(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のフィルタユニットは、筒形状における軸心方向が鉛直方向となるように設けられるとともに、該複数のフィルタユニットを構成する各フィルタユニットは、他のフィルタユニットと水平方向の位置を異にして設けられており、
前記複数のフィルタユニットのうち、1または複数のフィルタユニットの鉛直下方には、濾過工程で生じた固体残渣を排出する固体残渣排出口が設けられ、
前記レジスタパイプへの前記複数のフィルタユニットの取り付け本数を最大本数未満とする場合、前記固体残渣排出口の鉛直上方における、前記封止部材に対する該フィルタユニットの比率が、該固体残渣排出口の鉛直上方以外における、該封止部材に対する該フィルタユニットの比率より高い請求項1に記載の濾過装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
(濾過装置100)
図1は、濾過装置100を説明するための図であり、
図2は、
図1のII−II線における鉛直断面(YZ断面)の概略図であり、
図3は、
図1のIII−III線における水平断面(XY断面)図である。本実施形態の
図1〜
図3では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。
【0014】
これらの図に示すように、濾過装置100は、ベッセル110と、被処理液導入口120と、流通口130と、フィルタユニット140と、レジスタパイプ150と、固体残渣排出口160と、排出弁162と、抜液配管170とを含んで構成される。
【0015】
ベッセル110は、金属で構成された容器であり、固液混合液SL(被処理液)が導入される。本実施形態において、ベッセル110の内面には、ゴムやフッ素樹脂等のライニング加工が施されている。
【0016】
被処理液導入口120は、ベッセル110の下部(フィルタユニット140の下方)に設けられた開口であって、ベッセル110内に固液混合液SLを導入するための開口である。本実施形態において、被処理液導入口120には不図示のポンプが接続されており、ポンプが駆動されることによって、固液混合液SLがベッセル110内に導入されることとなる。
【0017】
流通口130は、ベッセル110における被処理液導入口120よりも上方、また、フィルタユニット140よりも上方に設けられた開口であって、固液混合液SLや、気体(例えば、窒素N
2)をベッセル110外に排出したり、圧縮気体(例えば、圧縮窒素N
2)をベッセル110内に導入したりするための開口である。
【0018】
フィルタユニット140は、軸心方向(長手方向)が鉛直方向(
図1〜3中、Z軸方向)に配されるように、ベッセル110内に複数設けられており、濾過機能を有するフィルタを含んで構成されるユニットである。フィルタユニット140の具体的な構成については、後に詳述する。
【0019】
レジスタパイプ150は長手方向が水平方向(
図1〜3中、Y軸方向)に配されるように、ベッセル110内に複数設けられ、複数のフィルタユニット140が連結され、フィルタユニット140の外方から内方に液体が圧入されることで、当該フィルタユニット140によって濾過された液体(濾液FL)が、連通口152aを通じて導入され、導入された濾液FLをベッセル110外に送出するための管である。
図1〜3に示すように、1のレジスタパイプ150には、複数(ここでは、2本、6本、8本、10本、12本のいずれか)のフィルタユニット140が、軸心方向を鉛直方向に沿わせるように吊り下げられて連結されている。また、レジスタパイプ150は、複数のフィルタユニット140が、水平面(
図1〜3中、XY平面)上で格子状に配されるように、フィルタユニット140を連結する。
【0020】
図4は、フィルタユニット140およびレジスタパイプ150を説明するための図であり、
図4(a)はフィルタユニット140およびレジスタパイプ150の斜視図を、
図4(b)はフィルタユニット140の斜視図を、
図4(c)は上部材250の鉛直断面図を、
図4(d)は下部材260の鉛直断面図を示す。
図4(a)、(b)に示すように、フィルタユニット140は、キャンドルユニット210と、フィルタ220とを含んで構成される。
【0021】
キャンドルユニット210は上部材250と、下部材260と、キャンドル本体270とを含んで構成される。
【0022】
