特許第6194312号(P6194312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194312
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】化粧品アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A45D34/04 510A
   A45D34/04 515Z
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-527785(P2014-527785)
(86)(22)【出願日】2012年8月28日
(65)【公表番号】特表2014-525309(P2014-525309A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】IB2012054412
(87)【国際公開番号】WO2013030766
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】1157741
(32)【優先日】2011年9月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】エリック・コリエ
(72)【発明者】
【氏名】マリーヌ・ルアルドゥ
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−306244(JP,A)
【文献】 特開2000−166644(JP,A)
【文献】 特開2007−307311(JP,A)
【文献】 特開平10−113217(JP,A)
【文献】 特開2003−125842(JP,A)
【文献】 特開2010−221039(JP,A)
【文献】 特開平11−113633(JP,A)
【文献】 米国特許第06237609(US,B1)
【文献】 米国特許第06532967(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睫毛または眉毛に化粧品(P)を塗布するためのアプリケータ(3)において、
長手方向軸(X)に沿って延びるステム(4)と、
前記ステム(4)の遠位端に配置されたアプリケータ部材(5)であって、
長手方向軸(Y)に沿って延びるコア(11)、および
前記コア(11)に連結され、包絡面(E)を形成するブリッスル(12)を備え、近位部(10)および遠位部(20)を有し、前記遠位部(20)が、前記コア(11)の遠位端から延びる領域に対応しており、且つ、前記コア(11)の長手方向軸に沿って測定された、前記ブリッスル(12)を保持する前記アプリケータ部材(5)の部分の長さの2分の1よりも短い長さを有する、アプリケータ部材(5)とを備え、
前記包絡面(E)は、長手方向断面で見たときに、前記コア(11)の前記長手方向軸(Y)に垂直な任意の平面(Pp)に対して非対称な外形を有するノッチ(22)を有し、
前記包絡面(E)は、前記近位部(10)において、前記遠位部(20)に向かってサイズが小さくなる可変断面を有し、前記遠位部(20)における前記包絡面(E)の最大横寸法(Dd)は、前記近位部(10)における前記包絡面(E)の最大横寸法(Dp)よりも小さく、前記コア(11)の前記長手方向軸(Y)は、完全に単一の平面内に含まれている、アプリケータ。
【請求項2】
前記コア(11)の前記長手方向軸(Y)は、前記ブリッスル(12)を保持する部分全体に沿って一定でない湾曲を有する、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
前記包絡面(E)の最大横寸法(Dp)は、前記ブリッスル(12)を保持する部分の近位端(13)から始まる前記アプリケータ部材(5)の長さの最初の半分に位置する、請求項1または2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
前記コア(11)は、前記近位部(10)において直線状であり、前記ステム(4)の前記長手方向軸に一致する軸を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記コア(11)は、前記遠位部(20)において少なくとも30°だけ方向を変える、請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記コア(11)は、前記遠位部(20)において少なくとも45°だけ方向を変える、請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記コア(11)は、前記遠位部(20)において少なくとも60°だけ方向を変える、請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項8】
