(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194438
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20170828BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/00 170
H02J3/00 180
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-233453(P2016-233453)
(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公開番号】特開2017-123155(P2017-123155A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】特願2016-9247(P2016-9247)
(32)【優先日】2016年1月4日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500477229
【氏名又は名称】楠 信子
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 裕史
(72)【発明者】
【氏名】越智 隆史
【審査官】
衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−93056(JP,A)
【文献】
特開2010−257088(JP,A)
【文献】
特開2005−004650(JP,A)
【文献】
特開2011−154525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
H02J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置、計算手段、編集手段、受信手段、及び、送信手段を備え、
電気、ガス又は水道の小売りを行う会社又は団体の情報端末と通信可能に接続されているとともに、電気、ガス又は水道の使用量を前記会社又は団体の顧客毎に計測する使用量計測システムと通信可能に接続されており、
電気、ガス又は水道の使用料金を計算する料金計算システムであって、
前記記憶装置は、
少なくとも、前記使用料金の定価を定める定価料金計算係数、前記定価に対して割引又は増額を行った特定料金計算係数、及び、顧客に関する情報を相互に関連付けて格納しており、
前記受信手段が、顧客に関する情報に関連付けられた使用量に関する情報を前記使用量計測システムから受信するとともに、指定日時に関する情報を前記会社又は団体の情報端末から受信した場合は、
前記計算手段は、
前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出するとともに、前記定価料金計算係数を使用して指定日時以外の日時に係る使用料金を顧客毎に算出し、
前記編集手段は、
前記算出した使用料金を記載した請求書データを顧客毎に編集し、
前記送信手段は、
前記編集した請求書データを顧客の情報端末又は情報開示システムに送信する、又は、顧客宛に送付される紙に出力し、
前記顧客に関する情報が、介護施設の情報、又は、同居家族に要介護認定を受けている者がいる旨の情報を含む場合は、
前記計算手段は、
所定の定価に対して割引を行った前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出すること、
を特徴とする料金計算システム。
【請求項2】
前記顧客に関する情報が、同居家族の年齢を含み、前記年齢が所定の閾値以上又は以下である場合は、
前記計算手段は、
所定の定価に対して割引を行った前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の料金計算システム。
【請求項3】
前記計算手段は、
前記要介護認定の区分毎に、所定の定価に対する割引率を決定すること、
を特徴とする請求項2に記載の料金計算システム。
【請求項4】
記憶装置、計算手段、編集手段、受信手段、及び、送信手段を備え、
電気、ガス又は水道の小売りを行う会社又は団体の情報端末と通信可能に接続されているとともに、電気、ガス又は水道の使用量を前記会社又は団体の顧客毎に計測する使用量計測システムと通信可能に接続されており、
電気、ガス又は水道の使用料金を計算する料金計算システムであって、
前記記憶装置は、
