(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194417
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】調節可能なデスケーラ
(51)【国際特許分類】
B21B 45/08 20060101AFI20170828BHJP
B21B 38/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
B21B45/08 F
B21B38/00 B
【請求項の数】21
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-515692(P2016-515692)
(86)(22)【出願日】2014年5月6日
(65)【公表番号】特表2016-522087(P2016-522087A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2014059186
(87)【国際公開番号】WO2014191168
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2016年3月9日
(31)【優先権主張番号】1309698.7
(32)【優先日】2013年5月30日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515153152
【氏名又は名称】プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・トレヴァー・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・リー
【審査官】
池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−240660(JP,A)
【文献】
特開昭60−169580(JP,A)
【文献】
特開2002−082061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 45/00−45/08
B21B 38/00
B21C 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延ラインにおいて金属製品を熱間圧延するための熱間圧延ミル(20)用の調節可能なスケール除去装置であって、該スケール除去装置は、
圧延ライン上の前記金属製品上に水を噴射するように構成されたスケール除去用ノズル(2)を有する高圧水ジェットを備える、1つ以上のデスケーラと、
前記金属製品のスケール除去後の前記金属製品(10)の表面上の前記金属製品の幅を横切るスケールパターンを検知するように構成されるとともに作動可能である少なくとも1つのスケール検知センサ(17、18)と、
前記スケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間の相関の有無を決定するように構成されるとともに、前記センサによって検出されたスケールパターンに応じて、かつ前記検出されたスケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間で決定された相関の有無に応じて、前記金属製品上に噴射された水のスケール除去衝撃パターンを調節するように構成され、かつ作動可能であるプロセッサ(19)と、
を備え、
前記プロセッサ(19)は、
前記検知されたスケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間に相関が無い場合には、前記スケール除去用ノズルのスタンドオフ距離が最適であると決定し;
前記検知されたスケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間に相関が有る場合には、前記スケール除去用ノズルの前記スタンドオフ距離が最適ではないと決定する;
ようにさらに構成されるとともに作動可能であり、
前記プロセッサ(19)は、前記プロセッサ(19)が前記スケール除去用ノズルの前記スタンドオフ距離が最適ではないと決定した場合には、前記センサによって提供された、検知された前記スケールパターン及び、前記検知されたスケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間で決定された相関に応じて、前記スケール除去用ノズルの前記スタンドオフ距離を調整することによって、スケール除去衝撃パターンを調節する、装置。
【請求項2】
使用中には、1つの前記デスケーラが熱間圧延ミル(20)より前方に位置し、他の前記デスケーラは、前記圧延ラインに沿って前記熱間圧延ミル(20)の後方に位置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記デスケーラそれぞれのために、対応するセンサ(17、18)が設けられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スケール検知センサ(17、18)は、走査パイロメータ、CCDカメラシステム、X線装置、及びスケール厚みセンサのうちの1つを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記センサのうちのただ1つのセンサが、前記金属製品の両面上のスケールを検知するように適用されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記デスケーラは、ヘッダ(1)と、所定のピッチに設定された一連の前記スケール除去用ノズル(2)と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記デスケーラは、2つのデスケーラモジュールからなるセットであって、一方の前記デスケーラモジュールが前記金属製品の一方の表面をスケール除去するように作動可能であり、他方の前記デスケーラモジュールが前記金属製品の対向面をスケール除去するように作動可能であるように取り付けられた2つのデスケーラモジュールのセットを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記デスケーラは、2つのデスケーラモジュールからなるセットであって、一方の前記デスケーラモジュールが前記金属製品の一方の表面をスケール除去するように作動可能であり、他方の前記デスケーラモジュールが前記金属製品の対向面をスケール除去するように作動可能であるように取り付けられた2つのデスケーラモジュールのセットを備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記デスケーラモジュールの少なくとも一方が、高さ調節可能なデスケーラモジュールであることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記デスケーラモジュールの少なくとも一方が、高さ調節可能なデスケーラモジュールであることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記デスケーラモジュールのうちの少なくとも一方が、スケール除去圧制御メカニズムを備えることを特徴とする請求項7又は9に記載の装置。
【請求項12】
前記デスケーラモジュールのうちの少なくとも一方が、スケール除去圧制御メカニズムを備えることを特徴とする請求項8又は10に記載の装置。
【請求項13】
前記装置の一の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルは、前記装置の他の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルとは異なるノズルピッチに設定されていることを特徴とする請求項1〜5、7、9、11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置の一の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルは、前記装置の他の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルとは異なるノズルピッチに設定されていることを特徴とする請求項6、8、10、又は12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記装置の一の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルは、前記装置の他の前記デスケーラの前記スケール除去用ノズルとは異なる前記ヘッダの軸に沿ったリニアオフセットを有することを特徴とする請求項6、8、10、12又は14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
金属を熱間圧延するための熱間圧延ミル(20)において、圧延ライン上の金属製品上に水を噴射するように構成されたスケール除去用ノズル(2)を有する高圧水ジェットを備える、1つ以上のデスケーラを備える、調節可能なスケール除去装置を稼働する方法であって、
前記高圧水ジェットを使用して前記金属製品(10)をスケール除去するステップと、
1つ以上のスケール検知センサ(17、18)を使用して、圧延された前記金属製品のスケール除去後の表面上の前記金属製品の幅を横切るスケールパターンを決定するステップと、
を備える方法において、
前記方法が、
プロセッサ(19)において、決定された前記スケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間の相関の有無を決定するステップ;
前記相関が無い場合には、前記プロセッサ(19)によって、前記スケール除去用ノズルのスタンドオフ距離が最適であると決定するステップ;
前記相関が有る場合には、前記プロセッサ(19)によって、前記スケール除去用ノズルの前記スタンドオフ距離が最適ではないと決定するステップであって、前記1つ以上のデスケーラが、
・前記1つ以上のデスケーラの高さを、前記金属製品が支持される圧延テーブルに対して、又は材料の頂面若しくは底面に対して調節するステップと、
・前記1つ以上のデスケーラのヘッダ中の圧力を調節するステップと、
のうちの少なくとも1つによって調整される、ステップ;
をさらに備える、方法。
【請求項17】
前記1つ以上のデスケーラの高さを調節するステップが、一次元のローゼンブロックタイプのアルゴリズムを使用して、前記1つ以上のデスケーラの高さを前記相関に応じて調節するステップをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、圧延中の幅の拡がり又は最初の幅出し圧延の効果を補正するステップをさらに備えることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記1つ以上のデスケーラのうちのいずれが、スケールパターンを生成するために稼働しているかをモニタするステップと、それに応じて前記相関の有無の結果を適用するステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、前記相関の有無の決定を行う前の所定の時間に亘る前記1つ以上のセンサからの信号をフィルタリングし、平均化し、それによって前記スケール除去装置が測定における誤差に過敏に反応しないようにするステップをさらに備えることを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、試験測定段階における高さのオフセットを導入することによって、検知された前記スケールパターンと、前記スケール除去用ノズルの既知のピッチEと、の間の前記相関の有無に応じて前記スケール除去装置の1つ以上のデスケーラを調節する相関システムを較正するステップをさらに備えることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調節可能なデスケーラ及び、特に材料の厚みがその長さに沿って変化する材料をスケール除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼及び他の金属の熱間圧延において、高圧水噴射(high