(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、前記回転軸部を回転駆動する駆動源に対して前記回転軸部の回転停止指令を出力する回転制御部、を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の研削装置。
砥石粉を焼結または接着させて多孔質に形成された円環状の砥粒層のみによって構成され、多孔質とされた前記砥粒層の空間部分によって構成されて内周側から外周側に研削液を噴出させる噴出流路を有する砥石部材が取り付けられる研削装置の製造方法であって、
前記砥石部材の内周に嵌め入れられて前記砥石部材を回転駆動する回転軸部と、前記研削液を前記噴出流路に供給するポンプと、を備える装置本体を準備する準備工程と、
前記ポンプから吐出される前記研削液の少なくとも吐出流量を検知する検知器、及び、前記検知器からの出力に応じて、前記噴出流路が目詰まりした旨を示す警報、あるいは、目詰まりしたことに基づく指令を出力する出力部を設置する設置工程と、
を含み、
前記準備工程では、補助ポンプが、補助系配管によって前記ポンプから吐出された前記研削液が流れる外部配管に接続され、又は、前記噴出流路に接続され、前記補助系配管には、前記補助ポンプの下流側に前記補助系配管を開閉する補助系バルブが設けられる研削装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の研削装置では、砥石の内周側から外周側に向けて流れる研削液の噴出流路が、砥石の砥粒や被削材の切粉によって目詰まりすることがある。この場合、互いに接触する砥石の外周部及び被削材の研削面の冷却が不十分となるため、噴出流路が目詰まりした状態で被削材の研削を継続すると、被削材の研削焼けが発生する、という問題がある。
特許文献1では、研削液を高圧で砥石の内周側から外周側に噴出させることで、砥石表面の目詰まり防止を図っているが、噴出流路の目詰まりを完全に防ぐことは難しい。このため、噴出流路の目詰まりを管理することが必要となる。
【0005】
そこでなされた本発明の目的は、噴出流路の目詰まりを容易に管理することが可能な研削装置及び研削装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様としての研削装置は環状に形成され、内周側から外周側に研削液を噴出させる噴出流路を有する砥石部材が取り付けられる研削装置であって、前記砥石部材の内周に嵌め入れられて前記砥石部材を回転駆動する回転軸部と、前記研削液を前記噴出流路に供給するポンプと、前記ポンプから吐出される前記研削液の少なくとも吐出流量を検知する検知器と、前記検知器からの出力に応じて、前記噴出流路が目詰まりした旨を示す警報、あるいは、前記噴出流路が目詰まりしたことに基づく指令を出力する出力部と、を備え、前記砥石部材は、砥石粉を焼結または接着させて多孔質に形成された円環状の砥粒層のみによって構成されており、前記噴出流路は多孔質とされた前記砥粒層の空間部分によって構成されて
おり、補助ポンプが、前記研削液が流れる補助系配管によって前記ポンプから吐出された前記研削液が流れる外部配管に接続され、又は、前記噴出流路に接続され、前記補助系配管には、前記補助ポンプの下流側に前記補助系配管を開閉する補助系バルブが設けられている。
【0007】
上記構成の研削装置によれば、被削材を研削する際に、ポンプから吐出される研削液の少なくとも吐出流量を検知部によって検知することで、砥石部材の噴出流路が目詰まりしているか否かを判定することが可能となる。また、検知器からの出力に応じて、砥石部材の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報、あるいは、噴出流路が目詰まりしたことに基づく指令が、出力部から出力されるため、噴出流路の目詰まりを容易に管理することが可能となる。
【0008】
前記研削装置では、前記検知器が、前記ポンプから吐出される前記研削液の吐出圧力を検知し、前記検知器から出力される前記吐出圧力が一定に保持されるように前記ポンプの動作を制御するポンプ制御部、を備え、前記出力部は、前記検知器から出力される前記吐出流量が所定値以下になった際に前記警報、あるいは、前記指令を出力してもよい。
【0009】
上記構成の研削装置によれば、ポンプから吐出される研削液の吐出圧力が一定に保持されるため、ポンプから吐出される研削液の吐出流量が所定値以下になったことが検知器において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定できる。これにより、出力部は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報あるいは指令を出力することができる。
【0010】
また、前記研削装置では、前記検知器が、前記ポンプから吐出される前記研削液の吐出圧力を検知し、前記検知器から出力される前記吐出流量が一定に保持されるように前記ポンプの動作を制御するポンプ制御部、を備え、前記出力部は、前記検知器から出力される前記吐出圧力が所定値以上になった際に前記警報、あるいは、前記指令を出力してもよい。
