(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194313
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】分離方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/00 20060101AFI20170828BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20170828BHJP
B03B 5/28 20060101ALI20170828BHJP
B03B 9/06 20060101ALI20170828BHJP
B01D 29/17 20060101ALI20170828BHJP
B01D 29/25 20060101ALI20170828BHJP
B01D 29/37 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
B09B3/00 304H
B09B5/00 L
B03B5/28 Z
B03B9/06
B01D29/30 501
【請求項の数】21
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-528796(P2014-528796)
(86)(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公表番号】特表2014-525349(P2014-525349A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】AU2012001059
(87)【国際公開番号】WO2013033774
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年7月29日
(31)【優先権主張番号】2011903619
(32)【優先日】2011年9月6日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】514055820
【氏名又は名称】アナエコー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】グラヴェット,マーティン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウートトン,ポール オースティン
(72)【発明者】
【氏名】エルキングトン,ティモシー ジェームズ
【審査官】
齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−080894(JP,A)
【文献】
特開2003−080218(JP,A)
【文献】
特開2001−219197(JP,A)
【文献】
特開2010−099643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00−5/00
B03B1/00−13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)有機廃棄物材料を一次洗浄ステップに送るステップであって、前記一次洗浄ステップにおいて、清浄な有機ストリームと、1よりも大きい比重を備える部分とが生成されるステップと、
ii)前記1よりも大きい比重を備える部分を二次洗浄ステップに送り、前記1よりも大きい比重を備える部分と同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を前記1よりも大きい比重を備える部分から分離するステップと、
iii)前記ステップi)からの前記清浄な有機ストリーム及び前記ステップii)からの前記分離された有機材料を排水ステップに送り、前記清浄な有機ストリームから自由水を取り除くステップと、
iv)前記ステップiii)からの有機材料生成物を脱水ステップに送るステップであって、前記脱水ステップにおいて、前記有機材料の含水率が生物変換プロセスに送るのに適したレベルまで減少させられるステップとを含み、
前記一次洗浄ステップは、前記有機廃棄物材料を水体内に方向付けることを含み、1よりも大きい比重を備える部分は、前記水体内に沈下し、軽い有機材料は、前記排水ステップに進む前に、前記水体内に設けられる堰を越えて進み得る、
分離方法。
【請求項2】
プロセス水が少なくとも1つのタンクに送られ、次に、前記プロセス水を前記少なくとも1つのタンクから前記一次洗浄ステップ及び前記二次洗浄ステップの両方に送り得る、請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
