特許第6194905号(P6194905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194905
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】産業車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 49/08 20060101AFI20170904BHJP
   B62D 21/18 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   B62D49/08 A
   B62D21/18 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-20136(P2015-20136)
(22)【出願日】2015年2月4日
(65)【公開番号】特開2016-141330(P2016-141330A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2016年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】深津 史浩
(72)【発明者】
【氏名】竹中 崇晃
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−156088(JP,U)
【文献】 特開平04−106100(JP,A)
【文献】 特開平10−081495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 49/08
B62D 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びるフレームと、前記フレームの後部に接続されるウェイトと、前記ウェイトの下方に配置され、後輪を駆動させる駆動装置とを備え、
前記ウェイトには、座席が取り付けられるとともに、高さ方向に延びる開口が形成され、
前記ウェイトと前記駆動装置とを上方から見た場合、前記駆動装置の少なくとも一部は、前記開口内に位置し
前記開口は、前記前後方向に延びる直線部と、前記前後方向に直交する左右方向に延び、前記座席よりも後方で前記直線部と連続する中央部とからなることを特徴とする産業車両。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記ウェイトに直接取り付けられている請求項1記載の産業車両。
【請求項3】
前記ウェイトは、前記開口が形成されたウェイト本体と、前記ウェイト本体に取り付けられて前記開口を覆うカバーとを有し、
前記ウェイト本体は一部材からなり、
前記カバーには尾灯が設けられている請求項1又は2記載の産業車両。
【請求項4】
前記カバーは板材からなる請求項3記載の産業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は産業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の産業車両としてのフォークリフトが開示されている。このフォークリフトは、フレームと、ウェイトと、駆動装置とを備えている。フレームは、フォークリフトの下部に配置されており、前後方向に延びている。ウェイトは、フレームの後部に接続されている。ウェイトは、車両の上方に向かって延びる略矩形状をなしている。駆動装置は、ウェイトに取り付けられてウェイトの下方に配置されている。駆動装置は、リヤアクスルやステアリングシャフト等によって構成されており、フォークリフトを走行させる。
【0003】
このフォークリフトでは、ウェイトによって後部に荷重を付加することにより、運搬する荷物の重量によって走行時に後輪が路面から浮き上がることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−81495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、駆動装置は産業車両の走行に直接寄与することから、定期的な整備作業が必要となる。しかし、駆動装置はウェイトの下方に配置されているため、上記従来の産業車両では、その整備作業を行うに当たり、ウェイトと駆動装置とを分離する必要がある。この際、ウェイトは重量物であるため、その分離作業の負担は大きく、駆動装置の整備を容易に行い難い。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、駆動装置の整備作業を容易に行うことが可能な産業車両を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の産業車両は、前後方向に延びるフレームと、前記フレームの後部に接続されるウェイトと、前記ウェイトの下方に配置され、後輪を駆動させる駆動装置とを備え、
前記ウェイトには、座席が取り付けられるとともに、高さ方向に延びる開口が形成され、
前記ウェイトと前記駆動装置とを上方から見た場合、前記駆動装置の少なくとも一部は、前記開口内に位置し
前記開口は、前記前後方向に延びる直線部と、前記前後方向に直交する左右方向に延び、前記座席よりも後方で前記直線部と連続する中央部とからなることを特徴とする。
【0008】
本発明の産業車両では、ウェイトの下方に駆動装置が配置され、ウェイトに開口が形成されている。そして、ウェイトと駆動装置とを上方から見た場合、駆動装置の少なくとも一部が開口内に位置している。これにより、この産業車両では、ウェイトと駆動装置との分離作業を行うことなく、開口を通じて駆動装置の整備作業を行うことができる。
