特許第6195438号(P6195438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195438
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】建物用キャビネット
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20170904BHJP
   E03C 1/184 20060101ALI20170904BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   A47K1/00 U
   E03C1/184
   A47B81/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-261427(P2012-261427)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2014-104277(P2014-104277A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】田中 良子
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−156272(JP,U)
【文献】 特開2007−117563(JP,A)
【文献】 特開平11−244163(JP,A)
【文献】 特開2004−008618(JP,A)
【文献】 特開2003−159185(JP,A)
【文献】 特開2001−087151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00、1/02
A47B 77/00、81/00
E03C 1/184
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部に設置され、水使用設備と横並びに配設される建物用キャビネットであって、
前記建物用キャビネットの側板において前記床部側となる部分に設けられ、前記水使用設備からの排水を前記床部における前記建物用キャビネットの設置部分に設けられた排水口へと導く排水管部材を当該建物用キャビネットの外側から内側へと貫通させる貫通部を備え、
前記排水口が前記建物用キャビネットにおける奥側に位置するのに対し、前記貫通部が前記建物用キャビネットにおける手前側に位置するように構成されており、
第1給水栓及び前記建物用キャビネットのカウンタにおける前記水使用設備側の端部に配設された第2給水栓と、
前記建物用キャビネットの内部領域を上下に仕切る仕切り部と
を備え、
前記第1給水栓に水を供給する第1配管部及び前記第2給水栓に水を供給する第2配管部に分岐する給水管が前記建物用キャビネットの内部領域にて前記仕切り部よりも上側となる領域を通過するように構成され、
前記排水口は、前記側板寄りとなる位置に設けられており、
記仕切り部において前記排水口と対峙している部分を含む隅部は、当該仕切り部よりも下側の領域を開放可能な可動板となっており、
前記建物用キャビネットの奥側には、前記給水管と、その水設備にて使用された水を排出するキャビネット用排水管とが前記床部から上方に延出するようにして配設されており、
前記排水口は、前記床部において前記給水管及び前記キャビネット用排水管の配設領域と横並びとなる位置に配設されており、
前記可動板は、当該可動板における前記水使用設備側の端部及び奥側の端部が前記水使用設備側の前記側板及び前記建物用キャビネットの奥板に各々対峙し、当該可動板における手前側の端部が前記貫通部よりも奥側に位置し且つ当該可動板において前記水使用設備側の端部とは反対側の端部は前記配設領域よりも前記側板側に位置するように形成されていることを特徴とする建物用キャビネット。
【請求項2】
前記貫通部及び前記排水口は、前記仕切り部よりも下側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の建物用キャビネット。
【請求項3】
前記仕切り部は、当該仕切り部よりも上側の領域が物品を収容可能な収容領域、同仕切り部よりも下側の領域が非収容領域となるように前記内部領域を仕切っていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物用キャビネット。
【請求項4】
前記排水管部材は、前記排水口と前記貫通部とに亘って設けられたキャビネット内配管を有してなり、
前記貫通部には、前記水使用設備から延びるキャビネット外配管の一端部を接続可能な接続部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の建物用キャビネット。
【請求項5】
記キャビネット内配管は、
前記排水口から前記建物用キャビネットの正面側へ延びる下流部分と、
前記貫通部から前記側板と交差する方向に延びる上流部分と、
前記キャビネットの手前側から奥側へとクランクすることによりそれら上流部分及び下流部分を繋ぐ中流部分と
