(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁層(7)が前記活性ゾーン層(4)および前記第1の電気接触層(5)の間、ならびに/または、前記第1の電気接触層(5)および前記第2の接触層(22,23)の間に設けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
さらなるミラー層(8)は、前記コア(3)の前記キャリア(2)とは反対側の前記第2の端部領域(10)に設けられ、前記電磁放射の前記反射の前記方向は、前記コア(3)の長手方向に沿っている、請求項1または2に記載のアセンブリ。
前記さらなるミラー層(8)は、前記コア(3)に直接設けられているか、または、前記コア(3)の前記第2の端部領域(10)を被覆する前記活性ゾーン層(4)に設けられている、請求項3に記載のアセンブリ。
前記さらなるミラー層(8)は、導電性であるように設計され、好ましくは、前記コア(3)の電気的接触のための接触層に相当する、請求項3または4に記載のアセンブリ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改良したアセンブリと、改良したアレイと、活性ゾーン層を有する長方形の構造体を有するアセンブリを製造するための改良した方法とを提供することが本発明の目的である。
【0005】
本発明の目的は、特許請求項1に係わるアセンブリ、特許請求項12に係わるアレイ、および、特許請求項15に係わる方法によって達成される。
【0006】
さらなる有利な実施形態を従属請求項において特定する。
【0007】
本明細書に記載のアセンブリの1つの利点は、選択された本構造体の結果として、高レベルの光出力を発生させ、この光出力が、設けられたミラー層によってさらに増幅されることである。上記設けられたミラー層によって、電磁放射の反射方向が固定される。したがって、出射方向に出射された電磁放射の出力が増大する。コアは、2箇所の端部領域を有する長手方向に延在する範囲を有し、第1の端部領域がキャリアに対向して配置され、第2の端部領域がキャリアとは反対側に配置される。上記構造体のコアを少なくとも部分的に包囲する疑似三次元的な(quasi-three-dimensional)活性ゾーン層を特に有する柱状の構造体を形成することによって、狭い空間内で高い光出力の電磁放射を発生させることができる。
【0008】
一実施形態では、絶縁層が、活性ゾーン層と第1の接触層との間、および/または、第1の接触層と第2の接触層との間に設けられている。これにより、本アセンブリの小型の構成を用いた信頼性の高い各層の電気的分離が実現される。
【0009】
さらなる一実施形態では、ミラー層は、コアのキャリアに対向する端部領域上に設けられている。これにより、電磁放射のキャリアとは反対の出射方向を画定することができる。
【0010】
さらなる一実施形態では、ミラー層は、コアのキャリアとは反対側の端部領域上に設けられている。これにより、電磁放射のキャリア方向の出射方向を画定することができる。
【0011】
さらなる一実施形態では、複数のミラー層が、それぞれ、コアの対向する両端部上に形成されている。この場合、ミラー層のうちの1層の反射率が低い。複数のミラー層があるため、電磁放射は、光出力を高めるために上記ミラー層間で反射されることができ、また、反射率の低いミラー層を介して減結合されることができる。これにより、例えば、定在波を上記ミラー層間で発生させることもできる。これは、レーザ放射等の単色電磁放射を発生させるために使用されることができる。
【0012】
さらなる一実施形態では、ミラー層は、導電性であるように設計されており、第1の接触層に相当する。かかる実施形態では、コアは、広い領域に亘って電気的に接触されることができる。したがって、コア内の均質な電流分布が実現される。さらに、コアの断面全体にミラー層を設けることにより、高い反射率を実現することができる。
【0013】
さらなる一実施形態では、ミラー層は、2層のミラー層として形成されている。導電性の第1のミラー層は、コアの端部領域上に配置される。第1の接触層は、第1のミラー層に設けられる。第2のミラー層は、第1の接触層に設けられ、この第2のミラー層は電気絶縁性であるように設計されている。さらに、第1の接触層は、少なくとも一部のスペクトルの電磁放射を透過するように設計されている。
【0014】
本明細書に記載のアセンブリによって、コアの広い面積での電気的接触が実現される。さらに、2層のミラー層を設けることによって反射率を高めることができるため、非常に高い反射率が実現される。
