(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イベント信号が、前記論理入力信号によって定まる通常の状態では発生しないときに生成されると、前記パルス生成回路は前記リセット信号を再生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
前記イベント信号は、前記論理入力信号の前記第1のエッジをトリガにして前記ハイサイド電位が変化する第1の方向への前記ハイサイド電位の変化に基づいて出力されることを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
前記ハイサイド電位検出回路は、ハイサイド回路の高耐圧領域に電界緩和を目的に形成される抵抗性フィールドプレートを備え、前記抵抗性フィールドプレートの一端を前記ハイサイド電位に接続し、他端をローサイドの基準電位に接続し、中間の分岐点を出力端子としたことを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
前記ハイサイド電位検出回路は、前記ハイサイド電位がローサイドの基準電位を境に変化したときにオン状態またはオフ状態に切り換わるように構成されたバイポーラトランジスタを備えていることを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
前記ハイサイド電位判定回路は、前記ハイサイド電位の絶対値に基づいて前記レベルシフト回路の誤動作を判定する第1の回路および前記ハイサイド電位のdV/dtに基づいて前記レベルシフト回路の誤動作を判定する第2の回路の少なくとも一方を備えていることを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
前記第1の回路は、前記ハイサイド電位検出回路によって検出された前記ハイサイド電位に相当する電位を所定の基準電位と比較する比較器と、前記比較器の出力信号の第1のエッジに基づいて所定の時間幅の前記イベント信号を出力するエッジトリガ回路とを備えていることを特徴とする請求項7記載の駆動回路。
前記第1の回路は、前記ハイサイド電位検出回路によって検出された前記ハイサイド電位に相当する電位を所定の基準電位と比較する比較器と、前記比較器の出力信号の第1のエッジに基づいて所定の時間幅の第1のイベント信号を出力する第1のエッジトリガ回路と、前記比較器の出力信号を反転した信号の第1のエッジに基づいて所定の時間幅の第2のイベント信号を出力する第2のエッジトリガ回路とを備えていることを特徴とする請求項7記載の駆動回路。
前記第2の回路は、前記ハイサイド電位検出回路によって検出された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を伝達するコンデンサと、前記コンデンサを介して伝達された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を所定の第1の基準電位と比較する第1の比較器と、前記コンデンサを介して伝達された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を所定の第2の基準電位と比較する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力とを論理演算して前記イベント信号を出力する回路と、を備えていることを特徴とする請求項7記載の駆動回路。
前記第2の回路は、前記ハイサイド電位検出回路によって検出された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を伝達するコンデンサと、前記コンデンサを介して伝達された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を所定の第1の基準電位と比較して第1のイベント信号を出力する第1の比較器と、前記コンデンサを介して伝達された前記ハイサイド電位に相当する電位の変化を所定の第2の基準電位と比較して第2のイベント信号を出力する第2の比較器とを備えていることを特徴とする請求項7記載の駆動回路。
前記パルス生成回路は、前記論理入力信号に基づく前記セット信号および前記リセット信号の生成を、前記イベント信号に基づく前記セット信号または前記リセット信号の生成に優先して実施するようにしたことを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、HVドライバICに適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を適宜組み合わせて実施することができる。
【0016】
図1は第1の実施の形態に係る半導体装置を示す回路図、
図2はパルス生成回路の一例を示す回路図、
図3は立上りエッジトリガ回路の一例を示す回路図、
図4はハイサイド電位判定回路の一例を示す回路図である。
【0017】
第1の実施の形態に係る半導体装置は、
