(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
動的に表示が変化する動的コンテンツを表示するための表示領域が配置されたページであって、当該ページの全領域のうち一部の領域が表示画面内に表示され、且つ、前記ページの閲覧者の操作に応じて前記表示画面内に表示される領域が変移する前記ページから前記表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定する特定手段と、
前記閲覧者の操作に応じて前記対象コンテンツとは異なる他のコンテンツが前記表示画面内に表示された継続時間を特定することで、前記対象コンテンツの推定露出時間を決定する決定手段と、
前記対象コンテンツの特徴的な部分を決定する特徴部分決定手段と、
前記特徴部分決定手段により決定された前記特徴的な部分が前記推定露出時間内に表示されるように表示態様を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、コンテンツ表示システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0031】
[1.コンテンツ表示システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの構成及び概要機能について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、コンテンツ表示システムSは、コンテンツ提供サーバ1、クライアント端末2、及びユーザ情報管理サーバ3等を含んで構成される。コンテンツ表示システムSは、本発明の情報処理システムの一例である。コンテンツ提供サーバ1、クライアント端末2、及びユーザ情報管理サーバ3は、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。なお、ユーザ情報管理サーバ3は、コンテンツ提供サーバ1に組み込まれてもよい。
【0032】
コンテンツ提供サーバ1は、例えば、ショッピングサイト、オークションサイト、旅行予約サイト、宿泊予約サイト、施設利用予約サイト、ブログサイト、またはSNS(Social Networking Service)サイト等のWebサイトを提供するサーバである。なお、本実施形態では、コンテンツ提供サーバ1(Webサイト)からクライアント端末2へ提供されて表示されるページ(Webページ)を適用した場合を例にとって説明するが、クライアント端末2にインストールされるアプリケーションにより表示されるページを適用してもよい。また、Webサイトから提供されるページは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等の構造化文書及び画像データ等により構成される。クライアント端末2は、ブラウザによりWebサイトのURLを指定することで、Webサイトから提供されたページをディスプレイ上に表れた表示画面に表示する。この表示画面は、例えばブラウザのウインドウ等のアクティブな表示領域(フレームともいう)を意味する。
【0033】
このようなページには、動的に表示が変化する動的コンテンツを表示するための表示領域(以下、「コンテンツ表示領域」という)等の複数の領域が配置されている。1つのページにコンテンツ表示領域が複数配置される場合もある。なお、ページには、動的に表示が変化しない静的コンテンツを表示するためのコンテンツ表示領域が配置される場合もある。以下の説明において、動的コンテンツと静的コンテンツを総称してコンテンツという場合がある。コンテンツ表示領域には、それぞれに固有の領域ID(領域を識別する識別情報)が割り当てられている。動的コンテンツは、例えば複数の画像(画像フレームともいう)から構成される動画データを少なくとも含んで構成される。ここで、動画データには、一般的にビデオ撮影された動きのあるオブジェクト(人物や乗物等)を表すの複数の画像から構成される場合もあるし、複数のアニメーション画像から構成される場合もあるし、或いは、互いに関連しない複数の画像(1つ1つが独立した内容を表す広告画像等)から構成される場合もある。また、動的コンテンツは、動画データと、当該動画データの再生に同期して音声出力される音声データとから構成される場合もある。また、動的コンテンツは、動画データと、当該動画データの再生に同期して表示される字幕(文字列)を示すテキストデータとから構成される場合もある。さらに、動的コンテンツは、動画データと、音声データと、テキストデータとから構成される場合もある。また、動的コンテンツとして表示される情報には、例えばWebサイトの運営者やWebサイトの開設者(例えば、ブロガーのページ管理者)等により作成された取引対象となる商品等の紹介(例えば広告)や観光地の紹介等の情報が含まれるが、特に限定されるものではない。なお、動的コンテンツを含むコンテンツは、例えばコンテンツ提供サーバ1内に格納される。また、動的コンテンツを含むコンテンツには、例えば取引対象の詳細情報を提供するWebサイトや取引対象の注文手続を行うWebサイトへのリンク(ハイパーリンク)が設定される場合もある。また、ページのサイズ(ページの全領域の面積)は、クライアント端末2の表示画面のサイズより大きく(広く)なっている。このため、ページの全領域のうち一部の領域が表示画面内に表示され、且つ、ページの閲覧者の操作(例えば、スクロール操作、ページダウン操作、またはページアップ操作等)に応じて表示画面内に表示される領域が変移するようになっている。なお、ページの中には、当該ページで取り扱われる情報の分類や検索のために付与されたタグがWebページ中に埋め込まれているものも存在する。タグには、例えば、商品カテゴリ、時事(出来事)、及びジャンル等が含まれる。