【0011】
上記構成の研削装置によれば、ポンプから吐出される研削液の吐出流量が一定に保持されるため、ポンプから吐出される研削液の吐出圧力が所定値以上になったことが検知器において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定できる。これにより、出力部は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報あるいは指令を出力することができる。
【0012】
また、前記研削装置では、前記検知器が、前記ポンプの駆動力を検知し、前記検知器から出力される前記吐出流量が一定に保持されるように前記ポンプの動作を制御するポンプ制御部、を備え、前記出力部は、前記検知器から出力される前記ポンプの駆動力が所定値以上となった際に前記警報、あるいは、前記指令を出力してもよい。
【0013】
上記構成の研削装置によれば、ポンプから吐出される研削液の吐出流量が一定に保持されるため、ポンプの駆動力が所定値以上になったことが検知器において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定できる。これにより、出力部は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報あるいは指令を出力することができる。
【0014】
また、前記研削装置では、前記出力部は、前記噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する警報出力部、を備えてもよい。
【0015】
上記構成の研削装置によれば、噴出流路が目詰まりした際に警報が出力されるため、研削装置の管理者に対して噴出流路の目詰まりを確実に報知することができる。
【0016】
また、前記研削装置では、前記出力部は、前記噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、前記回転軸部を回転駆動する駆動源に対して前記回転軸部の回転停止指令を出力する回転制御部、を備えてもよい。
【0017】
上記構成の研削装置によれば、噴出流路が目詰まりした際に回転軸部の回転が停止するため、すなわち、被削材の研削が停止するため、被削材の研削焼けが発生することをより確実に防ぐことができる。
【0018】
また、前記研削装置では、前記研削液を前記噴出流路に追加で供給する補助ポンプ、を備え、前記出力部は、前記噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、前記補助ポンプに対して動作開始指令を出力する補助系制御部、を備えてもよい。
【0019】
上記構成の研削装置によれば、噴出流路が目詰まりした際に、研削液が砥石部材の噴出流路に追加で供給されるため、被削材の研削を継続しても、被削材の研削焼けが発生することを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明に係る一態様としての研削装置の製造方法は、砥石粉を焼結または接着させて多孔質に形成された円環状の砥粒層のみによって構成され、多孔質とされた前記砥粒層の空間部分によって構成されて内周側から外周側に研削液を噴出させる噴出流路を有する砥石部材が取り付けられる研削装置の製造方法であって、前記砥石部材の内周に嵌め入れられて前記砥石部材を回転駆動する回転軸部と、前記研削液を前記噴出流路に供給するポンプと、を備える装置本体を準備する準備工程と、前記ポンプから吐出される前記研削液の少なくとも吐出流量を検知する検知器、及び、前記検知器からの出力に応じて、前記噴出流路が目詰まりした旨を示す警報、あるいは、目詰まりしたことに基づく指令を出力する出力部を設置する設置工程と、を含
み、前記準備工程では、補助ポンプが、補助系配管によって前記ポンプから吐出された前記研削液が流れる外部配管に接続され、又は、前記噴出流路に接続され、前記補助系配管には、前記補助ポンプの下流側に前記補助系配管を開閉する補助系バルブが設けられる。
【0021】
上記した研削装置の製造方法によれば、検知器及び出力部を従来周知の装置本体に適宜取り付けるだけで、砥石部材における噴出流路の目詰まりを容易に管理することが可能な研削装置を、容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、砥石部材における噴出流路の目詰まりを容易に管理することができる。したがって、被削材の研削焼けが発生することを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明による研削装置及び研削装置の製造方法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明は
以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0025】
〔第一
参考例〕
はじめに、
図1を参照して第一
参考例に係る研削装置及び研削装置の製造方法について説明する。
