(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係るラベル剥離機10が右方から見た側面図にて示されており、
図2には、ラベル剥離機10が後方から見た断面図(
図1の2−2線断面図)にて示されている。さらに、
図3には、ラベル剥離機10が右方から見た断面図にて示されており、
図4には、ラベル剥離機10が前側から見た断面図(
図1の4−4線断面図)にて示されている。なお、図面では、ラベル剥離機10の前方を矢印FRで示し、ラベル剥離機10の右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0015】
本実施形態に係るラベル剥離機10は、
図10(A)に示す略筒形容器状のボトル12(特にペットボトル)に装着された筒形フィルム状のラベル14を剥離するものである。
【0016】
ボトル12は、樹脂製にされて、可撓性を有しており
、基端が板状の底部16にされ、基端及び先端以外が筒状の本体部18にされ、先端が略円筒状の縮径部20(首部及び開口部)にされている。縮径部20は、本体部18に比し径が小さくされており、縮径部20及び底部16は、本体部18に比し剛性が高くされている。また、ラベル14は、樹脂製又は紙製にされて、本体部18外周の周方向全体に装着されている。
【0017】
ボトル12の縮径部20外周には、円環板状のフランジ20Aが同軸上に一体形成されており、フランジ20Aは、縮径部20の径方向外側に突出されて、縮径部20の最大径部分にされている。縮径部20には、フランジ20Aよりボトル12先端側において、有底円筒状のキャップ22が着脱可能
にされており、縮径部20にキャップ22が装着(特に螺合)されてボトル12が封止される(ボトル12内が閉塞される)と共に、縮径部20からキャップ22が離脱されてボトル12が開封される(ボトル12内が開放される)。フランジ20Aとキャップ22との間には、円筒状のリング22Aが配置されており、リング22Aは、縮径部20に係止されている。ボトル12が一度も開封されていない際(縮径部20からキャップ22が一度も離脱されてない際)には、リング22Aがキャップ22と一体にされており、ボトル12が初めて開封される際(縮径部20からキャップ22が初めて離脱される際)に、リング22Aが、縮径部20への係止によって、キャップ22から分離される。
【0018】
一般的なボトル12(500mlの液体を収容可能なもの)では、本体部18及び底部16の最大径寸法が略60mmにされると共に、縮径部20の最大径寸法(フランジ20Aの径寸法)が略30mmにされており、ボトル12の軸方向寸法(高さ寸法)が略210mmにされている。
【0019】
また、後述の如く、ラベル剥離機10では、投入されたボトル12が圧縮部26において圧縮される。このため、ラベル剥離機10に投入されるボトル12は、どのような状態のものでもよく、ボトル12(特に本体部18)が径方向に圧縮されていても圧縮されていなくてもよい。さらに、ボトル12の縮径部20にキャップ22が装着されていても装着されていなくてもよく、ボトル12内に液体が収容(特に残留)されていても収容されていなくてもよい。
【0020】
図1及び
図2に示す如く、ラベル剥離機10の後部には、上端部において、筒状の投入ホッパ24が設けられており、投入ホッパ24の一端(上側端)は、内部が左方に開口されている。このため、投入ホッパ24の一端開口から投入ホッパ24内にボトル12が投入(供給)されて、ラベル剥離機10にボトル12が投入される。
【0021】
ラベル剥離機10の後部には、投入ホッパ24の下側において、圧縮部26が設けられている。
【0022】
圧縮部26には、略矩形筒状の圧縮筒28が設けられており、圧縮筒28の上端は、投入ホッパ24の他端(下側端)に接続されている。このため、投入ホッパ24内に投入されたボトル12が圧縮筒28内に流下(供給)される。
【0023】