【0034】
ユーザ情報管理サーバ3は、クライアント端末2のユーザのユーザ情報を管理するサーバである。クライアント端末2のユーザは、Webサイトから提供されたページの閲覧者となる。ユーザ情報管理サーバ3は、ユーザのユーザID(ユーザを識別する識別情報)、パスワード、性別、年齢、嗜好情報、連絡先(電子メールアドレス等)、検索履歴、閲覧履歴、ブックマーク登録履歴、及び購入履歴等を含むユーザ情報を格納するユーザ情報データベースを備える。ユーザID及びパスワードは、ユーザがシステムにログインするために必要な認証情報である。嗜好情報の例として、例えばユーザが興味や関心のある商品カテゴリ、ユーザが興味や関心のある時事、及びユーザが興味や関心のあるジャンル(例えば、スポーツ、ビジネス、経済、芸術、技術等)が挙げられる。商品カテゴリは、商品を区分するためものであり、大別すると、例えば、家電、食品、ファッション、インテリア、書籍等に区分される。また、家電は、さらに、例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ等に区分され、カメラは、さらに、例えば、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ等に区分される。
【0035】
ユーザの嗜好情報は、ユーザ情報管理サーバ3にアクセスしたクライアント端末2からの登録要求に応じてユーザ情報データベースに格納されてもよいし、所定のWebサイトを実施されたアンケート結果から取得されてもよい。或いは、ユーザの嗜好情報は、ユーザの検索履歴、閲覧履歴、ブックマーク登録履歴、及び購入履歴のうちの少なくとも何れか1つの履歴情報に基づいて特定され適宜のタイミングで更新されてもよい。なお、検索履歴には、1または複数のワードから構成される検索クエリ、及び検索日付(日付とは、例えば年月日、時刻を含んでもよい)等が対応付けられて含まれる。閲覧履歴には、ページに掲載される情報、及び閲覧日付等が対応付けられて含まれる。ページに掲載される情報には、例えば商品の商品カテゴリ、時事、または情報のジャンル等が含まれる。ブックマーク登録履歴には、ブックマーク登録された商品の名称や商品特定情報(例えば商品IDや商品コード)、及びブックマーク登録日付等が対応付けられて含まれる。購入履歴には、購入された商品の名称や商品特定情報(例えば商品IDや商品コード)、及び購入日付等が対応付けられて含まれる。これらの履歴情報は、ユーザIDをキーとして、コンテンツ提供サーバ1により提供されるWebサイトの他、検索サイト等の様々なWebサイトから所定のタイミングでユーザ情報管理サーバ3により取得され、ユーザ情報データベースに格納される。
【0036】
図2(A)は、本実施形態に係るコンテンツ提供サーバ1の概要構成例を示すブロック図である。
図2(A)に示すように、コンテンツ提供サーバ1は、通信部11、記憶部12、入出力インターフェース部13、及びシステム制御部14等を備える。システム制御部14と入出力インターフェース部13とは、システムバス15を介して接続されている。通信部11は、ネットワークNWに接続して通信状態の制御を行う。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(O/S),及びサーバプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部12には、Webサイトに対応する記憶領域が設けられており、当該記憶領域には、WebサイトのURL、ページを構成する構造化文書等のデータ、及び当該ページに配置されたコンテンツ表示領域の情報が記憶されている。ここで、コンテンツ表示領域の情報には、当該コンテンツ表示領域の領域ID、及び当該コンテンツ表示領域に表示される動的コンテンツ等が含まれる。ページに複数のコンテンツ表示領域が配置された場合、それぞれのコンテンツ表示領域毎に、コンテンツ表示領域の情報が記憶される。なお、ページを構成する構造化文書等のデータ、及び当該ページに配置されたコンテンツ表示領域の情報等は、クライアント端末2からのページ要求に応じて、当該クライアント端末2へ送信されることになる。システム制御部14は、CPU(Central Processing Unit)14a(プロセッサ),ROM(Read Only Memory)14b,及びRAM(Random Access Memory)14c等を備え、後述する処理を実行する。
