【実施例】
【0016】
以下に本発明の実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピースについて図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1は、歯科の治療に用いられるものであり、
図5に示すように、ハンドピース本体2の一端に詳細は後述するカートリッジハウジング21を内蔵したハンドピースヘッド部11を備えている。
【0018】
前記ハンドピースヘッド部11、カートリッジハウジング21について
図1乃至
図4を参照して詳述する。
【0019】
本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1におけるハンドピースヘッド部11は、
図1に示すように、全体として略円筒状に形成されるとともに、
図1において、下部側を開口穴を設けた下端面11aに至るに従い縮径するテーパー状とし、外周部の一部を前記ハンドピース本体2の一端に連結した構成としている。
【0020】
前記ハンドピースヘッド部11の内部には、下端面11aの内周側が円形に開口したカートリッジハウジング21用の収容領域12を形成している。
【0021】
前記ハンドピースヘッド部11のハンドピース本体2との連結部分の内部には、ハンドピース本体2側に設けた一方の流体流路3、及び、他方の流体流路4に各々連通させた一方の連絡流路13、他方の連絡流路14を設けている。
【0022】
前記一方の流体流路3に連通させた一方の連絡流路13の出口側を前記収容領域12を形成する内壁面に臨ませ、他方の流体流路4に連通させた他方の連絡流路14の出口側を前記下端面11aに開口した他方の流体噴射口15としている。
【0023】
すなわち、前記ハンドピースヘッド部11の下端面11aの内周領域には、全周にわたって内周切欠凹部11bを形成し、また、カートリッジハウジング21の下端面21aの外周部には外周切欠凹部21bを形成している。
【0024】
そして、内周切欠凹部11bと外周切欠凹部21bとの領域に、円形環状で外周部に立ち上がり部16aを有し、かつ、底板部16bに立ち上がり部16aの内側に位置して例えば円周方向に120度間隔配置で3個の流体噴射口15を形成した嵌着部材16を嵌着し、3個の流体噴射口15をカートリッジハウジング21の下端外周の直ぐ隣に位置する構成としている。
【0025】
前記カートリッジハウジング21は、前記ハンドピースヘッド部2の収容領域12内に、下端面21aを前記ハンドピースヘッド部11の下端面11aの内側に臨ませて着脱可能に装着されている。
【0026】
前記カートリッジハウジング21の内部には、上下配置に軸受22、22が配置され、上下の軸受22、22により回転可能に回転軸23を保持し、この回転軸23の外周に空気圧にて回転駆動されるるローター24を取り付けている。
【0027】
また、前記回転軸23に対して、切削工具31の上部側を着脱可能に装着するとともに、この切削工具31の下部側(突出端側)は前記カートリッジハウジング21の下端中央部から下方に突出させ切削作用面領域に臨ませるように構成している。
【0028】
さらに、前記カートリッジハウジング21には、前記一方の連絡流路13の出口側に対応する外壁部から内部を経て下端面21aに開口した一方の流体噴射口26に至るカートリッジハウジング流路25を備えている。
【0029】
このカートリッジハウジング流路25は、外壁部から内部に至って形成した凹溝部27と、凹溝部27の内方端部から下端面21aに向けて穿設した例えば円周方向120度間隔の3箇所の噴射流路28とからなり、各噴射流路28の下端面21aの部分を各々一方の流体噴射口26とした逆L状を呈する形状としている。
【0030】
また、各流体噴射口26の開口位置は、前記3個の流体噴射口15と各々隣り合う配置としている。
【0031】
前記ハンドピースヘッド部11の上部には、このハンドピースヘッド部11内に装着された前記カートリッジハウジング21の上部を被う蓋体17が着脱可能に嵌着され、蓋体17の内底突部17aを前記カートリッジハウジング21における回転軸23の上面に当接させるとともに、蓋体17の内底の下側でカツ、回転軸23の周りに配置したコイルばね18により、前記回転軸23を介してカートリッジハウジング21を
図1において下方に向けて、すなわち、前記ハンドピースヘッド部11と一体化するように付勢している。
尚、前記ローター24を回転駆動する空圧駆動系については公知のものと同様であるため、説明を省略する。
【0032】
次に、上述した構成からなる本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1の作用、効果について、前記カートリッジハウジング21に関する作用、効果を主にして説明する。
【0033】
本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1においては、前記一方の流体流路3及び連絡流路13を経てカートリッジハウジング流路25における一方の流体噴射口26から水を前記切削工具31による切削作用面領域に向けて噴射し、また、前記他方の流体流路4及び連絡流路14を経てハンドピースヘッド部11の他方の流体噴射口15から空気を前記切削工具31による切削作用面領域に向けて噴射するものである。
【0034】
これにより、本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1によれば、水、空気を前記カートリッジハウジング21、ハンドピースヘッド部11の外部で混合させる水、空気大気中混合方式の基に、ハンドピースヘッド部11内における水、空気各々の圧力バランスに作用されることのない定量吐出スプレー構造とすることができ、患部を削除する際に切削により発生する熱の冷却や、切削により生じる切り屑除去に効果的なカートリッジ式の歯科用ハンドピース1を提供することができる。
【0035】
また、本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1によれば、前記カートリッジハウジング21には、その下端側の外壁部から内部を経て下端面21aに開口する流体噴射口26に至るカートリッジハウジング流路25を設けた構成からなるものであるから、前記カートリッジハウジング21に凹溝部27と3箇所の流体噴射口26を噴射流路28を形成するだけでよく、カートリッジハウジング21の構造が簡略化し、従来例に比べ、前記カートリッジハウジング21の加工コストの低廉化によるユーザー負担の軽減を図ることができる。
【0036】
さらに、本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1によれば、前記カートリッジハウジング21をハンドピースヘッド部11から取り外した状態では、
図2に示すように、前記カートリッジハウジング流路25を構成する凹溝部27や流体噴出口26が外部に露出するとともに、ハンドピースヘッド部11側でも前記他方の流体噴出口15を含む嵌着部材16が外部に露出する構造であることから、前記カートリッジハウジング21やハンドピースヘッド部11のメンテナンス作業や清掃作業の簡略容易化をも図ることができる。
【0037】
図6は、本実施例に係るカートリッジ式の歯科用ハンドピース1における水、空気噴射態様の他例を示すものであり、
図1に示す場合とは逆に、前記一方の流体流路3及び連絡流路13を経てカートリッジハウジング流路25における一方の流体噴射口26から空気を前記切削工具31による切削作用面領域に向けて噴射し、また、前記他方の流体流路4及び連絡流路14を経てハンドピースヘッド部11の他方の流体噴射口15から水を前記切削工具31による切削作用面領域に向けて噴射する使用態様としたものである。
【0038】
このような
図6に示すような使用態様を採用する場合においても、上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。