特許第6195300号(P6195300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195300
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】展開型の使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20170904BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   A61F13/56 210
   A61F13/56 211
   A61F13/56 213
   A61F13/493
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-231073(P2013-231073)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-89468(P2015-89468A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100155206
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 源一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 岳志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信也
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−088624(JP,U)
【文献】 実開平02−088623(JP,U)
【文献】 特表2004−505672(JP,A)
【文献】 特開2000−262557(JP,A)
【文献】 特開2004−298499(JP,A)
【文献】 特開2004−290646(JP,A)
【文献】 特開2000−140017(JP,A)
【文献】 特開2008−125977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹側領域、背側領域及び股下領域に区分された縦長の吸収性本体を備える展開型の使い捨ておむつであって、
背側領域における前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部それぞれから、幅方向外方に延出する止着部材と、腹側領域における前記吸収性本体の幅方向中心の位置より外方の非肌対向面に一端部が固定され他端部が自由端部となっている延出部材とを有し、
前記止着部材には、その肌対向面に肌側固着材が設けられ、その非肌対向面に非肌側固着材が設けられており、
着用時においては、前記肌側固着材を介して前記延出部材と前記止着部材とが合掌状に固定され、合掌状に固定された前記延出部材及び前記止着部材が、背側領域側に折り返され、前記非肌側固着材を介して前記吸収性本体の前記背側領域の非肌対向面に固定される展開型の使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記止着部材における肌側固着材及び非肌側固着材は機械的面ファスナーのフック材である請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記延出部材及び前記止着部材は、それぞれ、伸縮性を有している請求項1又は2に記載の展開型の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記延出部材は、複数本設けられており、各該延出部材の一端部が幅方向に並んで配されている請求項1〜3の何れか1項に記載の展開型の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記延出部材は、該延出部材の一端部が、前記吸収性本体の幅方向中心の位置から前記吸収性本体の長手方向に沿う側部外縁の間に配されている請求項1〜4の何れか1項に記載の展開型の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記延出部材は、その他端部側における、前記止着部材と合掌状に固定される面とは反対側の面に、先端側固着材が設けられており、該先端側固着材は、機械的面ファスナーのフック材又は接着剤であり、使用前においては、該先端側固着材を介して前記延出部材の他端部側が、前記吸収性本体の前記腹側領域に仮固定されている請求項1〜5の何れか1項に記載の展開型の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記先端側固着材は、機械的面ファスナーのフック材であり、該先端側固着材で使用前に仮固定される対象面は、前記フック材と係合可能な不織布である請求項6記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記先端側固着材は、接着剤であり、該先端側固着材で使用前に仮固定される対象面は、剥離処理されたフィルム又は不織布である請求項6記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成人用或いは子供用等の展開型の使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、展開型の使い捨ておむつは、背側領域の両側部に取り付けられた係合部材を腹側領域の非肌対向面に係合させて着用される。このように腹側領域に係合させた部分が存在すると、該係合させた部分が着用者のそけい部、お腹、或いは脚にこすれる場合がある。このようにこすれてしまうと、赤みが発生してしまい使用感が低下してしまう。