前記コア(11)は折り畳まれる、請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項9】
前記コア(11)は、少なくとも一部が可撓性の材料で作られる、請求項1から8のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記アプリケータ部材(5)の前記コア(11)は捩じられる、請求項1から9のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記アプリケータ部材(5)の前記ブリッスル(12)は、前記コア(11)と一体に成形される、請求項1から9のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項12】
前記包絡面(E)は、断面が最大になる位置から遠位部(20)に向かって連続的に小さくなる前記断面を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項13】
前記コア(11)の前記遠位端(21)は、前記ステム(4)の前記長手方向軸(X)を含む平面(Pl)に対して前記ノッチ(22)と同じ側に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項14】
前記ステム(4)の前記長手方向軸(X)から前記コア(11)の前記遠位端(21)までの距離は、前記近位部(10)に沿ったブリッスル(12)の自由端と前記ステム(4)の前記長手方向軸(X)との間の最大距離以下である、請求項1から13のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項15】
前記コア(11)は直線状の長手方向軸(Y)に沿って延びる、請求項1、3、9、10、11、または12のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記ノッチ(22)の底部は、前記コア(11)の近位端よりも前記コア(11)の遠位端(21)により近い、請求項1から15のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項17】
睫毛または眉毛に化粧品(P)を塗布するためのデバイス(1)であって、
前記化粧品(P)を含み、拭取り部材(8)を有する容器(2)と、
請求項1から16のいずれか一項に記載されたアプリケータ(3)とを備えるデバイス(1)。
【請求項18】
睫毛または眉毛に化粧を施すための方法であって、請求項1から16のいずれか一項に記載されたアプリケータ(3)によって前記睫毛または眉毛に化粧品(P)が塗布される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラブラシとも呼ばれる、睫毛または眉毛に化粧品を塗布することを目的としたアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラブラシは、睫毛同士をくっつけずに睫毛に化粧品を塗布することを可能にする必要がある。したがって、マスカラブラシは睫毛同士を効果的に分離することができる必要がある。
【0003】
十分な化粧品塗布特性と十分な分離特性の両方を実現することを目的として非常に様々な形状を有するブラシが提案されている。
【0004】
捻じれたコアを有し、端部の所が湾曲したブラシが、米国特許第6532967号、米国特許出願第2010/0003065号、EP0832580、およびFR2821532号の各文献から知られている。
【0005】
射出成形され湾曲したアプリケータも、FR2831033、FR2786674、およびFR2821532の各出願から知られている。
【0006】
実用新案のFR2920649は、2つの面から突き出る異なる数の要素を有する射出成形されたブラシについて説明している。
【0007】
マスカラブラシをさらに改良し、特にブラシの分離機能とブラシの化粧品塗布機能とを十分に兼ね合わせる必要がある。さらに、ブラシは、容易に生産することができ、かつユーザが特定の注意を払う必要なしに使用できるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6532967号
【特許文献2】米国特許出願第2010/0003065号
【特許文献3】EP0832580
【特許文献4】FR2821532