【0015】
選択される実施形態に応じて、第1のミラー層の反射率を第2のミラー層の反射率よりも小さくしてもよい。さらに、選択されるアセンブリによって構成を小型化できる。
【0016】
さらなる一実施形態では、第1の接触層に電気接続する電気スルーコンタクトがキャリア内に設けられる。これにより、キャリアを通した第1の接触層の簡単な電気的接触が実現される。
【0017】
さらなる一実施形態では、第1の接触層は、活性ゾーン層のコアに隣接する第1の部分層に接触している。これにより、大きな電流フローの場合の表面電流を小さくすることができる。
【0018】
さらなる一実施形態では、活性ゾーン層は、ジャケットの形態でコアを長手方向に包囲する。これにより、大面積を必要とせずに、広い面積のゾーン層が設けられる。したがって、電磁放射の高い出力密度が実現される。
【0019】
さらなる一実施形態では、第2の接触層は、柱状構造体の横方向において活性ゾーンの外面に接触している。これにより、活性ゾーン層の外面での簡単な電気的接続が可能になっている。
【0020】
さらなる一実施形態では、ミラー層は、複数の層を有する積層体の形態で形成されている。これにより、非常に高い反射率が実現可能である。
【0021】
本明細書に記載のアレイには、電磁放射を発生させるための複数のアセンブリが設けられ、少なくとも2つのアセンブリに互いに独立して電流が供給されることができる利点がある。これにより、アレイの光出力、アレイの色、および/または、アレイの色域等が個別に制御されることができる。
【0022】
本アレイの一実施形態では、第1および/または第2の接触層のための複数の接触層が設けられ、これら接触層は帯状導体の形態で形成されている。さらに、互いに独立して形成された複数の帯状導体が設けられる。これにより、アレイのアセンブリの各部分群を個別に活性化することができる。
【0023】
さらなる一実施形態では、各帯状導体は、特にキャリア内でさまざまな高さに重ねて配置される。これにより、帯状導体を省スペースで配置することができる。
【0024】
本明細書に記載の方法には、上記アセンブリを簡単にかつ高い費用効率で製造することができる利点がある。上記アセンブリを製造するための本方法のさらなる一実施形態では、少なくともコアを備える中間製品を最初に製造する。次いで、この中間製品をキャリアに設け、アセンブリを完成させる。これにより、アセンブリの製造またはアレイの製造において、高水準の融通性がもたらされる。選択される実施形態に応じて、中間製品は、コアおよび活性ゾーン層を共に備えることもできる。したがって、コアおよびゾーン層の製造工程は、最適に選択されることができる。さらに、異なる構成および/または形状のコアをキャリア上で互いに組み合わせることができる。
【0025】
本発明の実施形態および例を、以下の図に基づき詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
長方形の構造体は、少なくとも幅の広さと同等の高さがあり、特に、幅の広さよりも高さのある構造体であると理解される。この構造体を、円柱、角錐、または、立方体とすることも、他の形状、断面、または、表面構造にすることもできる。
【0028】
図1は、キャリア2に設けられた構造体1を有するアセンブリを概略断面図で示す。この構造体1は、長方形として形成され、長方形のコア3を有する。コア3は、2つの端部領域9,10を有する長手方向に延在する範囲を有し、第1の端部領域9は、キャリア2に対向して配置され、第2の端部領域10は、キャリア2とは反対側に配置されている。したがって、コア3は、コア3の長手方向に延在する範囲がキャリア2の平面に対して平行ではなく、0°よりも大きく180°未満の角度で配置されている。例えば、コア3は、コア3の長手方向に延在する範囲がキャリア2の平面に対して直交するように配置されている。コア3は、第1の接触層5上に配置されている。第1の接触層5は、キャリア2上に配置されている。コア3は、例えば、円柱状である。選択される実施形態に応じて、コア3を角錐状とすることもできる。さらに、コア3を、断面図においてキャリア2から次第に幅が広がる形状とすることも、テーパー状にすることもできる。
【0029】
