(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194622
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】照明装置及び検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20170904BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-90160(P2013-90160)
(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公開番号】特開2014-215067(P2014-215067A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】坂口 澄人
【審査官】
佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−084258(JP,A)
【文献】
特開平09−061363(JP,A)
【文献】
特開平08−005563(JP,A)
【文献】
特開2002−174592(JP,A)
【文献】
特表2005−531000(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/005337(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/042324(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが搭載される床面、一定の波長の光を吸収する吸収板が中央領域に配置され且つ前記一定の波長の光を拡散させながら反射する拡散反射板が前記吸収板の周囲に配置された、前記床面に対向する平面状の天井面、及び、前記床面及び前記天井面に隣接する側面によって内壁面が定義される筐体と、
前記一定の波長の光を出射する光源と
を備え、前記光源から出射されて前記内壁面で反射した光を前記ワークに照射することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記側面上に前記拡散反射板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記筐体が、矩形状の前記床面及び前記天井面と直交する4つの前記側面を有する直方体形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記天井面の四隅にそれぞれ三角形状の前記拡散反射板が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源が、前記ワークよりも前記天井面に近い位置で前記側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記天井面の中央に開口部が設けられ、該開口部の周囲に前記吸収板が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記ワークが太陽電池セルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ワークに均一な照明を照射するように、前記天井面において前記吸収板と前記拡散反射板の境界が設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
ワークが搭載される床面、一定の波長の光を吸収する吸収板が中央領域に配置され且つ前記一定の波長の光を拡散させながら反射する拡散反射板が前記吸収板の周囲に配置された、前記床面に対向する平面状の天井面、及び、前記床面及び前記天井面に隣接する側面によって内壁面が定義される筐体と、前記一定の波長の光を出射する光源とを有し、前記光源から出射されて前記内壁面で反射した光を前記ワークに照射する照明装置と、
前記筐体の前記天井面に形成された開口部を介して前記ワークを撮影する撮像装置と、
前記撮像装置によって撮影された前記ワークの画像データを表示する表示装置と
を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項10】
前記側面上に前記拡散反射板が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
前記筐体が、矩形状の前記床面及び前記天井面と直交する4つの前記側面を有する直方体形状であることを特徴とする請求項9又は10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記天井面の四隅にそれぞれ三角形状の前記拡散反射板が配置されていることを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記光源が、前記ワークよりも前記天井面に近い位置で前記側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項14】
前記ワークが太陽電池セルであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項15】
前記ワークに均一な照明を照射するように、前記天井面において前記吸収板と前記拡散反射板の境界が設定されていることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物に光を照射する照明装置及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池セルなどの半導体装置の製造においては、半導体装置の表面上や内部の傷や異物の付着、クラック、汚れ、むらなどの欠陥の有無や状態が検査される。