図1に示したように、トーテムポール接続されたハイサイドパワーデバイスHQおよびローサイドパワーデバイスLQを有している。本実施の形態では、ハイサイドパワーデバイスHQおよびローサイドパワーデバイスLQは、それぞれパワーMOSトランジスタで構成しているが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のような他のデバイスであってもよい。ハイサイドパワーデバイスHQのドレインは、高圧電源10の正極端子に接続され、ローサイドパワーデバイスLQのソースおよび高圧電源10の負極端子は、グランドGNDに接続されている。ローサイドパワーデバイスLQのソースは抵抗を介してグランドGNDに接続されてもよい。ハイサイドパワーデバイスHQのソースとローサイドパワーデバイスLQのドレインとの接続点、すなわち、トーテムポールの中点は、負荷11に接続されている。
【0018】
ハイサイドパワーデバイスHQのゲートは、ハイサイド駆動回路12の出力端子HO(その電位信号であるハイサイド出力信号もHOと記す)に接続され、ローサイドパワーデバイスLQのゲートは、ローサイド駆動回路13の出力端子LOに接続されている。ハイサイド駆動回路12は、その基準電位端子がトーテムポールの中点およびハイサイド電源14の負極端子に接続され、電源端子がハイサイド電源14の正極端子に接続されている。ローサイド駆動回路13は、その基準電位端子がグランドGNDおよびローサイド電源15の負極端子に接続され、電源端子がローサイド電源15の正極端子に接続されている。ここで、ローサイド電源電位は、グランドGNDを基準としたVCCで示され、ハイサイド基準電位およびハイサイド電源電位は、それぞれグランドGNDを基準としたVS,VBで示している。
【0019】
半導体装置は、また、パルス生成回路16と、レベルシフト回路17と、ハイサイド電位検出回路18と、ハイサイド電位判定回路19とを備えている。
パルス生成回路16は、外部からハイサイド制御用の論理入力信号HINを入力し、セット信号SETおよびリセット信号RESETを生成する。具体的には、
図2に示したように、パルス生成回路16は、論理入力信号HINを入力し、セット信号SETを出力する立上りエッジトリガ回路20を備えている。パルス生成回路16は、また、インバータ21と、立上りエッジトリガ回路22と、OR回路23と、AND回路24とを備えている。インバータ21の入力は、論理入力信号HINの入力端子に接続され、インバータ21の出力は、立上りエッジトリガ回路22の入力とAND回路24の一方の入力とに接続されている。立上りエッジトリガ回路22の出力は、OR回路23の一方の入力に接続され、OR回路23の出力は、リセット信号RESETの出力端子を構成している。AND回路24の他方の入力は、ハイサイド電位判定回路19から出力されるイベント信号EVENTの入力端子に接続され、AND回路24の出力は、OR回路23の他方の入力に接続されている。
【0020】
立上りエッジトリガ回路20は、
図3に示したように、入力が論理入力信号HINの入力端子に接続されたインバータ25を備えている。このインバータ25の出力は、nMOSトランジスタ26およびpMOSトランジスタ27のゲートに接続されている。nMOSトランジスタ26のソースは、グランドGNDに接続され、nMOSトランジスタ26のドレインは、pMOSトランジスタ27のドレインに接続されている。pMOSトランジスタ27のソースは、ローサイド電源電位VCCを供給するローサイド電源15の正極端子に接続されている。nMOSトランジスタ26およびpMOSトランジスタ27からなるインバータ回路の出力は、コンデンサ28の一端に接続され、コンデンサ28の他端は、グランドGNDに接続されている。インバータ回路の出力は、また、比較器29の一方の入力に接続されている。比較器29の他方の入力には、基準電圧源30の正極端子に接続され、基準電圧源30の負極端子は、グランドGNDに接続されている。比較器29の出力は、インバータ31の入力に接続され、インバータ31の出力は、AND回路32の一方の入力に接続され、AND回路32の他方の入力は、論理入力信号HINの入力端子に接続されている。AND回路32の出力は、セット信号SETを出力する出力端子を構成している。
【0021】
なお、ここでは、立上りエッジトリガ回路20の具体例について説明したが、立上りエッジトリガ回路22においても、同じ構成を有している。したがって、以下の立上りエッジトリガ回路22の動作説明には、
図3を参照することにする。立上りエッジトリガ回路22の入力は、論理入力信号HINを論理反転した信号となり、出力は、OR回路23を介してリセット信号RESETとなる。また、このパルス生成回路16は、外部からハイサイド制御用の論理入力信号HINを入力しているが、ローサイド制御用の論理入力信号LINについては、外部からローサイド駆動回路13に直接入力されている。
【0022】
レベルシフト回路17は、高耐圧のMOSトランジスタHVN1,HVN2と、抵抗LSR1,LSR2と、クランプ用のダイオードD1,D2とを有している。MOSトランジスタHVN1,HVN2のゲートは、それぞれパルス生成回路16のセット信号出力端子およびリセット信号出力端子に接続されている。MOSトランジスタHVN1,HVN2のドレインは、それぞれ抵抗LSR1,LSR2の一端に接続され、抵抗LSR1,LSR2の他端は、ハイサイド駆動回路12の電源端子に接続されている。MOSトランジスタHVN1,HVN2のドレインと抵抗LSR1,LSR2との接続点は、それぞれハイサイド駆動回路12の入力端子に接続されるとともに、ダイオードD1,D2のカソード端子に接続されている。ダイオードD1,D2のアノード端子は、トーテムポールの中点に接続されている。MOSトランジスタHVN1,HVN2のソースは、グランドGNDに接続されている。