【0003】
これとは別の技術として、特許文献1には、背側領域に一対の機械的面ファスナーを備える係合部材を有し、腹側領域に、背側領域の係合部材を挟み込むようにして固定する機械的面ファスナーを備える受容部材を有する展開型の使い捨ておむつが開示されている。特許文献1に記載の展開型の使い捨ておむつによれば、背側領域の係合部材を腹側領域の受容部材で挟み込むようにして固定して着用されるため、機械的面ファスナーどうしが他方向的に係合し固定力が向上する。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の展開型の使い捨ておむつにおいても、背側領域の係合部材の備える機械的面ファスナーと腹側領域の受容部材の備える機械的面ファスナーとが係合した部分が、腹側領域に存在し、該係合した部分が着用者のそけい部、お腹、或いは脚にこすれる場合があり、使用感が低下してしまう。
【0005】
本出願人は、先に、ファスニングテープが設けられた側を、着用者の背側及び腹側の何れの側に位置させても容易に着用することができる展開型の使い捨ておむつを提案した(特許文献2参照)。特許文献2に記載の展開型の使い捨ておむつによれば、ファスニングテープが設けられた側を着用者の腹側とすれば、ファスニングテープの係合する部分が着用者の背側となり、該係合する部分が着用者のそけい部、お腹、或いは脚にこすれる場合が殆どなく、こすれによる赤みが発生し難く、使用感が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2004-505672号公報
【特許文献2】特開2004-290646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載の展開型の使い捨ておむつによれば、着用時に、着用後のおむつの形をイメージすることなく着用することになってしまう。着用後のおむつの形をイメージできれば、安心感が向上する。このような安心感を更に持ちたいとのニーズに対して、更なる改良の余地があった。
【0008】
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る展開型の使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、腹側領域、背側領域及び股下領域に区分された縦長の吸収性本体を備える展開型の使い捨ておむつであって、背側領域における前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部それぞれから、幅方向外方に延出する止着部材と、腹側領域における前記吸収性本体の幅方向中心の位置より外方の非肌対向面に一端部が固定され他端部が自由端部となっている延出部材とを有し、前記止着部材には、その肌対向面に肌側固着材が設けられ、その非肌対向面に非肌側固着材が設けられており、着用時においては、前記肌側固着材を介して前記延出部材と前記止着部材とが合掌状に固定され、合掌状に固定された前記延出部材及び前記止着部材が、背側領域側に折り返され、前記非肌側固着材を介して前記吸収性本体の前記背側領域の非肌対向面に固定される展開型の使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、背側領域と腹側領域との固定部分が、着用者の肌にこすれ難く、こすれによる赤みが発生し難く、更に、着用時に、着用後のおむつの形をイメージできる安心感が得られ、使用感が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態である展開型の使い捨ておむつの斜視図である。
図2図2は、図1に示す展開型の使い捨ておむつを伸長させた状態を表面シート側から見た平面図である。
図3図3は、図1に示す展開型の使い捨ておむつを伸長させた状態を裏面シート側から見た平面図である。
図4図4は、図1に示す展開型の使い捨ておむつを着用する手順を説明する図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態である展開型の使い捨ておむつの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明をその好ましい第1実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の展開型の使い捨ておむつ(以下、「おむつ1A」ともいう。)は、図1図3に示すように、腹側領域A、背側領域B及び股下領域Cに区分された縦長の吸収性本体10を備えている。ここで、腹側領域Aとは着用時に着用者の腹側に位置する領域であり、背側領域Bとは着用時に着用者の背側に位置する領域であり、股下領域Cとは腹側領域Aと背側領域Bとの間に配される領域である。
本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性本体10を構成する後述する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、吸収性本体10を構成する後述する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
また、各図に示す「Y方向」は、吸収性本体10の長手方向に延びる中心線CLに平行な方向である。また各図に示す「X方向」は、中心線CLに直交する方向であり、吸収性本体10の幅方向と同じ方向でもある。
【0013】
