【課題を解決するための手段】
【0013】
これは、本発明によれば、請求項1に記載の装置、請求項7に記載のプラント及び請求項9に記載の方法により、達成される。好適な実施形態及びさらなる発展は、従属請求項の主題を形成する。
【0014】
本発明の基本的な特徴は、加速された電荷担体により、容器、特に容器の内壁を殺菌する装置であって、電荷担体を生成する電荷担体源と、電荷担体を電荷担体放射窓の方向に加速可能な加速装置とを備え、該電荷担体放射窓は、電荷担体放射窓から発する電荷担体を容器の内壁に作用させるために、挿入方向に沿って開口を通って容器の中へ導入可能な処理装置に配置され、該処理装置は、媒体放射穴を有する媒体ラインを備え、該媒体放射穴は、好ましくは、開口を通って容器の中に導入可能であり、該処理装置は、電荷担体放射窓に対して挿入方向に突出する少なくとも1つの突出部であって、妨害放射線の吸収に適する突出部を備え、該媒体ラインは、媒体放射穴を通して、少なくとも電荷担体放射窓から発せられる電荷担体の領域へ放出可能な媒体の流れを通すことができ、該媒体は、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を変化させるために適している装置である。
【0015】
この種の装置によれば、電荷担体が電荷担体放射窓を通過する前に、電荷担体の発生及び加速に影響を与えるパラメータを変更することなく、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を縮小又は拡大することが可能である。特に、放射体の出力に関わりなく、殺菌の成功の重要な基準を表す電子雲の形状を動かすことが可能である。この種のプロセス制御の利点は、生じる電荷担体雲を、放射体の設定を変えることなく例えばプリフォーム等の小さい容器に合わせることが可能な点にある。例えば、この種の装置により、殺菌プロセスが切り替えられ、例えば1.5Lの体積を有する大きな容器から、例えば相応に小さい体積及び小さい表面を有するプリフォーム等の小さな容器へと変更が行なわれる場合でも、設定された放射体の出力を保つことが可能である。この種のプリフォームにとって、1.5Lの容器の殺菌に適した電荷担体の加速は、後の変調なしでは強過ぎであり、それにより、電荷担体がプリフォーム自身の材料の中へ過度に深く進入し、表面を適切に殺菌できないばかりか、プリフォームの材料を恒久的に損傷するだろう。
【0016】
処理装置の断面は、処理装置が少なくとも部分的、好ましくは、処理ヘッドで容器の開口部を通って案内可能な様式に構成されている。
【0017】
加速装置は、放射窓から発せられる電荷担体が好ましくは容器の内壁に直接向けられることができるような様式で電荷担体を加速する。
【0018】
電荷担体は、特に電子であるが、例えばイオン等の他の電荷担体も使用可能であろう。
【0019】
電荷担体放射窓は、チタニウム、石英ガラス、ダイアモンド、これらの組み合わせ等を含む材料の群から選択される材料から製造されることが、特に好ましい。
【0020】
本発明による装置の場合において、媒体ラインは、媒体ラインを通して運ばれる媒体であって、電荷担体放射窓を通過した後に電荷担体に影響を与える媒体を備えることが可能である。特に、電荷担体を制動すること、及び/又は電荷担体の(加速)エネルギー又は運動力を減らすことが可能である。これは、例えば重たい気体又は別の媒体を導入することにより実行でき、それで、プリフォームの内壁に望まれる効果が達成される。この点に関し、重たい気体は、特に、大きな有効断面積、大きな衝突断面積、高い密度及び/又は電荷担体と強い相互作用の気体であると理解される。電荷担体の運動エネルギーの場合において、大きな有効断面積又は衝突断面積を有する媒体は、特に好適である。
【0021】