【0023】
ハイサイド電位検出回路18は、ハイサイドの電位、図示の例では、ハイサイド基準電位VSを検出するもので、本実施の形態では、検出手段として抵抗性フィールドプレート(RFP:Resistant Field Plate)を利用している。この抵抗性フィールドプレートは、ハイサイド回路の高耐圧領域デバイスにおいて、耐圧領域HVJT(High Voltage Junction Terminal)の電界緩和を目的に形成されているものである(たとえば、国際公開第2013/069408号公報参照)。ハイサイド電位検出回路18は、抵抗性フィールドプレートに分岐点を設けて2つの抵抗RFP1,RFP2に分割し、一方の端子は、トーテムポールの中点に接続され、他方の端子は、グランドGNDに接続されている。抵抗性フィールドプレートの分岐点は、ハイサイド電位判定回路19の入力端子に接続され、ハイサイド基準電位VSの変化を表す検出信号SENSEを出力するようにしている。
【0024】
ハイサイド電位判定回路19は、ハイサイド電位検出回路18が検出した検出信号SENSEを入力し、ハイサイド電位、ここでは、ハイサイド基準電位VSが外来ノイズの影響を受けて変化しているかどうかを判定するための信号EVENTを生成する。このハイサイド電位判定回路19は、
図4に示したように、2つの保護用ダイオード41,42と、比較器43と、基準電圧源44と、インバータ45と、立上りエッジトリガ回路46とを備えている。また、ハイサイド電位判定回路19は、ハイサイド電位検出回路18とともに、グランドGNDの電位を基準としたローサイドの電位側に設置してある。
【0025】
検出信号SENSEの入力端子は、保護用ダイオード41のカソードと、保護用ダイオード42のアノードと、比較器43の一方の入力に接続されている。保護用ダイオード41のアノードは、グランドGNDに接続され、保護用ダイオード42のカソードは、ローサイド電源電位VCCに接続されている。比較器43の他方の入力は、基準電圧源44の正極端子に接続され、基準電圧源44の負極端子は、グランドGNDに接続されている。比較器43の出力は、インバータ45を介して立上りエッジトリガ回路46の入力に接続され、立上りエッジトリガ回路46の出力は、イベント信号EVENTを出力する出力端子を構成している。立上りエッジトリガ回路46は、
図3に示した立上りエッジトリガ回路20と同じ回路構成を有しており、したがって、以下の立上りエッジトリガ回路46の動作説明には、
図3を参照することにする。このとき、立上りエッジトリガ回路46の入力は、比較器43の出力信号MPLSの反転信号となり、出力は、イベント信号EVENTとなる。
【0026】
次に、以上の構成を有する半導体装置の動作について説明する。
図5は半導体装置の通常のスイッチング動作時における要部波形を示す図、
図6は半導体装置の外来ノイズによるスイッチング動作の要部波形を示す図である。
【0027】
まず、パルス生成回路16には、ハイサイド制御用の論理入力信号HINが入力され、ローサイド駆動回路13には、ローサイド制御用の論理入力信号LINが入力されている。論理入力信号HINおよび論理入力信号LINは、ハイサイドパワーデバイスHQおよびローサイドパワーデバイスLQが同時にオン状態になることがないようにデッドタイムが設定されている。
【0028】
論理入力信号HINが入力されると、パルス生成回路16では、立上りエッジトリガ回路20が論理入力信号HINの立上りエッジをトリガとしてセット信号SETを出力する(
図5のHINの立上りエッジでハイ(H)レベルとなるSETを参照)。すなわち、
図3の立上りエッジトリガ回路20では、論理入力信号HINがロー(L)レベルのとき、インバータ25の出力がHレベルとなり、nMOSトランジスタ26がオン状態(pMOSトランジスタ27はオフ状態)になっている。これにより、コンデンサ28の電荷が放電されているので、比較器29の出力はLレベル、インバータ31の出力はHレベルとなるが、論理入力信号HINがLレベルなので、AND回路32は、Lレベルのセット信号SETを出力する。論理入力信号HINがHレベルになると、インバータ31からHレベルを受けているAND回路32は、Hレベルのセット信号SETを出力する。このとき、インバータ25の出力がLレベルとなり、pMOSトランジスタ27がオン状態(nMOSトランジスタ26がオフ状態)になって、コンデンサ28を充電する。コンデンサ28の容量等によって決まる所定時間後にコンデンサ28の充電電位が基準電圧源30の電位を超えると、比較器29の出力はHレベル、インバータ31の出力はLレベルとなる。これにより、AND回路32は、Hレベルの論理入力信号HINをブロックし、Lレベルのセット信号SETを出力する。つまり、セット信号SETは、所定時間幅を有するパルス信号で出力される。
【0029】