おむつ1Aは、図1図3に示すように、腹側領域Aの左右両側縁及び背側領域Bの左右両側縁それぞれが股下領域Cの左右両側縁よりも幅方向(X方向)外方に延出している。そして、股下領域Cの左右両側縁が幅方向(X方向)内方に向かって円弧状に湾曲しており、全体として長手方向(Y方向)中央部が内方に括れた形状を有している。
【0014】
おむつ1Aの吸収性本体10は、図2図3に示すように、肌対向面側に配された液透過性の表面シート2と、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シート3と、これら両シート2,3間に配された吸収体4とを備えている。
【0015】
おむつ1Aにおいては、図2図3に示すように、表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、長手方向(Y方向)に長い吸収体4の左右両側縁及び前後両端縁から外方に延出している。表面シート2は、図2に示すように、その長手方向(Y方向)の寸法が、裏面シート3の長手方向(Y方向)の寸法と同じであるが、その幅方向(X方向)の寸法が、裏面シート3の幅方向(X方向)の寸法より小さくなっている。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、吸収体4の周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されており、吸収体4を挟持・固定している。吸収体4は、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コア(不図示)と、該吸収性コア(不図示)を被覆するコアラップシート(不図示)とからなる。
【0016】
図2図3に示すように、おむつ1Aの長手方向(Y方向)に沿う両側部それぞれには、Y方向に伸長状態で固定された弾性部材51を有する立体ギャザー形成用シート52が、表面シート2の側部に配され固定されており、これによって一対の立体ギャザー5,5(図1参照)が形成されている。また、図2図3に示すように、おむつ1Aの長手方向(Y方向)に沿う両側部それぞれには、レッグギャザー形成用のレッグ弾性部材53がY方向に伸長状態に配されており、レッグ弾性部材53の収縮によりレッグギャザーが形成される。尚、おむつ1Aの背側領域B側の長手方向(Y方向)端部に、ウエストギャザー形成用のウエスト部弾性部材をX方向に伸長状態に配して、該ウエスト部弾性部材の収縮によりウエストギャザーを形成するようにしてもよい。
【0017】
おむつ1Aは、図1図3に示すように、背側領域Bにおける吸収性本体10の長手方向(Y方向)に沿う両側部10s,10sそれぞれから、幅方向(X方向)外方に延出する止着部材6を有している。具体的に説明すると、おむつ1Aの止着部材6は、その一端部61が吸収性本体10の背側領域Bの側部10sにおける吸収体4の側縁よりも幅方向(X方向)外方の位置にて固定されており、他端部62側が吸収性本体10の側部10s外縁から幅方向(X方向)外方に延出している。止着部材6は、その形状に特に制限はないが、おむつ1Aにおいては幅が一定の帯状の形状を有している。おむつ1Aの止着部材6は、その幅が10mm以上50mm以下程度であることが好ましく、吸収性本体10の側部10s外縁から幅方向(X方向)外方に延出する延出長さが30mm以上120mm以下程度であることが好ましい。おむつ1Aにおいては、止着部材6の一端部61は、吸収性本体10の側部10sにおける裏面シート3と立体ギャザー形成用シート52との間に固定されている。尚、止着部材6の一端部61は、吸収性本体10の側部10sに固定されていればよく、裏面シート3と立体ギャザー形成用シート52との間以外に、例えば、側部10sにおける裏面シート3の非肌対向面に固定されていてもよい。
【0018】
止着部材6には、その肌対向面に肌側固着材63が設けられ、その非肌対向面に非肌側固着材64が設けられている。おむつ1Aにおいては、止着部材6に配された非肌側固着材64の位置が止着部材6に配された肌側固着材63の位置よりも外方となっている。尚、肌側固着材63と非肌側固着材64との位置に関しては、止着部材6に配された肌側固着材63の位置が止着部材6に配された非肌側固着材64の位置よりも外方となっていてもよく、扱いやすさの観点から、止着部材6の肌対向面に配された肌側固着材63の位置に対応する止着部材6の非肌対向面の位置に非肌側固着材64が配されていてもよい。
【0019】
肌側固着材63は、その大きさに特に制限はないが、止着部材6における吸収性本体10の側部10s外縁から延出する部分の面積に対する、肌側固着材63の面積の割合が、30%以上70%以下程度であることが好ましく、40%以上60%以下程度であることが更に好ましい。
非肌側固着材64は、その大きさに特に制限はないが、止着部材6における吸収性本体10の側部10s外縁から延出する部分の面積に対する、非肌側固着材64の面積の割合が、30%以上100%以下程度であることが好ましく、40%以上80%以下程度であることが更に好ましい。
【0020】
また、おむつ1Aは、図1図3に示すように、腹側領域Aにおける吸収性本体10の幅方向(X方向)中心の位置より外方の非肌対向面に一端部71が固定され他端部72が自由端部となっている延出部材7を有している。具体的に説明すると、おむつ1Aの延出部材7は、その一端部71が、吸収性本体10の腹側領域Aの幅方向(X方向)中心の位置から、即ち、中心線CLから、おむつ1の吸収性本体10の長手方向(Y方向)に沿う両側部10s,10s外縁それぞれの間に、接着剤或いは融着により固定されており、他端部72が自由端部となっている。特に、おむつ1Aにおいては、延出部材7の一端部71が、吸収性本体10の腹側領域Aにおける吸収体4の存在する位置の非肌対向面に、接着剤或いは融着により固定されている。延出部材7は、その形状に特に制限はないが、おむつ1Aにおいては幅が一定の帯状の形状を有している。おむつ1Aの延出部材7は、その幅が10mm以上50mm以下程度であることが好ましく、上述したおむつ1Aの止着部材6の幅と合掌時の扱いやすさ向上と装着時に止着部材6が延出部材7で覆われて非肌表面側に露出しにくい観点から、延出部材7のほうが幅が広いことが好ましい。おむつ1Aの延出部材7は、自由端部となっている他端部72の延出長さが20mm以上80mm以下程度であることが好ましく、上述したおむつ1Aの止着部材6の延出長さと合掌時の扱いやすさの観点から、同じ長さであることが好ましい。
