特許第6195555号(P6195555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195555
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】ロケット組立発射設備
(51)【国際特許分類】
   B64G 5/00 20060101AFI20170904BHJP
【FI】
   B64G5/00
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-263759(P2014-263759)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-124301(P2016-124301A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2016年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】513102903
【氏名又は名称】株式会社コスモテック
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】大倉 廣高
(72)【発明者】
【氏名】法元 直重
(72)【発明者】
【氏名】紙屋 貴志
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−059300(JP,A)
【文献】 米国特許第07854189(US,B1)
【文献】 米国特許第05294078(US,A)
【文献】 特開平02−099500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケット機体の組み立てと整備を行う組立室を有する組立棟と、ロケット機体を搭載する発射台装置とを具備したロケット組立発射設備であって、
前記組立棟と発射台装置は分離した別体であり、
前記組立棟の前面に前記発射台装置の投影形状と同形の投影口を形成し、
前記組立棟、又は発射台装置の何れか一方の設備、又は両設備を走行可能に構成し、
前記組立棟の投影口と発射台装置とを嵌合可能に構成し、
前記組立棟の投影口と発射台装置は、組立棟と発射台装置が分離することで組立棟の投影口が開放されるとともに、組立棟の投影口に発射台装置が嵌合したときに発射台装置が投影口を閉鎖できる寸法関係にあることを特徴とする、
ロケット組立発射設備。
【請求項2】
前記発射台装置はロケット機体を搭載する発射台と、発射台から上方へ延びるひとつの支持塔を具備することを特徴とする、請求項1に記載のロケット組立発射設備。
【請求項3】
前記発射台装置の背面に、前記投影口を閉鎖可能な閉鎖面を形成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載のロケット組立発射設備。
【請求項4】
前記組立棟、又は発射台装置の底部に設けた複数の走行車輪を介して操舵可能に構成したことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載のロケット組立発射設備。
【請求項5】
前記組立棟を走行可能に構成すると共に、前記発射台装置を固定式に構成し、該発射台装置の支持塔内に多目的室を形成したことを特徴とする、請求項2乃至4の何れか一項に記載のロケット組立発射設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立棟と発射台装置を具備したロケット組立発射設備に関し、特に建設費と維持費の大幅削減が可能なロケット組立発射設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動式ロケット射場設備は、射座とは離れた場所でロケット機体の組み立て、整備、点検等を行う組立棟と、組立棟からロケット機体を搭載して射座へ搬送する発射台と、射座に立設した発射塔とを具備している。
組立棟は、その内部に高さが数十mにもおよぶロケット機体を格納可能な大型の高層建屋である(特許文献1)。
発射台は、その底面に走行可能な走行輪を有すると共に、発射台の上面に間隔を隔てて左右一対のアンビリカルマストを立設している(特許文献2)。
【0003】
ロケットの打上げ準備について説明すると、組立棟内において、ロケット機体を構成する複数の組立体を搬入し、室内の発射台上にロケット機体を組み立て、更に発射に必要な固体ロケット・ブースターや衛星フェアリング組立体等を組み付ける。
更に組立棟の室内において、組立てを終えたロケット機体等の点検整備を行う。
ロケットの打上げに際しては、組立棟の全面扉を開扉して発射台に搭載したロケット機体を引出し、射座へ移動する。射座へ搬送したロケットの整備と燃料の充填を行う。
何らかの理由で打上げが出来なかった場合は、発射台に搭載したままロケット機体を組立棟内へ戻して発射環境が整うまで待機する。
ロケット打上げ後においては、発射台を組立棟内へ戻して次のロケット打上げに再度使用する。
【0004】
図9を参照して詳しく説明すると、組立棟90は発射台93に搭載したロケット機体94を格納可能な大型の建屋91と、建屋91の前面にスライド式の大型扉92を有している。
