特許第6195433号(P6195433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195433
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20170904BHJP
   F24F 1/00 20110101ALI20170904BHJP
【FI】
   F24F1/00 401D
   F24F1/00 391C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-223487(P2012-223487)
(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公開番号】特開2014-74574(P2014-74574A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年9月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】東浦 国広
(72)【発明者】
【氏名】内藤 康弘
(72)【発明者】
【氏名】森 裕典
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−078220(JP,A)
【文献】 特開平10−267316(JP,A)
【文献】 特開2004−020144(JP,A)
【文献】 特開2006−323084(JP,A)
【文献】 特開平11−083154(JP,A)
【文献】 特開2009−264662(JP,A)
【文献】 特開平11−264572(JP,A)
【文献】 特開2011−058779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00,1/02
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体内に室内熱交換器が設置され、該室内熱交換器端部の熱交配管の露出部の前面を覆い、該熱交配管の表面で結露した水滴の飛散を防止する配管カバーを備えている空気調和機の室内ユニットにおいて、
前記配管カバーは、一端固定部が前記室内熱交換器の前記熱交配管に固定設置されるとともに、他端固定部が前記ユニット本体もしくは該ユニット本体内に固定設置されている他の機器に固定設置され、
該配管カバーの前記一端固定部と前記他端固定部との間の前記室内熱交換器からの衝撃荷重が加わる適所に衝撃吸収部が設けられ、
前記配管カバーの下端縁は傾斜縁とされ、その傾斜先端から前記水滴を前記室内熱交換器の下部に配設されたドレンパン内に滴下させることを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
【請求項2】
前記衝撃吸収部は、前記他端固定部の近傍に形成されたU字状の屈曲部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項3】
前記配管カバーには、前記室内熱交換器の端部表面との接触部位に、前記室内熱交換器の容量の大小に対応して該配管カバーを共用化するためのノックアウト部が一体に成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項4】
前記配管カバーには、前記室内熱交換器の端部に設けられているアース止め部の前面を覆う可触防止壁が一体に成形されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空気調和機の室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内熱交換器の端部から露出されている熱交配管の前面側を覆う配管カバーを備えている空気調和機の室内ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユニット本体内に室内熱交換器、室内ファン、ドレンパン、コントロールボックス等が配設され、その前面側に前面カバーアセンブリが着脱自在に設置されている空気調和機の室内ユニットでは、冷房運転時、プレートフィン&チューブ形熱交換器が用いられている室内熱交換器において、その側板より外方に突出されている熱交配管の表面で結露する場合があり、その結露水が滴下して周辺に飛散するのを防止するため、熱交配管の前面側を覆う配管カバーを室内熱交換器の端部に設置している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この配管カバーは、通常、室内熱交換器の端部とユニット本体あるいはユニット本体内に固定設置されているコントロールボックス等との間に固定設置されており、室内熱交換器の端部から外方に突出されている熱交配管の前面側を覆うことによって、熱交配管から滴下した結露水が周辺に飛散するのを防止し、その結露水をドレンパン内に導くように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−121880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記配管カバーは、室内熱交換器端部とユニット本体あるいはユニット本体内に固定設置されている他の機器等との間に固定設置されているため、室内ユニットが輸送時あるいは運搬時に落下されたとき、室内熱交換器からの衝撃荷重がそのまま配管カバーに加わることになり、その衝撃荷重によって、配管カバーあるいは該配管カバーが固定設置されているユニット本体もしくはユニット本体内に固定設置されている他の機器が破損、ダメージを受ける虞があった。
【0006】
