(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記密着部の前記部品側光通過部に密着する側の端部は、光の射出方向に対して垂直な方向から傾斜して配置された前記部品側光通過部の面に対応するように傾斜している、
請求項8記載の光学部品のアタッチメント。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した光電センサでは、アタッチメントを装着すると光電センサの投光面とアタッチメントのレンズ表面の間に微小な隙間が形成され、この隙間にゴミや水が浸入して投光ビームを妨害し、受光量が下がり誤検知をする場合があった。
また、粉塵等が飛散している工場などでは、エアーによってゴミや水を吹き飛ばす作業が行われる場合があるが、微小な隙間に侵入したゴミや水はエアーによっても取り除き難い。
【0005】
本発明の課題は、光学部品とアタッチメントの間の隙間にゴミや水等が浸入することを防止可能な光学部品のアタッチメント及びこれを備えた光電センサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、
光が通過する部品側光通過部を有する光学部品に着脱可能なアタッチメントであって、
光が通過する光通過部と、
前記光通過部が配置される配置部と、
前記光通過部が前記部品側光通過部に対向して配置されるように、前記配置部を前記光学部品に装着する装着部と、
前記光学部品に装着された状態において、前記部品側光通過部の前記光通過部に対向する面と前記光通過部の前記部品側光通過部に対向する面に挟まれた空間のうち光が通る部分を封止する封止部材とを備え、
前記封止部材は、
前記光学部品に装着された状態において、2つの前記面に密着し、前記空間のうち光が通る部分を囲むように封止する密着部と、
前記密着部の外側に離間して設けられ前記密着部を前記配置部に固定する固定部と、
前記密着部と前記固定部を接続する接続部とを有する、
光学部品のアタッチメントである。
【0007】
このように、光通過部の表面と部品側光通過部の表面との間に形成される微小空間のうち光が通過する部分の周囲が封止部材の密閉部によって封止される。
このため、光通過部の表面と部品側光通過部の表面との間の空間であって、特に光が通過する部分にゴミや水滴が侵入することを防止できる。
また、密着部とは離間して固定部が設けられているため、アタッチメントを光学部品に繰り返し装着して、密着部が圧縮・復元を繰り返したとしても、その繰り返しが固定部に与える影響は少なく、安定した固定を実現できる。
【0008】
第2の発明は、
前記固定部は、前記封止部材の前記配置部の表面に沿った方向の端に設けられている、
第1の発明の光学部品のアタッチメントである。
このように、封止部材の端に固定部が設けられていることにより、固定部を密着部から出来るだけ離すことが可能となるため、密着部の圧縮が固定部に与える影響を出来るだけ低減することが出来る。
【0009】
第3の発明は、
前記配置部は、前記固定部と対向するように配置された対向部を有し、
前記固定部と前記対向部の間には隙間が形成されており、
前記隙間に接着剤が配置されることにより、前記固定部は前記配置部に固定されている、
第2の発明の光学部品のアタッチメントである。
このように、固定部と対向部の間に隙間が形成されており、その隙間を液溜まりとして用いて接着剤を充填して、封止部材を配置部に固定することにより、より強固に接着固定することが出来る。
【0010】
第4の発明は、
前記固定部と前記対向部の対向する方向は、前記光通過部と前記部品側光通過部が対向する方向に対して略垂直方向である、
第3の発明の光学部品のアタッチメントである。
アタッチメントを光学部品に装着した際には、この光通過部と部品側光通過部が対向する方向に密着部が圧縮される。この圧縮によって固定部は対向部の方向に移動する力が働き、隙間に充填している接着剤を押さえる方向に力が働くことになる。そのため、接着剤が剥離しにくく、接着固定の信頼性を増すことが出来る。
【0011】
第5の発明は、
前記密着部は、
前記接続部が形成されている部分から前記光通過部に向かって突出するように形成された第1突起部と、
前記接続部が形成されている部分から前記光通過部の反対側に向かって突出するように形成された第2突起部と、を有し、
前記接続部は、前記密着部から前記配置部の表面に沿って形成されている、
第1の発明の光学部品のアタッチメントである。
【0012】
これにより、第1突起部が光通過部の面に密着し、アタッチメントを光学部品に装着した際には第2突起部が部品側光通過部の面に密着することになり、光通過部の表面と部品側光通過部の表面との間に形成される微小空間のうちレーザ光が通過する部分の周囲を封止することが出来る。
【0013】
第6の発明は、
前記接続部の前記第1突起部側の表面には段差が形成されており、前記接続部の前記第1突起部の周囲の厚みが他の部分よりも薄く形成されている、
第5の発明の光学部品のアタッチメントである。
これにより、第1突起部の強度を弱くすることが出来る。そのため、光通過部が嵌め込まれている配置部の上下の縁部に沿って第1突起部に挿入されやすくなる。また、仮に封止部材に寸法誤差が発生したとしても、縁部に沿うため、内側に折れ曲がってレーザ光を妨害することを防ぐことが出来る。
【0014】
第7の発明は、
前記第2突起部の幅は、前記第1突起部の幅よりも厚く、
前記第2突起部の突出している高さは、前記第1突起部の突出している高さよりも低い、
第5の発明の光学部品のアタッチメントである。
封止部材から光通過部までの距離のほうが、封止部材から部品側光通過部までの距離よりも長く形成されている場合には、第2突起部の幅を第1突起部よりも厚くすることによって、第1突起部による光通過部に対する押圧力と、第2突起部による部品側光通過部に対する王圧力を略均等にすることが出来、安定した封止が可能となる。
【0015】
第8の発明は、
前記光学部品は光電センサであり、
前記部品側光通過部を通過して外部に光が射出され、
前記光通過部は、前記射出された光が通過する、
第1の発明の光学部品のアタッチメントである。
このように、光電センサのアタッチメントとして利用することにより、アタッチメントを変更するだけで検出対象物に合わせた最適な投光ビームにすることが出来るとともに、ゴミや水滴の侵入による感度の低下を防ぐことが可能となる。
【0016】
第9の発明は、
前記密着部の前記部品側光通過部に密着する側の端部は、光の射出方向に対して垂直な方向から傾斜して配置された前記部品側光通過部の面に対応するように傾斜している、
第8の発明の光学部品のアタッチメントである。
光電センサの部品側光通過部の面は、射出されたレーザ光が反射してパワーモニタに入らないように光軸と垂直な方向に対して傾斜して形成されているが、この傾斜に合わせて密着部の部品側光通過部に密着する側の端部を傾斜して形成することによって、密着部と部品側光通過部の面を密着させやすくなり、より確実に封止できる。
【0017】
第10の発明は、
前記配置部は、
前記光学部品に装着された状態において、前記光電センサの面であって前記部品側光通過部が配置された第1方向に長い矩形状の面を覆うように形成されており、
前記装着部が前記第1方向に沿って前記光電センサを挟むことにより前記光電センサに装着される、
第8の発明の光学部品のアタッチメントである。
これにより、アタッチメントを光電センサに容易に着脱することが出来、測定対象部品ごとにアタッチメントを変えることよって対応することが出来るため、測定対象部品ごとに専用の光電センサを用いる必要がないため、低コスト化することが出来る。