コア3は、活性ゾーン層4によって包囲されている。ゾーン層4は、横方向の縁部領域および第2の端部領域10の両方を包囲している。第2の端部領域10は、第1の端部領域9の反対側に配置されている。第1の端部領域9は、第1の接触層5上に配置されている。図示の例示的実施形態では、第1の接触層5は、同時にミラー層8として形成されている。ゾーン層4は、少なくとも部分的に第2の接触層6によって被覆されている(特に、第2の接触層6によって包囲されている)。第1の絶縁層7が、ゾーン層4と第1の接触層5との間、または、第1の接触層5と第2の接触層6との間に配置されている。したがって、ゾーン層4および第2の接触層6は、第1の接触層5に直接電気的に接触していない。第1のおよび第2の接触層5,6は、異なる電位に接続され、活性ゾーン層4を作動させている。
【0030】
コア3は、少なくとも部分的に導電性材料から製造されている。特に、少なくともコア3の外側ジャケット領域は、導電性として形成されている。選択される実施形態に応じて、コア3全部を導電性材料、特に半導体材料から製造することができる。さらに、活性ゾーン層4も導電性の半導体材料から製造することができる。ゾーン層4は、電磁放射を発生させるための層に相当し、例えば、pn接合を有する半導体材料から形成されている。選択される実施形態に応じて、p側を内側上に、n側を外側上に配置することも、n側を内側上に、p側を外側上に配置することもできる。
【0031】
図示の例示的実施形態では、例えば、コア3は、p型にドープされた半導体材料から形成される。かかる実施形態では、ゾーン層4は、p側がコア3上に位置し、n側がゾーン層4の外面上に形成されるように形成される。キャリア2は、例えば、電気絶縁性材料から製造される。コア3には、導電性のミラー層8を介して電流が供給される。ゾーン層4には、第2の接触層6を介して外面から電流が供給される。ゾーン層4には、このように、電磁放射を発生させるための電流が供給される。
【0032】
電磁放射は、ミラー層8によって反射され、キャリア2とは反対方向に出射される。二次元のゾーン層4を形成することにより、広い面積のゾーン層4が設けられる。これにより、小スペース内で高出力の電磁放射を発生させることができる。ミラー層8を設けることにより、電磁放射を所定の方向に出射することができる。
【0033】
図2は、基本的に
図1の実施形態に基づき形成されるが、第1の接触層がミラー層として形成されていないアセンブリ30のさらなる実施形態を示す。この実施形態では、ミラー層8は、第2の端部領域10の反対側に配置されている。この実施形態では、活性ゾーン層4により出射される電磁放射は、ミラー層8によってキャリア5の方向に反射される。
【0034】
選択される実施形態に応じて、複数のミラー層が、両側に形成されることができる。例えば、
図2の実施形態では、第1の接触層5は、さらにミラー層8として形成されることができる。
図2の実施形態では、ミラー層8は、図示の実施形態中のコア3の第2の端部領域10上に直接配置されている。したがって、この実施形態では、活性ゾーン層4は、コア3の外側側面上に設けられるのみである。選択される実施形態に応じて、活性ゾーン層4を、図示の通りにコア3の第2の端部領域10上に配置することもでき、ミラー層8は、第2の端部領域10のゾーン層4の外面上に形成されることができる。ただし、かかる実施形態では、ゾーン層4は、確実に電磁放射を透過すべきである。さらなる一実施形態では、第2の端部領域10上のゾーン層4を省略することもでき、ミラー層8は、コア3の第2の端部領域10上に直接形成されることができる。
【0035】
選択される実施形態に応じて、ミラー層8は、アルミニウム層、インジウム層、窒化ガリウム層等から形成されることができ、例えばDBRミラーの形態で形成されることができる。反射率を、例えば95%超、好ましくは99%超とすることができる。さらに、ミラー層を、誘電体層として形成することもでき、ZrO
2、Al
2O
3、TiO
2、Ta
2O
5、ZnO、SiO
2、Si
3N
4、HfO
2等から構成することができる。コア3の直径を、例えば20nmから50μmの範囲内とすることができる。さらに、コア3の直径を、100nmから50μmの範囲内とすることができる。さらに、選択される実施形態に応じて、コアの直径をより大きくすることもできる。さらに、コアの設置面積の長さに対する比を1〜1000の間とすることができる。コアのアスペクト比は、好ましくは20〜100の範囲内である。コア3は、例えば、n型にドープした半導体材料から形成されることができる。ゾーン層4は、例えば、1つ以上の量子井戸構造が設けられたアルミニウムの、インジウムの、および/または、窒化ガリウムの構成物から形成されることができる。また、アルミニウムバリア層、インジウムバリア層、窒化ガリウムバリア層を量子井戸間に設けることができる。活性ゾーン層は、1つ以上の波長の電磁放射を出射するように形成されることができる。活性ゾーン4の外面をp型にドープすることができる。選択される実施形態に応じて、キャリア2は、ゾーン層4によって出射される電磁放射を透過する。かかる実施形態では、電磁放射は、キャリア方向にキャリアを通って出射されることができる。