【0037】
図2(B)は、本実施形態に係るクライアント端末2の概要構成例を示すブロック図である。
図2(B)に示すように、クライアント端末2は、操作部21、表示部22、通信部23、記憶部24、入出力インターフェース部25、及びシステム制御部26等を備える。そして、システム制御部26と入出力インターフェース部25とは、システムバス27を介して接続されている。操作部21は、例えば、キーボード及びマウス等を備える。表示部22は、上述したページを表示するための表示画面を有する。なお、操作部21と表示部22とを兼ねるタッチパネルが適用されてもよい。通信部23は、ネットワークNWに接続して通信状態の制御を行う。記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(O/S),アプリケーション,及びブラウザ等の各種プログラムを記憶する。システム制御部26は、CPU26a(プロセッサ),ROM26b,及びRAM26c等を備え、後述する処理を実行する。なお、クライアント端末2には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、または携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能である。
【0038】
以上の構成において、コンピュータとしてのシステム制御部14またはシステム制御部26は、本発明の情報処理プログラムにしたがって、後述するコンテンツ表示処理を実行する。なお、情報処理プログラムは、所定のサーバ等からネットワークNWを介してダウンロードされて記憶部12または記憶部24に記憶される。或いは、情報処理プログラムは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部12または記憶部24に記憶されるようにしてもよい。
【0039】
図2(C)は、システム制御部14またはシステム制御部26における機能ブロックの一例を示す図である。上記コンテンツ表示処理において、システム制御部14(システム制御部14内のプロセッサ)またはシステム制御部26(システム制御部26内のプロセッサ)は、
図2(C)に示すように、対象コンテンツ特定部101、推定露出時間決定部102、興味度算出部103、特徴部分決定部104、及び表示制御部105等として機能する。なお、対象コンテンツ特定部101は、本発明における特定手段の一例である。推定露出時間決定部102は、本発明における決定手段の一例である。興味度算出部103は、本発明における算出手段の一例である。特徴部分決定部104は、本発明における特徴部分決定手段の一例である。表示制御部105は、本発明における表示制御手段の一例である。
【0040】
対象コンテンツ特定部101は、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、ページに配置されたコンテンツ表示領域のコンテンツのうち、表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定する。表示画面内に表示されていない動的コンテンツが複数ある場合、それぞれの動的コンテンツが対象コンテンツとして特定されてもよいし、当該複数の動的コンテンツのうち何れか1つの動的コンテンツ(例えば表示画面内に最も早く表示される位置に配置される動的コンテンツ)が対象コンテンツとして特定されてもよい。
【0041】
推定露出時間決定部102は、ページの閲覧者の操作(例えば、スクロール操作、ページダウン操作、またはページアップ操作等)に応じて、表示画面内に表示されていない上記対象コンテンツが当該表示画面内に表示されるものとして推定される推定露出時間を決定する。この推定露出時間は、現時点では表示画面内にまだ表示されていない対象コンテンツが表示画面内に現れてから(つまり、フレームインしてから)、当該表示画面外へ出る(消える)まで(つまり、フレームアウトするまでの)の推定時間長を示す。例えば、推定露出時間決定部102は、ページの閲覧者の操作に応じてページが変移する速度(例えば、スクロール速度等の変移速度)と表示画面のサイズ(つまり、スクロール方向等の変移方向における表示画面のサイズ)とに基づいて推定露出時間を決定する。これにより、実際の露出時間に合った精度の高い推定露出時間を決定することができる。
【0042】
図3は、ページがスクロールするときの当該ページと表示画面との関係の一例を示す図である。
図3の例では、ページにはコンテンツC1〜C18が配置(それぞれのコンテンツ表示領域に配置)されており、このうち、コンテンツ(動的コンテンツ)C5が対象コンテンツとして特定されたものとする。
図3(A)の例では、対象コンテンツC5が表示画面内に表示されておらず、
図3(B)の例(未来の時点)では、対象コンテンツC5が表示画面内に現れて表示され、
