(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装飾材は、横格子のルーバー状、縦格子のルーバー状、縦横格子状、斜め格子状、組子状、パンチング材状、ハニカム形状、網状からなるグループから選択されたいずれか一つの形状である、
請求項4に記載の照明装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、フロントグリルの車体後方側に設けられた灯体が、フロントグリルの開口部分を塞ぐため、灯体の分だけ開口部分の面積が減少することから、フロントグリルの本来の目的であるエンジンルーム内への外気の取り入れ機能が損なわれ、エンジンの冷却に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0006】
特許文献2の技術では、被装飾体の縁部が単に発光するだけであり、見栄えが単調であるため、十分な美観が得られないという問題がある。
加えて、被装飾体の縁部が単に発光するだけでは、昼間の見栄えを勘案して作り込まれているフロントグリルの意匠を、夜間には生かすことができないという問題がある。
【0007】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、被装飾部材の通気性を損なうことなく、被装飾部材の意匠性を生かしながら、被装飾部材が複雑で美麗な見栄えになるように間接照明することが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0009】
<第1の局面>
第1の局面は、
通気性を有する被装飾部材と、
被装飾部材の外縁部の形状に沿って配設された発光部材とを備え、
発光部材の発光面が被装飾部材よりも前方側に配置されている照明装置である。
【0010】
第1の局面では、発光部材が被装飾部材の外縁部の形状に沿って配設されており、発光部材が被装飾部材の前方側または後方側に配設されていないため、発光部材の通気性が損なわれない。
【0011】
また、第1の局面では、発光部材が被装飾部材の外縁部の形状に沿って配設されているため、発光部材の発光面からの放射光により、被装飾部材の外縁部が特に明るく間接照明され、夜間でも被装飾部材の外縁部を目立たせることができる。
そして、第1の局面では、発光部材の発光面が被装飾部材よりも前方側に配置されているため、発光部材の発光面からの放射光が、被装飾部材の正面に向けて照射され、被装飾部材の全体が明るく間接照明されることから、夜間でも被装飾部材を目立たせることができる。
そのため、第1の局面によれば、昼間の見栄えを勘案して作り込まれている被装飾部材の意匠を夜間にも生かすことができる。
【0012】
<第2の局面>
第2の局面は、第1の局面において、
発光部材は屈曲部を備え、
屈曲部の発光面からの放射光は、発光部材における屈曲部以外の発光面からの放射光よりも強度が高い。
第2の局面では、発光部材の屈曲部の発光面の近傍と、屈曲部の発光面からの放射光の放射方向とを、特に明るく間接照明することが可能になり、第1の局面の作用・効果と相俟って、被装飾部材が複雑で美麗な見栄えになるように効果的に間接照明できる。
【0013】
<第3の局面>
第3の局面は、第1の局面または第2の局面において、発光部材は、光源と、その光源の放射光を導光する導光体とを備え、導光体は被装飾部材の外縁部の形状に沿って配設され、発光面は導光体に形成されている。
第3の局面では、導光体を用いることにより、複数個の光源を設ける場合に比べて低コスト化を図ることができる。
【0014】
<第4の局面>
第4の局面は、第1または第2の局面において、発光部材は被装飾部材の外縁部の形状に沿って配設された複数個の光源を備える。
第4の局面では、複数個の光源の発光を個別に制御することにより、照明態様を動的に変化させることが可能になるため(例えば、隣合う光源を順番に発光させることにより光が流れるような照明態様を得る)、美観を高めることができる。
【0015】
<第5の局面>
第5の局面は、第1〜第4の局面において、被装飾部材は立体的な装飾材を備える。
第5の局面では、装飾材が立体的であるため、装飾材の表面側が明るく、装飾材の奥側が暗くなるように間接照明され、間接照明により照らし出された装飾材の陰影が明確になって装飾材の奥行き感が強調されることから、被装飾部材を更に目立たせることができる。
【0016】
<第6の局面>
第6の局面は、第5の局面において、
装飾材は、複数個のフィンを備えたルーバー状であり、
複数個のフィンは、発光部材の発光面と交差し、発光面からの放射光の照射方向に延出されている。
【0017】