【0003】
この外観検査では、検査対象物(以下において「ワーク」という。)を照射する光が均一に拡散される拡散照明が好ましい。このため、内面を反射面とするドーム型の筐体の内部に検査対象物を配置し、光源からの出射光を反射面で反射させた反射光をワークに照射するドーム型照明装置などが外観検査用に採用される。例えば、ドーム型照明装置によって照明されたワークの検査用画像を撮像装置を用いて取得する外観検査システムなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−51694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のドーム型照明装置などによって均一な照明をワークに照射するためには、光源から出射された光が均一に拡散されるようにワークと反射面との間に一定の距離が必要である。このため、照明装置及びこの照明装置を採用する検査装置の小型化が阻害されていた。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明は、ワークに均一な照明を照射し、且つ小型化が可能な照明装置及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、(イ)ワークが搭載される床面、一定の波長の光を吸収する吸収板が中央領域に配置され且つ一定の波長の光を拡散させながら反射する拡散反射板が吸収板の周囲に配置された、床面に対向する平面状の天井面、及び、床面及び天井面に隣接する側面によって内壁面が定義される筐体と、(ロ)一定の波長の光を出射する光源とを備え、光源から出射されて内壁面で反射した光をワークに照射する照明装置が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、(イ)ワークが搭載される床面、一定の波長の光を吸収する吸収板が中央領域に配置され且つ一定の波長の光を拡散させながら反射する拡散反射板が吸収板の周囲に配置された、床面に対向する平面状の天井面、及び、床面及び天井面に隣接する側面によって内壁面が定義される筐体と、一定の波長の光を出射する光源とを有し、光源から出射されて内壁面で反射した光をワークに照射する照明装置と、(ロ)筐体の天井面に形成された開口部を介してワークを撮影する撮像装置と、(ハ)撮像装置によって撮影されたワークの画像データを表示する表示装置とを備える検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ワークに均一な照明を照射し、且つ小型化が可能な照明装置及び検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査装置の構造を示す模式的な断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る照明装置の天井面の構造を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る検査装置の構造を示す模式的な平面図である。
【
図4】比較例の照明装置の構造を示す模式図である。
【
図5】他の比較例の照明装置の構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施形態の照明装置による照度分布の改善を説明するためのグラフである。
【
図7】本発明の実施形態に係る照明装置の天井面の他の構造を示す平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る照明装置の天井面の更に他の構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
又、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1に示す本発明の実施形態に係る照明装置10は、検査対象物であるワーク100の外観検査に使用される検査装置1において、ワーク100に光を照射する照明装置として使用される。
【0014】
照明装置10は、ワーク100が搭載された床面111、床面111に対向する平面状の天井面112、及び、床面111及び天井面112に隣接する側面113によって内壁面が定義される筐体11と、一定の波長の光(以下において、「出射光L」という。)を出射する光源13とを備える。照明装置10では、光源13から天井面112方向に出射された出射光Lが筐体11の内壁面で反射した反射光をワーク100に照射する。
【0015】
筐体11には、例えば矩形状の床面111及び天井面112と直交する4つの側面113を有する直方体形状などを採用可能である。ワーク100が太陽電池セルなどのように正方形状である場合に、筐体11が直方体形状であることによって装置フットプリントを最適にできる。
【0016】
図2にワーク100側から見た天井面112の構造を示す。照明装置10の天井面112には、光源13から出射される一定の波長の出射光Lを吸収する吸収板121が中央領域に配置されている。更に、この一定の波長の出射光Lを拡散させながら反射する拡散反射板122が吸収板121の周囲に配置されている。
図2に示した例では、天井面112の各頂点を直角とする三角形状の拡散反射板122が、天井面112の四隅に配置されている。
【0017】