少なくとも、前記使用料金の定価を定める定価料金計算係数、前記定価に対して割引又は増額を行った特定料金計算係数、及び、顧客に関する情報を相互に関連付けて格納しており、
前記受信手段が、顧客に関する情報に関連付けられた使用量に関する情報を前記使用量計測システムから受信するとともに、指定日時に関する情報を前記会社又は団体の情報端末から受信した場合は、
前記計算手段は、
前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出するとともに、前記定価料金計算係数を使用して指定日時以外の日時に係る使用料金を顧客毎に算出し、
前記編集手段は、
前記算出した使用料金を記載した請求書データを顧客毎に編集し、
前記送信手段は、
前記編集した請求書データを顧客の情報端末又は情報開示システムに送信する、又は、顧客宛に送付される紙に出力し、
前記記憶装置が、前記顧客に関する情報に関連付けて、前記顧客の居住地域の気温に対して適用される気温閾値を記憶しており、かつ、前記受信手段が、前記気温を受信した場合は、
前記計算手段は、
前記受信した気温と前記気温閾値との大小関係に基づき、前記指定日時を決定すること、
を特徴とする料金計算システム。
【請求項5】
前記気温閾値は、
猛暑日を示す気温であり、
前記計算手段は、
所定の定価に対して割引を行った前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出すること、
を特徴とする請求項4に記載の料金計算システム。
【請求項6】
記憶装置、計算手段、編集手段、受信手段、及び、送信手段を備え、
電気、ガス又は水道の小売りを行う会社又は団体の情報端末と通信可能に接続されているとともに、電気、ガス又は水道の使用量を前記会社又は団体の顧客毎に計測する使用量計測システムと通信可能に接続されており、
電気、ガス又は水道の使用料金を計算する料金計算システムであって、
前記記憶装置は、
少なくとも、前記使用料金の定価を定める定価料金計算係数、前記定価に対して割引又は増額を行った特定料金計算係数、及び、顧客に関する情報を相互に関連付けて格納しており、
前記受信手段が、顧客に関する情報に関連付けられた使用量に関する情報を前記使用量計測システムから受信するとともに、指定日時に関する情報を前記会社又は団体の情報端末から受信した場合は、
前記計算手段は、
前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出するとともに、前記定価料金計算係数を使用して指定日時以外の日時に係る使用料金を顧客毎に算出し、
前記編集手段は、
前記算出した使用料金を記載した請求書データを顧客毎に編集し、
前記送信手段は、
前記編集した請求書データを顧客の情報端末又は情報開示システムに送信する、又は、顧客宛に送付される紙に出力し、
前記顧客に関する情報が、前記顧客が身体的若しくは精神的ハンデキャップを有することを示す場合、又は、前記顧客が非課税世帯若しくは生活保護世帯に属することを示す場合は、
前記計算手段は、
所定の定価に対して割引を行った前記特定料金計算係数を使用して指定日時に係る使用料金を顧客毎に算出すること、
を特徴とする料金計算システム。
【請求項7】
前記料金計算システムは、
住所確認手段を有し、
前記受信手段が、前記顧客が身体的若しくは精神的ハンデキャップを有することを証明する書類、又は、前記顧客が非課税世帯若しくは生活保護世帯に属することを証明する書類を受け取った場合は、
前記住所確認手段は、
前記書類に記載されている前記顧客の住所が、前記使用料金の請求書に記載されている前記顧客の住所に一致するか否かを判断することによって、前記特定料金計算係数を使用することを決定すること、
を特徴とする請求項6に記載の料金計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気、ガス又は水道(以下「電気等」という)の使用者である顧客(以下「顧客」という)に対して、電気等の小売りを行う企業や団体(以下「電気等の小売会社」という)が、電気等の使用料金を計算又は請求する場合に、予め指定した日や時間帯(例えば最高気温が35℃以上の猛暑日、というような予め指定した気温が日中に記録された日や時間帯)について、予め指定した条件毎に対応する割引き又は増額の計算係数を用いて計算するための、指定する日時について割引き又は増額の機能付きの電気等の使用料金計算システムである。
【背景技術】
【0002】
