(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システム(2)は、ユーザインターフェース(10)、好ましくは遠隔ユーザインターフェース(10)を備え、前記ユーザインターフェース(10)は、前記見積もり及び/又は予測をされた、少なくとも一部の前記デバイス(D1,D2,D3)のリソースフローへのアクセスを提供することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
前記計算モジュール(8)は、数学的統計モデル(38)及びデータストレージ(36)を備えるクラウドサービス(8)であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム(2)。
【背景技術】
【0002】
リソースの浪費及び過剰消費は、環境的及び経済的の両方における問題をもたらすため、現代社会における主要な関心事である。浪費されたリソースの大部分は、機能不全の、又は非効率なデバイスから生じる。非効率なデバイスによって、所望の生産を得るためにリソースの過剰消費がもたらされる一方、機能不全のデバイスによって、意図した生産が損なわれ、又は失われさえもするためリソースの浪費がもたらされる。
【0003】
単一の製造デバイスのレベルでの継続的なモニタリングによって、現在の、及び出現しつつある問題が特定され、リソースの過剰消費が低減することは、工業生産からよく知られている。しかし、現在のシステムの課題は、必要とされる専門技術の装置全体を取り付け、運転するための費用によって、使用分野が限定されることである。さらに、このようなモニタリングシステムは、既存のデバイス設備において取り付けるのが複雑なことがあり、許容できるように設計に合わせるのが困難である。
【0004】
例えば、主電力装置での計測の一点を通して、世帯の電気の負荷構成を決定する技術を利用する、いわゆる非侵入型モニタリング(NILM)システムがよく知られている。その技術は、1989年6月16日発行のTechnology and Society Magazine vol. 8, no. 2, pp. 12に掲載の論文「Residential energy monitoring and computerized surveillance via utility power flows」において、G. W. Hartによって記載されている。
【0005】
しかし、この技術は、複雑な電気的な設定を扱うこと、取付けにおいて電気センサに簡易なサブメータリングを追加することが提案されてきたという課題を解決すること、及び同様のエネルギーフローを有するデバイスを区別することができない。欧州特許出願公開第2489987号明細書には、非侵入型エネルギーフローモニタリングのシステムが開示されている。システムは、追加のデバイスに連結された回路導体にデバイスを連結するよう構成された変圧器を有する1つ以上のデバイスの態様を含む。システムは、電力信号の変化を回路導体にわたって検知するよう構成された検知モジュールと、電力信号の変化が特定の閾値を満たす、又は超える場合に回路導体にわたる追加のデバイスに関連した固有の信号を伝送する伝送モジュールをさらに備える。
【0006】
しかし、このようにさらに高度なNILMアプローチでさえ、出現しつつある、リソースの問題及び/又は過剰消費の予測及び見積りをすることができないことがある。換気装置、衛生装置、食品製造物のような動的なシステムにおいて、システムの現在の性能をモデル化できるように、例えば、電気のフローを知ることは概して非効率である。
【0007】
多数の変動源が、潜在的で(例えば、潜んでいる)、動的な(例えば、発達している)確率過程に影響を及ぼすと、先行技術の方法によって効率的に該確率過程をモデル化することはほとんど不可能である。そのため、唯一の選択肢は、例えば工業から知られている高価で複雑なモニタリング技術である。
【0008】
具体的に述べると、重要なデバイスの性能の概要を提供するために、(一例として建物内の)既存の装置に取り付けることができるシステムに対する要求がある。重要なデバイスの使用度、エネルギー消費、及び/又はリソースフロー(例えば、熱、電力、及び/又は換気)を見積もり、及び予測するシステムに対する要求もある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、いくつかのデバイスでリソースフローをモニタリングするシステムで、従来のモニタリング技術を用いる従来のシステムより高額ではなく、複雑ではないシステムを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、いくつかの所定のデバイスの使用度、エネルギー消費、及び/又はリソースフロー(例えば、熱、電力、及び/又は換気)を見積もり、及び予測することのできるシステムを提供することでもある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、請求項1で定義されたシステム、及び請求項10で定義された方法によって達成することができる。好適な実施形態は、従属請求項で定義され、以降の記載で説明され、添付の図面で例示される。
【0012】