検査装置1では、筐体11の天井面112に設けられた開口部110を介して、照明装置10によって光を照射されたワーク100を撮像装置20によって撮影する。撮像装置20には、例えばCCD(電荷結合素子)カメラやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)カメラなどを採用可能である。開口部110が天井面112の中央に形成されているため、吸収板121は開口部110の周囲に配置される。
【0018】
撮像装置20によって撮影されたワーク100の画像は画像処理され、ワーク100の画像データが表示装置30に表示される。これにより、検査作業者によるワーク100の検査が可能である。
【0019】
光源13は、撮像装置20の視野を妨げない位置に配置される。
図1に示した例では、ワーク100が配置された床面111よりも天井面112に近い位置で、側面113に沿って光源13が配置されている。具体的には、側面113に凸部115を設けて、この凸部115上に光源13が配置される。
図1に破線で示した撮像装置20の視野を妨げない位置に凸部115を形成することにより、撮像装置20によって上方からワーク100全体を撮影することができる。更に、床面111の略全面をワーク100の配置領域にできるため、照明装置10の占有面積(照明サイズ)を小さくできる。
【0020】
光源13は、例えば
図3に示すように、凸部115上に側面113に沿って複数配置することができる。光源13には、例えば発光ダイオード(LED)などが使用される。
【0021】
照明装置10では、光源13から出射された出射光Lが、筐体11の内壁面での反射を繰り返して均一に拡散される。このとき、天井面112の中央領域には光が集まりやすいために、天井面112の中央領域で輝度が高く、その周辺領域で輝度が低い。このため、天井面112の全面が均一の反射率であると、天井面112の中央領域における反射光の光量が、周辺領域における反射光の光量よりも多い。このため、ワーク100に均一な照明を照射できない。
【0022】
しかし、照明装置10では、天井面112の中央領域に吸収板121が配置され、周辺領域に拡散反射板122が配置されている。このため、天井面112の中央領域からの反射光による照度が、周辺領域からの反射光による照度よりも弱まる。これにより、照明装置10によれば、ワーク100に光を均一に照射することができる。
【0023】
例えば、光が集まりやすい中央領域に配置されず、且つ、光が集まりにくい角部に配置される形状の拡散反射板122として、
図2に示したように天井面112の各頂点を直角とする三角形状の拡散反射板122を天井面112の四隅に配置する。
図2では拡散反射板122の中央領域に面する辺が直線である例を示したが、これは塗装等の表面処理を変える時にマスキング等が容易であるなどの製造上の利便性を考慮したためである。したがて、輝度分布に応じて辺を曲線にしてもよい。
【0024】
なお、筐体11の側面113で光を拡散反射させるために、側面113上にも拡散反射板122を配置することが好ましい。特に、光源13が配置された凸部115の下面はワーク100と対向するため、凸部115の下面に拡散反射板122を配置する。
【0025】
吸収板121及び拡散反射板122の材料は、光源13の出射する出射光Lの波長などに応じて選択される。例えば、吸収板121の材料は、出射光Lをできるだけ吸収する材料が選択される。つまり、吸収板121の吸収率は100%に近いほど好ましい。また、拡散反射板122の反射率も高いほどよく、100%に近いことが好ましい。ワーク100が所望の照度で照明されるように、吸収板121及び拡散反射板122が適宜選択される。
【0026】
なお、ワーク100のどの領域においても均一で所望の照度が得られるように、天井面112における吸収板121と拡散反射板122の境界が設定される。例えば、撮像装置20によってワーク100の表面の照度を確認しながら、吸収板121と拡散反射板122の配置を決定する。
【0027】
以下に、
図1に示した照明装置10と他の構造の照明装置とを比較する。
【0028】
図4に示したドーム型の筐体11aを採用する比較例1の照明装置10aでは、光源13aから上方に出射した光を筐体11aの内壁面に配置した反射板123によって拡散させて、ワーク100に照射する。
【0029】
照明装置10aで均一な拡散照明を実現するためには、ワーク100と反射板123との間に一定の距離が必要である。例えば複数の光源13aを使用した場合に、各光源13aから出射された光が拡散され、均一にワーク100を照明するためには、ワーク100と反射板123との距離を長くする必要がある。したがって、照明装置10aを小型化できない。更に、反射板123の形状が曲面であるため、低価格化が困難である。
【0030】
また、照明装置10aでは照明が円形に均一化されて照射される。このため、形状が矩形の、例えば156mm×156mmである太陽電池セルの検査においては、直径が200mm以上の均一面が必要である。その結果、照明装置10aや照明装置10aを採用する検査装置が大型化する。本発明者らは、小型且つ低価格を実現するために、基本構成を
図4のままでドーム型構造を角形構造(平面のみで構成)に変更して、撮像装置20とワーク100間の距離(以下において、「ワーキングディスタンス」という。)を短くする実験を行ったが、照度の分布が悪化する結果であった。つまり、ワーク100に対向する面を平面形状にしただけでは、照度分布が一定にならない。これは以下の理由による。
【0031】
ドーム型構造によれば、一度拡散した光が更に別の面で拡散することにより良好な均一化が可能である。この効果が得られない角形構造では、照度分布は不均一になる。また、照明の拡散面からの距離が近いと、拡散による光の広がり均一化が進む前に光がワーク100に到達してしまい、やはり照度分布は不均一となる。
