【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、この要件の少なくとも一部に対応し、本発明の各態様のうちの1つに従って、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのアプリケータにおいて、
長手方向の、好ましくは直線状の軸に沿って延びるステムと、
ステムの遠位端に配置されたアプリケータ部材であって、
長手方向軸に沿って延びるコア、および
コアに連結され、自由端が包絡面を形成するブリッスルを備え、近位部および遠位部を有するアプリケータ部材とを備え、
包絡面が、長手方向断面で見たときに、有利なことにコアの長手方向軸に垂直な任意の平面に対して非対称な外形を有するノッチを有し、
包絡面が、近位部において、遠位部に向かってサイズが小さくなる可変断面を有し、遠位部における包絡面の最大横寸法が近位部における包絡面の最大横寸法よりも小さいアプリケータによってこの対応を実現することである。
【0010】
包絡面の横寸法は、径方向の両側に位置し、コアに沿った同じ軸方向位置である、包絡面の2つの点の間で測定され、包絡面は、外側がブリッスルの自由端によって形成される。
【0011】
ノッチは、アプリケータをステムの長手方向軸に垂直な方向から見たときの観察面において、内側が包絡面の輪郭によって境界付けられ、外側が包絡面の接線によって境界付けられる。この接線は、ステムの長手方向軸に平行であってよい。
【0012】
本発明は、ブリッスルが取り付けられたブラシとブリッスルがコアと一体に成形されたブラシの両方、および直線状コアを有するブラシと湾曲コアを有するブラシの両方に適用される。
【0013】
本発明によって、同じアプリケータによって様々な化粧効果が得られる。アプリケータは、1つの同じアプリケータ部材上に様々な塗布領域を有し、したがって、たとえば睫毛の列の端部においてより多くの化粧品を塗布するか、あるいは睫毛同士を効果的に分離することが可能になる。
【0014】
ノッチは、化粧品を保持することのできるくぼみを形成する。単一のくぼみが存在することが好ましい。ノッチの外形は、変曲点が2つのみであってよい。本発明によるアプリケータが、アプリケータ部材が化粧品を付着させるために挿入される容器を有するデバイスの一部であるとき、容器からの取出し時における拭取り部材による前記ノッチのくぼみの拭取りの程度はより軽くなる。アプリケータ部材のこの領域を使用してより多くの化粧品を睫毛に塗布することができる。ノッチの反対側に位置するアプリケータ部材の後部は、下睫毛のような、アプリケータを届かせるのが困難なある睫毛にアプリケータを届かせるのとともに、睫毛同士を効果的に分離するのを可能にする。
【0015】
コアの長手方向軸は、ブリッスルを保持する部分全体に沿って一定でない湾曲を有してよく、あるいは代替として、直線状の長手方向軸に沿って延びてよい。
【0016】
「ブリッスルを保持する部分全体に沿った一定でない湾曲」という表現は、ブリッスルを保持する部分が完全に直線状であるわけではなく、かつ一定の半径を有する円弧に完全に一致するわけではない長手方向軸を有するという意味として理解すべきである。
【0017】
コアが湾曲しているときは、コアに付与された湾曲をノッチの形成に関与させることができる。コアが直線状であるときは、ノッチはたとえば、素材を機械加工するか、またはノッチを有する形状のアプリケータ部材を成形することによって形成される。
【0018】
遠位部は、コアの遠位端から、包絡面からコアまでの距離が最短になる領域を示すノッチの底部まで延びる領域に対応することが好ましい。この距離は、必要に応じてブリッスルが存在しない場合には零であってよい。遠位部は、コアの長手方向軸に沿って測定された、ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の長さの2分の1よりも短い長さを有してよい。
【0019】
ノッチの底部は、コアの近位端よりも遠位端に近くてよい。
【0020】
コアの湾曲が一定でない場合、前記コアが近位部において直線状であり、ステムの遠位部の長手方向軸と一致する長手方向軸を有することが好ましい。
【0021】
コアは、遠位部において湾曲してよく、たとえば、コアの軸の向きが少なくとも45°、好ましくは少なくとも90°変化してよい。コアは、アプリケータ部材の遠位部がフックを形成するように折り畳まれてよい。
【0022】
アプリケータ部材のコアは、捩じり合わされた2本の金属撚り線によって形成された捻じれたコアであってよく、この2本の撚り線は、従来は折り畳まれたワイヤによって作製されている。コアは、特にコアの長手方向軸が直線状ではないときは可撓性であり非金属であってよい。
【0023】
したがって、コアは、容器からの取出し時に拭取り部材に引っかからないように、エラストマのようなかなり可撓性の高い材料から作製されてよい。容器からの取出し時に、コアは、必要に応じて変形し、弾性によってコアの元の形状に戻ってよい。
【0024】
ブリッスルは、コアに取り付けられるか、あるいは、好ましくは同じ材料または異なる材料からコアと一体に成形されてよい。ブリッスルは、コア上の位置に応じて異なってよい。たとえば、ブリッスルは、成形されるとき、コア上の位置に応じて異なる高さおよび/または断面を有してよい。
【0025】