【0021】
上述したように、おむつ1Aの延出部材7は、図2図3に示すように、その一端部71が吸収性本体10における吸収体4の存在する位置の非肌対向面に固定されているが、延出部材7の一端部71は、扱いやすさの観点から、おむつ1Aの幅方向(X方向)中心の位置(中心線CL)からおむつ1の吸収性本体10の長手方向(Y方向)に沿う側部10s外縁の間に配されていればよい。
【0022】
おむつ1Aにおいては、延出部材7は、図2図3に示すように、その他端部72側における、止着部材6と合掌状に固定される面とは反対側の面に、先端側固着材73が設けられている。先端側固着材73は、自由端部となっている他端部72の先端寄りに設けられている。先端側固着材73は、その大きさに特に制限はないが、延出部材7における固定された一端部71を除く延出する部分の面積に対する、先端側固着材73の面積の割合が、30%以上70%以下程度であることが好ましく、40%以上60%以下程度であることが更に好ましい。
【0023】
おむつ1Aの延出部材7は、図1図3に示すように、使用前においては、自由端部(他端部72)側を裏面シート3から離間するように2つ折りして、先端側固着材73を介して延出部材7の他端部72側が、吸収性本体10の腹側領域Aに仮固定されている。このように折り畳まれていると、延出部材7が邪魔になることが少なくなる。使用前のおむつ1Aにおいては、上述のように2つ折りされた延出部材7の他端部72が、先端側固着材73を介して延出部材7の一端部71上に仮固定されている。尚、2つ折りされた延出部材7の他端部72は、先端側固着材73を介して、延出部材7の一端部71上に仮固定されていなくても、吸収性本体10の腹側領域Aに仮固定されていればよく、例えば、延出部材7が配された部分を除く吸収性本体10の腹側領域Aの非肌対向面に仮固定されていてもよい。仮固定とは、使用時に指で引っ張って容易に剥離し、再度仮固定可能であり、破れなど仮固定される部位を損傷することなく繰り返し仮固定可能な程度の固定である。
同様に、止着部材6も邪魔にならないよう、使用前は折り畳んで仮固定することが好ましい。折り畳む場合、3つ折りが好ましく、肌側固着材63の内方で谷折りして折り畳み、さらに非肌側固着材64側内方を谷折りして折り畳んで、非肌側固着材64を裏面シート背側非肌面側に仮固定する。あるいは、非肌側固着材64の内方で谷折りして折り畳み、さらに肌側固着材63側内方を谷折りして折り畳んで、肌側固着材63を表面シート背側肌面側に仮固定してもよい。
【0024】
第1実施形態のおむつ1Aの形成材料について説明する。
表面シート2、吸収体4及び立体ギャザー形成用シート52としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。表面シート2としては、例えば、単層又は多層構造の液透過性の不織布や、液透過性の開孔フィルム等を用いることができる。吸収体4としては、例えば、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。また、立体ギャザー形成用シート52としては、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや該樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。立体ギャザーを形成する弾性部材51及びレッグ弾性部材53としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
【0025】
肌側固着材63及び非肌側固着材64としては、シート基材とフック材とからなるファスニングテープ等を用いることができる。ファスニングテープを形成するフック材としては、例えば、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。シート基材としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等などの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなる不織布等を用いることができる。フック材の係合突起(不図示)は、錨形や鉤形等に形成されたものを用いることができる。
また先端側固着材73としては、接着剤、或いはシート基材とフック材とからなるファスニングテープ等を用いることができる。接着剤としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。先端側固着材73が接着剤の場合、先端側固着材73が仮係合する対象面にはシリコン系の剥離剤などが塗布された易剥離処理されたフィルムや不織布を用いる。ファスニングテープを形成するフック材としては、肌側固着材63及び非肌側固着材64と同様に、例えば、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。フック材と仮係合するシート基材としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等などの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなる不織布等を用いることができる。フック材の係合突起(不図示)は、錨形や鉤形等に形成されたものを用いることができる。