【特許文献5】FR2831033
【特許文献6】FR2786674
【特許文献7】FR2821532
【特許文献8】FR2920649
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、この要件の少なくとも一部に対応し、本発明の各態様のうちの1つに従って、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのアプリケータにおいて、
長手方向の、好ましくは直線状の軸に沿って延びるステムと、
ステムの遠位端に配置されたアプリケータ部材であって、
長手方向軸に沿って延びるコア、および
コアに連結され、自由端が包絡面を形成するブリッスルを備え、近位部および遠位部を有するアプリケータ部材とを備え、
包絡面が、長手方向断面で見たときに、有利なことにコアの長手方向軸に垂直な任意の平面に対して非対称な外形を有するノッチを有し、
包絡面が、近位部において、遠位部に向かってサイズが小さくなる可変断面を有し、遠位部における包絡面の最大横寸法が近位部における包絡面の最大横寸法よりも小さいアプリケータによってこの対応を実現することである。
【0010】
包絡面の横寸法は、径方向の両側に位置し、コアに沿った同じ軸方向位置である、包絡面の2つの点の間で測定され、包絡面は、外側がブリッスルの自由端によって形成される。
【0011】
ノッチは、アプリケータをステムの長手方向軸に垂直な方向から見たときの観察面において、内側が包絡面の輪郭によって境界付けられ、外側が包絡面の接線によって境界付けられる。この接線は、ステムの長手方向軸に平行であってよい。
【0012】
本発明は、ブリッスルが取り付けられたブラシとブリッスルがコアと一体に成形されたブラシの両方、および直線状コアを有するブラシと湾曲コアを有するブラシの両方に適用される。
【0013】
本発明によって、同じアプリケータによって様々な化粧効果が得られる。アプリケータは、1つの同じアプリケータ部材上に様々な塗布領域を有し、したがって、たとえば睫毛の列の端部においてより多くの化粧品を塗布するか、あるいは睫毛同士を効果的に分離することが可能になる。
【0014】
ノッチは、化粧品を保持することのできるくぼみを形成する。単一のくぼみが存在することが好ましい。ノッチの外形は、変曲点が2つのみであってよい。本発明によるアプリケータが、アプリケータ部材が化粧品を付着させるために挿入される容器を有するデバイスの一部であるとき、容器からの取出し時における拭取り部材による前記ノッチのくぼみの拭取りの程度はより軽くなる。アプリケータ部材のこの領域を使用してより多くの化粧品を睫毛に塗布することができる。ノッチの反対側に位置するアプリケータ部材の後部は、下睫毛のような、アプリケータを届かせるのが困難なある睫毛にアプリケータを届かせるのとともに、睫毛同士を効果的に分離するのを可能にする。
【0015】
コアの長手方向軸は、ブリッスルを保持する部分全体に沿って一定でない湾曲を有してよく、あるいは代替として、直線状の長手方向軸に沿って延びてよい。
【0016】
「ブリッスルを保持する部分全体に沿った一定でない湾曲」という表現は、ブリッスルを保持する部分が完全に直線状であるわけではなく、かつ一定の半径を有する円弧に完全に一致するわけではない長手方向軸を有するという意味として理解すべきである。
【0017】
コアが湾曲しているときは、コアに付与された湾曲をノッチの形成に関与させることができる。コアが直線状であるときは、ノッチはたとえば、素材を機械加工するか、またはノッチを有する形状のアプリケータ部材を成形することによって形成される。
【0018】
遠位部は、コアの遠位端から、包絡面からコアまでの距離が最短になる領域を示すノッチの底部まで延びる領域に対応することが好ましい。この距離は、必要に応じてブリッスルが存在しない場合には零であってよい。遠位部は、コアの長手方向軸に沿って測定された、ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の長さの2分の1よりも短い長さを有してよい。
【0019】
ノッチの底部は、コアの近位端よりも遠位端に近くてよい。
【0020】
コアの湾曲が一定でない場合、前記コアが近位部において直線状であり、ステムの遠位部の長手方向軸と一致する長手方向軸を有することが好ましい。
【0021】
コアは、遠位部において湾曲してよく、たとえば、コアの軸の向きが少なくとも45°、好ましくは少なくとも90°変化してよい。コアは、アプリケータ部材の遠位部がフックを形成するように折り畳まれてよい。
【0022】