セット信号SETが出力されると、レベルシフト回路17のMOSトランジスタHVN1がオン状態となり、抵抗LSR1とMOSトランジスタHVN1との接続点の電圧降下をハイサイド駆動回路12が検出すると、ハイサイド出力信号HOは、ハイサイド基準電位VSから高電位状態になる。これにより、ハイサイドパワーデバイスHQは、オン状態(このとき、ローサイドパワーデバイスLQは、オフ状態にある)に遷移し、ハイサイド基準電位VSが高くなって負荷11に電流が供給される。
【0030】
一方、論理入力信号HINがHレベルからLレベルになると、パルス生成回路16では、立上りエッジトリガ回路22がインバータ21によって反転された論理入力信号HINの立上りエッジをトリガとしてリセット信号RESETを出力する。すなわち、パルス生成回路16は、
図5に示したように、論理入力信号HINの立下りエッジをトリガとしてリセット信号RESETを生成し、このリセット信号RESETは、OR回路23を介して出力される。
【0031】
Hレベルのリセット信号RESETが出力されると、レベルシフト回路17のMOSトランジスタHVN2がオン状態となり、抵抗LSR2とMOSトランジスタHVN2との接続点の電圧降下をハイサイド駆動回路12が検出すると、ハイサイド出力信号HOがハイサイド基準電位VSに戻る。これにより、ハイサイドパワーデバイスHQは、オフ状態となり、ハイサイド基準電位VSは、ローサイドパワーデバイスLQの状態に応じた電位になる。すなわち、ハイサイド基準電位VSは、ローサイドパワーデバイスLQがオン状態に遷移した時点で、グランドGNDのレベルに低下する。
【0032】
通常のスイッチング動作においては、ハイサイド電位判定回路19(
図4参照)は、ハイサイド基準電位VSの変化を監視していて、ハイサイド基準電位VSの絶対値が基準電圧源44の基準電位REF1を超えると、イベント信号EVENTを出力する。
【0033】
すなわち、ハイサイド基準電位VSがグランドGNDのレベルにあるとき、ハイサイド電位判定回路19には、0ボルトの検出信号SENSEが入力されていて、比較器43の出力信号MPLSは、Hレベルになっている。これにより、インバータ45の出力は、Lレベルとなり、立上りエッジトリガ回路46は、その出力段に配置されたAND回路32(
図3参照)によってLレベルのイベント信号EVENTを出力している。
【0034】
この状態のとき、ハイサイド電位検出回路18がハイサイド基準電位VSの立上りエッジを検出し、Hレベルの検出信号SENSEがハイサイド電位判定回路19に入力されると、比較器43の出力信号MPLSは、Lレベルになる。これにより、インバータ45の出力は、Hレベルに遷移するので、これは立上りエッジトリガ回路46によって検出され、イベント信号EVENTとして所定時間幅のパルス信号が出力される。ただし、この論理入力信号HINがHレベルの期間に生成されるイベント信号EVENTに関しては、インバータ21の出力がLレベルとなっているので、ハイサイドパワーデバイスHQの制御に何ら関与しない。
【0035】
次に、ハイサイド基準電位VSが外来ノイズの影響を受けた場合について説明する。
図6の例では、リセット信号RESETが出力されたタイミングに外来ノイズの侵入があって、ハイサイド基準電位VSがグランドGNDのレベル以下に低下し、リセット信号RESETがハイサイド駆動回路12に正常に伝達できなくなった場合について説明する。
【0036】
まず、パルス生成回路16に論理入力信号HINが入力されたとき、論理入力信号HINの立上りエッジをトリガとしてセット信号SETが生成され、これがレベルシフト回路17を介してハイサイド駆動回路12に伝達される。これにより、ハイサイドパワーデバイスHQがオン状態になり、ハイサイド基準電位VSが高くなって、その変化を、ハイサイド電位検出回路18およびハイサイド電位判定回路19が検出してイベント信号EVENTが生成される。ここまでは、
図4を参照して説明した通常スイッチング動作の場合と同じ動作である。
【0037】
次に、論理入力信号HINがLレベルになると、その立下りエッジをトリガとしてリセット信号RESET(
図6のパルスP1)が生成される。本来なら、このリセット信号RESETは、レベルシフト回路17を介してハイサイド駆動回路12に伝達され、ハイサイド出力信号HOが、
図6に破線で示したように、時刻t1にてハイサイドパワーデバイスHQをオフ状態に遷移させる信号になる。
【0038】
ここで、リセット信号RESETが生成されたタイミングのときに、トーテムポールの中点に外来ノイズNが侵入し、ハイサイド基準電位VSがグランドGNDのレベルよりも低い電位になった事例を考える。この場合、抵抗LSR2とMOSトランジスタHVN2との接続点の電位が、その電位を判定するためにハイサイド駆動回路12内に設けられた図示しない基準電源(ハイサイド基準電位VSを基準とした電圧を出力する)の出力電位より低くなることができないため、レベルシフト回路17は、リセット信号RESETを正常にハイサイド駆動回路12に伝達することができなくなり、ハイサイドパワーデバイスHQは、オン状態を継続してしまうことになる。
【0039】
このとき、ハイサイド電位判定回路19は、ハイサイド電位検出回路18によって検出されたハイサイド基準電位VSを監視している。ここで、ハイサイド基準電位VSが一旦低下して回復したとき、ハイサイド電位判定回路19では、比較器43が出力信号MPLS(