圧縮筒28の上下方向中間部内には、中空円柱状の圧縮ロール30が一対回転可能に支持されており、圧縮ロール30は、それぞれ軸方向が前後方向に平行に配置されている。一対の圧縮ロール30は、左右方向に並べられており、一対の圧縮ロール30間の最小隙間寸法は、例えばボトル12のキャップ22の径寸法に比し小さくされている。一対の圧縮ロール30は、圧縮モータ32に接続されており、圧縮モータ32が駆動されることで、一対の圧縮ロール30が回転される。この際、一対の圧縮ロール30は、それぞれの上部が間の隙間へ向かう方向に回転される。
【0024】
圧縮ロール30の外周面には、略円柱状の貫通ピン34が複数固定されており、複数の貫通ピン34は、圧縮ロール30の周方向及び軸方向に間隔をあけて並べられている。貫通ピン34は、圧縮ロール30の径方向外側に突出されており、貫通ピン34の圧縮ロール30外周面からの突出寸法は、一対の圧縮ロール30間の最小隙間寸法に比し大きくされている。また、貫通ピン34の先端部は、円錐状にされている。
【0025】
圧縮ロール30の周壁には、矩形状の貫通孔(図示省略)が複数貫通形成されており、貫通孔の長手方向寸法及び幅方向寸法は、例えばボトル12の本体部18の最大径寸法に比し大きくされている。複数の貫通孔は、圧縮ロール30の周方向及び軸方向に間隔をあけて並べられており、一対の圧縮ロール30が回転される際には、少なくとも一対の圧縮ロール30間の最小隙間位置において、常に貫通ピン34が貫通孔を貫通される。
【0026】
圧縮筒28の上部内には、案内路28Aが形成されており、案内路28Aは、圧縮筒28内に流下されたボトル12を各圧縮ロール30の上部に流下させる(案内する)。このため、一対の圧縮ロール30が回転される際には、ボトル12が、圧縮ロール30によって一対の圧縮ロール30間に搬送されて、一対の圧縮ロール30間を通過されることで、ボトル12が、一対の圧縮ロール30間に挟まれて、径方向において圧縮される。この際には、貫通ピン34がボトル12(特に本体部18の周壁又は底部16)を貫通することで、ボトル12内の液体及び気体(空気)が排出される。さらに、一対の圧縮ロール30又は貫通ピン34がボトル12のキャップ22やリング22Aを破壊することで、ボトル12からキャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が離脱される場合がある。
【0027】
上述の如く、ボトル12では、縮径部20及び底部16が本体部18に比し剛性を高くされている。このため、ボトル12が一対の圧縮ロール30間を通過されても、特に本体部18は径方向において圧縮されるものの、底部16及び縮径部20は径方向において圧縮され難い。これにより、底部16は径方向を本体部18の軸方向側に傾倒されると共に、縮径部20は貫通孔を介して圧縮ロール30内に侵入され易くて殆ど径方向において圧縮されない。しかも、ボトル12は、一対の圧縮ロール30間を通過された後に、僅かに弾性復元されて圧縮量を減少される。
【0028】
これにより、一対の圧縮ロール30間を通過されて圧縮されたボトル12(以下「圧縮ボトル12」という)の圧縮方向における最大厚さ寸法は、縮径部20の最大径寸法に対し等しくなるか僅かに大きくなる(
図10(B)参照)。このため、一般的なボトル12では、圧縮ボトル12の圧縮方向における最大厚さ寸法は、略30mmになる。さらに、一般的なボトル12では、圧縮ボトル12の圧縮垂直方向における最大幅寸法は、略90mmになり、圧縮ボトル12の圧縮垂直方向における最大軸方向寸法(最大長手方向寸法)は、略240mmになる。
【0029】
圧縮ロール30の周壁は、一対の圧縮ロール30より下側の部分において、排出壁28Bにされており、排出壁28Bには、複数の排出孔(図示省略)が貫通形成されている。排出孔は、圧縮ボトル12が通過不能にされると共に、上述の如くボトル12内から排出された液体とボトル12から離脱されたキャップ22及びリング22Aとが通過可能にされている。複数の排出孔は、排出箱36内に連通されており、当該液体、キャップ22及びリング22Aは、排出孔を通過されて圧縮ボトル12から選別されると共に、排出箱36内に流下されて排出される。
【0030】
ラベル剥離機10には、圧縮部26の下側かつ前側において、剥離部38が設けられている。