前記一次洗浄ステップ及び前記二次洗浄ステップに送る前に、前記タンクに送られる前記プロセス水の少なくとも一部がフィルタ手段に送られる、請求項2に記載の分離方法。
【請求項4】
前記タンクに送られる前記プロセス水の更なる部分が、前記排水ステップにおいて利用される1つ又はそれよりも多くのスクリーンと前記1よりも大きい比重を備える部分とを清浄するために使用される、請求項2又は3に記載の分離方法。
【請求項5】
前記有機廃棄物材料は、都市固形廃棄物の有機部分である、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項6】
前記1よりも大きい比重を備える部分は、ガラス及びグリット部分を含む、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項7】
前記一次洗浄ステップからの前記1よりも大きい比重を備える部分と同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を分離する観点から、前記二次洗浄ステップは、前記一次洗浄ステップと同様に行われる、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項8】
前記排水ステップは、分離される有機材料を桶内に導入することを含み、前記桶の周りには回転スクリーンが設けられ、それによって、前記有機材料は前記桶内の堰を越えて前記回転スクリーンに排出され、該プロセスにおいて、前記有機材料は、剪断力に晒され、水が前記回転スクリーンを通過する間、有機材料は、前記回転スクリーン内に保持される、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項9】
前記脱水ステップは、前記排水ステップの有機生成物を、調節可能な出口キャップを有するスクリュープレスまで進めることを含み、前記運搬される有機材料は、前記脱水ステップを離れる前に、前記調節可能な出口キャップを圧迫する、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項10】
前記有機生成物が前記調節可能な出口キャップを通り得る容易さは、前記有機生成物の後続の含水率を決定する、請求項9に記載の分離方法。
【請求項11】
1よりも大きい比重を備える材料からの有機材料の分離のための装置であって、
清浄な有機ストリーム及び1よりも大きい比重を備える部分を生成する一次洗浄器と、前記1よりも大きい比重を備える部分と同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を前記1よりも大きい比重を備える部分から分離する二次洗浄器と、排水管と、脱水器とを含み、前記排水管は、前記清浄な有機ストリーム及び前記二次洗浄器内で分離される前記有機材料の両方から自由水を取り除き、前記脱水器では、前記有機材料の含水率が生物変換プロセスに送るのに適したレベルまで減少させられ、
前記一次洗浄器は、水体を含み、前記1よりも大きい比重を備える部分は、前記水体内に沈下し、軽い有機材料は、前記排水管に進む前に、前記水体内に設けられる堰を越えて進み得る、
装置。
【請求項12】
当該装置は、少なくとも1つのタンクを更に含み、水を前記タンクに送り且つ前記タンクから水を送り得る、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
水が前記一次洗浄器及び前記二次洗浄器に送られる前に、前記排水管の及び/又は1よりも大きい比重を備える部分の清浄のために、前記排水管に及び/又は1よりも大きい比重を備える部分にフィルタ手段が設けられる、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記有機材料は、都市固形廃棄物の有機部分である、請求項11乃至13のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記1よりも大きい比重を備える部分は、ガラス及びグリット部分を含む、請求項11乃至14のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記一次洗浄器からの前記1よりも大きい比重を備える部分と同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を分離する観点から、前記二次洗浄器は、前記一次洗浄器と実質的に同じ形態において設けられる、請求項11乃至15のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記排水管は、細長い桶を含み、分離される有機材料は、前記樋内に導入され、前記樋の周りには回転スクリーンが設けられる、請求項11乃至16のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
