(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、発光素子を光源に備えたランプとしてLEDランプを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発光素子として有機EL素子を用いた有機ELランプであっても良い。<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るLEDランプ装置の外観構成を示す分解斜視図である。
図2は、LEDランプ装置の断面図である。
LEDランプ装置100(ランプ装置)は、屋外の看板照明等に用いられる照明器具であり、
図1及び
図2に示すように、LEDランプ1(ランプ)と、LEDランプ1を支持するランプホルダー60と、LEDランプ1とランプホルダー60との間に介装される環状防水パッキン70とを備えて構成されている。
【0011】
ランプホルダー60は、既存の電球、及びLEDランプ1のいずれも装着可能なランプホルダーである。
図1及び
図2に示すように、ランプホルダー60は、筒状のホルダ筺体62と、このホルダ筺体62の終端部62Aに図示せぬ支持アームが回動自在に取り付けられるアーム取付部64とを備えて概略構成されている。ランプホルダー60は、既存の電球を装着するために設置されていたものであり、既存の電球を装着できるように、一端側が大きく開口しており、この開口の開口縁部66は、筒状のホルダ筺体62の径と略同一径となっている。開口縁部66の下方の外周面には、LEDランプ1を覆って保護する網状のガード部材(図示せず)を固定するための突起68が複数設けられている。
また、ホルダ筺体62の中には、LEDランプ1の終端に設けられた口金3或いは既存の電球ランプ90(
図3)の口金92が螺合されるソケット65が終端部62A側に配設されている。このソケット65には、アーム取付部64から引き込まれた電力供給線が接続されており、ソケット65を通じて口金3からLEDランプ1に、或いは、既存の電球ランプ90に電力が供給される。
【0012】
図3は、ランプホルダー60に既存の電球ランプ90を装着した状態を示す断面図である。
電球ランプ90は、ガラス製の電球部91と、終端に口金92を備える筒部93とを備えている。電球ランプ90は、口金92がソケット65に係合されることでランプホルダー60に装着され、この状態では、筒部93の近傍の電球ランプ90の基部90Aとホルダ筺体62の開口縁部66との間に、円環状の電球用パッキン94が介装されている。このように、電球ランプ90は、基部90Aが開口縁部66に当接する大きさを有しランプホルダー60の開口を塞ぐため、開口縁部66に沿う円環状の電球用パッキン94を介装することで、電球ランプ90とランプホルダー60との間を防水することができる。
【0013】
図4は、LEDランプ1の外観構成を示す図であり、
図4(A)は平面図、
図4(B)は側面図、
図4(C)は底面図である。
図5はLEDランプ1を分解して示す正面図である。
図6はLEDランプ1の内部構成を示す断面図である。
これらの図に示すように、LEDランプ1は、既存の電球と形状及び光学特性が略同じになるように構成されており、既存の電球の代替として使用可能である。
【0014】
すなわち、LEDランプ1は、高熱伝導性を有する材料から形成された筒状の胴体部2を有し、その終端2A(
図6)には、絶縁性を有する材料から形成された筒状の絶縁筒部10が設けられ、この絶縁筒部10の終端10Aには、既存のソケット(例えばE26型ソケット)に装着可能な口金3が設けられている。具体的には、口金3は、既存のソケットに螺合するネジ山が切られた筒状のシェル5と、このシェル5の端部の頂部に絶縁部6を介して設けられたアイレット7とを備えている。胴体部2及び絶縁筒部10には、
図5及び
図6に示すように、点灯回路等の電気回路を実装した電気回路基板8が内蔵されており、口金3のシェル5、及びアイレット7がそれぞれリード線9A、9Bにより電気回路基板8に電気的に接続され、ソケット65からの電力を電気回路基板8に供給する。このように、胴体部2に絶縁筒部10を接続し、絶縁筒部10にシェル5を設けることで、シェル5と胴体部2とを絶縁でき、胴体部2が導電性を有する場合であっても、口金3のシェル5と胴体部2との間の電気的絶縁を簡単に図ることができる。
図5において、符号26はOリング、符号27は固定ブッシュ、符号28は絶縁シートである。
【0015】
胴体部2の終端2Aには、胴体部2の径方向内側に突出する係合凸部2Bが形成されている。絶縁筒部10の開口端の近傍の外周面には、内面側に窪んだ環状の係合凹部10Bが形成されている。また、絶縁筒部10の開口端には胴体部2の内周面及び係合凸部2Bに当接する当接部10Cが形成されている。