第6の局面では、発光部材の発光面からの放射光は、各フィンにより遮られることなく、被装飾部材の外縁部から中央部まで満遍なく照射され、各フィン全体を明るく間接照明することができる。
そして、各フィン全体が明るく間接照明されることにより、各フィン間の暗さが際立つため、被装飾部材の陰影が強調されることから、被装飾部材を更に目立たせることができる。
【0018】
<第7の局面>
第7の局面は、第6の局面において、
複数個のフィンは、被装飾部材の前方側に膨らむように平面方向にて弓なりに湾曲した形状である。
【0019】
第7の局面では、第1の局面で説明したように被装飾部材の外縁部が特に明るく間接照明されることと相俟って、各フィンの両端部が明るく、各フィンの中央部に近くなるほど暗くなり、各フィンの湾曲形状が強調されるように間接照明されることから、被装飾部材がより立体的に見えて美観を高めることができる。
【0020】
<第8の局面>
第8の局面は、第5の局面において、装飾材は、横格子のルーバー状、縦格子のルーバー状、縦横格子状、斜め格子状、組子状、パンチング材状、ハニカム形状、網状からなるグループから選択されたいずれか一つの形状である。
装飾材をこれらの形状にすれば、第5の局面の前記作用・効果を確実に得られる。
【0021】
<第9の局面>
第9の局面は、第1〜第8の局面において、被装飾部材は自動車のフロントグリルである。
第1〜第8の局面によれば、自動車のフロントグリルの間接照明に特に好適な車両用照明装置を実現でき、フロントグリルの通気性が損なわれないため、フロントグリルの本来の目的であるエンジンルーム内への外気の取り入れ機能が損なわることがなく、エンジンの冷却に悪影響を及ぼすおそれもない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。
また、各図面では、説明を分かり易くするために、各実施形態の構成部材の寸法形状および配置箇所を誇張して模式的に図示してあり、各構成部材の寸法形状および配置箇所が実物とは必ずしも一致しないことがある。
【0024】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態の車両用照明装置10は、フロントグリル11(フィン11a、グリル開口部11b)、枠部材12,13、導光体14,15(発光面14a,15a、屈曲部14b,15b)、LED16〜19などを備え、車体CBの前部にて2個の前照灯HLの間に配設されている。
車両用照明装置10は全体として左右対称に形成されている。すなわち、枠部材12,13および導光体14,15はそれぞれ左右対称な寸法形状である。
【0025】
フロントグリル(ラジエータグリル)11は、正面視が左右対称の略六角形状に形成され、車体CBの前部の意匠面を形成する部材である。
フロントグリル11の後方側(背面側)にはラジエータ(図示略)が配設され、ラジエータの後方側にはエンジンルーム(図示略)が設けられ、エンジンルーム内にはエンジン(図示略)が収容されている。
【0026】
フロントグリル11は、複数個(図示例では5個)のフィン(横桟、羽板)11aを備えた横格子のルーバー状である。
各フィン11aは、車体CBの前後方向に延びる平板状で立体的に構成され、各フィン11aの前面は、車体CBの前方側に膨らむように平面方向にて弓なりに湾曲した細長平板状である。
また、各フィン11aは、車体CBの幅方向(車幅方向)に延出され、車体CBの上下方向に所定距離離間して水平に配設されている。
平行に配設された各フィン11a間の隙間部分により、エンジンルーム内に外気を取り入れるためのグリル開口部11bが形成されている。
各フィン11aは、金属材料のプレス加工や、合成樹脂材料の射出成形などにより、一体形成されている。
【0027】
各枠部材12,13は、フロントグリル11の形状に沿って左右両側に配設され、フロントグリル11の左右外枠を構成している。
各枠部材12,13は、金属材料のプレス加工や、合成樹脂材料の射出成形などにより、一体形成されている。
各枠部材12,13内にはそれぞれ導光体14,15が収容されており、各枠部材12,13の対向する側壁面から各導光体14,15の発光面(光出射面、光放射面)14a,15aが露出している。
【0028】
各導光体14,15は断面矩形の角棒状長尺物であり、正面視で略V字状を成しており、各導光体14,15の長手方向の中央部近傍には、鈍角に屈曲した屈曲部14b,15bが形成されている。
各導光体14,15は、透光性を有する合成樹脂材料(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂など)の射出成形により一体形成されている。
