特許第6195504号(P6195504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195504
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/22 20060101AFI20170904BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 9/06 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 21/00 20060101ALI20170904BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20170904BHJP
   B60C 15/06 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   C08J3/22CEQ
   C08K3/04
   C08L7/00
   C08L9/06
   C08L9/00
   C08L21/00
   B60C1/00 C
   B60C1/00 A
   B60C1/00 Z
   B60C15/06 B
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-233228(P2013-233228)
(22)【出願日】2013年11月11日
(65)【公開番号】特開2015-93902(P2015-93902A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 惇
(72)【発明者】
【氏名】野村 健治
(72)【発明者】
【氏名】箕内 則夫
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−111888(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/145586(WO,A1)
【文献】 特開2013−199543(JP,A)
【文献】 特開2012−158666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/22
B60C 1/00
B60C 15/06
C08K 3/04
C08L 7/00
C08L 9/00
C08L 9/06
C08L 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素吸着比表面積(NSA)がNA(m/g)であるカーボンブラックAを含有するゴムウエットマスターバッチAと、窒素吸着比表面積(NSA)がNB(m/g)であるカーボンブラックBを含有するゴムウエットマスターバッチBとを乾式混合することにより得られたゴム組成物であって、
前記ゴムウエットマスターバッチAと前記ゴムウエットマスターバッチBとの含有比が、5:95〜40:60であり、
前記ゴムウエットマスターバッチA中の前記カーボンブラックAの含有割合をLA、前記ゴムウエットマスターバッチB中の前記カーボンブラックBの含有割合をLBとしたとき、以下の式(1)、(2)を満たすことを特徴とするゴム組成物。
NA>NB (1)
1800≦NA×LA−NB×LB≦7000 (2)
(ただし、LA、LBは、100×(ゴムウエットマスターバッチ中のカーボンブラックの含有量)/(ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の含有量)を示す。)
【請求項2】
前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分が、天然ゴム、ポリスチレン―ブタジエンゴム、およびポリブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを80質量部以上含有する請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが、少なくともカーボンブラック、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として使用し、少なくとも前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させてカーボンブラック含有スラリー溶液を製造する工程(α)、前記カーボンブラック含有スラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液とを混合して、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β)、および前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させる工程(γ)を経由して得られるものであり、
前記工程(α)が、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させる際に、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する工程(α−(a))であり、
前記工程(β)が、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β−(a))である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたプライトッピングゴムを備える空気入りタイヤ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたトレッドゴムを備える空気入りタイヤ。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたビードフィラーゴムを備える空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に空気入りタイヤ用途に好適に使用可能なゴム組成物に関し、かかるゴム組成物は低発熱性能に優れ、高いゴム硬度を示す加硫ゴムの原料として有用である。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填材を含有するゴム組成物を製造する際の加工性や充填材の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填材と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填材とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填材の分散性に優れ、加工性や補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。
