特許第6194625号(P6194625)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6194625電子機器、及びそのタッチパネル検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194625
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】電子機器、及びそのタッチパネル検査方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170904BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   G06F3/041 660
   G06F3/044 120
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-93158(P2013-93158)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-215843(P2014-215843A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100088100
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 千明
(72)【発明者】
【氏名】石原 正規
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−050528(JP,A)
【文献】 特開2014−092811(JP,A)
【文献】 特開2000−311060(JP,A)
【文献】 特開平08−339257(JP,A)
【文献】 特開2011−060021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動しているか否かを逐次判定する判定手段と、
前記判定手段によりタッチ操作の位置が、前記検査用のタッチ操作経路の終点より前に、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動していないと判定された時点で、その判定結果を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記出力手段は、前記判定手段により、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動したと判定された時点で、その判定結果を、更に出力することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段による確認結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備え、
前記所定の操作状態は、前記検査用のタッチ操作経路を外れることなく、前記検査用のタッチ操作経路に沿ってタッチされている状態であり、
前記確認手段は、前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路を外れることなく、検査用のタッチ操作経路に沿って検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段による確認結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段と、
前記検査用のタッチ操作経路を示すとともに前記タッチパネルの電極の配置に応じたガイドを前記表示部に表示させる表示制御手段と
を備え、
前記確認手段は、前記ガイドの表示中に前記確認を行うとともに、前記確認に際し、タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当するか否かを確認し、前記タッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当する場合に、前記タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記検査用のタッチ操作経路は、前記表示部の互いに垂直な2辺にそれぞれ設定する設定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された前記検査用のタッチ操作経路を示す前記ガイドを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項記載の電子機器。
【請求項6】
前記設定手段は、前記検査用のタッチ操作経路を前記2辺の一方側に設定した後、前記確認手段によって、タッチ状態が解除されることなくタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したと確認されたことを条件として、前記2辺の他方側に設定することを特徴とする請求項記載の電子機器。
【請求項7】
前記ガイドは、前記検査用のタッチ操作経路における電極数と同数の複数の単位部分から構成され、
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示位置に該当するか否かを確認し、前記タッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示位置に該当する場合に、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断する