また、配管カバーは、室内熱交換器の端部の前面側に設けられるため、熱交換器前面との接触部位が室内熱交換器の端部前面の形状に合わせた形状とされている。一方、室内ユニットは、その容量に対応して室内熱交換器の大きさを変えて対応することがあり、この場合、小さい容量の室内熱交換器の前面に、いわゆる補助熱交換器を配置して大容量化しているため、別の配管カバーを準備しなければならない等の課題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、室内ユニットの落下による配管カバー、その他機器等の破損、ダメージを防止することができる一方、室内熱交換器の容量の大小に対応して配管カバーを共用化することができる空気調和機の室内ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明の空気調和機の室内ユニットは、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる空気調和機の室内ユニットは、ユニット本体内に室内熱交換器が設置され、該室内熱交換器端部の熱交配管の露出部の前面を覆い、該熱交配管の表面で結露した水滴の飛散を防止する配管カバーを備えている空気調和機の室内ユニットにおいて、前記配管カバーは、一端固定部が前記室内熱交換器の前記熱交配管に固定設置されるとともに、他端固定部が前記ユニット本体もしくは該ユニット本体内に固定設置されている他の機器に固定設置され、該配管カバーの前記一端固定部と前記他端固定部との間の前記室内熱交換器からの衝撃荷重が加わる適所に衝撃吸収部が設けられ、前記配管カバーの下端縁は傾斜縁とされ、その傾斜先端から前記水滴を前記室内熱交換器の下部に配設されたドレンパン内に滴下させることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、室内熱交換器端部の熱交配管の露出部の前面側を覆うように配管カバーを設けているため、熱交配管の表面で結露した水滴の周辺への飛散を防止し、室内等への漏出を防ぐことができる。また、一端固定部が室内熱交換器の熱交配管に固定設置されるとともに、他端固定部がユニット本体もしくは該ユニット本体内に固定設置されている他の機器に固定設置される配管カバーの一端固定部と他端固定部との間の適所に、衝撃吸収部を設けているため、室内ユニットが輸送時あるいは運搬時に落下したとき、室内熱交換器とユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器との間に固定されている配管カバーに対して、室内熱交換器から衝撃荷重が加わることになるが、該衝撃荷重を配管カバーに設けられている衝撃吸収部により吸収、緩和することができる。従って、室内ユニットの落下時、配管カバーあるいは該配管カバーが固定されているユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器等の破損、ダメージを防止することができる。
【0010】
さらに、本発明の空気調和機の室内ユニットは、上記の空気調和機の室内ユニットにおいて、前記衝撃吸収部は、前記他端固定部の近傍に形成されたU字状の屈曲部により構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、衝撃吸収部が、他端固定部の近傍に形成されたU字状の屈曲部により構成されているため、室内ユニットの落下時、室内熱交換器から配管カバーに加わる衝撃荷重を、配管カバーをユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器に設置する他端固定部近傍に形成されているU字状の屈曲部の撓み変形により吸収、緩和することができる。従って、室内ユニットの落下時、配管カバーの破損あるいは配管カバーが固定されているユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器等の破損、ダメージを確実に防止することができる。
【0012】
さらに、本発明の空気調和機の室内ユニットは、上述のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、前記配管カバーには、前記室内熱交換器の端部表面との接触部位に、前記室内熱交換器の容量の大小に対応して該配管カバーを共用化するためのノックアウト部が一体に成形されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、配管カバーにおける室内熱交換器の端部表面との接触部位に、室内熱交換器の容量の大小に対応して該配管カバーを共用化するためのノックアウト部が一体に成形されているため、ユニット本体等を共用化して室内熱交換器の容量を変え、容量の異なる室内ユニットを構成する際、室内熱交換器の前面に、いわゆる補助熱交換器を配置して大容量化することがあるが、この場合でも、室内熱交換器の容量の大小に対応して基本容量のままで使用する場合、ノックアウト部を付けたままで配管カバーを用い、大容量化する場合、ノックアウト部を除去して配管カバーを用いることにより、1種の配管カバーを共用化して対応することができる。従って、室内熱交換器の容量の大小に対応して、別々の配管カバーを準備する必要がなく、配管カバーの成形型数および型費用の削減と配管カバーの生産効率の向上により、コスト低減を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明の空気調和機の室内ユニットは、上述のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、前記配管カバーには、前記室内熱交換器の端部に設けられているアース止め部の前面を覆う可触防止壁が一体に成形されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、配管カバーに室内熱交換器の端部に設けられているアース止め部の前面を覆う可触防止壁が一体に成形されているため、メンテナンス時等に、前面カバーを取り外し、室内熱交換器を露出した状態とした場合でも、室内熱交換器の端部に設けられているアース止め部の前面を可触防止壁で覆っていることから、不用意にアース止め部に触れてしまう事態を防止することができる。