【0003】
ところで、タイヤ用途に使用される加硫ゴムについては、2種類以上のゴムウエットマスターバッチを混合して得られたゴム組成物を使用する場合がある。
【0004】
2種類以上のゴムウエットマスターバッチを原料として使用する技術として、下記特許文献1には、ゴムウェットマスターバッチ(A)を、該ゴムウェットマスターバッチ(A)と異なる組成のゴムマスターバッチ(B)と共に湿式混合し、次いで混練および乾燥させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−197622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、本発明者が鋭意検討したところ、上記特許文献1に記載の技術では、2種類のゴムウエットマスターバッチを乾燥しながら混合するため、ゴム組成物が系全体で等しくなり、特定の構造を形成するのが難しいことに起因して、加硫ゴムの低発熱性能が向上しない傾向があり、かつゴム硬度も高くなり難い傾向がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低発熱性能に優れ、高いゴム硬度を示す加硫ゴムの原料となり得るゴム組成物を提供することにある。また、本発明は、ゴム組成物を用いて得られた空気入りタイヤに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。即ち本発明は、窒素吸着比表面積(NSA)がNA(m/g)であるカーボンブラックAを含有するゴムウエットマスターバッチAと、窒素吸着比表面積(NSA)がNB(m/g)であるカーボンブラックBを含有するゴムウエットマスターバッチBとを乾式混合することにより得られたゴム組成物であって、前記ゴムウエットマスターバッチAと前記ゴムウエットマスターバッチBとの含有比が、5:95〜40:60であり、前記ゴムウエットマスターバッチA中の前記カーボンブラックAの含有割合をLA、前記ゴムウエットマスターバッチB中の前記カーボンブラックBの含有割合をLBとしたとき、以下の式(1)、(2)を満たすことを特徴とするゴム組成物、
NA>NB (1)
1800≦NA×LA−NB×LB≦7000 (2)
(ただし、LA、LBは、100×(ゴムウエットマスターバッチ中のカーボンブラックの含有量)/(ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の含有量)を示す。)、に関する。
【0009】
上記ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックを含有するゴムウエットマスターバッチと、窒素吸着比表面積が小さいカーボンブラックを含有するゴムウエットマスターバッチとを、特定の配合比率で乾式混合することにより製造された点が特徴である。前記式(1)および(2)を満たすゴムウエットマスターバッチAとゴムウエットマスターバッチBとを乾式混合することにより得られたゴム組成物が、低発熱性能に優れ、高いゴム硬度を示す加硫ゴムの原料となり得る理由は明らかではないが、以下の如く推定される。
【0010】
前記式(1)および(2)を満たすゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチBを乾式混合すると、ゴムウエットマスターバッチA相とゴムウエットマスターバッチB相とは完全には相溶せず、適度に相分離する。これにより、窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックを含有するゴムウエットマスターバッチA相が島相、窒素吸着比表面積が小さいカーボンブラックを含有するゴムウエットマスターバッチB相が海相となる海島構造を形成する。そして、加硫ゴムとなった段階で微小歪が作用すると、島相(ゴムウエットマスターバッチA相)ではなく海相(ゴムウエットマスターバッチB相)が応答することにより、加硫ゴムの低発熱性能が確保される。一方、島相(ゴムウエットマスターバッチA相)には、補強性の高い小粒径のカーボンブラックが含まれており、島相全体が大きな充填剤のように応答するため、加硫ゴムのゴム硬度が向上する。
【0011】
上記ゴム組成物において、前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分が、天然ゴム、ポリスチレン―ブタジエンゴム、およびポリブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを80質量部以上含有することがより好ましい。かかる構成によれば、加硫ゴムとしたときの低発熱性能がさらに向上し、かつゴム硬度をより高くすることができる。
【0012】
上記ゴム組成物において前記ゴムウエットマスターバッチAおよび前記ゴムウエットマスターバッチBが、少なくともカーボンブラック、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として使用し、少なくとも前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させてカーボンブラック含有スラリー溶液を製造する工程(α)、前記カーボンブラック含有スラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液とを混合して、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β)、および前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させる工程(γ)を経由して得られるものであり、前記工程(α)が、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させる際に、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する工程(α−(a))であり、前記工程(β)が、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β−(a))であることが好ましい。かかる構成によれば、加硫ゴムとしたときの低発熱性能が特に向上し、かつゴム硬度をさらに高くすることができる。
【0013】