【0031】
剥離部38には、筒状の剥離筒40が設けられており、剥離筒40の後部には、圧縮部26の圧縮筒28下端が接続されている。このため、圧縮部26において圧縮された圧縮ボトル12が剥離筒40の後部内に流下(供給)される。また、剥離筒40の軸方向は、前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に所定角度(例えば前方に対し15°)傾斜されている。
【0032】
図3〜
図7に示す如く、剥離筒40には、正7角形筒状のケーシング42が設けられており、ケーシング42の各角部には、長尺板状のライナ44が固定されている。ライナ44の長手方向は、ケーシング42の軸方向に沿って配置されており、ライナ44の幅方向中間部は、ケーシング42の径方向に垂直に配置されている。剥離筒40の内周面40Aは、ケーシング42のライナ44幅方向中間部が配置されていない部分とライナ44の幅方向中間部とによって形成されて、断面外形が14角形にされており、剥離筒40の内周面40Aは、ケーシング42形成部分がライナ44形成部分に比し幅方向寸法を大きくされる(例えば略2倍にされる)と共に、ケーシング42形成部分の幅方向中央がライナ44形成部分の幅方向中央に比し剥離筒40の径方向内側に配置されている。
【0033】
ライナ44の幅方向両側部は、ライナ44の幅方向中間部に対し屈曲されて、突出部としての平板状の刃部44Aにされており、刃部44Aは、剥離筒40の内周面40Aに面接触されて、剥離筒40の内周面40Aから剥離筒40内に僅かに(例えば2mm以上3mm以下)突出されている。刃部44Aの先端部(ライナ44の幅方向両端部)には、三角形平板状のライナ刃44Bが複数形成されており、複数のライナ刃44Bは、ライナ44の長手方向(剥離筒40の軸方向)に連続して配置されている。
【0034】
剥離筒40には、突出部としての略円柱状の剥離ピン46が複数固定されており、剥離ピン46は、剥離筒40の内周面40Aから剥離筒40の径方向内側へ向けて突出されている。剥離ピン46は、剥離筒40の内周面40Aのケーシング42形成部分とライナ44形成部分との幅方向中央に配置されており
、剥離筒40の周方向に並べられると共に、ケーシング42に配置されるものがライナ44に配置されるものに比し剥離筒40の径方向内側に配置されている。剥離ピン46は、剥離筒40の軸方向に所定間隔A(
図5参照、例えば150mm)で並べられており、所定間隔Aは、一般的な圧縮ボトル12の最大軸方向寸法に比し小さくされている。
【0035】
図8に示す如く、剥離ピン46の基端には、円板状の固定部46Aが同軸上に形成されており、固定部46Aは、剥離ピン46の他の部分に比し拡径されている。剥離ピン46の先端部は、円錐状にされており
、剥離ピン46の先端側に向かうに従い徐々に縮径されている。
【0036】
剥離ピン46は、固定機構48(ロック機構)によって剥離筒40に固定されている。固定機構48には、有底円筒状の固定筒50が設けられており、固定筒50は、ケーシング42又はライナ44に貫通された状態で固定されると共に、剥離筒40の径方向外側に突出されている。固定筒50の底壁(基端壁)には、剥離ピン46が同軸上に貫通されており
、剥離ピン46の固定部46Aが係止されている。固定筒50内には、ボルト52が螺合されており、ボルト52と固定筒50の底壁との間に剥離ピン46の固定部46Aが挟持されることで、剥離ピン46が固定筒50に固定されて剥離筒40に固定されている。ボルト52は、ナット54(ロックナット)に螺合されており、ナット54は、固定筒50の先端に圧接されている。
【0037】
このように、剥離ピン46がボルト52(固定機構48)と別部品にされている。このため、剥離ピン46の材料を、ボルト52と無関係に選択できて、ボルト52と別種類(例えばSKH又はSKD)にできる。これにより、ボルト52を先端加工することにより剥離ピン46に相当する部分をボルト52と一体に形成し、当該ボルト52を熱処理した場合に比し、剥離ピン46の硬度を高くできて、剥離ピン46の耐久性を向上できると共に、コストを低減できる。