従来から、公知の技術として、電気の販売を行う会社が顧客に電気使用料金を計算し請求する場合に、予め指定した夜間等の時間帯の電気使用料金を割引いて計算し電気使用料金を請求する、夜間電気料金の計算及び請求を行うシステムは存在した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の背景技術のシステムでは、毎日の時間の内の指定した、例えば夜間等の同一時間帯についての電気使用料金を割引いて計算及び請求を行うことは出来た。しかし、随時、指定された気温が発生した日時や顧客の状況に対応して、その都度、指定した割引又は増額する料金体系を適用し、電気等の使用料金を割引いて又は増額して計算及び請求を行うことは出来なかった。及び、最高気温が35℃以上である猛暑日について又は35℃以上となった時間帯について指定した割引率を用いた電気等の使用料金を計算及び請求することも出来なかった。そこで、それらの情報処理が出来るシステム又は機能が望まれていいた。また、それらの技術を用いた、猛暑日他の指定された気温が発生した日時又は指定した日時や時間帯についての、指定した年齢や要介護認定者や各種の社会的弱者の方々がいる家庭や施設に向けた、熱中症対策サービスを含めた電気等の使用料金の値引きを計算して提供できる技術が望まれていた。
【0004】
また、水道用ダムの貯水量が減った節水が必要な時期には、水道を提供する公共団体他より水道の利用者に対して、節水の呼び掛けや取水制限が行われてきた。しかし、その時期に、指定する顧客や日時に対して、水道料金を割り増して請求するサービスやシステムはなかった。及び、電気の使用のピークである、最高気温が35℃以上の猛暑日等の暑い日の昼間において、指定した年齢や又は要介護認定者や各種の社会的弱者の方々のいる家庭や施設以外の一般の顧客に向けて、電気料金を割り増して請求するサービスやシステムはなかった。それらのサービスやシステムがあれば、電気や水道の使用節約に無理がない方々や施設に対しては、使用料金の割り増しを行うことによって、電気や水道の使用の節約を促す事が出来るので、それを実現するシステムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1にかかる発明は、電気、ガス、又は水道(以下「電気等」という)の使用料金(以下「使用料金」という)の計算時に、電気等の使用料金(以下「使用料金」という)を割引く又は割増することを指定した日、時間又は時間帯(以下「指定日時」という)に係る使用料金については、予め定価として定められている使用料金を算出する計算係数(以下「定価料金計算係数」という)を用いて、及び指定日時に係る使用料金を定価から割引き又は増額を行い算出する計算係数(以下「特定料金計算係数」という)を用いて使用料金を計算する機能を有した、指定日時の割引き又は割増の機能付き電気等料金計算システムであって、前記電気等料金計算システムは、記憶装置、計算手段、編集手段、受信手段及び送信手段を備え、電気等の小売りを行う会社又は団体(以下「電力等小売り会社」という)の情報端末と、指定期間内に電気等を使用した使用量(以下「使用量」という)に応じた使用料金を電力等小売り会社から請求を受ける法人又は個人である顧客(以下「顧客」という)毎の使用量を計測する電気等使用量計測システムとに通信可能にされており、前記記憶装置には、少なくとも定価料金計算係数と特定料金計算係数と顧客に係る情報(以下「顧客情報」という)とを格納しており、前記計算手段は顧客情報毎に請求する使用料金を計算し、前記編集手段は前記計算手段で計算された使用料金を顧客毎に請求する請求書データを編集し、前記受信手段は各種情報を受信する又は直接入力を受付け、前記送信手段は各種情報を送信する又は紙に出力する、といったそれぞれの機能を各手段が具備し、前記受信手段が、前記電気等使用量計測システムからの送信又は直接入力により顧客情報と紐付いた顧客毎の使用量に係る情報と、電力等小売り会社の情報端末からの送信又は直接入力により指定日時に係る情報とを受信した場合には、前記計算手段が指定日時に係る使用料金の算出には特定料金計算係数を適用し、及び指定日時以外の日又は時間帯については定価料金計算係数を適用して、顧客情報毎に係る使用料金を計算して算出し、前記編集手段が前記計算手段の算出した使用料金を記載した顧客情報毎に係る請求書データを編集し、前記送信手段が前記編集手段で編集された請求書データを顧客に係る情報端末や情報開示システムに送信する又は顧客宛に送付する為に紙に出力する事を特徴とする、指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システムである。
【0006】