【0018】
第11の発明は、
前記固定部は、前記封止部材の前記第1方向側の端に設けられている、
第10の発明の光学部品のアタッチメントである。
このように、長さの長い第1方向側の端に固定部を設けることにより、固定部を密着部から出来るだけ離すことが可能となるため、密着部の圧縮が固定部に与える影響を出来るだけ低減することが出来る。
【0019】
第12の発明は、
光を射出する投光部を有する光電センサと、
前記光電センサに装着される第1〜11のいずれかの発明の光学部品のアタッチメントと、
を備え、
前記光電センサの前記部品側光通過部及び前記部品側光通過部が設けられている部分は、防水構造である、
光電センサユニットである。
これにより、アタッチメント側の光通過部の表面と光電センサ側の光通過部の表面との間の空間であって、特に光が通過する部分にゴミや水滴が侵入することを防止できる。
【0020】
第13の発明は、
光を射出する投光部を有する光電センサと、
前記光電センサに装着される第1〜11のいずれかの発明の光学部品のアタッチメントと、
を備え、
前記光電センサの筐体部は、防水構造である、
光電センサユニットである。
これにより、アタッチメント側の光通過部の表面と光電センサ側の光通過部の表面との間の空間であって、特に光が通過する部分にゴミや水滴が侵入することを防止できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光学部品のアタッチメント及びこれを備えた光電センサユニットによれば、光学部品とアタッチメントの間の隙間にゴミや水等が浸入することを防止することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、適宜、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、説明が不必要に冗長になるのを咲き、当業者の理解を容易にするために、例えば、既知の事項の詳細な説明や実質的に同一の構成に対する重複説明については省略する場合がある。
尚、出願人は、当業者が本発明の内容を十分に理解するために以下の説明及び図面を提供するのであって、これらの開示内容によって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0024】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るアタッチメント20及びアタッチメント20が装着された光電センサユニット100について、
図1〜
図11を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、以下の説明において、前後方向とは、光電センサユニット100からレーザ光が投光される側の面を前面とした場合の前後方向を意味している。また、上・下方向および縦・横方向(第1方向の一例)とは、光電センサユニット100の前面11aの長手方向に沿った方向を意味しており、左・右方向とは、前後方向及び長手方向に直交する方向を意味している。
【0025】
(光電センサユニット100全体の構成)
図1は、本実施形態1の光電センサユニット100の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光電センサユニット100に用いられる光電センサ10は、投光した光の反射光を受光して被検出物(対象物)の有無等を検知する、いわゆる回帰反射型の光電センサであって、例えば、光電スイッチ、光学式距離判別センサ、光学式変位センサとして用いられる。光電センサユニット100は、
図1に示すように、光電センサ10と、アタッチメント20と、コード30と、を備えている。
【0026】
(1.光電センサ10)
図2(a)は、光電センサユニット100の側面図であり、
図2(b)は光電センサユニット100の正面図であり、
図2(c)は光電センサユニット100の背面図である。
図3は、アタッチメント20を取り外した状態の光電センサ10の外観を示す斜視図である。
図4は、
図2(b)のA―A間の矢視断面図である。
【0027】
図4に示すように、光電センサ10は、後述する接続部40、投光ユニット50、移動機構60、及び受光ユニット70等を内包するとともに、
図3に示すように、筐体部11と、投光窓12a及び受光窓12bとを有している。光電センサ10には、アタッチメント20が装着される。アタッチメント20は、筐体部11における投光窓12aおよび受光窓12bが設けられた前面11a側に装着される。尚、本実施形態では、前面11aが防水構造に構成されているが、筐体部11全体が防水構造であってもよい。
【0028】
筐体部11は、光電センサ10の外郭を構成する箱型の部材であって、前面11a、背面11b、上面11c、下面11d、2つの側面11e、11e、及び傾斜面11fの7つの面によって形成されている。
前面11aは、被検出物に対して光を投光するとともにその反射光を取り込む側の面であって、
図2(a)及び
図3等に示すように、アタッチメント20が装着される。また、前面11aには、
図3に示すように、光を投光するための投光窓12aと、投光された光を筐体部11内に取り込むための受光窓12bとが、長手方向(
図3中縦方向、矢印Y方向(第1方向の一例))に沿って並ぶように配置されている。
【0029】
背面11bは、
図2(a)および
図2(b)に示すように、光を投光・受光する前面11aとは反対側の面であって、背面11bには、後述する移動機構60の操作部61が設けられている。
上面11cは、前面11aの上端と背面11bの上端とを接続するとともに、筐体部11の天井面を構成する。また、上面11cには、
図2(a)及び
図3に示すように、前面11a寄りの位置に、アタッチメント20の把持部22aの係合部22aaが係合される係止溝13aが形成されている。
【0030】
下面11dは、上面11cとは反対側の面であって、前面11aの下端と背面11bの下端を接続するとともに、筐体部11の底面を形成する。また、下面11dには、
図2(a)に示すように、前面11a寄りの位置に、アタッチメント20の把持部22bの係合部22baが係合される係止溝13bが形成されている。
側面11e、11eは、光電センサ10の側面を形成する平面部分である。
【0031】
傾斜面11fは、
図2(a)に示すように、背面11bの下部において、背面11bと下面11dとに対して斜めに形成された面であって、コード30のコードホルダ31が取り付けられる。
投光窓12aは、筐体部11内に配置された後述する投光ユニット50(
図4参照)から照射された光を外部へ投光する。また、投光ユニット50から射出された光が投光窓12aの表面で反射して投光ユニット50のパワーモニタへと戻らないように、投光窓12aの表面は、投光された光の光軸の垂直方向に対して約2°傾斜している。このパワーモニタは、後述するLD51から照射されるレーザ光の強度を計測するものであり、計測されたレーザ光の強度に基づいてレーザ光の照射が制御される。照射されたレーザ光がパワーモニタへと戻ると、計測されるレーザ光の強度が変化するため照射されるレーザ光の強度が安定しなくなる場合があるが、上記のように投光窓12aを傾斜することによってレーザ光がパワーモニタに戻ることを防止し、照射されるレーザ光の強度を安定化できる。
【0032】
受光窓12bは、投光窓12aから投光された光の反射光を取り込んで、筐体部11内に配置された後述する受光ユニット70(
図4参照)へと導く。
次に、光電センサ10の内部構成について説明する。
(1−1.接続部40)
接続部40は、
