特許第6195422号(P6195422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195422
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】振動モーター
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20170904BHJP
   H02K 33/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   B06B1/04 S
   H02K33/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-251792(P2015-251792)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-29969(P2017-29969A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】201520572969.6
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】王 洪興
(72)【発明者】
【氏名】毛 路▲ビン▼
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−245409(JP,A)
【文献】 特開2015−044177(JP,A)
【文献】 特開2005−152855(JP,A)
【文献】 特開2012−016153(JP,A)
【文献】 特開昭59−193177(JP,A)
【文献】 特開昭60−156584(JP,A)
【文献】 特開2012−120303(JP,A)
【文献】 特開2011−250637(JP,A)
【文献】 特表2008−543254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動モーターであって、
弾性支持部材と、
収容空間を有するハウジングと、
前記ハウジングに前記弾性支持部材により弾性的に支持され、かつそれを貫通する第1の収容孔と第2の収容孔とを形成するカウンターウエイトと、
対向して間隔を置いて設置された第1の磁気セットと第1のコイルとを含み、前記第1の磁気セットと前記第1のコイルとのうちの一方が前記第1の収容孔に収容され、他方が前記ハウジングに固定される第1の駆動部と、
対向して間隔を置いて設置された第2の磁気セットと第2のコイルとを含み、前記第2の磁気セットと前記第2のコイルとのうちの一方が前記第2の収容孔に収容され、他方が前記ハウジングに固定され、前記第1の磁気セットと前記第2の磁気セットとがそれぞれ第1の磁場と第2の磁場を形成し、前記第1のコイルと前記第1の磁場とが相互作用して第1の磁力を発生し、前記第2のコイルと前記第2の磁場とが相互作用して第2の磁力を発生し、前記第1の磁力の方向と第2の磁力の方向とが交差する第2の駆動部と、を含み、
前記第1の磁気セットと前記第2の磁気セットは、並列に配列され、
前記第1のコイルと前記第2のコイルは、並列に配列されている、
ことを特徴とする振動モーター。
【請求項2】
前記第1の磁力の方向と前記第2の磁力の方向とは垂直であることを特徴とする請求項1に記載の振動モーター。
【請求項3】
前記第1のコイルと前記第2のコイルとは並列接続し、或いは直列接続して設置され、かつ前記ハウジングに直接的又は間接的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の振動モーター。
【請求項4】
前記カウンターウエイトは一対の所定の距離を隔てる第1の側壁と、一対の前記第1の側壁を接続する第2の側壁とを含み、前記弾性支持部材が第1の固定部と、第2の固定部と、前記第1の固定部及び前記第2の固定部を接続する屈曲部とを含み、前記第1の固定部が前記ハウジングに固定され、前記第2の固定部が前記カウンターウエイトの第1の側壁に固定され、前記屈曲部が設定角度で屈曲して設置されていることを特徴とする請求項1に記載の振動モーター。
【請求項5】
前記カウンターウエイトは前記第1の側壁から前記第1の磁力方向に沿って延在する凹溝がさらに設けられ、前記凹溝が前記第1の側壁に接続される第1の溝壁を含むことを特徴とする請求項4に記載の振動モーター。
【請求項6】
前記弾性支持部材は第3の固定部をさらに含み、前記第3の固定部が前記凹溝の第1の溝壁に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の振動モーター。
【請求項7】
前記弾性支持部材はばねであり、前記ばねがそれぞれ前記カウンターウエイトの4つの側辺に設けられ、かつ前記ばねの一端が前記ハウジングに弾性的に当接し、他の対向端が前記カウンターウエイトに嵌設されていることを特徴とする請求項に記載の振動モーター。
【請求項8】
前記振動モーターはガイドバーをさらに含み、前記カウンターウエイトには前記カウンターウエイトを貫通する案内溝が形成されており、前記ガイドバーが前記案内溝に収容されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の振動モーター。