かかる構成によれば、指定日時に係る顧客に請求する電気等の使用料金を、通常の定価の使用料金から割引又は割増しを行った使用料金として算出し請求することが出来る。
【0007】
請求項2にかかる発明は、介護施設である情報が含まれた顧客情報、又は同居家族に要介護認定を受けている人がいる情報が含まれた顧客情報に係る顧客に対しては、指定日時を設定して電気等の使用料金を割引くこと、を特徴とする請求項1に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システムである。
【0008】
かかる構成によれば、介護施設又は要介護認定を受けている家族がいる家庭の使用料金は、指定日時については、割引かれた使用料金として算出及び請求することが出来る。
【0009】
請求項3にかかる発明は、顧客情報に含まれる顧客又は同居家族の年齢が、指定した年齢以上又は年齢以下である場合には、特定料金計算係数を適用して使用料金を割引くことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0010】
かかる構成によれば、顧客又は同居の家族が、予め指定された年齢以上又は年齢以下である場合には、その顧客の家庭又は住居等に対して、指定日時については、割引かれた使用料金を算出及び請求することが出来る。これによって、例えば、後期高齢者(75歳以上)がいる家庭向けには、7月1日の0時から9月1日0時までを夏季の指定日時として、設定た割引き使用料金を算出及び請求することが出来るようになる。
【0011】
請求項4にかかる発明は、指定する地域又は顧客情報に係る地域の気温に係る情報(以下「気温情報」という)を収集して前記記憶装置に記憶する気温記録手段を具備し、予め前記記憶装置が指定日時を定める気温(以下「指定気温」という)を記憶しておき、前記受信手段が気温情報を受信した場合には、前記計算手段が前記記憶装置内の指定気温を参照して指定日時とするか否かを判断し、指定日時と判断した場合には、指定する地域又は顧客情報に係る使用料金の計算を、指定気温が発生した日又は時間帯について、特定料金計算係数を適用して算出することを、特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0012】
かかる構成によれば、予め定めた気温が発生し記録された地域の顧客には、その気温が発生し記録された日や時間帯について使用料金を割引いて計算及び請求することが出来る。
【0013】
請求項5にかかる発明は、前記指定気温を、最高気温が35℃以上となった猛暑日又は最高気温が35℃以上となった時間帯とすることを、特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0014】
かかる構成によれば、最高気温が35℃以上である猛暑日又は最高気温が35℃以上となった日や時間帯に割引いた電気等の使用料金を計算して顧客に請求することが出来る。
【0015】
請求項6にかかる発明は、顧客又は同居家族に係る要介護認定区分毎に、個々の特定料金計算係数を定めて適用し使用料金を算出することを、特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0016】
かかる構成によれば、顧客自身又は同居家族に要介護認定に係る区分(等級)毎に対応して、電気等の使用料金の割引き又は割増しを計算し請求することが出来るようになる。
【0017】
請求項7にかかる発明は、身体障害者認定や難病認定や各種の病気等の身体や精神等のハンデキャップや病気や症状を公的機関や指定機関から認定された人、非課税世帯、又は生活保護世帯であり保護対象と認識される人や家庭(以下「保護対象者」という)である顧客毎に対して、特定料金計算係数を定めて適用し使用料金を算出することを、特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0018】
かかる構成によれば、前記保護対象者又は要介護認定者の方々の居る、又はそのような方々のお世話をしている家庭や施設には、指定日時について、通常の定価の使用料金から割引きを行った使用料金として算出し請求することができ、例えば、ハンデキャップ毎の割引き料金体系を設定した電気等の使用料金体系の提供が出来るようになる。
【0019】