を有してなることを特徴とする請求項に記載の建物用キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物用キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物には、洗面台等の建物用キャビネットの横に洗濯機等の水使用設備を設置するための設置スペースが設けられているものがあり、水回り関連の設備をまとめることで施工時等の利便性の向上等に配慮されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
水使用設備が設置されている状態では、同水使用設備にて使用された水が排水口や排水管等の排水用設備を通じて建物外へと排出される。この排水用設備については上記設置スペース、詳しくは建物用キャビネットと隣接する位置に設置されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−211112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
但し、水使用設備にかかる排水用設備の存在は同水使用設備の配置可能範囲を実質的に狭くし、設置される水使用設備の大きさ等に対する制約を強める要因になり得る。確かに、排水用設備を小さくしたりその位置を水使用設備の直下としたりする等の工夫を施せば上記制約を抑えることが可能である。しかしながら、そのような対応を行った場合には、排水用設備のメンテナンス作業や水使用機器の設置作業(水使用機器等の配置作業や配管等の接続作業)がやりづらくなり、作業性の悪化を招来し得る。このように、建物用キャビネット及び水使用設備が並設されることを前提とした場合には、排水にかかる構成に未だ改善の余地があると想定される。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水使用設備にかかる排水設備の設置スペースの確保と作業性の担保とを両立することのできる建物用キャビネットの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0008】
手段1.床部(床部15)に設置され、水使用設備(例えば洗濯機40)と横並びに配設される建物用キャビネット(例えば洗面台20)であって、
前記建物用キャビネットの側板(側板23)において前記床部側となる部分に設けられ、前記水使用設備からの排水を前記床部における前記建物用キャビネットの設置部分に設けられた排水口(排水口16)へと導く排水管部材(例えば配管部材53,56や連結部材55や排水ホース42)を当該建物用キャビネットの外側から内側へと貫通させる貫通部(貫通孔51)を備え、
前記排水口が前記建物用キャビネットにおける奥側に位置するのに対し、前記貫通部が前記建物用キャビネットにおける手前側に位置するように構成されていることを特徴とする建物用キャビネット。
【0009】
手段1によれば、水使用設備にて使用された水は建物用キャビネット内を通じて同建物用キャビネットの設置部分に設けられた排水口へと導かれることとなる。このように水使用設備の排水にかかる構成を建物用キャビネット内に配設することにより、排水機能を担保しつつ水使用設備の設置スペースの圧迫を抑えることができる。また、水使用設備の設置作業やメンテナンス作業を行う場合であっても、水使用設備と建物用キャビネットとの隙間に手を入れるといった行為等も必要なく作業性の悪化を生じることもない。
【0010】
例えば、水使用設備から延びるホースによって排水管部材を構成し、その先端部を排水口へ接続する仕様である場合には以下の効果が期待できる。一般的にホースの全長には建物等の様々な仕様に対応すべくかなりの余裕代が付与されていることが多い。このような余裕代が過剰となった場合には、設置スペース周辺(例えば水使用設備と建物用キャビネットとの間)にて余剰部分が放置されることに起因して、見栄えの悪化、排水効率の低下、清掃等の妨げ等の各種不都合が生じ得る。この点、本手段に示す構成によれば貫通部を通じて建物キャビネット内にホースを収容することが可能となり、上記各種不都合を解消できる。
【0011】
手段2.前記建物用キャビネットの内部領域を上下に仕切る仕切り部(仕切り部27)を備え、
前記貫通部及び前記排水口は、前記仕切り部よりも下側に配設されていることを特徴とする手段1に記載の建物用キャビネット。
【0012】
手段2に示すように仕切り部よりも下側の領域に貫通部及び排水口を配する構成とすれば、建物用キャビネットが本来有する収容機能と水使用設備の排水機能とを好適に共存させることができる。
【0013】
手段3.前記仕切り部は、当該仕切り部よりも上側の領域が物品を収容可能な収容領域、同仕切り部よりも下側の領域が非収容領域となるように前記内部領域を仕切っていることを特徴とする手段2に記載の建物用キャビネット。
【0014】
手段3によれば、仕切り部によって建物キャビネットの内部領域を収容領域と非収容領域とに仕切ることにより非収容領域に排水管部材を配置することが可能となる。これにより、手段2に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0015】