【請求項9】
前記案内溝は対向して設置された第1の内壁と、第1の内壁と一定の距離を隔てる第2の内壁とを含み、前記ガイドバーはそれぞれ前記第1の内壁と第2の内壁とに所定の間隔を隔て、かつ前記間隔は前記カウンターウエイトが前記案内溝に垂直する水平方向に沿い振動する振幅より大きいことを特徴とする請求項8に記載の振動モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモーターに関し、特に大部分の電子製品に適用する振動モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯型の消耗性電子製品、例えば、携帯電話、携帯ゲーム機、ナビゲーション装置又は携帯型マルチメディア娯楽設備などは、ますます人々から好まれるようになる。これらの電子製品では、例えば携帯電話の着信提示、情報提示、ナビ提示、ゲーム機の振動フィードバックなどのようなシステムフィードバックとして、振動モーターが通常に用いられている。このような幅広いアプリケーションは、振動モーターの性能が良く、使用寿命が長く、サイズが小さくように要求される。
【0003】
従来、携帯型の消耗性電子製品に応用される振動モーターは、一般的に、ハウジングと、前記ハウジングと組み合わせて収容空間を形成するベースと、該収容空間に収容して固定される単一振動システムと、を含む。1つの振動システムは1つの固有共振周波数のみを有し、そのため、該伝統構成の振動モーターも1つの共振周波数のみを有する。この振動モーターが応用された末端は2つの共振周波数を実現する必要があると、2つの振動モーターを使用するだけで実現し、このように、振動モーターの占用空間が大いに増加されることを引き起こし、既存の端末が小型化方向へ発展する傾向に不利である。
【0004】
そのため、新規な振動モーターを提供して上記欠陥を克服する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上記単一振動システムの振動モーターが1つの共振周波数のみを有し、振動モーターが複数の共振周波数を有する方向へ発展することができない技術問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術問題を解決するために、本発明は振動モーターを提供し、該モーターは収容空間を有するハウジングと、カウンターウエイトと、第1の駆動部と、第2の駆動部と、を含む。前記カウンターウエイトは前記ハウジングに弾性的に支持され、かつ前記カウンターウエイトを貫通する第1の収容孔と第2の収容孔とを形成している。前記第1の駆動部は対向して間隔を置いて設置される第1の磁気セットと第1のコイルとを含み、前記第1の磁気セットと前記第1のコイルとのうちの一方が前記第1の収容孔に収容され、他方が前記ハウジングに固定される。前記第2の駆動部は、対向して間隔を置いて設置される第2の磁気セットと第2のコイルとを含み、前記第2の磁気セットと前記第2のコイルとのうちの一方が前記第2の収容孔に収容され、他方が前記ハウジングに固定される。前記第1の磁気セットと前記第2の磁気セットとはそれぞれ第1の磁場と第2の磁場を形成する。前記第1のコイルと前記第1の磁場とは相互作用して第1の磁力を発生し、前記第2のコイルと前記第2の磁場とは相互作用して第2の磁力を発生し、前記第1の磁力の方向と第2の磁力の方向とが交差する。
【0007】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記第1の磁力の方向と前記第2の磁力の方向とは垂直である。
【0008】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは並列接続し、或いは直列接続して設置され、かつ前記ハウジングに直接的又は間接的に固定される。
【0009】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記カウンターウエイトが一対の一定の距離を隔てる第1の側壁と一対の前記第1の側壁を接続する第2の側壁とを含み、前記振動モーターは前記カウンターウエイトを弾性的に支持する弾性支持部材をさらに含む。前記弾性支持部材は第1の固定部と、第2の固定部と、前記第1の固定部及び前記第2の固定部を接続する屈曲部と、を含み、前記第1の固定部が前記ハウジングに固定され、前記第2の固定部が前記カウンターウエイトの第1の側壁に固定され、前記屈曲部が設定角度で屈曲して設置される。
【0010】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記カウンターウエイトは前記第1の側壁から前記第1の磁力方向に沿って延在する凹溝がさらに設けられており、前記凹溝が前記第1の側壁に接続する第1の溝壁を含む。
【0011】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記弾性支持部材は第3の固定部をさらに含み、前記第3の固定部が前記凹溝の第1の溝壁に固定される。
【0012】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記弾性支持部材はばねであり、前記ばねがそれぞれ前記カウンターウエイトの4つの側辺に設けられ、かつ前記ばねの一端が前記ハウジングに弾性的に当接し、別の対向端が前記カウンターウエイトに嵌設される。