【0036】
選択される実施形態に応じて、活性ゾーン層4および/またはコア3を形成するために、他の材料、特に他の半導体材料を使用することもできる。
【0037】
図1および
図2は、好ましくはコア3の長手方向に出射される電磁放射を発生させるように設計されたアセンブリ30を示す。この場合、電磁放射は狭帯域であることができ、レーザ放射に相当することができる。この実施形態では、
図1および
図2は、構造体1の長手方向に電磁放射を出射するレーザアセンブリを示す。コア3は、好ましくは、エピタキシャル成長によって成膜された半導体材料に相当することができ、コア3の位置は、好ましくはC面の表面をキャリア2の表面に対して平行にして調整される。したがって、コア3のC面は、第1の端部領域9または第2の端部領域10の端面に相当する。
【0038】
図3は、アセンブリ30のさらなる一実施形態を通る概略断面図を示す。第1のマスク層11がキャリア2に設けられている。第1のマスク層11は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、または、酸化タリウムから形成される。開口部12が第1のマスク層11内に導入されている。開口部12は、好ましくはキャリア2まで延びている。開口部12の直径を50nm〜50μmの範囲内、好ましくは500nm〜5μmの範囲内とすることができる。所望の構造に応じて、開口部12は、多角形または円の形態で形成される。第2のミラー層13が開口部12内に配置されている。第2のミラー層13は、例えば、アルミニウム層、インジウム層、窒化ガリウム層が交互に積層される積層体からなり、第2のミラー層13はDBR層(分布ブラッグ反射鏡)等として形成されている。各半導体層は、実質的にドーピング無しで形成されることができる。第2のミラー層13の反射率は、例えば95%超、好ましくは99%超である。反射率とは、入射パワーと反射したパワーとの比率である。
【0039】
さらなる一実施形態では、第2のミラー層13を、好ましくは結晶構造を有する誘電体層から形成することもできる。例えば、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムを誘電体層の材料として使用することができる。
【0040】
第1の接触層5が第2のミラー層13に設けられている。第1の接触層5は、好ましくは開口部12内に配置されている。第1の接触層5は、例えば、ドープされた半導体層として形成されることができる。例えば、n型にドープされたか、または、高濃度にn型にドープされたアルミニウム層、インジウム層、窒化ガリウム層を使用することができる。さらに、酸化インジウムスズ(ITO)の導電性の透光性コーティングを、代替または追加として使用することができる。接触層14が第1の下地層12に設けられており、この接触層は、開口部12の領域内に突出し、かつ、第1の接触層5の縁部領域に電気接続している。接触層14も、ドープされた半導体材料、特に高濃度にドープされた半導体材料からなることができる。例えば、n型にドープされた窒化ガリウム層またはn型にドープされた窒化アルミニウムインジウムガリウム層を使用することができる。接触層14は第2の開口部15を有し、この開口部は、第1の接触層5の上方の領域内に配置され、第1の接触層5まで貫通して延びている。第1のミラー層16が第2の開口部15内に配置されることができる。第2の開口部15は、好ましくは第1の開口部12の上方に中心を合わせて配置されている。第1のミラー層16は、第2のミラー層13と同じ材料から形成されることができる。しかしながら、第1のミラー層16は、導電性であるように形成されて、第1の接触層5とコアとの間に電気的接触を形成している。第1のミラー層16は、同時に、第1の接触層の代わりになることができる。したがって、別個の第1の接触層の形成を省略することができる(すなわち、第1のミラー層16が第1の接触層の機能を引き受ける)。
【0041】
第2のマスク層17が接触層14に設けられている。第2のマスク層17は、接触層14の第2の開口部15の上方に中心を合わせて配置されている第3の開口部18を有する。第1の絶縁層7が、第1のミラー層16の第2の開口部15の上方に中心を合わせて配置されている第4の開口部40を有し、第2のマスク層17の上方に設けられている。
【0042】