アプリケータ部材のコアは、捩じり合わされた2本の金属撚り線によって形成された捻じれたコアであってよく、この2本の撚り線は、従来は折り畳まれたワイヤによって作製されている。コアは、特にコアの長手方向軸が直線状ではないときは可撓性であり非金属であってよい。
【0023】
したがって、コアは、容器からの取出し時に拭取り部材に引っかからないように、エラストマのようなかなり可撓性の高い材料から作製されてよい。容器からの取出し時に、コアは、必要に応じて変形し、弾性によってコアの元の形状に戻ってよい。
【0024】
ブリッスルは、コアに取り付けられるか、あるいは、好ましくは同じ材料または異なる材料からコアと一体に成形されてよい。ブリッスルは、コア上の位置に応じて異なってよい。たとえば、ブリッスルは、成形されるとき、コア上の位置に応じて異なる高さおよび/または断面を有してよい。
【0025】
各ブリッスルの長手方向軸は、ブリッスルがコアに連結されるベースにおいて、コアの長手方向軸に概ね垂直に向けられてよい。したがって、コアの湾曲が一定でないとき、ノッチの方へ曲げられたブリッスルは、ノッチの外側よりも互いにより近い自由端を有してよく、一方、ベースにおいては同じ間隔を保持する。ノッチの反対側では、ブリッスルは、端部においては互いにより広い間隔を置いて配置され、これによって、睫毛同士を分離する動作をより容易に行うことができる。
【0026】
必要に応じて、ノッチの底部は、ブリッスルを有さないか、あるいはブリッスルの数がより少なくてよい。
【0027】
コア上の1つの同じ長手方向位置に配置されたブリッスルは、すべて同じ長さを有してよい。代替として、いくつかのブリッスルを他のブリッスルよりも短くし、それによって、アプリケータ部材を断面視したときに前記アプリケータ部材のコアが包絡面の断面に対して心ずれするようにしてよい。これらのより短いブリッスルがノッチを画定してよい。
【0028】
ブリッスルの自由端によって形成される包絡面の断面は、円形、楕円形、または多角形、たとえば三角形であってよい。
【0029】
包絡面は、包絡面の近位部の最大の断面から遠位部に向かって連続的に小さくなる断面を有してよい。
【0030】
ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の長さは、15mmから30mmの間であってよく、たとえば25mmから30mmの間であってよく、たとえば27mmに等しくてよい。
【0031】
包絡面は、アプリケータ部材が機械加工された後に包絡面の最終形状を有してよく、あるいは代替として、アプリケータ部材はその最終形状を有するように成形されてよい。アプリケータ部材の成形および/または機械加工を行い、次いで、必要に応じて熱によってコアおよび/またはブリッスルを変形させ、遠位部を湾曲させかつ/あるいはブリッスルの長さを短くすることも可能である。
【0032】
代替として、アプリケータ部材は、たとえば中空で直線状の形状を有するアプリケータ部材を成形し、次いでアプリケータ部材にインサートを導入することによってアプリケータ部材の最終形状を付与されてよい。このインサートはたとえば、形状記憶が可能な弾性変形可能な金属で作られるか、プラスチック材料で作られるか、またはより剛性が高く、金属で作られ、展性を有する。場合によっては、インサートはその最終的な湾曲を有するように導入されてよい。
【0033】
コアが一定でない湾曲を有するとき、コアの遠位端がノッチと同じ側に配置され、この側がステムの長手方向軸を含む平面によって境界付けられることが好ましい。
【0034】
包絡面は、好ましくは、ブリッスルを保持する部分の近位端から始まるアプリケータ部材の最初の半分、好ましくはこの最初の半分に沿った概ね中間の位置、特にこの最初の半分の長さの4分の1から4分の3の間の場所に位置する、単一の最大断面を通過してよい。
【0035】
コアの一部が直線状ではないとき、コアの長手方向軸は、ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の近位端から常に同じ方向に向きが変化し、それによってコアの波打ち形状を排除することができる。
【0036】
コアの長手方向軸は完全に単一の平面内に含まれることが好ましい。コアの自由端から、ステムの遠位端まで延びるステムの長手方向軸までの距離は、包絡面の最大横寸法の2分の1未満であるか、あるいはステムの半径以下であることが好ましい。
【0037】
本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのデバイスであって、
化粧品を含む容器と、
上記に定義されたアプリケータとを備えるデバイスである。
【0038】
容器は任意の形状を有してよい。
【0039】