図4に示すように、光電センサ10の筐体部11内における背面11b側の下部に設けられており、コードホルダ31側に設けられた複数の端子と接触することで、コード30と光電センサ10とを電気的に接続する。
これにより、図示しないアンプユニットと光電センサ10とがコード30を介して電気的に接続されるため、光電センサ10に対して駆動電圧が供給されるとともに、光電センサ10から送信される検出信号をアンプユニットが受信することで被検出物の有無等を判定することが出来る。
【0033】
(1−2.投光ユニット50)
投光ユニット50は、被検出物に対して投光される光を照射するユニットであって、
図4に示すように、光電センサ10の筐体部11内における投光窓12aの内側の部分に配置されている。また、投光ユニット50は、LD(レーザダイオード)51、レンズホルダ52及び投光レンズ53を備えている。
【0034】
LD51は、所定の波長を有するレーザ光を照射する光源であって、投光ユニット50における光軸方向の最下端側に設けられている。より詳細には、LD51は、
図4に示すように、光電センサ10の筐体部11内における中央部やや上面11c寄りの位置に設けられている。なお、本実施形態では、LD51は光電センサ10の内部において固定配置されている。
【0035】
レンズホルダ52は、投光レンズ53を保持するために設けられた部材である。レンズホルダ52の投光レンズ53とLD51の間の部分には、LD51のレーザ光を投光レンズ53へと導くスリット52aが形成されている。また、レンズホルダ52は、移動機構60によって、光軸方向において投光レンズ53とともに一体化して前後に移動する。投光レンズ53は、レーザ光を集光して、投光窓12aの方向へ光を導く。
【0036】
(1−3.移動機構60)
移動機構60は、
図4に示すように、光電センサ10の背面11bから光軸方向に沿って内部に配置された機構であって、上述したLD51と投光レンズ53の間の光軸方向に沿った距離を、投光レンズ53の位置を移動させることにより調整する。移動機構60は、操作部61、回転軸62及びシャフト63を有している。シャフト63は、その周囲に形成されたネジ部を有し、レンズホルダ52のシャフト挿入穴52bに貫通している。シャフト挿入穴52bの内側にもネジ部が形成されており、シャフト63の周囲のネジ部と噛み合っている。これにより、操作部61を時計回り・反時計回りに回転させることによって、回転軸62を介してシャフト63が回転し、レンズホルダ52が光軸方向に沿って移動する。
【0037】
(1−4.受光ユニット70)
受光ユニット70は、投光ユニット50からの被検出物に対して投光されたレーザ光の反射光を受光して、その反射光の量を検出する。また、受光ユニット70は、
図4に示すように、受光レンズ71、フィルタ72、および受光素子73を有している。
受光レンズ71は、投光ユニット50から被検出物に対して投光されたレーザ光の反射光を集光して受光素子73へと導くために、受光窓12bの内側に隣接して配置されている。
【0038】
フィルタ72は、受光レンズ71を透過してきたレーザ光の中から不要な光を除去することで、受光素子73において検出される光の純度を高めて、測定精度を向上させることが出来る。
受光素子73は、受光レンズ71およびフィルタ72を透過してきた反射光を受光して、その光の量に応じて生成される受光信号を出力する。受光信号は、接続部40およびコード30を介して、図示しないアンプユニットへと送信される。これにより、アンプユニットは、受光信号のレベル等に基づいて、被検出物の有無等を判定することが出来る。
【0039】
(2.コード30)
コード30は、図示しないアンプユニットと光電センサ10とに接続されている。より詳細には、コード30は、
図4に示すように、コードホルダ31を介して光電センサ10内に設けられた接続部40と接続される。
これにより、アンプユニットから供給される駆動電圧、アンプユニットと光電センサ10との間においてやりとりされる各種信号はコード30を介して送受信される。
【0040】
(3.アタッチメント20)
図5(a)は、アタッチメント20を正面側から視た斜視図であり、
図5(b)は、アタッチメント20を背面側から視た斜視図である。
図5(c)は、
図5(b)から封止部材80を取り外した状態を示す図である。
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)、
図6(d)、及び
図6(e)は、それぞれアタッチメント20の正面図、背面図、側面図、上面図、および底面図である。
【0041】
図5(a)、
図5(b)及び
図6(a)〜(e)に示すように、アタッチメント20は、光電センサ10の投光窓12aから投光される光の形状を変形する機能を有しており、アタッチメント本体部200と封止部材80を有している。
【0042】
(3−1.アタッチメント本体部200)
アタッチメント本体部200は、
図5(b)に示すように、配置部21、把持部22a、22b、シリンドリカルレンズ23及び封止部材80を有している。
配置部21は、シリンドリカルレンズ23が配置され、アタッチメント20が光電センサ10に装着された際に、光電センサ10の前面11aに沿って近接配置される平面状の部材である。配置部21は、投光部21a及び開口部21bを有している。
投光部21aは、
図4及び
図5(a)に示すように、配置部21の上寄りに設けられており、アタッチメント20が光電センサ10に装着された際に、光電センサ10の投光窓12aの正面に配置される。この投光部21aには、
図4及び
図5(c)に示すように、貫通孔21dが形成されており、貫通孔21d内にシリンドリカルレンズ23が取り付けられている。このため、光電センサ10の投光窓12aから投光された光は、投光部21aに取り付けられたシリンドリカルレンズ23を通過して外部へと投光される。尚、貫通孔21dの上側の縁部を21au、下側の縁部を21adとして、
図5(c)に示している。
【0043】
開口部21bは、
図5(a)〜
図5(c)、
図6(a)、および
図6(b)に示すように、配置部21における下半分の位置に設けられており、アタッチメント20が光電センサ10に対して装着された際に、光電センサ10の受光窓12bの正面に配置される(
図4参照)。開口部21bは、配置部21の面を貫通する貫通孔として形成されている。このため、光電センサ10の投光窓12aから投光され被検出部で反射した光は、開口部21bをそのまま通過して、受光窓12bから光電センサ10の内部へと取り込まれる(
図4参照)。
【0044】
把持部22a、22bは、
図5(a)〜
図5(c)、及び
図6(b)〜(e)に示すように、光電センサ10に対してアタッチメント20を装着するための弾性部材であって、配置部21の上端及び下端からそれぞれ配置部21の平面に対して垂直な方向に突出するように設けられている。また、把持部22a、22bは、アタッチメント20が光電センサ10に装着された状態で上面11c及び下面11dに平行な平面形状に形成されており、それぞれ、その先端に係合部22aa、22bbを有している。
【0045】
係合部22aa、22bbは、
図5(b)及び
図6(c)に示すように、把持部22a、22bの平面からそれぞれ下向き、上向きに突出する。これらの係合部22aa、22bbは、
図2に示すように、光電センサ10に対してアタッチメント20が装着される際に、把持部22a、22bが弾性変形しながら上面11c及び下面11dに沿って移動し、装着位置において係止溝13a、13bに係合する。これにより、光電センサ10に対してアタッチメント20が装着されて状態を保持することが出来る。
【0046】