本発明によるシステムは、いくつかのデバイスでリソースフローをモニタリングするためのシステムであって、システムは、デバイスレベルでフロー率、及び/又はフロー率の変化を検知するよう構成された、いくつかのセンサからデータを受信するよう構成された受信ユニットと、デバイスの少なくとも一部のフロー全体を計測するよう構成された、いくつかの計器と、を備える。システムは、センサ及び計器からの情報を受信するよう構成された計算モジュールを備え、計算モジュールは、デバイスの少なくとも一部の、リソースフロー及び/又は
パフォーマンスの見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデルを備える。
【0013】
これによって、システムが、デバイスのグループ、例えば、商業的建物又は製造工場のHVAC(加熱、換気、及び空調)システムの、使用度、
パフォーマンス、及び/又はリソースフロー(例えば、熱、電力、又は換気空気流)を見積もり、予測できることが達成される。さらに、システムは、デバイスが、リソースの過剰消費をもたらす方法で用いられ、及び/又は動作しているかを検知することができる。
【0014】
さらに、システムが、先行技術のシステムより複雑でなく、正確で、(そして安価な)モニタリングデバイス(センサ)によって構築されることが達成される。実際、既知のシステムで用いるには不適当であるセンサを利用することが可能である。数学的統計モデルを利用することによって、本発明によるシステムは、「簡易」で「安価」な(このようなシステムで用いられる典型的な計器に比べて精度の低い)センサからの計測を「計算」及び/又は調整することができる。
【0015】
デバイスは、電気デバイス、ヒーター、導管、又はフロー(電気、電力、熱エネルギー、空気、ガス、水、又は電磁放射)が通過することのできる他の構造とすることができる。
【0016】
デバイスによって、単一のデバイス、はっきりと定義されたデバイスのグループ、又は、例えば、装置のような複雑なデバイスのサブデバイスを意味する。
【0017】
センサという用語によって、温度、光、又は水のフロー、電流、ガス、及び/又は空気のような、1つ以上のパラメータを検知することのできるユニットを意味する。センサは、例えば、フローにおける、フロー率及び/又はフロー率の変化を検知するよう構成することができる。検知は、直接的な計測又は見積もりとすることができる。
【0018】
全てのセンサが現存の設備(一例として、建物又は機械)に取り付けられるのが好ましい。
【0019】
ケーブル又は導管の外側に取り付けるよう構成されたセンサを用いることは利点である。このようなセンサは、圧電センサとすることができる。センサは、異なる形状、寸法、材料、及び媒質の導管、チューブ、及びケーブルの外側に機械的に取り付けることができる。
【0020】
センサは、受信ユニットに情報を送信するよう構成され、情報は任意の適切な形式の信号(例えば、無線信号)とすることができる。情報は、センサ及び計器によって検知される、任意の形式のデータとすることができる。
【0021】
計算モジュールは、センサから情報を受信し、数学的統計モデルを有するよう構成された任意の適切な形式の計算モジュールとすることができる。
【0022】
見積もり及び/又は予測をするという用語によって、数学的統計モデルを用いての決定を意味する。決定は、センサ及び計器から収集されたデータからの情報に基づく予想のみならず、他の任意の適切な情報に基づく予想とすることができる。いずれの場合においても、用途に合うように開発された数学的統計モデルを利用することは利点である。すなわち、異なる用途で異なる数学的統計モデルが必要となる。
【0023】
リソースフローという用語によって、導管(又は他の構造)を通る熱、電力のフロー、及び/又は流体のフロー、及び/又は電磁放射の強度、又は他の量のフローを意味する。リソースフローは、一例として、取り込む電力(単位時間当たりのエネルギー)、又は導管を通るフロー(例えば、水)(単位時間当たりの体積)とすることができる。
【0024】
計算モジュールは、全てのデバイスのリソースフローの見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデルを含むことが好ましい。
【0025】
計算モジュールは、予期した通りに実行しないデバイスの見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデルを含むことが好ましい。
【0026】
数学的統計モデルは、システムが予期した通りに実行しない場合、ユーザに知らせるための警告及び警報を発生させることができることが好ましい。
【0027】
センサは、受信ユニットと無線で通信するよう構成されることが好ましい。
【0028】
簡易型のセンサ、例えば、ケーブルの導管の外側に取り付けられるように構成されたセンサを用いることができる。
【0029】
計器とういう用語によって、デバイスの少なくとも一部のリソースフロー全体を計測するよう構成されたユニットを意味する。計器は、所定の精度、好ましくは高精度で、デバイスの少なくとも一部のリソースフロー全体を計測するよう構成されたユニットとすることができる。このような計器は、典型的には、一例として、エネルギー消費、熱、冷却、及び電気の正確な計測を実行するために用いられる。
【0030】