請求項8にかかる発明は、要介護認定者又は保護対象者に係る住所確認手段を具備し、前記受信手段が、要介護認定者又は保護対象者である事が証明された保険証他の書類に記載の「要介護認定者又は保護対象者に係る住所」と、電気等の使用料の請求書の記載されている「顧客の住所」とを比較して両方の住所が同一住所か否かを判断し、同一住所と判断した場合には、特定料金計算係数を適用して使用料金を算出することを特徴とする、請求項1ないし請求項7に記載の前記指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム計算システムである。
【0020】
かかる構成によれば、要介護認定者又は保護対象者の居る家庭や施設を、既存の要介護認定者又は保護対象者に対して公的機関等から発行されている書類を用いて判定し、使用料金の割引きを行う家庭や施設を特定又は設定することが出来るようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるシステム又は技術を活用することによって、顧客に請求する電気等の使用料金について、指定日時については、予め指定した割引や割増しを行う計算係数を用いて通常の電気等の定価として定められた使用料金から割引き又は割増された使用料金を計算して算出し請求することが出来るようになる。及び、地域毎に係る顧客に対して、その地域で指定された気温が発生又は記録された日や時間帯については、使用料金を割引き又は割増して、顧客に請求する使用料金を計算し請求することが出来るようになる。及び、顧客自身や顧客から申し出のあった同居家族が、指定された年齢以上又は以下であった場合や要介護認定を含めた各種のハンディキャップを持った人がいる家庭や施設に対しては、指定した日時について割引きされた使用料金の計算や請求が出来るようにもなる。
【0022】
また、最高気温が35℃以上になった猛暑日、又は最高気温が35℃以上となった日や時間帯について、及び、ジャンルを特定した顧客毎に請求する使用料金を、予め設定しておいた割引係数を用いて通常の定価で定めた使用料金から割引き又は割増して計算及び請求することが出来るようになる。これにより、例えば、猛暑日又は最高気温が35℃以上となった時間帯にエアコン等の冷房機器を節約して熱中症になるといった、最高気温が35℃以上の気温が発生した日や時間帯は、冷房機器の使用を電気料金を気にして控えがちな高齢者やハンディキャップを持った人やそれらの人のいる家庭向けの優しい熱中症対策(電気料金を気にせずにエアコン等の冷房機器が使用できる)となり、熱中症患者の発生を防止することが出来るようになる。又は、指定した年齢や又は要介護認定者や各種の社会的弱者の方々のいる家庭や施設以外の一般の顧客に向けては、電気料金を割り増して計算し請求が出来ることになることで、電気等の使用節約無理がない方々や施設に対しては、使用料金を割増すことが出来、それによって電気の節約を促す事が出来るよういになる。また、要介護認定(要支援1と2、要介護1から5)を受けた要介護認定者等のハンディキャップを持った人のいる、又はその方々への介護等を行う家庭や施設に対して、指定日時についての電気等の使用料金を予め設定した割引き料金体系を適用して計算し請求することも出来るようになる。
【0023】
及び、水道用ダムの貯水量が減った節水が必要な時期には、指定した顧客に対してのみに水道料金を割り増して請求することも出来るようになる事で、指定した年齢や又は要介護認定者や各種の社会的弱者の方々のいる家庭や施設以外である水道の使用節約に無理がない方々や施設に対してのみ水道の使用料金を割り増して請求する事ができることで、水道の使用節約を促す事が出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システムのブロック構成図
【
図2】指定日時又は猛暑日又は最高気温が35℃以上となった時間帯に係る割引率の1例を示す図
【
図4】要介護認定の区分(等級)が記載されている介護保険書の記載の1例
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0025】
次に、本発明の実施形態の1つの例を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システムのブロック構成図である。指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム(1)は、記憶装置(2)、計算手段(3)、編集手段(4)、受信手段(5)、及び送信手段(6)で構成されており、受信手段(5)と送信手段(6)は、インターネット等のネットワークに接続している。また、インターネット等のネットワークを経由して、電