(3−2.封止部材80)
封止部材80は、
図5(b)、
図5(c)及び
図6(b)に示すように、シリンドリカルレンズ23の内側に配置されており、配置部21の凹部24(
図5(c)参照)に接着剤によって固定されている。封止部材80は、アタッチメント20を光電センサ10に装着した際に、シリンドリカルレンズ23と投光窓12aの間に配置される。
【0047】
図7(a)は、封止部材80を正面側(シリンドリカルレンズ23側)から視た斜視図であり、
図7(b)は、封止部材80を背面側(光電センサ10側)から視た斜視図である。
図8(a)、
図8(b)、及び
図8(c)は、封止部材80の正面図、側面図、及び背面図である。また、
図8(d)は、
図8(a)のD−D間の矢視断面図であり、
図8(e)は、
図8(a)のC―C間の矢視断面図である。
【0048】
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)、及び
図8(c)に示すように、封止部材80は、正面視において横長の矩形状の開口部84が中央に形成された略矩形状の部材であり、ゴム等の弾性部材によって形成されている。また、封止部材80は、その1つの頂点部分に面取り部80cが形成されている。
また、封止部材80は、密着部81、平面部82、及び固定部83を有している。封止部材80のシリンドリカルレンズ23側の面を正面80aとし、光電センサ10にアタッチメント20を装着した際の光電センサ10側の面を背面80bとして示す。
【0049】
(3−2−1.密着部81)
密着部81は、矩形状の開口部84を囲むように形成された略管状の部材であり、シリンドリカルレンズ23の縁に沿うように配置されている。
図5(c)に示すように、シリンドリカルレンズ23は、正面視において横方向に長い略矩形状であるため、密着部81の形状も正面視において横方向に長い略矩形状に形成されている。光電センサ10にアタッチメント20を装着した状態において、密着部81は、後述する
図10(a)に示すようにシリンドリカルレンズ23と投光窓12aに挟まれて圧縮した状態となる。また、密着部81は、レーザ光が射出する部分を遮らないように、レーザ射出部分の周囲に配置されており、投光窓12aから射出されたレーザ光は開口部84を通過する。
【0050】
又、
図8(b)、
図8(d)及び
図8(e)に示すように、密着部81は、後述する平面部82の中央部82bより両側に突出して形成された第1突起部81a及び第2突起部81bを有しており、第1突起部81aがシリンドリカルレンズ23に押圧され、第2突起部81bが、光電センサ10にアタッチメント20を装着した際に投光窓12aに押圧される。
第1突起部81aは、後述する
図10(a)に示すように、上側の縁部21au及び下側の縁部21adの間に嵌るように貫通孔21dに挿入されて、シリンドリカルレンズ23の表面23aに密着されている。
【0051】
(3−2−2.平面部82)
平面部82は、
図8(a)〜
図8(e)に示すように、密着部81の周囲から、密着部81の圧縮方向(光軸方向ともいえる)に対して略垂直に外側に向かって形成されている。配置部21に取り付けた状態では、平面部82は配置部21の内側の表面21c(
図5(b)、(c))に沿って形成されているともいえる。
【0052】
平面部82は、密着部81の全周から形成されているが、主に上下方向に長く形成されている。平面部82は、密着部81の周囲に設けられた中央部82bと、その上側に設けられた上部82aと、中央部82bの下側に設けられた下部82cを有している。上部82aと中央部82bの間には、正面80a側に段差82jが設けられており、上部82aの方が中央部82bよりも厚みが厚く形成されている。また、中央部82bと下部82cの間には、正面80a側に段差82kが設けられており、下部82aの方が中央部82bよりも厚みが厚く形成されている。尚、背面80b側には、上部82aと中央部82bの間及び中央部82bと下部82cの間には、段差は形成されていない。すなわち、平面部82は、密着部81の周囲の部分である中央部82bが他の部分よりも窪んだ形状となっている。この窪んだ部分を
図8(b)及び
図8(e)において、窪み部82gとして示す。
【0053】
また、封止部材80の上部82aの左右部分と、下部82cの左右部分には、配置部21に封止部材80を取り付けるための位置決め孔82dが形成されている。尚、
図5(c)に示すように、配置部21に形成された凹部24のシリンドリカルレンズ23の上側の凹部24aと下側の凹部24bのそれぞれの2箇所には、位置決めピン25が立設されており、この位置決めピン25に位置決め孔82dが貫通され、封止部材80の配置部21への位置決めが行われる。
【0054】
更に、封止部材80は、
図8(e)に示すように、その正面80a側は光軸Oに対して略垂直に形成されているが、背面80b側は光軸Oと垂直な方向に対して傾斜して形成されている。この傾斜は、受光窓12aの表面12sが光軸Oと垂直な方向に対して約2度傾斜していることに対応するものであり、表面12sと略並行になるように形成されている。詳細には、光軸Oに対して垂直な平面をP01とし、平面部82の背面80b側の面を通る平面をP1とすると、側面視において平面P1と平面P01の成す角度θ1は2度に形成されている。また、第2突起部81bの先端を通る平面をP2とすると、平面P2と平面P02の成す角度θ2も2度に形成されている。尚、傾斜方向としては、上側が下側よりも前方(投光方向側)に位置するように傾斜している。
【0055】
図8(e)に示すように、正面80a側の上部82aと下部82cの面を通る平面を平面P3とすると、第1突起部81aの平面P3からの高さd1は、第2突起部81bの高さd2(平面P1から平面P2までの距離)よりも高い。また。第2突起部81bの幅W2は、第1突起部81aの幅W1よりも広く形成されている。
これは、封止部材80からシリンドリカルレンズ23の表面23aまでの距離のほうが、封止部材80から投光窓12aの表面12sまでの距離よりも長いため、第1突起部81aの突出量d1が第2突起部81bの突出量d2よりも長く形成されており、第1突起部81aの表面23aに対する押圧力と、第2突起部81bの表面12sに対する押圧力を出来るだけ同じ力にするために、第2突起部81bの幅W2の方が第1突起部81aの幅W1よりも広く形成されている。
【0056】
又、
図5(c)において上述したように、配置部21の背面側のシリンドリカルレンズ23の上下には、凹部24a、24bが形成されている。
図5(c)及び
図6(c)に示すように、上側の凹部24aは矩形状であるが、下側の凹部24bの下側の一方の角には、封止部材80の面取り部80cに対応した傾斜が形成されている。この形状により、配置部21に封止部材80を取り付ける際に、誤って背面80b側をシリンドリカルレンズ23側に取り付けることを防止することが出来る。
【0057】
(固定部83)
次に、アタッチメント本体部200の配置部21に対する封止部材80の接着固定について説明する。
図5(b)、
図5(b)及び
図6(c)に示すように、上側の凹部24aにおいて上側の縁部21auから凹部24aの上端面24cまでの長さは、封止部材80の密着部81から上端面82eまでの長さよりも長く形成されている。これにより、
図5(b)及び
図6(c)に示すように、対向して配置される封止部材80の上端面82eと凹部24aの上端面24cの間には、隙間91が形成される。
【0058】
また、下側の凹部24bにおいて下側の縁部21adから凹部24bの下端面24dまでの長さは、封止部材80の密着部81から下端面82fまでの長さよりも長く形成されている。これにより、