本発明によるシステムにおいて、本システムの計器よりかなり低い精度のセンサを用いることができるだろう。数学的統計モデルを用いることによって、センサの低い精度を「補償」することができる。
【0031】
これによって、デバイスの少なくとも一部の全体的な計測がなされる。
【0032】
システムが、全てのデバイスのリソースフローを計測し、受信ユニットに情報を送信するよう構成された、いくつかの計器を備えることは利点である。これによって、リソースフロー全体を決定することができる。
【0033】
検知されたデータを、デバイスでのリソースフローの正確な見積もり及び/又は予測を提供するために用いることができるよう、計器がリソースフローの非常に正確な計測を提供することのできる高精度な計器であることは利点である。
【0034】
全てのデバイスがセンサを備えるのではなく、計器が、センサを備えたデバイスより多くのデバイスのリソースフローを計測するシステムを有することができる。
【0035】
全てのデバイスがセンサを備えなくても、数学的統計モデルは、好ましくは、センサ及び計器からの情報に基づいてデバイスのリソースフローの見積もり及び/又は予測をするよう構成される。
【0036】
数学的統計モデルが、各センサに関連する各主計器の計測の潜在的な部分を見積もることのできる特定クラスのモデルであることは利点である。
【0037】
数学的モデルが、
−主計器の計測から特定センサの計測への潜在的なマッピングをモデル化する数学的関数の成分と、
−計測ノイズ及びセンサによって計測されない使用に関連する各主計器の計測の一部をモデル化する確率成分と、
を含むことは有益である。
【0038】
数学的統計モデルは、センサに関連する、各主計器の計測の潜在的な部分を推定することができる任意の適切な形式のモデルとすることができる。統計モデルの分野から知られているように、特定クラスのモデル、例えば、分散分析(ANOVA)、マルコフモデル、一般化線形モデル(GLM)、及び多変量ガウスモデルのような時系列分析法及び/又は多変量データ分析法を構築するために、いくつかのアプローチを用いることができる。
【0039】
システムがユーザインターフェース、好ましくは遠隔ユーザインターフェースを備え、ユーザインターフェースは、警告、警報、並びに見積り及び/又は予測をされた、少なくとも一部のデバイスのリソースフローのような発生した情報へのアクセスを提供することは有益である。
【0040】
これにより、非常に簡易で、ユーザフレンドリーなシステムを提供することができる。
【0041】
計算モジュールが1つ以上のルータに実装されることは利点である。これにより、システムの、信頼性があり安全な設定を提供することができる。
【0042】
センサの1つ以上が、エネルギーハーベスタを備えることは有益である。これにより、センサは電力を自給することができ、このためバッテリや外部のエネルギーが要求されない。
【0043】
ハーベストされたエネルギーが、デバイスのリソースフローを検知、又はリソースフロー率を変更するために用いられることは利点である。これにより、簡易で効率のよいセンサを提供することができ、広く信頼性の高い技術を利用することができる。
【0044】
ハーベストされたエネルギーがデバイスのリソースフローを検知、又はリソースフロー率を変更するため、及び受信ユニット及び/又は計算モジュールとの無線通信を達成するために用いられることは利点である。
【0045】
計算モジュール及び数学的統計モデルが本システムの装置内で統合されるのには利点がある。これにより、別のルータは必要でなく、非常に簡易なシステムを提供することができる。
【0046】
計算モジュール、数学的モデル、及びユーザインターフェースが本システムの装置内で統合されるのには利点がある。
【0047】
計算モジュール及び数学的統計モデルがユーザインターフェース内で統合されることは利点である。このようなシステムは簡易であり、あまり機能を要求されない。
【0048】
ユーザインターフェースが、スマートフォン、又は同様のスマートデバイスであることは利点である。
【0049】
さらに、計算モジュール及び数学的統計モデルがスマートフォン内で統合されることは利点である。
【0050】
本発明による好適な実施形態において、計算モジュールは、数学的統計モデル及びデータストレージを有するクラウドサービスである。このようなクラウドサービスの利用によって、他のシステムをクラウドサービスへ接続し、これにより、他のシステムからの数学的統計モデルのための追加のデータを得ることができる。したがって、非常に複雑で正確な数学的統計モデルを開発することができる。さらに、クラウドサービスが、他のシステムから数学的統計モデルのための追加のデータを得ると、より速く傾向を検知することができる。
【0051】
システムが、デバイスの1つ以上、又は別の装置、例えば主導管のバルブの使用度を変更するよう構成された制御ユニットを備えることは利点である。これにより、制御ユニットを用いることによって、システムは、動作(デバイスのスイッチオフ、モータの速度規制、又は他の動作)を実行することが達成される。制御ユニットは、1つ以上のアクチュエータ(一例として、電気バルブ、又は電気的に制御される永久磁気モータ)を備えることができる。
【0052】