気等小売り会社の情報端末(7)と、スマートメーター等を含む顧客毎の電気等の使用量を計測し連絡を行う電気等使用量計測システム(8)とに通信可能にされている。そして、前記記憶装置(2)には、定価料金計算係数(9)と特定料金計算係数(10)と顧客情報(11)とが記憶されている。
【0026】
まず、予め、電気等小売り会社の情報端末(7)から、受信手段(5)を経由して、定価料金計算係数(9)、特定料金計算係数(10)、顧客情報(11)、及び、特定料金計算係数(10)を適用する指定日時データ(12)とを、インターネット等のネットワーク経由で又は直接入力により受信し、前記記憶装置(2)に記憶しておく。
【0027】
その後、電気等使用
量計測システム(8)から、顧客情報(11)と紐付いた顧客情報毎に係る指定した期間内の電気等の使用量のデータ(以下「使用量データ(13)」という)が、インターネット等のネットワーク経由で送信され受信手段(5)が受信すると前記記憶装置(2)に前記顧客情報(11)と紐付けられて記憶される。また、使用量データ(13)内には使用量データに係る発生日時データ(14)も含まれて記載されている。
【0028】
顧客情報(11)と紐付いた使用量データ(13)を受信した受信手段(5)は、受信した使用量データ(13)を計算手段(3)に送る。すると、計算手段(3)は、使用量データ(13)内の使用量データに係る発生日時データ(14)を参照する及び記憶装置(2)から定価料金計算係数(9)と特定料金計算係数(10)と特定料金計算係数(10)を適用する指定日時データ(12)を抽出する。そして、特定料金計算係数(10)を適用する指定日時データ(12)に該当する指定日時に使用された使用量については
特定料金計算係数(
10)を適用して、及び特定料金計算係数(10)を適用する指定日時データ(12)に該当しない指定日時については定価料金計算係数(9)を適用して、それぞれの期間の使用料金を計算した上で合算して、顧客情報毎に請求する電気等の使用料金を算出する。そして、算出した使用料金を編集手段(4)に送り、編集手段(4)が顧客情報毎に請求する使用料金が記載された顧客情報毎に係る請求書データを編集する。そして、その編集された請求書データを、送信手段(6)が顧客情報毎に記載されている送信先に送信する、又は請求書として郵送等で発送するために紙に出力する。
【0029】
また、記憶装置(2)内の顧客情報(11)に含まれる「顧客の年齢」又は「同居を証明できる家族の年齢」が、予め指定された年齢以上または年齢以下と確認が出来た場合には、それらの「指定年齢の該当情報」を前記顧客情報(11)内に記載し、「指定年齢の該当情報」の記載された顧客情報(11)にのみ、特定料金計算係数(10)を適用して請求する使用料金を計算し算出するように設定が出来るようにしても良い。
【実施例2】
【0030】
次に、顧客自身、顧客の同居家族、又は顧客が介護を行っている家族に係る「要介護認定の区分(等級)を含めた各種のハンデキャップ毎」に対応した特定料金計算係数(10)用いて使用料金を計算し請求する場合の情報処理を説明する。まず、
図2に1例を示す、要介護認定の区分(等級)を含めた各種のハンデキャップ毎に係る「特定料金計算係数(10)」が電気等
小売り会社の情報端末(7)から送信されて受信手段(5)で受信し、記憶装置(2)に記憶しておく。その後、受信手段(5)が電気等使用量計測システム(8)から又は直接入力により、指定期間内に係る顧客情報(11)と紐付いた使用量データ(13)を受信した場合には、計算手段(3)が、使用量データ(13)を受信した顧客情報内にハンデキャップに該当する情報の記載があるか否かを確認し、記載ありと確認された場合には、例えば、
図2記載の難病認定ならば50%割引といったハンデキャップ毎に係る特定料金計算係数(10)を抽出し、指定日時に係る使用料データ(13)に適用して請求料金を算出し請求書データを編集して送信又は請求書として紙に出力する。
【実施例3】
【0031】
次に、気温記録手段(15)が、指定する地域又は顧客情報に係る地域で発生又は記録された気温の情報(以下「気温情報」という)を収集して記憶装置に記憶する。及び、受信手段(5)が使用料金の割引又は割増を行うように指定する気温情報を受信して記憶装置(2)に記憶する。そして、受信手段(5)が電気等使用量計測システム(8)から使用量データ(13)がインターネット等のネットワーク経由で送信され又は直接入力されて、前記受信手段(5)で受信する。使用量データ(
13)内には顧客情報(
11)及び使用量データ(
13)に係る発生日時データ(14)も記載されている。すると、記憶装置(2)に記憶されている割引を行う指定する気温情報に該当する時間帯については指定日