従って、不用意な感電等に対する保護機能を向上することができるとともに、専用の保護カバーを省略化することで部品数を削減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、室内ユニットが輸送時あるいは運搬時に落下したとき、室内熱交換器とユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器との間に固定されている配管カバーに対して、室内熱交換器から衝撃荷重が加わることになるが、該衝撃荷重を配管カバーに設けられている衝撃吸収部により吸収、緩和することができるため、室内ユニットの落下時、配管カバーあるいは該配管カバーが固定されているユニット本体もしくは該ユニット本体内に設置されている他の機器等の破損、ダメージを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの前面カバーアセンブリを取り外した状態の正面図である。
図2図1に示す空気調和機の室内ユニットを右前方側から見た状態の斜視図である。
図3図1に示す空気調和機の室内ユニットにおける配管カバー設置部周りの拡大図である。
図4図1に示す空気調和機の室内ユニットに用いる配管カバーの正面図(A)とその左・右側面図(B)、(C)、平面図(D)および底面図(E)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの前面カバーアセンブリを取り外した状態の正面図が示され、図2には、その斜視図、図3には、その配管カバー設置部周りの拡大図、図4には、配管カバーの構成図が示されている。
空気調和機の室内ユニット1は、ベース3と、このベース3の前面側に着脱自在に組み付けられる図示省略された前面カバーアセンブリとから構成されるユニット本体2を備えている。
【0019】
ユニット本体2内には、ユニット本体2の前面、上面、背面に沿うように、折り曲げまたは分割されて略Λ形状に配置された室内熱交換器4、該室内熱交換器4の下流側に水平に配置された図示省略のクロスフローファン、該ファンの駆動用モータ、室内熱交換器4の前面側下部に配設されるドレンパン5が一体に設けられるとともに、風向調整用のルーバおよびフラップ6が一体に組み込まれた吹出し口アセンブリ7、コントロールボックス8等々が、公知の如くベース3に組み付けられて配設されている。
【0020】
そして、ベース3に組み込まれた上記の各機器の上面、前面、および左・右側面を覆うように、前面カバーアセンブリがベース3に組み付けられるようになっている。この前面カバーアセンブリには、室内空気をユニット本体2内に吸い込むための吸込みグリルが形成されるとともに、その背面側にエアフィルタが組み込まれ、更にはエアフィルタを自動清掃するためのフィルタ清掃機構等が組み込まれる場合がある。
【0021】
室内熱交換器4は、プレートフィン&チューブ形の熱交換器とされており、その折り曲げ部または分割部には、空気流のバイパスを防ぐ遮風板9が設けられている。また、プレートフィン&チューブ形熱交換器は、通常、ヘアピンチューブの左・右側板間に多数のプレートフィン10を通した後、ヘアピンチューブを拡管してチューブとフィンおよび側板との間を互いに密着し、隣接するヘアピンチューブの開口端同士をUベント管11で接続することにより、蛇行状の配管通路を形成した構成を有するものであり、熱交換器端部の左・右側板から外方にUベント管11およびヘアピンチューブの折り曲げ部等の熱交配管12が突出された構成とされている。
【0022】
このような室内熱交換器4を備えた室内ユニット1を冷房または除湿運転すると、室内熱交換器4に低圧冷媒が流通されるため、室内熱交換器4の端部から外方に突出している熱交配管12の表面で空気中の水分が結露し、それが水滴となって下方に滴下する。この水滴が下方に配設されている部品上に滴下して周辺に飛散すると、種々の不具合を発生する虞がある。特に、コントロールボックス8が配設されている右側部においては、電気系統への影響、あるいは室内への漏出等が懸念されるため、熱交配管12の前面側、すなわち室内熱交換器4の端部側の前面を配管カバー13により覆っている。
【0023】
この配管カバー13は、図4に示されているように、結露水の飛散を防止するカバー本体部14と、配管カバー13の一端側を室内熱交換器4の端部に固定設置するための一端固定部15と、配管カバー13の他端側をユニット本体2内の他の機器であるコントロールボックス8に固定設置するための他端固定部16と、輸送あるいは運搬時における室内ユニット1の落下時、配管カバー13に加わる室内熱交換器4からの衝撃荷重を吸収、緩和する衝撃吸収部17と、室内熱交換器4の容量の大小に対応し、室内熱交換器4の容量が大容量化される場合、除去して使用されるノックアウト部18,19と、室内熱交換器4の端部に設けられているアース止め部の前面を覆う可触防止壁20とを備えた構成とされている。
【0024】
カバー本体部14は、室内熱交換器4の右端部を上下方向に覆う形状を有し、特に室内熱交換器4の右端部とコントロールボックス(他の機器)8間の隙間の前面側を覆う部分が幅広とされている。室内熱交換器4の端部に固定設置される一端固定部15は、室内熱交換器4の一端部から外方に突出されている熱交配管12に対して嵌め込み固定される嵌め込み部とされており、また、コントロールボックス8に固定設置される他端固定部16は、コントロールボックス8の一面にネジ21を介して固定するための穴22を備えたフランジ部とされている。
【0025】
衝撃吸収部17は、カバー本体部14と、そのカバー本体部14から延長されている他端固定部16との間に形成されたU字状の屈曲部によって構成されている。また、ノックアウト部18,19は、カバー本体部14の室内熱交換器4の端部表面との接触部位に一体成形されるものであり、室内熱交換器4を基本容量のまま用いる場合、ノックアウト部18,19を付けたままで使用し、室内熱交換器4の容量を大きくして室内ユニット1を大容量仕様とするため、室内熱交換器4の前面に、いわゆる補助熱交換器を配置して大容量化する場合、ノックアウト部18,19を除去して使用する構成とされている。