堰が前記桶内に設けられ、それによって、前記有機材料は、その堰を越えて前記回転スクリーンに排出される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記有機材料は、剪断力に晒され、水が前記回転スクリーンを通過する間、有機材料は、前記回転スクリーン内に保持される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記脱水器は、調節可能な出口キャップを有するスクリュープレスを含み、運搬される有機材料は、前記脱水器を離れる前に、前記調節可能な出口キャップを圧迫する、請求項11乃至19のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記有機生成物が前記調節可能な出口キャップを通り得る容易さは、前記有機生成物の後続の含水率を決定する、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離方法及び装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明の分離方法及び装置は、都市固形廃棄物の有機部分(OFMSW)からの汚染物質の除去における使用を意図する。
【背景技術】
【0003】
例えば庭用の堆肥として使用し得る、生物活性の安定的な最終生成物を生成するために、嫌気性又は好気性の条件の下で固形有機廃棄物材料を処置し得ることが知られている。このプロセスは、生物活性の安定的な最終生成物を生成するために廃棄物材料を代謝させ得る嫌気性又は好気性の微生物の作用を通じて達成される。
【0004】
固形有機廃棄物材料の好気性分解が酸素の存在の下で起こることも知られている。好気性分解中に生成されるエネルギの一部が熱として放出されるとき、廃棄物材料の温度は上昇し、周囲条件の下でしばしば約75℃の温度に達する。固形最終生成物はしばしば硝酸塩に富む。硝酸塩は植物用の直ちに生物学的に利用可能な窒素源であり、最終生成物を肥料として特に適するものとさせる。
【0005】
酸素が存在しないときには固形有機廃棄物材料の嫌気性消化が起こることが更に知られている。中温性又は好熱性バクテリアが有効である温度まで有機材料が加熱されるとき、嫌気性の微生物代謝は最適化されると理解されている。嫌気性の微生物代謝のプロセスは、バイオガスの生成、次いで、メタン及び二酸化炭素の生成を引き起こす。プロセスの固形生成物はしばしばアンモニウム塩に富む。そのようなアンモニウム塩は直ちに生物学的に利用可能でなく、結果的に、好気性分解が起こる条件の下で処理されるのが一般的である。このようにして、生物学的に利用可能な生成物を生成するために、材料が使用される。
【0006】
典型的には、有機廃棄物材料の生物分解用のシステムは、好気性プロセス又は嫌気性プロセスのいずれかに向けられる。しかしながら、嫌気性生物分解プロセス及び好気性生物分解プロセスの両方を組み合わせようと努める少数のシステムがある。独国特許4440750及び国際特許出願PCT/DE1994/000440(WO1994/024071)は、嫌気性発酵ユニット及び嫌気性堆肥化ユニットの組み合わせをそれぞれ記載している。重要なことに、これらのシステムは、好気性及び嫌気性の生物分解プロセスのための離散的で別個の容器を記載している。
【0007】
国際特許出願PCT/AU00/00865(WO01/05729)は、以前のプロセス及び装置の非効率性の多くを克服するプロセス及び装置の改良を記載している。改良されたプロセス及び装置は、根本的なレベルでは、有機廃棄物材料の温度を上昇させる初期ステップと、嫌気性消化ステップと、後続の好気性の処理ステップとを通じた、単一容器内での有機廃棄物材料の順次的処理によって特徴付けられる。嫌気性消化ステップ中、バイオガスの生成及び含有物の効率的な嫌気性消化に適した条件を作り出すために、プロセス廃棄物又は接種原含有微生物が容器内に導入される。導入される接種原は熱及び質量移動も助け、酸性化から守る緩衝能力ももたらす。引き続き、好気性減成のための条件を作り出すために、空気が容器内の残留物に導入される。嫌気性消化中に導入される廃棄物を嫌気性消化を経た相互接続容器から入手し得ることが更に記載されている。
【0008】