選択される実施形態に応じて、絶縁層7は、第2のマスク層17を被覆するのみである。さらなる実施形態では、第1の絶縁層7は、
図3に示すように、接触層14まで達することもでき、接触層14を少なくとも横方向において被覆することができる。
【0043】
選択される実施形態に応じて、第1のミラー層16を省略することもでき、例えば導電層として第2のミラー層13のみを設けることもできる。さらに、第1の接触層5は、コア3に直接隣接することもでき、第2のミラー層13は第1の接触層5に隣接することもできる。
【0044】
また、選択される実施形態に応じて、第2のミラー層13を省略することもでき、第1のミラー層16のみを、第1の接触層5と共に設けることも第1の接触層5を伴わずに設けることもできる。
【0045】
コア3は、第1のミラー層16上に配置される。コア3は、キャリア2に対向する第1の端部9から、キャリア2とは反対側の第2の端部領域10まで長手方向に延在する範囲を有する。図示の例では、側壁および第2の端部領域10がゾーン層4によって被覆されている。
【0046】
図示の例示的実施形態では、ゾーン層4は、3層の部分層19,20,21の形態で形成されている。第1の部分層19は、コア3の表面に直接設けられている。第1の部分層19は、n型にドープされた半導体層に相当する。第2の部分層20は、活性層に相当し、第1の部分層19上に配置されている。少なくとも1つの量子井戸が活性ゾーン内に形成されている。第3の部分層21が第2の部分層20上に配置されている。第3の部分層21は、p型にドープされた半導体層に相当する。選択される実施形態に応じて、第1の部分層19をp型にドープすることもでき、第3の部分層21をn型にドープすることができる。かかる実施形態では、コア3もp型ドープ半導体材料から形成される。成膜方法に起因して、第1、第2、および、第3の部分層19,20,21の層厚さは、第2の端部領域10内の層厚さよりもコア3の側壁に沿って大きくなることができる。
【0047】
第3の接触層22に相当するp型にドープされた半導体層が第3の部分層21に設けられている。第4の接触層23が第3の接触層22上に横方向において配置されている。ゾーン層4は、コア3内の導波がコア3の長手方向に延在する範囲を通して行なわれるように形成されることができる。コア3の外面24は、結晶構造の無極性側面に相当することができる。これにより、活性ゾーン(すなわち第2の部分層20)の厚さを大きくすることができる。したがって、より大きな電磁出力密度を発生させることができる。
【0048】
第3の部分層21は、導波層、特に電子ブロック層(Electron Blocking Layer:EBL)として形成されることができる。また、中間層(p型被覆部(p plating))を第3の接触層22と第3の部分層21との間に形成することができる。図示の実施形態では、第2の端部領域10のみが第1のミラー層16を介して電気的に接触されている。選択される実施形態に応じて、接触層14は、第1の部分層19に直接隣接することもでき、第1の部分層19に電気的に接触することができる。第3の接触層22は、酸化インジウムスズ等の透明導電性酸化物(TCO)等から形成されることができる。第3の接触層22は、
図1および
図2の実施形態の第2の接触層6に機能の点で一致している。第4の接触層23は、金属層等として形成されることができ、アセンブリ30の第3の接触層22との電気的接触のために使用される。
【0049】
選択される実施形態に応じて、ミラー層8をアセンブリの第2の端部領域10内に設けることもできる。ミラー層8は、コア3上に直接配置されることも、活性ゾーン層4の外面上に配置されることもできる。また、ミラー層8の反射率を、第1のミラー層16および/または第2のミラー層13の反射率より低くすることができる。
【0050】
図4は、基本的に
図3の実施形態に応じて設計されたアセンブリ30のさらなる一実施形態を示している。しかしながら、
図3の実施形態とは異なり、接触層14は、層11およびキャリア2内のスルーコンタクト24を介して下方に通じている。これにより、第1の接触層5は、底面から電気的に接触されることができる。
【0051】
第4の接触層23は、例えば、電磁放射を透過する材料から形成されることができる。さらなる一実施形態では、第4の接触層23を、電磁放射を透過しない材料から形成することもできる。かかる実施形態では、第4の接触層23は、絶縁層7からの唯高さが小さいリング等としてのみ形成されることができる。接触層23が電磁放射を透過する材料から形成される場合は、第3の接触層22の側面のほぼ全体が第4の接触層23で被覆されることができる。