【0009】
したがって、本発明の産業車両は、駆動装置の整備作業を容易に行うことが可能である。
【0010】
駆動装置は、ウェイトに直接取り付けられていることが好ましい。この場合には、フレームに対して駆動装置を取り付ける必要がないため、フレームの構成を簡略化することができる。また、ウェイトに駆動装置を取り付けるに当たり、開口を通じて作業を行うことができるため、取り付け作業も容易となる。
【0011】
ウェイトは、開口が形成されたウェイト本体と、ウェイト本体に取り付けられて開口を覆うカバーとを有し得る。また、ウェイト本体は一部材からなり得る。そして、カバーには尾灯が設けられていることが好ましい。
【0012】
この場合、複数の部材を組み合わせてウェイト本体を形成する必要がないため、例えばウェイト本体を鋳造する場合であっても、複数の鋳型が不要となる。このため、ウェイト本体の形成を容易化しつつ、製造コストの低廉化も実現できる。ここで、一つの鋳型でウェイト本体を形成する場合には、尾灯を設ける箇所を形成するために鋳型に中子を設ける必要がある。この点、この産業車両では、カバーに対して尾灯を設ける構成であるため、鋳型に中子を設けることも不要となり、この点においてもウェイト本体の形成が容易となる。また、カバーに尾灯を取り付ける構成とすることにより、ウェイト本体に尾灯を取り付ける場合に比べて、尾灯の取り付け作業も容易となる。
【0013】
カバーは板材からなることが好ましい。この場合には、例えばカバーを鋳造する場合と比較して、カバーを軽量化することができる他、カバーに対して尾灯以外に作業灯や工具、保安器具等を取り付ける場合であっても、これらの取り付けが容易となる。また、カバー自体も容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の産業車両は、駆動装置の整備作業を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施例の産業車両を示す斜視図である。
図2図2は、実施例の産業車両に係り、フレーム、左フェンダパネル及びウェイト等を示す模式図である。
図3図3は、実施例の産業車両を示す分解斜視図である。
図4図4は、実施例の産業車両に係り、ウェイトを示す斜視図である。
図5図5は、実施例の産業車両に係り、ウェイトを示す分解斜視図である。
図6図6は、実施例の産業車両に係り、ウェイトに駆動装置が取り付けられた状態を示す左側面図である。
図7図7は、実施例の産業車両に係り、ウェイトに駆動装置が取り付けられた状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。実施例では、産業車両の一例であるトーイングトラクタを説明する。
【0017】
図1乃至図3に示すように、実施例のトーイングトラクタは、車体本体1と、ウェイト3と、駆動装置5と、一対の前輪7と、一対の後輪9と、操作部11と、座席13とを備えている。図1では、車体本体1が配置される側をトーイングトラクタの前方側と規定し、ウェイト3が配置される側をトーイングトラクタの後方側と規定して、トーイングトラクタの前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、トーイングトラクタの上下方向が本発明における高さ方向に相当する。また、図1では、各前輪7及び各後輪9のうち、左側に位置する前輪7及び後輪9のみを図示している。なお、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。
【0018】
車体本体1は、図2に示すフレーム15と、右フェンダパネル17と、左フェンダパネル19と、燃料タンク21と、サイドパネル23と、フロントガード25と、図1に示すボンネット27と、センタパネル28と、フロアパネル29と、上記の各前輪7と、図示しないエンジン及びトランスミッションとを有している。
【0019】
図2に示すように、フレーム15は、複数の長尺の鋼材が互いに接合されることによって形成されており、トーイングトラクタの前後方向に延びる枠状をなしている。フレーム15は車体本体1の下方に配置されている。フレーム15には、エンジン及びトランスミッションが支持されている。なお、エンジンに換えてモータを採用することもできる。また、図2では、説明を容易にするため、フレーム15及びウェイト3の各形状を簡略化して図示している。
【0020】
右フェンダパネル17は、フレーム15の右側前方に組み付けられている。左フェンダパネル19は、フレーム15の左側前方に組み付けられている。燃料タンク21は、右フェンダパネル17よりも後方でフレーム15の右側に組み付けられている。サイドパネル23は、左フェンダパネル19よりも後方でフレーム15の左側に組み付けられている。フロントガード25は、フレーム15の前端に組み付けられている。図1に示すボンネット27は、右フェンダパネル17と左フェンダパネル19との間に組み付けられている。センタパネル28及びフロアパネル29は、それぞれ燃料タンク21と、サイドパネル23との間に組み付けられている。
【0021】
各前輪7は、フレーム15に支持されて、左フェンダパネル19の下方及び右フェンダパネル17の下方にそれぞれ配置されている。
【0022】
図4及び図5に示すように、ウェイト3は、ウェイト本体31と、第1カバー33と、第2カバー35とで構成されている。第1カバー33及び第2カバー35が本発明におけるカバーに相当する。
【0023】