同様に、反対の場合が実行されることも可能である。この様式において、容器を変更したときに、相対的な既定加速電圧とそれによる電荷担体の運動エネルギーとは、容器の表面(例えば内面)の適切な殺菌に対して、小さ過ぎる可能性がある。これは、例えば小さな容器からより大きな容器(より大きな入れ物)へ切り替えたときに生じる可能性がある。適切な媒体、例えば軽い気体を導入することにより、与えられた加速電圧の場合において、殺菌用の電荷担体(例えば電子)の到達範囲は、拡大することができる。軽い気体は、以下で、特に、小さい有効断面積、小さい衝突断面積、低い密度及び/又は気体分子と弱い相互作用の気体であると理解される。この種の媒体を導入する結果として、恐らく電荷担体雲の領域に存在する媒体であって、より大きい有効断面積、より大きい衝突断面積、より高い密度及び/又は電荷担体とより強い相互作用を有している媒体は、移動可能であり、そして、電荷担体の到達範囲は、拡大可能である。
【0022】
さらに、電荷担体雲の寸法を移動する可能性として、例えば気体圧力等のチャンバ内の圧力を増減することがある。この場合、特に、電荷担体雲の領域における圧力の変化、好ましくは、気体圧力の変化は、好適である。工程の様式は、密度を変化させる上述の方法の様式に相当する。
【0023】
容器を殺菌する装置に関する本発明のさらなる基本的な特徴は、処理装置が、電荷担体放射窓に対して挿入方向に突出する少なくとも1つの突出部であって、妨害放射線を吸収することに適切である突出部を備えることである。この突出部は、好ましくは電荷担体放射窓の近傍に配置され、電荷担体放射窓により形成される平面から、発せられる電荷担体のビームの方向に少なくとも延び、そして、この方向の(ベクトル)成分を有している。突出部は、電荷担体放射窓により形成される平面に対して垂直に配置されることが好ましい。しかしながら、突出部が±10°以下、±20°以下、±30°以下、又は±45°以下の角度だけ垂直から外れている設計も、可能である。
【0024】
特に、突出部の角度は、突出部に衝突する妨害放射線が電荷担体放射窓の方向に反射されるように、突出部における電荷担体放射窓から遠い方の端部が処理装置の中心の長手軸、好ましくは電荷担体放射窓の中心を通って延びる軸の方向に傾くことが、好ましい。
【0025】
これは、容器又は容器の開口の中心軸が処理装置の中心軸に対して僅かにオフセットして配置されるべきであっても、依然として容器又は処理装置の先端を損傷することなく容器の中へ導入可能に、処理装置の先端を円錐台形状にすることで、容器へ導入する場合においての利点もさらに提供する。
【0026】
突出部は、妨害放射線及び/又は電子を吸収するために使用される。妨害放射線は、特に、例えばX線放射線の形態で、電荷担体の生成の近傍において生じる。しかしながら、他種の妨害放射線も、可能である。特に、妨害放射線は、例えば散乱電子等の電荷担体を有することもできる。妨害放射線は、電荷担体放射窓を配置される処理装置の少なくともヘッドが、通常、開口を通って容器の中へ導入されるため、特に電荷担体放射窓の領域において、不都合である。容器の開口は、通常、容器の最も狭い場所の一つであり、それにより、処理装置及び電荷担体放射窓は、容器の壁にかなり接近する。したがって、妨害放射線は、この領域の壁に非常に高いエネルギーで到達し、上述のように、この領域を不十分に殺菌する可能性又は容器の材料を損傷する可能性さえ存在する。
【0027】
妨害放射線における処理装置の外側に生じる部分は、電荷担体雲のサイズに依存したサイズの領域に亘って広がる。比較的大きい電荷担体雲の場合には、妨害放射線が放出される領域は、比較的小さい電荷担体雲の場合よりも大きい。したがって、固定されたサイズの場合で、特に突出部の固定された長さの場合であって、且つ大きい電荷担体雲の場合に、電荷担体雲は、妨害放射線が突出部に衝突せず、妨害なく突出部を通過できる程度に大きくなる。
【0028】
この影響を少なくするために、容器を殺菌する装置の好ましい実施形態においては、電荷担体放射窓から発せられる電荷担体の領域中へ放出可能な媒体は、妨害放射線が少なくとも25%以下、好ましくは少なくとも50%以下、好ましくは少なくとも60%以下、好ましくは少なくとも70%以下、好ましくは少なくとも80%以下、特に好ましくい様式では少なくとも90%以下で、電荷担体放射窓に対して突出する突出部へ運ぶことができ、且つ前記突出部で吸収可能な様式により、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を縮小するために適している。