図3(C)の例(未来の時点)では、対象コンテンツC5が表示画面外へ出ている。ここで、ページのスクロール速度(例えば平均値、最大値、または最小値でもよい)がXmm/秒であるとし、スクロール方向における表示画面のサイズ(
図3の例では、縦サイズ)がYmmであるとすると、推定露出時間は、表示画面のサイズYをスクロール速度Xで割った値として算出される。このように、推定露出時間は、対象コンテンツC5が露出している間の積算量として捉えることができる。また、推定露出時間は、対象コンテンツC5に対する閲覧者の関心を維持することができる時間ということもできる。
【0043】
なお、推定露出時間決定部102は、ページの閲覧者の操作に応じて対象コンテンツとは異なる他のコンテンツ(例えば、
図3(A)に示すコンテンツC2)が表示画面内に表示された継続時間を特定することで推定露出時間を決定してもよい。この継続時間は、当該他のコンテンツが表示画面内に実際に表示されていた時間(つまり、当該他のコンテンツが表示画面内に現れてから、当該表示画面外へ出るまでの計測時間長を示す。この決定方法によっても、実際の露出時間に合った精度の高い推定露出時間を決定することができる。なお、対象コンテンツとは異なる他のコンテンツは、対象コンテンツと関係性の高いコンテンツであるとよい。例えば、他のコンテンツの例として、対象コンテンツと共通または関連するキーワードを含むコンテンツ、対象コンテンツと共通または関連するタグを含むコンテンツ、対象コンテンツと共通または関連するカテゴリやジャンルに属するコンテンツなどが挙げられる。
【0044】
また、推定露出時間決定部102は、ページの閲覧者の対象コンテンツへの興味度が高いほど上記推定露出時間が短くなるように決定してもよい。これにより、より効果的な対象コンテンツの提示のための推定露出時間を決定することができる。これは、閲覧者の対象コンテンツへの興味度が高いほど、短い推定露出時間内に対象コンテンツ(動的コンテンツ)の特徴的な部分の露出を担保する趣旨である。この結果、閲覧者に注目され易い(言い換えれば、一見して把握され易い)特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。この場合、興味度算出部103は、例えばユーザ情報管理サーバ3からページの閲覧者の嗜好情報を取得(当該閲覧者のユーザIDをキーとして取得)し、当該取得した嗜好情報に基づいて、対象コンテンツに対する当該閲覧者の興味度を算出する。例えば、興味度算出部103は、対象コンテンツに含まれる情報中に、閲覧者の嗜好情報が示す商品カテゴリ、時事、またはジャンルがあるかを検索し、検索によりヒットした数が高いほど当該閲覧者の興味度を高く算出する。例えば、当該ヒット数が0のときは興味度を1とし、当該ヒット数が1以上5未満のときは興味度を2とし、当該ヒット数が5以上10未満のときは興味度を3として算出される。そして、この場合、推定露出時間決定部102は、例えば、興味度が高いほど小さくなる係数(例えば、興味度が1のときは係数は1、興味度が2のときは係数は0.9、興味度が3のときは係数は0.8)を、上記決定(仮決定)された推定露出時間に乗算することで当該推定露出時間を決定(つまり、補正して最終決定)する。
【0045】
また、推定露出時間決定部102は、対象コンテンツよりも先に表示される他のコンテンツであって閲覧者の興味度が相対的に高い当該他のコンテンツと対象コンテンツとのページ上の位置が近い(距離が短い)ほど推定露出時間が短くなるように決定してもよい。これにより、より効果的な対象コンテンツの提示のための推定露出時間を決定することができる。これは、興味度が相対的に高い他のコンテンツと対象コンテンツとのページ上の位置が近いほど、短い推定露出時間内に対象コンテンツ(動的コンテンツ)の特徴的な部分の露出を担保する趣旨である。この結果、閲覧者の興味度が相対的に高い他のコンテンツが先に表示されても、閲覧者に注目され易い特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。この場合、興味度算出部103は、例えばユーザ情報管理サーバ3からページの閲覧者の嗜好情報を取得し、当該取得した嗜好情報に基づいて、対象コンテンツに対する当該閲覧者の興味度を算出し、且つ、当該対象コンテンツよりも先に表示される他のコンテンツに対する当該閲覧者の興味度を算出する。この場合の興味度の算出方法は上記と同様である。そして、推定露出時間決定部102は、例えば、当該他のコンテンツに対する閲覧者の興味度と、対象コンテンツに対する閲覧者の興味度とを比較し、当該他のコンテンツに対する閲覧者の興味度が対象コンテンツに対する閲覧者の興味度以上である(或いは高い)場合、当該他のコンテンツと対象コンテンツとのページ上の距離(例えばそれぞれのコンテンツ表示領域の中心座標間の距離)が近いほど小さくなる係数(例えば、距離が1未満のときは係数は0.8、距離が1以上2未満のときは係数は0.9、距離が2以上3未満のときは係数は1)を、上記決定された推定露出時間に乗算することで当該推定露出時間を決定(補正)する。
【0046】