ウェイト本体31は、鋳造によって形成された一部材からなる。図2に示すように、ウェイト本体31は、前端がボルト100a〜100dによってフレーム15の後端と接続されている。これにより、このトーイングトラクタでは、フレーム15とウェイト3とが接続されている。
【0024】
図4に示すように、ウェイト本体31の後方側には、上方に向かって突出する土手部310が形成されている。図6に示すように、土手部310の後方は、上方側から下方側に向かって傾斜するように形成されている。図2に示すように、ウェイト本体31の前方左側には、座席13が取り付けられている。なお、図示を省略するものの、ウェイト本体31の後端下部には、トーイングトラクタと荷物台車とを連結するためのドローバ装置が設けられている。
【0025】
ウェイト本体31の前端には、それぞれ第1、2ボルトカバー31a、31bが取り付けられている。ボルトカバー31aは、ウェイト本体31の左前端に取り付けられており、図2に示すボルト100aを覆いつつ、ボルト100aを外部から隠蔽する。同様に、図4に示すボルトカバー31bは、ウェイト本体31の右前端に取り付けられており、図2に示すボルト100cを覆いつつ、ボルト100cを外部から隠蔽する。
【0026】
また、図3に示すように、ウェイト本体31の下方であって後方左側には、第1取付部31cが形成されている。なお、図示を省略するものの、ウェイト本体31の下方であって後方右側には、第2取付部が形成されている。また、ウェイト本体31の下方であって前方左側には、下方に向かって延びる左脚部31dが形成されている。同様に、ウェイト本体31の下方であって前方右側には、下方に向かって延びる右脚部31eが形成されている。左脚部31d及び右脚部31eの各下端には、ブラケット57a、57bがそれぞれ図示しないボルトによって取り付けられている。
【0027】
さらに、図7に示すように、ウェイト本体31には、上下方向に延びる開口37が形成されている。開口37は、土手部310内において左右方向に延びる中央部37aと、中央部37aと連続しつつ、ウェイト本体31の後端側から前端側に向かって直線状に延びる直線部37bとを有しており、略十字形状をなしている
【0028】
図5に示す第1カバー33は、金属の板材をプレス加工することによって形成されている。第1カバー33は、第1カバー33の下方に位置して上下方向に略垂直に延びる垂直面331と、第1カバー33の上方に位置し、前後方向に略水平に延びる水平面332と、垂直面331と水平面332とに連続する接続面333とを有している。接続面333は、土手部310の後方の形状に沿って、水平面332側から垂直面331側に向かって傾斜する形状をなしている。
【0029】
垂直面331には、左右一対の取付孔331a、331bが貫設されている。取付孔331aには、尾灯39aが取り付けられる。取付孔331bには、尾灯39bが取り付けられる。各尾灯39a、39bは、それぞれブレーキ灯391と方向指示灯392とが組み合わされたコンビネーションランプである。
【0030】
第2カバー35についても、金属の板材をプレス加工することによって形成されている。第2カバー35は、左右方向に平坦に延びる形状に形成されている。なお、第1、2カバー33、35の各形状は、ウェイト本体31の形状に応じて適宜設計可能である。また、第1、2カバー33、35をそれぞれ樹脂製とすることもできる。
【0031】
図4に示すように、第1カバー33は複数のボルトによって土手部310の後方側に取り付けられている。同様に、第2カバー35は複数のボルトによって土手部310の前方側に取り付けられている(図1参照)。これらにより、第1カバー33及び第2カバー35は、土手部310の外形を形成するとともに、土手部310内に位置する開口37の中央部37aを覆っている。一方、図4に示すように、第1カバー33及び第2カバー35がウェイト本体31に取り付けられた状態であっても、開口37の直線部37bの後端は外部に露出する。また、第1カバー33が土手部310の後方側に取り付けられることにより、各尾灯39a、39bがウェイト3の後方に配置される。
【0032】
図3に示すように、駆動装置5は、リヤアクスル51と、リヤアクスル51の左右にそれぞれ設けられた緩衝部材としてのリーフ式サスペンション53a、53bとを有している。なお、リーフ式サスペンション53a、53bとは別の部材を緩衝部材として採用しても良い。
【0033】
リヤアクスル51は、アクスルケース510内に収納された図示しないディファレンシャルギヤ及びアクスルシャフトと、アクスルシャフトの左右両端にそれぞれ設けられたドラムブレーキ511a、511b及びハブ512a、512b等とを有している。アクスルケース510には、注油口等(図示略)が設けられている。
【0034】
リヤアクスル51は、エンジン及びトランスミッションと動力伝達可能に接続される。また、図1に示す各後輪9は、ハブ512a、512bを介してそれぞれリヤアクスル51に取り付けられている。これにより、リヤアクスル51は各後輪9を駆動させて、トーイングトラクタを走行させる。
【0035】
リーフ式サスペンション53a、53bは、それぞれ図6に示すように、複数枚の板バネ530が積層されることによって構成されており、前後方向に延びている。リーフ式サスペンション53aは、後端側がブラケット55aを介してウェイト本体31の第1取付部31cに取り付けられており、前端側がブラケット57aを介してウェイト本体31の左脚部31dに取り付けられている。図示を省略するものの、リーフ式サスペンション53bについても、後端側が図3に示すブラケット55bを介してウェイト本体31の第2取付部に取り付けられており、前端側がブラケット57bを介してウェイト本体31の右脚部31eに取り付けられる。これらにより、各リーフ式サスペンション53a、53bは、それぞれウェイト本体31の下方の左右に取り付けられ、各リーフ式サスペンション53a、53bを介して、ウェイト本体31の下方に駆動装置5が直接取り付けられる。