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示部に表示させている前記ガイドを、前記複数の単位部分のうち、前記確認手段によって前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が該当することを確認された表示位置の単位部分を、他の単位部分と識別可能な状態に逐次変化させることを特徴とする請求項記載の電子機器。
【請求項9】
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示領域内であるか否かを確認し、前記タッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示領域内である場合に、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断することを特徴とする請求項又は記載の電子機器。
【請求項10】
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ位置が該当することが確認された表示位置の前記単位部分の数が所定数に達したとき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したと判断することを特徴とする請求項乃至1いずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する工程と、
取得した操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動しているか否かを逐次判定する工程と、
タッチ操作の位置が、前記検査用のタッチ操作経路の終点より前に、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動していないと判定した時点で、その判定結果を出力する工程と
を含むことを特徴とするタッチパネル検査方法。
【請求項12】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する工程と、
取得した操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する工程と、
前記確認の結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する工程と、
前記判定の結果を出力する工程と
を含み、
前記所定の操作状態は、前記検査用のタッチ操作経路を外れることなく、前記検査用のタッチ操作経路に沿ってタッチされている状態であり、
前記取得した操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路を外れることなく、検査用のタッチ操作経路に沿って検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する
ことを特徴とするタッチパネル検査方法。
【請求項13】
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する工程と、
取得した操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する工程と、
前記確認の結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する工程と、
前記判定の結果を出力する工程と、
前記検査用のタッチ操作経路を示すとともに前記タッチパネルの電極の配置に応じたガイドを前記表示部に表示させる工程と
を含み、
前記ガイドの表示中に前記確認を行うとともに、前記確認に際し、タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当するか否かを確認し、前記タッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当する場合に、前記タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断することを特徴とするタッチパネル検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に設けられたタッチパネルの検査技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、デジタルカメラ等の電子機器には、タッチパネルが搭載されたものが多く、係る電子機器にあっては、製品出荷前にタッチパネルが正常に動作しているか否かを確認する検査が不可欠である。タッチパネルの検査技術として、例えば下記特許文献1には、複数の導電領域が設けられた所定形状の検査治具をタッチパネルの操作面上に接触させ、その状態でタッチ操作を行う技術が記載されている。係る技術によれば、大型の検査装置を小型化し、簡便かつ短時間での検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−238199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の検査技術においても、タッチパネルを搭載する電子機器とは別に検査装置が不可欠である。また、電子機器に組み付けられた状態で製品検査を実施する場合には、作業効率が極めて悪いという問題があった。これは、製品出荷前の検査の他に、ユーザーが電子機器を購入した後の検査などでも同様である。