本システムは、少なくとも一部のデバイスの現在の及び/又は将来の使用度を見積もるよう構成されることが好ましい。これにより、システムは、エネルギーを節約し、機能不全なデバイスの電源を入れ続けるのを回避し、そして、リソースの浪費及びリソースの過剰消費を回避するために、デバイスの使用度を規制及び最適化するために用いることができる。
【0053】
センサが、例えば、テープ、クリップ、又はストリップとして、デバイスに(例えば、電気デバイスの電源ケーブルに)取り付けられるよう構成することは利点である。このようにすることで、センサは、モニタリングされる、導管、ケーブル、収容器、デバイスの冷却/加熱デバイスの内部に物理的に接触する必要がない。
【0054】
本発明による方法は、デバイスレベルでフロー率及び/又はフロー率の変化を検知するよう構成されたいくつかのセンサ、及び少なくとも一部のデバイスのフローを計測するよう構成されたいくつかの計器からデータを受信する受信ユニットを用いることによって、いくつかのデバイスのリソースフローをモニタリングするための方法である。本方法は、センサ及び計器からの情報を受信するよう構成された計算モジュールを用いることによって、少なくとも一部のデバイスのリソースの損失及び/又はフローの見積もり及び/又は予測をするステップを含み、リソースフローの見積もり及び/又は予測をするステップは、数学的統計モデルを含む計算モジュール内で実行される。
【0055】
本発明が、少なくとも一部のデバイスのリソースフローを計測するよう構成されたいくつかの計器から受信ユニットに情報を送信し、少なくとも一部のデバイスのリソースフローの見積もり及び/又は予測をするために計器からの情報を利用するステップを含むことは利点である。
【0056】
本方法が、少なくとも一部のデバイスのリソースフローの見積もり及び/又は予測をするために、請求項1〜9に記載されたシステムを用いることは利点である。
【0057】
受信ユニットが、本システムのセンサ及び/又は計器の1つ以上を自動的に認識するよう構成されることは利点である。これにより、本システムにセンサ及び/又は計器を取り付けることが、ユーザにとって容易になる。
【0058】
本システムのユーザが、ユーザインターフェースを通してセンサ、計器、又は制御ユニットについてのさらなる情報を追加することができることは利点である。追加された情報は、数学的統計モデル内、及び/又はユーザインターフェース内で用いることができる。
【0059】
センサ及び/又は計器の少なくともいくつかが、センサ及び/又は計器からのデータを正しい関連付けを保証するために、タイムスタンプモジュールを含むことは利点である。
【0060】
センサ及び/又は計器からのデータは、任意の適切なサンプリング率、例えば、1秒に1回、1分に1回、又は30分に1回でサンプリングすることができる。
【0061】
信号を受信し、高レベル又は高出力で、又は障害物の反対側へ、再送するようそれぞれ構成された、1つ以上の中継器を用い、その結果、信号がより長い距離をカバーできることは利点である。
【0062】
センサ及び/又は計器からのデータが、データ収集過程の間で圧縮され、潜在的過程を決定するための有効なデータのみが数学的統計モデルにさらに移送されることは利点である。例えば、センサからの一連の同種の状態のパッケージを、センサの現在の状態の開始時刻から終了時刻だけを含む1つのデータパッケージに圧縮することができる。データ圧縮は、例えば、1つ以上のルータ及び/又はセンサ及び/又は計器で達成することができる。
【0063】
数学的統計モデル及び/又はユーザインターフェース及び/又は制御ユニットが、クラウドサービスを通して動作し、クラウドサービスが、例えば、中央サーバ、モバイルプロセッサ、ラップトップ、組み込み制御器、又は1つ以上のローカルルータ上で提供することができることは有益である。
【0064】
数学的統計モデルは、コンピュータコード内に、又は集積回路内に直接、実装することができる。
【0065】
ユーザインターフェースがシステムへのリモートアクセスを有することは利点である。
【0066】
無線データ通信が、ZigBee及び/又はWiFiデータ通信プロトコルを用いて実行されることは利点である。
【0067】
本発明は、以降の詳細な説明からさらに十分に理解されるだろう。添付の図面は、例示としてのみ提供され、そのため、添付の図面は、本発明を限定しない。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明の好適な実施形態を説明するために、ここで詳細に図面を参照すると、本発明によるシステム2は
図1に例示されている。
【0070】
図1は、本発明によるシステム2の概略図である。システム2は、第1のデバイスD
1をモニタリングするよう構成された第1のセンサS
1を備え、第1のセンサS
1は第1のデバイスD
1に取り付けられている。また、システム2は、第2のデバイスD
2をモニタリングするよう構成された、2つのさらなるセンサ(S
2及びS
3)を備える。さらに、システム2は、第3のデバイスD
3をモニタリングするよう構成された2つのさらなるセンサ(S
4及びS
5)を備える。センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5は、ルータ4と無線で通信するよう構成される。
【0071】
システム2は、クラウドサービス8と無線で通信するよう構成されたルータ4と通信するよう構成された計器(M
1及びM
2)を備える。ルータ4は、スマートフォン10によって表されるユーザインターフェース10と無線で通信している。また、ルータ4は、制御ユニット6とも無線で通信するよう構成されている。制御ユニット6は、デバイスD
1,D
2,D
3の1つ以上、又は第4のデバイスD
4の使用度を規制することのできるアクチュエータとすることができる。デバイスD
1,D
2,D
3,D
4の1つ以上の使用度の規制は、一例として、(例えば、バルブを用いることによって)フローを変更することによって、(ポンプ又はモータの)速度を変更することによって、又はデバイスD
1,D
2,D
3,D
4の1つ以上を停止することによって実行することができる。
【0072】
センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5は、デバイスD
1,D
2,D
3を継続的に、又は1時間当たり1分、1分あたり1秒、又は他の頻度及び計測期間といったような選択された時間間隔でモニタリングすることができる。
【0073】
クラウドサービス8は、ルータ4から受信した情報、又はクラウドサービス8によって修正又は計算されたデータを蓄積するために用いることのできるデータストレージ36を備える。クラウドサービス8は、デバイスD
1,D
2,D
3の1つ以上の使用度、又はD
1,D
2,D
3の1つ以上を通るフロー(例えば、流体、ガス、電気、又は熱)の見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデル38を含む。数学的統計モデル38は、任意の適切な形式の数学的統計モデル38とすることができ、数学的統計モデル38は、デバイスD
1,D
2,D
3の1つ以上の使用度、又はデバイスD
1,D
2,D
3の1つ以上を通るフロー(例えば、流体、ガス、電気、又は熱の)を見積もり及び/又は予測をするために、センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5の1つ以上、及び計器M
1,M
2,M
3の1つ以上から結合されたデータにおいて推定することができる。
【0074】
クラウドサービス8は、(不図示の)いくつかの他のシステムからの入力を受信することができ、これにより、情報は、同一の又は異なる形式のいくつかのシステムから集めることができる。このようにして、デバイスD
1,D
2,D
3のフローのプロファイル(例えば、リソースフロー)にしたがった、更新された数学的統計モデル38を提供することができる。
【0075】
計器M
1,M
2,M
3は、高精度の計器であることが好ましいが、センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5は安価なセンサとすることができる。計器M
1,M
2,M
3から、及びS
1,S
2,S
3,S
4,S
5からのデータは、数学的統計モデル38を用いることによって、D
1,D
2,D
3のフロー率を予測するために用いることができる。
【0076】
センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5は、例えば、フロー(例えば、導管内の流体)、電気、温度、(センサが、一例として、室内又は外部の照度を計測するためのルクス計である場合に)ルクスを計測するよう構成することができる。
【0077】
デバイスD
1,D
2,D
3は、電力、流体(例えば、冷却液、飲料、水、又は天然ガスのようなガス)といった「リソース」のフローを有する様々なデバイスとすることができる。したがって、デバイスD
1,D
2,D
3は、加熱デバイス、換気デバイス、空調デバイス、又は冷却装置、ランプ、ラジエータ、床暖房、又は一般の電気デバイスのようなHVACデバイスとすることができる。
【0078】
システム2は、既存の設備に組み込みやすい。センサS
1,S
2,S
3,S
4,S
5は、一例として、単に、加熱表面に無線温度センサS
1を取り付けたり、電気デバイスD
2に誘導センサS
2を取り付けたりすることによって、既存の設備に追加することができる。
【0079】
計器M
1,M
2,M
3は、既存の設備における既存の計器M
1,M
2,M
3とすることができる。そして、システム2内の構成要素のいくつかは、システム2が組み込まれる設備内に既存であってもよい。
【0080】
システム2が広域で取り付けられなければならない場合、中継器を用いることができる。1つ以上の中継器は、信号を受信し、高レベル又は高出力で、又は、障害物の反対側に再送するよう構成することができ、その結果、信号は長距離をカバーすることができる。
【0081】
図2は、本発明によるシステム2の概略図を例示する。システム2は、センサS
1,S
2,S
3,S
4、計器M
1,M
2,M
3、クラウドサービス8、スマートフォン10形式のユーザインターフェース10、3つの制御ユニット20,22,40のグループと無線で通信するよう構成された無線ルータ4を備える。
【0082】
システム2は、空調機器24を含む電気デバイスのグループの電力フロー全体を計測するよう構成された第1の計器M
1を備える。
図2には示されていないが、システムが、多くの電気デバイスを備えることができるということを強調することは重要である。
【0083】
第1の計器M