pressure water jets)を使用してスケールを除去することが非常に一般的であり、スケールは材料、特に厚板上、ステッケルミル上、又は熱間ストリップミル上に形成されるが、スケール除去は他のタイプのミルにも必要とされる場合がある。最も高い圧力での水によるスケール除去システムは、
図1a及び
図1bに示すようなフラットファンの形状のジェットを使用する。
図1aは、側面図を示している。ヘッダ1は、ノズル2を通じて水をスプレー6としてスケール除去される厚板の表面3に供給し、厚板の表面は矢印4の方向に移動している。ノズルの先端5は表面3の上に、スタンドオフ距離h2で位置し、鉛直からのノズルの傾斜角βを有している。この傾斜角は、スラブの表面から跳ね返る高圧の水及びスケールが、ノズルの先端からの直接的なジェットを妨げるのを防止することを意図している。
図1bは、これを終端から見た図を示している。ヘッダ1は、距離間隔Eだけ隔てられた複数のノズル2を有する。厚板又は材料の幅を横切って、スプレー6はスプレー角αの範囲に広がる。幅を横切る、隣接するスプレー6は、量Dだけ重なる。上から見ると、スプレーそれぞれは、厚板の幅を横切る、移動方向に対して垂直な線に対してオフセット角度γだけ、オフセットしている。オフセット角度は、隣り合うジェットが互いに邪魔するのを防止することを意図している。
【0003】
これらフラットファン形状のジェットを使用することに伴う問題のうちの1つは、ノズルそれぞれによって作られた重なり領域7及び隣接するジェット6a、6b間の距離Dが、スケール除去の性能に対して非常に重要な意味を持つことである。これは
図2及び
図3に示されている。Dが大きすぎると、
図2に示されるようにジェット間には大きすぎる重なりがあり、したがって、重なり領域7の先頭のジェット6aによって生成された材料の表面3上の水流8が、重なり領域において「次の」ジェットからのジェット6bを邪魔し、重なり領域7における材料上のこの次のジェットの衝撃を減少させ、結果的に材料の表面上に不良なスケール除去による縞を生じさせる場合がある。この現象は、非特許文献1の
図6及び関連する文章に記載されている。重なりDが小さすぎるか、又は負の値でさえある場合、すなわち
図3に示すように、隣り合うジェット6a、6b間に隙間がある場合には、材料は適正にスケール除去されず、これもまた不良なスケール除去による縞を生じさせる。この現象もまた、非特許文献1の
図9及び関連する文章に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/145860号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6385832号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009058115号明細書
【特許文献4】中国特許第202028622号明細書
【特許文献5】韓国登録特許第101014922号明細書
【特許文献6】韓国公開特許第2003−30183号公報
【特許文献7】韓国登録特許第100779683号明細書
【特許文献8】韓国公開特許第2004−56057号公報
【特許文献9】韓国公開特許第2004−24022号公報
【特許文献10】特許第7256331号公報
【特許文献11】特開平10−292020号公報
【特許文献12】特開平11−10204号公報
【特許文献13】特開昭55−40978号公報
【特許文献14】韓国登録特許第100349170号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Audits of Existing Hydromechanical Descaling Systems in Hot Rolling Mills as a Method to Enhance Product Quality:Juergen W. Frick, Lechler GmbH
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、圧延ラインにおいて金属製品を熱間圧延するための熱間圧延ミル用の調節可能なスケール除去装置は、1つ以上のデスケーラ
を備え、このデスケーラは高圧水ジェットと、少なくとも1つのスケール検知センサと、プロセッサと、を備え、センサは、製品のスケール除去後の金属製品の表面上の
、製品の幅を横切るスケールパターンを検知するように適用され、プロセッサは、センサによって提供された、検知されたスケールパターンに従って、スケール除去の衝撃パターンを調節するように適用されている。
【0007】
本発明は、製品がスケール除去された後の、製品から検知されたスケールパターンに基づいて、後続のスケール除去のためのデスケーラの衝撃パターンを調節することによって、従来のデスケーラにおいて遭遇していた問題を回避する。
【0008】
1つ以上のデスケーラが設けられている場合には、使用中には、それらはすべて圧延ミルの上流にあるか、又は代替的に1つのデスケーラが熱間圧延ミルより前に位置し、他のデスケーラは、圧延ラインに沿って熱間圧延ミルの後に位置する。