胴体部2及び絶縁筒部10は樹脂成型時に二色成型により形成され、係合凸部2Bが係合凹部10Bに係合されるとともに当接部10Cが胴体部2に当接することで、胴体部2と絶縁筒部10との接合部がいわゆるラビリンス状になるとともに、この接合部の面積が大きくなっている。このため、胴体部2と絶縁筒部10との接合部を強固に接合できるとともに、この接合部の防水性を効果的に向上することができる。
【0016】
絶縁筒部10の軸方向の中間部には、絶縁筒部10内を胴体部2とアイレット7とに仕切るように補強板部30が設けられている。補強板部30は、絶縁筒部10の軸方向に略直交する板状に形成され、補強板部30には、補強板部30を貫通する配線孔31A、31Bが形成されている。配線孔31A、31Bにおける胴体部2側の面には、胴体部2側ほど拡径する導入穴部32が形成されている。
リード線9A、9Bは、電気回路基板8における口金3側の端に接続され、配線孔31A、31Bを通ってシェル5、及びアイレット7にそれぞれ接続される。
【0017】
リード線9Aは、配線孔31Aを通った後、絶縁筒部10の終端10A近傍で屈曲して外側に延び、シェル5に接続される。リード線9Bは、配線孔31Bを通った後、そのままアイレット7側に延びてアイレット7に接続される。このように、リード線9A、9Bが通る配線孔31A、31Bをそれぞれ設けたため、リード線9A、9B同士が絡んでしまうことを防止でき、リード線9A、9Bの短絡を防止できる。また、導入穴部32によってガイドすることで、リード線9A、9Bを簡単に配線孔31A、31Bに通すことができる。
【0018】
図7は、絶縁筒部10の終端10Aの拡大図である。
絶縁筒部10の終端10Aの外周面には、シェル5の内周面が係合するねじ部33が形成されている。また、終端10Aの外周面には、絶縁筒部10の軸方向に延びる配線溝34が形成されており、この配線溝34はねじ部33の一部に彫り込まれるようにして設けられている。絶縁筒部10の内部から屈曲して外側に延びるリード線9Aは、配線溝34内に埋め込まれて胴体部2側に延びる。すなわち、絶縁筒部10にシェル5が取り付けられた状態では、リード線9Aはシェル5より内側の配線溝34を通り、シェル5の開口端の近傍でシェル5の外周面に接合される。
また、リード線9Aが通る配線溝34は、絶縁筒部10の内部に繋がっており、絶縁筒部10の内部は配線孔31A、31Bを介して、アイレット7と胴体部2とが連通している。このため、配線溝34及び配線孔31A、31Bを介して胴体部2内に空気が出入りでき、胴体部2内に結露が生じることを防止できる。
【0019】
ここで、シェル5は、絶縁筒部10のねじ部33に係合された状態で補強板部30の近傍の外周側から絶縁筒部10にかしめられることで固定される。本第1実施形態では、絶縁筒部10が補強板部30を有し、特に絶縁筒部10の径方向の強度が高められているため、シェル5のかしめによる絶縁筒部10の変形を防止できるとともに、シェル5に大きなかしめ力をかけることができ、シェル5を確実にかしめることができる。
【0020】
胴体部2における口金3と逆側の先端2C(
図2、及び
図6)には発光部12が設けられている。発光部12は、ベース板13を有し、このベース板13の上面に、発光素子として多数のLED15(発光素子)が設けられている。ベース板13は、胴体部2よりも大きな径の上面視略円板状の部材であり、
図6に示すように、その裏面には上記胴体部2の先端2Cが連接される。ベース板13、胴体部2及び絶縁筒部10は一体に形成され、LEDランプ1の筺体35を構成している。
【0021】
図8はベース板13の平面図である。
同図に示すように、ベース板13の面内には、当該胴体部2の連接箇所に対応して、電気回路基板8を胴体部2に挿入するための上面視略円形(胴体部2と略同径)の挿入開口14が形成されている。
電気回路基板8は、LED15の点灯回路(電源回路)を含む各種電気回路を実装した基板であり、
図6に示すように、胴体部2の先端2Cから補強板部30にかけて延びる長さで、この胴体部2の中空形状に係合する正面視形状を有して形成されている。
【0022】
胴体部2の直径R(
図6)は、電気回路基板8の横幅と略同程度に形成されており、胴体部2の内周面には、
図8に示すように、固定用溝部51A及び固定用溝部51Aに対向する突き当て片51Bが設けられており、電気回路基板8は、一辺が固定用溝部51Aに係合されるとともに、他辺が突き当て片51Bの側面に突き当てられることで胴体部2内に固定される。
【0023】