1は、ルータ4と無線で通信し、電力フロー全体についての情報をルータに送信するよう構成される。第1の計器M
1は、ルータ4によって無線で制御することのできる電源スイッチ18も備える。電力警報が発生した場合、ルータ4は、電源スイッチ18を用いて主電源線を停止することができる。
【0084】
システム2は、(水供給のための)主導管14を、さらに備える。主導管14は、ルータ4と無線で通信し、ルータ4に情報を送信するよう構成された計器M
2を備える。計器M
2は、システム2が取り付けられている建物を通る水のフロー全体を継続的に計測するよう構成される。
【0085】
バルブ20は、主導管14上に搭載され、バルブは、ルータ4と無線で通信するよう構成される。ルータ4は、バルブ20を制御することができ、これにより、主導管14を通るフローを規制することができる。バルブ20は、(例えば、バルブ20を閉じることにより)主導管14を通るフローを減少させ、主導管14を通るフローを増加させ、又は主導管14を通るフローを一定に維持することができる。
【0086】
システム2は、ルータ4と無線で通信するよう構成される第3の計器M
3も備える。ルータ4は、無線で、電力計器M
3によって計測された電力フロー全体についての情報を受信する。
【0087】
第1のセンサS
1は、給水管16である第1のデバイス16に取り付けられる。給水管16は、バルブ40として形成された制御ユニットを備える。第1のセンサS
1は、導管16を通るフローを検知し、又は導管16を通るフローがある場合、又は導管16を通るフローが変化している場合、ルータ4に検知した情報を無線で送信するよう構成される。ルータ4は、バルブ40に無線信号を送信し、これにより、例えば、導管16を通るフローを規制するためにバルブ40を制御するよう構成される。バルブ40は、(ルータ4によって検知された)漏れの場合には、導管16を通るフローを止めるために閉じることができる。(ルータは、第1のセンサS
1によって計測されたフローを、主導管14で計器M
2によって計測されたフロー全体と比較することができる。)
【0088】
センサS
1のみが、導管16を通るフローがあるか、又は導管16を通るフローに変化があるかを検知するよう要求されることは利点である。これにより、簡易で安価なセンサS
1をシステム2に利用することができる。
【0089】
第2のセンサS
2は、ヒーター12に取り付けられる。第2のセンサS
2は、ヒーター12の温度、及び/又はヒーター12を通る水のフローを検知し、又はヒーター12を通るフローがあるかを検知し、検知した情報をルータ4に無線で送信するよう構成される。システム2で簡易で安価なセンサS
2を利用することができるため、センサS
2のみが、ヒーター12を通るフローがあるか、又はヒーター12を通るフローに変化があるかを検知することを要求されるという利点がある。
【0090】
第3のセンサS
3は、空調機器24の電源ケーブル26に取り付けられる。第3のセンサS
3は、ヒーター12の温度、及び/又はヒーター12を通る水のフローを検知し、検知した情報を無線でルータ4に送信するよう構成される。センサS
3のみが、ケーブル26に電力があるかを検知するよう要求されることは利点である。このようにして、システム2で、簡易で安価なセンサS
3を用いることができる。
【0091】
空調機器24は、空調機器24の上面に提供される制御ユニット22を備える。制御ユニット22は、空調機器24の使用度を規制することができる。制御ユニット22は、ルータ4によって無線で制御される。つまり、ルータ4は、制御ユニット22と無線で通信することによって、空調機器24のスイッチを切ったり、入れたりし、使用度を規制することができる。
【0092】
システム2は、いずれの特定のデバイスにも取り付けられないセンサS
4も備える。センサS
4は、一例として、例えば室温を検知するために、任意の適切な場所に配置される温度センサとすることができる。センサS
4は、光の流入を計測するよう構成されたルクスセンサとすることもでき、この情報は、ヒーター12のスイッチを入れるか否かを決定する場合に重要である。
【0093】
システム2は、ルータ4から受信した情報、もしくはクラウドサービス8によって修正され又は計算されたデータを蓄積するために用いることのできるデータストレージ36を有するクラウドサービス8を備える。そのうえ、クラウドサービス8は、システムの、デバイス16、24、12の1つ以上の使用度(水のフロー、電力、又は熱エネルギー)の見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデル38を備える。デバイス16、24、12の1つ以上の使用度を見積もり及び/又は予測をするために、任意の適切な数学的統計モデル38を利用することができ、数学的モデル38は、センサS
1,S
2,S
3,S
4の1つ以上、及び計器M
1,M
2,M
3の1つ以上から結合したデータで推定することができる。
【0094】
スマートフォン10であるユーザインターフェース10は、ルータ4に無線で通信する。これにより、システム2のユーザは、見積もり又は予測をされた、少なくとも一部のデバイス16、12、24のリソースフローについての情報にアクセスすることができる。スマートフォン10は、ルータ4を通して制御ユニット22、40、20を制御するため、又はルータ4内の設定を変更する(例えば、新規の構成又はパラメータを数学的統計モデル38にアップロードする)ために用いることもできる。
