)に対称かつスライド方向と平行に、片側に1個、合計2個突設されている。これらの摺動部材33は、
図1の使用状態で下面側に位置しスライド方向と平行な摺動接触面33aと傾斜面33bとをそれぞれ片側に2個有する。各傾斜面33bは同じ角度で同じ方向に設けられている。ここで、摺動接触面とは、スライド金枠30及び開閉金枠40に設けた摺動部材33、46において、スライド方向と平行で鋳造時に互いに接する面を含む面33a、46aのことである。
【0023】
なお、上述した摺動部材33の摺動接触面33aは、
図1の使用状態でスライド金枠のスライド方向の前後に位置するので、以下では前後の摺動接触面33aという。
【0024】
図4に現れているように、摺動部材33は、ベース部33cから2個の摺動接触面33aが突出した状態でベース部33cを共有することにより一体化されており、前後の摺動接触面33a間は凹部34とされている。この凹部34は、鋳造時に摺動部材の幅方向(スライド方向と垂直方向)には他方の摺動接触面と接触する部分がなく貫通する空間を形成する。そしてこの凹部は左右対称の位置に設けることが好ましい。このように摺動部材33を一体化とすることで、取り付け精度が向上するメリットがある。一方、一体化せず、前後の摺動接触面33aを有する2個の摺動部材を設けることで凹部を形成することもできる。
【0025】
図1〜
図3を参照すると、開閉金枠40はスライド金枠30のスライド方向中心線に対して対称に2つ設けられており、それぞれ固定金枠20に取り付けられている。開閉金枠40は、門型アーム41、バネボックス42、面圧ガイド48、及び摺動部材46を備える。具体的には、固定金枠20に設けたピン22に対して門型アーム41の基端部を回動可能に取り付け、門型アーム41のアーム41a間にバネボックス42を配置し、このバネボックス42に面圧ガイド48を一体的に設けている。
【0026】
バネボックス42の内部には、スライド金枠
30のスライド方向に沿って並ぶ合計4つのコイルバネ43と、これらのコイルバネ43の下端に接触しバネボックス42内をコイルバネの伸縮方向に移動可能なバネ押付け板44とが配置されている。バネ押付け板44は2本の連結ボルト45を有しており、この2本の連結ボルト45は両側の2本のコイルバネ43及びバネボックス42の孔をそれぞれ貫通して門型アーム41の基端部に固定されている。また、門型アーム41のアーム41aには図示していない切り欠きを設けており、この切り欠きにバネボックス42の側面に設けた突起が連結ボルト45の長手軸方向に移動可能に貫入している。したがって、バネボックス42は連結ボルト45の長手軸方向に移動可能になっている。そして門型アーム41と共にバネボックス42は固定金枠20に対して回動可能になっている。
【0027】
面圧ガイド48はバネボックス42に一体的に設けられているので、同様に連結ボルト45の長手軸方向に移動可能である。具体的には面圧ガイド48は、バネボックス42からノズル孔方向に突設され、しかもスライド金枠30のスライド方向に伸延している。そして、この面圧ガイド48のスライド金枠30側には摺動部材46が突設されている。この摺動部材46は、上述したスライド金枠30の摺動部材33と同様に、スライド金枠のスライド方向中心線(長手方向中心線)に対称かつスライド方向と平行に、片側に前後1個、合計2個突設されている。これらの摺動部材46は、
図1の使用状態で上面側に位置しスライド方向と平行な摺動接触面46aと傾斜面46bとを有する。各傾斜面46bは同じ角度で同じ方向に設けられている。また、摺動部材46は、スライド金枠30の摺動部材33と同様に、ベース部46cから2個の摺動接触面46aが突出した状態でベース部46cを共有することにより一体化されており、前後の摺動接触面46a間は凹部47とされている。
【0028】
図3を参照すると、オイルシリンダー70のロッド71の先端結合部72は、スライド金枠30の連結部35に着脱可能に取り付けられている。オイルシリンダー70本体は、固定金枠20のオイルシリンダー取り付け部23に着脱可能に取り付けられており、プレートの使用時と交換時とでストロークの異なるものが使用できるようになっている。本実施例では、ストロークの異なる2つのオイルシリンダーを使用することで、スライド金枠30の可動範囲を変更し、面圧を負荷及び解除できるようになっている。なお、このようにオイルシリンダーを変更する代りに1つのオイルシリンダーのストロークを変更する公知の方法を採用することも可能である。
【0029】
