特許第6194556号(P6194556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194556
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】配管支持具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/123 20060101AFI20170904BHJP
   F16B 2/06 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   F16L3/123
   F16B2/06 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-48265(P2016-48265)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2017-161040(P2017-161040A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2016年3月11日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591021958
【氏名又は名称】株式会社アカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 隆次郎
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−036406(JP,A)
【文献】 特開2005−256945(JP,A)
【文献】 実開昭52−089720(JP,U)
【文献】 特開平11−037348(JP,A)
【文献】 特開2010−117026(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3153187(JP,U)
【文献】 実開昭57−030480(JP,U)
【文献】 特開2013−059216(JP,A)
【文献】 特公昭57−015459(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/00− 3/26
F16B 2/00− 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ーチ状の形状に形成されて、配管を抱持するバンド抱持部と、
該バンド抱持部の端部の両方に連設され、床面や壁面を含む取付面に取り付けられる取付部と、
を有し、
記アーチ状の開放された部分を前記取付面に向けて取り付ける構成の配管支持具において、
前記配管支持具は、前記アーチ状のバンド抱持部が角部に丸みを有する角サドルバンドタイプであり、
且つ、一つのバンド抱持部に2本の配管を並列状態で抱持する構成であり、2本の配管を並列状態で抱持することにより、各々の配管の外周面の全周360°の4分の1である90°毎の4箇所である、(1)バンド抱持部の側壁に相当する部分との当接箇所、(2)バンド抱持部の天板に相当する部分との当接箇所、(3)並列する配管との当接箇所、(4)取付面との当接箇所、に4方向から略均等に当接した状態で抱持支持される構成であり、
更に、前記バンド抱持部の両方の端部の近傍の内側の各々に、抱持する配管の外周面に当接して該配管を押圧支持する配管押圧支持部が相対向する向きで設けられており、
該配管押圧支持部が、前記バンド抱持部の一部を前記アーチ状の開放された部分方向であって且つ円周方向に延伸するように切起した状態で形成された構成であり、この2本の配管の各々に前記配管押圧支持部が押圧支持されることにより、取付面への取付前の状態であっても抱持した配管の配管抱持部からの脱落を防止する構成であること、
を特徴とする配管支持具。
【請求項2】
前記配管支持具が、1枚の板状材を加工した状態で形成された構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管支持具。
【請求項3】
前記配管押圧支持部が、当接する配管の外周面の曲面に対応する曲面加工部を有して配管の外周面に面接触によって押圧支持する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管支持具。
【請求項4】
前記配管押圧支持部が、波状又はジグザグ状に折曲加工された状態の折曲加工部を有し、この折曲加工部が配管の外周面に複数の当接箇所によって押圧支持された状態の構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管支持具。
【請求項5】
前記配管押圧支持部が、該配管押圧支持部の先端が配管側に折曲加工された状態の先端折曲部を有し、この先端折曲部が配管の外周面に引掛け又は食込み接触することによって押圧支持された状態の構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管支持具。
【請求項6】
前記先端折曲部が、配管押圧支持部の表面に重積するように折曲加工された状態の重積折曲部を有し、この重積折曲部が配管押圧を行う状態の構成であることを特徴とする請求項に記載の配管支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管支持具に関し、詳しくは合成樹脂製配管の抱持支持に用いて適切な床面・壁面固定用の配管支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
給水管、給湯管、排水管等の種々配管類を支持固定するために抱持バンドを有する配管支持具が用いられている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