各導光体14,15の発光面14a,15aは、フロントグリル11の左右外縁部の形状に沿って配設されており、フロントグリル11の各フィン11aよりも車体CBの前方側に配置されている。
【0029】
LED(Light Emitting Diode)16,17はそれぞれ、導光体14の長手方向の両端面に対向配置されている。
LED18,19はそれぞれ、導光体15の長手方向の両端面に対向配置されている。
尚、LED16〜19は、車載バッテリ(図示略)から車両のワイヤーハーネス(図示略)およびLED駆動回路(図示略)を介して直流電源が供給されることにより点灯される。
【0030】
LED16の放射光は、導光体14の上端面を入射面として導光体14内に入射され、導光体14内を長手方向に導光されながら、導光体14の発光面14aから外部へ向けて、矢印α1方向に照射(放射、出射)される。
LED17の放射光は、導光体14の下端面を入射面として導光体14内に入射され、導光体14内を長手方向に導光されながら、導光体14の発光面14aから外部へ向けて、矢印α1方向に照射される。
【0031】
LED18の放射光は、導光体15の上端面を入射面として導光体15内に入射され、導光体15内を長手方向に導光されながら、導光体15の発光面15aから外部へ向けて、矢印α2方向に放射される。
LED19の放射光は、導光体14の下端面を入射面として導光体15内に入射され、導光体15内を長手方向に導光されながら、導光体15の発光面15aから外部へ向けて、矢印α2方向に放射される。
【0032】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態の車両用照明装置10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0033】
[1]各枠部材12,13はフロントグリル11の左右外枠を構成し、各導光体14,15は各枠部材12,13内に収容されており、各枠部材12,13および各導光体14,15がフロントグリル11の前方側または後方側に配設されていない。
そのため、各枠部材12,13および各導光体14,15(発光部材)がフロントグリル11の各グリル開口部11bを塞がないことから、フロントグリル11(被装飾部材)の通気性が損なわれない。
従って、車両用照明装置10では、フロントグリル11の本来の目的であるエンジンルーム内への外気の取り入れ機能が損なわることがなく、エンジンの冷却に悪影響を及ぼすおそれもない。
【0034】
[2]各導光体14,15(発光部材)の発光面14a,15aは、フロントグリル11(被装飾部材)の左右外縁部の形状に沿って配設されている。
そのため、各導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光により、フロントグリル11の左右外縁部が特に明るく間接照明され、夜間でもフロントグリル11の左右外縁部を目立たせることが可能になり、昼間の見栄えを勘案して作り込まれているフロントグリル11の意匠を夜間にも生かすことができる。
【0035】
[3]各導光体14,15(発光部材)の発光面14a,15aは、フロントグリル11の各フィン11a(被装飾部材)よりも車体CBの前方側(手前側)に配置されている。
そのため、
図1(B)の矢印α1,α2に示すように、各導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光が、フロントグリル11の各フィン11aの正面に向けて照射され、各フィン11a全体が明るく間接照明されることから、夜間でも各フィン11aを目立たせることが可能になり、昼間の見栄えを勘案して作り込まれているフロントグリル11の意匠を夜間にも生かすことができる。
【0036】
[4]導光体14の屈曲部14bの発光面14aからの放射光は、屈曲部14b以外の発光面14aからの放射光よりも強度が高くなる。
また、導光体15の屈曲部15bの発光面15aからの放射光は、屈曲部15b以外の発光面15aからの放射光よりも強度が高くなる。
そのため、フロントグリル11において、導光体14,15の屈曲部14b,15bの発光面14a,15aの近傍と、屈曲部14b,15bの発光面14a,15aからの放射光の放射方向とを、特に明るく間接照明することが可能になり、前記[2][3]の作用・効果と相俟って、フロントグリル11が複雑で美麗な見栄えになるように効果的に間接照明できる。
【0037】
各導光体14,15は界面での全反射を利用して光を導光するため、導光体14,15が屈曲または湾曲していると、その屈曲部または湾曲部から漏れて外部に放射される光が多くなる。