図5(b)及び
図6(c)に示すように、対向して配置される封止部材80の下端面82fと凹部24bの下端面24dの間には、隙間92が形成される。
上記隙間91の左右の端部分、及び隙間92の左右の端部分の合計4箇所(
図6(c)の点線で囲む部分T)に接着剤が充填されて、封止部材80は配置部21に接着固定されている。
【0059】
すなわち、封止部材80の固定部83は、この接着剤によって接着固定されている封止部材80の部分であり、上端面82eの左右端部分、下端面82fの左右端部分である。
図9(a)は、
図6のBB間の断面図である。
図9(b)は、
図9(a)のV部の拡大図である。封止部材80の下端面82f側の接着について説明すると、
図9(b)に示すように、凹部24bの下端面24dと封止部材80の下端面82fの間の隙間92に接着剤93が充填されている。また、凹部24aの上端面24cと封止部材80の上端面82eの間の隙間91にも接着剤93が充填されている。このようにして、隙間91、92を接着剤溜まりとして用いて、合計4箇所の位置において封止部材80は配置部21に接着固定される。尚、
図8(a)に示すように、密着部81から固定部83までの間の平面部82の部分が、固定部83と密着部81を接続する接続部85となる。すなわち、本実施形態では、接続部85と固定部83は、平面部82によって形成されることになる。
【0060】
この固定によって、密着部81の第1突起部81aが、シリンドリカルレンズ23の背面側の表面23aに密着した状態で、密着部81は配置部21に固定される。
このように構成されたアタッチメント20を光電センサ10に装着すると、密着部81の第2突起部81bが、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、投光窓12aの表面12sに密着する。一方、シリンドリカルレンズ23の背面側の表面23aには、第1突起部81aが密着しているため、シリンドリカルレンズ23の表面23aと投光窓12aの表面12sの間に形成される微小な空間のうちレーザ光が通過する部分Wの周囲が、封止部材80の密着部81によって封止されることになる。尚、
図10(a)は、
図9(a)の部分拡大図であり、
図10(b)は、
図2(a)のEE間の断面図である。
【0061】
(主な効果)
以上のように、シリンドリカルレンズ23と投光窓12aの間に封止部材80を設け、シリンドリカルレンズ23の表面23aと投光窓12aの表面12sとの間に形成される微小空間のうちレーザ光が通過する部分Wの周囲が密着部81によって封止されているため、レーザ光が通過する部分Wにゴミや水滴が侵入することを防止できる。
【0062】
また、例えば、シリンドリカルレンズ23の表面23sに直接密着部81を接着固定することによって、配置部21に封止部材80を固定することも考えられるが、その場合、密着部81はシリンドリカルレンズ23と投光窓12aの間で圧縮されるため、アタッチメント20の光電センサ10への装着を繰り返すことにより、接着固定部分が圧縮を繰り返すことになり、接着固定部が剥がれやすくなる。
【0063】
しかしながら、本実施形態によれば、密着部81とは別の位置に固定部83が設けられているため、アタッチメント20の光電センサ10への装着を繰り返し、密着部81が圧縮を繰り返したとしても、圧縮が固定部83に与える影響は少なく、安定した固定を実現できる。
また、
図11に示すように、封止部材80は、密着部81の圧縮方向(矢印S1)に対して、垂直な方向に位置する上端面82eと下端面82fで接着剤93によってアタッチメント本体部200に固定されている。密着部81が矢印S1方向に圧縮されると、その圧縮による応力が、平面部82に対して上下方向(矢印S2及び矢印S3参照)に加わる。すなわち、上部82aは上方向(矢印S2)に押され、下部82cは下方向(矢印S3)に押されることになるが、本実施の形態では、力が加わる方向に固定部83が設けられているため、接着剤93を圧縮する方向に力が加わることになり、接着剤が剥がれにくくなる。
【0064】
また、上記実施の形態に示すように、密着部81の上下に窪み部82gが設けられていることにより、第1突起部81aの強度が弱くなるため、例え封止部材80に寸法誤差が発生したとしても、シリンドリカルレンズ23が嵌め込まれている投光部21aの貫通孔21dの上下の縁部21au、21duに沿って貫通孔21dに挿入されやすくなり、内側に折れ曲がってレーザ光を妨害することを防ぐことが出来る。
【0065】
また、上述したように、封止部材80の背面80b側が投光窓12aの光軸に対する傾斜に合わせて傾斜することにより、封止部材80の第2突起部81bを投光窓12aの表面12sに均等に密着させることが出来る。
尚、少なくとも第2突起部81bが投光窓12aの表面12sに合わせて傾斜していればよく、平面部82まで傾斜する必要はないが、平面部82も合わせて傾斜させた方が、封止部材80を成型する金型を作成しやすいため、コストを下げることが出来る。
【0066】
また、第1突起部81aの突出量d1を、第2突起部81bの突出量d2よりも高く、第2突起部81bの幅W2を、第1突起部81aの幅W1よりも広く形成することにより、第1突起部81aの表面23aに対する押圧力と、第2突起部81bの表面12sに対する押圧力を出来るだけ同じ力にすることが出来る。これにより、表面23aと表面12sに双方に均等に密着し、安定した封止することが出来る。
【0067】
(実施形態2)
上記実施形態1における光電センサ10は、投光窓12aと受光窓12bが分離されている投受光分離型であるが、本実施形態2における光電センサ310は、投光窓と受光窓が一体化した投受光一体型である。
本発明の実施形態2に係るアタッチメント320及びアタッチメント320が装着された光電センサユニット400について、
図12〜
図21(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0068】
なお、以下の説明において、前後方向とは、光電センサユニット400からレーザ光が投光される側の面を前面とした場合の前後方向を意味している。また、上・下方向および縦・横方向とは、光電センサユニット400の前面311aの長手方向に沿った方向を意味しており、左・右方向とは、前後方向及び長手方向に直交する方向を意味している。
【0069】
(光電センサユニット400全体の構成)
図12は、本実施形態1の光電センサユニット400の外観を示す斜視図である。
図12に示すように、本実施形態に係る光電センサユニット400に用いられる光電センサ310は、投光した光の反射光を受光して被検出物(対象物)の有無等を検知する、いわゆる回帰反射型の光電センサであって、例えば、光電スイッチ、光学式距離判別センサ、光学式変位センサとして用いられる。光電センサユニット400は、
図12に示すように、光電センサ310と、アタッチメント320と、コード330と、を備えている。
【0070】
(1.光電センサ310)
図13(a)は、光電センサユニット400の側面図であり、
図13(b)は光電センサユニット400の正面図であり、
図13(c)は光電センサユニット400の背面図である。
図14は、アタッチメント320を取り外した状態の光電センサ310の外観を示す斜視図である。
図15は、
図13(b)のA―A間の矢視断面図である。
【0071】
図15に示すように、光電センサ310は、後述する接続部340、投光ユニット350、受光ユニット360、及び偏向ビームスプリッタ370等を内包するとともに、
図13(a)〜