【0052】
選択される実施形態に応じて、ミラー層8をアセンブリの第2の端部領域10内に設けることもできる。ミラー層8は、コア3上に直接配置されることも、活性ゾーン層4の外面上に配置されることもできる。また、ミラー層8の反射率を、第1のミラー層16および/または第2のミラー層13の反射率より低くすることができる。
【0053】
図5は、さまざまなアセンブリ30が設けられたキャリア2の概略図を示す。各アセンブリ30は、例えば、
図1〜
図4に基づいて設計されている。各アセンブリ30の高さ、厚さ、および、設置面積は異なっている。六角形の設置面の、および、円形の設置面のアセンブリ30が
図5に示されている。各アセンブリ30の形成に関する詳細は、
図5では特定されていない。
【0054】
図6は、
図1〜
図4の実施形態に基づいて設計されることができる複数のアセンブリ30を有するアレイ25の概略図を示す。図示の実施形態では、複数のアセンブリ30は、行26,27,28および列41,42,43を成して格子ネットワークのように配置されている。選択される実施形態に応じて、アセンブリ30をキャリア2上に任意の他のパターンで配置することもできる。例えば、同じ波長スペクトルの、特に同一の波長焦点の、特に同一色の電磁放射を発生させる複数のアセンブリ30を、行26を成すように配置することができる。さらに、行26に隣接する行が異なる波長の、特に異なる色の電磁放射を出射するアセンブリを有することができる。例えば、行26,27,28の複数のアセンブリ30は、それぞれ、赤色、緑色、青色、黄色、または、シアン色の光を出射することができる。
【0055】
選択される実施形態に応じて、同じ波長スペクトルの複数のアセンブリ30を斜め方向の行を成すように、または、一部の領域においてブロック毎に設けることができる。用途に応じて、さまざまな領域または群のアセンブリ30が、同一のまたは異なる波長を出射することができる。
【0056】
図7は、同一の波長スペクトルのアセンブリ30が斜め方向の行26,27,28を成すように配置されている(すなわち、同一の波長スペクトルが斜め方向の行の各アセンブリ内で出射される)アレイ25の概略図を示している。
【0057】
図8は、複数のアセンブリ30を有するさらなるアレイ25を示す。この実施形態では、複数の領域31,32,33が設けられ、同じ波長分布の、特に同じ波長(すなわち、同じ色)の電磁放射を出射する複数のアセンブリ30がこれら領域内に配置されている。したがって、さまざまな波長スペクトル(すなわち、さまざまな色)の領域がアレイ25上に配置されている。アレイは、複数のアセンブリ30を有することができる。複数のアセンブリ30は、例えば、3つの群に分けられる。第1の群は、緑色光を発生させる。第2の群は赤色光を、第3の群は青色光を発生させる。均質な色割合のために、緑色光を発生させるさらなるアセンブリ30を設ける。アセンブリ30の緑色光の発生効率がアセンブリ30の青色光または赤色光の発生効率よりも低いからである。このように、さまざまなアセンブリの数によって、効率を均等化することができ、したがって色分布を均等化することができる。
【0058】
図9は、アセンブリ30が行26,27,28および列41,42,43を成すように配置されたアレイ25のさらなる実施形態を示す。第1の行26のアセンブリ30は、赤色域の光を出射する。第2の行27のアセンブリ30は、緑色域の光を出射する。第3の行28のアセンブリ30は、青色域の光を出射する。アセンブリ30は、絶縁性のキャリア2上に配置されている。帯状導体34が行26,27,28のアライメントに対して直交して配置されている。帯状導体34は、第1の接触層5または第2の接触層6のための電気接触部に相当する。他の接触層の電気的接触は明示していない。1つの帯状導体34を介して、一列のアセンブリ30のすべての第1の接触部に電流が供給される。アセンブリ30の第2の接触部に、単一のさらなる接触層を用いて電流を供給することができる。このように、アセンブリ30の個々の列41,42,43を電気的に活性化する。
【0059】
選択される実施形態に応じて、
図10に示すように、帯状導体34を行26,27,28に平行に配置することもできる。かかるアセンブリを用いて、アレイ25の個々の色を、個々の帯状導体34の対応する活性化によって活性化することができる。
図11は、基本的に
図10のアレイに基づいて設計されたアレイ25のさらなる実施形態を示す。
