【課題を解決するための手段】
【0005】
解決手段として、請求項1の特徴を備える直接的または間接的金属パイプ押出成形法、請求項4の特徴を備える、金属パイプをプレスするためのマンドレル、請求項10の特徴を備える金属パイプ押出成形機、および請求項11、12、14または15による押出成形された金属パイプが提案される。
【0006】
さらなる有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0007】
ここで直接的または間接的金属パイプ押出成形法であって、ダイにより、かつマンドレルを介して金属ブロックが金属パイプにプレスされ、前記マンドレルは、軸方向にずらして配置された、半径方向の形状の異なる2つのプレス面を有し、前記ダイを基準にして軸方向に選択的に2つのプレス位置に、2つのプレス位置のうちの第1の位置では2つのプレス面の位置の第1の面が、2つのプレス位置のうちの第2の位置では2つのプレス面のうちの第2の面が、金属ブロックから金属パイプにプレスされるワークピースに対して変形するように作用するよう位置決めされる直接的または間接的金属パイプ押出成形法は、前記ワークピースが前記ダイの軸方向の高さでマンドレル側に支持され、一方、前記マンドレルは、前記ダイを基準にして第1のプレス位置から第2のプレス位置へと位置決めされる、ことを特徴とすることができる。
【0008】
この種のマンドレル側の支持によって、この種の狭窄部のとりわけ深さが、しかし長さも変化される。したがって例えば狭窄部の深さを低減することができ、これにより狭窄部の作用が相応に減少される。同じように例えば支持によって狭窄部の長さを増大することができ、これにより金属パイプの外側における例えば案内不精度ないし金属パイプ内部での負荷ピークの発生を相応に減少することができる。
【0009】
対応して、2つの異なる壁厚と、当該壁厚の間にある移行領域とを備え、この移行領域に狭窄部が存在する押出成形された金属パイプは、前記狭窄部が、2つの壁厚の差よりも小さい深さを有する、ことを特徴とすることができる。好ましくは前記差からの相違は少なくとも10%である。しかし適切に実施される方法が存在する場合には、前記相違は15%またはそれ以上でも良い。当該方法の実施の際に行われる支持によって初めて、狭窄部の深さを所期のように低減することができる。
【0010】
同じようにして、この支持によって初めて、2つの異なる壁厚と、これら壁厚の間にある移行領域とを備え、この移行流域に狭窄部が存在する押出成形された金属パイプであって、この狭窄部が前記2つの壁厚の差よりも大きな長さを有し、ここで前記2つの壁厚の差の相違は少なくとも10%であって良い、ことを特徴とする金属パイプを提供することができる。しかしながら具体的な方法の実施に応じて、前記差の相違は100%までであっても良い。それどころか同じようにして、適切な方法の実施の場合には、狭窄部の長さは、比較的に小さな方の壁厚よりも長く、それどころか場合によっては比較的に大きい方の壁厚よりも長く選択することができる。しかしここでは、2つの壁厚の間に過度に長い移行領域が存在することは、最終的には金属パイプの製造において相応に大きな材料消費につながることを考慮すべきであり、このことは同様に望ましくない結果につながり得る。したがってここではもちろん上限を設けるべきである。
【0011】
狭窄部の変化に対して補足的に、この狭窄部の領域で壁厚の変化が行われる。対応してこの方法の実施によって初めて、壁厚を狭窄部の領域で所期のように調整することができる。その限りにおいて、2つの異なる壁厚と、これら壁厚の間にある移行領域とを備え、この移行領域に狭窄部が存在する押出成形された金属パイプは、この狭窄部の領域では壁厚が2つの壁厚の小さい方よりも大きいことを特徴とすることができる。後者は、適切な方法の実施の場合にはとりわけ、狭窄部の領域における壁厚が、2つの壁厚の差の少なくとも10%だけ、好ましくは2つの壁厚の差の20%だけ、2つの壁厚のうちの小さい方よりも大きく構成される。
【0012】