【0029】
しかしながら、電荷担体雲の拡大も、可能であろう。
【0030】
結果として、電荷担体雲の寸法は、妨害放射線における少なくとも処理装置の外側に生じる部分が、より多くの部分で突出部に衝突可能で且つ突出部で吸収可能な程度に、少なくとも一時的に小さくなることが可能である。
【0031】
電子雲の形状を変化可能なことは、安全工学の改善にも役立つことができる。特定の重要な方法のパラメータが存在する場合、適切な媒体、例えばより高い密度を生成するための気体の導入は、上述の装置の検出及び反応速度に依存した様式で、電子雲の急激な減少(寸法の縮小)のために使用することができる。これによりX線放射線の生成が最小限の程度しか影響されないが、(妨害放射線のための、特にX線放射線のための)生成の場所は、放射体又は処理装置の近くに、理想的には実際の放射窓の非常に近くに移動する。このようにして、妨害放射線の発生の場所は、金属製のフィンガの近傍に設定され、それにより、第1の偏向は、フィンガの適切な設計により、達成される。この結果として、追加で存在する遮蔽は、妨害放射線を遮蔽する必要が殆どない。妨害放射線の一部は、既に、突出部により、発生場所の近くで吸収され、変換され、偏向され又は他に無害な状態にされることが可能である。
【0032】
媒体ラインが、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の領域に配置される媒体(好ましくは、気体)の少なくとも1つの物性、好ましくは密度を変化するために適した媒体の流れを通すことができる、という容器を殺菌する装置の実施形態は、好ましい。既に述べたように、媒体の選択は、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の領域に配置される媒体の密度を変化させる媒体だけに限られるのではなく、他の物性、好ましくはその有効断面積、その衝突断面積及び/又は電荷担体との相互作用を変化する媒体も含む。
【0033】
媒体ラインが少なくとも局所的に湾曲した形状を有している容器を殺菌する装置の実施形態は、特に好ましくは、媒体ラインが、媒体ラインで運べる媒体を、放射穴を通じて電荷担体雲の方向(即ち、この方向の(ベクトル)成分を有して)、特に好ましい様式の場合には、電荷担体の加速方向と実質的に反対方向に放出可能な様式で設計されることが好ましい。この場合に、媒体配管の少なくとも一部分が湾曲していることが好ましく、好ましくは60°よりも大きく、好ましくは90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、好ましくは150°よりも大きい角度だけ湾曲している。
【0034】
しかしながら、媒体を偏向するための偏向装置であって、例えば媒体放射穴に配置され得る偏向装置が備えられることも可能であろう。
【0035】
この実施形態によれば、媒体は、加速された電荷担体と実質的に反対方向に流れる。これは、一方で、質量流とそれにより生じる電荷担体の質量流との相互作用とにより、電荷担体が既に僅かな程度で偏向され、特に制動されるという利点を有する。しかしながら、この関係において、なおさら影響することは、この実施形態により、媒体が電荷担体放射窓の方向に連続的に流れ、それにより、放射窓の上流の領域における他の媒体が連続的に少なくなる又は略完全にこの領域から排出されることを保証できる、という事実である。この実施形態において、電荷担体放射窓の方向に流れる媒体は、電荷担体放射窓の領域において媒体の濃度が非常に高く、電荷担体が電荷担体放射窓を通過した直後に媒体との相互作用により既に制動されることを保証する。予め存在する媒体が媒体放射穴から放出される新たな媒体により置き換えられないリザーバの形成は、電荷担体放射窓の領域において防止される。処理装置から出る電荷担体の放射方向に実質的に平行に延びる方向へ、媒体が放出する場合には、予め存在する媒体の残留は、特に突出部の流れの陰に位置する領域に残ることが考えられるだろう。
【0036】