LED15は、例えばLED素子をパッケージ化してなるものである。本実施形態では、LED15に白色LEDが用いられている。なお、LED15に白色以外の他の発光色のLEDを用いても良いことは勿論である。LED15は、
図4に示すように、円板状の回路基板であるLED基板16の上に略同心円状に等距離間隔で配置されている。なお、このLED基板16上に配置するLED15の数、及び配列は、必要な照度が確保され、また照度ムラが生じないような配列であれば任意の配列とすることができる。
【0024】
LED基板16は、上記ベース板13にネジ止め固定されることで取り付けられ、その略中央には、リード線引出開口17が形成されている。
図4に示すように、胴体部2に装着された電気回路基板8から電力供給用の陽極及び陰極のリード線18がリード線引出開口17を通じて引出されて、このLED基板16の上面に形成されている回路パターン80に電気的に接続され、当該回路パターンを通じて各LED15に電力が供給される。
なお、電気回路基板8とLED基板16との電気的接続構造は、上記リード線18に限らず、電気回路基板8の上端及びLED基板16の裏面のそれぞれに、互いに係合して導通するソケットを設けて電気的に接続する構造としても良い。また、LED基板16の裏面に電気回路基板8を直接接合して電気的に接続する構造としても良い。
【0025】
ベース板13は、
図4及び
図6に示すように、周縁に沿って側壁19を有したトレー状を成し、この側壁19の内周面にLED基板16を覆うカバー22が螺合されている。また発光部12には、各LED15から側壁19に向かって遮光される光線成分Sa(
図6)をカバー22から取り出して照明に利用可能にすべく、環状の反射体21が設けられ、環状の反射体21には、各LED15を取り囲むようにベース板13の円周に沿って配置され、LED15から入射する光線成分Saをカバー22に向けて反射する反射面21Aが形成されている。かかる反射体21を備えることで、LEDランプ1の器具効率が向上し、また、水平方向(LED基板16の面に平行な方向)への光の拡がりが抑えられる。
【0026】
LEDランプ1は、各LED15に高出力型のものを使用することで高出力型のランプとして構成されている。このため、何ら対策を施さなければ、各LED15の発熱によりLED温度が上昇し、LED15の寿命低下や光量低下を招くことなる。そこで本実施形態のLEDランプ1においては、次のようにして放熱性を高めることとしている。
すなわち、本実施形態では、LED基板16を取り付けるベース板13が、当該LED基板16を載置可能な大きさの円板状に構成されているため、例えばLED基板16の縁部を支持するような構成に比べてベース板13との接触面積が大きくなる。これにより、この接触面積を例えばLED基板16の50%以上とすることができ、LED基板16からベース板13への十分な伝熱量を確保できる。
さらにLED基板16とベース板13の間には、
図5及び
図6に示すように、LED基板16と同等かそれ以下の面積のLED基板用放熱シート20が挟まれており、LED15の発熱がLED基板16、及びLED基板用放熱シート20を通じてベース板13に効率良く導かれる。なお、LED基板用放熱シート20を用いることなく、LED基板16の裏面に放熱性能を有する弾性材質からなる樹脂を所要の厚さコートし一体化する構成としても良い。LED基板用放熱シート20またはLED基板16の裏面のコートに絶縁性能を持たせても良い。
【0027】
また、第1実施形態では、このベース板13及び上記胴体部2が共に高熱伝導性を有する材料から一体に形成されている。したがって、ベース板13と胴体部2の間の熱抵抗が抑制されるため、ベース板13に導かれた熱を胴体部2にロスを少なくして伝えることができ放熱性を高めることができる。
ベース板13及び胴体部2の材料としては、アルミニウム等の金属材料や熱伝導性樹脂を好適に用いることができる。特に熱伝導性樹脂から形成することで、アルミニウム等の金属材料でベース板13及び胴体部2を形成したときよりもLEDランプ1の軽量化が図られ、同じ重量とした場合には放熱フィンの枚数を増やすことができるので、表面積が増え、より効率的に放熱性を高めることができる。このような熱伝導性樹脂としては、熱伝導率が2W/mK以上の熱伝導性に優れた樹脂材が好ましく、例えばカーボン繊維入りのポリカーボネイト樹脂を好適に用いることができる。熱伝導性樹脂を用いて胴体部2及びベース板13の軽量化を図ることで、電球の代替としてLEDランプ1を既存ソケットや既存ホルダーに装着する場合でも、当該LEDランプ1の重量を支えるために既存ソケットや既存ホルダーを補強する作業や部材が必要なく、そのまま代替使用することができる。