そこで、フロントグリル11の左右外縁部の屈曲形状に沿って各導光体14,15の屈曲部14b,15bを配設することにより、フロントグリル11の左右外縁の屈曲形状を際立たせることが可能になり、自動車メーカーや車種によってアイコン化されたフロントグリル11を夜間にも強調することができる。
【0038】
[5]フロントグリル11(被装飾部材)は、各フィン11aおよび各グリル開口部11bから構成された立体的な装飾材を備える。
各フィン11aおよび各グリル開口部11bが立体的であるため、フロントグリル11の表面側が明るく、フロントグリル11の奥側が暗くなるように間接照明され、間接照明により照らし出された各フィン11aの陰影が明確になってフロントグリル11の奥行き感が強調されることから、フロントグリル11を更に目立たせることができる。
【0039】
[6]フロントグリル11の各フィン11aは細長平板状であり、車体CBの幅方向に延出され、車体CBの上下方向に所定距離離間して水平に配設されている。
また、
図1(A)の矢印α1,α2に示すように、導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光はフロントグリル11の外縁部から左右中央部へ向かって略水平方向に照射される。
すなわち、フロントグリル11の各フィン11aは、導光体14,15の発光面14a,15aと交差し、発光面14a,15aからの放射光の照射方向(放射方向、出射方向)に延出されている。
【0040】
そのため、導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光は、フロントグリル11の各フィン11aにより遮られることなく、フロントグリル11の外縁部から左右中央部まで満遍なく照射され、各フィン11a全体を明るく間接照明することができる。
そして、フロントグリル11の各フィン11a全体が明るく間接照明されることにより、各フィン11a間のグリル開口部11bの暗さが際立つため、フロントグリル11の陰影が強調されることから、フロントグリル11を更に目立たせることができる。
【0041】
[7]フロントグリル11の各フィン11aは車体CBの前方側に膨らむように平面方向にて弓なりに湾曲した細長平板状であり、前記[2]のように、フロントグリル11の左右外縁部が特に明るく間接照明される。
そのため、各フィン11aの左右両端部が明るく、各フィン11aの中央部に近くなるほど暗くなり、各フィン11aの湾曲形状が強調されるように間接照明されることから、フロントグリル11がより立体的に見えて美観を高めることができる。
【0042】
[8]導光体14,15を用いることにより、4個のLED16〜19を設けるだけで、フロントグリル11の左右外縁部の全体から光を放射させることが可能であるため、前記[2]〜[7]の作用・効果を確実に得ることができる。
そして、導光体14,15を用いることにより、複数個のLED(光源)を設ける場合に比べて低コスト化を図ることができる。
尚、LED16,17のいずれか1個を省いた場合や、LED18,19のいずれか1個を省いた場合でも、前記[2]〜[7]と略同様の作用・効果が得られる。
【0043】
[9]
図2(A)に示す車両用照明装置10の第1変更例において、
図1に示す車両用照明装置10と異なるのは、LED16,17を導光体14の屈曲部14bの近傍に配置し、LED18,19を導光体15の屈曲部15bの近傍に配置した点である。
この車両用照明装置10の第1変更例においても、前記[1]〜[8]と略同様の作用・効果が得られる。
【0044】
[10]
図2(B)に示す車両用照明装置10の第2変更例において、
図1に示す車両用照明装置10と異なるのは、導光体14,15を省き、各枠部材12,13における導光体14,15の発光面14a,15aに該当する箇所にそれぞれ複数個(図示例では5個)のLED20(光源)を配設した点である。
【0045】
この車両用照明装置10の第2変更例では、前記[1]〜[3][5]〜[7]における導光体14,15の発光面14a,15aが、各LED20の発光面に置き換えられるため、前記[1]〜[3][5]〜[7]と略同様の作用・効果が得られる。
また、第2変更例においても、各枠部材12,13の屈曲部の近傍に複数個のLED20を配設すれば、前記[4]と略同様の作用・効果が得られる。
そして、第2変更例では、各LED20の発光を個別に制御することにより、照明態様を動的に変化させることが可能になるため(例えば、隣合うLED20を順番に発光させることにより光が流れるような照明態様を得る)、美観を高めることができる。
【0046】
<第2実施形態>