【0013】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記振動モーターはガイドバーをさらに含み、前記カウンターウエイトには前記カウンターウエイトを貫通する案内溝を形成しており、前記ガイドバーが前記案内溝に収容される。
【0014】
本発明は提供された振動モーターの好ましい一実施例において、前記案内溝は対向して設置される第1の内壁と、第1の内壁と一定の距離を隔てる第2の内壁とを含み、前記ガイドバーがそれぞれ前記第1の内壁と第2の内壁とに一定の間隔を隔て、かつ前記間隔は前記カウンターウエイトの前記案内溝に垂直する水平方向に沿う振幅より大きい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益的な効果は以下のとおりである。 本発明は提供された振動モーターは第1の駆動部と第2の駆動部とを設置することで前記振動モーターが異なる方向に沿って振動することを実現し、1つの前記振動モーターが異なる振動方向においてそれぞれ共振周波数を有し、従って前記振動モーターのアプリケーションシナリオを向上させ、かつ前記振動モーターを使用したデバイスの総体積をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1に提供された振動モーターの立体分解の模式図である。
図2図1に示す振動モーターにおけるカウンターウエイトと弾性支持部材との組合せ模式図である。
図3図2に示すカウンターウエイトと弾性支持部材とが組み立てられた平面構成の模式図である。
図4】本発明の実施例2によるメインハウジングを取り除いた振動モーターの組立構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施形態を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0018】
図1図2及び図3を同時に参照し、図1は本発明の実施例1に提供された振動モーター100の立体分解の模式図であり、図2図1に示す振動モーター100におけるカウンターウエイト13と弾性支持部材15との組合せ模式図であり、図3図2に示すカウンターウエイト13と弾性支持部材15とが組み立てられた平面構成の模式図である。前記振動モーター100は収容空間を有するハウジング11と、カウンターウエイト13と、導磁板14と、弾性支持部材15と、第1の駆動部17と、第2の駆動部19とを含む。前記カウンターウエイト13は前記弾性支持部材15によって前記ハウジング11の内部に弾性的に支持され、前記導磁板14は前記カウンターウエイト13の表面に設けられ、前記第1の駆動部17と前記第2の駆動部19とは前記ハウジング11の内部に収容され、かつ両者はそれぞれ方向が異なる第1の磁力と第2の磁力とを発生して前記カウンターウエイト13を駆動して異なる方向に沿って振動させる。
【0019】
前記ハウジング11はメインハウジング111と底壁113とを含み、前記底壁113が前記メインハウジング111に合わせて前記収容空間を形成する。
【0020】
前記カウンターウエイト13は前記ハウジング11の内部を弾性的に支持する。なお、前記カウンターウエイト13の中間部分は前記カウンターウエイト13を貫通する第1の収容孔131と第2の収容孔133とを形成する。そして、前記第1の収容孔131と前記第2の収容孔133とは相互に垂直して設置される。
【0021】
前記カウンターウエイト13は一対の一定の距離を隔てる第1の側壁135と、一対の前記第1の側壁135を接続する第2の側壁137と、一対の前記第1の側壁135から前記第1の磁力方向に沿って延在する一対の凹溝139とを含む。好ましくは、2つの前記凹溝139は前記カウンターウエイト13に対して対角で設置される。前記凹溝139は第1の側壁135に垂直に接続される第1の溝壁1391を含む。
【0022】
前記導磁板14は導磁材料であり、その全体が片状構造を呈している。前記導磁板14は前記メインハウジング111と前記カウンターウエイト13との間に挟設されており、かつ前記第1のカウンターウエイト131における前記メインハウジング111方向へ向ける表面に設けられる。前記導磁板14は前記振動システム100の磁場をシールドし、前記ハウジング11の表面における磁場強度を弱め、製品の漏れ磁束を低減させる。
【0023】
前記弾性支持部材15は屈曲したクリップであり、その一端が前記ハウジング11に固定され、他端が前記カウンターウエイト13に固定される。具体的には、前記弾性支持部材15は第1の固定部151と、第2の固定部153と、前記第1の固定部151及び前記第2の固定部153を接続する屈曲部155と、を含む。なお、前記第1の固定部151は前記ハウジング11のメインハウジング111に固定され、前記第2の固定部153は前記カウンターウエイト13の第1の側壁135に固定され、前記屈曲部155は一定の角度で屈曲し、前記弾性支持部材15が弾性的に変形することができる。
【0024】
選択的に、前記弾性支持部材15は第3の固定部157をさらに含むことができ、前記第3の固定部157は前記第2の固定部153に垂直に接続され、かつ前記第3の固定部157は前記凹溝139に位置する第1の溝壁1391に固定される。