【0028】
胴体部2の外周面には、先端2Cから終端2Aに延びる板状の放熱フィン25が胴体部2の軸線を中心にして放射状に多数立設されており、胴体部2に導かれた熱が各放熱フィン25から放熱される。各放熱フィン25は、フィン端部25Aがベース板13の裏面13Aに連接されるとともに、これら放熱フィン25、胴体部2及びベース板13が一体に形成されている。これにより、胴体部2に伝わった熱がロスなく放熱フィン25から放熱されるとともに、ベース板13からも直接放熱フィン25に熱が伝えられることから放熱性を高めることができる。
【0029】
また胴体部2の直径Rは、
図6に示すように、内蔵の電気回路基板8が収まる程度(電気回路基板8の幅程度)に小さく形成されているため、LED基板16とベース板13の接触面積を確保できLED基板16とベース板13間での伝熱量を多くできる。これに加え、ベース板13と胴体部2の径の差も大きくなるため、放熱フィン25のフィン端部25Aを胴体部2からベース板13の縁部(側壁19)まで延びる長さとすることで、このフィン端部25Aと裏面13Aの接触面積も大きくなり、より多くの発熱を放熱フィン25に導き放熱できる。このようにして放熱フィン25への伝熱量が確保されるため、放熱フィン25の厚みを例えば2.5mm以下まで薄くしても十分は放熱性能が維持でき、これにより、放熱フィン25の薄型化の分だけ軽量化が図られる。
【0030】
放熱フィン25は、それぞれ口金3側のフィン端部25Bが口金3からベース板13側に距離Lだけ離れた(手前の)位置に配置されている。これにより、口金3から胴体部2及び絶縁筒部10に沿った距離Lの区間(以下、「フィン無し区間」と言う)45には放熱フィン25が無いため、このフィン無し区間45では放熱フィン25の熱が伝わり難くなる。
また電気回路基板8は、絶縁筒部10の補強板部30から胴体部2の先端2Cにかけて延びる長さに形成されているため、胴体部2に装着した状態では、
図6に示すように、電気回路基板8の端部8Aが口金3の近傍に位置し、少なくとも、胴体部2及び絶縁筒部10のフィン無し区間45に対応する箇所に電気回路基板8の実装部品が配置される。上述の通り、このフィン無し区間45では、放熱フィン25による熱の影響が少ない。したがって、電気回路基板8には、このフィン無し区間45に対応した箇所に、熱的な影響を受け易い(熱から保護すべき)電気回路部品52を配置し、熱的な影響を受け難い(熱から保護する必要がない)電気回路部品53をフィン無し区間45以外の箇所に配置することで、電気回路部品52が放熱フィン25の熱から保護されることとなる。
【0031】
図4〜
図6に示すように、LEDランプ1にあっては、放熱フィン25のフィン端部25Bの形状が胴体部2の軸線に対して略垂直な直線状に形成されているとともに、各フィン端部25Bは、胴体部2の軸方向において略同一な位置にある。したがって、LEDランプ1をランプホルダー60に装着した場合には、各フィン端部25Bがランプホルダー60のホルダ筺体62の開口縁部66に当接することとなる。また放熱フィン25の側面視形状は、ベース板13の裏面13Aからホルダ筺体62の開口縁部66に向かって緩やかな弧を描く略扇形状に形成されており、ランプホルダー60にLEDランプ1を装着した状態において、これらの一体感を高め、意匠性が高められている。
【0032】
さて、このランプホルダー60は、屋外に設置されることから、ソケット65とLEDランプ1との接続部分を保護するために、開口縁部66からホルダ筺体62に水が入らないように防水する必要がある。上述のように、装着対象が電球ランプ90(
図3)であれば、電球ランプ90と開口縁部66との間に電球用パッキン94を介装することで防水できる。
これに対してLEDランプ1にあっては、板状の放熱フィン25が胴体部2の外周面に放射状に立設されているため、各放熱フィン25の間に隙間があり、開口縁部66に沿って電球用パッキン94を設けるだけではホルダ筺体62の内部に水が入り込んでしまう。そこで本第1実施形態では、LEDランプ1の放熱フィン25のフィン端部25B側に、ランプホルダー60の開口を塞ぐ環状防水パッキン70を設けている。
【0033】
図2に示すように、胴体部2の外周面は、先端2Cから終端2Aにかけて口金3側に向かって先細る円錐状に形成されており、この外周面において放熱フィン25と口金3との間の中間部は、口金3側に向かって先細るテーパー状の円錐部40(中間部)を有しており、環状防水パッキン70は、円錐部40に嵌合して取り付けられる。
【0034】
図9は、環状防水パッキン70を示す図であり、
図9(A)は平面図、
図9(B)は
図9(A)のIX−IX断面図である。
