(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の比較例には、アクリル基板やPET基板上にチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を塗布、加熱、乾燥して得られる酸化物膜は基板への密着性が悪く、剥離してしまうことが記載されており、部分加水分解されたチタニアゾルを用いないと基板への密着性のよい金属酸化物膜が得られないことが示されている。
特許文献2の方法では、セルロース繊維表面を疎水化するために、テトラブトキシチタン処理と加水分解処理からなるサイクルを5回以上繰り返して二酸化チタン膜を形成する必要があり、その後の長鎖アルキルシラン処理に24時間も要する。
特許文献3に記載の方法では、基材上に金属酸化物膜を形成した後、有機シラン化合物の溶液で処理する前に加水分解工程を必要とし、かつ、得られる膜は金属酸化物膜と有機シラン化合物膜が交互に積層した多層薄膜であって、膜表面が疎水性を有するかどうかの記載はない。
本願発明は、プラスチック製、金属製、またはガラス製の基板表面に、密着性の優れた疎水性の単分子膜を形成することにより、表面が疎水化された基板を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、炭素数4以上の金属アルコキシドを用いて金属酸化物膜を形成し、さらに炭素数15以上の長鎖アルキルトリアルコキシシランを用いて疎水処理することにより、金属製等の基板上に、密着性の優れた疎水性膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
プラスチック製、金属製、またはガラス製基板を式(I)
M(OR
1)
4 (I)
(式(I)中、R
1は、炭素数4以上の炭化水素基を表し、Mは、チタン原子またはジルコニウム原子を表す。)
で表される金属アルコキシドで処理し、さらに、式(II)
R
2−Si−X
3 (II)
(式中、R
2は、無置換または置換基を有する炭素数15以上の炭化水素基を表し、
Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、Xは同一であっても、相異なっていてもよい。)で表される有機シラン化合物で処理する、表面が疎水化された基板の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法を用いることにより、基板上に密着性のよい金属酸化物膜からなる下地膜を形成でき、さらに下地膜つき基板を長鎖アルキル基含有の有機シラン化合物で処理すれば、簡便かつ短時間で疎水化された表面を有する基板を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の方法は、プラスチック製、金属製、またはガラス製基板を、上記式(I)で表される金属アルコキシドで処理し、さらに、上記式(II)で表される有機シラン化合物で処理する。
【0008】
(基板)
本発明に用いられる基板は、プラスチック製、金属製、またはガラス製基板である。
プラスチック製基板は、その素材が高分子である基板であれば、特に制限されず、具体的には、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を好ましく例示することができる。セラミック、紙、繊維、金属等の表面に高分子の層または高分子を主成分とする層を設けた基板も便宜上プラスチック製基板とする。
金属製基板の金属も特に制限はないが、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル等を好ましく例示することができる。プラスチック製基板と同様に、セラミック、紙、繊維等の表面に金属層または金属を主成分とする層を設けた基板も便宜上金属製基板とする。
ガラス製基板は、その素材が、酸化ケイ素を主成分とする基板であれば、特に制限されず、プラスチック製基板と同様に、セラミック、紙、繊維等の表面に酸化ケイ素の層または酸化ケイ素を主成分とする層を設けた基板も便宜上ガラス製基板とする。
【0009】
(金属アルコキシド)
本発明に用いられる式(I)で表される金属アルコキシド中、Rは、炭素数4以上の炭化水素基を表し、具体的には、炭素数4〜30の炭化水素基であり、炭化水素基として、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。
【0010】
アルキル基として、炭素数4〜10の直鎖又は分岐したアルキル基が好ましく、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等が挙げられ、さらに炭素数10を超える長鎖のアルキル基としては、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
【0011】
シクロアルキル基として、炭素数4〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0012】
アルケニル基は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有するアルキル基を意味し、炭素数4〜10の直鎖又は分岐したアルケニル基が好ましく、例えば、1−ブテン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、3−ブテン−2−イル基、1−ペンテン−1−イル基、4−ペンテン−1−イル基、1−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−2−イル基、3−メチル−1−ブテン−1−イル基、1−ヘキセン−1−イル基、5−ヘキセン−1−イル基、1−ヘプテン−1−イル基、6−ヘプテン−1−イル基、1−オクテン−1−イル基、7−オクテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−1−イル基等が挙げられる。
【0013】
シクロアルケニル基として、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有するシクロアルキル基を意味し、炭素数4〜8のシクロアルケニル基が好ましく、例えば、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられる。
【0014】
アルキニル基は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素三重結合を有するアルキル基を意味し、炭素数4〜10の直鎖又は分岐したアルキニル基が好ましく、例えば、1−ブチン−1−イル基、3−ブチン−1−イル基、1−ペンチン−1−イル基、4−ペンチン−1−イル基、1−ヘキシン−1−イル基、5−ヘキシン−1−イル基、1−ヘプチン−1−イル基、1−オクチン−1−イル基、7−オクチン−1−イル基等が挙げられる。