【0026】
裏面シート3としては、先端側固着材73が接着剤である場合には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、或いは該樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。背側における止着部材6のファスニングテープのフック材を固定する予定位置にのみ各種公知の機械的面ファスナーにおけるメス部材を部分的に配した液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム等を用いることができる。
また、先端側固着材73がファスニングテープ(機械的面ファスナーのフック材)である場合には、先端側固着材73が仮係合する対象面は、ファスニングテープのフック材を押しつけることにより、フック材を止着可能な不織布、例えば、スパンボンド、エアースルー、サーマルボンド、ケミカルボンド等の各製法により製造された不織布を、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムの非肌対向面全面に配した積層体、或いは、ファスニングテープのフック材を固定する予定位置にのみ各種公知の機械的面ファスナーにおけるメス部材を部分的に配した液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム等を用いることができる。
【0027】
止着部材6及び延出部材7は、それぞれ、伸縮性を有していることが好ましく、少なくともそれらの延出方向に伸縮性を有していることが好ましい。伸縮性を有するシートとしては、ウレタンやメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂から得られる弾性フィルム、ポリエステル系の弾性フィルム、或いはエラストマー材料からなる中間層の両面に不織布を貼り合せた複合シート等を用いることができる。止着部材6の肌側固着材63がファスニングテープである場合に、延出部材7として、前記複合シートを用いるならば、該複合シートを構成する不織布としては、ファスニングテープのフック材を押しつけることにより、フック材を止着可能な不織布、例えば、スパンボンド、エアースルー、サーマルボンド、ケミカルボンド等の各製法により製造された不織布を用いることができる。尚、止着部材6及び延出部材7は、非伸縮性である場合には、この種の物品に従来用いられている目付25g/m〜100g/m程度の不織布等を特に制限なく用いることができ、止着部材6の肌側固着材63がファスニングテープである場合には、延出部材7として、上述したファスニングテープのフック材を止着可能な不織布を用いることができる。
【0028】
各部材の固定には、接着剤或いは熱融着等を利用して固定できる。用いられる接着剤としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤としては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等のブロックコポリマー系のホットメルト接着剤が挙げられる。熱融着としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、高周波シール、超音波シールを用いることができる。
【0029】
上述した本発明の第1実施形態のおむつ1Aを使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1Aは、着用時においては、図4に示すように、肌側固着材63を介して延出部材7と止着部材6とが合掌状に固定され、合掌状に固定された延出部材7及び止着部材6が、背側領域B側に折り返され、非肌側固着材64を介して吸収性本体10の背側領域Bの非肌対向面に固定されるようにして、着用される。詳述すると、先ず、図4(a)に示すように、着用者の股間部分におむつ1Aを当て、図4(b)に示すように、腹側領域Aに配された各延出部材7と背側領域Bに配された各止着部材6とを止着部材6の肌対向面側の肌側固着材63を介して合掌状に固定することにより、着用時おいて着用後のおむつのイメージを形作る。このように、おむつ1Aは、着用時に、着用後のおむつの形をイメージすることができるので、安心感が向上する。
【0030】
その後、おむつ1Aは、図4(c)に示すように、合掌状に固定された延出部材7及び止着部材6を、背側領域B側に折り返し、止着部材6の非肌対向面側の非肌側固着材64を介して吸収性本体10の背側領域Bの非肌対向面に固定して着用される。このように着用されれば、非肌側固着材64による固定部分が着用者のそけい部、お腹、或いは脚にこすれる場合が殆どなく、こすれによる赤みが発生し難く、使用感が向上する。
【0031】
特に、合掌状に固定された延出部材7及び止着部材6が、非肌側固着材64を介して、吸収性本体10の背側領域Bの非肌対向面における、着用者の腸骨稜近傍に対応する位置にて固定されれば、そけい部、お腹、或いは脚にこすれる場合が殆どなく、こすれによる赤みが発生し難くかつ装着者とおむつとのフィット性の向上効果を奏する。その為、固定位置を着用者の腸骨稜近傍に対応する位置に調整する観点から、止着部材6及び延出部材7は、それぞれ、伸縮性を有していることが好ましい。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態の展開型の使い捨ておむつ1B(以下、「おむつ1B」とも言う。)について、図5に基づいて説明する。