図6のパルスP2)を生成する。この出力信号MPLSは、インバータ45で論理反転された後、立上りエッジトリガ回路46に供給され、出力信号MPLSの立下りをトリガとして所定時間幅のイベント信号EVENT(
図6のパルスP3)が生成される。このイベント信号EVENTは、パルス生成回路16に供給され、パルス生成回路16で改めてリセット信号RESETを生成することになる。すなわち、
図2のパルス生成回路16の論理入力端子には、Lレベルの論理入力信号HINが入力され、ハイサイド電位判定回路19からの信号を受ける入力端子には、Hレベルのイベント信号EVENTが入力される。このとき、AND回路24には、インバータ21によって論理反転されたHレベルの論理入力信号HINと、Hレベルのイベント信号EVENTとが入力されているので、OR回路23を介してリセット信号RESET(
図6のパルスP4)が出力される。
【0040】
このリセット信号RESET(パルスP4)が生成されたときには、ハイサイド基準電位VSの状態は回復されているので、レベルシフト回路17がハイサイド駆動回路12にリセット信号RESET(パルスP4)を正常に伝達できる状態に戻っていることになる。したがって、ハイサイド駆動回路12は、伝達されたリセット信号RESET(パルスP4)を受け、時刻t2にてハイサイド出力信号HOをハイサイド基準電位VSにし、ハイサイドパワーデバイスHQをオフ状態にする。なお、この
図6のその後の動作については、
図5に示して説明したものと同じである。
【0041】
このようにして、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態に遷移しなければならないときに、レベルシフト回路17の信号伝達不良があると、パルス生成回路
16がイベント信号EVENTと論理入力信号HINとによりその信号伝達不良を判定してリセット信号RESETを再生成するようにしている。しかも、ハイサイド電位判定回路19における判定は、ハイサイド基準電位VSが正常に戻る方向の電位の変化を検出してイベント信号EVENTを生成しているので、その後に再生成されたリセット信号RESETは、確実にハイサイド駆動回路12に伝達できることになる。これにより、ハイサイドパワーデバイスHQの本来のオフ状態への遷移タイミングよりも多少遅れることはあっても、確実にオフ状態にすることができる。
【0042】
なお、パルス生成回路16は、
図2からも分かる通り、イベント信号EVENTがセット信号SETの生成に関わっていないので、論理入力信号HINがHレベルになったときは、セット信号SETを生成する。また、リセット信号RESETは、論理入力信号HINがHレベルからLレベルに立下ったときに生成され、同時に、イベント信号EVENTが入力されたときにも生成される。このイベント信号EVENTが入力されているとき、論理入力信号HINがLレベルからHレベルに立上ったときには、AND回路24がイベント信号EVENTの入力をブロックしてリセット信号RESETが生成されないようにするので、論理入力信号HINが優先されてセット信号SETが生成される。
【0043】
図7は第2の実施の形態に係る半導体装置を示す回路図である。この
図7において、
図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0044】
この第2の実施の形態に係る半導体装置によれば、第1の実施の形態に係る半導体装置と比較して、ハイサイド電位検出回路18aの構成および検出しようとするハイサイド電位を変更している。すなわち、ハイサイド電位検出回路18aは、ハイサイド電位としてハイサイド電源電位VBを検出対象としている。このハイサイド電源電位VBは、ハイサイド基準電位VSをハイサイド電源14の電位の分だけシフトしたものであり、ハイサイド基準電位VSに追随して同じ変化をする。したがって、ハイサイド電位検出回路18aがハイサイド電源電位VBを監視しても、ハイサイド基準電位VSを監視していることになる。
【0045】
ハイサイド電位検出回路18aは、NPN型のバイポーラトランジスタ51を有しており、そのエミッタは、ハイサイド電源電位VBのラインに接続されている。バイポーラトランジスタ51のベースは、電圧源52の正極端子に接続され、電圧源52の負極端子は、グランドGNDに接続されている。バイポーラトランジスタ51のコレクタは、抵抗53の一端に接続され、抵抗53の他端は、電圧源54の正極端子に接続され、電圧源54の負極端子は、グランドGNDに接続されている。バイポーラトランジスタ51のコレクタは、このハイサイド電位検出回路18aの出力を構成し、検出信号SENSEを出力する。バイポーラトランジスタ51は、そのベース−エミッタ間の電位Vbeがハイサイド回路の高耐圧に相当する逆耐圧を有しているものとしている。
【0046】
以上の構成により、ハイサイド基準電位VSが変動すると、それに追従してハイサイド電源電位VBが変動し、それをバイポーラトランジスタ51が検出する。すなわち、通常は、ハイサイド電源電位VBが最も低下したとしても電圧源52の電位よりも高いハイサイド電源14の電位がバイポーラトランジスタ51のエミッタに印加されている。そのため、バイポーラトランジスタ51はオフ状態にあり、検出信号SENSEとして、電圧源54の電位のレベルの信号が出力されている。
【0047】
