(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにリモートコントローラーの操作入力部をタッチパネルで構成し、ユーザによる操作入力部への接触(タッチ)があるまでリモートコントローラーを低消費電力状態とする構成では、操作入力部における接触を検出する回路には、常時電力が供給されることになる。このような構成において、操作入力部への接触の検出精度を向上させるために、接触を検出する回路として、感度(測定分解能)が高いために消費電力の大きなセンサーを用いると、リモートコントローラーの待機状態における消費電力が増大するという問題があった。なお、かかる問題は、操作入力部が操作ボタンで構成されている構成においても共通する問題であった。その他、従来のリモートコントローラーにおいては、リモートコントローラーの小型化や、低コスト化、信頼性の向上、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、制御対象物を制御するためのリモートコントローラーが提供される。このリモートコントローラーは、筐体と;前記筐体の外部表面に配置され、前記制御対象物を制御するための操作の入力を受け付ける操作入力部と;前記操作に応じて前記制御対象物を制御するための制御信号を、前記制御対象物に送信する制御部と;前記筐体の内部に配置され、前記操作入力部において前記操作の入力を受け付けると、前記操作入力部と接触する基板と;前記基板に配置され、前記操作入力部との接触による前記基板の振動を検出して前記振動の検出を示す検出信号を出力するセンサーと;前記検出信号に基づき、前記操作の入力の有無を特定する接触検出部と;前記制御部に供給される電力を制御する電力供給制御部であって、前記接触検出部により前記操作の入力が有ると特定されると、前記制御部への供給電力を、前記接触検出部により前記操作の入力が無いと特定される場合に比べて増大させる、電力供給制御部と;前記基板と接する支持部と;を備え;前記基板において前記支持部との接触部は、前記基板が振動する際の支点となり;前記センサーは、前記基板において、前記接触部とは異なる位置に配置されており;前記センサーは、前記基板において、前記接触部と前記基板の縁部との間における前記縁部側に配置されている。
本発明の他の形態によれば、制御対象物を制御するためのリモートコントローラーが提供される。このリモートコントローラーは、筐体と;前記筐体の外部表面に配置され、前記制御対象物を制御するための操作の入力を受け付ける操作入力部と;前記操作に応じて前記制御対象物を制御するための制御信号を、前記制御対象物に送信する制御部と;前記筐体の内部に配置され、前記操作入力部において前記操作の入力を受け付けると、前記操作入力部と接触する基板と;前記基板に配置され、前記操作入力部との接触による前記基板の振動を検出して前記振動の検出を示す検出信号を出力するセンサーと;前記検出信号に基づき、前記操作の入力の有無を特定する接触検出部と;前記制御部に供給される電力を制御する電力供給制御部であって、前記接触検出部により前記操作の入力が有ると特定されると、前記制御部への供給電力を、前記接触検出部により前記操作の入力が無いと特定される場合に比べて増大させる、電力供給制御部と;取付け金具が設置されている面に、前記リモートコントローラーを取り付けるための取付け部と、
前記面に前記リモートコントローラーが取り付けられた状態で前記面と対向する前記筐体の対向面に配置され、前記操作入力部において前記操作の入力を受け付ける際に前記面と接触する突出部と;を備え;前記取付け部は、前記リモートコントローラーが前記操作の入力方向に移動可能となるように、前記取付け金具と係合する。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、リモートコントローラーが提供される。このリモートコントローラーは、筐体と;前記筐体の外部表面に配置され、前記制御対象物を制御するための操作の入力を受け付ける操作入力部と;前記操作に応じて前記制御対象物を制御するための制御信号を、前記制御対象物に送信する制御部と;前記筐体の内部に配置され、前記操作入力部において前記操作の入力を受け付けると、前記操作入力部と接触する基板と;前記基板に配置され、前記操作入力部との接触による前記基板の振動を検出して前記振動の検出を示す検出信号を出力するセンサーと;前記検出信号に基づき、前記操作の入力の有無を特定する接触検出部と;前記操作に応じた制御信号を、前記制御対象物に送信する制御部と;前記制御部に供給される電力を制御する電力供給制御部であって、前記接触検出部により前記操作の入力が有ると特定されると、前記制御部への供給電力を、前記接触検出部により前記操作の入力が無いと特定される場合に比べて増大させる、電力供給制御部と;を備える。この形態のリモートコントローラーによれば、基板の振動を検出して検出信号を接触検出部に送信するセンサーを基板に配置し、かかる基板は、操作の入力を受け付けると操作入力部と接するので、操作が入力される際の衝撃を、基板の振動として検出させることができる。このため、感度(測定分解能)が低いために消費電力が少ないセンサーを用いても、或いは、センサーを感度が低いために消費電力が少ない動作モードで動作させた場合であっても、操作の入力を精度よく検出することができる。したがって、リモートコントローラーの消費電力の上昇を抑制しつつ、操作入力部への操作入力の検出精度を向上できる。