特に、手段2及び手段3において建物用キャビネットが洗面台等である場合には、その下部に蹴込みが設けられていることが多い。かかる構成では、蹴込み上方に仕切り板(底板)を配置してその上方領域が生活用品等の収容領域として使用される。その一方で、蹴込み内部領域についてはデッドスペースとなる。そこで、仕切り部によって蹴込み内部領域と収容領域とを仕切っている構成においては、この蹴込み内部領域を上記排水管部材の収容領域として活用することでデッドスペースの減縮に貢献できる。
【0016】
手段4.前記排水管部材は、前記排水口と前記貫通部とに亘って設けられたキャビネット内配管(配管部材53,56や連結部材55等)を有してなり、
前記貫通部には、前記水使用設備から延びるキャビネット外配管(排水ホース42)の一端部を接続可能な接続部(継ぎ手52)が設けられていることを特徴とする手段1乃至手段3のいずれか1つに記載の建物用キャビネット。
【0017】
手段4によれば、建物用キャビネットの内部には予めキャビネット内配管が設けられている。このため、住人等が水使用設備を設置する際には、キャビネット外配管を接続部に接続することにより排水経路が完成することとなる。ここで、接続部(貫通部)については建物用キャビネットにおける手前側部分に位置しているため、接続部が建物用キャビネットの奥側に位置している場合と比較して接続作業を容易に行うことができる。同様に水使用設備の入れ替え等に際して、同水使用設備を取り外す際にも接続解除作業が妨げられやすくなることを抑制できる。
【0018】
手段5.前記排水口は、前記側板寄りとなる位置に設けられており、
前記キャビネット内配管は、
前記排水口から前記建物用キャビネットの正面側へ延びる下流部分(下流側配管部材56)と、
前記貫通部から前記側板と交差する方向に延びる上流部分(上流側配管部材53)と、
前記キャビネットの手前側から奥側へとクランクすることによりそれら上流部分及び下流部分を繋ぐ中流部分(連結部材55)と
を有してなることを特徴とする手段4に記載の建物用キャビネット。
【0019】
手段5によれば、キャビネット内配管を側板に沿うようにして配置することができる。これにより、排水経路が無駄に長くなることを抑制することができる。また、接続部に近い位置に中流部分が存在すると、接続部付近での流れが悪くなり水漏れ等の発生要因となり得る。この点、上流部分を設けることで、流れが悪くなりやすい部分を接続部から遠ざけることができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
【0020】
なお、建物用キャビネットに給排水機能が付与されている場合(例えば洗面台)においては、これら給排水用の配管を配設する必要があるが、本手段に示したようにキャビネット内配管の取り回しを工夫することにより、建物用キャビネット内における他の配管との共存を好適に実現できる。
【0021】
手段6.前記建物用キャビネットの内部領域を上下に仕切る仕切り部(仕切り部27)において前記排水口と対峙している部分を含む部分は、当該仕切り部よりも下側の領域を開放可能な可動板(可動体63)となっており、
前記可動板は、前記建物用キャビネットの奥行方向において前記排水口と前記貫通部とに亘って延びていることを特徴とする手段1乃至手段5のいずれか1つに記載の建物用キャビネット。
【0022】
手段6によれば、可動板を動かして排水口を露出させることにより、施工作業やメンテナンス作業を容易に行うことができる。特に、可動板が排水口と貫通部とに亘って延びていることにより、排水管部材の中間部分へのアクセスも容易となり上記効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
【0023】
手段7.前記排水口は、前記側板寄りとなる位置に設けられており、
前記仕切り部は、前記建物用キャビネットに固定された固定板(固定板62)と前記可動板とを有してなり、
前記可動板は、前記側板に沿って前記建物用キャビネットの奥側へ延びる長板状をなしていることを特徴とする手段6に記載の建物用キャビネット。
【0024】
建物用キャビネットが仕切り部を有する構成においては、仕切り部自体が生活用品等の物品を載せる載置部として活用されやすく、手段6に示した可動板についても例外ではない。ここで、可動体を大きくしてしまうと、可動板を動かす都度当該可動上の物品を取り出す等する必要が生じ作業性が低下してしまう。そこで、本手段に示すように、可動板を側板に沿って奥側へ延びる長板状とすれば、手段5に示した効果を発揮させつつ、上述した収納機能の低下やメンテナンス等の際の準備作業が煩雑になることを抑制することができる。
【0025】
手段8.前記排水管部材は、前記貫通部を通じて前記建物用キャビネット内に挿通され、その先端部分が前記排水口に接続される構成となっており、
前記仕切り部は、前記建物用キャビネットに固定された固定板(固定板62)と、当該仕切り部よりも下側の領域を開放可能な可動板(可動板63)とを有してなり、
前記固定板と前記床部との間には、当該固定板を支える支柱(支柱71Z)が設けられていることを特徴とする手段2又は手段3に記載の建物用キャビネット。
【0026】