上部材250は、レジスタパイプ150の連通管152に形成された連通口152aと連通する開口252を有する。また、上部材250には、キャンドルユニット210をレジスタパイプ150に連結するためのピン孔250aが設けられている。下部材260は、フィルタユニット140の底部を構成する部材であり、有底筒形状の部材である。上部材250、下部材260は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂やステンレス鋼等の金属で構成される。
【0023】
キャンドル本体270は、
図4(b)に示すように、ライザーパイプ272と、キャンドルピース274とを含んで構成され、一方の端部が上部材250に接続され、他方の端部が下部材260に接続される。ライザーパイプ272は、筒形状を有する部材であり、ライザーパイプ272の外壁には、複数(ここでは、6本)のキャンドルピース274が取り付けられている。キャンドルピース274は、筒形状を有する部材であり、複数のスリット274aが設けられている。
【0024】
フィルタ220は、筒形状を有する濾布であり、キャンドルユニット210の外周に配される。
【0025】
ここで、フィルタユニット140のレジスタパイプ150への取り付けについて説明する。
図5は、フィルタユニット140のレジスタパイプ150への取り付けを説明するための図である。
【0026】
図5(a)に示すように、まず、レジスタパイプ150の連通管152に設けられたピン孔152bと、キャンドルユニット210の上部材250に設けられたピン孔250aとの位置を合わせ、ピン孔152b、250aにピン154を挿入して、キャンドルユニット210をレジスタパイプ150に吊り下げる。
【0027】
そして、
図5(b)に示すように、キャンドルユニット210の外周およびレジスタパイプ150の連通管152に、筒形状のフィルタ220を被せて、フィルタ220における連通管152に対応する位置と、フィルタ220における下部材260に対応する位置とにホースバンド156を巻き回して固定する。このように、ホースバンド156で2箇所(フィルタ220における連通管152に対応する位置、フィルタ220における下部材260に対応する位置)固定することにより、フィルタユニット140をレジスタパイプ150に強固に取り付けることができる。したがって、フィルタユニット140内からフィルタユニット140外へ洗浄(逆洗)を行っても、フィルタユニット140がレジスタパイプ150から外れてしまう頻度を低減することができる。したがって、洗浄回数を増加させることができ、フィルタ220の目詰まりを抑制する、つまり、フィルタ220の寿命を延長することができる。
【0028】
なお、本実施形態において、連通管152とフィルタ220の間、下部材260とフィルタ220の間、フィルタ220とホースバンド156の間にクッション材158を介在させている。これにより、キャンドルユニット210とフィルタ220、フィルタ220と連通管152とを密着させることが可能となる。
【0029】
このようにしてフィルタユニット140がレジスタパイプ150に取り付けられる。そして、被処理液導入口120を通じてベッセル110内に固液混合液SLが圧入されると、
図4(b)に示すように、固液混合液SLは、フィルタ220によって濾過(固液分離)され、固体残渣SR(ケーキ)がフィルタ220の外表面に残留するとともに、濾液FLがスリット274aを通じてキャンドルピース274内に流入する。そして、キャンドルピース274内に流入した濾液FLは、キャンドルピース274内を下方向に流れ、ライザーパイプ272に集まって上方に押し出されて、レジスタパイプ150に回収されることとなる。
【0030】
図1、2に戻って説明すると、固体残渣排出口160は、ベッセル110における被処理液導入口120の下方、かつ、フィルタユニット140の下方に設けられた開口であって、濾過によって生じた固体残渣SRをベッセル110外に排出するための開口である。排出弁162は、固体残渣排出口160を開閉する開閉弁である。
【0031】
抜液配管170は、ベッセル110内における排出弁162の近傍に開口が位置し、濾過によって生じた液体残渣LRをベッセル110外に排出するための配管である。
【0032】
続いて、濾過装置100を用いた、固液混合液SLの固液分離方法について説明する。
図6は、濾過装置100を用いた固液分離方法の処理の流れを説明するための図である。濾過装置100を用いた固液分離方法は、充液工程S310(
図6(a))、循環工程S312(
図6(b))、濾過工程S314(
図6(c))、抜液工程S316(
図6(d))、ブロー工程S318(
図6(e))、ドレン抜き工程S320(
図6(f))、排圧工程S322(