ハイサイド基準電位VSが変動して、ハイサイド電源電位VBが電圧源52の電位からバイポーラトランジスタ51のベース−エミッタ間の順方向電位を差し引いた電位よりもさらに低下すると、バイポーラトランジスタ51はオン状態に遷移する。これによって、ハイサイド電位検出回路18aは、Lレベルの検出信号SENSEを出力する。
【0048】
なお、この実施の形態では、ハイサイド電源電位VBの低下をNPN型のバイポーラトランジスタ51で検出するように構成したが、PNP型のバイポーラトランジスタを用いて構成することもできる。すなわち、ハイサイド電源電位VBが電圧源52の正極端子の電位からPNP型のバイポーラトランジスタのベース−エミッタ間の順方向電位を加えた電位を境に変化したときにオン状態またはオフ状態に切り換わるように構成されるなら、PNP型のバイポーラトランジスタで検出するようにしてもよい。
【0049】
図8は第3の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路の構成例を示す回路図、
図9は第3の実施の形態に係る半導体装置のスイッチング動作時における要部波形を示す図である。
【0050】
このハイサイド電位判定回路19aは、一端が検出信号SENSEの入力端子に接続されたコンデンサ61を有している。検出信号SENSEがコンデンサ61を介して入力されているので、このハイサイド電位判定回路19aは、±dV/dt検出回路(微分回路)を構成している。コンデンサ61の他端は、保護用ダイオード62のカソードと、保護用ダイオード63のアノードとに接続され、保護用ダイオード62のアノードは、グランドGNDに接続され、保護用ダイオード63のカソードは、ローサイド電源電位VCCに接続されている。保護用ダイオード62および保護用ダイオード63には、それぞれに並列に抵抗64,65が接続されている。抵抗64,65の接続点は、比較器66の一方の入力に接続され、比較器66の他方の入力は、基準電圧源67の正極端子に接続され、基準電圧源67の負極端子は、グランドGNDに接続されている。抵抗64,65の接続点は、また、別の比較器68の一方の入力に接続され、比較器68の他方の入力は、基準電圧源69の正極端子に接続され、基準電圧源69の負極端子は、グランドGNDに接続されている。比較器66,68の出力は、それぞれOR回路70の入力に接続され、OR回路70の出力は、イベント信号EVENTの出力端子を構成している。なお、検出信号SENSEの入力端子には、
図1のハイサイド電位検出回路18または、
図7のハイサイド電位検出回路18aの出力が接続されている。
【0051】
以上の構成のハイサイド電位判定回路19aにおいて、検出信号SENSEの入力端子と反対側のコンデンサ61の端子の電位は
図8で電位信号CSとして示してあり、検出信号SENSEが一定値を保っているとき(定常状態)にはローサイド電源電位VCCを抵抗64,65で分圧した電位によって固定されている。また、
図9では、定常状態の電位信号CSは、ローサイド電源電位VCCの半分の値としている。比較器66の基準電圧源67は、基準電位REF2を有し、比較器68の基準電圧源69は、基準電位REF3を有していて、REF2>CS>REF3の関係を有している。
【0052】
このため、入力端子に変化のある検出信号SENSEが入力されていないとき、比較器66は、Lレベルの出力信号PPLSを出力し、比較器68は、Lレベルの出力信号MPLSを出力している。これにより、OR回路70の出力は、Lレベルのイベント信号EVENTを出力している。
【0053】
ここで、
図9に示したように、論理入力信号HINの立上りに応答してセット信号SETが出力され、それにより、ハイサイドパワーデバイスHQがオン状態になると、ハイサイド基準電位VSはプラス側に変化する。このハイサイド基準電位VSの変化は、ハイサイド電位検出回路18または18aによって検出され、ハイサイド電位判定回路19aに検出信号SENSEとして入力される。このとき、ハイサイド基準電位VSが高くなる方向に変化しているので、電位信号CSは、プラス側に変化した微分(dV/dt)信号が重畳された波形になる。プラス側の変化を検出する比較器66は、その電位信号CSの変化を検出して、Hレベルの出力信号PPLSを出力し、OR回路70からイベント信号EVENTとして出力する。
【0054】
論理入力信号HINの立下りに応答してリセット信号RESETが出力されると、それにより、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態になり、ハイサイド基準電位VSはマイナス側に変化する。このハイサイド基準電位VSの変化は、ハイサイド電位検出回路18または18aによって検出され、ハイサイド電位判定回路19aに検出信号SENSEとして入力される。このとき、ハイサイド基準電位VSが低くなる方向に変化しているので、電位信号CSは、マイナス側に変化した微分信号が重畳された波形になる。マイナス側の変化を検出する比較器68は、その電位信号CSの変化を検出して、Hレベルの出力信号MPLSを出力し、OR回路70からイベント信号EVENTとして出力する。
【0055】