図1に示すように、研削装置1は、環状に形成された砥石部材2を取り付けるものであり、回転軸部11と、ポンプ12と、検知器13と、出力部14と、を備える。
【0026】
砥石部材2は、その内周側から外周側に研削液Wを噴出させる噴出流路を有する。本
参考例の砥石部材2は、砥石粉を焼結または接着させて多孔質に形成された円環状の砥粒層3のみによって構成されている。このため、本
参考例では、砥石部材2の噴出流路が多孔質とされた砥粒層3の空間部分によって構成されている。
【0027】
回転軸部11は、砥石部材2の内周に嵌め入れられて砥石部材2を回転駆動する。回転軸部11はモータ(駆動源)15によって回転駆動される。
図1においては、かさ歯車16によってモータ15の動力が回転軸部11に伝達されるが、これに限ることはない。モータ15は、回転制御部17からの指令に基づいて動作する。回転制御部17は、回転軸部11の回転開始指令、回転停止指令、回転速度指令をモータ15に出力する。
【0028】
回転軸部11には、砥石部材2に研削液Wを供給するための供給流路18が形成されている。供給流路18は、回転軸部11の内部において軸方向に延びると共に、砥石部材2が取り付けられる回転軸部11の軸方向の第一端部11Aにおいて回転軸部11の径方向外側に放射状に延びて回転軸部11の外周面に開口している。回転軸部11の第一端部11Aにおける供給流路18の開口は、研削液Wを供給流路18内から導出させて砥石部材2に供給する導出口となっている。
図1では、回転軸部11の軸方向の第二端部11Bにおいて研削液Wを供給流路18内に導入する導入口が、回転軸部11の外周面に開口している。このため、回転軸部11の第二端部11Bは、回転軸部11の他の部分と共に回転しないように、軸受(不図示)を介して回転軸部11の他の部分に連結されている。
【0029】
本
参考例の回転軸部11は、モータ15によって回転駆動される主軸19と、主軸19の軸方向端部に着脱自在に装着されるアーバー20と、を備える。主軸19側から延びるアーバー20の軸方向の先端部は、砥石部材2の内周に嵌め入れられて砥石部材2を保持するシャンクとなっている。前述した供給流路18の導出口は、このシャンクの外周面に開口している。
図1において、砥石部材2は、上記したアーバー20のシャンクに嵌め合せた上で、円環状の保持板21やネジ22によってシャンクにネジ止めされている。
【0030】
本
参考例の研削装置1では、上記のように砥石部材2が回転軸部11に対して着脱自在であるため、回転軸部11には、例えば切削工具など他の種類の工具も取り付けることが可能である。また、本
参考例の研削装置1では、アーバー20が主軸19に対して着脱自在であるため、主軸19にはホルダやチャックなどを装着することも可能である。すなわち、本
参考例の研削装置1は、例えば切削装置など、他の工作装置として機能させることが可能である。
【0031】
ポンプ12は、研削液Wを砥石部材2の噴出流路に供給する。本
参考例のポンプ12は、外部配管23によって回転軸部11に形成された供給流路18の導入口に接続されている。すなわち、ポンプ12から吐出された研削液Wは、外部配管23、供給流路18を介して砥石部材2の噴出流路に供給される。本
参考例において、ポンプ12の動作はポンプ制御部24によって制御される。ポンプ制御部24は、ポンプ12の駆動力(例えば駆動電力や駆動電流)を制御する。
【0032】
また、ポンプ12は、供給源配管25によって研削液Wの供給源26に接続されている。これにより、ポンプ12は、供給源26にある研削液Wを砥石部材2の噴出流路に供給する。本
参考例において、研削液Wの供給源26は、回転軸部11に取り付けられた砥石部材2よりも鉛直方向下側に設けられた研削液Wの貯留槽26である。貯留槽26には、砥石部材2から噴出した研削液Wが流れ込む。すなわち、本
参考例の研削装置1では、研削液Wを循環させて被削材の研削に再利用している。
砥石部材2から噴出した研削液Wには、砥石部材2(砥粒層3)による被削材の研削に伴って生じる砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などが含まれる。このため、供給源配管25には、砥粒層3の砥粒や被削材の切粉を研削液Wから除去するフィルタ27が設けられている。
【0033】
検知器13は、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量を検知する流量計28を備える。また、本
参考例の検知器13は、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力を検知する圧力計29も備える。本
参考例において、ポンプ制御部24は、圧力計29から出力される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるようにポンプ12の動作を制御する。
【0034】
本
参考例の出力部14は、検知器13からの出力に応じて砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する警報出力部14である。本