容器を殺菌する装置の特に好ましい実施形態において、電荷担体放射窓に対して突出する突出部は、少なくとも局所的に処理装置の表面に沿って、好ましくは表面の全周に沿って、特に好ましい様式では円筒形状で(特に真っ直ぐに)延びている。
【0037】
突出部は、一要素の形状で設計することができ、又は、突出部は、複数の要素を備えてもよい。突出部は、好ましくは妨害放射線の発生場所と、特にこの放射線から保護すべき領域との間に位置するような様式で配置される。例えば、容器の細い首部が妨害放射線から保護すべき場合には、突出部は、妨害放射線の発生場所も全周に沿って囲むことが好適である。この様式で、処理装置又は処理装置のヘッドを全周で囲む容器の首部は、妨害放射線から一様に遮蔽されていてもよい。
【0038】
真っ直ぐな円筒形状の突出部である実施形態の上記変異形は、少しの材料の要求で、このように、特に大きな領域が妨害放射線から保護可能であるため、好ましい。しかしながら、既に述べたように、±10°以下、±20°以下、±30°以下又は±45°以下の角度で垂直から外れている突出部の設計も、可能である。この場合、特に、突出部における電荷担体放射窓から遠い方の端部が、電荷担体放射窓の中心を通って延びている処理装置の長手軸方向に対して傾くような角度は、好ましい。それにより、全周に亘る突出部の設計の場合には、突出部は、円錐台形状になる。結果として、突出部に衝突する妨害放射線が、好ましくは電荷担体放射窓の方向に反射され、処理装置に一体化された他の遮蔽装置により、制御されない様式で環境へ進入しないことが可能になる。このようにして、制御されない放射線が明らかに減らすことを可能とする。
【0039】
突出部は、多層の変異形で生成することも可能である。この変異形において、基本的には、突出部における電荷担体雲に面する側は、基本的に原子番号の小さい原子を有する遮蔽材料から製造される。例えば電子等のいくつかの種類の電荷担体の吸収において、原子番号の小さい原子は、電荷担体の運動エネルギーのうち低い割合が制動輻射、特にX線放射線に変換されるという利点を有する。金属層、好ましくは例えばアルミニウム等の軽金属が含まれることは、好ましい。しかしながら、例えばプラスチック材料等の非金属材料も、可能である。
【0040】
特に環境をX線放射線から遮蔽するために適するさらなる層は、小さい原子番号の原子からなるこの遮蔽材料層の半径方向外側で突出部の内側に配置される。この層は、基本的には、大きい原子番号のうち少なくとも1つの金属(重金属)で構成され、これらは、X線放射線を特によく吸収する。この様式で、環境は、電荷担体雲に面する突出部の層において制動輻射として生じるX線放射線からも保護可能である。
【0041】
容器を殺菌する装置の好ましい実施形態において、媒体ラインは、少なくとも局所的に処理装置に接続され、好ましくは処理装置に一体化され且つ処理装置と一緒に移動可能である。この実施形態の主要な利点は、共通の装置が処理装置及び媒体ラインを容器に導入するために使用可能なことである。しかしながら、特に、これは、処理装置が特に小さい断面を有する必要があるため、処理装置の寸法が制約される。
【0042】
この場合に、媒体ラインを処理装置の近傍に配置することが可能である。この場合、媒体ラインは、好ましくは突出部の半径方向外側に延びる。
【0043】
複数の媒体ラインを処理装置の近傍に配置することも可能である。これは、媒体を極めて均質に放出することが必要とされる場合に、特に好適である。例えば、これは、電荷担体雲について対称な形状が必要とされ、且つ媒体を供給することにより、電荷担体が処理装置の長手軸に対して媒体放射穴と反対の処理装置側へ押される場合に、必要となる可能性がある。
【0044】
さらに、或る実施形態においては、媒体ラインが少なくとも局所的に処理装置と一体化される。この実施形態に場合において、媒体ラインは、好ましくは突出部の半径方向内側に延びる。この実施形態は、特に、全周に亘って処理装置の表面に沿って延びている突出部の半径方向内側に存在する領域、即ち、電荷担体の放射方向において電荷担体放射窓の上流に直接に配置された領域へ、媒体を簡単に供給することを可能にする。結果として、この領域に予め存在する媒体の残留物がそのまま残ることを特に効果的に防止することができる。媒体ライン及び/又は媒体放射穴が突出部と電荷担体放射窓との間に位置する領域に設けられることは、好ましい。環状の電荷担体放射窓の場合には、媒体ライン及び/又は媒体放射穴を、電荷担体放射窓の中心に配置することが可能である。