なお、対象コンテンツよりも先に表示される他のコンテンツが複数存在する場合、それぞれの他のコンテンツに対する当該閲覧者の興味度が算出され、複数の他のコンテンツの中で閲覧者の興味度が例えば最も高い他のコンテンツが選定される。この場合、推定露出時間決定部102は、選定された他のコンテンツに対する閲覧者の興味度と、対象コンテンツに対する閲覧者の興味度とを比較し、当該選定された他のコンテンツに対する閲覧者の興味度が対象コンテンツに対する閲覧者の興味度以上である(或いは高い)場合、当該選定された他のコンテンツと対象コンテンツとのページ上の距離が近いほど小さくなる係数を、上記決定された推定露出時間に乗算することで当該推定露出時間を決定(補正)する。或いは、対象コンテンツよりも先に表示される他のコンテンツが複数存在する場合、推定露出時間決定部102は、それぞれの他のコンテンツに対する閲覧者の興味度と、対象コンテンツに対する閲覧者の興味度とをそれぞれを比較し、他のコンテンツに対する閲覧者の興味度が対象コンテンツに対する閲覧者の興味度以上である(或いは高い)割合が所定割合(例えば、50%)以上である場合、それらの他のコンテンツのページ上の距離が近い(つまり、当該複数の他のコンテンツの表示位置が固まっている)ほど、当該対象コンテンツの推定露出時間を短くするように決定(補正)してもよい。その他、表示位置が近い複数の他のコンテンツについて相対的な興味度の大小に応じて推定露出時間を補正するように構成してもよい。
【0047】
また、閲覧者の興味度が高いか否かに関わらず、推定露出時間決定部102は、対象コンテンツと同時期に表示画面内に表示される他のコンテンツの数が多いほど、推定露出時間が短くなるように決定してもよい。これにより、より効果的な対象コンテンツの提示のための推定露出時間を決定することができる。これは、対象コンテンツと同時期に表示画面内に表示される他のコンテンツの数が多いほど、短い推定露出時間内に対象コンテンツ(動的コンテンツ)の特徴的な部分の露出を担保する趣旨である。この結果、表示された多くのコンテンツの中で、閲覧者に注目され易い特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。この場合、推定露出時間決定部102は、対象コンテンツを中心として所定範囲(例えば、表示画面のサイズに対応する範囲)内に位置(例えば、コンテンツ表示領域の中心座標が位置)する他のコンテンツの数を算出する。そして、推定露出時間決定部102は、算出した他のコンテンツの数が多いほど小さくなる係数(例えば、当該コンテンツの数が5未満のときは係数は1、当該コンテンツの数が5以上10未満のときは係数は0.9、当該コンテンツの数が10以上のときは係数は0.8)を、上記決定された推定露出時間に乗算することで当該推定露出時間を決定(補正)する。なお、推定露出時間決定部102は、対象コンテンツと同時期に表示画面内に表示される他のコンテンツのコンテンツ表示領域が大きいほど、対象コンテンツの推定露出時間が短くなるように決定してもよい。この場合、推定露出時間決定部102は、表示範囲に占める他のコンテンツのコンテンツ表示領域の割合を算出する。そして、推定露出時間決定部102は、算出したコンテンツ表示領域の割合が大きいほど小さくなる係数(例えば、当該割合が10%未満のときは係数は1、当該割合が10%以上30%未満のときは係数は0.9、当該割合が40%以上のときは係数は0.8)を、上記決定された推定露出時間に乗算することで当該推定露出時間を決定(補正)する。
【0048】
特徴部分決定部104は、対象コンテンツから該対象コンテンツの特徴的な部分を決定する。例えば、対象コンテンツの特徴的な部分は、動的コンテンツの再生開始から再生終了までの再生時間の中の特定の再生区間(例えば、再生開始から1秒から4秒までの再生区間)において決定される。つまり、対象コンテンツの特徴的な部分は、当該対象コンテンツを構成する複数の画像(つまり、動画データを構成する画像)のうち、特定の再生区間に含まれる1つ以上の画像から決定される。なお、対象コンテンツの特徴的な部分は、動画のメインの部分(例えば起承転結の「結」などの山場部分)として予め指定されてもよいし、動的コンテンツが対象コンテンツとして特定される際に決定されてもよい。
【0049】
例えば、特徴部分決定部104は、対象コンテンツを構成する複数の画像のうち、当該対象コンテンツの提供者により任意に指定された1つ以上の画像を当該対象コンテンツの特徴的な部分として決定する。これにより、推定露出時間内に当該対象コンテンツの提供者の意図に沿った特徴的な部分(例えば、山場部分)の対象コンテンツを提示することが可能となる。なお、当該対象コンテンツの提供者により任意に指定された1つ以上の画像の情報(例えばシリアル番号や再生位置)については、例えばページの構造化文書内に対象コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域の領域IDに記述される。
【0050】