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、特定の検査装置が不要で、簡便かつ短時間でタッチパネルの検査が可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明にあっては、タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動しているか否かを逐次判定する判定手段と、前記判定手段によりタッチ操作の位置が、前記検査用のタッチ操作経路の終点より前に、タッチ状態が解除されることなくタッチされた状態を維持したままで移動していないと判定された時点で、その判定結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定の検査装置が不要で、簡便かつ短時間でタッチパネルの検査が可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る電子機器を示すブロック図である。
図2】タッチパネル検査モードでの処理を示すフローチャートである。
図3】検査用パターンが表示された表示画面を示す図である。
図4】タッチパネルの上辺の検査時における検査用パターンの変化を示す表示画面の遷移図である。
図5】タッチパネルの右辺の検査時における検査用パターンの変化を示す表示画面の遷移図である。
図6】検査結果の表示形態を示す図である。
図7】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。 図1は、本発明を適用した電子機器1の要部を示すブロック図である。この電子機器1は、例えばタッチパネルを備えた携帯電話機、スマートフォン(Smart Phone)、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラである。
【0010】
電子機器1は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access memory)13、内蔵メモリ14、入力部15、表示部16を備えている。
【0011】
ROM12には、CPU11に電子機器1を制御させるための各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述する製品の工場出荷時等の検査工程で使用される検査用プログラムが含まれる。
【0012】
RAM13は、作業用のメモリでありCPU11が電子機器1を制御する際に各種データが一時的に記憶される。
【0013】
内蔵メモリ14は、フラッシュメモリ等から構成され、例えば静止画や動画像の画像データ、電話帳データ、メールデータ、スケジュールデータ、文書データ、音楽データが記憶される。
【0014】
入力部15は、電源キーを含む各種の操作ボタン等によって構成され、電子機器1に対するユーザーからの操作指示を電気信号としてCPU11に入力する。
【0015】
表示部16は、文字や画像等の情報を表示するTFT型のLCD(Liquid Crystal Display)161と、駆動回路162と、LCD161の表面に組み付けられたタッチパネル163と、パネルIC(Integrated Circuit)164とから構成される。
【0016】
駆動回路162は、CPU11からの指示に従いLCD161を駆動し、LCD161の画面上に文字や画像等を表示させる。
【0017】
タッチパネル163は静電容量方式であり、図示しないが、透光性の基板の同一平面上に設けられたITO(Indium Tin Oxide)膜からなるX方向に延在する複数行の電極パターンとY方向に延在する複数列の電極パターンとによって形成されたXY方向に並ぶ多数の電極部分をそれぞれセンサとして機能させる一般的な構成である。
【0018】
パネルIC164は、タッチパネル163の制御用ICであり、タッチパネル163の複数行及び複数列の各電極パターンを決められた順に個別に駆動して、XY方向に並ぶ多数の電極部分の静電容量を行単位又は列単位で示す検出値を取得する。
【0019】
そして、パネルIC164は、取得した検出値に基づいてパネルIC164がタッチ状態か、タッチ状態がタッチされていない状態へ変化したリリース状態かを示すステータス情報、及びタッチ位置(xy座標での位置)を示す位置情報を取得し、それらをタッチ情報(操作情報)としてCPU11へ供給する。
【0020】
より具体的に説明すると、CPU11へのタッチ情報の供給は、いずれかの行又は列の電極パターンの検出値が変化すると、それを示すイベント情報がパネルIC164からCPU11へ供給され、係るイベント情報の供給をトリガとしたCPU11からの要求に応じて行われる。
【0021】
そして、以上の構成からなる電子機器1には、動作モードとして、製造現場で製品検査時に使用されるタッチパネル検査モードが予め用意されている。タッチパネル検査モードは、主として電子機器1の組立工程でタッチパネル163を電子機器1の筐体へ取り付ける際に前述した電極パターンに断線等が生じることによってタッチパネル163に不具合が生じていないか検査するための動作モードである。このタッチパネル検査モードは、製造現場での使用に限らず、ユーザーが電子機器を購入した後に、サービスマンやユーザー自身が検査を行う場合に使用することも可能である。
【0022】
タッチパネル検査モードを用いた検査手順は極めて簡単であり、検査を行う者はタッチパネル検査モードを設定した後、LCD161の画面Gに表示される後述する上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101(図3参照)を、単に画面(タッチパネル163)にタッチした指でなぞることにより行われる。