上述されたような、材料再使用施設からの都市固形廃棄物の有機部分(OFMSW)の処理は、現在のところ、非有機材料がプロセスのこの部分内に定期的に進み過ぎ得るという事実によって影響を受けている。これは利用される消化及び堆肥化プロセスの効率に否定的な影響を与え、得られる堆肥生成物にも否定的な影響を与える。即ち、例えば、ガラスを含む堆肥生成物は、それを含まない堆肥生成物ほどに有用でなく、価値もない。
【0009】
OFMSWを試みるとき、プロセスストリーム中のガラス及びグリットの存在は、プロセス機器への摩耗も引き起こし、それはその動作寿命及び有効期間に否定的な影響を及ぼす。
【0010】
欧州特許出願86201987.4(文献0228724A2)は、有機材料及び堆肥からの重い骨材の分離において有用な、粉塵の形態の骨材の分離においてさえも有用な、骨材用の分離器を記載している。分離器は、水が充填された分離容器と、分離容器内での同伴骨材を備える有機材料の浸漬を強制する装置と、有機物質が通り得る堰と、スクリューコンベヤの形態の骨材を抜き取るための手段とを含む。
【0011】
類似の構成がManser & Keeling (1996): Practical Handbook of Processing Recycling Municipal Waste, Boca Raton, Florida, USA: CRC Pressによって記載されている。しかしながら、これらの従来的な構成は、数多くの困難又は不足を被っている。これらは生廃棄物送込みにおいて均一な流速を構築することの困難を含む。非均一な送りは、破裂対保持時間及び短絡を招く。更に、循環する流体が益々粘性になる傾向があり、その結果、有機部分と共にガラス及びグリットが持ち込む。
【0012】
米国特許第5,292,075号は、使い捨ておしめ/おむつからの紙及びプラスチックの再生のための方法及び装置を記載している。既述の方法は、第1の細片化ステップを含み、洗浄ステップが続く。バッチプロセスとして行われる洗浄ステップは、プラスチック材料を水及びパルプから分離し、後者はアクリライト(おしめ中の吸収剤ゲル)と共に(木材又はコーンのような)有機充填剤を含む。細片化ステップは、洗浄前に存在するアクリライトを中性化するために、幾つかの洗浄剤並びに塩化カルシウムの追加を含む。引き続き、パルプは、スクリーン及びローラープレスを利用する脱水ステップに送られる。既述のプロセスは、おしめ/おむつの廃棄のために特に意図されており、既述のプロセスを連続的な方法において行い得ないことは言うまでもなく、既述の細片化ステップ及びバッチ洗浄ステップの組み合わせは、生物変換(バイオコンバージョン)プロセスにおける後続の使用のために意図される有機廃棄物材料に対処し得ない。特に、米国特許第5,292,075号のプロセスは、存在し得るガラス及びグリット又は類似の汚染物質に対処する能力を有さない。更に、米国特許第5,292,075号のプロセスは、有意な量のプロセス水を下水に失う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の分離方法及び装置は、その1つの目的として、従来技術の上述の課題の1つ又はそれよりも多くのを実質的に克服し、或いはそれに対する有用な代替を少なくとも提供しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
背景技術の前述の議論は、本発明の理解を促進させることを意図するものであるに過ぎない。その議論は、言及した材料の何れかが本出願の優先日における一般常識の一部である又は一般常識の一部であったことの承認又は自白ではない。
【0015】
明細書及び請求項を通じて、文脈がその他のことを要求しない限り、「含む」という用語或いは「含み」又は「含んでいる」のような変形は、述べられた完全体又は完全体の群の包含を暗示するが、如何なる他の完全体又は完全体の群の除外をも暗示しないことが理解されよう。
【0016】
本発明によれば、以下のステップ、即ち、
i)有機廃棄物材料を一次洗浄ステップに送るステップであって、一次洗浄ステップにおいて、清浄な有機ストリーム及び1よりも大きい比重を備える部分が生成されるステップと、
ii)清浄な有機ストリームから自由水を取り除くために、ステップi)からの清浄な有機ストリームを排水ステップに送るステップと、
iii)ステップii)からの有機材料生成物を脱水ステップに送るステップであって、脱水ステップにおいて、有機材料の含水率が生物変換プロセスに送るのに適したレベルまで減少させられるステップとを含み、