【0045】
媒体ラインを、少なくとも局所的に処理装置の外壁に対して平行に延ばすことは、好ましい。媒体ラインを、少なくとも局所的に突出部の長手軸に対して平行に延ばすことは、特に好ましい。
【0046】
処理装置が電荷担体放射窓を有する外側ケーシングを有することは、好ましい。電荷担体放射窓を冷却するために、好ましくは、内側ケーシングは、外側ケーシングの内側に外側ケーシングから離して配置され、それにより、冷却媒体が運ばれ得る領域は、内側ケーシングと外側ケーシングとの間に形成される。この領域は、異なる媒体が運ばれ得る及び/又は媒体が異なる方向に流れる種々の部分に分割することが、好ましい。この様式で、例えば、電荷担体放射窓への冷却媒体の所定の供給と、電荷担体放射窓からの冷却媒体の所定の流出とは、設定されることが可能である。
【0047】
さらに、本発明の主題を形成する容器を処理するプラントは、加速された電荷担体により、容器、特に容器の内壁を殺菌する装置を少なくとも1つ、好ましくは、複数有し、該装置は、電荷担体を生成する電荷担体源と、電荷担体を電荷担体放射窓の方向に加速可能な加速装置とを備え、該電荷担体放射窓は、電荷担体放射窓から発する電荷担体を容器の内壁に作用させるために、挿入方向に沿って開口を通り容器の中へ導入可能な処理装置に配置され、該処理装置は、好ましくは開口を通り容器の中に導入可能な媒体放射穴を有する媒体ラインを備え、該処理装置は、電荷担体放射窓に対して挿入方向に突出する少なくとも1つの突出部であって、妨害放射線の吸収に適する突出部を備え、該媒体ラインは、媒体放射穴を通して、少なくとも電荷担体放射窓から発せられる電荷担体の領域へ放出可能な媒体の流れを通すことができ、該媒体は、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を変化させるために適切である。
【0048】
この形式のプラントによれば、容器の殺菌を、特に、容器の製造及び充填に使用される高いクロックタイムレート及びスループットレートで実行することが可能である。
【0049】
この形式のプラントが、殺菌するための、好ましくは、容器の外壁を殺菌するためのさらなる装置を有することは、好ましい。
【0050】
さらなる好ましい実施形態においては、プラントは、処理装置を容器の内部へ導入可能な挿入装置を有しており、容器及び処理装置は、(特に、容器の長手方向で)お互いに対して相対的に移動可能であり、該相対的な移動は、容器の方向へ処理装置を移動すること、処理装置の方向へ容器を移動すること、及び/又は該2つの移動の組み合わせにより実現することが可能である。
【0051】
プラントの実施形態に応じて、処理装置を、容器を殺菌すべく容器の中へ導入するために、容器の方向に処理装置を移動させることが好適である場合がある。しかしながら、特に、電荷担体を生成及び加速する装置が複雑である場合には、処理装置の精密な制御が、恐らく非常に複雑になるため、処理装置の方向に容器を移動させることが、好適である。いくつかの実施形態においては、上述の2つの移動の組み合わせは、例えば、容器の中へ処理装置を極めて迅速に挿入可能にするために好適である可能性もある。
【0052】
プラントが、所定の搬送経路に沿って、特に容器の殺菌の最中にも、容器を移動させる搬送装置を有することは、好ましい。搬送装置が、複数の把持要素を配置することが特に好ましい回転可能なキャリアであることは、好適である。
【0053】
プラントが、容器を充填する装置を有し、本発明による装置が、この装置に対して上流に配置されることは、好ましい。
【0054】
プラントが、容器の外壁を殺菌するさらなる装置を有することは、好ましい。
【0055】
さらに、プラントが、容器を殺菌する装置から容器を受け取り、且つ殺菌するさらなる装置へ容器を受け渡すために適している少なくとも1つの搬送要素、好ましくは搬送スターホイールを有することは、好ましい。
【0056】