【0038】
図3〜
図7に示す如く、剥離筒40内には、12角柱状(略6角柱状)の剥離ロール56が同軸上に配置されており、剥離ロール56の外周面56Aと剥離筒40の内周面40Aとの間には、剥離室58が形成されている。剥離ロール56には、駆動モータ60(
図2参照)が接続されており、駆動モータ60が駆動されることで、剥離ロール56が矢印B方向に回転される。剥離ロール56の外周面56Aには、長尺矩形状の幅広面と幅狭面とが周方向に交互に配置されており、幅広面は幅狭面に比し幅方向寸法を大きくされる(例えば2倍以上にされる)と共に、幅狭面の幅方向中央は幅広面の幅方向中央に比し剥離ロール56の径方向(回転径方向)外側に配置されている。
【0039】
剥離ロール56の外周面56Aには、幅広面において、突起部としての正方形柱状の搬送翼62が複数固定されており、搬送翼62は、剥離ロール56と一体回転可能にされている。搬送翼62は、剥離ロール56の外周面56Aから所定距離C(
図7参照、例えば25mm)突出されており、所定距離Cは、一般的なボトル12の縮径部20の最大径寸法に比し小さくされている。搬送翼62は、剥離ロール56外周の三条螺旋上に配置されており
、剥離ロール56の軸方向(回転軸方向)及び周方向(回転周方向)に等間隔で並べられている。搬送翼62の長手方向は、剥離ロール56外周の螺旋にほぼ沿って配置されており
、剥離ロール56の軸方向に対し所定角度α(
図5参照、例えば45°)傾斜されると共に、矢印B方向へ向かうに従い後側へ向かう方向に傾斜されている。
【0040】
剥離ロール56の軸方向において隣設される一対の搬送翼62の剥離ロール56軸方向における間には、当該搬送翼62と剥離ロール56外周の螺旋方向において隣設される搬送翼62が配置されており、剥離ロール56外周の螺旋方向において隣設される一対の搬送翼62は、剥離ロール56の軸方向において離間されて、剥離ロール56の軸方向における間の位置に剥離筒40の剥離ピン46が配置されている。
【0041】
図5に示す如く、剥離ロール56の軸方向において隣設される一対の搬送翼62の剥離ロール56軸方向における離間寸法D(例えば282mm)は、一般的な圧縮ボトル12の最大軸方向寸法以上にされており、当該一対の搬送翼62の搬送翼62幅方向における離間寸法Eは、例えば187mmにされている。剥離ロール56外周の螺旋方向において隣設される一対の搬送翼62の当該螺旋方向における離間寸法F(例えば108mm)は、一般的な圧縮ボトル12の最大幅寸法以上にされており、当該一対の搬送翼62の剥離ロール56軸方向における離間寸法Gは、例えば40mmにされている。
【0042】
図7に示す如く、剥離筒40において、複数のライナ44のライナ刃44Bの内接円半径H(刃部44A先端の剥離ロール56中心軸線からの離間距離)は、例えば214mmにされており、ケーシング42に配置される複数の剥離ピン46の内接円半径I(剥離ピン46先端の剥離ロール56中心軸線からの離間距離)は、例えば201mmにされている。剥離ロール56の回転最外軌跡円半径J(外接円半径)は、例えば184mmにされており、搬送翼62の回転最外軌跡円半径K(複数の搬送翼62の外接円半径)は、例えば203mmにされている。
【0043】
剥離筒40の内周面40Aと搬送翼62との最大離間寸法(剥離筒40の内周面40Aのライナ44形成部分と搬送翼62とが剥離ロール56の径方向において対向されて互いに平行に配置された際における両者の剥離ロール56径方向における離間寸法、例えば23mm)は、一般的なボトル12の縮径部20の最大径寸法以下にされて、一般的な圧縮ボトル12の最大厚さ寸法以下にされている。
【0044】
ケーシング42に配置される剥離ピン46は、搬送翼62の回転最外軌跡円(複数の搬送翼62の外接円)に到達しており
、搬送翼62の回転最外軌跡円の内側に剥離ロール56の径方向において所定侵入寸法L(例えば2mm)だけ侵入している。
【0045】
