(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、自店舗についての空席状況は経営者に把握できるものの、その状況が他店舗においても同様かを知るすべがない。
【0005】
そこで、同様の複数の店舗の空席状況(座席数の占有率)を集計し、それらの平均値に対して自店舗の状況が通常なのか否かを判断するように構成することが考えられる。この構成によると、自店舗の座席数の占有率が他店舗よりも高ければ、その後の新規来店客の見込みが低いため、経営者は、既存客の客単価を上げるといった判断ができる。一方、自店舗の座席数の占有率が他店舗よりも低い場合は、新規来店客が見込めるため、経営者は、更なる集客のための努力を行うといった判断ができる。
【0006】
しかし、上記のような多数の店舗の座席数の占有率の平均値は、それら多数の店舗から各店舗の座席占有率が一か所に集約されることで初めて算出可能となる。したがって、各店舗の協力がなければ、信頼できる平均値は算出されない。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、飲食店等の店舗に、他の同業店舗の空席状況を正確に把握させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、記憶手段と、通信手段と、制御手段とを有する。上記記憶手段は、複数の店舗を識別する店舗識別情報を記憶する。上記通信手段は、上記複数の店舗の各店舗端末から、各店舗における空席状況を示す空席状況情報を、上記店舗識別情報とともに受信する。上記制御手段は、上記通信手段が受信した空席状況情報から、上記各店舗の空席状況の統計を示す統計情報を生成する。また上記制御手段は、上記通信手段が受信した空席状況情報を上記店舗識別情報と対応付けて記憶するように上記記憶手段を制御し、上記空席状況情報及び上記店舗識別情報の送信元である店舗端末からの送信要求に応じて、上記統計情報を当該店舗端末へ送信するように上記通信手段を制御する。
【0009】
これにより情報処理装置は、各店舗端末から空席状況情報を受信して統計情報を生成するとともに、自店舗の空席状況情報を送信したことを条件に各店舗端末へ統計情報を提供することとしたため、統計情報の提供を望む店舗の店舗端末からの空席状況情報の受信を促進することができ、空席状況情報の絶対数を増加させることで、飲食店等の店舗に、他の同業店舗の空席状況を正確に把握させることができる。各店舗は、把握した他店舗の空席状況に応じて、集客の見込みを判断し、自店舗の営業戦略を決定することができる。
【0010】
上記空席状況情報は、上記各店舗が有する空席状況を少なくとも2つの段階で示してもよく、上記統計情報は、上記受信された空席状況情報に対応する店舗識別情報の総数に対する、上記空席状況情報で示される上記各段階の空席状況を有する店舗の店舗識別情報の数の割合を示してもよい。
【0011】
これにより情報処理装置は、各段階の空席状況を有する店舗がどの程度存在するかを各店舗に把握させることができる。ここで少なくとも2つの段階とは、例えば空席(十分に)有り、空席わずか、空席無し等の状況のうち少なくとも2つである。
【0012】
上記記憶手段は、上記生成された統計情報を逐次記憶してもよい。この場合上記制御手段は、上記店舗端末からの送信要求があったときから所定時間前に生成された統計情報を上記店舗端末へ送信するように上記通信手段を制御してもよい。
【0013】
これにより情報処理装置は、あえて所定時間前に既に生成済みの統計情報を送信することで、統計情報の生成に必要な演算処理と、統計情報の送信要求に応じた送信処理とが重複することにより処理負荷が増大するのを防ぐことができる。
【0014】
上記制御手段は、上記所定時間を一日のうちの時間帯毎に変更してもよい。
【0015】
これにより情報処理装置は、例えば統計情報のリアルタイム性が要求される時間帯においては上記所定時間を極力短くし、比較的リアルタイム性が要求されない時間帯には上記所定時間を長くすることで、リアルタイム性と処理負荷のバランスを取ることができる。
【0016】
上記記憶手段は、上記各店舗が所在するエリアを示すエリア情報を上記店舗識別情報と対応付けて記憶してもよい。この場合上記制御手段は、上記エリア情報毎に上記統計情報を生成してもよい。
【0017】
これにより情報処理装置は、各店舗に、各店舗と同じエリアに存在する他の店舗の空席状況を把握させ、それに応じた営業戦略を判断させることができる。
【0018】
上記記憶手段は、上記エリア情報を上記エリアの大きさに応じた階層構造として階層毎に上記店舗識別情報と対応付けて記憶してもよい。この場合上記制御手段は、上記各階層のエリア毎に上記統計情報を生成してもよい。
【0019】
これにより情報処理装置は、各店舗に、エリアの範囲毎に他店舗の空席状況を把握させることで、マクロ的な判断もミクロ的な判断も行わせることができる。例えば、各店舗は、自店舗の空席の要因が、全国的な要因なのか、自店舗の存在する限定的なエリアにおける要因なのか、自店舗のみに関する要因なのかを類推することができる。