【0009】
好ましくは、デスケーラそれぞれのために、対応するセンサが設けられる。
【0010】
好ましくは、スケール検知センサは、走査パイロメータ、CCDカメラシステム、X線装置、スケール厚みセンサ、又は所定の特殊な分析システムのうちの1つを備える。
【0011】
好ましくは、ただ1つのセンサが、金属製品の両面上のスケールを検知するように適用される。
【0012】
好ましくは、デスケーラ、又はデスケーラそれぞれは、ヘッダと、所定のピッチに設定された一連のノズルと、を備える。
【0013】
好ましくは、デスケーラ、又はデスケーラそれぞれは、2つのデスケーラモジュールからなるセットであって、一方のデスケーラモジュールが金属製品の一方の表面をスケール除去するように作動可能であり、他方のデスケーラモジュールが金属製品の対向面をスケール除去するように作動可能であるように取り付けられた2つのデスケーラモジュールからなるセットを備える。
【0014】
好ましくは、デスケーラモジュールのうちの少なくとも一方が、高さ調節可能なデスケーラモジュールを備える。
【0015】
デスケーラモジュールの高さの調節は、スケール除去の衝撃パターンを変える。
【0016】
好ましくは、デスケーラモジュールのうちの少なくとも一方が、スケール除去圧制御メカニズムを備える。
【0017】
スケール除去圧の調節は、スケール除去の衝撃パターンを変える。スケール除去の衝撃パターンが調節されるこのメカニズムは、デスケーラモジュールの高さを調節する、又は材料がスケール除去されるためのジェットのスケール除去圧を制御することに限定されず、他のパラメータを調節することができる。
【0018】
好ましくは、装置の一方のデスケーラのノズルは、装置の他方のデスケーラのノズルとは異なるピッチに設定されている。
【0019】
これは、どちらのヘッダが調節を必要としているかを特定するための相関を助ける。
【0020】
好ましくは、装置の一方のデスケーラのノズルは、装置の他方のデスケーラのノズルとは異なるヘッダの軸に沿ったリニアオフセットを有する。
【0021】
これもまた、どちらのヘッダが調節を必要としているかを特定するための相関を助ける。
【0022】
本発明の第2の観点によれば、金属を
熱間圧延するための
熱間圧延ミル用の調節可能なスケール除去装置を稼働する方法は、
高圧水ジェットを使用して金属をスケール除去するステップと、1つ以上のスケール検知センサを使用して、圧延された金属製品のスケール除去後の表面上の
、金属製品の幅を横切るスケールパターンの代表を決定するステップと、プロセッサにおいて、決定されたスケールパターンを記憶された相関パターンと比較するステップと、比較の結果が許容誤差の容認可能な範囲の外側にあるかどうかを決定し、もしそうであれば、比較の結果に従って、スケール除去装置の1つ以上のデスケーラを調節するステップと、を備える。
【0023】
好ましくは、1つ以上のデスケーラの調節は、1つ以上のデスケーラの高さを、製品が支持される圧延テーブルに対して、又は材料の頂面若しくは底面に対して調節するステップ、及び1つ以上のデスケーラのヘッダ中の圧力を調節するステップのうちの少なくとも1つを備える。
【0024】
好ましくは、この方法は、一次元のローゼンブロックタイプのアルゴリズムを使用して、1つ以上のデスケーラの高さを相関に応じて調節するステップをさらに備える。
【0025】
好ましくは、記憶された相関パターンは、デスケーラのヘッダのノズルピッチの代表を備える。
【0026】
好ましくは、この方法は、圧延中の幅の拡がり又は最初の幅出し圧延の効果を補正(compensating for)するステップをさらに備える。
【0027】
好ましくは、この方法は、1つ以上のデスケーラのうちのいずれが、スケールのパターンを生成するために稼働していたかをモニタするステップと、それに応じて相関の比較の結果を適用するステップと、をさらに備える。
【0028】
好ましくは、この方法は、比較を行う前の所定の時間に亘ってスケールパターンを代表する1つ以上のセンサからの信号をフィルタリングし、平均化するステップをさらに備える。
【0029】
好ましくは、この方法は、試験測定段階において高さのオフセットを導入することによって、相関システムを較正するステップをさらに備える。
【0030】
調節可能なデスケーラ及び稼働の方法の例が、添付の図面を参照しつつ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】従来のデスケーラのスプレーの配置を図示した図である。
【
図1B】従来のデスケーラのスプレーの配置を図示した図である。
【
図2】大きすぎる重なりを有する
図1A及び
図1Bのデスケーラに対するスプレーパターンの図である。
【
図3】小さすぎる重なりを有する
図1A及び
図1Bのデスケーラに対するスプレーパターンの図である。
【
図4】本発明による調節可能なデスケーラの例を示す図である。
【
図5】相関パターンとセンサの信号とを図式的に示す図である。
【
図6】
図4のデスケーラを稼働する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1〜3に関して上述したように、隣り合うジェットの重なりが大きすぎる又は少なすぎる場合には問題がある場合がある。ジェットの製造者は、ジェットのそれぞれのタイプに対する最適な重なりを、その特定のジェットに対する特性「エッジドロップ」に基づいて、すなわちどのくらい迅速に衝撃圧力がジェットの端縁に向かって低下するか、に基づいて、特定する。しかし、実際には、ノズルの異なるバッチは、わずかに異なるスプレー角度α及びエッジドロップ特性を有する場合があり、スプレー角度及びエッジドロップ特性もまた、スケール除去圧及びノズルの損耗によって変化することが分かった。ミルがノズルの供給元を変えると決めると(例えばコストの理由又は地元の供給者に)、スプレー角度及びエッジドロップ特性における違いが、たとえノズルに対する「カタログ」の数字が同一であったとしても、より重要になる場合がある。