或いは、特徴部分決定部104は、対象コンテンツを構成する複数の画像うち、画像に表されるオブジェクト(人物や乗物等)の変化量が相対的に大きい1つ以上の画像を当該対象コンテンツの特徴的な部分として決定してもよい。これにより、対象コンテンツの提供者の手間をかけずに、推定露出時間内に閲覧者に注目され易い特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。ここで、上記オブジェクトは、ある画像において抽出され、当該抽出された画像より後に再生される画像において追跡される。特徴部分決定部104は、複数の画像において追跡されるオブジェクトを画するエッジの変化量とオブジェクト内の画素の変化量との少なくとも何れか一方の変化量を所定時間毎(または所定画像数毎)に算出し、その中で変化量が最も大きい複数の画像(言い換えれば、これらの画像が含まれる再生区間)を当該対象コンテンツの特徴的な部分として決定する。なお、動的コンテンツの再生時間において、変化量が最も大きい複数の画像を含む再生区間が複数箇所にある(つまり、各再生区間が連続しておらず間があいている)場合、特徴部分決定部104は、それぞれの再生区間に対応する特徴的な部分を特定する場合もある。
【0051】
また、動的コンテンツが動画データと、当該動画データの再生に同期して表示される字幕を示すテキストデータとから構成される場合、特徴部分決定部104は、対象コンテンツを構成する複数の画像のうち、字幕が表される1つ以上の画像(字幕が表示されない画像は対象外となる)を当該対象コンテンツの特徴的な部分として決定してもよい。これにより、対象コンテンツの提供者の手間をかけずに、推定露出時間内に閲覧者に注目され易い特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。
【0052】
また、動的コンテンツが動画データと、当該動画データの再生に同期して音声出力される音声データとから構成される場合、特徴部分決定部104は、対象コンテンツを構成する複数の画像のうち、例えば閾値以上の音圧レベルの音声が出力されるタイミングに同期して表示される1つ以上の画像(例えば音圧レベルが閾値未満のときの画像は対象外となる)を当該対象コンテンツの特徴的な部分として決定してもよい。これにより、対象コンテンツの提供者の手間をかけずに、推定露出時間内に閲覧者に注目され易い特徴的な部分の対象コンテンツを提示することが可能となる。
【0053】
表示制御部105は、例えばページの閲覧者の操作に応じて、または当該ページの閲覧者の操作をトリガとするページの自動スクロールに応じて、対象コンテンツの特徴的な部分が推定露出時間内に表示(表示画面内に表示)されるように当該対象コンテンツの表示態様を制御(言い換えれば、動画の再生開始位置を制御)する。例えば、表示制御部105は、対象コンテンツの再生時間と推定露出時間とを比較し、推定露出時間より再生時間が短い場合、対象コンテンツの再生時間において、特徴的な部分を含む再生区間で、且つ、当該推定露出時間に対応する再生区間(ここで、推定露出時間の時間長と再生区間の時間長とは必ずしも一致しなくてもよく、この時間長の差が閾値以下であればよい)を特定し、特定した再生区間の開始位置(動画の再生開始位置)から動画の再生を開始させる。
【0054】
図4は、対象コンテンツC5が表示されたときの表示画面例を示す図である。なお、
図4に示す対象コンテンツC5の再生時間(動画の再生時間)は10秒であるものとする。
図4(A)の例は、推定露出時間決定部102により決定された推定露出時間が10秒のときの対象コンテンツC5の表示例を示している。この場合、対象コンテンツC5の再生時間が10秒であるのに対し、推定露出時間が10秒と同等のため、対象コンテンツC5の再生開始位置(つまり、対象コンテンツC5の全部または一部が表示画面内に現れた時の再生開始位置)は、最初の画像1(通常の再生位置)からになっている。一方、
図4(B)の例は、推定露出時間決定部102により決定された推定露出時間が2秒のときの対象コンテンツC5の表示例を示している。この場合、対象コンテンツC5の再生時間が10秒であるのに対し、推定露出時間が2秒と短いので、対象コンテンツC5の特徴的な部分(例えば、この再生区間は2秒程度)が推定露出時間2秒以内に表示されるように、対象コンテンツC5の再生開始位置が画像6からになっている。つまり、この場合、対象コンテンツC5の全部または一部が表示画面内に現れた時、画像1〜5はスキップされて画像6から表示されることになる。これにより、動的コンテンツの特徴的な部分の露出を担保しつつ、閲覧者の操作に応じて変化する表示領域の表示時間に柔軟に対応することができる。
【0055】
なお、特徴部分決定部104により複数の再生区間に対応する特徴的な部分が特定された場合、表示制御部105は、対象コンテンツの複数の再生区間に対応する特徴的な部分が推定露出時間内に表示されるように、特定された再生区間と再生区間との間にある画像をスキップされて対象コンテンツの表示態様を制御してもよい。