建物用キャビネットが仕切り部を有する構成においては、仕切り部自体が生活用品等の物品を載せる載置部として活用されやすく、可動板についても例外ではない。ここで本手段によれば、支柱によって固定板を支えることにより、上記載置機能を担保できるだけでなく、仕切り部が撓む等して仕切り部の下方領域が圧迫されることを回避できる。
【0027】
また、水使用設備から延びる排水管部材を建物用キャビネット内に収容すれば、手段1にて例示した効果を享受できる。しかしながら、排水管部材の余剰部分を無作為に収容した場合には、排水管部材の一部が折れ曲がったり潰れたり、更には排水管部材が建物用キャビネットに付属する他の構成と干渉したりすると想定される。このような不都合については、建物用キャビネット内における排水管部材の取り回しの自由度が高いほどその発生確率が高くなると想定される。また、建物用キャビネット外に排水管部材の余剰部分を配置する場合と比較して排水管部材の視認性が低下することを考慮すれば、水漏れ等の不都合が生じて初めて上記不都合の発生が発覚する可能性が高くなる。これは、上記付属する他の構成や排水機能の担保に鑑みて好ましいとはいえない。
【0028】
この点、本手段に示すように支柱を有する構成とした場合には、同支柱に対して排水管部材を引っ掛けたり巻き付けたりすることにより、排水管部材の取り回しをある程度制限することが可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
【0029】
手段9.前記建物用キャビネットの奥側には、当該建物用キャビネットの水設備(例えば蛇口32)に水を供給するキャビネット用給水管(給水管34)と、その水設備にて使用された水を排出するキャビネット用排水管(洗面用排水管35)とが前記床部から上方に延出するようにして配設されており、
前記排水口は、前記床部において前記キャビネット用給水管及び前記キャビネット用排水管の配設領域と横並びとなる位置に配設されていることを特徴とする手段1乃至手段8のいずれか1つに記載の建物用キャビネット。
【0030】
手段9に示すように建物用キャビネット自体が給排水機能を有している場合には、その機能を実現するための配管が奥側に配置されるものと想定される。これは、建物用キャビネットの内部領域を生活用品等の物品を収容する収容領域として活用する上で好ましい配置である。このような建物用キャビネットに水使用設備用の排水管部材の一部を内蔵する場合には、排水口の位置をキャビネット用給水管及び前記キャビネット用排水管の配設領域と横並びとなる位置とすることが施工上好ましい。このような構成に手段1乃至手段8に示した技術的思想を適用することにより、貫通部を建物用キャビネットにおける手前側に配置したことの技術的意義が明確なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施の形態における洗面室での洗面台と洗濯機との位置関係を示す概略図。
図2】洗濯機用排水設備を示す概略図。
図3】第2の実施の形態における洗濯機用排水設備を示す外略図。
図4】仕切り部の構造の変形例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1の実施の形態>
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、住宅等の建物の洗面室に設けられた洗面台について具体化されており、当該洗面台に並設される洗濯機用の排水設備の一部を洗面台によって構築していることを特徴としている。以下の説明では、先ず図1を参照して本発明の前提構成を説明し、その後本発明の要部にかかる構成(排水設備等)について説明する。図1は洗面室における洗面台と洗濯機との位置関係を示す正面図である。
【0033】
洗面室10を構成する壁体11は、隙間を隔てて相対向する対向壁部12と両対向壁部12を繋ぐ奥壁部13とを有してなり、これら対向壁部12及び奥壁部13によって洗面室10に洗面台20及び洗濯機40を収容する収容領域が区画形成されている。洗面台20及び洗濯機40は、奥壁部13に沿って横並びとなるようにして当該収容領域に並設されている。洗面台20は建物に備え付けとなっており、居住者が洗濯機40を設置する場合には、対向壁部12の間隔(間口の大きさ)及び洗面台20の横幅に起因して設置可能な洗濯機40の横幅に制約が生じる。
【0034】
なお、洗濯機40は水を使用する電気機器であり水使用機器に該当する。また、図1等には洗濯機40として略立方体状のドラム式のものを例示しているが洗濯機の仕様やサイズについては任意である。更には、洗面台20や洗濯機40が設置されている居住空間は、洗面室10ではなく脱衣室や洗濯室であってもよい。
【0035】
洗面台20は、床部15へ設置される洗面台20の本体部としての(洗面台の主たる機能が付与された)本体キャビネット21と、本体キャビネット21の上方に設けられた鏡や棚等の付属部とによって構成されている。本体キャビネット21は上記並設方向に並べて設けられた一対の側板22,23と、それら側板22,23を繋ぐ奥板24と、側板22,23の上端部に配置されたカウンタ25とを有してなり、全体として正面側に開放された略箱状をなしている。
【0036】