【0095】
システム2は、例えば、エネルギーフロー全体を削減するために、警報を発生させ、シャットダウンし、又は任意のデバイス16、24、12の使用度を規制するために用いることができる。一例として、システム2は、ヒーター12及び空調機器24が同時に作動しているかを自動的に検知することができる。
【0096】
そして、システム2は、(室温が所定の快適な範囲である場合)ヒーター12のスイッチ切りもする。室温が、好ましい室温より高い場合、システム2は、空調機器24の使用度を高める。反対に、室温が好ましい室温より低い場合、システムは空調機器24のスイッチを切り、ヒーター12のスイッチを入れる。
【0097】
図3は、
図2に例示されているシステム2とほぼ同様のシステム2の概略図を例示する。しかし、無線ルータ4に替えて、スマートフォン10形式のユーザインターフェース10とする。スマートフォン10は、センサS
1,S
2,S
3,S
4,計器M
1,M
2,M
3,クラウドサービス8、及び3つの制御ユニット20、22、40のグループと無線で通信するよう構成される。システム2の機能は、
図2に例示されたシステム2の機能に相当する。ここで重要なのは、ユーザインターフェース10は他の任意の形式の適切なユーザインターフェース、例えばラップトップとすることができるということである。
【0098】
図4は、
図2及び3に例示された空調機器24の概略図を例示する。
図4a)は、空調機器24の電源ケーブル26に取り付けられたセンサS
1をクローズアップした概略断面図である。
図4b)は、空調機器24の斜視図である。
【0099】
図4b)において、空調機器24はセンサS
1が取り付けられる電源ケーブル26を有することがわかる。センサS
1は、(不図示の)ルータ又はユーザインターフェースに無線信号34を送信するよう構成される。
【0100】
図4a)において、S
1は、エネルギーハーベスタ28を備え、エネルギーハーベスタ28は、無線変換器32に隣接して中央に配置された電力管理装置30に隣接して、配置されることがわかる。エネルギーハーベスタ28は、任意の適切な形式のエネルギーハーベスタとすることができる。電力管理装置30は、無線変換器32を用いることによって送信できる信号34を発生させることのできる任意のユニットとすることができる。
【0101】
ハーベストされたエネルギーが空調機器24の使用度を検知するために用いられることは利点である。そして、エネルギーがハーベストされると無線信号32を発生させることのできるセンサS
1を提供することができる。空調機器24が作動すると、電源ケーブル26には電流が通過し、そのためエネルギーがハーベストされる。
【0102】
しかし、必要であれば、センサS
1には、バッテリ、及び/又はいくつかのコンデンサ、又は他の任意の適切なエネルギーストレージが提供される。
【0103】
本発明によるシステム2は、緊急の問題(例えば、導管網内の水漏れ又はアニマルハード(animal herd)に発生した疾患)の早期の警告を検知するために用いることができる。
【0104】
システム2は、例えば、ヒーター12及び空調機器が同時に作動している場合にリソースの過剰消費を検知するために用いることもできる。この場合、システム2は、状況に注意し、スイッチを切る、又はデバイスの少なくとも1つの使用度を規制するよう構成される。
【0105】
システム2は、リソースの現在のフローについての経年での一般的な情報を提供し、突然の故障の場合に警報を発生するために用いることができる。そのうえ、システムは、デバイスの将来のリソースフローの見積もり又は予測をするために用いることができる。
【0106】
システム2は、(例えば、会社が生産能力向上の要求のためにデバイスの数を増加させることを検討した場合、)デバイスの新たな配置の将来的なリソースフローをシミュレーションするために用いることもできる。
【0107】
システム2は、技術的デバイスでの監視サービスを達成するため、及び遠隔監視を許容するために同様のデバイスをベンチマークするために用いることができる。
【0108】
センサS
1,S
2,S
3,S
4,計器M
1,M
2,M
3は、それぞれ一意の識別子(例えば、数字、記号、ディスクリプション、又はID)を含むことができる。このようにして、ルータ4又はユーザインターフェース10は、入力する無線信号34それぞれを特定のデバイスと結ぶ付けることができる。すなわち、一意の識別子を使用することによって、無線信号34は、ルータ4又はユーザインターフェース10によって最適な方法で用いることができるのを保証することができる。
【0109】
センサS
1,S
2,S
3,S
4は、デバイスD
1,D
2,D
3、12、16、24が作動するとき(デバイスのスイッチが入るとき、又はデバイスを通るリソースフロー、例えば、水、ガス、又は電流があるとき)を検知するよう構成することができる。
【0110】
図5は、本発明によるシステム2の一部を例示する。
図5は、本発明によるシステム2が、主導管14内、及びいくつかの小さいほうの分配管16内の水のフローを計測するためにどのように用いることができるかを例示する。
【0111】