剥離筒40の剥離ピン46と剥離ロール56の外周面56Aとの最小離間寸法M(ケーシング42に配置される剥離ピン46と剥離ロール56の外周面56Aの幅狭面とが剥離ロール56の径方向において対向されて互いに垂直に配置された際における両者の剥離ロール56径方向における離間寸法、例えば19mm)は、一般的なボトル12の縮径部20の最大径寸法以下にされて、一般的な圧縮ボトル12の最大厚さ寸法以下にされている。
【0046】
ここで、剥離ロール56及び搬送翼62が矢印B方向に回転されることで、上述の如く剥離筒40内に流下された圧縮ボトル12が剥離室58を搬送翼62によって前側かつ上側に搬送される。このため、圧縮ボトル12のラベル14が、ライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62に引っ掛かってライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62によって引っ張られ又は切断されると共に、剥離ロール56の外周面56A又は剥離筒40の内周面40Aとの摩擦力によって引っ張られることで、ラベル14が圧縮ボトル12から剥離される(
図10(B)参照)。さらに、圧縮ボトル12のキャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が、ライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62に引っ掛かって、ライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62によって引っ張られ又は破壊されることで、キャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が圧縮ボトル12から離脱される場合がある。
【0047】
また、上述の如く剥離筒40及び剥離ロール56の軸方向が前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されて、剥離室58の軸方向が前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されている。このため、圧縮ボトル12の剥離室58への滞留時間が長くされて、圧縮ボトル12からのラベル14の剥離率と圧縮ボトル12からのキャップ22及びリング22Aの離脱率とが向上されている。さらに、剥離室58の後側は、上記排出箱36内に連通されており、圧縮ボトル12から離脱されたキャップ22及びリング22Aは、剥離室58の後側に流下されて、排出箱36内に排出される。
【0048】
図1に示す如く、ラベル剥離機10には、剥離部38の前側において、選別部64が設けられている。
【0049】
図3、
図4及び
図9に示す如く、選別部64には、選別箱66が設けられており、選別箱66内は、剥離部38における剥離筒40のケーシング42内に連通されている。このため、剥離筒40内の剥離室58を剥離ロール56の搬送翼62によって前側かつ上側に搬送された圧縮ボトル12及びラベル14が選別箱66内に搬送(供給)される。選別箱66の下側壁は、ケーシング42の径方向外側に配置されており
、ケーシング42の周壁に沿った形状にされている。選別箱66の上側壁は、ケーシング42の径方向外側に配置されており
、上側に凸状に湾曲されると共に、左側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0050】
選別箱66の上下方向中間部の右側には、矩形筒状のボトル筒68が一体に設けられており、ボトル筒68内は、選別箱66内に連通されている。ボトル筒68の軸方向は、略L字状に屈曲されており、ボトル筒68の基端側部分は、右側へ向かうに従い下側へ向かう方向に延伸されると共に、ボトル筒68の先端側部分は、下方に延伸されている。
【0051】
選別箱66の上部の左側には、矩形筒状のラベル筒70が一体に設けられており、ラベル筒70内は、選別箱66内に連通されている。ラベル筒70の軸方向は、略J字状に屈曲されており、ラベル筒70の基端側部分は、左側へ向かうに従い上側へ向かう方向に延伸されて上側壁が選別箱66の上側壁に滑らかに連続されると共に、ラベル筒70の先端側部分は、下方に延伸されている。ラベル筒70の中間部分(基端側部分と先端側部分との間の部分)は、左側へ向かうに従い下側へ向かう方向に延伸されており、ラベル筒70の中間部分の上側壁には、多数の通過孔70Aが貫通形成されている。