【0007】
(2)上記形態のリモートコントローラーにおいて、さらに、前記基板と接する支持部を備え、前記基板において前記支持部との接触部は、前記基板が振動する際の支点となり、前記センサーは、前記基板において、前記接触部とは異なる位置に配置されていてもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、基板が振動する際の支点となる接触部とは異なる位置にセンサーが配置されているので、接触部と同じ位置にセンサーが配置されている構成に比べて、センサーにより大きな振動を検出させることができる。
【0008】
(3)上記形態のリモートコントローラーにおいて、前記接触部は、前記基板において、前記操作入力部と前記操作の入力方向において対応する位置である対応位置に配置されていてもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、接触部は、操作入力部と操作の入力方向において対応する位置に配置されているので、操作の入力の衝撃をしっかりと基板に伝えることができる。
【0009】
(4)上記形態のリモートコントローラーにおいて、前記センサーは、前記基板において、前記接触部と前記基板の縁部との間における前記縁部側に配置されていてもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、接触部と基板の縁部との間において、接触部側よりもより振動する縁部側にセンサーが配置されているので、センサーにより大きな振動を検出させることができる。
【0010】
(5)上記形態のリモートコントローラーにおいて、前記操作入力部は、互いに離れた複数の副操作入力部を有し、前記対応位置は、前記基板において、前記複数の副操作入力部の中央の位置と前記入力方向において対応する位置であってもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、複数の副操作入力部の中央の位置と入力方向において対応する位置に接触部が位置するので、いずれの副操作入力部において操作の入力を受け付けても、かかる入力の衝撃をしっかりと基板に伝えることができる。
【0011】
(6)上記形態のリモートコントローラーにおいて、前記筐体は、縁部にリブを有し、前記支持部は、前記リブの一部として構成され、前記リブのうち、前記支持部を除く他の部分は、前記操作入力部が前記操作の入力を受け付けていない状態において、前記基板と接していなくてもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、支持部として筐体とは別の部材を用意することを要しないので、リモートコントローラーの小型化および製造コストの低廉化を実現できる。
【0012】
(7)上記形態のリモートコントローラーにおいて、さらに、取付け金具が設置されている面に、前記リモートコントローラーを取り付けるための取付け部と、前記面に前記リモートコントローラーが取り付けられた状態で前記面と対向する前記筐体の対向面に配置され、前記操作入力部において前記操作の入力を受け付ける際に前記面と接触する突出部と、を備え、前記取付け部は、前記リモートコントローラーが前記操作の入力方向に移動可能となるように、前記取付け金具と係合してもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、操作入力部において操作の入力を受け付ける際に、リモートコントローラーは突出部において面と接触し、かつ、リモートコントローラーは、入力方向に移動可能となる。このため、操作入力部において操作の入力を受け付けると、入力の衝撃によって、リモートコントローラー全体を振動(揺動)させることができるので、センサーにおいてより大きな振動を検出させることができる。
【0013】
(8)上記形態のリモートコントローラーにおいて、前記操作入力部は、タッチパネルを有してもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、操作入力部は、タッチパネルを有しているので、リモートコントローラーのデザイン性を向上できると共に、リモートコントローラーの小型化や製造コストの低廉化を実現できる。
【0014】
(9)上記形態のリモートコントローラーにおいて、さらに、前記電力を供給するバッテリーを備えてもよい。この形態のリモートコントローラーによれば、省電力モードにおけるリモートコントローラーの消費電力を抑制できるので、バッテリーの交換頻度或いはバッテリーの充電頻度を低減できる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、遠隔制御システム、リモートコントローラーの製造方法、操作入力部への操作の入力を検知する方法等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのリモートコントローラーの外観構成を示す説明図である。リモートコントローラー100は、鉛直方向と平行な壁面Wに設置されており、空調装置200を遠隔制御する。リモートコントローラー100は、筐体101と、表示部10と、操作入力部20とを備える。なお、