建屋91の正面の縦横寸法は夫々100mに近い大型構造物であり、鉄骨を主体として建造している。
大型扉92は、地上約80mにもおよぶ1枚ものの大扉であり、巨大台風にも耐え得るように鉄骨と鉄板を組み合せて高剛性に形成している。
大型扉92はその重量が1000〜1500tもの重量物であるため、大型の油圧設備の油圧力により、大型扉92の底面に設けた駆動輪を回転させることで開閉を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−59300号公報
【特許文献2】特開2001−80405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のロケット射場設備には次のような問題点がある。
<1>組立棟90の建造費が非常に高額なものである。特に大型扉92の建造費が建屋91の建造費の大半を占めるほど高額である。
<2>大型扉92の開閉のために大型の油圧設備が必要であり、組立棟90の建造費アップの一因となっている。
<3>定期的に金属製の大型扉92の検査を行い、錆や腐食が生じたときは補修処理を施す必要があり、更に油圧設備も定期的にメンテナンスする必要があり、組立棟90の維持に多額の費用がかかる。
<4>多数のロケットの打上げを商業ベースで行うにあたり、ロケットの打上費用の低廉化の要請が成されている。
ロケットの打上費用はロケット射場設備の維持費用に大きく影響を受けることから、維持費用が低廉なロケット射場設備の提案が望まれている。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、組立棟の開閉用扉を省略できて、ロケット射場設備の建設費用と維持費用の大幅低減が可能なロケット射場設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来は組立棟によるロケット機体の組立て点検のための室内環境保持機能と、発射台によるロケット機体の搬出入機能をそれぞれ別々に捉えていたが、本発明ではこれらふたつの設備の機能を統合させることで、組立棟の建屋および発射台の構造の簡略化を図るものである。
すなわち、本発明は、ロケット機体の組み立てと整備を行う組立室を有する組立棟と、ロケット機体を搭載する発射台装置とを具備したロケット組立発射設備であって、前記組立棟と発射台装置は分離した別体であり、前記組立棟の前面に前記発射台装置の投影形状と同形の投影口を形成し、前記組立棟、又は発射台装置の何れか一方の設備、又は両設備を走行可能に構成し、前記組立棟の投影口と発射台装置とを嵌合可能に構成し、前記組立棟の投影口と発射台装置は、組立棟と発射台装置が分離することで組立棟の投影口が開放されるとともに、組立棟の投影口に発射台装置が嵌合したときに発射台装置が投影口を閉鎖できる寸法関係にあることを特徴とする。
本発明の他の形態にあっては、前記発射台装置はロケット機体を搭載する発射台と、発射台から上方へ延びるひとつの支持塔を具備する。
本発明の他の形態にあっては、前記発射台装置の背面に、前記投影口を閉鎖可能な閉鎖面を形成している。
本発明の他の形態にあっては、前記組立棟、又は発射台装置の底部に設けた複数の走行車輪を介して操舵可能に構成する。
本発明の他の形態にあっては、前記組立棟を走行可能に構成すると共に、前記発射台装置を固定式に構成し、該発射台装置の支持塔内に多目的室を形成することも可能である。

【発明の効果】
【0009】
本発明ではロケットを搬出入するための組立棟の前面開口を発射台で閉鎖できるので、組立棟の建設費の大半を占めると言われている大型扉と、大型扉を開閉するための油圧式又は電動式の大型の駆動設備を省略できる。
したがって、ロケット組立発射設備の建設費を大幅に削減できると共に、大型扉の維持費を削除することができる。
更にロケット組立発射設備の維持費を大幅に低減できるので、ロケットの打上費用の低廉化が可能となり、多数のロケットの打上げを商業ベースで行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係るロケット組立発射設備の全体斜視図
図2】発射台装置を組立棟に嵌合したロケット組立発射設備の正面図
図3図2におけるIII−IIIの断面図
図4図2におけるIV−IVの断面図
図5】本発明の実施例2に係るロケット組立発射設備の全体斜視図
図6】発射台装置と組立棟との嵌合前におけるロケット組立発射設備の側面図
図7】発射台装置と組立棟との嵌合時におけるロケット組立発射設備の側面図
図8】発射台装置と組立棟との嵌合動作を説明するための説明図で、(a)は嵌合前におけるロケット組立発射設備の平面図、(b)は嵌合後におけるロケット組立発射設備の平面図
図9】従来の移動式ロケット射場設備の説明図で、(a)は組立棟の斜視図、(b)は組立棟の側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図1〜4を参照しながら発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
[実施例1]
<1>ロケット組立発射設備の概要
図1にロケット組立発射設備10の一例を示す。