【0026】
さらに、可触防止壁20は、カバー本体部14の下方位置から側方に一体に延出されている壁面であり、コントロールボックス8から出ているアース線の端子を室内熱交換器4の下部側の一端部に固定しているアース止め部23(図3参照)の前面を覆う大きさを有する構成とされている。また、カバー本体部14の下端縁は、傾斜縁されており、その傾斜先端24から水滴をドレンパン5内に滴下させ、ドレンパン5を介して回収可能な構成とされている。なお、カバー本体部14の外表面側には、適宜数の補強リブ25が一体に成形されている。
【0027】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
空気調和機を冷房または除湿運転すると、室内ユニット1内の室内熱交換器4は、蒸発器として機能することになる。これによって、室内ファンを介して循環される室内空気を冷却、除湿することができ、その空気を室内に吹出すことにより冷房または除湿に供することができる。この際、低圧冷媒が流通される室内熱交換器4の端部において、外方に突出している熱交配管12の表面で空気中の水分が結露し、それが水滴となって滴下することがある。この水滴が周辺に飛散して室内に漏出するのを防止するため、配管カバー13が設置されており、その水滴を配管カバー13によりドレンパン5内に回収し、室外に排出できるようにしている。
【0028】
一方、配管カバー13は、一端固定部15が室内熱交換器4の端部側の熱交配管12に嵌め込み固定されており、他端固定部15がユニット本体2内の収納機器であるコントロールボックス8の一面にフランジ部を介してネジ21でネジ止め固定されている。この室内ユニット1は、段ボール箱によって梱包され、輸送、運搬に供されるが、その途中で落下されることがある。この場合、室内熱交換器4に掛かる衝撃荷重が室内熱交換器4から配管カバー13に対して加わることになる。
【0029】
しかるに、本実施形態においては、配管カバー13の一端固定部15と他端固定部16との間の適所に、衝撃吸収部17を設けているため、室内ユニット1が輸送時あるいは運搬時に落下したとき、室内熱交換器4とユニット本体1内に設置されているコントロールボックス8との間に固定されている配管カバー13に対して、室内熱交換器4側から加わる衝撃荷重を、配管カバー13に設けられている衝撃吸収部17によって吸収し、緩和することができる。従って、室内ユニット1の落下時、配管カバー13あるいは該配管カバー13が固定されているユニット本体1もしくは該ユニット本体1内に設置されているコントロールボックス8等の他の機器の破損、ダメージを防止することができる。
【0030】
また、上記衝撃吸収部17が、他端固定部16の近傍に形成されたU字状の屈曲部により構成されている。このため、室内ユニット1の落下時、室内熱交換器4から配管カバー13に加わる衝撃荷重を、U字状の屈曲部の撓み変形によって吸収し、緩和することができる。従って、室内ユニット1の落下時、配管カバー13の破損あるいは配管カバー13が固定されているユニット本体1もしくは該ユニット本体1内に設置されているコントロールボックス8等の他の機器の破損、ダメージを確実に防止することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、配管カバー13における室内熱交換器4の端部表面との接触部位に、室内熱交換器4の容量の大小に対応して該配管カバー13を共用化するためのノックアウト部18,19を一体に成形している。これにより、ユニット本体1等を共用化して室内熱交換器4の容量を変え、容量の異なる室内ユニット1を構成する際、室内熱交換器4の前面に、いわゆる補助熱交換器を配置して大容量化する場合でも、室内熱交換器4の容量の大小に対応して、室内熱交換器4を基本容量のままで使用する場合、ノックアウト部18,19を付けたままで配管カバー13を用い、大容量化する場合、ノックアウト部18,19を取り除いて配管カバー13を用いることにより、1種の配管カバー13を共用化して対応することができる。
【0032】
従って、室内熱交換器4の容量の大小に対応して、別々の配管カバー13を準備する必要がなく、配管カバー13の成形型数および型費用の削減と配管カバー13の生産効率の向上によって、コスト低減を図ることができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、配管カバー13に、室内熱交換器4の端部に設けられているアース止め部23の前面を覆う可触防止壁20を一体成形した構成としているため、メンテナンス時等に、前面カバーアセンブリを取り外し、室内熱交換器4を露出した状態とした場合においても、室内熱交換器4の端部に設けられているアース止め部23の前面を可触防止壁20で覆っていることから、不用意にアース止め部23に触れてしまう事態を防止することができる。従って、不用意な感電等に対する保護機能を向上することができるとともに、専用の保護カバーを省略化することで部品数を削減することができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、配管カバー13の他端固定部16をコントロールボックス8の一面に固定設置しているが、これに限らず、配管カバー13の他端固定部16をユニット本体1側に直接固定設置した構成あるいはコントロールボックス8以外の他の機器に固定設置した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 室内ユニット
2 ユニット本体
4 室内熱交換器
5 ドレンパン
8 コントロールボックス(他の機器)
12 熱交配管
13 配管カバー
15 一端固定部
16 他端固定部
17 衝撃吸収部
18,19 ノックアウト部
20 可触防止壁
23 アース止め部
図1
図2
図3
図4