図1では、+Z方向は、鉛直上方に相当する。また、Y軸方向は、壁面Wと平行な方向である。また、X軸方向は、壁面Wと垂直な方向である。以降では、Z軸方向とは、+Z方向と−Z方向との総称を意味する。同様に、X軸方向は、+X方向と−X方向との総称を意味し、Y軸方向は、+Y方向と−Y方向との総称を意味する。
【0018】
筐体101は、略直方体の外観形状を有し、樹脂により形成されている。表示部10および操作入力部20は、筐体101において、壁面Wと対向する面とは反対側の面S1に露出している。表示部10は、面S1において略中央に配置されている。本実施形態では、表示部10は、液晶パネルにより構成されており、空調装置200の現在の状態(風量や、動作モードや、設定温度など)や、操作入力部20から入力された入力内容を表示する。
【0019】
操作入力部20は、空調装置200を制御するための操作の入力を受け付ける。本実施形態では、操作入力部20は、面S1において、表示部10の鉛直下方に配置されている。操作入力部20は、タッチパネルにより構成されている。本実施形態では、操作入力部20を構成するタッチパネルとして、静電容量式のタッチパネルを採用する。なお、静電容量式に代えて、抵抗膜式や圧力検出式、光学式といった他の方式のタッチパネルを用いてもよい。
【0020】
図2は、
図1に示すリモートコントローラー100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、リモートコントローラー100は、上述した筐体101、表示部10、および操作入力部20に加えて、基板30と、制御部40と、タッチ検出部45と、加速度センサー50と、電力供給部60とを備えている。
【0021】
基板30は、表面に配線を有する薄板状の部材である。基板30と操作入力部20との間には、接触伝達部29が配置されている。接触伝達部29は、樹脂性の棒状の部材であり、ユーザが操作入力部20を接触した際の衝撃(タッチ)を、基板30に伝達する。換言すると、基板30は、接触伝達部29を介して操作入力部20と接触する。
【0022】
制御部40は、基板30上に配置されており、表示部10、および操作入力部20と電気的に接続されている。制御部40は、無線通信部41と、空調制御部42とを備えている。無線通信部41は、空調装置200との間で無線通信を行うためのアンテナや各種回路により構成されている。本実施形態では、無線通信部41と空調装置200との間の通信として、赤外線通信が用いられる。なお、赤外線通信に代えて、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信や、IEEE802.11に規定された各種無線LAN(Local Area Network)通信を採用してもよい。
【0023】
空調制御部42は、操作入力部20から入力される操作内容に応じて、空調装置200に対して、風量や風の向きや温度等を指示する制御コマンドを無線通信部41を介して送信する。また、空調制御部42は、空調装置200から送信される空調装置200の状態を示す情報を、無線通信部41を介して受信する。空調制御部42は、基板30が備える図示しないマイクロプロセッサやメモリ等により構成されている。なお、空調制御部42を各種回路により構成してもよい。
【0024】
タッチ検出部45は、基板30上に配置されており、各種回路により構成されている。タッチ検出部45は、加速度センサー50と電気的に接続されており、加速度センサー50から加速度を示す信号を受信し、かかる信号に基づき操作入力部20への操作の入力(ユーザによるタッチ)の有無を特定(検出)する。具体的には、タッチ検出部45は、加速度センサー50から受信した信号が示す加速度が、所定の閾値以上であれば、操作入力部20への操作の入力が有ると特定し、かかる入力を検出する。また、タッチ検出部45は、電力供給部60と電気的に接続されており、操作入力部20への操作の入力を検出すると、検出信号を電力供給部60に送信する。
【0025】
加速度センサー50は、基板30上に配置されており、基板30の加速度を検出し、検出した加速度をタッチ検出部45に通知する。後述するように、基板30は、操作入力部20への操作の入力があると振動するため、加速度センサー50は、基板30の加速度として0m/s
2よりも大きな値を検出し、タッチ検出部45に通知する。なお、上述したタッチ検出部45における操作入力を検出する際に用いられる所定の閾値は、例えば、予め入力待機状態における基板30の加速度の最大値を実験により測定しておき、かかる最大値よりも大きな値を設定することができる。なお、入力待機状態における基板30の加速度は、例えば、筐体101に風が当たることによる振動や、壁面Wからの振動に起因する加速度を含む。
【0026】