設備に供給される水は、(例えば、権威者によって証明された、又はフロー計測の基準内である)高精度の計測を提供する1つの主計器M
1によって計測される。主導管14は、複数の小さいほうの分配導管16と流体連通し、一方、いくつかのセンサS
1,S
2,及びS
3がこれらの小さいほうの分配導管16、16’、16”のうちのいくつかの外側に取り付けられる。
【0112】
以降において、我々はセンサS
1での計測に注目する。センサS
1は、簡易なピエゾ素子を備える誘導センサである。そして、センサ信号は、導管16内のフローとともに変化する。しかし、センサS
1からの信号は、導管16の材料及び寸法、並びにセンサ取付け及び媒介物(この例では水)に依存する。したがって、センサ信号は、実際のフロー(高精度の計器を用いて得られるだろうフロー)を出すために、「変換」又は「調整/校正」されなければならない。従来技術のシステムにおいては、特定の環境(導管16の寸法、導管16の材料、及び取付け形式)でのフローを計測するよう構成された「高品質センサ」を利用する必要があるだろう。
【0113】
本発明は、数学的統計モデルを利用するため、導管16でのフローを決定するために簡易なセンサS
1を用いることが可能である。数学的統計モデルの利用によって、センサS
1の低い精度を補償することができる。
【0114】
センサS
1は、導管16の外側に取り付けられ、その後、タイムスパンにわたってセンサS
1からの一連の計測をサンプリングすることができる。
【0115】
同一のタイムスパンにおいて、一連の計測は、同一のタイムスパンにおける主計器M
1からサンプリングされる。
【0116】
数学的統計モデルは、そこに取り付けられたセンサS
1を有する導管16を通って流れる、主計器のフローの一部を見積もるために用いられる。センサS
1の現在の環境用に修正するために、センサS
1の計測の時間依存の変換を実行することができる。
【0117】
時間依存の変換を用いることができる場合、アプローチを要求するコンピュータは、数学的統計モデルを用いることによっては、あまり得られない。
【0118】
センサS
1からの継続的な計測において、完全な数学的統計モデルを用いることより、時間依存の変換を用いる方が、利点がある。
【0119】
変換の精度が許容できるかを随時、テストし、必要であれば数学的統計モデルを用いて更新することは有益である。
【0120】
必要とされるサンプルの量は、変換の測定誤差を推定することによって得ることができる。この方法では、所望の精度が得られるまで結果を留めることができる。
【0121】
以降において、数学的統計モデル38を用いて、潜在的確率
過程を見積もる1つの好適な方法が記載される。潜在的確率
過程は、例えば式(1)及び式(2)によって定義される状態空間モデルによってモデル化することができる。
【0123】
Ytは、時刻tでの観測プロセスを決定する(例えば、記述する、又は定義する)ベクトルであり、センサ(S1,S2,・・・,Sn)及び/又は計器M1,M2,・・・Mkからの観測データを含み、Θtは、時刻tでの潜在的確率
過程を決定するベクトルであり、パーセントでの換気効率、パーセントでのリソースの過剰消費、リソースフロー、デバイスの正常状態等のような潜在的プロセスのデータを含み、Ftは、時刻tでの潜在的プロセスと観測プロセスとの間の線形関係を決定する回帰行列であり、Gtは、潜在的プロセスにおける時刻t−1から時刻tまでの線形変換を決定する展開行列(evolve matrix)、εt及びθtは、それぞれ観測プロセス及び潜在的プロセスのゼロ平均多変量ガウス分布した雑音ベクトルであり、Vtは観測分散共分散行列であり、Wtは展開分散共分散行列である。
【0124】
モデルパラメータ行列F
t及びG
tは、モデル化されたシステム及び/又は同様のシステムからの重要なデータを用いて、例えば、カルマンフィルターによって見積もることができ、データは、ユーザ及び/又はその分野の専門家によって提供される。プロセスを推定する(例えば、情報を見積もる)ために、標準の統計方法を用いることができる。情報は、例えば、見積もった信号(例えば、傾向)及び/又はプロセスの予測(例えば、予知)、見積もり、分散、及び/又は信頼区間の関連する分布とすることができる。このような種類の見積もりを用いて、容易に警告及び/又は警報を発生させることができる。、プロセスにおける観測偏差の確率が、変化によって生じ得る0.1%以下である場合に、例えば、警報が出るように選択することができる。
【0125】
上記のモデルフレームワークは、より一般的なモデルフレームワークの特別な事例である。
【0127】
f
t及びg
tは、一般的な関数であり、δ
1及びδ
2は、一般的な統計分布であり、他の全ての項は上述のとおりである。
【0128】
より一般的なこのモデルフレームワークでの推定は、例えば、潜在的プロセスと観測プロセスとの間の関係が非線形である場合には拡張カルマンフィルターによって、そして、時刻が連続的な尺度で定義された(例えば、記述された)場合にはカルマン・ブーシーフィルタによって行うことができる。
【0129】
分散分析(ANOVA)、マルコフモデル、一般化線形モデル(GLM)、及び多変量ガウスモデルのような時系列解析法及び/又は多変量データ解析法も、潜在的確率
過程を見積もり、情報を推定するために用いることができる。