【0015】
シクロアルキルアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基と炭素数1〜10のアルキル基の結合した基が好ましく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基等が挙げられる。
【0016】
アリール基としては、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含し、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が例示することができ、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
【0017】
アリールアルキル基としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0018】
アリールアルケニル基としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基が結合した基が好ましく、例えば、スチリル基、3−フェニル−1−プロペン−1−イル基、3−フェニル−2−プロペン−1−イル基、4−フェニル−1−ブテン−1−イル基、4−フェニル−3−ブテン−1−イル基、5−フェニル−1−ペンテン−1−イル基、5−フェニル−4−ペンテン−1−イル基、8−フェニル−1−オクテン−1−イル基、8−フェニル−7−オクテン−1−イル基、ナフチルエテニル基等が挙げられる。
【0019】
式(I)で表される金属アルコキシドとして、具体的には、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム、テトラ(イソブトキシ)チタン、テトラ(イソブトキシ)ジルコニウム等を例示することができる。
これらの金属アルコキシドは1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】
(有機シラン化合物)
本発明で使用される式(II)で表される有機シラン化合物中、R
1は無置換または置換基を有する炭素数15以上の炭化水素基を表し、炭化水素基として、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0021】
アルキル基としては、炭素数15〜30の直鎖又は分岐したアルキル基が好ましく、例えば、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、エイコサニル基、ドコサニル基、テトラコサニル基、オクタコサニル基、トリアコンタニル基等が挙げられる。
【0022】
アルケニル基としては、炭素数15〜30の直鎖又は分岐したアルケニル基が好ましく、例えば、パルミトレイニル基(9−ヘキサデセニル基)、オレイニル基(cis−9−オクタデセニル基)、バクセニル基(11−オクタデセニル基)、リノリル基(cis,cis−9,12−オクタデカジエニル基)、9,12,15−リノレニル基(9,12,15−オクタデカントリエニル基)、6,9,12−リノレニル基(9,12,15−オクタデカントリエニル基)、エレオステアリニル基(9,11,13−オクタデカトリエニル基)、8,11−エイコサジエニル基、5,8,11−エイコサトリエニル基、アラキドニル基(5,8,11,13−エイコサテトラエニル基)、ネルボニル基(cis−15−テトラコサエニル基)、ドコサヘキサエニル基、ペンタエイコサエニル基等が挙げられる。
【0023】
アルキニル基としては、炭素数15〜30の直鎖又は分岐したアルキニル基が好ましく、具体的には、8−ペンタデシニル基、8−ヘキサデシニル基、8−ヘプタデシニル基、8−オクタデシニル基、8−イコシニル基、8−ドコシニル基、ヘプタデカ−8,11−ジイニル基等が挙げられる。
【0024】
式(II)中のXは、水酸基又は加水分解性基を表す。加水分解性基とは、例えば、触媒、及び水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、具体的には、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基原子、イソシアネート基、無置換または置換アミノ基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
【0025】
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアシルオキシ基(ただし、炭素数にはカルボニル基の炭素を含まない)としては、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。無置換または置換アミノ基として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチルアニリノ基等を挙げられる。
【0026】
式(II)で表される化合物として、具体的には、n−ペンタデシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−ヘプタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−エイコシルトリメトキシシラン、1−オクタデセニルトリメトキシシラン、9−オクタデセニルトリメトキシシラン、n−ペンタデシルトリクロロシラン、n−ヘキサデシルトリクロロシシラン、1−オクタデセニルトリクロロシシラン、9−オクタデセニルトリクロロシラン等が挙げられる。
【0027】
(金属アルコキシドの基板への成膜方法)
本発明の金属アルコキシドを用いたプラスチック製等基板上への成膜方法として具体的には、金属アルコキシドを含む溶液を公知の塗布方法を用いて成膜する方法を例示することができ、公知の塗布方法として、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等を挙げることができる。また、形成する膜厚としては、特に制限されるものではなく、例えば、1nm〜200μm程度であるのが好ましい。
金属アルコキシドを含む溶液の調製方法は、特に制限されず、式(I)で表される金属アルコキシドを、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、n−へキサン、n−オクタン、n−デカン、アイソバー(登録商標)G、パラフィン等の飽和脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、エタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等で酸化物換算固形分として、0.0001重量%〜2重量%の範囲に、好ましくは、0.001〜1重量%の範囲に希釈して調製することができる。溶媒としては、芳香族炭化水素系、飽和脂肪族炭化水素系等の炭化水素系溶媒が好ましい。