一次洗浄ステップは、有機廃棄物材料を水体内に方向付けることを含み、1よりも大きい比重を備える部分は、水体内に沈下し、軽い有機材料は、排水ステップに進む前に、水体内に設けられる堰を越えて進み得る、
分離方法が提供される。
【0017】
プロセス水が少なくとも1つのタンクに送られ、次に、プロセス水を少なくとも1つのタンクから一次洗浄ステップ及び二次洗浄ステップの両方に送り得るのが更に好ましい。一次洗浄ステップ及び二次洗浄ステップに送る前に、タンクに送られる水の少なくとも一部がフィルタ手段に送られる。好ましくは、水の更なる部分が、ガラス及びグリット部分と排水ステップにおいて利用されるスクリーンとを清浄するために使用される。
【0018】
本発明の1つの形態において、有機廃棄物材料は、都市固形廃棄物の有機部分である。
【0019】
本発明の1つの形態では、1よりも大きい比重を備える部分が、ガラス及びグリット部分を含む。
【0020】
好ましくは、一次洗浄ステップは、有機廃棄物材料を水体内に方向付けることを含み、ガラス及びグリットは水体内に沈下し、軽い有機材料は、排水ステップに進む前に、水体内に設けられる堰を越えて進み得る。
【0021】
一次洗浄ステップからのガラス及びグリットと同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を分離する観点から、二次洗浄ステップは一次洗浄ステップと同様に行われるのが更に好ましい。
【0022】
排水ステップは、好ましくは、分離される有機材料を桶内に導入することを含み、桶の周りには回転スクリーンが設けられ、それによって、有機材料は桶内の堰を越えて回転スクリーンに排出され、プロセスにおいて、有機材料は剪断力に晒され、水がスクリーンを通過する間、有機材料はスクリーン内に保持される。
【0023】
脱水ステップは、好ましくは、排水ステップの有機生成物を、調節可能な出口キャップを有するスクリュープレスまで進めることを含み、運搬される有機材料は、脱水ステップを離れる前に、調節可能な出口キャップを圧迫する。有機生成物が調節可能な出口キャップを通り得る容易さは、有機生成物の後続の含水率を決定する。
【0024】
本発明によれば、1よりも大きい比重を備える材料からの有機材料の分離のための装置が更に提供され、当該装置は、清浄な有機ストリーム及び1よりも大きい比重を備える部分を生成する一次洗浄器と、1よりも大きい比重を備える部分と同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を前記1よりも大きい比重を備える部分から分離する二次洗浄器と、排水管と、脱水器とを含み、排水管は、清浄な有機ストリームから自由水を取り除き、脱水器では、有機材料の含水率が、生物変換プロセスに送るのに適したレベルまで減少させられ、一次洗浄器は、水体を含み、1よりも大きい比重を備える部分は、水体内に沈下し、軽い有機材料は、排水管に進む前に、水体内に設けられる堰を越えて進み得る。
【0025】
当該装置は、少なくとも1つのタンクを更に含み、水をタンクに送り且つタンクから水を送り得るのが更に好ましい。水が一次洗浄器及び二次洗浄器に送られる前に、フィルタ手段が設けられる
【0026】
本発明の1つの形態において、有機廃棄物材料は、都市固形廃棄物の有機部分である。
【0027】
1よりも大きい比重を備える部分は、ガラス及びグリット部分を含むのが好ましい。
【0028】
一次洗浄器は水体を含み、ガラス及びグリットは水体内に沈下し、軽い有機材料は、
排水ステップに進む前に、水体内に設けられる堰を越えて進み得るのが好ましい。
【0029】
一次洗浄器からのガラス及びグリットと同伴させられるあらゆる有機材料の有意な割合を分離する観点から、二次洗浄器は一次洗浄器と実質的に同じ形態において設けられるのが更に好ましい。
【0030】
排水管は、好ましくは、細長い樋を含み、分離される有機材料は、樋内に導入され、樋の周りには回転スクリーンが設けられる。好ましくは、堰が桶内に設けられ、それによって、有機材料は、その堰を越えて回転スクリーンに排出される。そのプロセス中、有機材料は剪断力に晒され、水がスクリーンを通過する間、有機材料はスクリーン内に保持される。
【0031】
脱水器は、好ましくは、ちょ調節可能な出口キャップを有するスクリュープレスを含み、運搬される有機材料は、脱水器を離れる前に、調節可能な出口キャップを圧迫する。有機生成物が調節可能な出口キャップを通り得る容易さは、有機生成物の後続の含水率を決定するのが好ましい。
【0032】
本発明の1つの実施態様及び添付の図面を参照して、ほんの一例によって、本発明を以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明に従った分離方法及び装置を示す概略的なフロー図である。