図10は、
図2における環状防水パッキン70の近傍の拡大図である。
図1、
図2、
図9及び
図10に示すように、環状防水パッキン70は、ホルダ筺体62の開口縁部66を全体に亘って覆う大きさの円板状に形成され、フィン端部25Bとホルダ筺体62の開口縁部66との間に介装されるパッキン本体71と、環状防水パッキン70の中央に設けられ、胴体部2が挿通される円錐孔72(内周部)とを有している。環状防水パッキン70はゴム製であり、ここではシリコンゴムが用いられている。
パッキン本体71は、その外周部78に、開口縁部66の端面に当接するフランジ部71Aと、フランジ部71Aに連続し、開口縁部66の内周面に当接する外周面71Bとを有している。また、パッキン本体71は、フィン端部25Bに面する上面71Cを有している。
【0035】
上面71Cには、パッキン本体71の外縁の内側でパッキン本体71を一周する環状溝部73が形成されている。また、上面71Cには、径方向の外側に延びて環状溝部73をパッキン本体71の外周面に連通させる排水溝74(排水部)が形成されている。排水溝74は、パッキン本体71の周方向に略等間隔をあけて複数設けられている。また、パッキン本体71において上面71Cとは反対側の面には、軽量化用凹部77が形成されており、これにより、環状防水パッキン70の軽量化が図られている。
外周面71Bには、径方向に突出した環状の外周側リップ部75が複数設けられており、シール性が向上されている。
【0036】
円錐孔72の内周面は、ホルダ筺体62に組み付けられた状態においてソケット65側に先細りのテーパーとなる円錐状に形成されている。円錐孔72の内周面には、径方向内側に突出する環状のリップ部76が形成され、リップ部76は、円錐孔72の軸方向に複数形成されており、円錐孔72の内周面の表面は蛇腹状になっている。この円錐孔72と胴体部2の円錐部40とは、略等しいテーパー角度に設定されている。ここで、
図10では、外周側リップ部75及びリップ部76は変形してその当接面に接するため、変形前の形状を2点鎖線で示している。
【0037】
LEDランプ1をランプホルダー60に取り付ける際には、まず、胴体部2の円錐部40に円錐孔72を介して環状防水パッキン70を嵌合させておき、その後、LEDランプ1をランプホルダー60に挿入し、環状防水パッキン70をホルダ筺体62の開口縁部66に嵌め込むとともに、口金3をソケット65にセットし、LEDランプ1を回転させて締め込むことで口金3をソケット65に螺合させれば良い。
このように、胴体部2の終端2Aに向けて先細る円錐部40と環状防水パッキン70の円錐孔72とが嵌合するため、円錐部40のテーパー状の斜面によって環状防水パッキン70をランプホルダー60の開口縁部66側に押さえ付けることができ、環状防水パッキン70がランプホルダー60から外れることを防止でき、LEDランプ1とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
また、環状防水パッキン70の円錐孔72を円錐部40に嵌合させることで、LEDランプ1をランプホルダー60の径方向に位置決めでき、専用の位置決め部材を用いない簡単な構成で、LEDランプ1を位置決めすることができる。
【0038】
LEDランプ1は、口金3がソケット65に完全に螺合された状態では、円錐部40がリップ部76を含む円錐孔72を径方向外側に若干変形させる深さまで入り込み、この状態では、パッキン本体71は、外周面71Bがホルダ筺体62の内周面に押し付けられるとともに、フランジ部71Aが開口縁部66に押し付けられることになる。このように、円錐部40が円錐孔72を径方向外側に若干変形させる深さまで嵌合するため、円錐部40と円錐孔72の間のシール性を向上でき、胴体部2とパッキン本体71との間の防水性を向上できる。また、円錐部40によって、パッキン本体71のフランジ部71Aが開口縁部66に押し付けられるとともに、外周側リップ部75を含む外周面71Bがホルダ筺体62の内周面に押し付けられるため、パッキン本体71とホルダ筺体62との間のシール性を向上でき、環状防水パッキン70とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
さらに、LEDランプ1は、口金3がソケット65に完全に螺合された状態では、パッキン本体71が、口金3とソケット65との締結力によってフィン端部25Bと開口縁部66との間で押圧されるように設定されている。このため、放熱フィン25と開口縁部66との間でパッキン本体71を潰すようにして密着させることができ、環状防水パッキン70とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