【0020】
上記制御手段は、上記統計情報の送信先である店舗端末から再度送信要求があった場合に、当該店舗端末へ上記空席状況情報及び上記店舗識別情報の送信を要求するように上記通信手段を制御してもよい。
【0021】
これにより情報処理装置は、各店舗が統計情報の更新を望む場合に、空席状況情報及び店舗識別情報の再送信を要求することで、他店舗の現在の空席状況を把握したい各店舗からの空席状況情報の受信を常時促進し、空席状況情報の絶対数を維持することで、統計情報の信頼性を向上させることができる。
【0022】
上記制御手段は、少なくとも、上記送信された統計情報の生成に用いられた空席状況情報に対応する店舗識別情報の数を基に、上記統計情報の信頼度を示す信頼度情報を生成し、上記信頼度情報を上記統計情報と共に送信するように上記通信手段を制御してもよい。
【0023】
これにより情報処理装置は、統計情報の信頼度を各店舗に把握させることができる。
【0024】
上記制御手段は、上記信頼度情報を、上記記憶された店舗識別情報の数に対する、上記送信された統計情報の生成に用いられた空席状況情報に対応する店舗識別情報の数の割合を示す情報として生成してもよい。
【0025】
これにより情報処理装置は、統計情報の信頼度をより正確に各店舗に把握させることができる。
【0026】
上記記憶手段は、上記各店舗の業態または上記各店舗が提供可能なサービスのカテゴリを示すカテゴリ情報を上記店舗識別情報と対応付けて記憶してもよい。この場合上記制御手段は、上記カテゴリ情報毎に上記統計情報を生成してもよい。
【0027】
これにより情報処理装置は、各店舗に、自店舗と同じカテゴリに属する他店舗、すなわち競業店舗の空席状況を把握させ、より綿密な営業戦略を立てさせることができる。
【0028】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
上記複数の店舗の各店舗端末から、各店舗における空席状況を示す空席状況情報を、上記各店舗を識別する店舗識別情報とともに受信すること、
上記受信された空席状況情報を上記店舗識別情報と対応付けて記憶すること、
上記受信された空席状況情報から、上記各店舗の空席状況の統計を示す統計情報を生成すること、及び、
上記空席状況情報及び上記店舗識別情報の送信元である店舗端末からの送信要求に応じて、上記統計情報を当該店舗端末へ送信することを含む。
【0029】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
上記複数の店舗の各店舗端末から、各店舗における空席状況を示す空席状況情報を、上記各店舗を識別する店舗識別情報とともに受信するステップと、
上記受信された空席状況情報を上記店舗識別情報と対応付けて記憶するステップと、
上記受信された空席状況情報から、上記各店舗の空席状況の統計を示す統計情報を生成するステップと、
上記空席状況情報及び上記店舗識別情報の送信元である店舗端末からの送信要求に応じて、上記統計情報を当該店舗端末へ送信するステップと
を実行させる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、飲食店等の店舗に、他の同業店舗の空席状況を正確に把握させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0033】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る空席情報提供システムの構成を示した図である。
【0034】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の空席情報提供サーバ100と、複数の店舗端末200とを含む。
【0035】
空席情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイトを運営するウェブサーバである。空席情報提供サーバ100は、複数の店舗端末200とインターネット50を介して接続されている。
【0036】
空席情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトにおいて、一般ユーザ(飲食店に来店する客)向けに店舗情報の検索システムを提供するほか、上記ポータルサイトに掲載される飲食店(加盟店)向けに、店舗情報の管理画面(Webページ)を提供している。
【0037】
店舗端末200(200A,200B,200C...)は、飲食店の店舗管理者(例えば店長等)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0038】
店舗端末200は、空席情報提供サーバ100へアクセスし、上記Webページを受信してブラウザにより画面に表示する。