図6(g))、固体残渣排出工程S324(
図6(h))、逆洗工程S326(
図6(i))、バックブロー工程S328(
図6(j))を含む。以下、各工程について説明する。
【0033】
(充液工程S310)
まず、排出弁162を閉じ、被処理液導入口120、流通口130、および抜液配管170の出口、レジスタパイプ150の第1の出口を開いておく。そして、ポンプを駆動して、不図示の固液混合液貯留部から、
図6(a)に示すように、被処理液導入口120を通じてベッセル110内に固液混合液SL(
図6中、クロスハッチングで示す)を導入し、ベッセル110内を固液混合液SLで充填する。ここで、流通口130、抜液配管170の出口、レジスタパイプ150の第1の出口は開放されているため、ベッセル110内に固液混合液SLが導入されることによって、流通口130、抜液配管170、レジスタパイプ150の第1の出口からベッセル110内の空気が押し出されることとなる。なお、フィルタユニット140におけるフィルタ220内には、フィルタ220によって濾過された濾液FLが導入され、レジスタパイプ150に送出される。
【0034】
(循環工程S312)
次に、
図6(b)に示すように、被処理液導入口120を通じたベッセル110内への固液混合液SLの導入を続行する。そして、レジスタパイプ150の第1の出口から送出される濾液FL(
図6中、ハッチングで示す)を固液混合液貯留部に返送して、濾液FLが清澄になるまで、固液混合液SLを循環させる。ここで、フィルタ220によって分離された固体残渣SRが沈降しないように、流通口130において、固液混合液SLをオーバーフローさせる。なお、流通口130を通じてオーバーフローされた固液混合液SLおよび抜液配管170から送出された固液混合液SLは、固液混合液貯留部に返送される。
【0035】
(濾過工程S314)
続いて、被処理液導入口120を通じたベッセル110内への固液混合液SLの導入を続行して、
図6(c)に示すように、抜液配管170、レジスタパイプ150の第1の出口を閉じ、第1の出口とは異なる第2の出口を開いて、被処理液導入口120から固液混合液SLを圧入する。そうすると、レジスタパイプ150の第2の出口から濾液FL(
図6中、ハッチングで示す)が送出されるとともに、フィルタユニット140の外表面に固体残渣SR(
図6中、黒い塗りつぶしで示す)が残留することとなる。
【0036】
(抜液工程S316)
濾過工程S314が終了すると、ポンプの駆動を停止するとともに、被処理液導入口120、レジスタパイプ150の第2の出口を閉じる。また、レジスタパイプ150の第1の出口、および、抜液配管170の出口を開く。そして、
図6(d)に示すように、流通口130から圧縮気体(例えば、圧縮窒素N
2)をベッセル110内に逆流させ、ベッセル110内を加圧状態とする。そうすると、ベッセル110内に残留した固液混合液SLが抜液配管170を通じて、外部に排出され、レジスタパイプ150の第1の出口から濾液FLおよび気体(窒素N
2)が放出されることとなる。これにより、ベッセル110内から固液混合液SLが排出されることとなる。なお、ベッセル112外に排出された固液混合液SLおよび濾液FLは、原液槽102に返送される。
【0037】
(ブロー工程S318)
続いて、
図6(e)に示すように、抜液配管170の出口を閉じて、流通口130から圧縮気体を導入する。そうすると、圧縮気体によって、フィルタユニット140に残留した固体残渣SRの脱水を行うことができる。また、ブロー工程S318は、レジスタパイプ150ごとに順次行う。
【0038】
(ドレン抜き工程S320)
そして、
図6(f)に示すように、圧縮気体の導入を維持したまま、抜液配管170の出口を開く。そうすると、流通口130から導入される圧縮気体によって、ベッセル110内に残留した固液混合液SLを、抜液配管170を通じて、ベッセル110外に排出することができる。
【0039】
(排圧工程S322)
ドレン抜き工程S320が終了すると、圧縮気体の導入を停止するとともに、抜液配管170の出口を閉じる。そして、
図6(g)に示すように、流通口130、レジスタパイプ150の第1の出口を通じてベッセル112内の窒素を排出し、ベッセル110内の大気圧と同等にする。これにより、排出弁162を開く際の安全性を確保することができる。
【0040】
(固体残渣排出工程S324)
続いて、レジスタパイプ150の第1の出口を閉じ、第2の出口を開く。そして、
図6(h)に示すように、排出弁162を開いて、レジスタパイプ150の第2の出口から圧縮気体(例えば、圧縮窒素N