論理入力信号HINがLレベルのとき、すなわち、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態のとき、ハイサイド基準電位VSに外来ノイズN1,N2が重畳されたときにおいても、比較器66,68が電位信号CSの±dV/dtを検出する。検出された出力信号PPLS,MPLSは、論理和演算されてイベント信号EVENTとして出力される。
【0056】
図10は第4の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路の構成例を示す回路図である。
このハイサイド電位判定回路19bは、
図4のハイサイド電位判定回路19および
図8のハイサイド電位判定回路19aを組み合わせて構成している。すなわち、ハイサイド電位判定回路19,19aの入力には、検出信号SENSEの入力端子が接続され、ハイサイド電位判定回路19,19aの出力は、それぞれOR回路71の入力に接続されている。OR回路71の出力は、ハイサイド電位判定回路19bの出力端子を構成し、イベント信号EVENTを出力する。
【0057】
ハイサイド電位判定回路19bは、ハイサイド電位判定回路19およびハイサイド電位判定回路19aを組み合わせたことにより、これらの特徴を合わせ持った特性を有することができる。ハイサイド電位判定回路19は、ハイサイド基準電位VSをその絶対値で直接検出しているので、ハイサイド基準電位VSが変化していることを確実に確認することができる反面、抵抗値や内部の寄生容量で動作遅延が生じる可能性がある。一方、ハイサイド電位判定回路19aは、電圧変化だけを検出しているので、ハイサイド基準電位VSの変化を素早く検出することができる。したがって、ハイサイド電位判定回路19bは、ハイサイド基準電位VSの変化を迅速かつ確実に検出できることになる。
【0058】
なお、このハイサイド電位判定回路19bは、図示の例では、ハイサイド電位判定回路19およびハイサイド電位判定回路19aの出力にOR回路71を配置しているが、AND回路で構成することもできる。
【0059】
以上の実施の形態は、オン状態のハイサイドパワーデバイスHQをオフ状態に制御しようとしてもできない場合に、リセット信号RESETを再生成し、確実にオフ状態に制御するものである。以下は、このリセット信号RESETを再生成するだけでなく、オフ状態のハイサイドパワーデバイスHQをオン状態にできない場合にセット信号SETを再生成できる例について説明する。
【0060】
図11は第5の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路の構成例を示す回路図、
図12は第5の実施の形態に係る半導体装置のパルス生成回路の構成例を示す回路図、
図13は第5の実施の形態に係る半導体装置の要部動作波形を示す図である。なお、この
図11および
図12において、
図4および
図2に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付している。
【0061】
第5の実施の形態に係る半導体装置では、
図1に示した第1の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路19およびパルス生成回路16をそれぞれハイサイド電位判定回路19cおよびパルス生成回路16aに変更している。
【0062】
ハイサイド電位判定回路19cは、
図11に示したように、
図4に示したハイサイド電位判定回路19に立上りエッジトリガ回路46aを追加している。すなわち、立上りエッジトリガ回路46aは、その入力が比較器43の出力に接続されており、立上りエッジトリガ回路46の出力はイベント信号EVENT1、立上りエッジトリガ回路46aの出力はイベント信号EVENT2の出力端子となっている。また、立上りエッジトリガ回路46および立上りエッジトリガ回路46aは、
図3に示した立上りエッジトリガ回路20と同じ回路構成を有している。
【0063】
パルス生成回路16aは、
図12に示したように、
図2に示したパルス生成回路16にOR回路23aおよびAND回路24aを追加している。すなわち、AND回路24aは、その一方の入力を論理入力信号HINの入力端子に接続し、他方の入力をイベント信号EVENT2の入力端子に接続し、出力をOR回路23aの一方の入力に接続している。OR回路23aは、その他方の入力を立上りエッジトリガ回路20の出力に接続し、出力は、セット信号SETの出力端子を構成している。なお、AND回路24の入力の一つは、イベント信号EVENT1の入力端子に接続されている。
【0064】
以上の構成において、論理入力信号HINの立下りエッジをトリガに立上りエッジトリガ回路22がリセット信号RESET(
図13のパルスP11)を生成したにも拘わらず、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態に遷移しなかった場合、上記の実施の形態の動作と同じである。すなわち、リセット信号RESETがハイサイド駆動回路12に伝達されなかった原因であるハイサイド基準電位VSの低下状態をハイサイド電位判定回路19cが判定し、イベント信号EVENT1(
図13のパルスP12)を出力する。パルス生成回路16aは、イベント信号EVENT1を受けてリセット信号RESET(
図13のパルスP13)を再生成する。
【0065】
次に、論理入力信号HINの立上りエッジをトリガに立上りエッジトリガ回路20がセット信号SET(