図13(c)に示すように、筐体部311と、投受光窓312aとを有している。光電センサ310には、アタッチメント320が装着される。アタッチメント320は、筐体部311における投受光窓312aが設けられた前面311a側に装着される。尚、本実施形態では、前面311aが防水構造に構成されているが、筐体部311全体が防水構造であってもよい。
【0072】
筐体部311は、光電センサ310の外郭を構成する箱型の部材であって、前面311a、背面311b、上面311c、下面311d、2つの側面311e、311e、及び傾斜面311fの7つの面によって形成されている。
前面311aは、被検出物に対して光を投光するとともにその反射光を取り込む側の面であって、
図13(a)等に示すように、アタッチメント320が装着される。また、前面311aには、
図14に示すように、光を投光し、投光された光を筐体部11内に取り込むための投受光窓312aが、前面311aの上方寄りに配置されている。
【0073】
背面311bは、
図13(a)および
図13(b)に示すように、光を投光・受光する前面11aとは反対側の面である。
上面311cは、前面311aの上端と背面311bの上端とを接続するとともに、筐体部311の天井面を構成する。また、上面311cには、
図15に示すように、前面311a寄りの位置に、アタッチメント320の把持部322aの係合部322aaが係合される係止溝313aが形成されている。
【0074】
下面311dは、上面311cとは反対側の面であって、前面311aの下端と背面311bの下端を接続するとともに、筐体部311の底面を形成する。また、下面311dには、
図15に示すように、前面311a寄りの位置に、アタッチメント320の把持部322bの係合部322baが係合される係止溝313bが形成されている。
側面311e、311eは、光電センサ310の側面を形成する略台形の平面部分である。
【0075】
傾斜面311fは、
図13(a)に示すように、背面311bの下部において、背面311bと下面311dとに対して斜めに形成された面であって、コード330のコードホルダ331が取り付けられる。
投受光窓312aは、筐体部11内に配置された後述する投光ユニット350(
図15参照)から照射された光を外部へ投光する。また、投光ユニット350から射出された光が投受光窓312aで反射して投光ユニット350のパワーモニタへと戻らないように、投受光窓312aの表面は、投光された光軸に対して左右方向に約2°傾斜している。
次に、光電センサ10の内部構成について説明する。
【0076】
(1−1.接続部340)
接続部340は、
図15に示すように、光電センサ310の筐体部311内における背面311b側の下部に設けられており、コードホルダ331側に設けられた複数の端子と接触することで、コード330と光電センサ310とを電気的に接続する。
これにより、図示しないアンプユニットと光電センサ310とがコード330を介して電気的に接続されるため、光電センサ310に対して駆動電圧が供給されるとともに、光電センサ310から送信される検出信号をアンプユニットが受信することで被検出物の有無等を判定することが出来る。
【0077】
(1−2.投光ユニット350)
投光ユニット350は、被検出物に対して投光される光を照射するユニットである。
図15に示すように、光電センサ310の筐体部311内において背面311b側から前面311a側に向かって投光ユニット350、偏向ビームスプリッタ370、及び投受光窓312aの順に配置されている。また、投光ユニット350は、LD(レーザダイオード)351、及び投光レンズ353を備えている。
【0078】
LD351は、所定の波長を有するレーザ光を照射する光源であって、投光ユニット350における光軸O方向の最下端側に設けられている。より詳細には、LD351は、
図15に示すように、光電センサ310の筐体部311内における中央部やや上面311c寄りの位置に設けられている。なお、本実施形態では、LD351は光電センサ10の内部において固定配置されている。
投光レンズ353は、レーザ光を集光して、偏向ビームスプリッタ370を介して投光窓12aの方向へ光を導く。
【0079】
(1−3.受光ユニット360)
受光ユニット360は、投光ユニット350からの被検出物に対して投光されたレーザ光の反射光を受光して、その反射光の量を検出する。また、受光ユニット360は、
図15に示すように、偏向ビームスプリッタ370の下側に配置されており、受光レンズ361、及び受光素子363等を有している。
【0080】
受光レンズ361は、投光ユニット350から被検出物に対して投光されたレーザ光の反射光を、集光して受光素子363へと導く。
受光素子363は、偏向ビームスプリッタ370によって反射され、受光レンズ361を透過してきた反射光を受光して、その光の量に応じて生成される受光信号を出力する。受光信号は、接続部340およびコード331を介して、図示しないアンプユニットへと送信される。これにより、アンプユニットは、受光信号のレベル等に基づいて、被検出物の有無等を判定することが出来る。
【0081】
(1−4.偏向ビームスプリッタ370)
偏向ビームスプリッタ370は、
図15に示すように、投光ユニット350の前側であって、受光ユニット360の上方に配置されている。
偏向ビームスプリッタ370は、投光ユニット350から投光された所定方向に偏向されたレーザ光は透過し、図示しない回帰反射板で反射して偏向の方向が変更されたレーザ光を、受光ユニット360側へと反射する。
【0082】
(2.コード330)
コード330は、図示しないアンプユニットと光電センサ310とに接続されている。より詳細には、コード330は、
図15に示すように、コードホルダ331を介して光電センサ310内に設けられた接続部340と接続される。
これにより、アンプユニットから供給される駆動電圧、アンプユニットと光電センサ10との間においてやりとりされる各種信号はコード330を介して送受信される。
【0083】
(3.アタッチメント320)
図16(a)は、アタッチメント320を正面側から視た斜視図であり、
図16(b)は、アタッチメント320を背面側から視た斜視図である。
図16(c)は、
図16(b)から封止部材80を取り外した状態を示す図である。
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)、
図17(d)、及び
図17(e)は、それぞれアタッチメント320の正面図、背面図、側面図、上面図、および底面図である。
【0084】
図16(a)、
図16(b)及び
図17(a)〜(e)に示すように、アタッチメント320は、光電センサ310の投受光窓312aから投光される光の形状を変形する機能を有しており、アタッチメント本体部500と封止部材380(
図16(b)参照)を有している。
【0085】
(3−1.アタッチメント本体部500)
アタッチメント本体部500は、配置部321、把持部322a、322b、及びシリンドリカルレンズ323を有している。
配置部321は、シリンドリカルレンズ323が配置され、アタッチメント320が光電センサ310に装着された際に、光電センサ310の前面311aに沿って近接配置される平面状の部材である。配置部321は、投受光部321aを有している。
投受光部321aは、
図16(a)、
図17(a)、及び
図17(c)に示すように、配置部321の上寄りに設けられており、アタッチメント320が光電センサ310に装着された際に、光電センサ310の投受光窓312aの正面に配置される。この投受光部321aには、