第2実施形態のおむつ1Bについては、第1実施形態のおむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
【0033】
おむつ1Bは、図5に示すように、延出部材7が、複数本(好ましくは2本以上5本以下)設けられており、各延出部材7の一端部71が幅方向(X方向)に並んで配されている。詳述すると、おむつ1Bにおいては、延出部材7は、腹側領域Aにおける吸収性本体10の幅方向(X方向)中心(中心線CL)の位置から、吸収性本体10の両側部10s,10s外縁それぞれの間に、中心線CL寄りの内側延出部材7a、及び幅方向(X方向)外方側の外側縁出部材7bの2本を有している。各延出部材7の内側延出部材7a及び外側縁出部材7bは、それぞれ、一端部71が、中心線CLからおむつ1の吸収性本体10の長手方向(Y方向)に沿う側部10s外縁の間にて、吸収性本体10の非肌対向面に、幅方向(X方向)に一直線上に並んで配されている。更に詳述すると、おむつ1Bにおいては、内側延出部材7aの一端部71も外側縁出部材7bの一端部71も、吸収性本体10における吸収体4の存在する位置の非肌対向面に固定されている。内側延出部材7aの一端部71と、外側縁出部材7bの一端部71との間隔は、0mm以上15mm以下程度であることが好ましい。尚、おむつ1Bにおいては、内側延出部材7aの幅と外側縁出部材7bの幅は、同じ幅であるが、異なる幅であってもよい
【0034】
おむつ1Bにおいては、図5に示すように、各延出部材7の内側延出部材7a及び外側縁出部材7bは、それぞれ、その他端部72側に先端側固着材73を有している。内側延出部材7a及び外側縁出部材7bは、それぞれ、使用前においては、自由端部(他端部72)側を裏面シート3から離間するように2つ折りして、先端側固着材73を介して他端部72側が、吸収性本体10の腹側領域Aに仮固定されている。詳述すると、おむつ1Bにおいては、内側延出部材7aの他端部72が、先端側固着材73を介して吸収性本体10の腹側領域Aに仮固定されており、外側縁出部材7bの他端部72が、先端側固着材73を介して、2つ折りされた内側延出部材7a上に仮固定されている。このように、外側縁出部材7bは、使用前においては、先端側固着材73及び2つ折りされた内側延出部材7aを介して、その他端部72側が、吸収性本体10の腹側領域Aに仮固定されている。尚、おむつ1Bにおいては、上述したように、外側縁出部材7bの他端部72が、先端側固着材73を介して、2つ折りされた内側延出部材7a上に仮固定されているが、内側延出部材7aの一端部71と、外側縁出部材7bの一端部71との間隔が十分に広い場合には、内側延出部材7aの他端部72のみならず、外側縁出部材7bの他端部72も、先端側固着材73を介して、吸収性本体10の腹側領域Aの非肌対向面上に仮固定されていてもよい。
【0035】
上述した本発明の第2実施形態のおむつ1Bを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態のおむつ1Bの効果については、第1実施形態のおむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態のおむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の展開型の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
【0036】
第2実施形態のおむつ1Bは、図5に示すように、吸収性本体10の腹側領域Aに延出部材7が、複数本設けられているので、例えば、着用者のサイズが比較的小さな場合には、腹側領域Aに配された中心線CL寄りの各内側延出部材7aと背側領域Bに配された各止着部材6とを用いて、着用することができ、着用者のサイズが比較的大きな場合には、腹側領域Aに配された幅方向(X方向)外方側の各外側延出部材7bと背側領域Bに配された各止着部材6とを用いて、着用することができる。このように、おむつ1Bは、着用者のサイズに合わせて、複数本の延出部材7を使い分けすることができ、着用感が向上する。
【0037】
本発明の展開型の使い捨ておむつは、上述した第1実施形態のおむつ1A、第2実施形態のおむつ1Bに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上述したおむつ1Aの有する延出部材7、及び上述したおむつ1Bの有する内側延出部材7a及び外側延出部材7bは、それぞれ、図1図5に示すように、帯状部材の一端部71の非肌対向面が、接着剤或いは融着により吸収性本体10の腹側領域Aに固定されているが、一端部71が二股状に分かれた形状であってもよい。このように二股状に分かれた一端部71が吸収性本体10の腹側領域Aに固定されていれば、固定強度が向上する。
【0038】
また、おむつ1A,1Bが、背側領域B側の長手方向(Y方向)端部に、ウエストギャザー形成用のウエスト部弾性部材をX方向に伸長状態に配して、該ウエスト部弾性部材の収縮によりウエストギャザーを形成している場合には、サイズ調整の観点から、該ウエスト部弾性部材上に、止着部材6の一端部61が固定されていることが好ましい。
【0039】
上述した実施形態に関し、さらに以下の展開型の使い捨ておむつを開示する。
【0040】
<1>
腹側領域、背側領域及び股下領域に区分された縦長の吸収性本体を備える展開型の使い捨ておむつであって、背側領域における前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部それぞれから、幅方向外方に延出する止着部材と、腹側領域における前記吸収性本体の幅方向中心の位置より外方の非肌対向面に一端部が固定され他端部が自由端部となっている延出部材とを有し、