この種の配管支持具は、半割状の環状部材から成るバンド部と該バンド部の端部に連設された接続部にタンバックルを接続固定し、このタンバックルを天井スラブ等から垂設された吊りボルトや壁面スラブ等から立設された立ちボルトに緊締することにより固定支持する構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−126216号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
種々の配管類は、近年、鋼管に代わって合成樹脂管(ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管、塩化ビニル管、プロピレン管、ABS管等)が用いられるようになってきており、今後、大部分の配管類が鋼管から合成樹脂管に代わることが予想されている。
【0006】
合成樹脂管は、高い耐蝕性を有し、しかも鋼管と同等乃至同等以上の耐熱性及び耐衝撃性を有するのに鋼管に比して軽量であり、更に加工が容易であるため、取扱性等の点で優れている。
【0007】
本発明者は、かかる合成樹脂管の配管支持技術について鋭意研究を続けたところ、合成樹脂管は上記したように軽量であるため、従来の鋼管用の支持具が求められるほどの堅牢度・強度等が必要ではないことを見出した。
【0008】
更に合成樹脂管は、耐蝕性や取扱性等の点で鋼管に比して優れている点もあるが、表面が滑り易いために配管支持具による抱持性に問題がある。即ち、ウォーターハンマー現象等の振動によって軸方向に滑って位置ズレを起し易く、経時的には複数の配管同士の接続部に負荷が掛かってしまうおそれを有している。
【0009】
そこで本発明の課題は、軽量な合成樹脂管の抱持支持に適した簡易な構成を有し、しかも滑り易い表面を有する合成樹脂管であっても適切な配管抱持による支持が可能な配管支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0011】
1.ーチ状の形状に形成されて、配管を抱持するバンド抱持部と、
該バンド抱持部の端部の両方に連設され、床面や壁面を含む取付面に取り付けられる取付部と、
を有し、
記アーチ状の開放された部分を前記取付面に向けて取り付ける構成の配管支持具において、
前記配管支持具は、前記アーチ状のバンド抱持部が角部に丸みを有する角サドルバンドタイプであり、
且つ、一つのバンド抱持部に2本の配管を並列状態で抱持する構成であり、2本の配管を並列状態で抱持することにより、各々の配管の外周面の全周360°の4分の1である90°毎の4箇所である、(1)バンド抱持部の側壁に相当する部分との当接箇所、(2)バンド抱持部の天板に相当する部分との当接箇所、(3)並列する配管との当接箇所、(4)取付面との当接箇所、に4方向から略均等に当接した状態で抱持支持される構成であり、
更に、前記バンド抱持部の両方の端部の近傍の内側の各々に、抱持する配管の外周面に当接して該配管を押圧支持する配管押圧支持部が相対向する向きで設けられており、
該配管押圧支持部が、前記バンド抱持部の一部を前記アーチ状の開放された部分方向であって且つ円周方向に延伸するように切起した状態で形成された構成であり、この2本の配管の各々に前記配管押圧支持部が押圧支持されることにより、取付面への取付前の状態であっても抱持した配管の配管抱持部からの脱落を防止する構成であること、
を特徴とする配管支持具。
【0012】
2.前記配管支持具が、1枚の板状材を加工した状態で形成された構成であることを特徴とする上記1に記載の配管支持具。
【0019】
.前記配管押圧支持部が、当接する配管の外周面の曲面に対応する曲面加工部を有して配管の外周面に面接触によって押圧支持する構成であることを特徴とする上記1又は2に記載の配管支持具。
【0020】
.前記配管押圧支持部が、波状又はジグザグ状に折曲加工された状態の折曲加工部を有し、この折曲加工部が配管の外周面に複数の当接箇所によって押圧支持された状態の構成であることを特徴とする上記1又は2に記載の配管支持具。
【0021】
.前記配管押圧支持部が、該配管押圧支持部の先端が配管側に折曲加工された状態の先端折曲部を有し、この先端折曲部が配管の外周面に引掛け又は食込み接触することによって押圧支持された状態の構成であることを特徴とする上記1又は2に記載の配管支持具。
【0022】
.前記先端折曲部が、配管押圧支持部の表面に重積するように折曲加工された状態の重積折曲部を有し、この重積折曲部が配管押圧を行う状態の構成であることを特徴とする上記に記載の配管支持具。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に示す発明によれば、軽量な合成樹脂管の抱持支持に適した簡易な構成を有し、しかも滑り易い表面を有する合成樹脂管であっても適切な配管抱持による支持が可能な配管支持具を提供することができる。
【0024】
特に、バンド抱持部の開放された部分に設けられた配管押圧支持部が、該バンド抱持部に抱持支持する配管をその外周面を押圧することによって確実に安定した状態での抱持支持が可能となると共に、取付面に取り付ける前の状態であっても配管から配管支持具が脱落してしまうことがないので現場での作業性が著しく向上する。
そして配管押圧支持部は、バンド抱持部の一部を切り起こすだけで加工可能であるため、別部材を付加することもないし、切り取り加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能なだけでなく、環境適正にも優れている。
しかも、簡易な構成の配管支持具は、使用材料を著しく少なくすることができるので低コスト化が可能であるだけでなく、軽量化を図ることができるので建築物や構築物に用いる数量が多い場合には現場への搬入時の搬送性や作業性の点で極めて有利である。