電力供給部60は、バッテリー61と、電力供給制御部62とを備えている。バッテリー61は、リモートコントローラー100の各機能部に電力を供給する。本実施形態では、バッテリー61は、乾電池であるが、乾電池に代えて他の任意の種類の一次電池や、二次電池を用いても良い。
【0027】
電力供給制御部62は、表示部10、操作入力部20、制御部40、およびタッチ検出部45と電気的に接続されており、これらの各機能部への電力の供給を制御する。具体的には、操作入力部20への操作の入力があると、電力供給制御部62は、表示部10、操作入力部20、制御部40、およびタッチ検出部45に、それぞれ電力を供給する。このように、表示部10、操作入力部20、制御部40、およびタッチ検出部45に、それぞれ給電する動作モードを、以降では、「通常モード」と呼ぶ。これに対して、操作入力部20への操作の入力が一定期間無いと、電力供給制御部62は、タッチ検出部45にのみ電力を供給する。このように、タッチ検出部45にのみ給電する動作モードを、以降では、「省電力モード」と呼ぶ。省電力モードでは、タッチ検出部45にのみ給電を行うため、通常モードに比べて、制御部40への供給電力が少ない。また、制御部40の省電力モードにおける消費電力は、制御部40の通常モードにおける消費電力に比べて少ない。上述した通常モードと省電力モードとの間における動作モードの切り替え処理については、後ほど詳述する。
【0028】
図3は、
図1におけるリモートコントローラー100の1−1断面を示す断面図である。
図3に示すように、筐体101の縁部にはリブ110が形成されている。リブ110において、筐体101の天井に対応する部分には、Y軸に沿った方向に延びる係合溝102が形成されている。同様に、リブ110において、筐体101の底部分に対応する部分には、Y軸に沿った方向に延びる係合溝103が形成されている。係合溝102および係合溝103は、互いにZ軸方向において対応する位置に配置されており、基板30の縁部と係合する。ここで、係合溝102および係合溝102の幅(X軸方向の長さ)は、いずれも基板30の厚さ(X軸方向の長さ)よりも長い。したがって、係合溝102および係合溝103は、基板30がX軸方向に移動可能となるように、基板30と係合する。
【0029】
図3に示すように、操作入力部20の内側面の中央部分には、接触伝達部29の一方の端部が接合されている。接触伝達部29において、操作入力部20と接合されている端部とは反対側の端部は、基板30と接している。接触伝達部29は、接触伝達部29の中心軸がX軸方向と平行となるように配置されている。
【0030】
筐体101の+X方向の端面(すなわち、壁面Wと対向する面S2)の内側には、支持部80が配置されている。支持部80は、弾性を有する棒状の部材であり、本実施形態では、ゴムにより構成されている。なお、ゴムとしては、例えば、シリコーンゴムや、ブタジエンゴムや、フッ素ゴムゴムなど、任意のゴムを採用することができる。また、ゴムに代えて、弾性を有する樹脂により支持部80を構成してもよい。支持部80の一方の端部は、リブ110と接合されており、他方の端部は、半球面状の外観構成を有し、頂点部分において基板30と接している。支持部80は、中心軸がX軸方向と平行となるように配置されている。
図3に示すように、支持部80は、支持部80の中心軸と接触伝達部29の中心軸とが一致するように配置されている。操作入力部20と、接触伝達部29と、支持部80とが上述した位置関係であるため、基板30において、支持部80と接する接触部31は、基板30において、操作入力部20の中央部と、X軸方向において対応する位置に配置されている。
【0031】
図3に示すように、制御部40は、基板30において、Z軸方向における略中央(より正確には、中央から若干上方側)に配置されている。加速度センサー50は、基板30において、+Z方向(鉛直上方)の縁部の近傍に配置されている。
【0032】
図4は、基板30における加速度センサー50の配置位置を説明する説明図である。
図4では、説明の便宜上、
図3に示す各構成要素のうち、基板30、加速度センサー50、および支持部80のみ表わしている。
【0033】
図4に示すように、加速度センサー50のZ軸方向の位置p50は、接触部31のZ軸方向の位置p31と、基板30の縁部33aのZ軸方向の位置p33とのうち、位置p33側(位置p33寄り)の位置である。加速度センサー50の位置p50が位置p33側(位置p33寄り)とは、加速度センサー50が、接触部31と縁部33aとの間のZ軸方向に沿った中央部34のZ軸方向に沿った位置p34と、縁部33aの位置p33との間の領域Ar1に配置されていることを意味する。換言すると、加速度センサー50の位置p50は、中央部34の位置p34と、
接触部31のZ軸方向の位置p31との間の領域Ar2に配置されていない。
【0034】
上述の加速度センサー50は、請求項におけるセンサーに相当する。また、タッチ検出部45は、請求項における接触検出部に相当する。
【0035】
A2.動作モード切替処理:
図5は、リモートコントローラー100において実行される動作モード切替処理の手順を示すフローチャートである。バッテリー61からの給電が可能な状態となると、動作モード切替処理が実行される。
【0036】