【0039】
各放熱フィン25の間に侵入した液体は、環状防水パッキン70によってランプホルダー60内への侵入を阻まれ、環状防水パッキン70の上面71Cに形成された環状溝部73を流れ、排水溝74を通って外部に排出される。このように、環状防水パッキン70の上面の環状溝部73に流れた液体が複数の排水溝74から外部に排出されるため、液体やごみが環状防水パッキン70に溜まることを防止でき、長期間に亘って環状防水パッキン70の防水性を良好に保つことができる。
【0040】
以上説明したように、本発明を適用した第1実施形態によれば、胴体部2の発光部12との連接部に設けられた放熱フィン25と口金3との間の胴体部2の中間部が、胴体部2の終端2Aに向けて先細る円錐部40を有し、環状防水パッキン70の内周部が胴体部2の円錐部40に嵌合可能に円錐孔72を有し、環状防水パッキン70の装着時には円錐孔72が円錐部40に嵌合し、環状防水パッキン70の外周面71Bがランプホルダー60の開口縁部66に係合して防水構造となり、終端2Aに向けて先細る円錐部40と円錐孔72とが嵌合するため、円錐部40によって環状防水パッキン70をランプホルダー60の開口縁部66側に押さえ付けることで、環状防水パッキン70がランプホルダー60から外れることを防止できる。このため、放熱フィン25側から環状防水パッキン70側に流れる液体が環状防水パッキン70とランプホルダー60の開口縁部66及び胴体部2との間に侵入することを防止でき、LEDランプ1とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
【0041】
また、環状防水パッキン70の外周面71Bがフィン端部25Bによってランプホルダー60の開口縁部66に押し付けられて潰れるため、環状防水パッキン70とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
また、環状防水パッキン70の円錐孔72に、径方向内側に突出する円環状のリップ部76を形成したため、円錐孔72と円錐部40との間のシール性を向上でき、防水性を向上できる。
さらに、環状防水パッキン70に流れた液体を環状溝部73及び排水溝74を介して環状防水パッキン70の外周面側に排水でき、環状防水パッキン70の防水性を良好な状態に保つことができる。
【0042】
なお、上記第1実施形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記第1実施形態では、環状防水パッキン70の外周面71Bがフィン端部25Bによってランプホルダー60の開口縁部66に押し付けられて潰れるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィン端部25Bを環状防水パッキン70に当接させないように上方に逃がし、円錐部40のみで円錐孔72を介して環状防水パッキン70を開口縁部66に押し付けることで、環状防水パッキン70を固定しても良い。
また、上記第1実施形態では、放熱フィン25は、胴体部2の軸線を中心にして放射状に胴体部2の外周面に設けられるものとして説明したが、
図11に示すように放熱フィンを設けても良い。
図11に示す例では、各放熱フィン525は、胴体部2の軸線と平行に延びる面に対して平行な面を有する板状に形成され、互いに平行であるとともに略等間隔をあけて配置され、ベース板13の裏面13Aから終端2A側に向けて立設されている。そして、円錐部40によって環状防水パッキン70をランプホルダー60の開口縁部66側に押さえ付けるとともに、フィン端部525Bによって環状防水パッキン70を開口縁部66に押圧することで、LEDランプ1とランプホルダー60との間の防水性を向上することができる。
【0043】
<第2実施形態>
以下、
図12を参照して、本発明を適用した第2実施形態について説明する。この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、胴体部2の円錐部40が環状防水パッキン70の円錐孔72に嵌合し、胴体部2と環状防水パッキン70との間の防水性が向上されるものとして説明したが、本第2実施形態では、防水パッキンの上面を押圧して防水を図る構成を説明する。
【0044】
図12は、第2実施形態のLEDランプ装置200の内部構成を示す断面図である。
図12に示すように、LEDランプ装置200(ランプ装置)は、LEDランプ201(ランプ)と、ランプホルダー60と、LEDランプ201とランプホルダー60との間に介装される環状防水パッキン270とを備えて構成されている。