【0039】
店舗端末200の管理者は、上記ブラウザによって表示される管理画面を介して、上記ポータルサイト上に掲載される自店舗の店舗情報やプロモーション情報等の編集やアップロード等を行うことができる。
【0040】
また、空席情報提供サーバ100は、上記管理画面を介して、各店舗の現在の空席状況に関する情報を受け付けることが可能である。当該空席状況は、上記ポータルサイト上の各店舗情報ページに掲載されることで、一般ユーザに閲覧可能となる。
【0041】
また一方で、空席情報提供サーバ100は、各店舗から受信した当該空席状況情報を基に、各店舗の当該空席状況の統計を示す統計情報を生成して、上記管理画面を介して各店舗端末200へ提供することも可能である。当該統計情報により、各店舗の管理者は、他店舗の空席状況を把握することができる。当該空席状況情報及び統計情報の詳細については後述する。
【0042】
[空席情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記空席情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、空席情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0043】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら空席情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0044】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0045】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0046】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0047】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0048】
後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、店舗情報データベース、空席状況情報データベース、及び統計情報データベースを有している。
【0049】
通信部19は、例えばEthernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記店舗端末200との間の通信処理を担う。
【0050】
[空席情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記空席情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0051】
同図に示すように、空席情報提供サーバ100は、記憶部18に、店舗情報データベース31、空席状況情報データベース32、及び統計情報データベース33を有している。
【0052】
店舗情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名や、その飲食店を識別するID(店舗ID)の他、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する内容、すなわち、店舗のPR文等の店舗の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報、飲食店の業態、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店が提供するメニュー、ウェブサイトURL等の情報を記憶している。
【0053】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0054】
空席状況情報データベース32は、各店舗端末200から受信した空席状況情報を、各店舗の店舗IDと対応付けて記憶している。空席状況は、例えば、「空席(十分)あり」、「個室(のみ)空きあり」、「残りわずか」及び「空席なし」の4つの項目のいずれかによって表現され、各店舗端末200から空席状況情報が受信される度に更新される。
【0055】
統計情報データベース33は、上記空席状況情報を基に、エリア毎に生成された統計情報を記憶している。統計情報は、例えば、ある時間帯において、上記空席状況情報を受信した店舗端末200に対応する店舗IDの数(上記空席状況情報データベース32における店舗IDのエントリ数)に対する、上記各空席状況を有する店舗の店舗IDの割合として算出される。
【0056】
上記統計情報は、例えば1時間等の所定時間毎に、上記空席状況情報がバッチ処理で取得され分析されることで生成され、その生成の度に当該統計情報データベース33が更新される。
【0057】