【0033】
従来の設計では、
図1Bにおけるノズルの間隔Eは、ヘッダの設計によって固定され、したがって重なりを最適化するために調節することができる唯一のものは
図1Aにおけるスタンドオフ距離h2である。もしも実際のスタンドオフ距離が設計の数字よりも大きいと、ジェットの衝撃圧は減少し、スケール除去は同じようには効果的でなくなる。もしも実際のスタンドオフ距離が設計の数字よりも大幅に小さいと、ジェットはもはや重ならず、スラブはそれに沿って残ったスケールの縞を有する。ほとんどの厚板圧延機は、様々なスラブの厚みを使用し、したがって主デスケーラにおける頂部ヘッダは、通常はスクリュージャッキ、液圧シリンダ、又は他の駆動装置を使用して高さを調節することができる。制御システムは、スラブがデスケーラに入る前に、特定のスラブ用の正しいヘッダ高さを設定し、それによって、スタンドオフh2は、スラブの厚みがいくらであってもほぼ同じとなる。
【0034】
デスケーラは、主デスケーラ又は補助的なデスケーラのいずれかとして記載されることが多い。主デスケーラは、スラブを、スラブが炉から出たときに圧延が開始される前にスケール除去するために使用されるデスケーラである。補助的なスケール除去は、厚板圧延機及び粗圧延機の場合には通常は圧延ミルそれ自体に配置されるか、又は仕上げ圧延機の場合にはミルの直前に配置される。主デスケーラが、例えば特許文献1又は特許文献2の
図1及び
図3に図示されているように、調節可能な高さの頂部ヘッダを有することは、それらが異なる厚みを有するスラブをスケール除去しなければならないので、非常に一般的である。これら頂部ヘッダの高さ調節は、「開ループ」でおこなわれる、すなわち、ミルのための制御システムがデスケーラの制御システムに、スラブの厚みがいくらであるかを伝え、デスケーラの制御システムが頂部ヘッダの高さを、スラブの厚みと基準のスタンドオフ距離h2との合計に調節する。
【0035】
ミルがいずれかのスケール除去の問題を有する(これは通常は目視観察によって検知される)場合には、上述の非特許文献1の
図7に示されているようなスケール除去衝撃試験を行う場合がある。このタイプの試験のための一般的な方法は、スラブに取り付けられた鉛のシート又はアルミニウムのシートを使用するか、又は塗料を塗られたスラブを使用することを含む。試験用スラブがデスケーラの下に配置され、スケール除去が短時間行われる。その後、衝撃パターンを目視で検査することができる。試験が、過剰な重なりがあること、又は不十分な重なりしかないことを示すと、頂部ヘッダに対する基準のスタンドオフ距離h2を、制御システムに新しいパラメータを単に入力することによって調節することができる。
【0036】
主デスケーラにおける頂部ヘッダは容易に高さを調節できるが、底部スケール除去ヘッダは通常は固定されている。一般的に、底部ヘッダは、スラブの底面が常に同じ場所、すなわち圧延ローラの頂部にあるので、移動する必要が無い。調節が可能な場合には、シム又は、底部ヘッダ及び配管を支持するパッカーをただ交換することによって行われる。
【0037】
殆どの補助的なスケール除去システムにおける頂部ヘッダは、ミルの頂部作業ロールが、異なるスラブと厚板との厚みに適合して上下に動くにつれてヘッダがロールとともに上下に動くように、ミルの入口ガイドアセンブリ又は出口ガイドアセンブリに取り付けられている。この例が特許文献3の
図1に示されている。しかし、材料の頂面からのヘッダのスタンドオフ高さは、このタイプの設計では、絶対的に一定ではない。これには2つの主な理由がある。第1に、頂部ロールは損耗及びグラインディングを通じて直径が変化しており、ヘッダを支持するガイドはロールチョックアセンブリ上に配置され、ロールそれ自体上には配置されていないのでこのガイドはスタンドオフ距離における小さな距離しか生み出さないからである。特許文献4は、この影響を克服しようとする1つの方法を記載している。2番目の理由は、材料の頂面が圧延の圧下量に応じてロールに対して異なる高さにあることである。特許文献5は、ガイドアセンブリに対して高さを調節でき、それによって材料の頂部への距離を圧下量がいくらであっても同じに保持できる、ヘッダの設計を記載している。ほとんどの補助的なスケール除去システムにおける底部ヘッダは、固定した高さに設定されているが、特許文献5は、調節は、底部ヘッダにもまた適用することができると述べている。
【0038】
ジェット間の正しい重なりを維持するという問題が認識され、水圧の変化、圧延の圧下率、及び厚みを補正するための解決法が提案されたシステムの他の例は、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9を含み、特許文献6は、スケール除去ヘッダの高さが実際のスケール除去圧に従って調節され、それによってスプレーの幅を一定に保持するシステムを開示しており、特許文献7は、スケール除去高さ及び水圧を調節して棒鋼の厚み及び温度に従って最適なスケール除去を与えるシステムを開示しており、特許文献8は、スケール除去ヘッダの高さを、厚板の折り返された端部のために調節することができるシステムを開示しており、特許文献9は、スケール除去ヘッダの高さを調節することができるまた別のシステムを開示している。
【0039】