【0025】
そして、前記弾性支持部材15と前記ハウジング11と前記カウンターウエイト13とが接続する結合強度を強化するために、前記第1の固定部151、前記第2の固定部153及び前記第3の固定部157の少なくとも1つの箇所には半田付けラグ159がさらに設けられる。
【0026】
前記第1の駆動部17は対向して間隔を置いて設置される第1の磁気セット171と第1のコイル173とを含む。前記第1の磁気セット171は前記カウンターウエイト13の第1の収容孔131に収容され、前記第1のコイル173は前記ハウジング11の底壁113の表面に直接的又は間接的に固定される。
【0027】
前記第2の駆動部19は対向して間隔を置いて設置される第2の磁気セット191と第2のコイル193とを含む。前記第2の磁気セット191は前記第2の収容孔133に収容され、前記第2のコイル193は前記ハウジング11の底壁113の表面に直接的又は間接的に固定される。
【0028】
前記第1の磁気セット171と前記第2の磁気セット191とはそれぞれ少なくとも1つの第1の磁気部材1711と第2の磁気部材1911を含み、かつ前記第1の磁気部材1711と前記第2の磁気部材1911とは永久磁石又は電気磁石であっでもよい。
【0029】
本実施例において、前記第1の磁気セット171と前記第2の磁気セット191とは相互に垂直して設置される。なお、前記第1の磁気セット171は2つの対向して間隔を置いて設置される第1の磁気部材1711を含み、2つの前記第1の磁気部材1711の磁極方向が相反し、かつ閉じられる第1の磁場を形成する。前記第2の磁気セット191は2つの対向して間隔を置いて設置される第2の磁気部材1711を含み、2つの前記第2の磁気部材1711の磁極方向は相反し、かつ閉じられる第2の磁場を形成する。
【0030】
なお、前記第1のコイル173と前記第2のコイル193とは直列接続し、或いは並列接続して設置されることができ、両者が外部回路の駆動信号を共同に受信して前記振動モーター100を駆動する。
【0031】
さらに、前記第1のコイル173と前記第1の磁場とは相互作用して前記第1の磁力を発生し、前記第2のコイル193と前記第2の磁場とは相互作用して前記第2の磁力を発生し、前記第1の磁力の方向と第2の磁力の方向とが交差する。好ましくは、前記第1の磁力の方向と前記第2の磁力の方向とが相互に垂直する。
【0032】
前記振動モーターの振動平面に相互に垂直するX方向とY方向とを設定し、かつ前記第1の磁力と前記第2の磁力との方向がそれぞれ前記X方向及び前記Y方向に平行するように設定すると、前記振動モーター100はそれぞれ前記X方向及び前記Y方向において振動することができる。
【0033】
なお、前記弾性支持部材15の前記X方向及び前記Y方向における剛性係数が異なると、前記振動モーターの前記X方向及び前記Y方向における共振周波数は異なっている。前記弾性支持部材15の前記X方向及び前記Y方向における剛性係数が同じであると、前記振動モーターの前記X方向及び前記Y方向における共振周波数は同じである。本発明において、前記振動モーターの前記X方向及び前記Y方向における共振周波数は同じであっでもよく、異なってもよく、それを限定することがしない。
【0034】
本実施例において、前記振動モーター100の前記X方向における共振周波数を第1の共振周波数とし、前記Y方向における共振周波数を第2の共振周波数とする。なお、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とは同じであっでもよく、異なってもよい。
【0035】
前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが同じである時に、前記第1の駆動部17と前記第2の駆動部19とが前記駆動信号の作用でそれぞれ前記カウンターウエイト13を駆動して前記X方向及び前記Y方向に沿って振動させ、かつ前記カウンターウエイト13の前記X方向及び前記Y方向に沿う振動が重ね合わせた総振動強度は前記X方向及び前記Y方向のうちのいずれの方向の振動強度より強い。なお、前記駆動信号の周波数が前記第1の共振周波数及び前記第2の共振周波数に等しいと、前記カウンターウエイト13は前記X方向及び前記Y方向に沿ってそれぞれ最大の振動強度を獲得する。同様に、前記カウンターウエイト13の前記X方向及び前記Y方向に沿う振動が重ね合わせられた総振動強度は前記X方向及び前記Y方向のうちのいずれの方向の最大の振動強度より強い。
【0036】
前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とは一定の差を有する時に、前記駆動信号の周波数が前記第1の共振周波数に等しいと、前記カウンターウエイト13はX方向に沿って最大の振動強度を獲得し、Y方向に沿う振動が相対的に弱く、そのため、前記振動モーター100は前記X方向に沿って振動感が最も強烈である。同様に、前記駆動信号の周波数が前記第2の共振周波数に等しいと、前記カウンターウエイト13がY方向に沿って最大の振動強度を獲得し、X方向に沿う振動が相対的に弱く、そのため、前記振動モーター100は前記Y方向に沿って振動感が最も強烈である。つまり、前記振動モーター100は前記X方向及び前記Y方向に沿って2つの異なる共振周波数を有する。そして、1つの共振周波数のみを有する伝統の振動モーターに対して、2つの異なる共振周波数を有する前記振動モーター100は前記振動モーター100のフィードバックアプリケーションが大きな発揮空間を有させ、前記振動モーター100のアプリケーションシナリオを大きく向上させ、かつ前記振動モーター100を使用したデバイスの総体積をさらに低減させることができる。