前記止着部材には、その肌対向面に肌側固着材が設けられ、その非肌対向面に非肌側固着材が設けられており、着用時においては、前記肌側固着材を介して前記延出部材と前記止着部材とが合掌状に固定され、合掌状に固定された前記延出部材及び前記止着部材が、背側領域側に折り返され、前記非肌側固着材を介して前記吸収性本体の前記背側領域の非肌対向面に固定される展開型の使い捨ておむつ。
【0041】
<2>
前記止着部材における肌側固着材及び非肌側固着材は機械的面ファスナーのフック材である<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3>
前記延出部材及び前記止着部材は、それぞれ、伸縮性を有している<1>又は<2>に記載の展開型の使い捨ておむつ。
<4>
前記延出部材は、複数本設けられており、各該延出部材の一端部が幅方向に並んで配されている<1>〜<3>の何れか1に記載の展開型の使い捨ておむつ。
<5>
前記延出部材は、該延出部材の一端部が、前記吸収性本体の幅方向中心の位置から前記吸収性本体の長手方向に沿う側部外縁の間に配されている<1>〜<4>の何れか1に記載の展開型の使い捨ておむつ。
<6>
前記延出部材は、その他端部側における、前記止着部材と合掌状に固定される面とは反対側の面に、先端側固着材が設けられており、該先端側固着材は、機械的面ファスナーのフック材又は接着剤であり、使用前においては、該先端側固着材を介して前記延出部材の他端部側が、前記吸収性本体の前記腹側領域に仮固定されている<1>〜<5>の何れか1に記載の展開型の使い捨ておむつ。
<7>
前記先端側固着材は、機械的面ファスナーのフック材であり、該先端側固着材で使用前に仮固定される対象面は、前記フック材と係合可能な不織布である<6>に記載の使い捨ておむつ。
<8>
前記先端側固着材は、接着剤であり、該先端側固着材で使用前に仮固定される対象面は、剥離処理されたフィルム又は不織布である<6>に記載の使い捨ておむつ。
<9>
前記吸収性本体は、肌対向面側に配された液透過性の表面シートと、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備えており、
前記表面シート及び前記裏面シートはそれぞれ、前記吸収体の周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されており、該吸収体を挟持・固定している<1>〜<8>の何れか1に記載の展開型使い捨ておむつ。
<10>
立体ギャザー及びレッグギャザーが形成された<1>〜<9>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0042】
<11>
前記止着部材は、その幅が10mm以上50mm以下であり、前記吸収性本体の側部外縁から幅方向(X方向)外方に延出する延出長さが30mm以上120mm以下である<1>〜<10>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<12>
前記吸収性本体は、肌対向面側に配された液透過性の表面シートと、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備えており、
前記止着部材の一端部は、前記吸収性本体の側部における前記裏面シートと立体ギャザー形成用シートとの間に固定されているか、又は該吸収性本体の側部における該裏面シートの非肌対向面に固定されている<1>〜<11>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<13>
前記止着部材に配された前記非肌側固着材の位置が該止着部材に配された前記肌側固着材の位置よりも外方となっている<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>
前記止着部材の肌対向面に配された前記肌側固着材の位置に対応する該止着部材の非肌対向面の位置に前記非肌側固着材が配されていている<1>〜<13>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>
前記肌側固着材は、前記止着部材における前記吸収性本体の側部外縁から延出する部分の面積に対する、前記肌側固着材の面積の割合が、30%以上70%以下であり、好ましくは、40%以上60%以下である<1>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>
前記非肌側固着材は、前記止着部材における前記吸収性本体の側部外縁から延出する部分の面積に対する、前記非肌側固着材の面積の割合が、30%以上100%以下であり、好ましくは、40%以上80%以下である<1>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<17>
前記延出部材の一端部が、前記吸収性本体の腹側領域における吸収体の存在する位置の非肌対向面に、接着剤或いは融着により固定されている<1>〜<16>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<18>
前記延出部材は、幅が一定の帯状の形状を有し、その幅が10mm以上50mm以下である<1>〜<17>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<19>
前記止着部材の幅より、前記延出部材のほうが幅広である<1>〜<18>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0043】