電力供給制御部62は、現在の動作モードが通常モードであるか否かを判定する(ステップS105)。通常モードであると判定されると(ステップS105:YES)、電力供給制御部62は、タッチ検出部45から所定期間以上の間、検出信号を受信していないか否かを判定する(ステップS110)。最後に検出信号を受信してから、所定期間経過していない場合(ステップS110:NO)、前述のステップS105に戻る。これに対して、所定期間以上の間、検出信号を受信していないと判定されると(ステップS110:YES)、電力供給制御部62は、省電力モードに移行し、タッチ検出部45にのみ給電を行う(ステップS115)。電力供給制御部62は、タッチ検出部45から検出信号を受信したか否かを判定する(ステップS120)。検出信号を受信したと判定されると(ステップS120:YES)、電力供給制御部62は、通常モードに移行し、表示部10、操作入力部20、制御部40、およびタッチ検出部45に、それぞれ給電する。前述のステップS105において、通常モードではない(すなわち、省電力モードである)と判定されると(ステップS105:NO)、前述のステップS120に移る。また、前述のステップS120において、検出信号を受信していないと判定されると(ステップS120:NO)、前述のステップS105に戻る。
【0037】
A3.操作入力時(タッチ時)の動作:
図6は、操作入力部20において操作入力を受け付けた際のリモートコントローラー100の動作を示す説明図である。
図6に示すように、ユーザが操作入力部20にタッチすると、その接触の衝撃が、接触伝達部29を介して基板30に伝わる。
図6に示すように、ユーザのタッチの方向、すなわち、操作の入力方向は、+X方向である。上述したように、基板30の接触部31は、基板30において、操作入力部20の中央部と、X軸方向において対応する位置に配置されているので、接触の衝撃が基板30に伝えられた際に、接触部31は、支持部80から応力を受ける。このため、基板30には、操作入力部20への接触の衝撃がしっかりと伝わる。
【0038】
上述したように、基板30は、X軸方向に移動可能に係合溝102および係合溝103に係合されているので、基板30に操作入力部20への接触の衝撃が伝わると、接触部31を支点(軸)として揺動する。このときの基板30の動きは、基板30が筐体101にしっかりと固定されている構成に比べて大きい。したがって、加速度センサー50は、より大きな加速度を検出することとなる。特に、加速度センサー50は、接触部31から遠いために大きく揺動する縁部の近傍に配置されているので、基板30の揺動に伴って大きく揺動する。したがって、加速度センサー50は、所定の閾値以上の加速度を検出することができる。
【0039】
以上説明した第1実施形態のリモートコントローラー100では、加速度センサー50を基板30に配置し、基板30は、操作入力部20において操作の入力を受けた際に、操作入力部20と接するので、操作入力時(タッチ時)の衝撃を、基板の振動として検出させることができる。このため、センサー50として、感度(測定分解能)が低く、かつ、消費電力が少ないセンサーを用いても、或いは、センサー50を感度が低く、かつ、消費電力が少ない動作モードで動作させた場合であっても、操作の入力を精度よく検出することができる。したがって、リモートコントローラー100の消費電力の上昇を抑制しつつ、操作入力部20への接触の検出精度を向上できる。加えて、加速度センサー50は、接触部31とは異なる位置に配置されているので、接触部31に配置されている構成に比べて、基板30に衝撃が伝えられた際により大きく揺動する。このため、操作入力部20への接触の検出精度をより向上できる。
【0040】
また、加速度センサー50のZ軸方向の位置p50は、接触部31のZ軸方向の位置p31と、基板30の縁部33aのZ軸方向の位置p33とのうち、位置p33側の位置であるので(換言すると、領域Ar1内の位置であるので)、位置p31側の位置である構成(換言すると、領域Ar2内の位置である構成)に比べて、基板30に衝撃が伝えられた際により大きく揺動する。このため、操作入力部20への接触の検出精度をより向上できる。
【0041】
また、基板30の接触部31は、基板30において、操作入力部20の中央部と、X軸方向において対応する位置に配置されているので、基板30に、操作入力部20への接触の衝撃をしっかりと伝えることができる。
【0042】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態のリモートコントローラーの外観構成を示す説明図である。第2実施形態のリモートコントローラー100aは、操作入力部20に代えて操作入力部20aを備えている点と、支持部80の配置位置とにおいて、第1実施形態のリモートコントローラー100と異なる。第2実施形態のリモートコントローラー100aにおいて、その他の構成は、第1実施形態のリモートコントローラー100の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図7に示すように、第2実施形態の操作入力部20aは、第1の副操作入力部21と、第2の副操作入力部22とを備えている。第1の副操作入力部21は、面S1において、表示部10の鉛直上方に配置されている。第2の副操作入力部22は、面S1において、表示部10の鉛直下方に配置されている。第1の副操作入力部21および第2の副操作入力部22は、いずれも第1実施形態の操作入力部20と同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。第1の副操作入力部21は、例えば、空調装置200における設定温度を上昇させる際に用い、第2の副操作入力部22は、例えば、空調装置200における設定温度を下降させる際に用いられる。