【0023】
以下、タッチパネル検査モードが設定されたときのCPU11の処理手順を図2のフローチャートに従い説明する。
【0024】
図2に示したようにCPU11は、電子機器1にタッチパネル検査モードが設定されると直ちに処理を開始し、まず、検査対象となるタッチパネル163の辺を予め決められた順に設定し、検査対象の辺に応じた検査用パターンをLCD161に表示させる(ステップS1)。
【0025】
ここで、検査対象となるタッチパネル163の辺は上下左右の全ての辺であり、検査順は上辺、右辺、下辺、左辺の順であり、処理開始当初の検査対象は上辺である。また、検査用パターンは、上下辺用の検査用パターン100と左右辺用の検査用パターン101との2種類である。
【0026】
図3は、LCD161の表示画面Gに、上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101が表示された状態を示した図である。同図(a)は検査対象が上辺のときの状態であり、表示画面Gの上辺に接して上下辺用の検査用パターン100が表示された状態の図である。同図(b)は、検査対象が右辺のときの状態であり、表示画面Gの右辺に接して左右辺用の検査用パターン101が表示された状態の図である。同図(c)は検査対象が下辺のときの状態であり、表示画面Gの下辺に接して上下辺用の検査用パターン100が表示された状態の図である。同図(d)は検査対象が左辺のときの状態であり、表示画面Gの左辺に接して左右辺用の検査用パターン101が表示された状態の図である。
【0027】
ここで、上下辺用の検査用パターン100は、タッチパネル163のY方向に延在する複数列の電極パターン横断するタッチ操作経路を示すものであり、X方向に並ぶ複数のブロック100aにより構成される。ブロック100aの数はタッチパネル163の前述した複数列の電極パターンの列数と同一であり、各ブロック100aの並び方向の幅xは、各列の電極パターンの幅以下である。
【0028】
また、左右辺用の検査用パターン101は、タッチパネル163のX方向に延在する複数行の電極パターンを横断するタッチ操作経路を示すものであり、Y方向に並ぶ複数のブロック101aにより構成される。ブロック101aの数はタッチパネル163の前述した複数行の電極パターンの行数と同一であり、各ブロック101aの並び方向の幅yは、各行の電極パターンの幅以下である。
【0029】
したがって、処理開始当初のステップS1の処理に際してCPU11は、上下辺用の検査用パターン100を、図3(a)に示したようにタッチパネル163(LCD161の表示画面)の上辺に位置した状態でLCD161に表示させる。
【0030】
以後、CPU11は、パネルIC164からタッチ情報を取得する毎に(ステップS2:YES)、取得したタッチ情報における異常の有無を確認する(ステップS3)。
【0031】
タッチ情報が異常な場合の例を具体的に説明すると、例えばタッチ情報がリリース状態を示すものであったり、タッチ位置として、現在表示中の上下辺用の検査用パターン100又は左右辺用の検査用パターン101の各ブロック100a,101aとは全く異なる座標位置を示すものであったり、複数ヶ所のタッチ位置を示すものである場合である。
【0032】
なお、どのようなタッチ情報が検出された場合に異常とみなすかは、パネルIC164によるタッチ状態やタッチ位置の検出方法に依存する部分もあるので、この例に限定されないが、例えば、複数ヶ所のタッチ位置を示す場合の異常としては以下のものが考えられる。
【0033】
つまり、複数の電極パターンがショート状態であることにより、複数ヶ所のタッチ位置が同時に検出される場合があり、この場合は異常と判断できる。
【0034】
また、パネルIC164の機能として、太い指で操作された場合であっても検出されるタッチ位置が1箇所だけになるように、連続する複数箇所が同時にタッチされた場合には、その中の代表位置(例えば中央)のみが検出されるような機能を備えるものであってもよい。そして、そのような機能を備えている場合に、例えば、同時にタッチされている複数箇所の中央部分が断線していると、その複数個所の連続性が無くなり非連続となってしまうので、複数個所が同時にタッチされたものとして検出される場合があり、この場合も異常と判断できる。
【0035】
また、電極パターンが断線していることにより、例えば、N番目の電極パターンに対応する位置のタッチが検出された後に、N+1番目の電極パターンに対応する位置のタッチが検出される前に、N+2番目の電極パターンに対応する位置のタッチが検出される場合があり、この場合には、N+1番目の電極パターンが断線している異常であると判断することができる。
【0036】
つまりステップS3の処理においてCPU11は、予め想定されている取得されるべきタッチ位置が得られない場合には、タッチ情報が異常であると判断し、予め想定されている取得されるべきタッチ位置が得られた場合には、タッチ情報が正常であると判断する。
【0037】
CPU11は、タッチ情報に異常が無ければ(ステップS3:NO)、次に、タッチ情報により示されるタッチ位置が検査用パターン100,101の表示中の複数のブロック100a,101aのいずれかの座標範囲内か否かを確認する(ステップS4)。
【0038】
そして、CPU11は、タッチ位置が表示中の複数のブロック100a,101aのいずれの座標範囲内でもなければ(ステップS4:NO)、そのままステップS2の処理へ戻る。
【0039】