【0025】
請求項2に示す発明によれば、1枚の板状材を打ち抜き・プレス・折曲等の簡易な加工手段により形成することが可能なので極めて低コストでの提供が可能である。
【0026】
請求項3に示す発明によれば、いわゆるサドルバンドのタイプに適用することができる。
【0027】
請求項4に示す発明によれば、いわゆる片サドルバンドのタイプに適用することができる。
【0028】
請求項5に示す発明によれば、いわゆる角サドルバンドの一種の角部に丸みを有するタイプに適用することができる。
【0029】
請求項6又は7に示す発明によれば、一つの簡易な構成の配管支持具によって複数本の配管の支持が可能である。
【0030】
請求項8に示す発明によれば、取付部の切起し基端部分の強度を高くすることができる。
【0031】
請求項9に示す発明によれば、配管の外周面に対して配管押圧支持部の曲面加工部の略全面を接触させることができるので接触面積が大きくなり押圧支持効果を向上させることができる。
【0032】
請求項10に示す発明によれば、配管の外周面に対して配管押圧支持部の折曲加工部が引っ掛かるように押圧当接することになるので押圧支持効果を向上させることができる。
【0033】
請求項11に示す発明によれば、配管の外周面に対して配管押圧支持部の先端折曲が引っ掛かるように又は食込むように押圧当接することになるので押圧支持効果を向上させることができる。
【0034】
請求項12に示す発明によれば、上記請求項11に示す発明に比べ、押圧当接時の配管への負荷を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に係る配管支持具の一実施例を示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、A−A断面図)
図2図1に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図3】本発明に係る配管支持具の第2実施例を示す6面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、B−B断面図)
図4】本発明に係る配管支持具の第3実施例を示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、C−C断面図)
図5図4に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図6】本発明に係る配管支持具の第4実施例の使用例の一例を示す概略正面図
図7】配管押圧支持部の一例を示す要部拡大断面図(断面線は円周方向)
図8】配管押圧支持部の他の一例を示す要部拡大断面図(断面線は円周方向)
図9】配管押圧支持部の更に他の一例を示す要部拡大断面図(断面線は円周方向)
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、添付の図面に従って本発明について詳細に説明する。
【0037】
本発明に係る配管支持具は、給水管、給湯管、排水管等の種々配管類を床面や壁面等の取付面に沿った状態で固定支持するものである。
この配管支持具の取付構成としては、バンド抱持部に配管を抱持した状態で、該バンド抱持部の端部の一方又は両方に連設される取付部を前記取付面に取付固定することによって、前記配管を前記取付面に沿った状態で固定支持することができる。
【0038】
固定支持する種々の配管類としては、従来一般的であった鋼管に代わって近年多く用いられるようになった合成樹脂管(ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管、塩化ビニル管、プロピレン管、ABS管等)の固定支持に本発明は特に有効である。尚、本発明は合成樹脂管の固定支持に特に有効であるが、従来の鋼管の固定支持も可能であり、固定支持する配管として鋼管を排除するものではない。
【0039】
本発明の配管支持具1の具体的構成例としては、図1及び図2に示すように、
配管支持具1は、
半円状、円弧状又はアーチ状の何れかの形状(本実施例では半円状)に形成されて、配管を抱持するバンド抱持部11と、
該バンド抱持部11の端部の一方又は両方(本実施例では両方11Aと11B)に連設され、床面や壁面を含む取付面2に取り付けられる取付部12・12と、
を有する構成において、
前記バンド抱持部11の両方の端部11A・11Bの近傍の内側の各々に、抱持する配管Pの外周面に当接して該配管Pを押圧支持する配管押圧支持部13・13が相対向する向きで設けられており、
該配管押圧支持部13・13が、前記バンド抱持部11の一部を前記半円状又はアーチ状の開放された部分方向であって且つ円周方向に延伸するように切起した状態で形成された構成となっている。
【0040】
以下、本発明の構成について更に詳説する。
【0041】
本発明の配管支持具は、1枚の板状材を加工して形成されており、加工手段としては1枚の板状材を打ち抜き・プレス・折曲等の簡易な加工手段を挙げることができる。これらの加工手段によって、極めて低コストでの提供が可能である。また、用いられる材質としては、この種の配管支持具に用いられる材料として公知公用のものを特別の制限なく用いることができ、好ましくはステンレスやその他の金属である。
【0042】
配管押圧支持部13は、配管Pの外周面の曲面に対応するように曲面加工した曲面加工部とする構成が好ましい。かかる構成によれば、配管Pの外周面に面接触によって押圧支持する構成となるので、配管Pの外周面に対して配管押圧支持部13の略全面を接触させることができるので接触面積が大きくなり押圧支持効果を向上させることができる。
【0043】
図1に示す本実施例は、バンド抱持部11が半円状を有し、該バンド抱持部11の両端部11A・11Bの各々から外側方向であって且つ前記取付面2と面接触可能に前記取付部12・12が各々設けられた構成の、いわゆるサドルバンドのタイプに適用された態様を示す。