次に、
図5により上述したスライド金枠30側の摺動部材33及び開閉金枠40の面圧ガイド48側の摺動部材46と、上プレート50及び下プレート60との位置関係について説明する。
図5は
図3のB−B方向断面を表しており、(a)はスライド金枠30が全開位置に位置した場合、(b)はスライド金枠30が全閉位置に位置した場合、(c)はスライド金枠30がプレート交換位置に位置した場合を示す。ここで、全開位置とは上プレート50及び下プレート60のノズル孔どうしが合致した位置、全閉位置とは使用時のスライド金枠30の可動範囲で上プレート50及び下プレート60のノズル孔どうしの距離が最大になる位置、プレート交換位置とはスライド金枠30側の摺動部材33及び面圧ガイド48側の摺動部材46がそれぞれ凹部47及び凹部34へ嵌合可能な位置のことである。また、使用時のストロークとは、使用時のスライド金枠30の可動範囲のことであり、全閉位置での上プレート50及び下プレート60のノズル孔の中心間の距離となる。さらに、プレート交換位置にするためには、使用時よりもストロークの大きな駆動装置(オイルシリンダー)に交換しなければならない。
【0030】
図5(a)において、面圧ガイド48側の前後の摺動接触面46aは、上プレート50のノズル孔の中心軸を通りかつスライド方向に垂直な面S1を中心としてオイルシリンダー70方向へL1=70mm、オイルシリンダー70とは反対方向にL2=110mmの長さにわたる部分の合計180mm離れて位置しており、この間が凹部47となっている(ノズル孔径は50mm)。この凹部47は使用時には非摺動接触面になっており、傾斜面46b部分も含まれる。
【0031】
図5(b)において、スライド金枠30側の前後の摺動接触面33aは、下プレート60の最重要面の中心を通りかつスライド方向に垂直な面S2を中心としてオイルシリンダー70方向へL3=60mm、オイルシリンダー70とは反対方向にL4=110mmの長さにわたる部分の合計170mm離れて位置しており、この間が凹部34となっている。この凹部34も使用時には非摺動接触面になっており、傾斜面34b部分も含まれる。
【0032】
なお、
図5において摺動接触面33a、46aの幅は40mm、後述する最小摺動接触面積の合計は80cm
2、摺動接触面33a、46aにかかる圧力は6N/mm
2、スライド金枠30の厚さは30mm、使用時のストロークは120mm、交換時のストロークは220mmである。使用される上下のプレート50、60は、それぞれ全長300mm、幅150mm、厚さ35mm、ノズル孔の直径50mmである。
【0033】
ここで上下のプレートの最重要面とは、
図5(b)において矢印Cで示す範囲、すなわちスライド方向の長さが、プレートの全閉位置における一方のプレートのノズル孔の端から他方のプレートのノズル孔の端までの最短距離で、幅がノズル孔径の1.2倍程度の範囲のそれぞれのプレートの表面領域のことをいう。つまり、最重要面の長さとは最重要面のスライド方向の長さのことで、例えば
図5の最重要面の長さは70mmとなる。この最重要面の長さは、使用時のストローク120mmからノズル孔の直径50mmをマイナスした値となる。最重要面の幅は、通常は上下のプレートのノズル孔中心どうしを結ぶ直線に対称となるようにする。
【0034】
次に、本発明のスライディング装置の動きについて説明する。
【0035】
まず、プレート交換時には、
図3においてスライド金枠30の連結部35からオイルシリンダー70のロッドの先端結合部72を外すとともに、オイルシリンダー取り付け部23からオイルシリンダー70を外してストロークの大きなオイルシリンダーへ交換する。
【0036】
そしてスライド金枠30を
図5(b)の全閉位置から左側へスライドさせ、
図5(c)のプレート交換位置まで移動させる。そうすると、面圧ガイド48側の摺動部材46が固定金枠20側に移動し、
図2に示したバネボックス42が固定金枠20側に移動してコイルバネ43の撓みがなくなり面圧が解除される。なお、摺動部材33、46の傾斜面
33b、46bは、上述のように面圧を解除又は負荷するときに、互いの摺動部材33、46が滑らかに摺動するために設けている。
【0037】
面圧が解除された状態では、
図4に示すように2つの開閉金枠40を開くことができ、さらにスライド金枠30を開いて、上下のプレートを交換することができる。
【0038】
プレートを交換した後は、スライド金枠30と開閉金枠40を閉じて、スライド金枠30を
図5(c)のプレート交換位置から