【0052】
選別箱66内には、12角柱状(略6角柱状)の選別ロール72が配置されており、選別ロール72は、剥離部38の剥離ロール56と同軸上に一体にされて、剥離ロール56と一体に矢印B方向に回転可能にされている。選別ロール72の外周面の外形は、剥離ロール56の外周面56Aの外形と同一にされており、選別ロール72の外周面には、長尺矩形状の幅広面と幅狭面とが剥離ロール56の外周面56Aの幅広面と幅狭面とにそれぞれ連続されて配置されている。選別ロール72の選別箱66上側壁との径方向における隙間寸法は、選別ロール72の選別箱66下側壁との径方向における隙間寸法に比し、大きくされており、選別箱66内には、選別箱66の上側壁と選別ロール72との間において、選別室74が形成されている。
【0053】
選別ロール72の外周面には、各幅広面の矢印B方向とは反対側の端部において、三角形板状の選別翼76(排出翼)が固定されており、選別翼76は、選別ロール72と一体に矢印B方向に回転可能にされている。選別翼76は、選別ロール72の径方向外側に突出されており、選別翼76の突出方向は、選別ロール72の径方向に対し矢印B方向とは反対側へ傾斜される共に、固定される選別ロール72外周面の幅広面に対し所定角度β(
図9参照、例えば20°)傾斜されている。選別翼76の突出寸法は、後側へ向かうに従い小さくされており、これにより、剥離室58から選別箱66内への圧縮ボトル12及びラベル14の搬送が選別翼76によって阻害されることが抑制されている。
【0054】
上記ボトル筒68基端の下壁には、選別手段としてのブロワ78が連絡されており、ブロワ78は、駆動されることで、選別風(空気)をボトル筒68の基端内及び選別室74(選別箱66の上側壁と選別ロール72との間)を介してラベル筒70内へ送出する。
【0055】
ここで、選別ロール72及び選別翼76が矢印B方向に回転されることで、選別箱66内に搬送された圧縮ボトル12及びラベル14が、選別翼76によって選別ロール72の外周を矢印B方向に回転されて選別室74に矢印B方向に放出される。一方、ブロワ78からの選別風が選別室74を矢印B方向とは反対側に通過される。このため、選別室74において、圧縮ボトル12及びラベル14と選別風とが互いに反対側から衝突されることで、ラベル14に比し重量が大きい圧縮ボトル12は選別風に抗して矢印B方向に移動されると共に、圧縮ボトル12に比し重量が小さいラベル14は選別風によって矢印B方向とは反対側に移動されて、圧縮ボトル12とラベル14とが分離される。これにより、圧縮ボトル12が選別風に抗して選別室74からボトル筒68内に移動されてボトル筒68の先端から排出(流下)されると共に、ラベル14が選別風によって選別室74からラベル筒70内に移動されてラベル筒70の先端から排出(流下)されることで、圧縮ボトル12とラベル14とが選別される。
【0056】
また、選別翼76によって圧縮ボトル12及びラベル14が選別室74に定量ずつ放出される。このため、圧縮ボトル12とラベル14との分離及び選別の精度が向上されている。
【0057】
さらに、上述の如く、選別翼76の突出方向が選別ロール72の径方向に対し矢印B方向とは反対側へ傾斜されている。このため、矢印B方向に回転される選別翼76が選別室74における選別風の矢印B方向とは反対側への通過を阻害することが抑制されている。
【0058】
また、上述の如くラベル筒70内へ送出された選別風は、ラベル筒70の中間部分の多数の通過孔70Aを介してラベル筒70外へ排出される。このため、選別風がラベル筒70の先端から排出されることが抑制されて、ラベル筒70の先端から排出されるラベル14の収集が容易化されている。
【0059】
さらに、上述の如く選別ロール72が剥離ロール56と一体にされて一体回転可能にされると共に、簡単な構成で小型のブロワ78が使用されている。このため、選別部64が簡単な構成で小型のものにされている。