図5は、特定された複数の再生区間に対応する特徴的な部分間にある画像がスキップされる場合の例を示す概念図である。
図5の例では、特徴的な部分1と特徴的な部分2とが特定されており、特徴的な部分1と特徴的な部分2との間がスキップ区間とされ、このスキップ区間に含まれる画像10〜12は表示対象から除外されることになる。すなわち、
図5の例では、対象コンテンツの全部または一部が表示画面内に現れた時、画像1〜5はスキップされて画像6〜9が表示され、画像10〜12はスキップされて画像13〜15が表示されることになる。
【0056】
[2.コンテンツ表示システムSの動作]
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの動作について説明する。
図6は、クライアント端末2のシステム制御部26により実行されるコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、システム制御部26により実行されるコンテンツ表示処理は、例えば、ページの構造化文書内に記述されたプログラム(スクリプト)にしたがって行われる。クライアント端末2のシステム制御部26は、ページの閲覧者の操作によりブラウザで指定されたWebサイトのURLに従ってコンテンツ提供サーバ1へアクセスしてページ要求を送信すると、当該コンテンツ提供サーバ1(当該Webサイト)からクライアント端末2へページが提供される。
【0057】
クライアント端末2のシステム制御部26は、コンテンツ提供サーバ1からのページを取得すると、
図6に示すコンテンツ表示処理を開始する。なお、クライアント端末2からコンテンツ提供サーバ1へのログイン要求により、クライアント端末2のユーザ(つまり、ページの閲覧者)のログインがなされた後に、
図6に示すコンテンツ表示処理が開始されてもよい。
図6に示す処理が開始されると、システム制御部26は、取得されたページをディスプレイ上に表れた表示画面に表示する(ステップS1)。
【0058】
次いで、システム制御部26(対象コンテンツ特定部101)は、ページに配置されたコンテンツ表示領域のコンテンツのうち、表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定する(ステップS2)。このとき、表示画面内に表示されていない動的コンテンツが複数ある場合、複数の対象コンテンツが特定されてもよいが
図6の例では、1つの特定コンテンツが特定されるものとする。なお、システム制御部26は、表示画面内に表示されているページの範囲(例えば座標)を示す情報をコンテンツ提供サーバ1へ送信することで、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、ページに配置されたコンテンツ表示領域のコンテンツのうち表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定してもよい。
【0059】
次いで、システム制御部26(特徴部分決定部104)は、ステップS2で特定された対象コンテンツから、上述したように、当該対象コンテンツの特徴的な部分を決定する(ステップS3)。次いで、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったか否かを判定する(ステップS4)。システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作がないと判定した場合(ステップS4:NO)、処理をステップS5へ進める。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったと判定した場合(ステップS4:YES)、処理をステップS6へ進める。
【0060】
ステップS5では、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったか否かを判定する。システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったと判定した場合(ステップS5:YES)、コンテンツ表示処理を終了する。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作がないと判定した場合(ステップS5:NO)、処理をステップS4に戻す。ステップS6では、システム制御部26は、ページを変移させる操作に応じてページの変移(例えば、スクロール)を開始する。
【0061】