ロケット組立発射設備10は、ロケット機体Aの組み立て・整備・格納を行う固定式の組立棟20と、組立棟20からロケット機体Aを搭載して射座へ搬送する走行式の発射台装置30とからなる。
【0013】
従来は、ロケット機体の組立棟からの搬出入と組立棟内の環境保持に関して、組立棟と発射台装置の機能を別々に捉えていた。
これに対して本発明では、組立棟20の前面20aに発射台装置30の正面輪郭形と同形の投影口23を形成し、投影口23を通じて組立棟20と発射台装置30とを嵌合可能に構成することで、これら組立棟20と発射台装置30の2つの設備に統合機能を持たせることで、ロケット機体Aの搬出入と組立棟20の室内環境保持機能の両立を実現しようとするものである。
【0014】
<2>組立棟
組立棟20は中空の建屋21からなり、その内部にはロケット機体Aと発射台31とを格納可能な組立室22が形成されていると共に、ロケット機体Aの組立て、点検、整備に必要なクレーン装置や点検機材、整備機材等が配備されている。
【0015】
<2.1>建屋
建屋21はその骨格をコンクリート、鉄骨等の剛性材で形成し、その周囲を各種壁材で覆った高層構造物である。建屋21の素材は巨大台風や塩害等にも十分に耐えられ、維持費が低廉な素材を適宜選択する。
建屋21の前面20aには、逆T字形を呈する投影口23が開設してある。
建屋21はその背面を通して、分解したロケットを組立室22内へ搬入して吊り込み可能に構成されている。
【0016】
本発明では、発射台装置30が組立棟20の扉を兼ねるので、建屋21に大型扉や、大型扉を駆動するための大型油圧設備が不要となる。
したがって、組立棟20の建設費を大幅に低減できるだけでなく、組立棟20の維持費も削減できる。
【0017】
本例では建屋21内にロケット機体A一機を格納できる組立室22を形成した形態について示すが、複数の建屋21を横方向に隣接させて形成し、内部に複数のロケット機体Aを格納可能な連続した組立室22を形成することも可能である。
この場合、ロケット機体Aの格納数に対応するように、建屋21の前面20aに複数の投影口23を形成しておく。
【0018】
<2.2>投影口
投影口23はロケット機体Aを搭載した状態で発射台装置30の通行が可能な必要最小空間の出入口である。
投影口23は、横長の横口23aと、横長の横口23aの中央部から上方に伸びる縦長の縦口23bとからなり、全体形状が逆T字形を呈する。
【0019】
<3>発射台装置
発射台装置30は、発射台31と、発射台31の上面に立設した一本の支持塔(アンビリカルマスト)32とを具備し、ロケット機体Aの搬送機能と、組立棟20の投影口23を開放又は閉鎖する機能(扉機能)を併有する。
【0020】
<3.1>発射台
発射台31は、その底面両側に複数組の走行車輪33を有していて、走行車輪33は前後方向へ向けて走行可能であり、必要に応じて操舵も可能である。
本例では走行車輪33を発射台31と一体に形成した場合について示すが、発射台31と別体の台車等の走行車輪33を介して走行可能に構成してもよい。
発射台31の上面中央には図示しないサポートを介してロケット機体Aを鉛直状態で搭載可能である。
【0021】
<3.2>支持塔
方形を呈する発射台31の中央背面には支持塔32が立設してある。
支持塔32はロケット機体Aに燃料を供給する配管類を支持するための支柱部材であり、例えばコンクリート製、又は鋼製の中空柱からなる。
従来の移動式発射台では、左右一対のアンビリカルマストを有していたが、本例では扉機能を兼用する一本の支持塔32で済むので、発射台装置30の軽量化と低コスト化が可能となる。
【0022】
<3.3>閉鎖面
発射台31と支持塔32の背面には逆T字形を呈する閉鎖面34,35が形成してある。
閉鎖面34,35とは独立した板体、又は発射台31の躯体面を指し、建屋21の投影口23を閉鎖するために機能する。
本例では発射台31の閉鎖面34が発射台31の背面と同一寸法である形態について示すが、閉鎖面34の寸法は発射台31の背面形状より多少大きくてもよい。
又、本例では支持塔32の閉鎖面35の横幅が支持塔32の背面形状より幅広に形成した形態について示すが、閉鎖面34の寸法は発射台31の背面と同一寸法に形成してもよい。
【0023】
<4>投影口と発射台装置の寸法関係
図2〜4を参照して説明すると、組立棟20の投影口23に発射台装置30を嵌合させたときに、発射台装置30の逆T字形を呈する閉鎖面34,35が逆T字形を呈する投影口23を隙間なく閉鎖できる寸法関係になっている。
【0024】
[ロケットの発射方法]
次にロケットの発射方法について説明する。
【0025】
<1>ロケットの組立て
発射台装置30で閉鎖した組立棟20の組立室22内には発射台31と支持塔32が位置している。
この組立棟20内において、発射台31上にロケット機体Aを組み立て、更に発射に必要な固体ロケットブースター、固体ロケット補助ブースター、衛星フェアリング組立体等を組み付ける。
更に組立棟20の組立室22内において、組立てを終えたロケット機体A等の点検整備を行う。
【0026】
<2>ロケットの搬送
ロケットを打上げる際には、ロケット機体Aを搭載したまま発射台装置30を後退させて組立棟20内から引き出し、射座まで移動する。