容器は、有利なことに、任意の種類であってよい拭取り部材を備え、容器に連結されるかまたは容器と一体に成形され、場合によっては調整可能である。
【0040】
この拭取りオリフィスは、概ね円形であり、ステムの直径に適合され、かつ/あるいは半径方向または接線方向の長穴を有してよい。
【0041】
本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧を施すための方法であって、化粧品が本発明によるデバイスによって睫毛または眉毛に塗布される方法である。詳細には、睫毛の列の端部への塗布は、アプリケータ部材の遠位部を用いて行われてよい。
【0042】
本発明の各態様のうちの別の態様による本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのアプリケータにおいて、
長手方向軸に沿って延びるステムと、
ステムの遠位端に配置されたアプリケータ部材であって、
長手方向軸に沿って延びるコア、および
コアに連結され、包絡面を形成するブリッスルを備え、近位部および遠位部を有するアプリケータ部材とを備え、
包絡面が、近位部において、遠位部に向かってサイズが小さくなる可変断面を有し、遠位部における包絡面の最大横寸法が、近位部における包絡面の最大横寸法よりも小さく、コアの長手方向軸が、ブリッスルを保持する部分全体に沿って一定でない湾曲を有するアプリケータである。
【0043】
本発明のこの他の主題によるそのようなアプリケータは、全体的に直線状の長手方向軸を有するコアを除いて上記の特徴のうちの少なくとも1つを有してよい。
【0044】
本発明は、添付図面を参照しながら、以下のその非限定的な実装例の詳細な説明を読めばよりよく理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明に従って作製された例示的なパッケージング塗布デバイスの概略部分長手方向断面図である。
図2図1のデバイスのアプリケータ部材を独立に示す図である。
図3図2のIII-IIIに沿った断面図である。
図4】アプリケータ部材の変形例についての図3と同様の図である。
図5】アプリケータ部材の変形例についての図3と同様の図である。
図6】本発明による変形アプリケータ部材についての図2と同様の図である。
図7図6のアプリケータ部材についてのVII-VIIに沿った断面図である。
図8A】本発明による変形アプリケータ部材についての図6と同様の図である。
図8B】本発明による変形アプリケータ部材についての図6と同様の図である。
図9A】本発明によるアプリケータの使用法を示す図である。
図9B】本発明によるアプリケータの使用法を示す図である。
図10A】本発明によるアプリケータ部材を作製する方法を示す図である。
図10B】本発明によるアプリケータ部材を作製する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に示すパッケージング塗布デバイス1は、化粧品P、たとえばマスカラを収容する容器2と、図示のように、使用しないときに容器2を密閉するために容器2に固定することのできるアプリケータ3とを有する。
【0047】
アプリケータ3は、同じく容器2を密封するための部材を形成する把持部材6に近位端の所で連結されたステム4を有する。
【0048】
ステム4は、ブラシとも呼ばれ、以下に詳しく説明するアプリケータ部材5に遠位端の所で連結される。
【0049】
容器2は、図示のように、アプリケータ部材5が容器2から取り出されるときにステム4の拭取りを行うとともにアプリケータ部材5の拭取りを行うのに適した拭取り部材8が固定されたねじ付きネック7が設けられた本体2aを備えてよい。
【0050】
拭取り部材8は、容器に連結されるかまたは容器と一体に成形された任意の種類であってよい。この拭取りオリフィスは、円形であるかあるいは円形ではないリムを有する拭取りリップ9によって形成されてよい。拭取りリップは、円錐状または波打ち状でありかつ/あるいは半径方向または接線方向の長穴を有してよい。拭取りリップ9は、たとえば円形部分を有し、直径がステム4の直径よりもわずかに大きいオリフィスを画定する。拭取り部材8は調整可能であってよい。代替として、容器2のネック7が取り付けられてよい。
【0051】
図示の例では、ステム4は直線状の長手方向軸Xを有するが、ステム4が直線状ではない場合でも本発明の範囲から逸脱しない。ステム4は、場合によっては、容器2が密閉されるときに拭取り部材8の所に位置付けられる(不図示の)狭窄部を有してよい。ステム4はその遠位端の所に可撓性部を有してよい。
【0052】