【
図2】
図1の分離方法及び装置の主分離器を通じる断面を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図1の分離方法及び装置の
排水管を概略的に示す断面図である。
【
図5】
図1の分離方法及び装置のスクリュープレスを一部断面で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1には、本発明に従った分離方法10が示されている。分離方法10では、篩にかけられた有機廃棄物材料12、例えば、約40mm未満に篩にかけられた都市固形廃棄物の有機部分(OFMSW)がミキサ14に送られ、OFMSWは、一次洗浄ステップ16に送られる前に、ミキサ14内で水と組み合わせられ、一次洗浄ステップ16において、清浄な有機ストリーム18と、1よりも大きい比重を備える部分、例えば、ガラス及びグリット部分20とが生成される。
【0035】
清浄な有機ストリーム18は、そこから自由水を取り除くために、排水ステップ22に送られる。排水ステップ22の有機材料生成物24は、脱水ステップ26に送られ、有機材料の含水率が、後続の生物変換プロセス28(バイオコンバージョンプロセス)に送られるのに適したレベルまで減少させられる。
【0036】
一次洗浄ステップ16で生成されるガラス及びグリット部分20は、二次洗浄ステップ30に送られる。二次洗浄ステップ30にはタンク36からのプロセス水34が供給される。タンク36は、排水ステップ22、脱水ステップ26、及びタンク38からの水、並びに水32を受け取る。分離方法10の要求を超過する廃棄物42はタンク36から輸送される。タンク36からの水は、上述のようにミキサ14において使用される。加えて、タンク36からの水の一部は、そこからの上澄み液が次にタンク38に送られる前に、フィルタ手段、例えば、振動スクリーンフィルタ40に送られる。タンク38からの濾過済みの水は、一次洗浄ステップ16及び二次洗浄ステップ30と、排水ステップ22においてスクリーンを清浄し且つガラス及びグリット部分20,76を洗浄するシャワー手段(図示せず)とに送られる。タンク36及び38は、緩衝材(図示せず)によって分離された単一タンクの2つの区画を含み得る。
【0037】
フィルタ40は、タンク36からのプロセス水から小さい有機粒子を取り除き、それは水が過剰な固形物で汚染され過ぎるようになるのを防止する。フィルタ40によって取り除かれる小さい有機粒子は、ストリーム44内でフィルタから排出され、生物変換プロセス28に送られる前に、脱水ステップ26に由来する有機生成物と組み合わさる。洗浄器16及び30に送るために連続的に濾過される水の使用は、ここにおいて達成される分離効率を増大させることが理解されよう。
【0038】
図2には、一次洗浄ステップ16において使用されるような一次洗浄器50が示されている。一次洗浄器50は、水体54を収容する貯槽52を含む。入口56がOFMSWの入って来る流れを水体54内に方向付け、水体54の頂部に亘る緩衝体58(バフル)が、OFMSWによる短絡のあらゆる可能性を最小限化する。
【0039】
一次洗浄器50は、貯槽52のベース62から遠隔の高架端部64まで延びるシャフト付きスクリュー60を有する傾斜スクリューコンベヤを更に含み、高架端部64には、シャフト付きスクリュー60を駆動させるモータ66が設けられている。ガラス及びグリット部分20用の出口68が遠隔の高架端部64に設けられている。貯槽52及び水体54内に導入されるOFMSWからのガラス及びグリット部分は、それが>1の比重を有する故に、ベース62に向かって沈下し、ガラス及びグリット部分は、ベース62から、シャフト付きスクリュー60によって出口68まで運ばれる。
【0040】
その上、一次洗浄器50は、堰70と、出口室72とを含む。OFMSWからの軽い有機材料の大部分は水体54内で浮遊し、堰70を越えて出口室72に進み、OFMSWからの軽い有機材料の大部分は、出口室72から清浄な有機ストリーム18として進む。
【0041】
二次洗浄ステップ30は、二次洗浄器(図示せず)を利用し、二次洗浄器は、一次洗浄器50と実質的に同じ構造を有するが、より小さいサイズ(大きさ)である。一次洗浄ステップ16及び二次洗浄ステップ30の組み合わせによってもたらされる二段階分離は、比較的小さい工場フットプリントを維持しながら、有機材料からのガラス及びグリットの効率的な分離をもたらす。
【0042】