図5(b)の全閉位置までスライドさせる。その結果、スライド金枠30側の摺動部材33と面圧ガイド48側の摺動部材46の摺動接触面33a、46aどうしが接するようになり、
図2に示したバネボックス42が固定金枠20とは反対側へ移動することでコイルバネ43が撓み、面圧が掛かる。面圧が掛かった状態でストロークの小さなオイルシリンダーに交換する。これにより、使用時には面圧が解除されることなく安全に使用することができる。
【0039】
次に、使用時におけるプレートのノズル孔と凹部47、最重要面と凹部34との位置関係について説明する。
【0040】
図5(a)においては、全開位置で溶鋼が排出される。実際の鋳造中には下プレート60がもう少しオイルシリンダー70側に移動してノズル孔の開度を変化させることで溶鋼流量を制御する。このとき、矢印Z1で示す範囲は、凹部47の存在により摺動部材46が摺動接触面46aで接触しない部分で、この部分の上方にノズル孔が位置する。この状態で、ノズル孔周囲がノズル孔の中心軸方向に膨張すると、スライド金枠30は、従来の凹部を有しない摺動部材を使用した場合と比べてより矢印X1方向に撓むことができるため、プレートもスライド金枠30に応じて撓むことができ、プレートどうしはより広い面どうしで接触することができるようになる。このため、ノズル孔の開度の調整のための頻繁な摺動によるプレートのノズル孔周囲の欠けや最重要面の損傷を軽減することができる。
【0041】
鋳造を終了する際にはスライド金枠30が
図5(a)又はこれに近い状態から、
図5(b)の全閉位置までスライドする。このとき、摺動接触する上プレート50及び下プレート60の最重要面Cは、矢印Z2で示す範囲、つまり凹部34の存在により摺動部材33が摺動接触面33aで接触しない部分の上方に位置する。したがって、上プレート50及び下プレート60の両方の温度が高い領域つまり最重要面がノズル孔の中心軸方向に膨張しても、スライド金枠30は、従来の凹部を形成しない摺動部材を使用した場合と比べてより矢印X2方向に撓むことができるため、プレートもスライド金枠30に応じて撓むことができ、プレートどうしはより広い面どうしで接触することができるようになる。その結果、おもに摺動に伴う上プレート及び下プレートの最重要面の面荒れを軽減することができる。
【0042】
図6及び
図7に上プレートの使用時の温度部分をFEMによって計算した例を示す。
図6は、プレートの温度分布を三次元的に表示した図、
図7は
図6の断面Aの温度をグラフに表示したものである。計算条件は、アルミナカーボン材質のプレートで、長さが330mm、幅が180mm、厚さが30mm、ノズル孔の直径が60mm、溶鋼の温度は1550℃とした。また、同じ条件でしかも圧力が5tで特許文献2のようにスライド金枠側のライナーと開閉金枠側のライナーとがスライド金枠のスライド範囲の全長にわたって摺動接触するスライディングノズル装置で使用された場合のプレートの変形量のFEM計算結果を
図8に図示する。この
図8は、プレートの長手方向中心軸に垂直な断面における上プレートと下プレートとが全開位置の状態で高圧化で接触しているときの寸法変化を示したものである。横軸がプレートのノズル孔の中心軸を0として距離を示し、縦軸はプレートどうしの接触面を0としてプレートの変形量を示している。
【0043】
図7から、ノズル孔の縁から30mmの付近(ノズル孔の中心から60mm)まで温度が高く約1000℃以上あり、ノズル孔の縁から30mmを超えると温度の低下が穏やかになっていることがわかる。また、
図8からはノズル孔の周囲の幅31mmの範囲は高温になって膨張が大きいため上プレートと下プレートとが密着しているが、それよりノズル孔から遠くなると膨張が小さいため隙間が開いていることがわかる。
【0044】
一方、プレートは使用条件によって大きさが異なるが、全長は200〜450mm、幅は150〜250mm、ノズル孔径は40〜90mm、及び厚さは25〜35mmの範囲ものがほとんどであり、溶鋼の温度は1550℃前後である。このうちプレートの温度分布はノズル孔の面積の影響を最も受けると考えられる。すなわちノズル孔の面積が大きい程、受熱量が大きく、より離れた位置まで温度が高く、その温度はノズル孔径に比例すると考えられる。このことから、ノズル孔径を規準として面圧ガイドに設ける凹部の位置を規定した。
【0045】