これら各データベースは、後述する空席情報提供サーバ100による統計情報提供処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0058】
[空席情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された空席情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、空席情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0059】
(統計情報の生成処理)
図4は、空席情報提供サーバ100による、統計情報の生成処理の流れを示したフローチャートである。上述したように、統計情報は、例えば1時間毎に上記空席状況情報がバッチ処理によって取得されることで生成される。
【0060】
まず、空席情報提供サーバ100のCPU11は、上記バッチ処理の時刻が到来したか否かを判断する(ステップ41)。
【0061】
バッチ処理時刻が到来したと判断した場合(Yes)、CPU11は、上記空席状況情報データベース32から、上記「空席あり」「残りわずか」といった空席状況情報を取得する(ステップ42)。ここで、空席状況情報と共に、それに対応する店舗ID及びエリア(都道府県)情報も取得される。
【0062】
続いてCPU11は、
図5に示すように、上記取得した空席状況情報における各ステータスに対応する店舗IDの数を、エリア毎に集計する(ステップ43)。エリアには、全国と各都道府県(例えば同図の北海道や東京都等)が含まれる。同図に示すように、エリア毎に、各ステータスの店舗IDの絶対数はもちろん、各ステータスの分布傾向も異なることが分かる。
【0063】
そしてCPU11は、エリア毎に、全ての空席状況情報に対応する店舗IDの数に対する、上記集計した各ステータスの店舗IDの数の割合を、例えば百分率で算出することで、エリア毎に統計情報を生成する(ステップ44)。
【0064】
生成された統計情報は、上記統計情報データベース33に保存される(ステップ45)。
【0065】
(統計情報の提供処理)
次に、空席情報提供サーバ100による、上記生成された統計情報の店舗端末200への提供処理について説明する。
図6は、空席情報提供サーバ100による当該統計情報の提供処理の流れを示したフローチャートである。
【0066】
同図に示すように、空席情報提供サーバ100のCPU11はまず、店舗端末200から管理画面にアクセスがあったか、または、管理画面の更新要求があったか否かを判断する(ステップ61)。
【0067】
上記アクセスまたは更新要求があったと判断した場合(Yes)、CPU11は、上記統計情報を含まない管理画面(Webページ)を店舗端末200へ送信する(ステップ62)。
【0068】
図7は、当該統計情報を含まない管理画面の例を示した図である。
【0069】
同図に示すように、当該管理画面には、上記店舗端末200からアクセスがあった日の例えば夜における当該店舗端末200に対応する店舗の空席状況を設定(送信)するための複数の空席状況設定ボタン71が含まれる。
【0070】
上述のとおり、空席状況は、「空席あり」、「個室空きあり」、「残りわずか」及び「空席なし」の4つの項目で表現され、上記空席状況設定ボタン71としては、それら4つの項目に対応して、空席ありボタン71a、個室空きありボタン71b、残りわずかボタン71c及び空席なしボタン71dの4つが用意される。各ボタンは、例えば「○」、「○(個室)」、「△」及び「×」といった、どの空席状況を指すのかが一目で分かるようなデザインとされる。
【0071】
また管理画面上の空席状況設定ボタン71の例えば上部には、今夜の店舗の空席情報の設定を促し、空席情報を設定することで他店舗の空席情報の統計情報が閲覧できることを伝えるメッセージが表示される。
【0072】
また、上記アクセス時または更新時の管理画面、すなわち上記空席状況設定ボタン71による設定がなされていない状況においては、空席状況が未設定である旨のメッセージも表示される。
【0073】
図6に戻り、CPU11は、管理画面上で店舗端末200の管理者によって上記いずれかの空席状況設定ボタン71が押下されることで、店舗端末200から空席状況情報が店舗IDと共に受信されたか否かを判断する(ステップ62)。
【0074】
店舗端末200から空席状況情報及び店舗IDを受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該空席状況情報を、店舗ID及びエリア情報(都道府県)と対応付けて上記空席状況情報データベース32に記憶する(ステップ64)。
【0075】
なお、上記空席状況設定ボタン71が押下された場合には、CPU11は、空席状況を更新するか否かを店舗端末200の管理者に確認するポップアップが表示され、当該ポップアップ上で管理者が更新する旨の指示(例えばYesボタンの押下)があった場合に上記空席状況情報が送信されるように管理画面を制御してもよい。