一次洗浄器50はグリット(砂粒)除去を最大限化するよう構成されるべきことが想起されよう。この結果、ある割合の存在する有機部分が、一次洗浄器50から排出されるガラス及びグリット部分20内に同伴させられる。二次洗浄ステップ30は、有機部分のこの同伴部分を分離し、それらを
図1に示すような有機排出線74を経由して排水ステップ22に排出する。再び一次洗浄器50のために示された方法と類似する方法において、より重いガラス及びグリットストリーム76が二次洗浄ステップ30によって生成される。
【0043】
一次洗浄ステップ16及び二次洗浄ステップ30の清浄な有機ストリームは、排水ステップ22にそれぞれ送られる。排水ステップ22への供給の含水率は希釈率に依存するが、出願人は約90〜97%の間の含水率、例えば、約95%の含水率を予期する。
図3及び4に示すように、排水ステップ22は、
排水管80を利用し、
排水管80は、細長い樋82を含み、清浄な有機ストリームが入口84を経由して桶82内に向けられる。桶82は、その内側に堰86を備える。細長い桶82を取り囲んで回転スクリーン88が設けられ、スクリーン88は桶82について回転する。
【0044】
一次洗浄ステップ16及び二次洗浄ステップ30からの清浄な有機ストリームは、細長い樋82にそれぞれ送られ、その内側に設けられる堰86を越えて排水され、回転スクリーン88の上になだれ落ちる。回転スクリーン88は、
図3に最良に見られるように、なだれ落ちる方向とは逆の(矢印Aによって指されるような)方向において回転する。有機材料が回転スクリーン88に衝突するとき、この関係は剪断力を有機材料に付与する。この剪断力は、回転スクリーン88を通過する水からの有機材料生成物24の分離の効率を向上させる。上述のように、この排水ステップ22からの分離水は、タンク36に送られる。
【0045】
有機材料生成物24は、スクリュープレス90を利用して脱水ステップ26に進む。有機材料生成物24の含水率は、70〜90%の範囲内にあり、例えば、約80%である。スクリュープレス90は、有機生物変換プロセス28に送るのに適した生成物を生成するよう、清浄な有機ストリームの含水率を低減させるよう作用する。脱水ステップ26から排出される含水率は、約40〜60%であり、例えば、約50%である。
【0046】
スクリュープレス90は、スクリーン94を備える傾斜スクリューコンベヤ92を含み、スクリーン94は、その周りに設けられるハウジング96を有し、ハウジング96内には有機材料から解放される水を収集し得る。部分的にシャフト付きスクリューを
図5に描写しているが、スクリューコンベヤ92はシャフトレス(シャフト無し)スクリューとして設けられるのが好ましい。有機材料生成物24は、ハウジング96に設けられる入口98を経由してスクリュープレス90内に送られ、次いで、スクリューコンベヤ92のベース100付近に送られる。モータ102がベース100に設けられ、スクリューコンベヤ92はモータ102によって駆動させられる。有機材料生成物24は、スクリーン94内で出口端部104に向かって上向きに運ばれ、出口端部104には調節可能な出口キャップ106が設けられている。運搬される有機材料は出口キャップ106を圧迫し、その地点で、有機材料は圧縮し、そこからの水流をもたらす。この水流は水溜内に集められ、水流は水線110に流れ込み、ひいては、上述のように、タンク36に送られる。
【0047】
スクリュープレス90内での有機材料の圧縮の程度は、出口キャップ106の調節によって決定される。出口キャップ106が「堅ければ堅いほど」、有機材料に付与される圧縮の程度はより大きく、有機材料から取り除かれる水分はより多い。
【0048】
上述の記載を参照して認め得るように、本発明の方法及び装置は、プロセス中で利用される水の粘性の管理を可能にする。これは部分的にはプロセス内での固形物の蓄積を許容しないことによって達成される。プロセスの様々の地点で生成される固形物ストリームは、水の分離後に、プロセスを通じて、前方に移動させられる。これはプロセス中のストリームの「流動性」を維持するのを助ける。
【0049】
本発明の方法及び装置が利用される水の中の可溶性有機物の管理を可能にすることが想起されよう。利用されるプロセス水貯蔵容器からの水の交換を通じて達成され、好ましくは1日中に交換される、プロセス中に要する水の全容量は、約50,000Lである。この操作は生物変換プロセス28における消化のプロセスと調和し、清浄な有機部分は生物変換プロセスに向けられる
【0050】
操作者が望むならば、石、砂、及び土壌のような、ガラス及びグリットに加えて、OFMSWの他の汚染物質を落とすために、本発明の方法を作動し得ることが更に想起されよう。
【0051】
当業者に明らかであるような変更及び修正は、本発明の範囲内に入ると考えられる。