他の特許又は特許出願は、デスケーラの稼働を制御するために厚板の表面のスケールのパターンの測定を使用することを開示している。この特徴は、例えば特許文献10に存在しており、特許文献10は、厚板の表面に亘るスケールの分布を測定するスケール厚みセンサがあるスケール除去システムを開示している。スケール厚みセンサからの信号は、厚板の端部の近くに配置することができるさらなるスケール除去ノズルを制御するために使用される。特許文献11は、X線スケール厚み及び組成測定装置を開示しており、この情報をスケールに対する最適な除去条件を決定するために使用している。特許文献12は、スケール欠陥検知器を使用して、圧延温度及び仕上げ圧延機のストランドの圧下量を制御し、それによって生成されるスケールの量とタイプに影響を与えることが開示されている。特許文献13は、スケール欠陥を検知し、これらをオペレータに表示するシステムを開示している。特許文献14は、CCDカメラを使用する、スケールを検知するためのシステムを開示している。
【0040】
本発明は、スケール除去をどのように改善するかという問題に対処している。本発明の一実施形態は、スタンドオフ距離を調節してスケール除去を改善している。本発明では、スタンドオフ距離h2は、ミルのスケール除去ヘッダのいくつか若しくは全てを調節して、理想的には最適なスケール除去を達成するが、少なくとも材料上の縞の発生を軽減する。望ましい改善を達成するために、システムは、ヘッダの高さを材料の表面に対して変化させ、許容できるスケール除去の結果が達成できた時、又はスケール除去が要求される品質を達成できず調整が必要とされていることを検知することができなければならない。
【0041】
本発明による調節可能なデスケーラの例が、
図4に示されている。スケール除去のためのスラブ10が圧延テーブル11に沿って矢印12の方向に移動する。デスケーラは、圧延テーブルに沿った様々な位置で、圧延テーブルの上及び下に設けることができる。この例においては、デスケーラ13a、13b、14a、14bからなる2つのセットが、圧延ミル20における作業ロールの上流の位置にある。この最初のスケール除去の後に、材料はミルを通過し、圧延され、デスケーラ15a、15bからなる別のセットを作業ロールの下流の位置に設けることができ、それによってスケール除去は材料が圧延された後にもまた行われる。例えば、下流のデスケーラ15a、15bを、反転パス、すなわち材料が反転ミルの中で他の方向に移動しているときのスケール除去に使用することができる。ストリップミルにおいて、補助的なデスケーラをスタンドから離隔することができるが、補助的なデスケーラは、通常はミルの入口ガイドに組み込まれており、したがって、これらデスケーラはかなり近い。デスケーラの数は変化させることができ、例えば、作業ロールの上流又は下流のいずれかのただ1つのデスケーラの対を使用することができ、又は1つ以上のセットを使用することができ、少なくとも1つのセットを作業ロールの上流に設け、少なくとも1つのセットを作業ロールの下流に設けることができる場合もある。
【0042】
デスケーラの下流には、頂面及び底面スケールセンサ17、18が、圧延テーブルの上及び下にそれぞれ配置され、それによって厚板10の表面上のスケール除去パターンを検出する。これらセンサは、コントローラ19に結合し、このコントローラ19は、感知されたスケール除去パターンから生じた情報を使用して、得られたスケール除去パターンを変えるためにスケール装置のパラメータを調節する。一実施例において、スケール除去ヘッダが調節される。代替的に、スケール除去ヘッダの圧力を制御することができる。コントローラは、デスケーラ13a、13b、14a、14b、15a、15bのそれぞれへの通信を有し、いずれのデスケーラが移動される必要があるかに応じて、駆動装置にデスケーラを圧延テーブルに対して、したがって厚板に対して、再配置させることができる。高さの調節は、セットの中のただ1つの、通常は上側デスケーラ13a、14a、15aに限定することができるが、理想的にはそれぞれのセットにおいて上側及び下側のデスケーラ両方が調節可能である。
【0043】
既存の設備に対しては、デスケーラの両方のセットの高さの調節は実践的ではなく、その場合には、本発明のシステムは、高さが調節可能であるヘッダとともに使用することができる。さらに、圧力制御メカニズムが設けられ、装置はノズルヘッダからのジェットを変化させるように高圧と低圧とを有するように設定され、したがってスケール除去の衝撃パターンを変化させる。一般的には、これは高さの調節とは独立して、というよりはむしろ高さが調節できないヘッダに対して、スケール除去圧を調節するためのセンサからの情報を使用して、例えば速度可変ポンプ又は流用制御弁を使用して行われ、それによってスケール除去スプレーの幅を調節する。これは、スケール除去圧を下げることがまた、スケール除去の有効性を低下させ、逆にスケール除去圧を増加させることができない場合があるからである。しかし、圧力調節だけを使用することは除外されない、
【0044】
多くの異なるセンサのうちの1つを、表面のスケールを検知するために使用することができる。使用するのにもっとも単純で、最も用途の広いセンサは、走査パイロメータである。多くのミルは設置された走査パイロメータ機器をすでに有しており、スケールの縞をこのタイプのセンサによって検知することができることはよく知られている。代替的センサは、可視欠陥に対して表面を見るCCDカメラシステムである。これらシステムは、圧延中の表面欠陥を検知するために広く使用されており、既に利用可能である。他の代替物はX線又はスケールの厚みセンサ、及びスペクトル分析タイプのシステム(例えばFTIRシステム)を含む。センサが、材料の表面上の不良なスケール除去による縞を検出することができる限り、そのセンサを使用することができる。いくつかのセンサは、頂面及び底面の両方のスケールを測定することができる。これが可能でない場合には、別々のセンサが、
図4の例に示されるように、それぞれの表面に対して使用される。ミルは、圧延ミルの後に配置された、