参考例の警報出力部14は、上記した流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が所定値以下になった際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。警報出力部14から出力される警報は、例えば光や音や振動などである。
【0035】
以上のように構成される本
参考例の研削装置1では、砥石部材2を回転させながら砥石部材2の外周を被削材に接触させることで、被削材の研削が行われる。また、研削の際に、ポンプ12によって研削液Wを砥石部材2の外周から噴出させることで、砥石の外周面及び被削材の研削面を研削液Wによって冷却する。
【0036】
さらに、本
参考例では、研削の際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるように、ポンプ制御部24がポンプ12の動作を制御する。このため、砥石部材2の噴出流路が砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などによって目詰まりすると、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が低下する。すなわち、研削液Wの吐出流量の低下は、噴出流路が目詰まりしていることを意味する。そして、警報出力部14は、流量計28において研削液Wの吐出流量が所定値以下になったことが検知された際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。
【0037】
次に、上記した研削装置1の製造方法の一例について説明する。
本
参考例の研削装置1を製造するためには、はじめに、回転軸部11とポンプ12とを備える装置本体1Zを予め準備する準備工程を実施する。装置本体1Zは、例えば従来周知の研削装置である。装置本体1Zには、例えばモータ15、回転制御部17、ポンプ制御部24、供給源26、フィルタ27等が適宜含まれていてよい。
準備工程後には、検知器13及び出力部14を設置する設置工程を実施する。検知器13のうち圧力計29が装置本体1Zに含まれている場合、設置工程では、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量を検知する流量計28のみを設置すればよい。また、本
参考例の設置工程では、出力部14として、検知器13からの出力に応じて砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する警報出力部14を設置すればよい。
以上により、研削装置1の製造が完了する。
【0038】
以上説明したように本
参考例の研削装置1によれば、被削材を研削する際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量を検知器13によって検知することで、噴出流路が目詰まりしているか否かを判定することが可能となる。また、検知器13からの出力に応じて、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報が警報出力部14から出力されるため、噴出流路の目詰まりを容易に管理することが可能となる。したがって、被削材の研削焼けが発生することを防ぐことが可能となる。
【0039】
本
参考例の研削装置1では、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるため、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が所定値以下になったことが検知器13の流量計28において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定することができる。これにより、警報出力部14は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報を出力することができる。
【0040】
また、本
参考例の研削装置1では、噴出流路が目詰まりした際に警報が警報出力部14から出力されるため、研削装置1の管理者に対して噴出流路の目詰まりを確実に報知することができる。
【0041】
また、本
参考例の研削装置1の製造方法によれば、検知器13(特に流量計28)及び警報出力部14を従来周知の装置本体1Zに適宜取り付けるだけで、砥石部材2における噴出流路の目詰まりを容易に管理することが可能な研削装置1を、容易に製造することができる。
【0042】
〔第二
参考例〕
次に、
図2を参照して第二
参考例に係る研削装置について説明する。第二
参考例において、上記第一
参考例と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図2に示すように、本
参考例の研削装置1Aは、第一
参考例と同様の回転軸部11、ポンプ12、ポンプ制御部24、検知器13、警報出力部14等を備える。
ただし、本
参考例において、ポンプ制御部24は、検知器13の流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるようにポンプ12の動作を制御する。また、本