【0037】
図4を参照し、それは本発明の実施例2による振動モーターの前記ハウジングを取り除いた組立構造の模式図である。実施例2において、前記振動モーター200の構造は前記実施例1に提供された振動モーター100と基本的に同じであるが、前記振動モーター200の弾性支持部材25がばねであり、前記弾性支持部材25がそれぞれ前記カウンターウエイト23の4つの側辺に設けられ、かつ前記振動モーター200がガイドバー26をさらに含み、前記ガイドバー26が前記第1の磁力方向に沿って前記カウンターウエイト23を貫通することのみは区別になる。同様に、前記振動モーター200において前記第1の磁力方向が前記X方向に平行し、前記第2の磁力方向が前記Y方向に平行するように設定し、かつ前記X方向及び前記Y方向に同時に垂直する方向がZ方向であるように設定すると、前記ガイドバー26は前記カウンターウエイト23が前記Z方向に沿って運動することを限定する。
【0038】
なお、前記実施例2において、前記カウンターウエイト23の4つの側辺にはそれぞれ1つの前記弾性支持部材25が設けられる。かつ、前記弾性支持部材25の一端が前記ハウジング(表示せず)に弾性的に当接され、他端が前記カウンターウエイト23に嵌設される。そして、前記弾性支持部材25の前記X方向及び前記Y方向に沿う弾性系数は同じであっでもよく、異なってもよく、本発明はそれを限定することがしない。つまり、前記実施例2は提供された振動モーター200の前記X方向及び前記Y方向における共振周波数が同じであっでもよく、異なってもよく、それを限定することがしない。
【0039】
前記ガイドバー26全体は円柱体状を呈している。本実施例2において、2つの前記ガイドバー26は設けられ、かつ前記カウンターウエイト23の対向する両端にそれぞれ設けられる。そして、前記ガイドバー26の対向する両端はそれぞれ前記振動モーター100のハウジングに固定される。
【0040】
相応的に、前記カウンターウエイト23の対向する両端には前記X方向に沿って前記カウンターウエイト23を貫通する案内溝236がそれぞれ形成されている。前記ガイドバー26は前記案内溝236に収容され、かつ前記案内溝236に合せて前記カウンターウエイト23が自重によって前記Z方向に沿って降下し、及びアンバランスによる前記Z方向の揺動を制限することができる。
【0041】
そして、前記案内溝236は第1の内壁2361と、Y方向に沿って前記第1の内壁と一定の距離を隔てる第2の内壁2363とを含む。前記ガイドバー26は前記第1の内壁2361及び前記第2の内壁2363と間隔を置いて設置され、かつ前記間隔が前記カウンターウエイト23のY方向における最大振幅より大きく、すなわち、前記間隔が前記カウンターウエイト23の前記案内溝236に垂直する水平方向に沿う最大振幅より大きい。
【0042】
本実施例2に限定されず、そのほかの置換可能な実施例において、前記振動モーターはいずれも前記ガイドバーを利用して前記カウンターウエイトの運動を制限することができる。例えば、実施例1において、前記振動モーター100は前記ガイドバーが設けられることもでき、前記ガイドバーが前記カウンターウエイトを貫通する案内溝に収容され、かつ前記カウンターウエイトの運動を制限する。
【0043】
さらに、上記実施例において、前記磁気セットと前記コイルとの役割はお互いに交換することもでき、例えば、前記コイルが前記カウンターウエイトの収容孔に収容され、前記磁気セットが前記ハウジングの表面に直接的又は間接的に固定される。
【0044】
そして、上記実施例に限定されず、本発明は提供された振動モーターの第1の駆動部と第2の駆動部とが発生する第1の磁力及び第2の磁力はそのほかのいずれの適当な角度で交差することができ、相互に平行することもでき、それは製品の実際の設計要求に応じて決められる。なお、前記第1の駆動部と前記第2の駆動部とが前記第1の磁力及び前記第2の磁力によってそれぞれ前記カウンターウエイトを駆動して異なる方向に沿って振動する原理は実施例1と基本的に同じであり、ここでは繰り返し説明しない。
【0045】
本発明は提供された振動モーターは第1の駆動部及び第2の駆動部を設置することで前記振動モーターが異なる方向に沿って振動することを実現し、1つの前記振動モーターが2つの異なる振動方向においてそれぞれ異なる共振周波数を有し、それによって前記振動モーターのアプリケーションシナリオを向上させ、かつ前記振動モーターを使用したデバイスの総体積をさらに低下させる。
【0046】
以上に記述されたのは本発明の好ましい実施形態に過ぎない。ここで、当業者にとっては、本発明の創造思想を逸脱しない前提で、改良を行うことができ、それは本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4