【0044】
尚、図1に示す符号11D・11Dは、配管押圧支持部13・13が切起こされることにより孔部となったバンド抱持部11の被切起し部である。
【0045】
以上の構成を有する本発明の配管支持具1は、バンド抱持部11の内側に切り起された配管押圧支持部13・13が該バンド抱持部11に抱持支持する配管Pをその外周面を押圧することによって確実に安定した状態での抱持支持が可能となると共に、バンド抱持部11に配管Pを抱持した状態で取付面2にボルト等の取付固定手段3により取付固定することによって前記配管Pの支持固定が可能となる。特に、取付面2に取り付ける前の状態であっても配管Pから配管支持具1が脱落してしまうことがないので現場での作業性が著しく向上する。
そしてこの配管押圧支持部13・13は、バンド抱持部11の一部を切り起こすだけで加工可能であるため、別部材を付加することもないし、切り取り加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能なだけでなく、環境適正にも優れている。
しかも、簡易な構成の配管支持具1は、使用材料を著しく少なくすることができるので低コスト化が可能であるだけでなく、軽量化を図ることができるので建築物や構築物に用いる数量が多い場合には現場への搬入時の搬送性や作業性の点で極めて有利である。
【0046】
以上、本発明に係る配管支持具について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内において種々の他の態様を採ることもできる。
【0047】
例えば、図3に示す第2実施例は、バンド抱持部11が半円状を有し、該バンド抱持部11の一方の端部11Aには、該一方の端部11Aから外側方向であって且つ前記取付面2と面接触可能に取付部12が設けられていると共に、該バンド抱持部11の他方の端部11Bは、取付部が連設されることなく、該他方の端部11Bが前記取付面2に当接又は近接する部分で途切れている構成の、いわゆる片サドルバンドのタイプに適用された態様を示す。
【0048】
また、図4に示す第3実施例は、バンド抱持部11がアーチ状を有し、該バンド抱持部11の両端部11A・11Bの各々から外側方向であって且つ前記取付面2と面接触可能に取付部12A・12Bが各々設けられた構成の、いわゆる角サドルバンドの一種の角部に丸みを有するタイプに適用された態様を示す。
【0049】
尚、この図4に示す第3実施例では、バンド抱持部11の抱持幅を2倍に拡大した構成とすることによって、図5に示すように、配管Pを2本並列状態で支持固定する態様としているが、上記した他の実施例と同様に1本のみの支持固定であってもよいし、3本以上とすることもできる。
尚また、この2本以上の配管Pの並列状態での支持については、本発明の範囲内における他の全ての態様についても適用可能である。
【0050】
2本以上の配管Pを抱持する態様の場合、図4及び図5に示す第3実施例の並列状態で抱持する構成に限らず、図6に示すような、重層状態で抱持する構成を採ることもできる。図6に示す実施例は、図1及び図2に示すサドルバンドのタイプの配管支持具1のバンド抱持部11を重層方向に拡大した構成とすることによって2本の配管Pを重層状態に抱持することができるものである。
尚、本実施例では2本の配管Pを重層状態に抱持する構成であるが、3本以上とすることもできる。
尚また、この2本以上の配管Pの重層状態での支持については、本発明の範囲内における他の全ての態様についても適用可能である。
【0051】
更に、配管押圧支持部13は、上記した各実施例では配管Pの外周面の曲面に対応するように曲面加工した構成としているが、他の態様とすることもできる。
【0052】
例えば、図7に示すように、波状又はジグザグ状に折曲加工された折曲加工部13Aが配管Pの外周面に複数の当接箇所によって押圧支持する構成とすることも好ましい。かかる構成によれば、配管Pの外周面に対して配管押圧支持部13の折曲加工部13Aが引っ掛かるように押圧当接することになるので押圧支持効果を向上させることができる。
【0053】
また、図8に示すように、配管押圧支持部13の先端が配管P側に折曲加工された先端折曲部13Bを有し、この先端折曲部13Bが配管Pの外周面に引掛け又は食込み接触することによって押圧支持する構成とすることも好ましい。かかる構成によれば、配管Pの外周面に対して配管押圧支持部13の先端折曲部13Bが引っ掛かるように又は食込むように押圧当接することになるので押圧支持効果を向上させることができる。
【0054】
更に、図8に示す先端折曲部13Bは、図9に示すように更に配管押圧支持部13の表面に重積するように折曲加工された重積折曲部13Cとすれば、前記先端折曲部13Bに比べて押圧支持時の配管Pへの負荷を軽減させつつ押圧支持効果を向上させることができる。
【0055】
更にまた、配管押圧支持部13・13の各々について、各々の切起した基端部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強する構成が好ましく、かかる構成によれば、切起し部分の破断や裂けを抑制できるので、この切起した起端部分の強度を高くすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 配管支持具
11 バンド抱持部
11A バンド抱持部の一方の端部
11B バンド抱持部の他方の端部
11D 被切起し孔部
12 バンド端部
13 配管押圧支持部
13A 折曲加工部
13B 先端折曲部
13C 重積折曲部
2 取付面
3 取付固定手段
P 配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9