参考例の警報出力部14は、検知器13の圧力計29から出力される研削液Wの吐出圧力が所定値以上になった際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。
【0044】
本
参考例の研削装置1Aでは、研削の際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるように、ポンプ制御部24がポンプ12の動作を制御する。このため、砥石部材2の噴出流路が砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などによって目詰まりすると、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が上昇する。すなわち、研削液Wの吐出圧力の上昇は、噴出流路が目詰まりしていることを意味する。そして、警報出力部14は、圧力計29において研削液Wの吐出圧力が所定値以上になったことが検知された際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。
【0045】
以上のように構成される研削装置1Aの製造方法は、第一参考例と同様に実施することが可能である。
【0046】
本
参考例の研削装置1A及び研削装置1Aの製造方法によれば、第一
参考例と同様の効果を奏する。
また、本
参考例の研削装置1Aによれば、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるため、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が所定値以上になったことが検知器13の圧力計29において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定することができる。これにより、警報出力部14は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報を出力することができる。
【0047】
〔第三
参考例〕
次に、
図3を参照して第三
参考例に係る研削装置について説明する。第三
参考例において、上記第一、第二
参考例と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図3に示すように、本
参考例の研削装置1Bは、第一、第二
参考例と同様に、回転軸部11、ポンプ12、ポンプ制御部24、検知器13B、警報出力部14等を備える。
また、本
参考例の研削装置1Bにおいて、検知器13Bは第一
参考例と同様の流量計28を備える。ポンプ制御部24は、第二
参考例と同様に、流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるようにポンプ12の動作を制御する。
【0049】
ただし、本
参考例の検知器13Bは、ポンプ12の駆動力を検知する出力検知部30を備える。出力検知部30は、ポンプ12の駆動力として、例えば駆動電力や駆動電流を検知する。
図3において、本
参考例の検知器13Bは、例えば第一、第二
参考例と同様の圧力計29(
図1,2参照)を備えていないが、例えば備えてもよい。
本
参考例の警報出力部14は、検知器13Bの出力検知部30から出力されるポンプ12の駆動力が所定値以上になった際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。
【0050】
本
参考例の研削装置1Bでは、研削の際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるように、ポンプ制御部24がポンプ12の動作を制御する。このため、砥石部材2の噴出流路が砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などによって目詰まりすると、ポンプ12の駆動力が上昇する。すなわち、ポンプ12の駆動力の上昇は、噴出流路が目詰まりしていることを意味する。そして、警報出力部14は、出力検知部30においてポンプ12の駆動力が所定値以上になったことが検知された際に、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした旨を示す警報を出力する。
【0051】
以上のように構成される研削装置1Bの製造方法は、第一
参考例と同様に実施することが可能である。ただし、本
参考例では、設置工程において、流量計28の他に出力検知部30も設置するとよい。
【0052】
本
参考例の研削装置1B及び研削装置1Bの製造方法によれば、第一
参考例と同様の効果を奏する。
また、本
参考例の研削装置1Bによれば、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が一定に保持されるため、ポンプ12の駆動力が所定値以上になったことが検知器13Bの出力検知部30において検知されることで、噴出流路の目詰まりを正しく判定することができる。これにより、警報出力部14は噴出流路の目詰まりに関して信頼性の高い警報を出力することができる。