一方、タッチ位置が表示中の複数のブロック100a,101aのいずれかの座標範囲内であれば(ステップS4:YES)、CPU11は、該当するブロック100a,101aを消去した後(ステップS5)、消去したブロック100a,101aを正常ブロックとし、正常ブロック数をカウントアップする(ステップS6)。
【0040】
以後、CPU11は、正常ブロック数が規定数、つまり検査対象の辺に対応する検査用パターン100,101のブロック数に達するまでは(ステップS7:NO)、ステップS2の処理へ戻り、前述した処理を繰り返す。
【0041】
このとき、電極パターンの断線などがあった場合には、正常ブロック数が規定数に達することがないため、ステップS2でタッチ情報が取得されるのを待ち続けることになるが、所定時間以上タッチ情報が取得されなかった場合にも異常と判断するようにしてもよい。
【0042】
したがって、図4に示したように、処理開始当初において検査対象がタッチパネル163の上辺に設定され、LCD161の上辺に接して上下辺用の検査用パターン100が表示されているときには、検査を行う者が、画面にタッチした指Fで検査用パターン100を左端側から右端側へ(逆でもよい)なぞる様に移動させると、移動させた範囲の各ブロック100aが順に消失することとなる。そして、前述したステップS3の処理でCPU11によりタッチ情報の異常が確認されなければ、全てのブロック100aが消失する。
【0043】
その後、CPU11は、正常ブロック数が規定数に達すると(ステップS7:YES)、その時点で現在の検査対象の辺に対する検査が終了したと判断し、タッチパネル163の全ての辺の検査が終了するまでは(ステップS8:NO)、ステップS1へ戻って、検査対象の辺を次の検査順の辺に設定し、その辺に応じた検査用パターンをLCD161に表示させる。すなわち、2巡目の処理に際してCPU11は、図3(b)に示したようにLCD161の右辺に接して左右辺用の検査用パターン101を表示させる。
【0044】
しかる後、CPU11は、ステップS2以降の前述した処理を繰り返す。したがって、図5に示したように、検査対象がタッチパネル163の右辺に設定されているときにも、検査を行う者が、画面にタッチした指Fで検査用パターン101を上端側から下端側へ(逆でもよい)なぞる様に移動させると、移動させた範囲の各ブロック101aが順に消失することとなる。そして、ステップS3の処理でCPU11によりタッチ情報の異常が確認されなければ、全てのブロック101aが消失する。
【0045】
また、これ以降もCPU11は、タッチパネル163の全ての辺の検査が終了するまでは(ステップS8:NO)、ステップS1へ戻り上記と同様の処理を繰り返す。
【0046】
すなわち、CPU11は、3巡目の処理に際しては、図3(c)に示したようにLCD161の下辺に接して上下辺用の検査用パターン100を表示させた後、また4巡目の処理に際しては、図3(d)に示したようにLCD161の左辺に接して左右辺用の検査用パターン101を表示させた後、それぞれ前述したステップS2以降の処理を繰り返す。
【0047】
そして、CPU11は、上述した処理中にステップS3の処理でタッチ情報の異常が確認されることなく、タッチパネル163の全ての辺の検査が終了したら(ステップS8:YES)、全ての辺について検査結果が正常であったと判断し、その旨を示す検査結果情報として、図6(a)に示したように「検査OK」をLCD161に表示する(ステップS9)。これによりタッチパネル検査モードによる処理を終了する。
【0048】
また、CPU11は、上述した処理中に任意の時点でタッチ情報の異常を確認した場合(ステップS3:YES)、つまりその時点で検査対象として設定されているタッチパネル163のいずれか辺について異常を確認した場合には、その旨を示す検査結果情報として、図6(b)に示したように「検査NG」をLCD161に表示する(ステップS10)。これによりタッチパネル検査モードによる処理を終了する。
【0049】
以上のように本実施形態の電子機器1においては、タッチパネル検査モードを設定した後、LCD161の画面Gに表示される検査用パターン100,101を、単に画面(タッチパネル163)にタッチした指でなぞるだけで、電子機器1に組み込まれた後のタッチパネル163の正常、異常の別を検査することができる。
【0050】
したがって、電子機器1においては、タッチパネル163の検査に際して特定の検査装置が不要であるとともに、1回のタッチ毎に指を離すことなく、タッチしたままで指を移動するだけで複数の電極パターンを検査することができるので、電極パターンの数が増えた場合でも検査時間が大幅に増えてしまうようなことがなく、タッチパネル163を簡単に、かつ短時間で検査することができる。また、検査時には前述した検査用パターン100,101が画面表示されるため、検査に必要なタッチ操作を検査を行う者に確実に行わせることができる。
【0051】
しかも、製品の出荷前には、タッチパネル163以外にも電子機器1の他の動作確認を行うことが一般的であるが、係る動作確認と一連の作業によってタッチパネル163自体の検査を行うことができ、製品検査の作業効率を向上させることができる。
【0052】
さらに、上述した検査方法はCPU11に図2で説明した処理を行わせるだけで実施することができ、特別なハードウェア構成が不要である。よって、上述した検査方法は、既存の電子機器についても、本実施形態においてROM12に格納されているものと同様の検査用プログラムを適用するだけで、容易に、かつ低コストで実施することができる。
【0053】