本体キャビネット21の内部(詳しくは下部)には、本体キャビネット21の内部領域ISを上下に仕切る仕切り部27が設けられている。同内部領域ISにおいて仕切り部27よりも上方となる領域(以下、収容領域USという)は生活用品等の備品を収容可能となっている。本体キャビネット21の側板22,23における前端部には収容領域USの正面側開放部分を覆うようにして前扉26が取り付けられている。仕切り部27上に上記備品等を配置している場合には、前扉26を開放することでそれら備品等の取り出しが許容される。
【0037】
仕切り部27の下方には前扉26(仕切り部27)と床部15との隙間を塞ぐようにして蹴込み板28が設けられており、内部領域ISのうち仕切り部27の下方となる領域が蹴込み内領域LSとなっている。
【0038】
ここで、洗面台20に設けられた給排水設備30について説明する。カウンタ25には下方に窪む洗面ボール31が形成さており、その上方には蛇口32が設けられている。蛇口32には床部15から上方に延びる給湯管33及び給水管34が接続されており、ユーザにより所定の操作がなされた場合には、それら配管33,34を通じて洗面ボール31へ水やお湯が供給されることとなる。
【0039】
洗面ボール31は半球状をなしており、その底部には床部15から延びる洗面用排水管35が接続されている。蛇口32から供給された水等はこの洗面用排水管35を通じて洗面室10外に排出されることとなる。これら各種配管33〜35については、本体キャビネット21の奥板24に沿うようにして配置されており、上記収容領域USの実質的な収容機能が低下することを抑制している。
【0040】
カウンタ25における洗濯機40用の配置領域側の端部には、給水栓36が設けられている。上記給水管34はその途中位置から2股に分岐しており、その一方が蛇口32に他方が給水栓36にそれぞれ接続されている。このようにして洗濯機40への給水にかかる構成を元々給排水機能が付与されている洗面台20に設けることにより、洗濯機40への給水にかかる配管等の簡略化を実現している。
【0041】
給水栓36には給水ホース41の一端が接続されており、同給水ホース41の他端は洗濯機40の上部に設けられた給水口に接続されている。また、洗濯機40の下部(詳しくは洗濯機の背面寄りとなる部分)には排水口が形成されており、この排水口に排水ホース42が固定されている。洗濯機40にて使用された水は、排水ホース42を通じて洗濯機40の本体部分から排出されることとなる。排水ホース42は蛇腹状をなしており、伸縮性が付与されることで全長の調整が可能となっているとともに折れ等の発生が抑制されている。但し、排水ホース42は、排水機能を発揮できるのもの(例えば管状)であれば足り、その形状等の仕様については任意である。
【0042】
本実施の形態においては、洗濯機40用の排水設備について特徴的な構成を有している。以下、図1及び図2を参照して洗濯機用排水設備50について説明する。図2(a)は洗濯機用排水設備50を示す平面図(図1のA−A線部分断面図)、図2(b)は洗濯機用排水設備50を示す正面図(図2(a)のB−B線部分断面図)、図2(c)は継ぎ手構造を示す外略図である。洗濯機用排水設備50は、洗濯機40側に設けられた排水ホース42(「キャビネット外配管」に相当)と洗面台20に設けられた洗濯機用排水管(「キャビネット内配管」に相当)とを有してなり、それら両構成が接続されることで、排水経路が構築されている。
【0043】
具体的には、図2(a),(b)に示すように、側板23の手前側部分であって仕切り部27よりも下側となる部分には、本体キャビネット21の内外に貫通する貫通孔51が形成されている。この貫通孔51には本体キャビネット21の内外に突出するようにして段付きの環状をなす継ぎ手52が取り付けらている(嵌合している)。図2(c)に示すように、排水ホース42の先端部に形成された係合部43が継ぎ手52に対して本体キャビネット21の外側から挿入されることにより継ぎ手52と排水ホース42と接続されている。なお、これらの接続作業を行う際には、継ぎ手52に排水ホース42や洗濯機用排水管の接続部分に固定用バンドを用いることで強固に固定することも可能である。
【0044】
ここで、洗濯機用排水管について説明する。洗濯機用排水管は継ぎ手52への接続対象としての上流側配管部材53を有している。上流側配管部材53は蹴込み板28に沿うようにして横方向に延びており、その側板22側の端部には継ぎ手52に対応させて係合部54が形成されている。この係合部54が継ぎ手52に対して本体キャビネット21の内側から挿入されることにより継ぎ手52と上流側配管部材53とが接続され、継ぎ手52を介して排水ホース42と洗濯機用排水管とが一体化されている。
【0045】
図2(a)に示すように、本実施の形態においては、床部15において洗面台20の奥側且つ上記配管33〜35の設置領域よりも側板23となる位置に洗濯機用の排水口16が形成されている。つまり、本体キャビネット21への排水の流入口と流出口とは共に仕切り部27の下方の蹴込み内領域LSに位置しているものの、その詳細な配置については奥側/正面側に離して設けられている。このような位置関係に対応させて、洗濯機用排水管の取り回しにも工夫が施されている。
【0046】