【0053】
〔第四
参考例〕
次に、
図4を参照して第四
参考例に係る研削装置について説明する。第四
参考例において、上記第一
参考例と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図4に示すように、本
参考例の研削装置1Cは、第一
参考例と同様の回転軸部11、ポンプ12、ポンプ制御部24、流量計28、圧力計29、出力部14C等を備える。
また、本
参考例において、ポンプ制御部24は、第一
参考例と同様に、検知器13の圧力計29から出力される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるようにポンプ12の動作を制御する。
【0055】
ただし、本
参考例の出力部14Cは、検知器13からの出力に応じて、噴出流路が目詰まりしたことに基づく指令を出力する。本
参考例の出力部14Cは、モータ15の動作を制御する回転制御部17である。本
参考例において、回転制御部17は、噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、モータ15に対して回転軸部11の回転停止指令を出力する。回転制御部17は、検知器13の流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が所定値以下になった際に、モータ15に対して回転軸部11の回転停止指令を出力する。
【0056】
本
参考例の研削装置1Cでは、第一
参考例の場合と同様に、研削の際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるように、ポンプ制御部24がポンプ12の動作を制御する。このため、砥石部材2の噴出流路が砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などによって目詰まりすると、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が低下する。そして、回転制御部17は、流量計28において研削液Wの吐出流量が所定値以下になったことが検知された際に、モータ15に対して回転軸部11の回転停止指令を出力する。
【0057】
以上のように構成される研削装置1Cの製造方法は、第一
参考例と同様に実施することが可能である。ただし、回転制御部17が装置本体1Zに含まれている場合、設置工程では、検知器13のみを設置すればよい。
【0058】
本
参考例の研削装置1C及び研削装置1Cの製造方法によれば、第一
参考例と同様の効果を奏する。
また、本
参考例の研削装置1Cによれば、噴出流路が目詰まりした際に回転軸部11の回転が停止するため、すなわち、被削材の研削が停止するため、被削材の研削焼けが発生することをより確実に防ぐことができる。
【0059】
上記した第四
参考例の研削装置1Cは、例えば、噴出流路が目詰まりした際に回転軸部11の回転が停止した後に、砥石部材2を自動で交換する機能を有してもよい。この場合には、被削材の研削を自動的に再開することが可能となる。
【0060】
上記した第四
参考例の研削装置1Cの出力部14Cは、例えば第一〜第三
参考例と同様の警報出力部14をさらに備えてもよい。この場合には、例えば、流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が第一の所定値以下になった際に、警報出力部14から警報を出力し、その後、流量計28において研削液Wの吐出流量が第一の所定値よりも低い第二の所定値以下となったことが検知された際に、回転制御部17がモータ15に対して回転軸部11の回転停止指令を出力してもよい。
【0061】
また、第四
参考例の研削装置1Cのように、回転制御部17を、検知器13からの出力に応じて噴出流路が目詰まりしたことに基づく指令を出力する出力部14Cとして構成することは、第二、第三
参考例の研削装置1A,1Bにおいても同様に可能である。
【0062】
〔
実施形態〕
次に、
図5を参照して
実施形態に係る研削装置について説明する。
実施形態において、上記第一
参考例と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図5に示すように、本実施形態の研削装置1Dは、第一
参考例と同様の回転軸部11、ポンプ12、ポンプ制御部24、流量計28、圧力計29、出力部14D等を備える。
また、本実施形態において、ポンプ制御部24は、第一
参考例と同様に、検知器13の圧力計29から出力される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるようにポンプ12の動作を制御する。
【0064】
ただし、本実施形態の研削装置1Dは、研削液Wを砥石部材2の噴出流路に追加で供給する補助ポンプ31を備える。補助ポンプ31は、例えば
図5に示すように、補助系配管32によってポンプ12から吐出された研削液Wが流れる外部配管23に接続されてもよいが、例えば補助系配管32によって回転軸部11の供給流路18の導入口に直接接続されてもよい。また、補助系配管32には、補助系配管32を開閉する補助系バルブ33が設けられている。