<20>
前記先端側固着材は、自由端部となっている前記延出部材の他端部の先端寄りに設けられており、該先端側固着材は、前記延出部材における固定された一端部を除く延出する部分の面積に対する、該先端側固着材の面積の割合が、30%以上70%以下であり、好ましくは、40%以上60%以下である<6>〜<19>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<21>
前記肌側固着材及び前記非肌側固着材としては、シート基材とフック材とからなるファスニングテープを用い、該ファスニングテープを形成する該フック材としては、オス部材を用い、該シート基材としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート何れかの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなる不織布を用いる<1>〜<20>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<22>
前記先端側固着材としては、接着剤、或いはシート基材とフック材とからなるファスニングテープを用い、前記接着剤の場合、該先端側固着材が仮係合する対象面には剥離処理されたフィルム又は不織布を用い、前記ファスニングテープを形成するフック材としては、オス部材を用い、該フック材と仮係合するシート基材としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート何れかの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなる不織布を用いる<1>〜<21>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<23>
前記吸収性本体は、肌対向面側に配された液透過性の表面シートと、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備えており、
前記先端側固着材が接着剤であり、前記裏面シートは、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、或いは該樹脂フィルムと不織布との積層体を用い、背側における前記止着部材のファスニングテープのフック材を固定する予定位置にのみ機械的面ファスナーにおけるメス部材を部分的に配した液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムを用いる<1>〜<22>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<24>
前記吸収性本体は、肌対向面側に配された液透過性の表面シートと、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備えており、
前記先端側固着材がファスニングテープであり、前記裏面シートは、ファスニングテープのフック材を押しつけることにより、フック材を止着可能な不織布であり、スパンボンド、エアースルー、サーマルボンド、ケミカルボンドの各製法により製造された不織布を、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムの非肌対向面全面に配した積層体、或いは、ファスニングテープのフック材を固定する予定位置にのみ機械的面ファスナーにおけるメス部材を部分的に配した液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムを用いる<1>〜<22>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<25>
前記止着部材及び前記延出部材は、それぞれ、少なくともそれらの延出方向に伸縮性を有している<1>〜<24>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<26>
前記止着部材及び前記延出部材は、伸縮性を有するシートを用い、
前記伸縮性を有するシートは、ウレタンやメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂から得られる弾性フィルム、ポリエステル系の弾性フィルム、或いはエラストマー材料からなる中間層の両面に不織布を貼り合せた複合シートを用いた<1>〜<25>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<27>
各部材の固定には、接着剤或いは熱融着で固定し、用いられる接着剤としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)のブロックコポリマー系のホットメルト接着剤であり、前記熱融着としては、高周波シール又は超音波シールを用いる<1>〜<26>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0044】
1A,1B 展開型の使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 立体ギャザー
51 立体ギャザー形成用の弾性部材
52 立体ギャザー形成用シート
53 レッグギャザー形成用のレッグ弾性部材
6 止着部材
61 一端部
62 他端部
63 肌側固着材
64 非肌側固着材
7 延出部材
71 一端部
72 他端部
73 先端側固着材
10 吸収性本体
10s 長手方向(Y方向)に沿う側部
A 腹側領域
B 背側領域
C 股下領域
CL 長手方向に延びる中心線
図1
図2
図3
図4
図5