図11の配置においても、アセンブリ30が行26,27,28および列41,42,43を成すように配置されている。各行26,27,28に複数のアセンブリ30が設けられ、各複数のアセンブリ30は、同じ波長スペクトルの、特に同じ色の電磁放射を出射する。この実施形態では、各行26,27,28の全アセンブリ30には、導体トラック34によって電流が供給される。
図10の実施形態とは異なり、接続トラック34をアセンブリ30の各電気接触部に接続するスルーコンタクト24が設けられている。これにより、導体トラック34をキャリア2の底面上に配置することができる。選択される実施形態に応じて、帯状導体34をキャリア2内に配置することもできる。好ましくは帯状導体34の導電材料と同じ導電材料が電気スルーコンタクト24にも使用される。
図12には、アセンブリ30の第2の電気接触部の接触は明示されていない。
【0060】
図12は、帯状導体34がより幅広に形成され、各帯状導体34が複数のアセンブリ30に電流を供給するさらなる一実施形態を示す。1つの帯状導体34の各アセンブリ30は、同じかまたは異なる波長の電磁放射を出射することができる。したがって、アセンブリ30のブロック毎の活性化が可能となる。選択される実施形態に応じて、同じ波長スペクトルまたはさまざまな波長スペクトルのアセンブリ30の接触を、1つの帯状導体34を介して行なうことができる。また、アセンブリ30の各領域31,32,33の接触を、1つの帯状導体34を介して行なうこともでき、各領域31,32,33それぞれのアセンブリ30は、同じ波長スペクトルを出射する。異なる領域31,32,33のアセンブリ30が、それぞれ、異なる波長スペクトルを出射する。選択される実施形態に応じて、
図12に概略的に示すように、帯状導体34をキャリア2上に配置することができる。
【0061】
また、帯状導体34は、キャリアの底面上またはキャリア2内に形成されることもでき、スルーコンタクト24を介してキャリア2を貫通してアセンブリ30に接続していることができる。また、帯状導体34は、さまざまな高さに重ねて配置されることができ、個々のアセンブリ30またはアセンブリ30の個々の群に個別にアドレスすることができる。
図13に概略的に示すように、電気絶縁層35が各高さの帯状導体34間に配置されている。また、
図14に示すように、帯状導体34は、さまざまな面積および幾何学形状を有することができる。
【0062】
図15は、基本的に
図9のアレイに基づいて設計されたアレイ25を示し、本図のアセンブリ30は、さらなる絶縁層36で追加的に被覆されている。誘電体層(例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化ケイ素、酸化タンタル、重合体、フォトレジスト、スピンオングラス等、または、これらの組合せ)を絶縁層36として使用することができる。また、さらなるメタライゼーション37をさらなる絶縁層36上に設けるかまたはさらなる絶縁層36内に導入し、第2の接触層のための電流をアセンブリ30に供給する。絶縁層36は、好ましくはアセンブリ30の電磁放射を透過する材料から形成されている。選択される実施形態に応じて、アセンブリ30の第2の端部領域10は、絶縁層36から突出することもできる。さらなるメタライゼーション37は、アセンブリ30の行26,27,28に沿ったさらなる帯状導体の形態で配置されることができ、アセンブリ30の第3の接触層22に横方向において電気的に接触することができる。帯状導体34およびさらなる帯状導体37の交差配置を用いて、個々のアセンブリ30を個別に電気的に活性化することができる。
【0063】
図16は、基本的に
図15の実施形態に基づいて設計されたアレイ25のさらなる一実施形態を示す。
図15の実施形態とは異なり、全アセンブリ30の第3の接触層22に電気的に接触する全域メタライゼーション37は設けられていない。メタライゼーション37は、アセンブリ30の第2の端部領域上またはアセンブリ30間に形成されている。メタライゼーション37は、好ましくはアセンブリ30の電磁放射を透過する材料で形成されている。
【0064】
図17は、
図15のアセンブリに基本的に一致するアレイ25のさらなる一実施形態を示す。しかしながら、この形態では、帯状導体34は、キャリアの底面上に配置され、スルーコンタクト24を介してアセンブリ30の第1の接触層5に接続している。帯状導体34は、アセンブリ30の行31,32,33に平行に配置されている。さらなる帯状導体として形成されているメタライゼーション37はまた、帯状導体34に平行に配置されている。かかる配置において、個々の行のそれぞれを活性化することができる。これは、さらなる帯状導体38および帯状導体34の互いに平行な配置において実現される。
【0065】