また、本実施形態では、タッチパネル163の上下左右の全ての辺を順に検査対象として、上下左右の各辺に上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101を順に表示させるようにした。これにより、検査の信頼性を向上させることができる。
【0054】
すなわち前述したタッチパネル163における複数行の電極パターン、及び複数列の電極パターンのいずれかにおける断線等の不具合の有無は、タッチパネル163の互いに垂直な2辺のみを検査対象として検査を行えば原理的には必要、かつ十分である。
【0055】
これに対し、タッチパネル163における上下左右の全ての辺を検査対象とすることにより、同一行の電極パターン、及び同一列の電極パターンに対し、それぞれタッチ位置を変えて断線等の不具合の有無を冗長性を持たせて検査することより、検査の信頼性を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、各辺を順に検査対象とする際には、検査対象の辺に応じた上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101のみを表示させ、その辺の検査中に異常が無いことを条件として、次に検査対象とする辺に応じた上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101のみを表示させるようにした。よって、任意の辺を対象とした検査段階で異常が発見された場合に、それ以降の無駄な検査作業を継続させてしまうことがなく、検査作業を効率的に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態では、上下辺用の検査用パターン100を、タッチパネル163の複数列の電極パターンの列数と同数のブロック100aにより構成し、左右辺用の検査用パターン101を、タッチパネル163の複数行の電極パターンの行数と同数のブロック101aにより構成した。よって、タッチパネル163の検査作業時には、確認すべき位置へのタッチ操作を検査を行う者により確実に行わせることができ、電子機器1における必要充分な検査動作を担保することできる。
【0058】
また、本実施形態では、表示中の上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101の各ブロック100a,101aのうち、既にタッチされた表示位置のブロック100a,101aを逐次消去する。よって、タッチパネル163の検査作業途中には、決められたタッチ操作を行っているか否かを検査を行う者に直感的に確認させると同時に、タッチ操作ミスがあった場合には、それを知らせることができる。
【0059】
なお、係る点については、既にタッチされた表示位置のブロック100a,101aを逐次消去するのではなく、例えば表示色を変える等の方法により、タッチされていない他の表示位置のブロック100a,101aと識別可能な状態に逐次変化させることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、タッチされた表示位置のブロック100a,101aを逐次消去するのではなく、検査の終了後にまとめて、タッチが検出された電極パターンの位置とタッチが検出されなかった電極パターンの位置とを識別して表示するようにしてもよい。
【0061】
また、タッチされた表示位置のブロック100a,101aを逐次消去するのではなく、各ブロック100a,101aを事前に表示せずに、タッチされた表示位置のブロック100a,101aを逐次表示するようにしてもよい。
【0062】
その場合においても、検査の終了後にまとめて、タッチが検出された電極パターンの位置とタッチが検出されなかった電極パターンの位置とを識別して表示するようにしてもよい。
【0063】
また、電極パターンの位置を識別して表示する代わりに電極パターンの番号を表示するようにしてもよい。
【0064】
検査中に逐次表示状態を変化させていく場合も、検査の終了後にまとめて表示状態を変化させる場合も、表示を見ることで異常のあった電極パターンの位置や番号を知ることができるが、検査中に逐次表示状態を変化させていく場合には、タッチ操作ミスが原因で異常が示されたのか、電極パターンの断線やショートにより異常が示されたのかを検査を行う者が直感的に判断できるという利点がある。
【0065】
さらに、本実施形態においては、各表示位置のブロック100a,101aがタッチされたか否かを、検出されたタッチ位置がいずれかのブロック100a,101aの表示領域内であるか否かによって確認した。よって、電子機器1における必要充分な検査動作を担保することできる。
【0066】
また、本実施形態においては、各辺を対象とした検査時にカウントした正常ブロックのカウント値が全て既定値だった場合に、タッチパネルに異常が無いと判定するようにした。よって、電子機器1における必要充分な検査動作を担保することできる。
【0067】
一方、本実施形態においては、前述したタッチ情報を取得した際、それが異常であって、表示中の上下辺用、又は左右辺用の検査用パターン100,101の各ブロック100a,101aに該当するタッチ位置が得られないときには、直ちにタッチパネル163に異常があると判定するものについて説明した。
【0068】
しかし、本実施形態とは異なり、各辺を対象とした検査時にカウントした正常ブロックのカウント値の合計値が既定値に達しない場合に、タッチパネル163に異常があると判定するようにしてもよい。すなわち検出されたタッチ位置のみに基づいてタッチパネル163の異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態においては、前述したタッチ情報を取得した際、それがリリース状態を示すものである場合には、直ちにタッチ情報に異常があると判断するものについて説明したが以下のようにしてもよい。