化粧品Pは、睫毛および/または眉毛に塗布されるようになっている。化粧品Pは、顔料の中でも酸化鉄を含み、組成に応じて水性溶剤または有機溶剤を含む。
【0053】
アプリケータ部材5は、図2に独立して概略的に示されている。
【0054】
このアプリケータ部材5は、長手方向軸Yに沿って延びるコア11と、近位部10および遠位部20を有する。説明する例では、コア11は、ブリッスル12を保持する部分全体にわたって一定でない湾曲を有する。
【0055】
アプリケータ部材5は、コア11に連結されたブリッスル12を有し、前記ブリッスル12の自由端は、ノッチ22を有する包絡面Eを形成し、ブリッスル12の外形は、図2の平面のような長手方向断面で見たときに、コアの長手方向軸に垂直な任意の平面Ppに対して非対称である。
【0056】
遠位部20は、図示のように、コア11の遠位端21からノッチ22の底部、すなわち、図示の例では、コアの湾曲が著しく変化する位置まで延びるアプリケータ部材5の領域に対応してよく、コアは、たとえばステムの長手方向軸に一致する軸を有する直線状から湾曲状に変化する。遠位部20は、コアの長手方向軸に平行に測定されたアプリケータ部材5の長さの2分の1未満または3分の1未満の長さを有してよい。
【0057】
図1図5の例では、コア11は捻じれたコアである。以下に詳細に説明する変形例では、コアが成形される。
【0058】
コア11が捩じられるとき、本発明の範囲から逸脱せずに多数のタイプの異なるブリッスル12を使用してよい。熱可塑性材料、ポリエステル、ポリアミド、特にNylon(登録商標)6/6、Nylon(登録商標)6/12、ポリオレフィンなどのうちの1つで作られたブリッスルを使用してよい。
【0059】
各ブリッスル12は、アプリケータ部材5を作製する方法とは無関係に同じ性質を有しても有さなくてもよい。
【0060】
包絡面Eは、図示のように、アプリケータ部材5の近位部10に可変断面を有し、この断面は、特に図2を見ると分かるように、最大断面を通過し、断面が最大になる位置から遠位部20に向かってサイズが小さくなることができる。
【0061】
図2に示すように、特に、遠位部20の包絡面Eの最大横寸法Ddは常に、近位部10の包絡面Eの最大横寸法Dpよりも小さい。遠位部20の包絡面Eの最大横寸法Ddは、たとえば8mm以下であり、かつ4mm以上であり、近位部10の包絡面Eの最大横寸法Dpは、たとえば6mm以上であり、かつ12mm以下である。
【0062】
包絡面Eの最大横寸法は、径方向両側に位置し、コアの長手方向軸に垂直な平面Ppにおけるコア11の長手方向軸Y上の同じ長手方向位置に配置される2つの点の間で測定される。
【0063】
包絡面Eの最大横寸法は、図示のように、ブリッスル12を保持する部分の近位端13から始まるアプリケータ部材5の長さの最初の半分に位置してよい。
【0064】
包絡面Eは、図示のように、近位部の最大の断面から遠位部20に向かって連続的に小さくなる断面を有してよい。
【0065】
包絡面Eの断面は、図3に示すように円形を有してよい。代替として、包絡面Eの断面は多角形であってよく、たとえば図4の例のように三角形であってよい。
【0066】
図5の変形実施形態では、コア11は心合わせされない。この部分の質量中心はコアの長手方向軸と一致しない。したがって、ブリッスル12はコアの一方の側の方が他方の側よりも短い。
【0067】
アプリケータ部材5の製造に起因して、湾曲したコア11の場合、図2に示すように、コアから始まる各ブリッスル12の長手方向軸は、長手方向軸Yに概ね垂直である。その結果、ノッチの反対側に配置されたブリッスルは、互いにより広い間隔を置いて配置され、したがって、睫毛をよりうまく分離することが可能になり、かつより正確な塗布が可能になる。
【0068】
コア11の長手方向軸Yは、図示の例において、近位部10では直線状である。
【0069】
コア11は、直線状の軸と遠位端21との間で少なくとも30°、好ましくは少なくとも45°、好ましくは少なくとも60°、より好ましくは少なくとも90°の角度αだけ向きが変化する。角度αが90°よりも大きいとき、コア11は折り畳まれ、フックを形成する。
【0070】
コア11の遠位端21は、遠位部20におけるコアの湾曲によって形成されるノッチと同じ側に配置される。遠位部全体にわたって、コアは、ステム4の長手方向軸Xを含み、かつ図2の平面に垂直な平面Plの同じ側に配置されてよい。
【0071】
図6に示すように、ノッチ22の底部はブリッスル12を有さなくてよい。
【0072】
コア11を捩じると、コアが直線状であり、素材から所望の形状をアプリケータ部材5に付与することができ、この素材は、包絡面に可変断面を付与し、かつ近位部10の最大断面を形成するように機械加工される。次に、コア11は、所望の曲線を付与するように捩じられる。