図4に示すような単一のセンサ17、18のみを使用することに限定されないが、いくつかの場合には、複数のセンサを、例えば主デスケーラの後、及びミルのいずれかの側で使用することができる。
【0045】
センサ17、18からの信号は、コントローラ19によって分析されて、材料の幅を横切って測定されたスケールパターンと、スケール除去用ノズルの既知のピッチEとの間に何らかの相関があるかどうかを決定する。材料の幅を横切って測定されたスケールパターンと、ノズルのピッチとの間に相関があるのであれば、これはノズルのスタンドオフ距離が最適ではないことを示唆する。この効果の例が
図5に示されている。既知のノズルの位置31に対する相関パターン30が、センサ信号32と比較される。これは強く相関している34と見ることができ、最適ではないスケールパターンと、ノズルのスタンドオフ距離h2を示唆している。一方、別のセンサ信号33は、ノズルのピッチとの非常に弱い相関若しくは相関が無いことを示し、スケールパターン及びノズルのスタンドオフ距離h2が最適に近いことを示唆している。
【0046】
ミルの後に1つのセンサしか配置されていない場合には、スケール除去の有効性におけるばらつきが主デスケーラ又は入口側の補助的なデスケーラ若しくは出口側の補助的なデスケーラのいずれによるのかというさらなる厄介な問題がある。補助的なデスケーラの場合には、理想的には、出口側のデスケーラが入口側のデスケーラに対してノズルのピッチ(ノズル間の間隔)の半分だけオフセットされ、それによってシステムは一方を他方から容易に区別することができる。主デスケーラの場合には、ピッチは補助的なデスケーラとは異なるように選択され、それによって主デスケーラによるパターンを補助的なデスケーラからのパターンと比較して区別することができる。また、システムは、どちらのスケール除去ヘッダが測定される試験片の圧延中に実際に使用されたのかを考慮に入れる、例えば、入口側のスケール除去だけが使用されたのであれば、システムは出口側のスケール除去パターンとの相関を期待することはない。
【0047】
また別の厄介な問題は、厚板圧延機において、必要とされる厚板幅を達成するために、1回以上のパスで幅出し(broadside)圧延されることが多いことである。これは結果的に2つの効果を生じさせる。第1に、スラブの転向の前に生じた幅に亘るすべてのスケール除去パターンが、新しい幅へ拡げられてしまう。したがって、スケール除去パターンがセンサによって測定される際に、そのパターンは、パターンの縞間の所定の間隔、実際のノズルの間隔に関連するパターンピッチ、ノズルピッチ×スラブがその幅出し方向において最初にスケール除去されたときの幅に対するスラブの最終的な幅の比を有することになる。第2に、幅出し圧延段階中に生成されたすべてのスケール除去パターンは、圧延片の長さに沿った長手方向パターンとなり、長手方向ピッチは、ノズルピッチ×幅出し幅に対する最終的な長さの比となる。関連するポイントは、スラブの幅が一般的に圧延中にわずかに増加し、それがセンサによって観測されるピッチを変える、ということである。ミルがエッジャーを備えているならば、最終的な幅を、最初の幅よりも狭くすることができる。システムにとって、相関分析のためにピッチを調節することによって圧延片がスケール除去された幅に対する幅の変化を考慮に入れることは比較的簡単である。
【0048】
通常、圧延される片は、圧延シーケンス中に幾度かスケール除去される。センサがミルに十分に近い場合には、それぞれのパス後のスケールパターンを、そのパスにおいて圧延された材料の長さの少なくとも一部分に対して分析することが可能である。センサがミルから幾らかの距離にある場合には、すべての圧延とスケール除去とが完了した後のスケールパターンを分析することだけが可能であろう。この場合には、圧延中のすべての幅の変化がパターンをぼやけさせるが、たいていの場合、ノズルピッチとの幾らかの相関が依然として存在する。
【0049】
スケールパターンを分析し、特定のスケール除去ヘッダのピッチとの相関を発見したら、システムは次いで、スケール除去ヘッダを上下に動かすかどうかを決定する必要がある。問題は、過剰な重なりと不十分な重なりとの両方が、不良なスケール除去と、表面上の縞と、をもたらすことである。非特許文献1にその
図7を参照して記載されているように、デスケーラが過剰な重なり又は不十分な重なりを有しているかどうかを決定する従来の方法は、ミルが圧延を行っていないときにしか行うことができない。
【0050】
走査パイロメータのような所定のセンサによって、例えば熱間縞(hot stripe)を有する不十分な重なりを有する厚板と、熱間縞を有さない過剰な重なりを有する厚板と、の間を区別することができるが、この方法は、適正にスケール除去された表面に比べて、適正にスケール除去されなかった表面の異なる放射率によって複雑である。ほとんどのパイロメータは、放射率の変化を温度の変化として検知し、このことは信号の分析を混乱させる。
【0051】
したがって、一次元のローゼンブロックの最適化法に基づく単純な反復スキームが提案される。システムが、スケール測定のピッチと、スケール除去ヘッダのピッチと、の間の相関を検知するのであれば、システムはそのヘッダの高さを少しの距離だけ一の方向又は他の方向に動かす。この最初の方向はランダムに選択することができるが、有望な方向の選択は過去のデータに基づくことが好ましい。例えば、スプレー角度は通常、ノズルの損耗につれて増加し、したがってストリップに向かう移動がこれを補正するだろう。全く較正されていない新しい設備の場合には、システムは、ヘッダの高さを意図的に理論的な最適値から離れるように1つの方向にオフセットし、理論的な位置に向かう最初の移動の方向で始めることができる。代替的に、システムは、理論的な最適位置におけるヘッダで、プリセットされているか又はランダムな最初の移動方向で始めることができる。ヘッダを移動させると、システムは次いで別の厚板、理想的には似通ったスケール除去を有する似通った厚板が圧延されるのを待ち、相関を比較する。相関がより強ければ、移動は明らかに間違った方向であったとされ、他方で相関がより弱ければ、移動は正しい方向であったとされる。移動が正しい方向であったと思われる場合には、システムはその方向にまた別の移動をさせる。移動が間違った方向であったと思われる場合には、システムは高さを逆方向に移動させる。