本発明のさらなる基本的な態様は、加速された電荷担体により、容器、特に容器の内壁を殺菌する方法であって、該電荷担体は、電荷担体源において生成され且つ加速装置で電荷担体放射窓の方向に加速され、該電荷担体放射窓は、電荷担体放射窓から発する電荷担体を容器の内壁に作用させるために、挿入方向に沿って開口を通り容器の中へ導入可能な処理装置に配置され、該処理装置は、開口を通り容器の中に導入可能な媒体放射穴を有する媒体ラインを備え、該処理装置は、電荷担体放射窓に対して挿入方向に突出する少なくとも1つの突出部であって、妨害放射線を吸収可能な突出部を備え、該媒体ラインは、媒体放射穴を通して、少なくとも電荷担体放射窓から発せられる電荷担体の領域へ放出可能な媒体の流れを通すことができ、該媒体は、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を変化させる方法である。
【0057】
それにより、この方法によれば、電子雲の形状に影響を与え且つ電子雲の寸法を変えることが可能である。この目的を達成するために、この場合には、媒体、例えば流体、特に気体、好ましくは空気よりも重い又は軽い物質は、放射チャンバの領域、特に電荷担体雲の領域の中へ導入される。別の方法として又はそれに加えて、チャンバ内の圧力、好ましくは電荷担体雲の領域の圧力は、空気の供給又は除去により増減可能である。これらの手段によれば、処理チャンバ内の密度と、特に電荷担体雲の領域の密度とが増減し、それで、電荷担体雲、例えば電子雲の寸法を実質的に直ちに縮小可能となる。圧力を変化可能なことは、目的のある方法で、容器の中へ空気又は別の媒体を容器の中に吹き混むことにより、殺菌プロセスを急に中断可能である。これは、(既存の)安全工学を高める特別な可能性をもたらす。
【0058】
加速させた電荷担体により、容器、特に、容器の内壁を殺菌する方法の変異形においては、電荷担体放射窓から発せられる電荷担体の領域中に放出される媒体は、妨害放射線が少なくとも25%以下、好ましくは少なくとも50%以下、好ましくは少なくとも60%以下、好ましくは少なくとも70%以下、好ましくは少なくとも80%以下、特に好ましくい様式では少なくとも90%以下で、電荷担体放射窓に対して突出する突出部へ運び、且つ前記突出部により吸収可能な様式で、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を縮小する、ことが好ましい。
【0059】
この方法の変異形は、大きな容器の殺菌に必要とされた電子雲を、相当小さい容器の内面を最適な放射線強度で殺菌できる大きさに、縮小可能である。特に、プリフォームと飲料ボトルとの間での殺菌の切り替えの場合に、電荷担体雲の寸法をより大きく変えることが必要である。
【0060】
さらに、加速させた電荷担体により容器、特に、容器の内壁を殺菌する方法の変異形においては、媒体により、発せられる電荷担体により形成される電荷担体雲の寸法を縮小させる場合に、妨害放射線の強度は、電荷担体放射窓に対して突出する突出部により、殺菌すべき容器を変更する際に、電荷担体源からの電荷担体を電荷担体放射窓の方向に加速装置で加速することを中断させる必要がなくなる程度に、低減されることが好ましい。
【0061】
この方法の変異形によれば、電荷担体雲は、妨害放射線の大部分が電荷担体放射窓の上流で且つ電荷担体放射窓に対して突出する突出部の隣接に位置する領域に生じる程度に、縮小することが可能である。この領域において、特に満足できる様式で、突出部により妨害放射線を吸収し、又は他の種類の放射線へ変換することが可能である。したがって、処理装置により制御されない様式で放出される放射線も、容器の外側で大幅に減少可能である。結果として、電荷担体の生成又は加速装置による電荷担体の加速が切られる又は弱められることなく、処理装置を容器から取り出すことが可能である。結果として、これに相当する制御装置を省略し、そして処理装置を特に単純で且つコンパクトな様式に設計可能である。これは、製造及び取得コストに関して好適となることが可能であり、そして、処理装置の移動を単純に可能とする。
【0062】
さらなる利点及び実施形態が、添付の図面から明らかである。