次いで、システム制御部26(推定露出時間決定部102)は、閲覧者の操作に応じて、上述したように、表示画面内に表示されていない上記対象コンテンツが当該表示画面内に表示されるものとして推定される推定露出時間を決定する(ステップS7)。このとき、閲覧者がログインしている場合、システム制御部26(興味度算出部103)は、当該閲覧者のユーザIDをキーとして、ユーザ情報管理サーバ3から当該閲覧者の嗜好情報を取得し、当該取得した嗜好情報に基づいて、上述したように、当該対象コンテンツに対する当該閲覧者の興味度を算出してもよい。この場合、システム制御部26(推定露出時間決定部102)は、上述したように、例えば閲覧者の当該対象コンテンツへの興味度が高いほど当該推定露出時間を補正したり、或いは当該対象コンテンツよりも先に表示される他のコンテンツであって閲覧者の興味度が相対的に高い当該他のコンテンツと当該対象コンテンツとのページ上の位置が近いほど当該推定露出時間が短くなるように補正する。なお、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、当該推定露出時間を決定してもよい。
【0062】
次いで、システム制御部26は、上記対象コンテンツが表示画面内に入ったか(表示されたか)否かを判定する(ステップS8)。システム制御部26は、対象コンテンツが表示画面内に入ったと判定した場合(ステップS8:YES)、処理をステップS9に進める。一方、システム制御部26は、対象コンテンツが表示画面内に入っていないと判定した場合(ステップS8:NO)、処理をステップS10に進める。
【0063】
ステップS9では、システム制御部26は、ページの変移が終了したか否かを判定する。システム制御部26は、ページの変移が終了していないと判定した場合(ステップS9:NO)、処理をステップS8に戻す。一方、システム制御部26は、ページの変移が終了したと判定した場合(ステップS9:YES)、処理をステップS2に戻す。
【0064】
ステップS10では、システム制御部26(表示制御部105)は、上述したように、上記対象コンテンツの特徴的な部分が推定露出時間内に表示されるように当該対象コンテンツの表示態様を制御する(例えば、対象コンテンツの途中の再生位置から再生を開始させて当該対象コンテンツを表示させる)。なお、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、上記対象コンテンツの特徴的な部分が推定露出時間内に表示されるように当該対象コンテンツの表示態様を制御してもよい(例えば、システム制御部26のブラウザに対象コンテンツの再生開始位置の指定データを送信することで対象コンテンツの途中の再生位置から再生開始させる)。
【0065】
次いで、システム制御部26は、上記対象コンテンツが表示画面外へ出たか(消去されたか)否かを判定する(ステップS11)。システム制御部26は、対象コンテンツが表示画面外へ出ていないと判定した場合(ステップS11:NO)、処理をステップS12に進める。一方、システム制御部26は、上記対象コンテンツが表示画面外へ出たと判定した場合(ステップS11:YES)、当該対象コンテンツの表示態様の制御を終了し、処理をステップS13に進める。
【0066】
ステップS12では、システム制御部26は、ページの変移が終了したか否かを判定する。システム制御部26は、ページの変移が終了していないと判定した場合(ステップS12:NO)、処理をステップS10に戻し、上記対象コンテンツの表示態様の制御を継続する。例えば、対象コンテンツの再生を継続させ、上述したように、対象コンテンツ中にスキップ区間がある場合、スキップ区間に含まれる画像を除外して対象コンテンツ中の画像を表示画面内に表示させる。一方、システム制御部26は、ページの変移が終了したと判定した場合(ステップS12:YES)、処理をステップS2に戻す。
【0067】
ステップS13では、システム制御部26は、ページの変移が終了したか否かを判定する。システム制御部26は、ページの変移が終了していないと判定した場合(ステップS13:NO)、処理をステップS13に戻す。一方、システム制御部26は、ページの変移が終了したと判定した場合(ステップS13:YES)、処理をステップS2に戻す。
【0068】
以上説明したように、上記実施形態によれば、コンテンツ表示システムSでは、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、当該ページに配置されたコンテンツ表示領域のコンテンツのうち、表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定し、ページの閲覧者の操作に応じて、表示画面内に表示されていない上記対象コンテンツの推定露出時間を決定し、当該対象コンテンツの特徴的な部分が推定露出時間内に表示されるように当該対象コンテンツの表示態様を制御するように構成したので、動的コンテンツの特徴的な部分の露出を担保しつつ、閲覧者の操作に応じて変化する表示領域の表示時間に柔軟に対応することができる。
コンテンツ表示システムSでは、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、当該ページに配置されたコンテンツ表示領域のコンテンツのうち、表示画面内に表示されていない動的コンテンツを対象コンテンツとして特定し、ページの閲覧者の操作に応じて、表示画面内に表示されていない上記対象コンテンツの推定露出時間を決定し、当該対象コンテンツの特徴的な部分が推定露出時間内に表示されるように当該対象コンテンツの表示態様を制御する。