組立棟20から発射台装置30が分離することで組立棟20の前面20aの投影口23が開放される。
【0027】
<3>ロケットの発射
射座へ搬送したらロケット機体Aの整備と燃料の充填を行う。
何らかの理由で打上げが出来なかった場合は、ロケット機体Aを搭載したまま発射台装置30を組立棟20へ戻す。
ロケット打上げ後において、発射台装置30は投影口23を通じて組立棟20内へ戻して次のロケット打上げに再度使用する。
【0028】
[実施例2]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0029】
<1>ロケット組立発射設備
図5〜8を参照して他の実施例に係るロケット組立発射設備10について説明する。
先の実施例1では、組立棟20が固定式で、発射台装置30が走行式の組み合せであったが、この逆の組み合せでもよい。
すなわち、本例におけるロケット射場設備10は、走行式の組立棟20と、固定式の発射台装置30とにより構成する。
【0030】
<2>組立棟
組立棟20は門型の建屋21からなり、その内部にはロケット機体Aと発射台31とを格納可能な組立室22が形成されていると共に、ロケット機体Aの組立て、点検、整備に必要なクレーン装置や点検機材、整備機材等が配備されている。
【0031】
<2.1>建屋
建屋21の前面20aには、発射台装置30の投影形状である矩形の投影口23が形成してあり、投影口23を介して組立棟20が発射台装置30へ外装が可能である。
【0032】
<2.2>走行車輪
組立棟20は、その建屋21の底面両側に複数組の走行車輪24を有していて、走行車輪24は前後方向へ向けて走行可能であり、必要に応じて操舵も可能である。
【0033】
<3>発射台装置
固定式の発射台装置30は、発射台31と、発射台31に隣接して立設した支持塔32とを具備し、射座に予め据え付けられている。
本例では支持塔32の矩形を呈する背面に閉鎖面36を形成している。
発射台装置30は固定式であるから、支持塔32をビルのように高層構造物として形成できて、支持塔23の内部に階層的に複数の多目的室を形成することができる。
尚、発射台31の下方の射座には従来と同様に煙道37が形成してある。
【0034】
<4>投影口と発射台装置の寸法関係
図5,8を参照して、組立棟20の投影口23と発射台装置30の寸法関係について説明する。
図8の(a)は組立棟20と発射台装置30が嵌合する前の平面図を示し、同図の(b)は嵌合時の平面図を示す。
発射台装置30に組立棟20の投影口23を外装して嵌合させたときに、発射台装置30の矩形を呈する閉鎖面36が同じく矩形を呈する投影口23を隙間なく閉鎖できる寸法関係になっている。
【0035】
<5>ロケットの発射方法
次にロケットの発射方法について説明する。
【0036】
<5.1>ロケットの組立て
走行式の組立棟20を射座へ移動して、投影口23を通じて組立棟20を射台装置30に外装して嵌合させる。
発射台装置30で閉鎖した組立棟20の組立室22内には発射台31と支持塔32が位置している。
この組立棟20内において、発射台31上にロケット機体Aを組み立てた後、点検整備を行う。
本例では、射座において組立棟20と発射台装置30の各室内空間を利用してロケット機体Aの組立てと点検を行う。
又、ロケット発射が延期されたときは、ロケット機体Aの搬送移動を行わず、組立棟20内で格納して待機する。
【0037】
<5.2>ロケットの発射
走行式の組立棟20を射座から後退移動する、射座に据え付けた発射台装置30の発射台31に搭載したロケット機体Aが現れる。
ロケット機体Aの整備と燃料の充填を行い、ロケットの打上げを行う。
ロケット打上げ後において、走行式の組立棟20は勿論のこと、固定式の発射台装置30も次のロケット打上げに再度使用する。
【0038】
<6>本例の効果
本例にあっては、先の実施例1と同等の効果が得られることにくわえて次の効果が得られる。
本例では発射台装置30が移動式ではなく固定式であるため、支持塔23を大型に形成することができて、支持塔23内に形成した多目的室を利用してロケット機体Aの点検機器や整備機器等を格納したり、ロケット乗員の待機室、会議室等として活用したり多目的に使用することができる。
【0039】
[実施例3]
<1>ロケット組立発射設備
以上の実施例は組立棟20、又は発射台装置30の何れか一方の設備が固定式で、何れか他方の設備が走行式の組み合せである場合について説明した。
ロケット組立発射設備10は、走行式の組立棟20と走行式の発射台装置30とにより構成してもよい。
【0040】
<2>本例の効果
組立棟20及び発射台装置30を共に走行式に構成する本例にあっては、先の実施例1、2と同等の効果が得られる。
【符号の説明】
【0041】
A・・・・・・ロケット機体
10・・・・・ロケット組立発射設備
20・・・・・組立棟
21・・・・・建屋
22・・・・・組立室
23・・・・・投影口
24・・・・・走行車輪
30・・・・・発射台装置
31・・・・・発射台
32・・・・・支持塔
33・・・・・走行車輪
34〜36・・閉鎖面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9