図18は、
図17のアセンブリに基本的に一致するさらなる一実施形態を示す。しかしながら、
図18の形態では、メタライゼーション37および帯状導体34は、互いに直角に配置されている。したがって、個々のアセンブリ30は、帯状導体34およびさらなる帯状導体38の対応する電流供給によって活性化されることができる。帯状導体34は、行31,32,33に直交して配置されている。
【0066】
図19は、
図18のアセンブリに基本的に一致するさらなる一実施形態を示す。
図18とは異なり、アセンブリの行の電気的接触は、基板の上面に配置され、アセンブリ30に横方向において接触するさらなる帯状導体38を介して行われる。さらなる帯状導体38は、帯状導体34に直交して配置されている。この実施形態では、絶縁層35は省略されている。アセンブリ30は、MOVPE法等を用いてキャリアである基板上にエピタキシャル成長されることができる。この目的のために、対応する前駆体を使用し、コア3およびゾーン層4を成膜する。
【0067】
さらなる一実施形態では、アセンブリ30を、
図20〜22に基づいて説明する方法によって製造することができる。この方法では、マスク層45を成長基板44に設ける。成長基板44は、結晶構造を有する。マスク層45は、さらなる開口部46を有する。コア3を、
図20に示すようにMOVPE法等を用いてさらなる開口部46内の成長基板44上にエピタキシャル成長させる。このコア3は、中間製品に相当する。選択される実施形態に応じて、コア3に加えてゾーン層4をコア3に設けることもできる。続く方法ステップにおいて、コア3を成長基板44から剥離する。この方法の状態を
図21に示す。次いで、コア3をキャリア2に設け、この状態を、
図22に示す。キャリア2は、開口部12を有する第1のマスク層11を有し、開口部12内にミラー層8が配置されている。ミラー層8は、同時に第1の接触層5に相当する。しかしながら、
図1〜4に基づいて説明したように、別個の第1の接触層5および/または第2のミラー層を設けることもできる。
【0068】
コア3を開口部12内に挿入し、キャリア2に固定する。さらに、好ましくは、コア3の使用されていない第2の端部10に第2のミラー層を設ける。次いで、既に説明したように、導電接触部をアセンブリ10に取り付ける。コア3のみを中間製品として使用する場合(コア3は、次いでキャリア2に固定される)、活性ゾーン層4は、キャリア2上のコア3上に成膜される。この目的のために、キャリア2を成膜設備内に導入する。さらに、対応する第2のミラー層をコア3の第2の端部領域10に設けることもできる。
【0069】
キャリア2に設けられた、コア、または、ゾーン層4を有するコアは、構成(すなわち構造、材料、幾何学形状、ゾーン層4、特にゾーン層4によって発生した電磁放射)において異なることができる。したがって、キャリア2は、出射された電磁放射の所望の出力および所望の波長スペクトルに応じたさまざまなアセンブリを備えることができる。
【0070】
また、本明細書に記載の方法を用いれば、コア3が成長基板44から引き継がれた結晶構造を有するとしても、費用効果の高いキャリア2を使用することができる。この結晶構造によって、高品質なコア3の積層体および/またはゾーン層4の積層体が確保される。特に、きずおよび/または結晶欠陥が回避される。したがって、費用効果の高いキャリア2が使用されるとしても、本明細書に記載の方法を用いて、高品質のアセンブリ30を有するアレイを提供することができる。
【0071】
本明細書に記載のアセンブリ30を用いて、例えば、ほとんどスペースを必要とせずに高密度の電磁放射を発生させることができるレーザダイオードが高い費用効果で製造される。ナノ構造を使用することによって、成膜、特にエピタキシャル成膜された高品質の半導体材料が確実に得られる。したがって、レーザダイオードの電気的性質および光学的性質が向上する。エピタキシャル成膜された第1のミラー層16を使用することによって、所望の半導体結晶構造を予め規定することができる。この結晶構造もまた、コア3および/またはゾーン層4のエピタキシャル成膜時に引き継がれる。
【0072】
さらに、上記結晶情報はまた、第2のミラー層および第2のミラー層に設けられる第1の接触層5のみが使用される場合に実現されることができる。かかる実施形態では、この結晶情報は、第2のミラー層13によって予め規定され、第1の接触層5の薄さのために、エピタキシャル成膜中にコア3に転写される。
【0073】
本特許出願は、独国特許出願第102013211707.8号の優先権を主張し、その開示内容は参照によって本明細書に援用される。