本発明は、前記記載のゴム組成物を用いて得られたプライトッピングゴム、トレッドゴム、およびビードフィラーゴムの少なくとも1つを備える空気入りタイヤ、に関する。前記ゴム組成物を原料として得られる加硫ゴムは、低発熱性能が優れ、かつゴム硬度が高いため、特にかかる加硫ゴムをゴム部として備える空気入りタイヤは、低燃費性と剛性の両立が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において原料として使用するゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチは、少なくともカーボンブラック、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として使用する。
【0015】
カーボンブラックAおよびカーボンブラックBとしては、例えばASTM D1765に規定されたN110(NSA;142m/g)、N220(NSA;119m/g)、N234(NSA;126m/g)、N326(NSA;84m/g)、N330(NSA;79m/g)、N339(NSA;93m/g)、N550(NSA;42m/g)、N660(NSA;27m/g)、N774(NSA;27m/g)が挙げられる。ただし、低発熱性能およびゴム硬度を向上する観点から、NA>NB (1)である必要があり、NA−NB>10以上であることが好ましく、NA−NB>15以上であることがより好ましい。なお、カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。
【0016】
分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。
【0017】
ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。
【0018】
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。本発明において使用する天然ゴムラテックス中の天然ゴムの数平均分子量は、200万以上であることが好ましく、250万以上であることがより好ましい。また天然ゴムラテックスについては濃縮ラテックスやフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばポリスチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴムを乳化重合により製造したものがある。
【0019】
ゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分は、天然ゴム、ポリスチレン―ブタジエンゴム、およびポリブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチBが含有するゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを80質量部以上含有することがより好ましく、90質量部以上とすることが好ましい。
【0020】
以下に、原料として使用するゴムウエットマスターバッチの製造方法について説明する。かかる製造方法は、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させてカーボンブラック含有スラリー溶液を製造する工程(α)、前記カーボンブラック含有スラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液とを混合して、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β)、前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させる工程(γ)を有することが好ましい。
【0021】
特に、本発明においては、前記工程(α)が、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させる際に、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する工程(α−(a))であり、前記工程(β)が、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラックを含有するスラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(β−(a))であることが好ましい。以下に、工程(α−(a))および工程(β−(a))について説明する。
【0022】
(1)工程(α−(a))
工程(α−(a))では、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する。ゴムラテックス溶液は、あらかじめ分散溶媒と混合した後、カーボンブラックを添加し、分散させても良い。また、分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで所定の添加速度で、ゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良く、あるいは分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで何回かに分けて一定量のゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良い。ゴムラテックス溶液が存在する状態で、分散溶媒中にカーボンブラックを分散させることにより、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造することができる。工程(α−(a))におけるゴムラテックス溶液の添加量としては、使用するゴムラテックス溶液の全量(工程(α−(a))および工程(β−(a))で添加する全量)に対して、0.075〜12質量%が例示される。
【0023】
工程(α−(a))では、添加するゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量が、カーボンブラックとの質量比で0.25〜15%であることが好ましく、0.5〜6%であることが好ましい。また、添加するゴムラテックス溶液中の固形分(ゴム)濃度が、0.2〜5質量%であることが好ましく、0.25〜1.5質量%であることがより好ましい。これらの場合、ゴムラテックス粒子をカーボンブラックに確実に付着させつつ、カーボンブラックの分散度合いを高めたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
【0024】
工程(α−(a))において、ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合する方法としては、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用してカーボンブラックを分散させる方法が挙げられる。