すなわち、面圧ガイド48の前後の摺動接触面46aは、上プレート50のノズル孔の中心軸を通りかつスライド方向に垂直な面を中心としてスライド方向の前後にそれぞれノズル孔径以上の長さを離して設け、前後の摺動接触面46a間を凹部47とすることが重要である。離隔させる長さがそれぞれノズル孔径よりも小さい場合は、スライド金枠30が十分に撓むことができず、上プレートのノズル孔周囲や最重要面の損傷抑制効果が不十分となる。
【0046】
例えば、前記
図8の場合には、少なくとも上プレートのノズル孔周囲の膨張を緩和するためには、面圧ガイド側の摺動部材の凹部はノズル孔を中心として、摺動方向の前後に60mm以上ずつ、合計120mm以上設けると、ほぼ開閉金枠の撓み代が確保できることになる。
【0047】
また、スライド金枠30側の凹部34の位置は、最重要面の損傷抑制効果に関係する。最重要面の損傷は、全開又はそれに近い状態から全閉の位置まで摺動するときにも生じる。この全閉の位置に摺動するとき、上プレートの最重要面には下プレートのノズル孔周囲が、下プレートの最重要面には上プレートのノズル孔周囲がそれぞれ摺動接触する。このときノズル孔の周囲が膨張しているため、特に互いの最重要面が接触する部分はノズルの軸方向への熱膨張が大きくなる。そこで、下プレートの最重要面に対して位置が変化しないスライド金枠30側の摺動部材33に凹部34を設けることで、スライド金枠が撓み、この熱膨張による影響を緩和することができる。
【0048】
このため、最重要面の損傷を抑制する必要がある場合には、スライド金枠30の前後の摺動接触面33aは、下プレートの最重要面の中心を通りかつ前記スライド方向に垂直な面を中心とする最重要面の長さ以上の長さを離して設け、前後の摺動接触面33a間を凹部34とすることができる。
【0049】
摺動部材33の摺動接触面33aは、プレートの全面へ均等な面圧を負荷することでプレートの面荒れをより軽減したい場合には、最小摺動接触面積を、合計で40cm
2以上を確保することができる。
【0050】
ここで最小摺動接触面積とは、使用時において、互いの摺動接触面33a、46aが接する面積の最小値である。例えば本実施例では、
図5(a)の全開位置で最も互いの摺動接触面33a、46aが接する面積が小さくなり、このときの1箇所の接触している部分の面積が20cm
2であり4箇所の合計が80cm
2になっている。
【0051】
摺動接触面にかける圧力は、プレートの損傷状態や摺動接触面の状態に応じて適宜選択することができるが、更に、摺動部材33、46の摺動をよりスムーズにしてプレートの損傷を少なくしたい場合には使用時に摺動接触面33a、46aにかかる圧力を10N/mm
2(約100kgf/cm
2)以下とすることもできる。
【0052】
摺動接触面を大きくしたり、摺動接触面にかかる圧力を小さくするためには、従来のスライディングノズル装置の摺動接触面と比べて摺動接触面の幅を広くすることが可能であり、具体的には、25mm以上60mm以下の範囲で最適な値を選択すれば良い。
【0053】
また、スライド金枠が撓んでプレートの熱応力を吸収するためには従来の一般的なスライディングノズル装置のスライド金枠の厚さで十分であるが、具体的にはスライド金枠の厚さが20mm以上40mm以下の範囲がより好ましい。
【0054】
上述のとおり本実施例では、摺動接触面間に形成した凹部へ、相手の摺動部材が嵌合する関係とすることで、プレートの損傷を軽減する効果と、自動で面圧を負荷及び解除できる2つの効果を得ることができる。
【0055】
次に、本発明の実施例のスライディングノズル装置を使用して実際に180tの溶鋼の取鍋で使用した結果を表1に示す。比較例として、特許文献2のタイプであるスライド金枠及び開閉金枠のそれぞれにスライド方向に伸びる2本の金属製のライナーを使用したスライディングノズル装置を使用した。使用したプレートはアルミナカーボン系材質で、長さ330mm、幅150mm、ノズル孔径60mmである。テストは、1回の使用毎にプレートの表面状態を観察して使用可否判断を行った。表1にはそれぞれ10組のプレートの平均使用回数を示す。表1より本発明のスライディングノズル装置で使用されたプレートは、比較例と比べて、最重要面の面荒れ及びノズル孔周囲の損傷が少ないため、耐用性が優れることがわかった。
【0056】
【表1】
【0057】
なお、本発明は、上記の実施例には限定されず、スライド金枠と開閉金枠とが摺動接触面どうしで摺動接触する方式のスライディングノズル装置であれば適用可能である。また、面圧の負荷及び解除の方式については、面圧を自動で行わない方式、例えばボルト締め方式などであっても適用可能である。