図13のパルスP14)を生成したにも拘わらず、ハイサイドパワーデバイスHQがオン状態に遷移しなかった場合について説明する。この場合も、セット信号SETの生成時に、ハイサイド基準電位VSに外来ノイズが重畳して、セット信号SETがハイサイド駆動回路12に正常に伝達されなかったことが原因である。セット信号SETの生成時に、ハイサイド電位検出回路18がハイサイド基準電位VSの変化に起因する電位の変化を検出すると、より厳密にいうと、セット信号SETが生成されハイサイド基準電位VSは立上がらなければならないのに逆の立下りが検出されると、ハイサイド電位判定回路19cの立上りエッジトリガ回路46aがイベント信号EVENT2(
図13のパルスP15)を生成する。このイベント信号EVENT2を受けたパルス生成回路16aは、このとき、論理入力信号HINがHレベルになっているので、AND回路24aは、Hレベルの信号を出力し、OR回路23aからセット信号SET(
図13のパルスP16)として再出力される。これにより、ハイサイドパワーデバイスHQは、オン状態に遷移される。
【0066】
図14は第6の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路の構成例を示す回路図、
図15は第6の実施の形態に係る半導体装置の要部動作波形を示す図である。なお、この
図14において、
図8に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付している。
【0067】
第6の実施の形態に係る半導体装置では、
図8に示した第3の実施の形態に係る半導体装置のハイサイド電位判定回路19aをハイサイド電位判定回路19dに変更し、リセット信号RESETに加え、セット信号SETの再生成をも可能にしている。そのために、比較器66の出力をイベント信号EVENT1の出力端子とし、比較器68の出力をイベント信号EVENT2の出力端子としている。
【0068】
ここで、入力端子に変化のある検出信号SENSEが入力されていないとき、比較器66は、Lレベルのイベント信号EVENT1を出力し、比較器68は、Lレベルのイベント信号EVENT2を出力している。
【0069】
この状態で、
図15に示したように、論理入力信号HINの立上りに応答してセット信号SETが出力され、ハイサイドパワーデバイスHQがオン状態になると、ハイサイド基準電位VSはプラス側に変化する。このハイサイド基準電位VSの変化は、ハイサイド電位検出回路18または18aによって検出され、ハイサイド電位判定回路19dに検出信号SENSEとして入力される。このとき、ハイサイド基準電位VSが高くなる方向に変化しているので、電位信号CSは、プラス側に変化した微分信号が重畳された波形になる。プラス側の変化を検出する比較器66は、その電位信号CSの変化を検出して、Hレベルのイベント信号EVENT1を出力する。
【0070】
論理入力信号HINの立下りに応答してリセット信号RESETが出力されると、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態になり、ハイサイド基準電位VSはマイナス側に変化する。このハイサイド基準電位VSの変化は、ハイサイド電位検出回路18または18aによって検出され、ハイサイド電位判定回路19dに検出信号SENSEとして入力される。このとき、ハイサイド基準電位VSが低くなる方向に変化しているので、電位信号CSは、マイナス側に変化した微分信号が重畳された波形になる。マイナス側の変化を検出する比較器68は、その電位信号CSの変化を検出して、Hレベルのイベント信号EVENT2を出力する。
【0071】
ハイサイド基準電位VSに外来ノイズN1,N2が重畳されると、比較器66,68が電位信号CSの±dV/dtを検出し、イベント信号EVENT1,EVENT2を出力する。
図15では論理入力信号HINがLレベルを保持しているのでイベント信号EVENT2に応じてリセット信号RESE
Tが再生成されているが、ここで、論理入力信号HINがLレベルのとき、すなわち、ハイサイドパワーデバイスHQがオフ状態のときにイベント信号EVENT2が出力され(
図13のパルスP15に相当)、そのタイミングで論理入力信号HINがHレベルに遷移することがある。このような場合、パルス生成回路16がセット信号SETを再生成することになる。
【0072】
以上、本発明をその好適な実施の形態について詳述したが、本発明はこの特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神の範囲内で各種変化変形が可能であることはいうまでもない。たとえば、第4の実施の形態に係る半導体装置では、2つのハイサイド電位判定回路19,19aは、共通の検出信号SENSEを入力するようにしている。しかし、ハイサイド電位判定回路19,19aの一方は、
図1のハイサイド電位検出回路18の出力を、他方は、
図7のハイサイド電位検出回路18aの出力を受けるようにしてもよい。それ以外にも、矛盾のない範囲で複数の実施の形態の構成要素を適宜組み合わせて実施することができる。
【0073】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。