【0044】
図8は、
図7におけるリモートコントローラー100aの7−7断面を示す断面図である。
図8に示すように、第1の副操作入力部21と基板30との間には、接触伝達部29aが配置されている。また、第2の副操作入力部22と基板30との間には、接触伝達部29bが配置されている。これら2つの接触伝達部29a、29bは、いずれも、第1実施形態における接触伝達部29と同じ構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0045】
図8に示すように、支持部80のZ軸方向の位置CLは、第1の副操作入力部21の中央部のZ軸方向の位置B1と、第2の副操作入力部22の中央部のZ軸方向の位置B2との中央に相当する。したがって、基板30において支持部80と接する接触部31は、第1の副操作入力部21と第2の副操作入力部22の中央の位置と、X軸方向において対応する位置に配置されている。
【0046】
以上の構成を有する第2実施形態のリモートコントローラー100aは、第1実施形態のリモートコントローラー100と同様の効果を有する。上述した第2実施形態および第1実施形態から理解できるように、基板30において、操作入力部20,20aに対してユーザのタッチの方向において対応する位置に配置される接触部31を、本発明のリモートコントローラーに採用することができる。なお、第3実施例では、接触部31aは、請求項における接触部に相当する。
【0047】
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態のリモートコントローラーの構成を示す断面図である。
図9では、第3実施形態のリモートコントローラー100bにおいて、
図1における1−1断面と同様な位置での断面を表わしている。第3実施形態のリモートコントローラー100bは、支持部80が省略されている点と、筐体101に代えて筐体101aを備えている点と、加速度センサー50の配置位置とにおいて、第1実施形態のリモートコントローラー100と異なる。第3実施形態のリモートコントローラー100bにおいて、その他の構成は、第1実施形態のリモートコントローラー100の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図9に示すように、第3実施形態の筐体101aは、リブ110に代えてリブ110aを備えている点において、第1実施形態の筐体101と異なり、他の構成は、第1実施形態の筐体101と同じである。リブ110aは、係合溝102に代えて係合溝102aを備え、かつ、係合溝103に代えて係合溝103aを備えている点において、第1実施形態のリブ110と異なり、他の構成は、第1実施形態のリブ110と同じである。
【0049】
第3実施形態の係合溝102aの幅(X軸方向の長さ)は、基板30の厚さ(X軸方向の長さ)と略同一である。したがって、
図9に示すように、基板30の鉛直上方の端部は、係合溝102aにしっかりと嵌合され、X軸方向に移動することができない。すなわち、リブ110aは、接触部31aにおいて基板30を支持している。
【0050】
これに対して、第3実施形態の係合溝103aの幅(X軸方向の長さ)は、第1実施形態の係合溝103の幅(X軸方向の長さ)よりも大きい。したがって、基板30の鉛直下方の端部は、第1実施形態に比べて、X軸方向により大きく移動することができる。
【0051】
図9に示すように、第3実施形態において、加速度センサー50は、基板30において、鉛直下方の縁部の近傍に配置されている。
【0052】
図10は、第3実施形態において、操作入力部20において操作入力を受け付けた際のリモートコントローラー100bの動作を示す説明図である。操作入力部20における操作(タッチ)の衝撃が基板30に伝えられる際の動作は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0053】
基板30に操作入力部20における操作(タッチ)の衝撃が伝えられると、基板30は、接触部31aを支点(軸)として揺動する。このとき、基板30において、接触部31aから遠く離れている、鉛直下方の縁部は、基板30の他の部分に比べて大きく揺動することとなる。したがって、加速度センサー50は、大きな振動(加速度)を検出する。
【0054】
以上の構成を有する第3実施形態のリモートコントローラー100bは、第1実施形態のリモートコントローラー100と同様の効果を有する。加えて、基板30の揺動における支点(軸)を、基板30の縁部とし、かかる縁部から離れた縁部(支点となる縁部と反対側の縁部)の近傍に加速度センサー50を配置するので、基板30に衝撃が伝えられた際に、加速度センサー50をより大きく揺動させることができる。また、支持部80を省略できるので、リモートコントローラー100bの製造コストを抑えることができる。