【0036】
図1に示す操作部11は、インストルメントパネル11aと、ハンドル11bと、ドローバレバー11cと、図3に示す操作レバーユニット11dとを有している。図1に示すように、インストルメントパネル11a及びハンドル11bは、それぞれ車体本体1に取り付けられている。ドローバレバー11cはウェイト本体31の後方に取り付けられおり、上記のドローバ装置を操作可能に連結されている。図3に示す操作レバーユニット11dは、ウェイト本体31に取り付けられて座席13の右側に配置されている。この際、開口37の直線部37bの前端側は、操作レバーユニット11dによって覆われることとなる。
【0037】
以上のように構成されたトーイングトラクタでは、各リーフ式サスペンション53a、53bを介して、ウェイト本体31の下方に駆動装置5が取り付けられることにより、図7に示すように、ウェイト本体31及び駆動装置5を上方から見た場合、開口37内にリヤアクスル51の一部、より具体的には、アクスルケース510の一部が配置される。このため、このトーイングトラクタでは、ウェイト本体31から第1、2カバー33、35を取り外せば、ウェイト本体31と駆動装置5との分離作業を行うことなく、開口37の中央部37aを通じて、例えば、リヤアクスル51に対する注油作業や点検作業等の整備作業を行うことができる。
【0038】
したがって、実施例のトーイングトラクタは、リヤアクスル51の整備作業を容易に行うことが可能である。
【0039】
特に、このトーイングトラクタでは、各リーフ式サスペンション53a、53bを介して、ウェイト本体31の下方に駆動装置5が直接取り付けられている。これにより、このトーイングトラクタでは、フレーム15に対して駆動装置5を取り付けるための取付部を設ける必要がない。このため、このトーイングトラクタでは、フレーム15の構成を簡略化することができ、製造コストを低廉化することが可能となっている。また、ウェイト本体31と駆動装置5との間にフレーム15が存在しないため、リヤアクスル51の整備作業も行い易くなっている。さらに、このトーイングトラクタでは、ウェイト本体31に駆動装置5を取り付けるに当たり、開口37を通じて作業を行うことができるため、取り付け作業も容易となっている。
【0040】
また、このトーイングトラクタにおいて、ウェイト3は、ウェイト本体31と、第1カバー33と、第2カバー35とで構成されている。そして、ウェイト本体31は、鋳造によって形成された一部材からなる。このため、このトーイングトラクタでは、複数の部材を組み合わせてウェイト本体31を形成する必要がなく、ウェイト本体31を製造するに当たって、複数の鋳型が不要となっている。
【0041】
また、ウェイト本体31とは別体の第1カバー33に各尾灯39a、39bが取り付けられているため、ウェイト本体31を形成する鋳型に対し、各尾灯39a、39bを設ける箇所を形成するための中子を配置する必要もない。これらのため、このトーイングトラクタではウェイト本体31の形成が容易化となっており、この点においても製造コストを低廉化することが可能となっている。
【0042】
さらに、第1、2カバー33、35は、金属の板材をプレス加工することによって形成されている。これにより、このトーイングトラクタでは、第1、2カバー33、35を容易に形成することが可能となっている。また、第1、2カバー33、35を軽量化することができ、リヤアクスル51の整備作業を行う際に、第1、2カバー33、35をウェイト本体31から容易に取り外すことが可能となっている。
【0043】
また、このトーイングトラクタでは、第1カバー33に各尾灯39a、39bを取り付けることにより、鋳造品のウェイト本体31に各尾灯39a、39bを取り付ける場合に比べて、各尾灯39a、39bの取り付け作業も容易となっている。ここで、このトーイングトラクタでは、各尾灯39a、39bの他にも、第1、2カバー33、35に対して、例えば、作業灯や工具、保安器具等を取り付けることが可能である。この際、第1、2カバー33、35が板材によって形成されていることから、これらの保安器具等を取り付けも容易となっている。
【0044】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0045】
例えば、実施例では本発明に係る産業車両としてトーイングトラクタを挙げているが、これに限らず、本発明に係る産業車両をフォークリフトとすることもできる。
【0046】
また、フレーム15に対し、各リーフ式サスペンション53a、53bを取り付けるための取付部を設け、フレーム15の後部に駆動装置5を取り付ける構成としても良い。
【0047】
また、複数の部材を組み合わせることによってウェイト本体31を形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、トーイングトラクタやフォークリフト等の産業車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
3…ウェイト
5…駆動装置
15…フレーム
31…ウェイト本体
33…第1カバー(カバー)
35…第2カバー(カバー)
37…開口
39a、39b…尾灯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7