時データ(12)として特定料金計算係数(10)を適用し、指定日
時データ(12)に該当しない時間帯については定価料金計算係数(9)を適用して、それぞれの使用料金を計算した上で合算し、顧客情報に係る使用料金を算出する。そして、算出した使用料金を編集手段(4)に送り、編集手段(4)が使用料金が記載された顧客情報に係る請求書データを編集する。そして、その編集された請求書データを、送信手段(6)が顧客情報毎に記載の送信先に送信する又は請求書として送付するために紙等の媒体に出力する。
【実施例4】
【0032】
使用料金の割引き又は割増し期間と指定する気温情報データを、最高気温が35℃以上である猛暑日データ又は最高気温が35℃以上となった日時データとし、前記の実施例2と同様の情報処理を実行する。またその場合に、
図2で例示するように、最高気温が35℃以上である猛暑日データ又は最高気温が35℃以上となった日時データに対応する割引き日時に係る特定料金計算係数(10)又は割引率は、顧客(顧客の家族等に指定者対象者がいる場合を含む)の要介護認定、身体障害者認定、難病認定、その他の病気等の身体や精神等のハンデキャップを公的機関又は指定機関等から認定された人毎のハンデキャップのジャンルや区分(等級)毎に設定が出来るようにするとよい。
【実施例5】
【0033】
電気等小売会社からの顧客への一般的な顧客毎の電気等使用料金の請求書(以下「一般的な電気料金の請求書」という)と、個別の要介護認定者に係る要介護認定の保険証(以下「介護保険証」という)を活用して、特定料金計算係数(10)を適用する顧客情報(11)を判定し設定する情報処理について説明する。この場合、特定料金計算係数(10)を適用する対象顧客は、要介護認定を含めた各種のハンディキャップを持たれた方の居る家庭や施設も含まれる。具体的に「要介護認定に係る電気料金の割引き」の場合を例として説明する。受信手段(5)が、
図3で1例を示す、一般的な電気料金の請求書に記載の請求先の顧客住所(以下「電気料金の請求先住所」という)と、
図4で1例を示す、要介護認定の区分(等級)が記載されている介護保険証に記載の要介護認定者の住所(以下「要介護認定者の住所」という)とを受信した場合には、計算手段(3)又は編集手段(4)が、電気料金の請求先住所と要介護認定者の住所が同一か否かを判断し、同一と判断した場合には、記憶装置(2)に記憶されている顧客情報(11)内に要介護認定の情報を記載し、その記載以降は、電気等の使用料金の算出時には、指定された特定料金計算係数(10)を適用して請求する電気等使用料金を計算し又は請求する情報処理を実施する。また、顧客情報(11)内に要介護認定の情報を記載する場合には、介護保険証に記載されている要介護認定の区分(等級)も合わせて記載し、
図2で1例を示す個別の要介護認定の区分(等級)に係る特定料金計算係数(10)を適用して使用料金を算出するとよい。
【実施例6】
【0034】
また、本システムでは、在宅介護が行われている家庭向けの電気等の使用料金の割引きに対応するだけでなく、身体障害者認定、難病認定、その他の病気等の身体や精神、他のハンデキャップを、公的機関や病院等から認定された人毎の各種ハンデキャップのジャンル、状況又は症状毎に特定料金計算係数(10)の設定が出来るようにする。尚、電気等の使用料金の割引率を適用する身体障害者認定、難病認定、その他の病気等の身体や精神、他の方々や家庭や施設の住所の確認による設定の情報処理は、前記実施例5の情報処理と同様に、身体障害者手帳や難病を証明する書類又はそれらの書類に記載されている住所と電気等の使用料金の請求書の住所が同一か否かを判断し、同一の場合には、予め定めた割引率を適用して電気等の使用料金を算出し請求するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末、PC(パーソナルコンピュータ)、大型コンピュータ等のシステムの各サーバ又は端末装置に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0036】
(1) 指定日時の割引き又は割増し機能付き電気等料金計算システム
(2) 記憶装置
(3) 計算手段
(4) 編集手段
(5) 受信手段
(6) 送信手段
(7) 電気等小売り会社の情報端末
(8) 電気等使用量計測システム
(9) 定価料金計算係数
(10) 特定料金計算係数
(11) 顧客情報
(12) 指定日時データ
(13) 使用量データ
(14) 発生日時データ
(15) 気温記録手段