【0055】
D.第4実施形態:
図11は、第4実施形態のリモートコントローラーの構成を示す断面図である。
図11では、第4実施形態のリモートコントローラー100cにおいて、
図1における1−1断面と同様な位置での断面を表わしている。第4実施形態のリモートコントローラー100cは、筐体101に代えて筐体101bを備えている点と、突出部85を備えている点と、壁面Wに配置された取付け金具90により壁面Wに取り付けられている点とにおいて、第1実施形態のリモートコントローラー100と異なる。第4実施形態のリモートコントローラー100cにおいて、その他の構成は、第1実施形態のリモートコントローラー100の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図11に示すように、第4実施形態の筐体101bは、壁面Wと対向する面S2において、
Z軸方向に並んだ2つの係合孔105を備えている点において、第1実施形態の筐体101と異なり、他の構成は、第1実施形態の筐体101と同じである。2つの係合孔105は、いずれも筐体101bを厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0057】
突出部85は、面S2の中央部において、外側(壁面W側)に向かって突出して配置されている。突出部85は、半球状の外観形状を有し、
図11の状態においては、頂点89が壁面Wに接している。突出部85が面S2から外側に突出しているため、面S2と壁面Wとの間には、突出部85のX軸方向の長さに相当する間隙g1が形成されている。なお、本実施形態において、突出部85は、支持部80と同様の材料により構成されている。
【0058】
図11に示すように、壁面Wにおいて、各係合孔105に対応する位置には、取付け金具90が設置されている。取付け金具90は、支持部91と、円筒部92とを備えている。支持部91は、平面視形状が略円形である薄い円盤状の外観形状を有し、壁面Wに接合されている。支持部91において、壁面Wと接している面とは反対の面には、円筒部92が接合されている。円筒部92は、略円筒形の外観形状を有し、支持部91から−X方向に突出して配置されている。円筒部92において、支持部91と接合されている側とは反対側の端部には、円筒部92の他の部分に比べて外径がより大きい先端部93が形成されている。円筒部92は、係合孔105と係合し、先端部93は、筐体101bの内部に配置されている。先端部93は、取付け金具90が係合孔105から抜けることを抑制する。
【0059】
図11に示すように、突出部85のX軸方向の長さと面S2におけるリブ110のX軸方向の長さとを合わせた長さは、円筒部92において先端部93を除いた部分のX軸方向の長さよりも短い。このため、
図11に示すように、先端部93の+X方向の端部と、筐体101bの内側の面との間には、間隙g2が形成されている。このように、間隙g2が形成されることにより、筐体101b(リモートコントローラー100c全体)は、X軸方向に移動することができる。また、突出部85の頂点89が壁面Wに接しているので、筐体101b(リモートコントローラー100c全体)は、頂点89を支点(軸)として、揺動することができる。
【0060】
図12は、第4実施形態において、操作入力部20において操作入力を受け付けた際のリモートコントローラー100cの動作を示す説明図である。操作入力部20における操作(タッチ)の衝撃が基板30に伝えられる際の動作は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。また、基板30に衝撃が伝えられた後における接触部31を支点(軸)とした基板30の動き(揺動)は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0061】
図12に示すように、操作入力部20において操作入力を受け付けると、その衝撃が筐体101bに伝えられる。そうすると、筐体101b自体が、頂点89を支点(軸)として、揺動することとなる。そして、筐体101bが揺動することにより、その衝撃が支持部80を介して基板30に伝わるので、基板30は、より大きく揺動することとなる。
【0062】
以上の構成を有する第4実施形態のリモートコントローラー100cは、第1実施形態のリモートコントローラー100と同様の効果を有する。加えて、取付け金具90を用いてリモートコントローラー100cを壁面Wに取り付けた際に、取付け金具90の先端部93と筐体101bとの間に間隙g2が形成されるようにしているので、筐体101b(リモートコントローラー100c全体)をX軸方向に移動させることができる。換言すると、取付け金具90は、筐体101b(リモートコントローラー100c全体)がX軸方向に移動となるように、係合孔105と係合する。加えて、リモートコントローラー100cは、突出部85の頂点89でのみ壁面Wと接し、面S2は壁面Wに接していないので、操作入力部20において操作入力を受け付けて、その衝撃が筐体101bに伝えられた際に、筐体101b(リモートコントローラー100c全体)を揺動させることができる。したがって、その揺動の衝撃を、支持部80を介して基板30に伝えることができるので、基板30をより大きく揺動させることができる。