LEDランプ201は、ベース板13から口金3まで延びる胴体部202を有し、放熱フィン25と口金3との間の胴体部202、すなわち、フィン端部25Bの下方には、胴体部202の径方向外側に突出する段部240が設けられている。段部240は、胴体部202の軸線に略直交するように外側に延びる段部であり、胴体部202の外周を一周するように設けられている。
【0045】
胴体部202の中間部には、段部240の下面に連続し、胴体部202の軸線と略平行に口金3側へ延びる略真円の円筒部241(中間部)が形成されている。環状防水パッキン270は、円筒部241に嵌合することでLEDランプ201に取り付けられる。
環状防水パッキン270には、円筒部241に嵌合する嵌合孔272(内周部)が形成されている。嵌合孔272は環状防水パッキン270の径方向の中央に形成され、上面71Cに略直交して延びる略真円に形成されている。
【0046】
LEDランプ201をランプホルダー60に取り付けた状態では、環状防水パッキン270は段部240によって開口縁部66側に押し付けられている。このため、環状防水パッキン270の外れを防止できるとともに、フランジ部71Aと開口縁部66との間の防水性を向上できる。また、段部240の下面が、嵌合孔272の周縁部の上面71Cに密着するため、嵌合孔272と胴体部202との間の防水性を向上できる。さらに、嵌合孔272が円筒部241に嵌合するため、LEDランプ201をランプホルダー60の径方向に簡単に位置決めできる。
【0047】
以上説明したように、本発明を適用した第2実施形態によれば、胴体部202の発光部12との連接部に設けられた放熱フィン25と口金3との間の胴体部202に段部240が設けられ、段部240より終端2A側の中間部が略真円の円筒部241を有し、環状防水パッキン270の嵌合孔272が胴体部202の円筒部241に嵌合可能に形成され、環状防水パッキン270の装着時には、環状防水パッキン270が段部240の下面とランプホルダー60の開口縁部66との間に狭持され、嵌合孔272が円筒部241に嵌合し、環状防水パッキン270の外周面71Bがランプホルダー60の開口縁部66に係合して防水構造となり、段部240によって環状防水パッキン270を開口縁部66側に押さえ付けることで、環状防水パッキン270がランプホルダー60から外れることを防止できる。このため、放熱フィン25側から環状防水パッキン270側に流れる液体が環状防水パッキン270と開口縁部66及び胴体部202との間に侵入することを防止でき、LEDランプ201とランプホルダー60との間の防水性を向上できる。
【0048】
また、
図13に示すように、第1実施形態の円錐部40の上方に、胴体部2の外周を一周する段部540を設けても良い。この場合、円錐部40によって環状防水パッキン70をランプホルダー60の開口縁部66側に押さえ付けるとともに、段部540の下面によって環状防水パッキン70を開口縁部66に押圧することで、LEDランプ1とランプホルダー60との間の防水性を向上することができる。また、段部540の下面が環状防水パッキン70の上面71Cに密着することで、円錐孔72側への液体の侵入が阻止されるため、防水性をさらに向上できる。
【0049】
<第3実施形態>
以下、
図14を参照して、本発明を適用した第3実施形態について説明する。この第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、胴体部2の円錐部40が環状防水パッキン70の円錐孔72に嵌合し、胴体部2と環状防水パッキン70との間の防水性が向上されるものとして説明したが、本第3実施形態では、
図3で説明した電球用パッキン94を用いて防水を図る構成について説明する。
【0050】
図14は、第3実施形態のLEDランプ装置300の内部構成を示す断面図である。
図14に示すように、LEDランプ装置300は、LEDランプ301と、ランプホルダー60と、LEDランプ301とランプホルダー60との間に介装される電球用パッキン94とを備えて構成されている。
LEDランプ301は、胴体部2を有し、終端2Aには、絶縁筒部10が設けられ、この絶縁筒部10には、口金3が設けられている。
【0051】
胴体部2の外周面には、ベース板13の裏面13Aから終端2A側に向けて立設された板状の放熱フィン325が複数設けられている。放熱フィン325は、胴体部2の軸線と平行に延びる面に対して平行な面を有する板状に形成され、互いに略等間隔をあけて配置されている。放熱フィン325のフィン端部325Bには、胴体部2の外周面から外側に延びる押圧板340が連接されている。押圧板340は、ベース板13に対して略平行な円板状に形成され、胴体部2の軸方向の中間部に配置されている。押圧板340の外径は、電球用パッキン94を全体に亘って押圧可能な大きさに形成されている。