【0073】
本発明の実装変形実施形態において、図6および図7に示すように、アプリケータ部材5は、ブリッスル12がコア11と一体に成形されるように作製される。アプリケータ部材5は、その最終形状および非直線状コアを有するように成形されてよい。
【0074】
アプリケータ部材5は、中空であってよく、図10Aおよび図10Bに示すようにコア11を湾曲構成に維持するのを可能にするインサート30を受け入れるように可撓性材料から成形されてよい。インサートは、プラスチック材料または金属で作られてよく、かつ最初は直線状であり、挿入後に湾曲してよい。インサートは、湾曲構成を有するように導入されてもよい。この場合、インサートは、挿入時に少なくとも一部がまっすぐになることができるように、たとえばばね鋼のような弾性変形可能な材料から作製され、挿入後にインサートの最初の湾曲形状に戻る。
【0075】
図8Aに示す変形実施形態において、コア11は直線状の長手方向軸Yに沿って延びる。アプリケータ部材はブリッスルと一体に成形される。
【0076】
ノッチ22はブリッスル12の長さが一定でないことによって得られる。ブリッスル12は、たとえばすべてがコアの長手方向軸に垂直である。ブリッスル12は、概ね一定の断面部分、たとえば同じ直径を有する円形断面を有してよい。
【0077】
図8Bに示す変形実施形態において、コアは直線状であり捩じられ、ブリッスルはノッチ22を形成するように機械加工される。機械加工は、回転円筒の形をした包絡面を有する素材に対して実行されてよい。
【0078】
得られる外形は、2つの変曲点22aおよび22bのみを有してよく、底部は、コアの長手方向軸に概ね平行な向きの接線の所に位置してよい。2つの変曲点22aおよび22bはそれぞれ、底部22の各側に配置される。
【0079】
捻じれたコアを有するそのようなブラシでは、ブリッスルを保持する部分の長さは、たとえば22mmから26mmの間であり、最大横寸法Dpは、たとえば8mmから12mmの間であり、たとえば10mmである。
【0080】
ノッチ22の外側を境界付ける接線Tは、たとえばコアの直線状の長手方向軸に平行である。
【0081】
次に、本発明によるアプリケータ部材の使用法について図9Aおよび図9Bを参照して説明する。ただし、以下の説明は図示の他の例にも有効である。
【0082】
容器2からの出口における拭取り部材8によるアプリケータ部材5のノッチ22に対する拭取りの程度は、アプリケータ部材の残りの部分よりも軽く、したがって、より多くの化粧品Pが付着することとなる。
【0083】
アプリケータ部材のノッチ22は、上睫毛Chと接触させられ、したがって、化粧品Pが上睫毛に広範囲に塗布される。次に、図9Bにおいて下睫毛Cbに関して示すように、ノッチ22の反対側のアプリケータ部材の後部23を使用して、上記のように化粧品が塗布された睫毛同士を分離することができる。
【0084】
本発明は、上述の例に限定されない。これらの例の特徴を、図示しない変形実施形態の一部として組み合わせてもよい。
【0085】
ブリッスル12は、コア11に取り付けられるかそれともコア11と一体に成形されるかにかかわらず、静菌性を有する材料および/または滑りを促進する材料および/または磁気材料を含んでよい。
【0086】
ブリッスル12は、コア11と一体に成形されるときには、コアの材料と同じ材料から作られてもあるいはコアの材料と異なる材料から作られてもよい。
【0087】
アプリケータは、使用時に加熱および/または振動を受けてもよい。
【0088】
ノッチの底部の外形は、コアの長手方向軸に垂直な断面で見たときに、平坦であっても、または外側に対して凹状であっても、または外側に対して凸状であってもよい。
【0089】
「〜を1つ備える」という表現は、それに反する規定がなければ「少なくとも1つの〜を備える」と同義であるものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0090】
1 パッケージング塗布デバイス
2 容器
2a 本体
3 アプリケータ
4 ステム
5 アプリケータ部材
7 ねじ付きネック
8 拭取り部材
9 拭取りリップ
10 近位部
11 コア
12 ブリッスル
20 遠位部
21 遠位端
22 ノッチ
22a 変曲点
22b 変曲点
Cb 下睫毛
Ch 上睫毛
Dd 最大横寸法
Dp 最大横寸法
E 包絡面
P 化粧品
Pl 平面
Pp 平面
X 長手方向軸
Y 長手方向軸
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B