【0052】
データが、厚板それぞれが圧延された後にしか入手できない場合には、この単純な反復スキームは、数枚の厚板が圧延された後に、最適な高さへヘッダを動かす。データが圧延中に入手できる場合には、システムは数パスの間に高さを最適化することができる。システムが、最適な高さの周りをウロウロするのを避けるために、閾値相関を設定して、相関がこの閾値より小さい場合には、システムはヘッダを同じ高さに保持することができる。必要に応じて、アルゴリズムは、相関のレベルによって、より大きな若しくはより小さな動きをさせるか、又はアルゴリズムは、刻み幅が、同じ方向の全ての動きに対して徐々に増加するが、動きの方向が変化すると迅速に減少する、可変の刻み幅のタイプのアルゴリズムを使用することができる。1つ以上の厚板の表面の一部又は全体に亘る信号のフィルタリング及び平均化を、システムが測定における誤差に過敏に反応しないようにすることを保証するために使用することができる。
【0053】
任意に、それに対して測定が相関するパターンが、ヘッダの高さに大きな誤差を意図的に導入し、試験厚板上で測定を行うことによって較正される。
【0054】
図6は、本発明による調節可能なデスケーラを稼働する、単純化された例を示すフローダイアグラムである。圧延される金属製品が圧延テーブルに沿って圧延ミルへ渡される40。スケール除去が、圧延の前又は後のいずれかに適用される41か、又は圧延の前及び後の両方に適用される。センサ17、18が、スケールパターンを検知し42、コントローラ19に信号を送る。検知されたスケールパターンを代表する信号が、相関パターン、通常はデスケーラのノズルのピッチに関連する記憶されたデータと比較されて43、検知されたパターンと記憶されたパターンとの間の相関が予め決められた閾値を超える44かどうかがわかる。相関が閾値を超える45のであれば、デスケーラの調節48が必要となる。相関が閾値を超えない46のであれば、圧延が続けられ47、まだ完了しない場合には、スケールパターンが再度センサで検知され42、このプロセスが繰り返される。
【0055】
相関が閾値を超え45、調節48が必要とされたならば、(図示されない)さらなるステップ、例えば複数のデスケーラがあり、そのうちのいくつか又は全部が使用されているかどうか、及びそれらデスケーラのそれぞれがそれ自身に関連したセンサを有しているかどうか(この場合、パターンはそれぞれの独特なデスケーラに帰することができる)、又は、すべてのデスケーラのための1つのセンサしかないか或いはデスケーラよりも少ないセンサしかないかどうか、を決定するステップが必要とされる場合がある。さらに、最初の幅出し圧延に対する補正が必要とされるのであれば、これはこの段階で適用される。次いで、コントローラは、調節されるデスケーラがその高さを調節できるかどうかを決定49し、できない場合には51、次いでそのヘッダ圧を調節52できるかどうかを決定する。調節が可能である場合には、次いで適切な高さ及び/又はヘッダ圧の調節50、54が適用されて、センサによるスケールパターンの検知が続くか、又は圧延が終了する。高さと圧力55とのどちらも特定のデスケーラに対してさらに調節できないのであれば、調節は行われず検知が続くか、又は圧延が終了する。この例では、スケールの衝撃パターンを調整するために、高さ又は圧力の調節が提案されるが、いずれかの好適なパラメータをこの目的のために調節することができる。
【0056】
上述に検討したように、スプレーノズルの高さを調節しているときに、スケールを検出することはよく知られているが、従来技術はどれも、スケール除去ヘッダの高さ又は他の特性の調節を制御するための基礎として、厚板の表面上のスケールパターンの測定を使用して、スケール除去の稼働を改善するか、又は最適化するという提案は行っていない。
【0057】
異なるノズルピッチ又はヘッダの軸に沿った異なるリニアオフセットを、デスケーラの異なるヘッダに設定して、どのヘッダが調節を必要としているかを特定することを支援することができる。
【0058】
要約すると、センサを厚板の表面上のスケールの縞を検知するために使用することができ、このスケールの縞は、隣り合うスケール除去ノズル間の重なりの既知の位置と相関し、この相関が、縞を最小化するようにスケール除去システムを調節するために使用される。調節は、センサの相関に応じてヘッダの高さを調節する、又はセンサの相関に応じてスケール除去の圧力を調節する(例えば、高さが調節可能ではないヘッダに対して)という形をとることができる。測定されたパターンは、幅の拡がり及び幅出し圧延等を補正することができる。どのヘッダが稼働中であるという情報、いつ相関分析を行うかについての情報を使用することができる。センサの信号は、フィルタをかけられ、平均化されてもよい。センサの信号は、ヘッダが高すぎるかどうか、又は低すぎるかどうかを特定するために使用することができる。
【0059】
一元のローゼンブロックタイプのアルゴリズムを、相関に応じてヘッダの高さを調整するために使用することができる。高さのオフセットを、試験用に意図的に導入して、相関システムを較正することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 スラブ、厚板
11 圧延テーブル
13a、13b
14a、14b デスケーラ
17、18 スケールセンサ
19 コントローラ
20 圧延ミル
h2 スタンドオフ距離