図16(c)に示すように、貫通孔321bが形成されており、この貫通孔321b内にシリンドリカルレンズ323が取り付けられている。このため、光電センサ310の投受光窓312aから投光された光は、投受光部321aに取り付けられたシリンドリカルレンズ323を通過して外部へと投光される。尚、貫通孔321bの上側の縁部を321au、下側の縁部を321adとして、
図16(c)に示している。
【0086】
把持部322a、322bは、
図16(a)、
図16(b)、及び
図17(b)〜(e)に示すように、光電センサ310に対してアタッチメント320を装着するための弾性部材であって、配置部321の上端及び下端からそれぞれ配置部321の平面に対して垂直な方向に突出するように設けられている。また、把持部322a、322bは、アタッチメント320が光電センサ310に装着された状態で上面311c及び下面311dに平行な平面形状に形成されており、それぞれ、その先端に係合部322aa、322baを有している。
【0087】
係合部322aa、322baは、
図16(b)及び
図17(c)に示すように、把持部322a、322bの平面からそれぞれ下向き、上向きに突出する。これらの係合部322aa、322baは、
図16に示すように、光電センサ310に対してアタッチメント320が装着される際に、把持部322a、322bが弾性変形しながら上面311c及び下面311dに沿って移動し、装着位置において係止溝313a、313b(
図14及び
図15参照)に係合する。これにより、光電センサ310に対してアタッチメント320が装着されて状態を保持することが出来る。
【0088】
(3−2.封止部材380)
封止部材380は、
図16(b)、
図16(c)及び
図17(b)に示すように、シリンドリカルレンズ323の内側に配置されており、配置部321の凹部324(
図16(c)参照)に接着剤によって固定されている。
図18(a)は、封止部材380を正面下方(シリンドリカルレンズ323側)から視た斜視図であり、
図18(b)は、封止部材380を背面上方(光電センサ310側)から視た斜視図である。
図19(a)、
図19(b)、及び
図19(c)は、封止部材380の正面図、側面図、及び背面図である。また、
図19(d)は、
図19(a)のDD間の断面図である。
【0089】
図18(a)、
図18(b)、
図19(a)、及び
図19(c)に示すように、封止部材380は、正面視において横長の矩形状の開口部384が形成された略矩形状の部材であり、ゴム等の弾性部材によって形成されている。また、封止部材380は、その1つの頂点部分に面取り部380cが形成されている。
また、封止部材380は、密着部381、平面部382、固定部383、及び突出部385を有している。封止部材380のシリンドリカルレンズ323側の面を正面380aとし、光電センサ310にアタッチメント320を装着した際の光電センサ310側の面を背面380bとして示す。
【0090】
(3−2−1.密着部381)
密着部381は、矩形状の開口部384を囲むように形成された略管状の部材である。アタッチメント320を光電センサ310に装着した際に、密着部381は、
図15に示すようにシリンドリカルレンズ323と投受光窓312aに挟まれ圧縮した状態となる。また、密着部381は、レーザ光が射出及び入射する部分を遮らないように、レーザ射出部分の周囲に配置されており、投受光窓312aから射出されたレーザ光は開口部384を通過する。
【0091】
又、
図19(b)、及び
図19(d)に示すように、密着部381は、後述する平面部382より両側に突出して形成された第1突起部381a、381bを有しており、第1突起部381aがシリンドリカルレンズ323の表面323aに押圧され、第2突起部381bが、光電センサ310にアタッチメント320を装着した際に投受光窓312aの表面312sに押圧される。
第1突起部381aは、後述する
図21(a)に示すように、上側の縁部321au及び下側の縁部321adの間に嵌るように貫通孔321bに挿入されて、シリンドリカルレンズ323の表面323aに密着されている。
【0092】
(3−2−2.平面部382)
平面部382は、
図18及び
図19に示すように、密着部381の周囲から、密着部381の圧縮方向(光軸方向ともいえる)に対して略垂直に外側に向かって形成されている。配置部321に取り付けた状態では、平面部382は配置部321の内側の表面321c(
図16(b)、(c))に沿って形成されているともいえる。
【0093】
平面部382は、
図19(a)に示すように、密着部381の上側に設けられた上部382aと、密着部381の下側に設けられた下部382cを有している。上部382aは、上方向に若干量形成されているだけであり、下部382cは下方向に長く形成されている。
また、下部382cの上下方向における略中央部の左右位置には、配置部321に封止部材380を取り付けるための位置決め孔382dが形成されている。尚、
図16(c)に示すように、配置部321に形成された凹部324のシリンドリカルレンズ323の下側の2箇所には、位置決めピン325が立設されており、この位置決めピン325に位置決め孔382dが貫通され、封止部材380の配置部321への位置決めが行われる。
【0094】
更に、封止部材380は、
図19(d)に示すように、その正面380a側は光軸Oに対して略垂直に形成されているが、背面380b側は光軸Oと垂直な方向に対して傾斜して形成されている。尚、実施形態1では上下方向に傾斜していたが、本実施形態2では、左右方向に傾斜している。すなわち、投受光窓312aも光軸Oの垂直な方向に対して左右方向に約2度傾斜しており、投受光窓312の表面312sと封止部材380の正面380a側は略並行になるように形成されている。
【0095】
詳細には、
図19(d)に示すように、光軸Oに対して垂直な平面をP03とし、第2突起部381bの先端を通る平面をP3とすると、平面P3と平面P03の成す角度θ3は約2度に形成されている。尚、傾斜方向としては、左側が右側よりも前方(投光方向側)に位置するように傾斜している。
又、
図19(b)に示すように、第1突起部381aの平面部382からの突出量d1は、第2突起部381bの平面部382からの突出量d2と略同じ量に設定されている。第2突起部381bの幅W2も、第1突起部81aの幅W1と略同じに設定されている。
【0096】
又、
図16(c)に示すように、配置部321の背面側のシリンドリカルレンズ323の上下には、凹部324a、324bが形成されている。
図16(c)及び
図17(c)に示すように、下側の凹部324bの下側の一方の角には、封止部材380の面取り部380cに対応した傾斜が形成されている。この形状により、配置部321に封止部材380を取り付ける際に、誤って背面380b側をシリンドリカルレンズ323側に取り付けることを防止することが出来る。
【0097】
(3−2−3.突出部385)
図12(a)及び
図12(b)に示すように、突出部385は、後述する固定部383とともに封止部材380をアタッチメント本体部500に固定するための部材であり、その平面部382の上部382aの上端から平面部382に対して略垂直に突出して形成されている。
【0098】
図20(a)は、
図17(a)のBB間の断面図である。
図20に示すように、配置部321の凹部324aの上側には、光軸方向に向かって形成された挿入口324cが形成されている。この挿入口324cに突出部385が差し込まれることによって、封止部材380が配置部321に固定されている。
【0099】
(3−2−4.固定部383)