【0076】
続いてCPU11は、直近で保存されている統計情報を上記統計情報データベース33から取得し、当該統計情報を含む管理画面を店舗端末200へ送信する(ステップ65)。
【0077】
上述したように、統計情報は、例えば1時間毎の空席状況情報のバッチによる取得処理を契機に生成されるため、ステップ65において取得される統計情報は、最大で1時間前の情報となる。すなわち、統計情報の生成処理は、店舗端末200からの空席状況情報の受信を含む管理画面の更新処理とは連動しておらず、当該更新処理時よりも前の統計情報が管理画面を介して店舗端末200へ送信されることになる。これにより、常にリアルタイムで統計情報を生成・表示する場合に比べて、空席情報提供サーバ100の負荷が軽減される。
【0078】
図8は、当該統計情報を含む管理画面を示した図である。
【0079】
同図に示すように、上記各空席状況設定ボタン71の下部には、上記生成された統計情報72、すなわち、上記受信された全ての空席状況情報に対応する店舗IDの総数に対する、それら各ボタン71が示すステータスを示す店舗の店舗IDの数の割合が百分率で表示される。また、店舗端末200の管理者が押下した空席状況設定ボタン71は、同図に示すように例えばその外枠が強調表示される(同図の例では、空席ありボタン71a)。
【0080】
また、管理画面に初めてアクセスがあった場合または管理画面が更新された場合には、デフォルトとして全国の統計情報72が取得され表示される。当該統計情報72の例えば下部には、例えば全国と都道府県との間で統計情報の対応エリアを切り替えるためのエリア切り替えボタン73が表示される。
【0081】
当該エリア切り替えボタン73は、管理画面へのアクセス元である店舗端末200の店舗IDに対応付けられたエリア(都道府県)に応じて生成される。
図8では、店舗端末200の店舗IDに対応するエリアが東京都である場合が示されている。
【0082】
同図の例では、統計情報72により、空席状況情報が受信できた全国の店舗のうち、空席が十分にある店舗が20%、個室のみ空席がある店舗が25%、空席が残りわずかしかない店舗が35%、空席がない店舗が20%存在することが示されている。
【0083】
CPU11は、管理画面上で店舗端末200の管理者によって上記エリア切り替えボタン73が押下されることにより、店舗端末200からエリア切替要求が受信されたか否かを判断する(ステップ66)。
【0084】
店舗端末200からエリア切替要求が受信されたと判断された場合(Yes)には、CPU11は、当該要求対象のエリアに対応する統計情報を上記統計情報データベース33から取得し、当該エリアの統計情報72を含む管理画面を店舗端末200へ送信する(ステップ67)。
【0085】
図9は、
図8の状態から上記エリア切替ボタン73によりエリアの切り替え(全国→東京都)が実行された場合の管理画面の例を示した図である。同図の例では、統計情報72により、空席状況情報が受信できた東京都の店舗のうち、空席が十分にある店舗が15%、個室のみ空席がある店舗が20%、空席が残りわずかしかない店舗が40%、空席がない店舗が25%存在することが示されている。この東京都の統計情報72は、上記
図8に示した全国の統計情報72とは異なっている(東京都の方が空席率が低い)ことが分かる。
【0086】
CPU11は、以上の処理を、店舗端末200による管理画面へのアクセスまたは更新要求があるたびに繰り返す。上記空席状況情報の設定があった場合に、管理画面が更新された場合には、管理画面上からは統計情報は消去される(ステップ61、62)。
図10はこの場合の管理画面の例を示した図である。店舗端末200の管理者は、最新の統計情報の閲覧を望む場合には、再度空席状況設定ボタン71を押下する必要がある。
【0087】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、空席情報提供サーバ100は、各店舗端末200から空席状況情報を受信して統計情報を生成するとともに、各店舗端末200が自店舗の空席状況情報を送信したことを条件に統計情報を提供することとしたため、統計情報の提供を望む店舗の店舗端末200からの空席状況情報の受信を促進することができ、空席状況情報の絶対数を増加させることで、各店舗に、他の同業店舗の空席状況を正確に把握させることができる。
【0088】
そして各店舗は、把握した他店舗の空席状況に応じて、集客の見込みを判断し、自店舗の適切な営業戦略(販売促進行動)を決定することができる。例えば、自店舗が満席だが、統計情報によると空席が多い場合、客の新規来店は望めないと判断し、既存客の単価の増加を図ることができる。一方、自店舗には空席があるが、統計情報によると空席が少ない場合、客の新規来店が望めるため、例えばクーポンの配布や掲示板による告知等、即効性のある施策を実施することができる。