前に説明した方法の実施の具体的実現では、ダイの軸方向の高さでのワークピースの支持は、ワークピースがマンドレルを基準にして自由表面を形成した後に初めて行うことができる。この種の自由表面の形成は、マンドレルが軸方向にずらされ、したがって第1のプレス位置から第2のプレス位置へと位置決めされるときに行われ、ワークピースないし金属ブロックが以前と同様に圧力下に置かれていたとしても行われる。これは、ワークピースが変形のために可塑化され、ダイとマンドレルとの間でプレスされるためである。したがってたとえワークピースが変形可能であり、マンドレルとダイとの間に提供される変化された容積に適合できるとしても、この種の適合は、可塑化された材料の高い粘度のため直接的には行われず、したがってマンドレルが移動される速度でも行われない。その点で、ワークピースがその可塑化された領域をもって、第1のプレス位置から第2のプレス位置へのマンドレルの位置決めによって解放された空間を再び満たすまでにはある程度の時間が経過する。ワークピースがマンドレルを基準にして自由表面を形成した後に初めて支持が行われることにより、支持が行われる前にワークピースは先ず一度、この自由空間への流入過程を開始することができる。これによって必要な材料移動を、以前と同じように可及的に迅速に開始することができ、異なる壁厚の間の移行領域を最小に維持することができる。
【0013】
好ましくは支持は、自由表面がマンドレルの方向に移動して初めて行われる。この種の方法の実施では、相応に可塑的な移動が金属ブロックに深く入り込むことができ、これにより、マンドレルの再位置決めによって生じた自由空間が可及的に迅速に材料によって再び満たされる。そして対応して、金属パイプの2つの壁厚間の移行領域は最小に維持される。
【0014】
軸方向にずらして配置された、半径方向の形状の異なる2つのプレス面と、この2つのプレス面の間の移行領域とを備える、金属パイプをプレスするためのマンドレルは、このマンドレルが前記移行領域に支持面を有する、ことを特徴とすることができる。
【0015】
すでに冒頭で説明したように、「プレス面」の概念はこの関係を表し、これらの面は、規定どおりにプレス中にダイと交互作用してダイとマンドレルとの間に隙間を規定し、ワークピースに対して変形するように作用する。マンドレルの他方の表面は、材料とはまったく接触せず、または変形過程に対して言うに値する影響を及ぼさない。なぜなら材料は対応の面を通過するだけだからである。
【0016】
移行領域にある支持面によって構造的に比較的簡単に、マンドレルがダイを基準にして第1のプレス位置から第2のプレス位置へと位置決めされる際に、ダイの軸方向の高さにおけるワークピースのマンドレル側の支持を実現することができる。
【0017】
好ましくは支持面は、軸方向の支持の長さに亘って一定の断面を有する。したがって材料がダイとマンドレルとの間の自由空間に流れるときに、材料には規定の支持が提供される。この関連で、通常、この種のプレスされた金属パイプは円形の断面を有し、対応してマンドレルも実質的に円筒形状に構成されていることを強調しておく。対応してこのことは、プレス面および好ましくは支持面に対しても当てはまる。一方、この種の円形断面は必ずしも必要ではない。しかしマンドレルの軸方向の長手伸張方向においてプレス面はマンドレル軸に対して平行に配向される。したがってマンドレル軸によって設定される平面は、円筒座標の形式でマンドレル軸に対して垂直の角度だけ傾斜しており、プレス面は、通常、マンドレル軸に対して平行に配向され、半径方向の変化はマンドレル軸に対して垂直にだけ行われる。
【0018】
過度に大きな支持の長さは、マンドレルが最終的に位置決めされた際に、場合により不利な流動特性につながるから、支持の長さが2つのプレス面の間の軸方向に間隔より小さいか、または80%であると有利であり得る。とりわけ支持の長さは、2つのプレス面の間の軸方向の間隔の60%ないし50%以下に選択することができる。それどころか場合によっては、とりわけ断面の異なる複数の支持面を使用する場合には、個々の支持面の支持の長さをさらに小さく選択することが考えられる。さらに支持の長さは好ましくは、2つのプレス面の間の軸方向の間隔の2%以上であるべきことが判明した。好ましくは支持の長さは、2つのプレス面の間の軸方向の間隔の5%ないし10%以上である。このようにして十分な支持を保証することができる。