排水口16には排水トラップ57が取り付けられており、この排水トラップ57には床部15から上側に突出する突出部が形成されている。突出部は洗面台20の正面側に折れ曲がっており、その先端部分(差込口)が洗面台20の正面側に開放されている。
【0047】
なお、仕切り部27は本体キャビネット21の外郭部分に固定された台座60に上方から乗った状態となっており、台座60に固定された固定板62と台座60からの取外可能な可動板63とによって構成されている。特に、可動板63については、排水口16の上方に位置しており、当該可動板63を取り除くことで排水口16(詳しくは排水トラップ57)が収容領域US側に露出する構成となっている。これにより、排水設備の一部(例えば排水口16)を本体キャビネット21内に収容する構成とした場合であっても、排水機能の点検やメンテナンスを行う場合の作業性の担保が図られている。
【0048】
なお、可動板63の隅部には切欠き部64が形成されており、当該切欠き部64へ指を挿入することで可動板63の持ち上げ操作を可能としているが、可動板63を動かす際の把持部として機能するのであれば詳細な構成については任意である。例えば、切欠き部64に代えて上方へ突出する突起を形成してもよい。
【0049】
排水トラップ57の上記先端部分には、排水トラップ57から洗面台20の正面側へ延びる下流側配管部材56が接続されている。下流側配管部材56は側板23に平行に延びている。蹴込み内領域LSにおいて本体キャビネット21の正面寄りとなる部分には略L字状をなす連結部材55(所謂エルボ)が設けられており、この連結部材55によって上流側配管部材53と下流側配管部材56とが連結されている。これにより、洗濯機40からの排水は排水ホース42→継ぎ手52(貫通孔51)→上流側配管部材53→連結部材55→下流側配管部材56→排水トラップ57を通じて排水口16へと導かれることとなる。
【0050】
以上説明した洗濯機用排水設備50のうち洗面台20に設けられた洗面台側の排水設備については洗面台20に付属している。つまり、洗面台20を洗面室10に設置した状態にて洗面台側の排水設備の設置は完了しており、住居者や洗濯機40の宅配業者等が洗濯機40の設置時に当該排水設備を構築する必要はない。故に、洗濯機40を設置する場合には、排水ホース42の先端部(係合部43)を継ぎ手52に差し込むだけで当該設置作業が完了することとなる。ここで、住居者等が洗面室10(詳しくは洗面台20横の設置領域)に洗濯機40を設置する際の作業の流れについて説明する。
【0051】
洗濯機40を設置する際には、先ず洗濯機40を奥壁部13側へ押し込む前に、洗濯機40の後部から延びている排水ホース42を継ぎ手52に挿入して排水経路を構築する。この場合、側板23と対向壁部12との間には当該操作を阻害するものが存在しないため、作業を容易に執り行うことができる。排水ホース42を接続した後は、洗濯機40を奥壁部13側へと押し込む。その後、給水ホース41を接続して給水経路を確保することにより洗濯機40の設置が完了する。
【0052】
以上詳述した第1の実施の形態によれば、洗濯機40用の排水口16及び洗濯機用排水設備50の一部を洗面台20の蹴込み内領域LSに収容することにより、これら各種構成の存在を許容するための領域を洗濯機40用の設置スペースに加味する必要がなくなり、洗面台20横の設置スペースへ設置可能な洗濯機40のサイズ(横幅)に対する制約を抑えることができる。つまり、対向壁部12間の限られた間口にて、洗面台20と洗濯機40とを並設するにあたり、洗濯機40のサイズに対する制約を抑えることができる。
【0053】
特に、洗面台20においては蹴込み内領域LSを洗濯機用排水設備50の収容領域として活用することにより、蹴込み内領域LSがデッドスペースとなることを抑制して洗面台20における内部領域ISを有効利用に貢献できる。
【0054】
洗濯機40を設置する場合には排水ホース42を継ぎ手52に挿入することで予め準備された洗面台側排水管と一体となって排水経路が構築される。このため、居住者等が洗濯機40を設置する際の手間を減らすことができる。
【0055】
継ぎ手52については、洗面台20における前面よりとなる部分に配置されているため、洗面台20の正面側から排水ホース42の挿入作業を容易に執り行うことができ、作業の容易化が実現されている。
【0056】
洗面台20に付与された給排水設備30は本体キャビネット21の奥側に配置されており、収容領域USの収容機能の低下が抑えられている。ここで、洗濯機40用の排水口16についても、給排水設備30を構成する配管33〜35の設置領域と横並びとなる位置(奥部)に配置することで、建物の施工時の配管が複雑になることを抑制している。
【0057】
また、洗濯機用排水設備50に継ぎ手52を採用した場合には、この継ぎ手52付近で流れが悪くなる等した場合には、水漏れや滲み等の不都合が生じやすくなると想定される。この点、本実施の形態においては、上流側配管部材53を横向きに配し、その先に排水経路の向きを変える連結部材55を配することで流れが悪くなる場所(負荷が大きくなる場所)を継ぎ手52から遠ざけている。これにより、継ぎ手52の存在により水漏れ等の発生が生じやすくなることを抑制している。