次に、アタッチメント本体部500の配置部321に対する封止部材380の接着固定について説明する。
図16(b)、
図16(c)及び
図17(c)に示すように、下側の凹部324bにおいて下側の縁部321adから凹部324bの下端面324dまでの長さは、封止部材380の密着部381から下端面382fまでの長さよりも長く形成されている。これにより、
図16(b)及び
図17(c)に示すように、対向して配置される封止部材380の下端面382fと凹部324bの下端面324dの間には、隙間392が形成される。
【0100】
この隙間392の左右の端部分の合計4箇所(
図17(c)の点線で囲む部分T)に接着剤が充填されて、封止部材380は配置部321に接着固定されている。
すなわち、封止部材380の固定部383は、この接着剤によって接着固定されている封止部材380の部分であり、下端面82fの左右端部分である。本実施形態では、下端面82fの面取り部380cが形成されている部分に固定部383が形成されている。
【0101】
図20(b)は、
図20(a)のV部の拡大図である。封止部材380の下端面382f側の接着について説明すると、
図20(b)に示すように、凹部324bの下端面324dと封止部材380の下端面382fの間の隙間392に接着剤393が充填されている。このようにして、隙間392を接着剤溜まりとして用いて、合計2箇所の位置(
図17(b)参照)において封止部材380は配置部321に接着固定される。尚、下部382cから固定部383を除いた部分が、
図19(a)に示すように、固定部383と密着部381を接続する接続部386となる。すなわち、本実施形態では、接続部386と固定部383は、下部382cによって形成されることになる。
【0102】
この固定によって、密着部381の突起部381aが、シリンドリカルレンズ323の背面側の表面323aに密着した状態で、密着部381はアタッチメント本体部500に固定される。
このように構成されたアタッチメント320を光電センサ310に装着すると、密着部381の第2突起部381bが、
図21(a)及び
図21(b)に示すように、投受光窓312aの表面312sに密着する。一方、シリンドリカルレンズ323の背面側の表面323aには、第1突起部381aが密着しているため、シリンドリカルレンズ323の表面323aと投受光窓312aの表面312sの間に形成される微小な空間のうちレーザ光が通過する部分Wの周囲が、封止部材380の密着部381によって封止されることになる。
【0103】
(主な効果)
以上のように、シリンドリカルレンズ323と投受光窓312aの間に密着部381を設け、シリンドリカルレンズ323の表面323aと投受光窓312aの表面312sとの間に形成される微小空間のうちレーザ光が通過する部分Wの周囲が密着部381によって封止されているため、レーザ光が通過する部分Wにゴミや水滴が侵入することを防止できる。
【0104】
また、例えば、シリンドリカルレンズ323の表面323sに直接密着部381を接着固定することによって、配置部321に封止部材380を固定することも考えられるが、その場合、密着部381はシリンドリカルレンズ323と投受光窓312aの間で圧縮されるため、アタッチメント320の光電センサ310への装着を繰り返すことにより、接着固定部分が圧縮を繰り返すことになり、接着固定部が剥がれやすくなる。
【0105】
しかしながら、本実施形態によれば、密着部381とは別の位置に固定部383が設けられているため、アタッチメント320の光電センサ310への装着を繰り返し、密着部381が圧縮を繰り返したとしても、圧縮が固定部383に与える影響は少なく、安定した固定を実現できる。
また、本実施形態においても、封止部材380は、密着部381の圧縮方向に対して、垂直な方向に位置する下端面382fで接着剤393によってアタッチメント本体部500に固定されている。密着部381が圧縮されると、その圧縮による応力が、平面部382に対して下方向に加わる。すなわち、下部82cは下方向に押されることになるが、本実施形態では、力が加わる方向に固定部383が設けられているため、接着剤393を圧縮する方向に力が加わることになり、接着剤が剥がれにくくなる。
【0106】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0107】
(A)
上記実施形態では、密着部81と固定部83を接続する接続部85は、平面部82によって形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、
図22に示す封止部材480のような構成であってもよい。
図22に示す封止部材480は、実施形態1の封止部材80と異なり、平面部82の中央部分が形成されておらず、左側平面部82Lと右側平面部82Rに分離されている。そして、左側平面部82Lの上端面が固定部83となっており、固定部83と密着部81の間の左側平面部82Lの部分が接続部85LUとなる。又、左側平面部82Lの下端面が固定部83となっており、固定部83と密着部81の間の左側平面部82Lの部分が接続部85LDとなる。一方、右側平面部82Rの上端面が固定部83となっており、固定部83と密着部81の間の右側平面部82Rの部分が接続部85RUとなる。又、右側平面部82Rの上端面が固定部83となっており、固定部83と密着部81の間の右側平面部82Rの部分が接続部85RDとなる。なお、左側平面部82L及び右側平面部82Rとも、実施形態1で述べたように、密着部81の上下に段差が形成されている。
【0108】
(B)
又、上記実施形態では、密着部81、381の圧縮変形による影響を出来るだけ低減するために、密着部81、381から最も遠い端面に固定部83、383を設けていたが、この位置に限らず、少なくとも密着部81、381と離間して設けられることにより、密着部81、381を直接固定するよりも接着剤剥がれの発生を低減できる。
【0109】
(C)
また、上記実施形態では、隙間91、92、392の左右両端部にしか接着剤93、393を充填していなかったが、隙間91、92、392の全体に接着剤93、393を充填させても良い。
(D)
上記実施形態では、接着剤93、393を用いて、封止部材80、380を固定部83、383において配置部21、321に固定していたが、接着剤に限らなくても良い。例えば、紫外線硬化樹脂を用いて固定してもよいし、熱によって封止部材80、380の材料の一例であるゴム材を溶かして固定してもよく、レーザ融着を用いてもよく、要するに封止部材80、380を固定部83、383に固定出来させすればよい。
【0110】
(E)
上記実施形態では、光通過部の一例としてシリンドリカルレンズ23を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、レーザ光の方向を変えるプリズム等であってもよく、光が通過する部材であればよい。
【0111】
(F)
上記実施形態では、投光ユニットとして、LD(Laser Diode)51を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、投光ユニットとして、LDの代わりに、LED(Light Emitting Diode)を用いてもよい。
【0112】
(G)
上記実施形態では、アタッチメント20、320を光電センサ10、310に用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、投光された光の形状変化の自由度を高めることによる効果が期待できるレーザ加工装置等の他の装置に対しても適用可能である。