【0089】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0090】
上述の実施形態において各店舗端末200から受信された空席状況情報は、店舗端末200用の管理画面以外に、一般ユーザによる店舗情報検索が可能なポータルサイト上で利用されてもよい。すなわち、ポータルサイト上でユーザが検索した店舗情報を掲載したWebページに、その店舗の当日の空席状況を示す情報が、例えば上記空席状況設定ボタン71と同様のデザインのアイコンとして表示されてもよい。しかし、上記統計情報は一般ユーザには公開されなくてもよい。
【0091】
上述の実施形態では、統計情報の生成処理は、1時間毎の空席状況情報のバッチによる取得処理によって生成された。しかし、このバッチ処理の間隔は1時間に限られず、30分、10分等のより短い間隔またはより長い間隔であってもよい。
【0092】
また、空席情報提供サーバ100は、このバッチ処理を実行する間隔(所定時間)を、一日のうちの時間帯毎に変更してもよい。例えば、昼間は1時間毎にバッチ処理が実行され、18時〜20時の間は、30分毎または10分毎にバッチ処理が実行されてもよい。これにより、空席情報提供サーバ100は、統計情報のリアルタイム性が要求される時間帯においては上記所定時間を極力短くし、比較的リアルタイム性が要求されない時間帯には上記所定時間を長くすることで、リアルタイム性と処理負荷のバランスを取ることができる。
【0093】
上述の実施形態においては、エリア情報としては全国と都道府県の2つが用いられた。しかし、市区町村や電車の駅周辺等、より狭い範囲のエリア情報が用いられ、それに応じた統計情報が提供されてもよい。すなわち、上記店舗情報データベース31において、エリア情報が、全国→都道府県(例えば東京都)→市区町村(例えば中央区)→駅周辺(例えば銀座・有楽町・築地)というように、エリアの大きさに応じた階層構造として階層毎に店舗IDと対応付けられて記憶され、当該エリア毎に統計情報が生成されてもよい。これにより空席情報提供サーバ100は、各店舗に、エリアの範囲毎に他店舗の空席状況を把握させることで、マクロ的な判断もミクロ的な判断も行わせることができる。例えば、各店舗は、自店舗の空席の要因が、全国的または都道府県レベルの要因なのか、自店舗の存在する限定的なエリアにおける要因なのか、自店舗のみに関する要因なのかを類推することができる。
【0094】
上述の実施形態において、空席情報提供サーバ100は、少なくとも、上記統計情報の生成に用いられた空席状況情報に対応する店舗IDの数を基に、統計情報の信頼度を示す信頼度情報を生成し、当該信頼度情報を上記統計情報と共に送信して管理画面に表示させてもよい。例えば、統計情報の生成時において空席状況情報データベース32上に存在する店舗IDのエリア毎の総数が信頼度情報として表示されてもよい。また、店舗情報データベース31に存在する店舗IDのエリア毎の総数(全ての加盟店舗のエリア毎の総数)に対する、統計情報の生成に用いられた、空席状況情報データベース32に存在する店舗IDの総数(空席状況情報を空席情報提供サーバ100へ送信した店舗端末200の総数)の割合(百分率または分数)が信頼度情報として表示されてもよい。これにより空席情報提供サーバ100は、統計情報の信頼度を各店舗に把握させることができる。
【0095】
上述の実施形態では、統計情報はエリア毎に切替可能に表示されたが、それに加え、店舗IDに関連付けられたエリア以外の様々なパラメータによって切替可能に表示されてもよい。例えば、上記店舗情報データベース31に記憶されている、各店舗のカテゴリ情報(メインカテゴリ及びサブカテゴリを含む)毎に統計情報が切替可能に表示されてもよい。例えば、ある店舗のカテゴリが焼き鳥である場合、その店舗の店舗端末200に対しては、全カテゴリにおけるエリア毎の統計情報が提供されるほか、焼き鳥店に関するエリア毎(例えばその店舗が属する市区町村)の統計情報も切り替えて表示可能とされてもよい。これにより空席情報提供サーバ100は、各店舗に、自店舗と同じカテゴリに属する他店舗、すなわち競業店舗の空席状況を把握させ、より綿密な販売促進計画を立てさせることができる。
【0096】
上述の実施形態においては、店舗の空席状況情報の入力を促す文言が管理画面上にデフォルトで表示されていたため、統計情報が表示された後に管理画面の更新要求があった場合には、単に統計情報が消去された管理画面が表示されていた(
図10)。しかし、空席情報提供サーバ100は、統計情報の表示後に更新要求があった場合には、空席状況情報の入力を促すメッセージを例えばポップアップ等で表示させてもよい。
【0097】
上述の実施形態では、飲食店に関する空席状況情報に基づく統計情報が生成されたが、例えば、宿泊施設、スポーツ施設、映画館、医院、美容院、スポーツスタジオ、音楽スタジオ、マッサージ店、ボーリング場、カラオケ店、会議室等、様々な店舗に関する空席状況情報が収集され、各店舗の管理者向けに統計情報が提供されてもよい。