図3に示すように、第2実施形態の車両用照明装置30は、フロントグリル31(フィン31a、グリル開口部31b)、枠部材32,33、導光体34,35(発光面34a,35a、屈曲部34b,35b)、LED16〜19などを備え、車体CBの前部にて2個の前照灯HLの間に配設されている。
車両用照明装置30は全体として左右対称に形成されている。すなわち、枠部材32,33および導光体34,35はそれぞれ左右対称な寸法形状である。
【0047】
フロントグリル31は、正面視が左右対称の略矩形状に形成され、車体CBの前部の意匠面を形成する部材である。
フロントグリル31の後方側にはラジエータ(図示略)が配設され、ラジエータの後方側にはエンジンルーム(図示略)が設けられ、エンジンルーム内にはエンジン(図示略)が収容されている。
【0048】
フロントグリル31は、複数個(図示例では4個)のフィン31aを備えた横格子のルーバー状である。
各フィン31aは、車体CBの前後方向に延びる平板状で立体的に構成されている。
また、各フィン31aは細長平板状であり、車体CBの幅方向に延出され、車体CBの上下方向に所定距離離間して水平に配設されている。
平行に配設された各フィン31a間の隙間部分により、エンジンルーム内に外気を取り入れるためのグリル開口部31bが形成されている。
各フィン31aは、金属材料のプレス加工や、合成樹脂材料の射出成形などにより、一体形成されている。
【0049】
各枠部材32,33は、フロントグリル31の形状に沿って左右両側に配設され、フロントグリル31の左右外枠を構成している。
各枠部材32,33は、金属材料のプレス加工や、合成樹脂材料の射出成形などにより、一体形成されている。
各枠部材32,33内にはそれぞれ導光体34,35が収容されており、各枠部材32,33の対向する側壁面から各導光体34,35の発光面34a,35aが露出している。
【0050】
各導光体34,35は断面矩形の角棒状長尺物であり、車体CBの前方側に突出した略V字状を成しており、各導光体34,35の長手方向の中央部近傍には、鈍角に屈曲した屈曲部34b,35bが形成されている。
各導光体34,35は、透光性を有する合成樹脂材料の射出成形により一体形成されている。
各導光体34,35の発光面34a,35aは、フロントグリル31の左右外縁部の形状に沿って配設されており、フロントグリル31の各フィン31aよりも車体CBの前方側に配置されている。
各フィン31aは、各導光体34,35の発光面34a,35aに沿うように、各導光体34,35の略V字状に屈曲した形状に対応して、
図3(B)の点線に示すように、車体CBの前後方向にズラして配置されている。
【0051】
LED16,17はそれぞれ、導光体34の長手方向の両端面に対向配置されている。
LED18,19はそれぞれ、導光体35の長手方向の両端面に対向配置されている。
LED16の放射光は、導光体34の上端面を入射面として導光体34内に入射され、導光体34内を長手方向に導光されながら、導光体34の発光面34aから外部へ向けて、矢印α1方向に照射される。
LED17の放射光は、導光体34の下端面を入射面として導光体34内に入射され、導光体34内を長手方向に導光されながら、導光体34の発光面34aから外部へ向けて、矢印α1方向に照射される。
【0052】
LED18の放射光は、導光体35の上端面を入射面として導光体35内に入射され、導光体35内を長手方向に導光されながら、導光体35の発光面35aから外部へ向けて、矢印α2方向に放射される。
LED19の放射光は、導光体34の下端面を入射面として導光体35内に入射され、導光体35内を長手方向に導光されながら、導光体35の発光面35aから外部へ向けて、矢印α2方向に放射される。
従って、第2実施形態の車両用照明装置30においても、第1実施形態の車両用照明装置10の前記[1]〜[8]と略同様の作用・効果を得ることができる。
【0053】
<第3実施形態>
図4に示すように、第3実施形態の車両用照明装置40は、フロントグリル31(フィン31a、グリル開口部31b)、枠部材32,33、導光体34,35(発光面34a,35a、屈曲部34b,35b)、LED16〜19などを備え、車体CBの前部にて2個の前照灯HLの間に配設されている。
車両用照明装置40のフロントグリル31は、複数個(図示例では4個)のフィン(縦桟、羽板)31aを備えた縦格子のルーバー状である。
【0054】
第3実施形態の車両用照明装置40は、第2実施形態の車両用照明装置30を正面視で90゜回転させて上下方向の寸法を縮めた形状であり、第2実施形態の説明における「上下」が第3実施形態では「左右」に置き換えられ、第2実施形態の説明における「左右」が第3実施形態では「上下」に置き換えられる。