【0063】
E.変形例:
E1.変形例1:
各実施形態におけるリモートコントローラー100、100a、100b、および100cの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、リモートコントローラー100、100a、100b、および100cと、空調装置200との通信は、無線通信であったが、無線通信に代えて、有線通信としてもよい。また、電力供給部60は、バッテリー61を備えていたが、バッテリー61を備えていなくてもよい。この構成では、外部から電力を供給することが好ましい。また、各実施形態において、操作入力部20、20aは、いずれもタッチパネルを有していたが、タッチパネルに代えて、ハードウェアボタンを有しても良い。この構成においても、ハードウェアボタンが押されたか否かの検出精度を向上できる。
【0064】
E2.変形例2:
第1、第2、および第4実施形態では、加速度センサー50のZ軸方向の位置p50は、領域Ar1内であったが、領域Ar1に代えて、領域Ar1内であってもよい。また、位置p50が、接触部31の位置31と、鉛直下方側の縁部33bのZ軸方向の位置との間となるように、センサー50を配置してもよい。この構成では、接触部31の位置p31と縁部33bのZ軸方向の位置との間において、縁部33b側にセンサー50を配置することが好ましい。このようにすることで、より揺動する縁部33b側にセンサー50が配置されるので、センサー50における操作入力の検出精度をより向上させることができる。また、第1、第2、および第4実施形態では、接触部31は、基板30において、操作入力部20,20aに対してユーザのタッチの方向において対応する位置に配置されていたが、かかる位置に代えて、他の任意の位置に配置してもよい。換言すると、接触部31が、操作入力部20,20aに対してユーザのタッチの方向において対応する位置とは異なる位置に配置されるように、支持部80を配置してもよい。
【0065】
E3.変形例3:
各実施形態では、基板30をX軸方向に移動可能とするために、リブ110、110aに溝102、102a、103、103aを設けていたが、これらの溝102、102a、103、103aを省略してもよい。この構成では、基板30をX軸方向に移動可能に支持するために、例えば、バネやスポンジ等の弾性体により、基板30を、+X方向および−X方向から支持することもできる。
【0066】
E4.変形例4:
各実施形態では、表示部10と操作入力部20、20aとは、別体であったが、これらを一体化してもよい。具体的には、表示部10をタッチパネルとし、表示部10において操作の入力を受け付けてもよい。この構成では、表示部10と基板30との間に、接触伝達部29が配置される。なお、この構成では、表示部10において、操作ボタンアイコンが表示される位置に対して、X軸方向において対応する位置に、接触部が配置されることが好ましい。
【0067】
E5.変形例5:
各実施形態では、制御部40およびタッチ検出部45は、いずれも加速度センサー50が搭載されている基板30と同じ基板30に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。制御部40およびタッチ検出部45のうち、少なくとも一方は、基板30とは異なる基板に配置してもよい。すなわち、一般には、操作入力部20における操作(タッチ)の衝撃が伝達される基板として、少なくとも加速度センサー50が配置されている基板を採用することができる。
【0068】
E6.変形例6:
各実施形態では、接触伝達部29、29a、29bは、いずれも基板30と接していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、操作入力部20、20aへの操作入力(タッチ)が無い状態では、接触伝達部29、29a、29bは基板30と接しず、操作入力があると、その衝撃により接触伝達部29、29a、29bが基板30と接する構成としてもよい。
【0069】
E7.変形例7:
各実施形態では、基板30の振動を検出するために加速度センサー50を用いていたが、加速度センサー50に代えて、基板30の振動を検出可能な任意のセンサーを用いてもよい。
【0070】
E8.変形例8:
各実施形態では、リモートコントローラー100、100a、100b、100cの制御対象物は、空調装置200であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、HEMS(Home Energy Management System)の制御用コンピュータや、照明機器や、テレビ受像機等の表示装置など、任意の装置を制御対象物としてもよい。
【0071】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。