【0058】
また、洗濯機40が配置された状態では、継ぎ手52に対する排水ホース42の取外方向に洗濯機本体が位置することとなり、排水ホース42が脱落することが洗濯機自身によって抑制されることとなる。これにより、排水機能を担保することが可能となっている。
【0059】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、洗濯機40の内部領域ISに洗濯機用の排水管を配設し、洗濯機40から延びる排水ホース42を本体キャビネット21の側板23に設けられた継ぎ手52に接続されることで洗濯機用の排水経路が完成する構成としたが、本実施の形態においてはこの排水経路にかかる構成が相違している。以下、図3を参照して、第2の実施の形態における洗濯機用排水設備を第1の実施の形態に示した洗濯機用排水設備との相違点を中心に説明する。図3(a)は第2の実施の形態における洗濯機用排水設備を示す平面図、図3(b)は洗濯機用排水設備を示す正面図である。
【0060】
図3(a)に示すように、洗面台20X(詳しくは本体キャビネット21X)の側板23には、上記第1の実施の形態と同じ部分に貫通孔51Xが形成されている。貫通孔51Xは、洗濯機40の排水ホース42を挿通可能な大きさを有しており、上記継ぎ手52に相当する構成が省略されている。
【0061】
また、蹴込み内領域LSには配管部材53,56等が省略されており、排水トラップ57に対して排水ホース42が直接接続されている。排水ホース42は、本体キャビネット21X(詳しくは側板22)における手前側部分に形成された貫通孔51Xを経由して本体キャビネット21Xの奥側に設けられた排水トラップ57に接続されることで、その一部が蹴込み内領域LS内に収容されている。
【0062】
居住者等が洗濯機40を設置する場合には、先ず洗濯機40を洗面台20横の設置領域よりも手前側に置いた状態で排水ホース42を貫通孔51Xから蹴込み内領域LSへと挿入する。その後、洗面台20の前扉26を開放して仕切り部27の可動板63を取り外し、排水ホース42と排水トラップ57との連結作業を行う。このようにして排水経路を完成させた後、洗濯機40を奥壁部13へ向けて(詳しくは上記設置領域へと)押し込むことで洗濯機40の設置が完了することとなる。
【0063】
ここで、洗濯機に設けられた排水ホースについては一般的に、洗濯機の様々な設置状況を想定してその全長が長めに設定されていることが多い。このため、排水口が洗濯機の設置領域に設けられている場合には排水ホースに余剰部分が生じる。このような余剰部分については洗面室の見栄えを低下させる要因となり得るため、多くの場合上記余剰部分を洗濯機の背後や洗面台との間に目立たないように配置される。また、このような余剰部分の存在は実質的な洗濯機の設置可能領域を狭くする要因にもなる。
【0064】
この点、本実施の形態においては、排水ホース42を蹴込み内領域LS内に収容可能であるため、上記余剰部分を蹴込み内領域LS内に隠すことができる。これにより、見栄えの悪化を抑制することができる。また、余剰部分が洗面台20内に収容されるため、余剰部分の存在が上記設置可能領域を狭くする要因になることを抑制できる。
【0065】
特に、排水口16(排水トラップ57)が奥側、貫通孔51が手前側に位置となるように離して両構成を離して配設されており、排水ホース42を排水トラップ57に接続した場合には、排水ホース42は蹴込み内領域LSを縦断することとなる。このようにして排水ホース42が通過する箇所を遠ざけておくことで、排水ホース42を蹴込み内領域LS内に押し込む等した場合に、当該排水ホース42に折れ等が生じることを抑制することができる。
【0066】
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
【0067】
(1)上記各実施の形態では、「水使用設備」として洗濯機40を例示したが、これに限定されるものではない。例えばキッチンに設けられる流し台等の水回り設備(「建物用キャビネット」に相当)に食器洗浄機(「水使用設備」に相当)を並設する場合には、流し台に食器洗浄機用の排水設備を設けることも可能である。
【0068】
(2)上記各実施の形態では、仕切り部27よりも下側に「貫通部」としての貫通孔51を形成したが、貫通孔51の高さ位置はこれに限定されるものではない。少なくとも洗面台20における本体キャビネット21を上下に2分した場合、その下側部分に形成されていればよい。
【0069】
(3)上記各実施の形態では、図2(b)等に例示したように床部15と仕切り部27との中間位置に貫通孔51を設けたが、排水用の流入口については床部15寄りに形成することが好ましい。洗濯機には洗濯機本体から下方に延びる脚部が形成され、床部15との間に隙間が生じるように構成されることが一般的である。この場合、上記流入口をできるだけ床部15に近づけることで、排水ホースを洗濯機の下方に配することが可能となり、洗面台20と洗濯機との間に生じる隙間を更に小さくすることができる。これにより、配置可能な洗濯機のサイズの自由度を高めることができる。
【0070】