【0032】
図5に示した比較例2の照明装置10bでは、筐体11b内部の上方に配置された光源13bから出射された光が拡散透過板124を通過することで拡散し、均一な照明が構成される。なお、放熱板125によって光源13bで発生する熱が放熱される。
しかし、照明装置10bにおいても、均一な拡散照明を実現するためには、ワーク100と拡散透過板124との間に一定の距離が必要である。このため、検査装置を小型化できない。更に、光源13bとワーク100間の距離や形状に合わせた拡散を行える専用仕様の拡散透過板124が必要であるため、低価格化が困難である。
【0033】
これらに対し、
図1に示した照明装置10では、光源13からの出射光Lを反射する天井面112のうち、輝度の高い中央領域に吸収板121が配置され、輝度の低い周辺領域に拡散反射板122が配置されている。このため、ワーク100を均一な照度により照明することができる。したがって、照明装置10によれば、天井面112とワーク100との距離を短くしても、均一な拡散照明を実現できる。その結果、照明装置10や照明装置10を採用する検査装置1を小型化できる。
【0034】
天井面の全領域での輝度が同じ場合に天井面とワーク100との距離が近いと、光源から出射された光が十分に拡散される前にワーク100の表面が照射される。このため、輝度の高い中央領域からの光による照射が強く、輝度の低い周辺領域からの光による照射が弱い。このため、均一な拡散照明にならない。しかし、照明装置10では輝度の高い中央領域に吸収板121が配置され、輝度の低い周辺領域に拡散反射板122が配置されている。このため、天井面112とワーク100との距離が近いために光源13から出射された光が十分に拡散されなくても、均一な拡散照射を実現できる。
【0035】
また、照明装置10の筐体11は角形、平面で構成される。このため、
図4の比較例1に示した曲面の反射板123や
図5の比較例2に示した拡散透過板124などの高価格な部品が不要である。このため、照明装置10及び検査装置1の製造コストの増大が抑制される。
【0036】
ワーク100上における照度を、撮像装置20を用いて測定した結果を
図6に示す。
図6において、特性Aは、照明装置10によってワーク100を照明した測定結果である。また、特性Bは、天井面112全面が均一の反射率である照明装置によってワーク100を照明した測定結果である。なお、横軸は、撮像装置20により撮影された画像データにおける矩形状のワーク100の1つの角部の位置を100ピクセル、この角部に対向する角部の位置を1900ピクセルとして示したものである。即ち、
図6の横軸の中央付近はワーク100の中央領域における照度であり、横軸の端部はワーク100の周辺領域における照度である。
【0037】
図6に示したように、中央領域における照度に対する周辺領域における照度の比が、天井面112全面が均一の反射率である場合には3:1であるのに対して、照明装置10では2:1である。つまり、照明装置10によって照度分布が改善され、均一な照明が実現された。
【0038】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る照明装置10では、吸収板121及び拡散反射板122を最適にレイアウトした照明装置10を採用することにより、ワーク100における照度分布が改善される。このため、ワーク100に均一な照明を照射し、且つ小型化が可能な照明装置10及び検査装置1を提供することができる。
【0039】
なお、照明装置10は、大型で矩形状である太陽電池セルの検査において好適に使用できる。例えば、ワーク100が156mm×156mmの形状である太陽電池セルを照明するのに、照明サイズが186mm×186mm、ワーキングディスタンスが110mmという小型の照明装置10を使用可能である。
【0040】
このように、照明装置10や照明装置10を使用する検査装置1によれば、装置の小型が可能である。例えば、矩形状の太陽電池セルの検査の場合には、体積が大幅に削減される。したがって、大型の装置では設置が困難な狭いエリアに、照明装置10や検査装置1であれば設置可能である。
【0041】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0042】
既に述べた実施形態の説明においては、筐体11が直方体形状である例を示したが、筐体11が円柱形状や、六角柱や八角柱などの角柱形状であってもよい。つまり、ワーク100の形状に合わせて、床面111や天井面112の形状を選択できる。これにより、照明サイズを小さくできる。
【0043】
また、照明装置10の天井面112の構造は
図2に示した例に限定されることはなく、ワーク100に均一な照明が照射されるように、吸収板121と拡散反射板122の最適なレイアウトが決定される。例えば光源13が円形に配置されるなどして、天井面における輝度の強い領域が円形状であり、その周囲で輝度が低い場合に、
図7に示すように、吸収板121を円形状に配置し、その周囲に拡散反射板122を配置してもよい。或いは天井面における輝度の強い領域が矩形状であり、その周囲で輝度が低い場合に、
図8に示すように、吸収板121を矩形状に配置し、その周囲に拡散反射板122を配置してもよい。
【0044】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0045】
1…検査装置
10…照明装置
11…筐体
13…光源
20…撮像装置
30…表示装置
100…ワーク
110…開口部
111…床面
112…天井面
113…側面
115…凸部
121…吸収板
122…拡散反射板