【0025】
上記「高せん断ミキサー」とは、ロータとステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なロータと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でロータが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断作用を生み出すためには、ロータとステーターとのクリアランスを0.8mm以下とし、ロータの周速を5m/s以上とすることが好ましい。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えばSILVERSON社製「ハイシアーミキサー」が挙げられる。
【0026】
ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合し、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する際、カーボンブラックの分散性向上のために界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、ゴム業界において公知の界面活性剤を使用することができ、例えば非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤などが挙げられる。また、界面活性剤に代えて、あるいは界面活性剤に加えて、エタノールなどのアルコールを使用しても良い。ただし、界面活性剤を使用した場合、最終的な加硫ゴムのゴム物性が低下することが懸念されるため、界面活性剤の配合量は、ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、実質的に界面活性剤を使用しないことが好ましい。
【0027】
工程(α−(a))において製造されるスラリー溶液中、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックは、90%体積粒径(μm)(「D90」)が、31μm以上であることが好ましく、35μm以上であることがより好ましい。この場合、スラリー溶液中のカーボンブラックの分散性に優れ、かつカーボンブラックの再凝集を防止することができるため、スラリー溶液の保存安定性に優れると共に、最終的な加硫ゴムの発熱性、耐久性およびゴム強度にも優れる。
【0028】
(2)工程(β−(a))
工程(β−(a))では、スラリー溶液と、残りのゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する。スラリー溶液と、残りのゴムラテックス溶液とを液相で混合する方法は特に限定されるものではなく、スラリー溶液および残りのゴムラテックス溶液とを高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用して混合する方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。
【0029】
残りのゴムラテックス溶液は、工程(γ)での乾燥時間・労力を考慮した場合、工程(α−(a))で添加したゴムラテックス溶液よりも固形分(ゴム)濃度が高いことが好ましく、具体的には固形分(ゴム)濃度が10〜60質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。
【0030】
(3)工程(γ)
工程(γ)では、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固させる。凝固方法としては、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液中に凝固剤を添加して凝固物を得る方法が挙げられる。
【0031】
凝固剤としては、ゴムラテックス溶液の凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩を使用することができる。
【0032】
工程(γ)における凝固段階の後、凝固物を含む溶液を乾燥させることでゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチBを得る。凝固物を含む溶液の乾燥方法としては、オーブン、真空乾燥機、エアードライヤーなどの各種乾燥装置を使用することができる。
【0033】
工程(γ)後に得られるゴムウエットマスターバッチAおよびゴムウエットマスターバッチBは、ゴム100質量部に対してカーボンブラックを40〜80質量部含有することが好ましい。この場合、ゴムウエットマスターバッチ中でのカーボンブラックの分散度合いと、加硫ゴムとしたときの低発熱性能および耐疲労性能とが、バランス良く向上するため好ましい。
【0034】
本発明に係るゴム組成物では、前記の製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチAとゴムウエットマスターバッチBとの含有比を、5:95〜40:60とすることが好ましく、10:90〜35:65とすることが好ましい。ゴムウエットマスターバッチBに対し、ゴムウエットマスターバッチAの含有比が5未満である場合、ゴムウエットマスターバッチA相からなる島相が非常に小さくなるため、カーボンブラックAとBからなるスラリー溶液とゴムラテックスを湿式混合して作成したウエットマスターバッチからなるゴム組成物の加硫ゴムに対し、低発熱性能およびゴム硬度の点で優位性が小さくなる。一方、ゴムウエットマスターバッチBに対し、ゴムウエットマスターバッチAの含有比が40を超える場合、海島構造が逆転し、ゴムウエットマスターバッチAが海相となる。この場合も、カーボンブラックAとBからなるスラリー溶液とゴムラテックスを湿式混合して作成したウエットマスターバッチからなるゴム組成物の加硫ゴムに対し、低発熱性能およびゴム硬度の点で優位性が小さくなる。
【0035】
また、本発明に係るゴム組成物では、ゴムウエットマスターバッチA中のカーボンブラックAの含有割合をLA、ゴムウエットマスターバッチB中のカーボンブラックBの含有割合をLBとしたとき、以下の式(1)、(2)を満たす点が特徴である。
NA>NB (1)
1800≦NA×LA−NB×LB≦7000 (2)
ただし、LA、LBは、100×(ゴムウエットマスターバッチ中のカーボンブラックの含有量)/(ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の含有量)を示す。
【0036】