そのため、第3実施形態においても、第2実施形態と略同様の作用・効果を得ることができる。
【0055】
<第4実施形態>
図5に示すように、第4実施形態の車両用照明装置50は、フロントグリル11(フィン51a、グリル開口部51b)、枠部材32,33、導光体34,35(発光面34a,35a、屈曲部34b,35b)、LED16〜19などを備え、車体CBの前部にて2個の前照灯HLの間に配設されている。
【0056】
第4実施形態の車両用照明装置50において、第1実施形態の車両用照明装置10と異なるのは、フロントグリル11が、複数個のフィン51aを備えた斜め格子状になっており、各フィン51a間の隙間部分によりグリル開口部51bが形成されている点である。
各フィン51aは、車体CBの前後方向に延びる平板状で立体的に構成されている。
各フィン51aは、金属材料のプレス加工や、合成樹脂材料の射出成形などにより形成されている。
従って、第4実施形態の車両用照明装置50においても、第1実施形態の車両用照明装置10の[1]〜[6][8]と略同様の作用・効果を得ることができる。
【0057】
また、第4実施形態の車両用照明装置50では、
図5(B)の矢印α3,α4に示すように、導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光はフロントグリル11の外縁部から左右中央部へ向かって略斜め方向に照射される。
すなわち、フロントグリル11の各フィン51aは、導光体14,15の発光面14a,15aと交差し、発光面14a,15aからの放射光の照射方向に延出されている。
そのため、導光体14,15の発光面14a,15aからの放射光は、フロントグリル11の各フィン51aにより遮られることなく、フロントグリル11の外縁部から左右中央部まで満遍なく照射され、各フィン51a全体を明るく間接照明することができる。
【0058】
従って、第4実施形態の車両用照明装置50においても、第1実施形態の車両用照明装置10の前記[7]と略同様の作用・効果を得ることができる。
尚、フロントグリル11を、複数個のフィン51aを水平および垂直に組み合わせた縦横格子状にしてもよい。
【0059】
<別の実施形態>
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0060】
[A]第4実施形態のフロントグリル11は複数個のフィン51aを備えた斜め格子状であるが、複雑な形状の組子状にしてもよい。
【0061】
[B]前記各実施形態において、フロントグリル11,31を構成するフィン11a,31a,51aの大きさ(板厚・幅)や個数、グリル開口部11b,31b,51bの幅(フィン11a,31a,51aの間隔)については、適宜変更してもよい。
【0062】
[C]前記各実施形態において、フロントグリル11,31を構成するフィン11a,31a,51aおよびグリル開口部11b,31b,51bは、フロントグリルに要求される装飾性と通気性を備えた立体的な装飾材であれば、どのような形状(例えば、板状の部材に適宜な寸法形状の貫通孔が形成されたパンチング材状、ハニカム形状、網状など)の装飾材に置き換えてもよい。
【0063】
[D]前記各実施形態では、断面矩形の角棒状長尺物の導光体14,15,34,35を用いたが、導光体14,15,34,35の断面形状はどのような形状(例えば、断面円形、断面三角形、断面五角形以上の多角形など)にしてもよい。
【0064】
[E]前記各実施形態では、導光体14,15,34,35に1箇所の屈曲部14b,15b,34b,35bを形成したが、導光体の複数箇所に屈曲部を形成してもよく、屈曲部の角度についても適宜設定すればよい。
【0065】
[F]LED16〜20は、どのような光源(例えば、EL(Electro Luminescence)素子などの半導体発光素子、電球など)に置き換えてもよい。
【0066】
[G]前記各実施形態の車両用照明装置10,30,40,50はフロントグリル11,31の照明に適用したものであるが、自動車内外に備えられたどのような被装飾部材(例えば、バンパー、フェンダー、エンブレムなど)の照明に適用してもよい。
また、本発明は、車両用照明装置に限らず、どのような物品(例えば、電気製品、家具など)に備えられた被装飾部材の照明に適用してもよい。
【0067】
[H]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
【0068】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。