(4)上記各実施の形態では、仕切り部27において排水口16(排水トラップ57)の上方に位置している部分を可動板63によって構成して当該可動板63を本体キャビネット21からの取外を可能としたが、少なくとも排水口16(排水トラップ57)と対峙している部分を含んでいるのであれば仕切り部27におけるどの範囲を可動板63で構成するかは任意である。例えば図4(a)の概略図に示すように、仕切り部27において排水口16から貫通孔51までの範囲を長板状の可動板63Yによって構成することも可能である。
【0071】
第1の実施の形態に示した構成に本変形例を適用する場合には「キャビネット内配管」としての各種配管部材53,56等と対峙する部分を可動板63Yとすることにより本体キャビネット21内に収容されている配管部材53,56等の設置作業やメンテナンス作業を一層容易なものとすることができる。
【0072】
また、第2の実施の形態に示した構成に本変形例を適用する場合には洗濯機40から延びる排水ホース42の蹴込み内領域LS(本体キャビネット21内)への引き込み作業が容易となる。特に、排水ホース42が蛇腹状をなしている場合には、同排水ホース42をある程度伸ばし気味で使ったほうが排水ホース42内での水の流れを妨げたり、排水ホース42内に排水が残ったりすることを抑制しやすい。そこで、排水ホース42は縮めた状態で使用するよりも伸ばした状態で使用するほうが好ましい。しかしながら、この場合には上述した余剰部分が多く発生すると懸念される。この点、排水口16から貫通孔51までの範囲を長板状の可動板63Yによって構成すれば、このような余剰部分を蹴込み内領域LS内へと引き込みやすくなり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
【0073】
なお、可動板は蹴込み内領域LSを開閉可能な状態で設置されているのであればよく、例えばスライド又は回動することにより、開状態と閉状態とに切り替わる構成とすることも可能である。
【0074】
(5)上記変形例(4)に示した技術的思想を上記第2の実施の形態に適用した場合には、蹴込み内領域LSにおける排水ホース42の取り回しの自由度が向上する。これは、排水ホース42の余剰部分を収容する上では有利であるが、このような自由度が高くなることで排水ホース42が洗面台20の給排水設備30(詳しくは配管33〜35)に干渉する可能性がある(図4(b1)の概略図に示す2点鎖線参照)。これは、排水ホース42や配管33〜35等の変形や破損の原因となり得るため好ましくない。一方、図4(b1)にて破線部分で例示しているように、排水ホース42の余剰部分が洗面台20外に露出することは見栄え等の悪化を招来しえるため好ましくない。
【0075】
そこで、本変形例においては図4(b2)の概略図に示すように、それら各種事情に鑑みた対策が講じている。そもそも、洗面台20Zの仕切り部27Zについてはその上方が生活用品等の収容領域USとなるように構成されて、仕切り部27Zはそれら生活用品の載置部として機能する。そこで、このような載置部としての機能を担保すべく本変形例においては仕切り部27Zと床部15との間(蹴込み内領域LS)に仕切り部27を下方から支持する支柱71Zが複数設けられている。
【0076】
支柱71Zの1つは可動板63Zとの境界寄りとなる位置に配置されている。この支柱71Zに対して排水ホース42を引っ掛けたり巻きつけたりすることにより、排水ホース42の取り回しにある程度の制限を設けることができる。これにより、排水ホース42が蹴込み内領域LSへ無作為に収容される場合と比較して、洗面台20が本来有する給排水設備30との干渉を抑制することができる。
【0077】
(6)上記第1の実施の形態では、「キャビネット内配管」を上流側配管部材53や下流側配管部材56等の複数の部材を連結することにより構成したが、これに限定されるものではなく「キャビネット内配管」を1の部材によって構成することも可能である。かかる変形例においてはその一端部が継ぎ手52に接続される構成とすればよい。
【0078】
(7)上記各実施の形態では、「建物用キャビネット」としての洗面台20が生活用品等の収容機能を有する構成としたが、少なくとも床部15において洗面台20が設置されている部分に「水使用設備」としての洗濯機40からの排水が流入する排水口16が形成され、当該排水口16へ続く排水管が配置可能であれば足り、上記収容機能については省略してもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…洗面室、11…壁体、15…床部、16…排水口、20…建物用キャビネットとしての洗面台、21…本体キャビネット、23…側板、27…仕切り部、32…水設備を構成する蛇口、34…キャビネット用給水管としての給水管、35…キャビネット用排水管としての洗面用排水管、40…水使用設備としての洗濯機、42…排水管を構成する排水ホース、51…貫通部としての貫通孔、52…接続部としての継ぎ手、53…上流部分としての上流側配管部材、55…中流部分としての連結部材、56…下流部分としての下流側配管部材、57…排水トラップ、62…固定板、63…可動板、71…支柱、IS…内部領域、US…収容領域、LS…蹴込み内領域。
図1
図2
図3
図4