【0060】
また、ラベル剥離機10では、圧縮部26、剥離部38及び選別部64が一体にされている。このため、ラベル剥離機10が小型化されている。
【0062】
以上の構成のラベル剥離機10では、投入ホッパ24からボトル12が投入されることで、圧縮部26の圧縮筒28内において、回転される一対の圧縮ロール30間をボトル12が通過されて、ボトル12が径方向において圧縮される。
【0063】
次に、剥離部38において、圧縮筒28内から圧縮ボトル12が剥離筒40の後部内に流下されると共に、剥離ロール56及び搬送翼62が矢印B方向に回転されることで、圧縮ボトル12が剥離室58を搬送翼62によって前側かつ上側に搬送される。このため、圧縮ボトル12のラベル14が、剥離筒40のライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62に引っ掛かってライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62によって引っ張られ又は切断されると共に、剥離ロール56の外周面56A又は剥離筒40の内周面40Aとの摩擦力によって引っ張られることで、ラベル14が圧縮ボトル12から剥離される。
【0064】
次に、選別部64において、剥離室58から圧縮ボトル12及びラベル14が選別箱66内に搬送されると共に、選別ロール72及び選別翼76が矢印B方向に回転され、かつ、ブロワ78が選別風を送出することで、選別室74(選別箱66の上側壁と選別ロール72との間)において、圧縮ボトル12及びラベル14が選別翼76によって矢印B方向に放出される一方、選別風が矢印B方向とは反対側へ通過される。このため、選別室74において、圧縮ボトル12が選別風に抗して矢印B方向に移動されると共に、ラベル14が選別風によって矢印B方向とは反対側に移動されることで、圧縮ボトル12がボトル筒68の先端から排出されると共に、ラベル14がラベル筒70の先端から排出されて、圧縮ボトル12とラベル14とが選別される。
【0065】
ここで、剥離部38では、剥離筒40の内周面40Aの断面外形が14角形にされると共に、剥離ロール56の外周面56Aの断面外形が12角形にされている。このため、剥離ロール56及び搬送翼62が回転されて、圧縮ボトル12が剥離室58(剥離筒40の内周面40Aと剥離ロール56の外周面56Aとの間)の周方向に回転される際に、圧縮ボトル12が通過する剥離室58の径方向寸法の変化を大きくできて、圧縮ボトル12に剥離筒40の内周面40A及び剥離ロール56の外周面56Aから作用される圧力の変化を大きくできる。これにより、特に圧縮ボトル12に剥離筒40の内周面40A及び剥離ロール56の外周面56Aから作用される圧力が大きくなる際に、圧縮ボトル12のラベル14を剥離ロール56の外周面56A又は剥離筒40の内周面40Aとの摩擦力によって効果的に引っ張ることができ、ラベル14を圧縮ボトル12から効果的に剥離できて、ラベル14の圧縮ボトル12からの剥離効率を向上できる。
【0066】
さらに、剥離筒40の内周面40Aの断面外形と剥離ロール56の外周面56Aの断面外形とが非相似形にされている。このため、剥離筒40の内周面40Aの断面外形と剥離ロール56の外周面56Aの断面外形とが相似形にされる場合と異なり、剥離ロール56が回転される際に剥離ロール56の全角部がそれぞれ剥離筒40の内周面40Aの全側面の幅方向中央に同時に対向して剥離ロール56の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。これにより、剥離ロール56を駆動する駆動モータ60の負荷を低減できると共に、剥離部38の騒音を低減できる。
【0067】