2)をバックブローする(逆流させる)。これにより、固体残渣SRをフィルタユニット140から脱離させ、固体残渣排出口160からベッセル110外に排出することができる。なお、流通口130からは窒素N
2が排出されることとなる。
【0041】
(逆洗工程S326)
固体残渣排出工程S324が終了すると、排出弁162を閉じる。そして、
図6(i)に示すように、不図示のポンプを駆動して、レジスタパイプ150の第2の出口から洗浄液WSを導入する。これにより、フィルタユニット140のフィルタ220の逆洗(洗浄)を行うことができる。
【0042】
(バックブロー工程S328)
続いて、ポンプの駆動を停止して、レジスタパイプ150の第2の出口から圧縮気体(例えば、圧縮窒素N
2)を導入する。これにより、フィルタユニット140のフィルタ220の逆洗(洗浄)を行うことができる。また、逆洗工程S326、バックブロー工程S328は、レジスタパイプ150ごとに順次行う。
【0043】
そして、抜液配管170を開いて洗浄液WSをベッセル110外に排出して、固液分離方法の一連の工程が終了することとなる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態にかかる濾過装置100によれば、固液混合液SLを効率よく固液分離(濾過)できる。
【0045】
ここで、濾過装置100の濾過面積を調整する場合、レジスタパイプ150ごとフィルタユニット140を外すことで、濾過面積を調整する構成が考えられるが、フィルタユニット140ごとといった細かい単位で濾過面積の調整を行いたいという要望がある。フィルタユニット140単位で濾過面積の調整を行う場合、レジスタパイプ150からフィルタユニット140を取り外せばよいが、この場合、フィルタユニット140を取り外した連通管152の連通口152aが開口してしまうため、連通口152aを封止する必要がある。
【0046】
そこで、本実施形態の濾過装置100は、上記構成要素に加えて、さらに、封止部材400を備える。封止部材400は、フィルタユニット140に代えて、レジスタパイプ150の連通口152aを封止する部材である。フィルタユニット140に代えて、連通口152aを封止部材400で封止する構成により、レジスタパイプ150単位よりも細かい、フィルタユニット140単位で濾過面積を調整することが可能となる。
【0047】
図7は、本実施形態にかかる封止部材400の構成例を説明するための図である。
図7に示すように、本実施形態において、封止部材400は、フィルタユニット140の上部材250と、下部材260とが接合(溶接)されて構成される。
【0048】
これにより、既存の部品を有効利用して製造することができ、設計に要する手間を省略することができる。
【0049】
また、レジスタパイプ150への封止部材400の取り付けを、レジスタパイプ150へのフィルタユニット140と実質的に等しくすることができる。具体的に説明すると、封止部材400をレジスタパイプ150に取り付ける場合、まず、レジスタパイプ150の連通管152に設けられたピン孔152bと、
図7(b)に示す、封止部材400を構成する上部材250に設けられたピン孔250aとの位置を合わせ、ピン孔250aにピン154を挿入して、封止部材400をレジスタパイプ150に吊り下げる。
【0050】
そして、封止部材400の外周およびレジスタパイプ150の連通管152に、筒形状のフィルタ220を被せて、フィルタ220における連通管152に対応する位置と、フィルタ220における封止部材400(下部材260)に対応する位置とにホースバンド156を巻き回して固定する。このように、ホースバンド156で2箇所(フィルタ220における連通管152に対応する位置、フィルタ220における封止部材400に対応する位置)固定することにより、封止部材400をレジスタパイプ150に強固に取り付けることができる。
【0051】
なお、本実施形態において、連通管152とフィルタ220の間、封止部材400(下部材260)とフィルタ220の間、フィルタ220とホースバンド156の間にクッション材158を介在させている。これにより、封止部材400とフィルタ220、フィルタ220と連通管152とを密着させることが可能となり、封止部材400で連通口152aを確実に封止することができる。
【0052】
また、封止部材400は、ピン154と、ホースバンド156で取り付けているため、レジスタパイプ150から容易に取り外すことができる。
【0053】
続いて、フィルタユニット140に代えて、封止部材400をレジスタパイプ150に取り付ける際のレイアウトについて説明する。
【0054】