【0019】
通常、マンドレルは、マンドレル軸を通って延在する各断面においてマンドレル脚部からマンドレル先端に向かって単調に先細になる。すなわち、マンドレル脚部の領域に場合により存在する保持装置は別にして、半径拡大部を有しない。このことは、すでにエネルギー的な理由から意味のあることと思われる。したがってその点で、2つのプレス面のうちマンドレル軸に対して比較的に大きな間隔を有する第1の面が、2つのプレス面のうちの第2の面よりもマンドレル先端からさらに離れて配置されていると有利である。
【0020】
2つのプレス面の半径方向の形状が異なることにより、マンドレル軸を中心にする少なくとも特定の角度において、前記マンドレル軸を通る、正確に前記角度に設定された断面に対応して、マンドレル軸に対するこれら2つのプレス面の対応の半径に差が生じるようになる。なぜならそうでないと、半径方向に異なる形状が必然的に存在しないこととなるからである。好ましくは、マンドレル軸を中心に同じ角度で配向された支持面の半径は、2つの半径のうちの大きい方よりも、またはマンドレル軸を中心に同じ角度で配向されたさらなる支持面の半径よりも半径差の5%超だけ小さい。このようにして、ワークピースの材料を取り去るのに十分である十分に大きな空間を動作的に確実に形成することができる。とりわけこれによってこの空間が、ワークピースがこの領域に入り込む弾性拡張によってだけ補償されるものではないことを保証することができる。好ましくは、マンドレル軸を中心に同じ角度で配向された支持面の半径は、2つの半径のうちの大きい方よりも、またはマンドレル軸を中心に同じ角度で配向されたさらなる支持面の半径よりも半径差の70%未満だけ小さい。このようにして、支持面が自由材料表面から過度に離れ過ぎないていないこと、および十分に迅速に支持されない過度に強い材料の流れがこの自由空間内に発生することが保証される。好ましい構成では、支持面は、半径差の7%超ないし10%超だけ小さくすることができる。同様に支持面の半径は、半径差の55%ないし50%未満だけ小さく構成することができる。
【0021】
場合により複数の支持面を設けることができる。このことにより、具体的な方法の実施に応じて、2つの異なる壁厚とこれら壁厚間にある移行領域とを備え、この移行領域に狭窄部が存在する押出成形された金属パイプが、少なくとも2つの狭窄部を特徴とするようになる。2つの狭窄部を備えるこの種の構成は、マンドレルがただ1つの工程で第1のプレス位置から第2のプレス位置へと位置決めされるのではなく、この再位置決めが複数の工程で行われる場合、状況によっては、単に1つの支持面を備える構成と置き換えることができる。そのために場合により、支持面を円錐形に構成することもでき、またはマンドレル軸を中心に所定の角度で先細にすることができる。複数の支持面がある場合でも、ステップごとの再位置決めにより、狭窄部の構成および数に対して所期のように影響を及ぼすことができる。
【0022】
少なくとも2つの狭窄部によって、本発明が適切に実施される場合には、狭窄部をそれぞれ比較的に小さくすることができる、すなわち狭窄部がその作用において最小であることを実現することができる。このことは累積的に不利な作用の同じような減少につながる。
【0023】
本発明はとりわけ、アルミニウムないしアルミニウムパイプに、並びに他の押出成形可能な金属ないし金属パイプに適する。とりわけ本発明は、例えばこの種の材料から成るドリルパイプに適するが、しかしこの種の材料から成る、他の目的のための相応のパイプ状構造物にも適する。
【0024】
前記ないし請求項に記載された解決手段の特徴は、利点を相応に累積的に実現できるようにするために、場合により組み合わせることができることが理解されよう。
【0025】
本発明のさらなる利点、目標、特性を、実施例の以下の記述に基づいて説明する。実施例はとりわけ添付図面にも示されている。