また、剥離筒40の内周面40Aからライナ刃44B及び剥離ピン46が突出されると共に、剥離ロール56の外周面56Aから搬送翼62が突出されている。このため、剥離ロール56及び搬送翼62が回転されて、圧縮ボトル12が剥離室58の周方向に回転される際に、圧縮ボトル12(ラベル14を含む)がライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62に引っ掛かって、ラベル14をライナ刃44B、剥離ピン46又は搬送翼62によって効果的に引っ張り又は切断できると共に、ラベル14を剥離ロール56の外周面56A又は剥離筒40の内周面40Aとの摩擦力によって効果的に引っ張ることができる。これにより、ラベル14を圧縮ボトル12から一層効果的に剥離できて、ラベル14の圧縮ボトル12からの剥離効率を一層向上できる。
【0068】
さらに、剥離筒40の剥離ピン46と剥離ロール56の外周面56Aとの最小離間寸法M(剥離筒40のケーシング42に配置される剥離ピン46と剥離ロール56の外周面56Aの幅狭面とが剥離ロール56の径方向において対向されて互いに垂直に配置された際における両者の剥離ロール56径方向における離間寸法)が、一般的なボトル12の縮径部20の最大径寸法以下にされて、一般的な圧縮ボトル12の最大厚さ寸法以下にされている。しかも、ケーシング42に配置される剥離ピン46が、搬送翼62の回転最外軌跡円(複数の搬送翼62の外接円)に到達して、搬送翼62の回転最外軌跡円の内側に剥離ロール56の径方向において所定侵入寸法Lだけ侵入している。このため、剥離ピン46(特にケーシング42に配置される剥離ピン46)と剥離ロール56の外周面56A(特に幅狭面)との間に圧縮ボトル12を圧縮方向において効果的に挟持できて、圧縮ボトル12(ラベル14を含む)と剥離ロール56の外周面56Aとの摩擦力を一層大きくできると共に、圧縮ボトル12の軸方向周りへの自転を抑制できる。これにより、圧縮ボトル12を剥離ロール56と一体に効果的に回転させることができて圧縮ボトル12のラベル14を剥離ピン46によって一層効果的に引っ張り又は切断できると共に、ラベル14を剥離ロール56の外周面56Aとの摩擦力によって一層効果的に引っ張ることができる。したがって、ラベル14を圧縮ボトル12から一層効果的に剥離できて、ラベル14の圧縮ボトル12からの剥離効率を一層向上できる。
【0069】
しかも、ライナ44の幅方向端部に長手方向に連続して複数のライナ刃44Bが形成されることで、複数のライナ刃44Bが剥離筒40の軸方向に連続して配置されている。このため、圧縮ボトル12のラベル14を複数のライナ刃44Bによって効果的に引っ張り又は切断でき、圧縮ボトル12にラベル14が接着されている場合でもラベル14を圧縮ボトル12から効果的に剥離できて、ラベル14の圧縮ボトル12からの剥離効率を一層向上できる。
【0070】
また、ライナ44の幅方向両端部にライナ刃44Bが形成されている。ここで、剥離ロール56が矢印B方向に回転されるため、ライナ44の矢印B方向とは反対側のライナ刃44Bが、圧縮ボトル12から作用される摩擦力を大きくされて、摩耗され易い。このため、ライナ44の矢印B方向とは反対側のライナ刃44Bが摩耗された際には、ケーシング42にライナ44を幅方向一側と幅方向他側とを逆にして取り付けることで、ライナ44の矢印B方向とは反対側のライナ刃44Bを摩耗されていないものにできる。これにより、ライナ44の交換が必要になる期間を長くできる。
【0071】
なお、本実施形態では、剥離筒40の内周面40Aの断面外形を偶数角形(14角形)にすると共に、剥離ロール56の外周面56Aの断面外形を偶数角形(12角形)にした。しかしながら、剥離筒40の内周面40A及び剥離ロール56の外周面56Aの一方の断面外形を奇数角形にすると共に、剥離筒40の内周面40A及び剥離ロール56の外周面56Aの他方の断面外形を偶数角形にしてもよい。これにより、剥離ロール56が回転される際に剥離ロール56の回転抵抗が大きくなることを適切に抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、剥離ロール56の外周面56Aの断面外形を多角形状にした。しかしながら、剥離ロール56の外周面56Aの断面外形を円状にしてもよい。
【0073】
さらに、本実施形態では、剥離筒40及び剥離ロール56の軸方向を水平方向に対し傾斜させて配置した。しかしながら、剥離筒40及び剥離ロール56の軸方向を水平方向に対し平行に配置してもよい。