図8は、封止部材400のレイアウトを説明するための図である。封止部材400を連結する場合、つまり、レジスタパイプ150へのフィルタユニット140の取り付け本数を最大本数未満とする場合、固体残渣排出口160の鉛直上方における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率が、固体残渣排出口160の鉛直上方以外における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率より高くなるように、フィルタユニット140および封止部材400が配されるとよい。ここで、固体残渣排出口160の鉛直上方に配される連通口152a(フィルタユニット140、封止部材400)は、水平方向の位置が固体残渣排出口160の範囲内に含まれる連通口152a(フィルタユニット140、封止部材400)を示す。
【0055】
本実施形態にかかる固体残渣排出口160は、ベッセル110の水平方向の中央に位置することから、ベッセル110の内壁に近い箇所に配される連通管152に封止部材400(
図8中、黒い塗りつぶしで示す)を配するとよい。
【0056】
仮に、固体残渣排出口160の鉛直上方以外における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率が、固体残渣排出口160の鉛直上方における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率より高くなるように、フィルタユニット140および封止部材400が配されるとする。この場合、上記固体残渣排出工程S324において、フィルタユニット140から脱離した固体残渣SRが固体残渣排出口160に到達する前に、ベッセル110の内壁に衝突し、当該内壁に付着してしまう場合がある。そうすると、上記逆洗工程S326、バックブロー工程S328を行ったとしても、固体残渣SRが固体残渣排出口160から排出されず、次の充液工程S310においても、固体残渣SRがベッセル110内に残留してしまう。
【0057】
そこで、固体残渣排出口160の鉛直上方における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率が、固体残渣排出口160の鉛直上方以外における、封止部材400に対するフィルタユニット140の比率より高くなるように、封止部材400を配する構成により、固体残渣SRがベッセル110の内壁に付着し、残留してしまう事態を抑制することが可能となる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態にかかる濾過装置100によれば、フィルタユニット140に代えて、封止部材400をレジスタパイプ150に取り付けるだけといった簡易な構成で、レジスタパイプ150単位よりも細かいフィルタユニット140単位で濾過面積を調整することができる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば、上記実施形態において、被処理液導入口120は、ベッセル110の下部に配される構成について説明したが、被処理液導入口120の位置に限定はない。同様に、流通口130が被処理液導入口120の上方に配される構成について説明したが、流通口130の位置に限定はない。
【0061】
また、上記実施形態において、封止部材400が上部材250と下部材260とを接合して構成される場合を例に挙げて説明したが、封止部材400の構成に限定はなく、フィルタユニット140に代えて、レジスタパイプ150の連通口152aを封止することができればよい。
【0062】
また、上記実施形態において、フィルタユニット140に代えて封止部材400をレジスタパイプ150に取り付けることにより、フィルタユニット140単位で濾過面積を調整することができる濾過装置100について説明した。しかし、フィルタ220の長さLを0<L<Lmax(Lmaxは、通常のフィルタユニット140を構成するフィルタ220の長さ)としたフィルタユニットに代えることで、さらに細かい単位で濾過面積を調整することができる。
【0063】
また、上記実施形態において、ベッセル112の内面にはライニング加工が施される構成について説明したが、被処理液が腐食性ではない場合はライニング加工を施さなくてもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、キャンドルピース274には複数のスリット274aが設けられている構成について説明したが、スリット274aの代わりに丸穴等としてもよい。