【0052】
LEDランプ301をランプホルダー60に取り付けた状態では、押圧板340の下面とランプホルダー60の開口縁部66との間には、電球用パッキン94が介装されている。電球用パッキン94は、口金3とソケット65との締結力によって潰れた状態で介装されており、シール性が確保されている。
押圧板340の内縁部は胴体部2の外周面に連接されており、放熱フィン325の間に侵入した液体は、押圧板340の内縁部側から口金3側に流れることはできず、押圧板340の外縁部から外部に排出される。すなわち、第3実施形態では、押圧板340と開口縁部66との間に電球用パッキン94を設けることで防水性を確保でき、胴体部2との間に防水パッキンを設ける必要がないため、防水が必要な個所が低減され、防水性を向上できる。
このように、電球用パッキン94を全体に亘って押圧可能な大きさの押圧板340を胴体部2に設けたため、電球用パッキン94を用いてLEDランプ装置300の防水を図ることができ、LEDランプ301に専用の防水パッキンを用いる必要がない。このため、電球ランプ90をLEDランプ301に容易に置き換えることができる。
【0053】
なお、上記第3実施形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記第3実施形態では、押圧板340は、フィン端部325Bに連接されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、押圧板340は、フィン端部325Bの下方に離れて設けられても良い。
また、
図15に示すように、電球ランプ90の基部90A(
図3)と略同一形状の曲面部340Aを押圧板340の下部に形成し、この曲面部340Aで電球用パッキン94を押圧するように構成しても良い。この場合、電球用パッキン94の形状に対応して形成された曲面部340Aによって電球用パッキン94をより適切に押圧でき、防水性を向上できる。
また、放熱フィン325は、胴体部2の軸線と平行に延びる面に対して平行な面を有する板状であるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、第1実施形態のように、胴体部2の軸線を中心にして放射状に延びる板状に形成しても良く、或いは、
図16に示すように、ベース板13に対して平行な円板状の放熱フィン625を、ベース板13側から終端2A側に向かって複数配列し、最も終端2A側の放熱フィン625の下方に押圧板340を設けても良い。また、最も終端2A側の放熱フィン625を押圧板として用いても良い。
また、
図17に示すように、電球用パッキン94に替えて環状防水パッキン70を用いい、円錐部40によって環状防水パッキン70をランプホルダー60の開口縁部66側に押さえ付けるとともに、押圧板340によって環状防水パッキン70を開口縁部66に押圧することで、LEDランプ1とランプホルダー60との間の防水性を向上することができる。また、押圧板340が環状防水パッキン70の上面71Cに密着することで、円錐孔72側への液体の侵入が阻止されるため、防水性をさらに向上できる。
【0054】
<第4実施形態>
以下、
図18を参照して、本発明を適用した第4実施形態について説明する。この第4実施形態において、上記第1実施形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、環状防水パッキン70は開口縁部66に当接するフランジ部71A及び外周面71Bを有するものとして説明したが、第4実施形態では、環状防水パッキン470が開口縁部66の外周面にも当接する構成を説明する。
【0055】
図18は、第4実施形態の環状防水パッキン470の係合部の拡大断面図である。
図18に示すように、環状防水パッキン470は、フランジ部71A及び外周面71Bに加え、外周面71Bよりも外周側で外周面71Bと略平行に突出する円環状の外側シール部71Dを有している。外周面71B、フランジ部71A及び外側シール部71Dが連続して設けられることで、環状防水パッキン470の外周部78には、開口縁部66が係合する環状溝471が形成され、開口縁部66はその外周面も外側シール部71Dによって覆われることになる。
このように、環状防水パッキン470が、開口縁部66の外周面を覆うため、環状防水パッキン470と開口縁部66との間の防水性をさらに向上できる。また、外側シール部71Dが設けられることで、環状防水パッキン470の剛性が高くなり、外力等の影響による環状防水パッキン470の変形を防止できるため、防水性を向上することができる。