【0028】
上記金属アルコキシドを含む溶液は、上記金属アルコキシド以外に、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン等を含有してもよい。また、上記金属アルコキシドの加水分解を促進するために酸や塩基等の触媒を含有していてもよい。
【0029】
式(I)で表される金属アルコキシドを含む溶液を塗布した後は、基板を水洗または含水溶液等で処理することにより、表面に存在するアルコキシ基を加水分解してヒドロキシル基に変換してもよい。さらに、室温若しくは加熱乾燥することにより、強固な膜とすることができる。
【0030】
(有機シラン化合物の下地膜形成基板への成膜方法)
式(I)で表される金属アルコキシドで成膜された基板上に式(II)で表される有機シラン化合物を成膜する方法としては、式(II)で表される有機シラン化合物を含む溶液を公知の塗布方法を用いて成膜する方法を例示することができ、式(II)で表される有機シラン化合物を含む溶液としては、例えば、市販されている溶液であるSAMLAY(登録商標、有機溶媒中にオクタデシルトリメトキシシランを含有する溶液、日本曹達株式会社製)が挙げられ、公知の塗布方法として、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等を挙げることができる。また、形成する膜厚としては、特に制限されるものではなく、例えば、2nm〜1μm程度であるのが好ましい。式(II)で表されるアルコキシシランを含む溶液の調製方法としては、特に制限されず、具体的には、国際公開公報2003−76064号、国際公開公報2004−91810号、国際公開公報2006−9202号、国際公開公報2008−59840号、国際公開公報2009−104424号等に記載されている方法に準じて調製することができる。
【0031】
上記有機シラン化合物を含む溶液は、上記有機シラン化合物以外に、有機薄膜形成補助剤として上記有機シラン化合物と相互作用し得る化合物を含有していてもよい。該有機シラン化合物と相互作用し得る化合物として、金属酸化物;金属水酸化物;金属アルコキシド類;キレート化又は配位化された金属化合物;金属アルコキシド類部分加水分解生成物;金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量以上の水で処理して得られた加水分解生成物;有機酸;シラノール縮合触媒;及び酸触媒等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0032】
[調製例1]
200mlのガラス製容器に、n−ヘキサンを99.9g仕込み、次いで0.1gのチタンブトキシド(日本曹達株式会社製)を添加し、溶解して下地膜形成溶液Aを調製した。
[調製例2]
200mlのガラス製容器に、n−ヘキサンを99.5g仕込み、次いで0.5gのジルコニウムブトキシド(日本曹達株式会社製)を添加し、溶解して下地膜形成溶液Bを調製した。
[調製例3]
200mlのガラス製容器に、n−ヘキサンを99.3g仕込み、次いで0.5gのチタンブトキシド(日本曹達株式会社製)と0.22gのテトラメトキシシランを添加し、溶解して下地膜形成溶液Cを調製した。
[実施例1]
事前に溶媒及び純水で洗浄したシリコンウェハを、下地膜形成溶液Aに室温で5分間浸漬し、その後60℃で10分間乾燥させ下地膜を形成した。次いで、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に10分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は108°であった。
[実施例2]
実施例1と同様に処理して下地膜を形成し、次いで0.50gのオクタデシルトリメトキシシランと99.5gのトルエンに溶解させた有機薄膜形成溶液に10分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は102°であった。
[実施例3]
実施例1と同様に処理して下地膜を形成した基板を、室温で1分間、水に浸漬し、その後60℃で10分間乾燥を行った。次いで、水洗処理をした基板を有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に10分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は107°であった。
[実施例4]
事前に溶媒及び純水で洗浄した鏡面仕上げSUS304基板を、1M水酸化ナトリウム水溶液に室温で30分間浸漬し、次いで純水で充分に洗浄しイソプロピルアルコール(IPA)で洗浄して、その後60℃で10分間乾燥を行った。その後、下地膜形成溶液Aに5分間浸漬し、60℃で10分間乾燥させ下地膜を形成した。次いで、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は108°であった。
[実施例5]
実施例4の鏡面仕上げSUS304基板をニッケル電鋳板に変え、同様に処理して下地膜を形成した。次いで有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は109°であった。
[実施例6]
下地膜形成溶液Aの代わりに、下地膜形成溶液Bを用いる以外は、実施例4と同様に行い、下地膜を形成した。次いで、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は119°であった。
[実施例7]
下地膜形成溶液Aの代わりに、下地膜形成溶液Cを用いる以外は、実施例1と同様に行い、下地膜を形成した。次いで、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、下地膜の上に有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は107°であった。
[比較例1]
下地膜を形成しないシリコンウェハを、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に10分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は70°であった。
[比較例2]
下地膜を形成しない鏡面仕上げSUS基板を、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は93°であった。
[比較例3]
下地膜を形成しないニッケル電鋳板を、有機薄膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達株式会社製)に30分間浸漬した後、n−デカンで洗浄、60℃で30分間乾燥し、有機薄膜を形成した。
この表面の撥液性を水の接触角で確認したところ、接触角は90°であった。