低発熱性能およびゴム硬度を向上する観点から、NA,NB,LA,LBは1800≦NA×LA−NB×LB≦7000とする。NA×LA−NB×LB<1800である場合、ゴムウエットマスターバッチAとゴムウエットマスターバッチBとの粘度差が小さいため、乾式混合後、ゴムウエットマスターバッチAとゴムウエットマスターバッチBとが相溶し、カーボンブラックAとBからなるスラリー溶液とゴムラテックスを湿式混合して作成したウエットマスターバッチからなるゴム組成物の加硫ゴムに対し、低発熱性能およびゴム硬度の点で優位性が小さくなる。また、NA×LA−NB×LB>7000である場合、ゴムウエットマスターバッチAとゴムウエットマスターバッチBとの粘度差が非常に大きいため、海島構造が不均一になる場合があり、結果として、カーボンブラックAとBからなるスラリー溶液とゴムラテックスを湿式混合して作成したウエットマスターバッチからなるゴム組成物の加硫ゴムに対し、低発熱性能およびゴム硬度の点で優位性が小さくなる。
【0037】
工程(γ)後に得られるゴムウエットマスターバッチにおいて、必要に応じて硫黄系加硫剤、加硫促進剤、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を配合することにより、本発明に係るゴム組成物を製造することができる。
【0038】
硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係るタイヤゴム用ゴム組成物における硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.3〜6質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6質量部を超えると、特に耐熱性および耐久性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐久性をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して1.5〜5.5質量部であることがより好ましく、2.0〜4.5質量部であることがさらに好ましい。
【0039】
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1.0〜5.0質量部であることがより好ましく、1.5〜4.0質量部であることがさらに好ましい。
【0040】
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜6.0質量部であることがより好ましく、1.0〜4.5質量部であることがさらに好ましい。
【0041】
本発明に係るゴム組成物は、ゴムウエットマスターバッチに加えて、必要に応じて、硫黄系加硫剤、加硫促進剤、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
【0042】
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄系加硫剤、および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。
【0043】
上述したとおり、本発明に係るゴム組成物は、含有するカーボンブラックが均一に分散し、経時的なカーボンブラックの分散安定性に優れる。特に、このゴム組成物を用いて製造された空気入りタイヤ、具体的にはトレッドゴム、サイドゴム、プライトッピングゴムもしくはベルトコーティングゴム、またはビードフィラーゴムに本発明に係るゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、カーボンブラックが良好に分散したゴム部を有することとなるため、例えば転がり抵抗が低減され、かつ低発熱性能および剛性に優れる。
【実施例】
【0044】
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。使用原料および使用装置は以下のとおりである。
【0045】
(使用原料)
a)充填材
カーボンブラック「N110」;「シースト9」(NSA;142m/g)(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N234」;「シースト7HM」(NSA;126m/g)(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N326」;「シースト300」(NSA;84m/g)(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N550」;「シーストSO」(NSA;42m/g)(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N660」;「シーストV」(NSA;27m/g)(東海カーボン社製)
b)分散溶媒 水
c)ゴムラテックス溶液
天然ゴム濃縮ラテックス溶液;レヂテックス社製(DRC(Dry Rubber Content))=60%のものをゴム濃度が25質量%となるように調整、質量平均分子量Mw=23.6万)
天然ゴムラテックス溶液(NRフィールドラテックス);(Golden Hope社製)(DRC=31.2%のものをゴム濃度が25質量%となるように調整、質量平均分子量Mw=23.2万)
d)凝固剤 ギ酸(一級85%、10%溶液を希釈して、pH1.2に調整したもの)、「ナカライテスク社製」
e)酸化亜鉛 3号亜鉛華、三井金属社製
f)ステアリン酸 日油社製
g)ワックス 日本精蝋社製
h)老化防止剤
(A)N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン「6PPD」、(モンサント社製)
(B)2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体「RD」、(大内新興化学社製)
i)硫黄 鶴見化学工業社製
j)加硫促進剤
(A)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 「サンセラーCM」(三新化学工業社製)
(B)1,3−ジフェニルグアニジン 「ノクセラーD」(大内新興化学社製)
【0046】
(評価)
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で30分間加熱、加硫して得られたゴムについて行った。
【0047】
(加硫ゴムの低発熱性能)