【0065】
また、補助ポンプ31は、補助系供給源配管34によって研削液Wの供給源26に接続されている。これにより、補助ポンプ31は、ポンプ12と同様に、供給源26にある研削液Wを砥石部材2の噴出流路に供給する。本実施形態の研削装置1Dでは、第一
参考例と同様に供給源配管25にフィルタ27が設けられている。このため、補助系供給源配管34は、フィルタ27と補助ポンプ31との間において供給源配管25から独立して設けられ、フィルタ27と供給源26との間において供給源配管25と一体に形成されている。
【0066】
また、本実施形態の出力部14Dは、前述した第一〜第四
参考例と同様に、検知器13からの出力に応じて、砥石部材2の噴出流路が目詰まりしたことに基づく指令を出力する。本実施形態の出力部14Dは、上記した補助ポンプ31の動作を制御する補助系制御部35である。
補助系制御部35は、砥石部材2の噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、補助ポンプ31に対して動作開始指令を出力する。また、補助系制御部35は、噴出流路が目詰まりしたことに基づいて、補助系バルブ33に対して補助系配管32を開く指令を出力する。本実施形態において、補助系制御部35は、検知器13の流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が所定値以下になった際に、補助ポンプ31に対して動作開始指令を出力し、補助系バルブ33に対して補助系配管32を開く指令を出力する。
【0067】
本実施形態の研削装置1Dでは、第一
参考例の場合と同様に、研削の際に、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出圧力が一定に保持されるように、ポンプ制御部24がポンプ12の動作を制御する。このため、砥石部材2の噴出流路が砥粒層3の砥粒や被削材の切粉などによって目詰まりすると、ポンプ12から吐出される研削液Wの吐出流量が低下する。そして、補助系制御部35は、流量計28において研削液Wの吐出流量が所定値以下になったことが検知された際に、補助ポンプ31に対して動作開始指令を出力し、補助系バルブ33に対して補助系配管32を開く指令を出力する。これにより、砥石部材2の噴出流路に供給される研削液Wの流量を増加させることができる。
【0068】
以上のように構成される研削装置1Dの製造方法は、第一
参考例と同様に実施することが可能である。ただし、設置工程では、出力部14Dである補助系制御部35に加え、補助ポンプ31や補助系配管32、補助系供給源配管34も設置する。また、必要に応じて補助系バルブ33を補助系配管32に設ける。
【0069】
そして、本実施形態の研削装置1D及び研削装置1Dの製造方法によれば、第一
参考例と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の研削装置1Dによれば、砥石部材2の噴出流路が目詰まりした際に、研削液Wが噴出流路に対して追加で供給されるため、被削材の研削を継続しても、被削材の研削焼けが発生することを防ぐことができる。
【0070】
上記した
実施形態の研削装置1Dの出力部14Dは、例えば第一〜第三
参考例と同様の警報出力部14をさらに備えてもよい。この場合には、例えば、流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が所定値以下になった際に、警報出力部14から警報を出力すると同時に、補助ポンプ31により研削液Wを噴出流路に追加で供給するとよい。
【0071】
また、
実施形態の研削装置1Dの出力部14Dは、例えば第四
参考例と同様に、回転制御部17をさらに備えてもよい。この場合には、例えば、流量計28から出力される研削液Wの吐出流量が第一の所定値以下になった際に、補助ポンプ31により研削液Wを噴出流路に追加で供給し、その後、流量計28において研削液Wの吐出流量が第一の所定値よりも低い第二の所定値以下となったことが検知された際に、回転制御部17がモータ15に対して回転軸部11の回転停止指令を出力してもよい。
【0072】
また、
実施形態の研削装置1Dのように、検知器13からの出力に応じて補助ポンプ31により研削液Wを噴出流路に追加で供給する構成は、第二、第三
参考例の研削装置1A,1Bにも適用できる。
【0073】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0074】
例えば、砥石部材2の砥粒層3は、多孔質に形成されなくてもよい。この場合、砥石部材2の噴出流路は、例えば砥粒層3の内周から外周まで径方向に貫通する貫通孔によって構成されればよい。
また、砥石部材2は、例えば砥粒層3の内周側に環状の砥石基台を取り付けて構成されてもよい。この場合、砥石基台には、その内周側から外周側まで貫通して、多孔質とされた砥粒層3の空間部分や前述の貫通孔に連通し、これらと共に噴出流路を構成する連通孔が形成されればよい。