【0070】
すなわちリリース状態を示すタッチ情報を取得した場合であっても、その直前にN番目の電極パターンに対応するタッチ位置が取得されており、かつその直後にN+1番目の電極パターンに対応するタッチ位置が取得された場合については、タッチ情報に異常がないと判断するようにしてもよい。つまり係る場合には、タッチ状態が解除されることなくタッチされたままの状態であるとして検査を続行するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施形態においては、検査時においては検査用パターン100,101を指でなぞる方向が限定されないものについて説明したが、その方向を予め決めておき、その方向に応じた順にタッチ位置が取得できたことを条件として、タッチパネル163が正常であると判定するようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態においては、上下辺用の検査用パターン100を表示画面Gの上辺又は下辺に接して表示し、左右辺用の検査用パターン101を表示画面Gの右辺又は左辺に接して表示するようにしたが、各々の検査用パターン100,101は、表示画面Gの各辺に位置していれば、各辺の近傍に離間させた位置に表示させてもよい。
【0073】
また、上下辺用、及び左右辺用の検査用パターン100,101を、タッチ位置の確認対象となる単位部分であるブロック100a,101aから構成されるものとした。しかし、上下辺用、及び左右辺用の検査用パターン100,101は、タッチパネル163の検査時におけるタッチ操作経路を示すガイドとして機能するものであればよく、それぞれを単なる実線等とすることもできる。
【0074】
さらに、本実施形態においては、タッチ操作経路をタッチパネル163の上下左右の各辺に沿った経路とするものについて説明した。しかし、タッチ操作経路は前記タッチパネルの電極の配置に応じたもの、具体的にはタッチパネル163の複数行の電極パターン、及び複数列の電極パターンの全てを任意の位置で横断するものであればよく、本実施形態で説明したものとは異なる経路とすることもできる。また、タッチ操作経路は単一の経路であっても構わない。
【0075】
図7は、その場合の変形例であって、タッチ操作経路を示すガイドとして実線を表示させる場合を示した図である。
【0076】
具体的に説明すると、図7(a)は、表示画面Gに、その対角線に相当する位置に2本の直線201,202をそれぞれガイドとして表示させる例であって、2本の直線201,202が互いに異なる2つのタッチ操作経路をそれぞれ示す場合の例である。
【0077】
この場合、タッチパネル163の検査時には、検査を行う者に各直線201,202を順になぞるタッチ操作を行わせればよい。また、直線201,202は、既説した実施形態と同様に個別に表示させたり、既にタッチされた領域部分を逐次消去させたりしてもよい。
【0078】
また、図7(b)は、表示画面Gに、上下左右の各部が表示画面Gの各辺に近接する大きさの楕円を描く実線301をガイドとして表示させる例であって、それが単一のタッチ操作経路を示す場合の例である。
【0079】
また、図7(c)は、表示画面Gに、上下左右の角部が表示画面Gの各辺に近接する大きさの四角形を描く実線401をガイドとして表示させる例であって、それが単一のタッチ操作経路を示す場合の例である。
【0080】
なお、図7(b)、図7(c)に示した実線(ガイド)301,401についても、既にタッチされた領域部分を逐次消去させたりしてもよい。
【0081】
また、以上の説明においては、電子機器1に設けられるタッチパネルが静電容量方式のものである場合について説明したが、本発明はタッチパネルが抵抗膜方式のものであっても適用することができる。但し、その場合には、タッチパネルの検査に先立ちキャリブレーションが行われている必要がある。
【0082】
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段による確認結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
[請求項2]
前記所定の操作状態は、タッチ状態が解除されることなくタッチされたままの状態であり、
前記確認手段は、前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチ状態が解除されることなくタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
[請求項3]
前記所定の操作状態は、前記取得手段により取得された操作情報に異常がない状態であり、
前記確認手段は、前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチの異常がない状態でタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
[請求項4]
前記所定の操作状態は、前記検査用のタッチ操作経路を外れることなく、前記検査用のタッチ操作経路に沿ってタッチされている状態であり、
前記確認手段は、前記取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路を外れることなく、検査用のタッチ操作経路に沿って検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