JIS K6265に準じて、製造した加硫ゴムの低発熱性能を、損失正接tanδにより評価した。なお、tanδは、UBM社製レオスペクトロメーターE4000を使用し、50Hz、80℃、動的歪2%の状態で測定し、その測定値を指標化した。評価は、実施例1、比較例2〜4については、比較例1を100とした指数評価で示し、実施例2については、比較例5を100とした指数評価で示し、実施例3については、比較例6を100とした指数評価で示し、実施例4については、比較例7を100とした指数評価で示し、実施例5については、比較例8を100とした指数評価で示し、比較例9については、比較例10を100とした指数評価で示し、比較例11については、比較例12を100とした指数評価で示し、比較例13については、比較例14を100とした指数評価で示し、比較例15については、比較例16を100とした指数評価で示し、比較例17については、比較例18を100とした指数評価で示し、比較例19については、比較例20を100とした指数評価で示し、実施例6については、比較例21を100とした指数評価で示し、実施例7については、比較例22を100とした指数評価で示し、実施例8については、比較例23を100とした指数評価で示し、実施例9については、比較例24を100とした指数評価で示し、比較例25については、比較例26を100とした指数評価で示した。数値が小さいほど低発熱性能に優れることを意味する。
【0048】
(加硫ゴムのゴム硬度)
製造した加硫ゴムの耐疲労性能を、JIS K6253に準拠し、23℃でのゴム硬度(デュロメータAタイプ)を測定した。数値が大きいほどゴム硬度が高く良好であることを意味する。評価は、実施例1、比較例2〜4については、比較例1を100とした指数評価で示し、実施例2については、比較例5を100とした指数評価で示し、実施例3については、比較例6を100とした指数評価で示し、実施例4については、比較例7を100とした指数評価で示し、実施例5については、比較例8を100とした指数評価で示し、比較例9については、比較例10を100とした指数評価で示し、比較例11については、比較例12を100とした指数評価で示し、比較例13については、比較例14を100とした指数評価で示し、比較例15については、比較例16を100とした指数評価で示し、比較例17については、比較例18を100とした指数評価で示し、比較例19については、比較例20を100とした指数評価で示し、実施例6については、比較例21を100とした指数評価で示し、実施例7については、比較例22を100とした指数評価で示し、実施例8については、比較例23を100とした指数評価で示し、実施例9については、比較例24を100とした指数評価で示し、比較例25については、比較例26を100とした指数評価で示した。数値が大きいほどゴム硬度が高く良好であることを意味する。
【0049】
実施例1
0.5質量%に調整した希薄ラテックス水溶液にカーボンブラック(N110)13.2質量部を添加し、これにPRIMIX社製ロボミックスを使用してカーボンブラックを分散させることにより(該ロボミックスの条件:9000rpm、30分)、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した(工程(α))。
【0050】
次に、工程(α)で製造された天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液に、残りの天然ゴムラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)を、工程(α)で使用した天然ゴムラテックス溶液と合わせて、固形分(ゴム)量で21.9質量部となるように添加し、次いでSANYO社製家庭用ミキサーSM−L56型を使用して混合し(ミキサー条件11300rpm、30分)、カーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液を製造した(工程(β))。
【0051】
その後、凝固剤としてギ酸10質量%水溶液をpH4になるまで添加した(工程(γ))。凝固物をスエヒロEPM社製スクリュープレスV−02型で水分率1.5%以下まで乾燥することにより、天然ゴムウエットマスターバッチA(WMB−A)を製造した。
【0052】
次に、0.5質量%に調整した希薄ラテックス水溶液にカーボンブラック(N550)62.4質量部を添加し、これにPRIMIX社製ロボミックスを使用してカーボンブラックを分散させることにより(該ロボミックスの条件:9000rpm、30分)、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した(工程(α))。
【0053】
次に、工程(α)で製造された天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液に、残りの天然ゴムラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)を、工程(α)で使用した天然ゴムラテックス溶液と合わせて、固形分(ゴム)量で78.1質量部となるように添加し、次いでSANYO社製家庭用ミキサーSM−L56型を使用して混合し(ミキサー条件11300rpm、30分)、カーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液を製造した(工程(β))。なお、天然ゴムウエットマスターバッチAおよび天然ゴムウエットマスターバッチBのゴム成分の合計量は100質量部となる。
【0054】
その後、凝固剤としてギ酸10質量%水溶液をpH4になるまで添加した(工程(γ))。凝固物をスエヒロEPM社製スクリュープレスV−02型で水分率1.5%以下まで乾燥することにより、天然ゴムウエットマスターバッチB(WMB−B)を製造した。
【0055】
得られた天然ゴムウエットマスターバッチAおよび天然ゴムウエットマスターバッチB、さらには表1に記載の各種添加剤を乾式混合することによりゴム組成物を製造し、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表1に示す。
【0056】
比較例1
天然ゴムウエットマスターバッチAの製造方法において、工程(α)にて、カーボンブラックA(N110)13.2質量部、カーボンブラックB(N550)62.4質量部、を共に添加したこと以外は、天然ゴムウエットマスターバッチと同じ方法により天然ゴムマスターバッチ1(MB−1)を製造した。これに各種添加剤を配合することによりゴム組成物を製造し、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表1に示す。
【0057】
実施例2〜9および比較例2〜26
ゴムウエットマスターバッチAおよびBの配合、天然ゴムマスターバッチの配合を表1〜3に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法により加硫ゴムを製造した。結果を表1〜3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】