各ブリッスルの長手方向軸は、ブリッスルがコアに連結されるベースにおいて、コアの長手方向軸に概ね垂直に向けられてよい。したがって、コアの湾曲が一定でないとき、ノッチの方へ曲げられたブリッスルは、ノッチの外側よりも互いにより近い自由端を有してよく、一方、ベースにおいては同じ間隔を保持する。ノッチの反対側では、ブリッスルは、端部においては互いにより広い間隔を置いて配置され、これによって、睫毛同士を分離する動作をより容易に行うことができる。
【0026】
必要に応じて、ノッチの底部は、ブリッスルを有さないか、あるいはブリッスルの数がより少なくてよい。
【0027】
コア上の1つの同じ長手方向位置に配置されたブリッスルは、すべて同じ長さを有してよい。代替として、いくつかのブリッスルを他のブリッスルよりも短くし、それによって、アプリケータ部材を断面視したときに前記アプリケータ部材のコアが包絡面の断面に対して心ずれするようにしてよい。これらのより短いブリッスルがノッチを画定してよい。
【0028】
ブリッスルの自由端によって形成される包絡面の断面は、円形、楕円形、または多角形、たとえば三角形であってよい。
【0029】
包絡面は、包絡面の近位部の最大の断面から遠位部に向かって連続的に小さくなる断面を有してよい。
【0030】
ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の長さは、15mmから30mmの間であってよく、たとえば25mmから30mmの間であってよく、たとえば27mmに等しくてよい。
【0031】
包絡面は、アプリケータ部材が機械加工された後に包絡面の最終形状を有してよく、あるいは代替として、アプリケータ部材はその最終形状を有するように成形されてよい。アプリケータ部材の成形および/または機械加工を行い、次いで、必要に応じて熱によってコアおよび/またはブリッスルを変形させ、遠位部を湾曲させかつ/あるいはブリッスルの長さを短くすることも可能である。
【0032】
代替として、アプリケータ部材は、たとえば中空で直線状の形状を有するアプリケータ部材を成形し、次いでアプリケータ部材にインサートを導入することによってアプリケータ部材の最終形状を付与されてよい。このインサートはたとえば、形状記憶が可能な弾性変形可能な金属で作られるか、プラスチック材料で作られるか、またはより剛性が高く、金属で作られ、展性を有する。場合によっては、インサートはその最終的な湾曲を有するように導入されてよい。
【0033】
コアが一定でない湾曲を有するとき、コアの遠位端がノッチと同じ側に配置され、この側がステムの長手方向軸を含む平面によって境界付けられることが好ましい。
【0034】
包絡面は、好ましくは、ブリッスルを保持する部分の近位端から始まるアプリケータ部材の最初の半分、好ましくはこの最初の半分に沿った概ね中間の位置、特にこの最初の半分の長さの4分の1から4分の3の間の場所に位置する、単一の最大断面を通過してよい。
【0035】
コアの一部が直線状ではないとき、コアの長手方向軸は、ブリッスルを保持するアプリケータ部材の部分の近位端から常に同じ方向に向きが変化し、それによってコアの波打ち形状を排除することができる。
【0036】
コアの長手方向軸は完全に単一の平面内に含まれることが好ましい。コアの自由端から、ステムの遠位端まで延びるステムの長手方向軸までの距離は、包絡面の最大横寸法の2分の1未満であるか、あるいはステムの半径以下であることが好ましい。
【0037】
本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのデバイスであって、
化粧品を含む容器と、
上記に定義されたアプリケータとを備えるデバイスである。
【0038】
容器は任意の形状を有してよい。
【0039】
容器は、有利なことに、任意の種類であってよい拭取り部材を備え、容器に連結されるかまたは容器と一体に成形され、場合によっては調整可能である。
【0040】
この拭取りオリフィスは、概ね円形であり、ステムの直径に適合され、かつ/あるいは半径方向または接線方向の長穴を有してよい。
【0041】
本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧を施すための方法であって、化粧品が本発明によるデバイスによって睫毛または眉毛に塗布される方法である。詳細には、睫毛の列の端部への塗布は、アプリケータ部材の遠位部を用いて行われてよい。
【0042】
本発明の各態様のうちの別の態様による本発明のさらなる主題は、睫毛または眉毛に化粧品を塗布するためのアプリケータにおいて、
長手方向軸に沿って延びるステムと、
ステムの遠位端に配置されたアプリケータ部材であって、
長手方向軸に沿って延びるコア、および
コアに連結され、包絡面を形成するブリッスルを備え、近位部および遠位部を有するアプリケータ部材とを備え、
包絡面が、近位部において、遠位部に向かってサイズが小さくなる可変断面を有し、遠位部における包絡面の最大横寸法が、近位部における包絡面の最大横寸法よりも小さく、コアの長手方向軸が、ブリッスルを保持する部分全体に沿って一定でない湾曲を有するアプリケータである。
【0043】
本発明のこの他の主題によるそのようなアプリケータは、全体的に直線状の長手方向軸を有するコアを除いて上記の特徴のうちの少なくとも1つを有してよい。
【0044】
本発明は、添付図面を参照しながら、以下のその非限定的な実装例の詳細な説明を読めばよりよく理解できよう。