[請求項5]
前記検査用のタッチ操作経路を示すとともに前記タッチパネルの電極の配置に応じたガイドを前記表示部に表示させる表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の電子機器。
[請求項6]
前記確認手段は、前記ガイドの表示中に前記確認を行うとともに、前記確認に際し、前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当するか否かを確認し、前記タッチ位置が前記ガイドの表示位置に該当する場合に、前記タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
[請求項7]
前記検査用のタッチ操作経路は、前記表示部の互いに垂直な2辺にそれぞれ設定する設定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された前記検査用のタッチ操作経路を示す前記ガイドを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
[請求項8]
前記設定手段は、前記検査用のタッチ操作経路を前記2辺の一方側に設定した後、前記確認手段によって、タッチ状態が解除されることなくタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したと確認されたことを条件として、前記2辺の他方側に設定することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
[請求項9]
前記ガイドは、前記検査用のタッチ操作経路における電極数と同数の複数の単位部分から構成され、
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示位置に該当するか否かを確認し、前記タッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示位置に該当する場合に、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断する
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電子機器。
[請求項10]
前記表示制御手段は、前記表示部に表示させている前記ガイドを、前記複数の単位部分のうち、前記確認手段によって前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が該当することを確認された表示位置の単位部分を、他の単位部分と識別可能な状態に逐次変化させることを特徴とする請求項9記載の電子機器。
[請求項11]
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ情報に含まれるタッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示領域内であるか否かを確認し、前記タッチ位置が前記複数の単位部分のいずれかの表示領域内である場合に、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路上であると判断することを特徴とする請求項9又は10記載の電子機器。
[請求項12]
前記確認手段は、前記確認に際し、前記タッチ位置が該当することが確認された表示位置の前記単位部分の数が所定数に達したとき、タッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したと判断することを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項に記載の電子機器。
[請求項13]
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器において、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する工程と、
取得した操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する工程と、
前記確認の結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する工程と、
前記判定の結果を出力する工程と
を含むことを特徴とするタッチパネル検査方法。
[請求項14]
タッチパネルが設けられた表示部を備えた電子機器が有するコンピュータに、
前記タッチパネルの操作状態、及びタッチ位置を含む操作情報を取得する処理と、
取得した操作情報に基づき、所定の操作状態を維持したままでタッチ操作の位置が検査用のタッチ操作経路の始点から終点まで移動したか否かを確認する処理と、
前記確認の結果に基づいて前記タッチパネルの異常の有無を判定する処理と、
前記判定の結果を出力手段に出力させる処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0083】
1 電子機器
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 内蔵メモリ
15 入力部
16 表示部
161 LCD
162 駆動回路
163 タッチパネル
164 パネルIC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7