(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195610
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】TD−HSPA+端末設備のゲイン制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20170904BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20170904BHJP
【FI】
H04B1/16 R
H04W88/02 151
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-506071(P2015-506071)
(86)(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公表番号】特表2015-517269(P2015-517269A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2012077438
(87)【国際公開番号】WO2013155786
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2015年5月26日
(31)【優先権主張番号】201210112878.5
(32)【優先日】2012年4月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】リウ チョンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チウ ニン
【審査官】
原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102065528(CN,A)
【文献】
特表2011−512082(JP,A)
【文献】
特開2012−034369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04W 88/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TD−HSPA+端末機器信号ゲインの制御方法であって、上記方法は、
端末機器が連続パケット伝送モデルにあるとき、本機械が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定し、初めに前記ハイスピードパケットチャネルから信号を受信しているのではない場合、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定し、前記隣接する2回の信号受信の間隔が前記所定の間隔より小さくはない場合、セル主要公共制御物理チャンネルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCPCCPCHを取得し、上記AGCPCCPCHにより本機械の現在受信した信号のゲインを制御する方法。
【請求項2】
上記端末機器が上記PCCPCHの主要周波数ポイントのゲインAGCPCCPCHを取得する前に、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインが存在するか否かを判定し、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、前記測定済みのゲインが存在する場合、上記PCCPCH主要周波数ポイントAGCPCCPCHを取得するステップ及びその後のステップを実行し、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、前記測定済みのゲインが存在しない場合、
上記端末機器がサービススロットTS0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCTSO_PCCPCHを測定し、上記AGCTSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算し、上記AGCTSO_PCCPCHと上記デフォルトゲイン変数との和により、本機械の現在受信した信号のゲインを制御するステップを実行する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さい場合、上記端末機器は、本機械の受信した信号がハイスピード下りリンク共有チャネルHS−DSCHまたはチャネル状態がDRXを連続して受信しないハイスピード共有制御チャネルHS−SCCHからのものであるかを判定し、
前記本機械の受信した信号が、前記ハイスピード下りリンク共有チャネルHS−DSCHまたはチャネル状態がDRXを連続して受信しない前記ハイスピード共有制御チャネルHS−SCCHからのものである場合、上記端末機器が前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さい場合、上記端末機器は、本機械の受信した信号がチャネル状態が非DRXであるHS−SCCHからのものであるかを判定し、前記本機械の受信した信号が、チャネル状態が非DRXである前記HS−SCCHからのものである場合、
上記端末機器が、現在信号を受信する信号対干渉比がデフォルト閾値より大きいか否かを判定し、前記現在信号を受信する信号対干渉比が前記デフォルト閾値より大きい場合、上記端末機器は、前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御し、前記現在信号を受信する信号対干渉比が前記デフォルト閾値以下である場合、上記端末機器が前回信号を受信したゲインを次回信号を受信するゲイン制御基準値として設定する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信する場合、上記端末機器は、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインがあるか否かを判定し、
上記PCCPCH主要周波数ポイントには、前記測定済みのゲインがある場合、上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCPCCPCHを取得し、上記AGCPCCPCHを本機械の初回受信した信号のゲイン制御基準値にして、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、前記測定済みのゲインがない場合、サービススロットTS0で上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCTSO_PCCPCHを測定し、上記AGCTSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算し、上記AGCTSO_PCCPCHと上記デフォルトゲイン変数との和を本機械の初回受信した信号のゲイン制御基準値にする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
上記ハイスピードパケットチャネルは、HS−DSCHとHS−SCCHを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記デフォルトゲイン変数は−10〜0デシベルである請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記端末機器には、無線通信受信機、TD携帯電話を含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
TD−HSPA+端末機器信号ゲインの制御装置であって、上記装置は、端末機器を含み、
上記端末機器が連続パケット伝送モデルにあるとき、本機械が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定し、初めに前記ハイスピードパケットチャネルから信号を受信しているのではない場合、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定し、前記隣接する2回の信号受信の間隔が前記所定の間隔より小さくはない場合、セル主要公共制御物理チャンネルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCPCCPCHを取得し、上記AGCPCCPCHにより本機械の現在受信し信号のゲインを制御するする装置。
【請求項10】
上記端末機器は、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定する初回受信判定モジュールと、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定する受信間隔判定モジュールと、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントに測定済みのゲインがあるか否かを判定するPCCPCHゲイン判定モジュールと、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントのゲインAGCPCCPCHを取得するPCCPCHゲイン取得モジュールと、
サービススロットTS0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGCTSO_PCCPCHを測定するPCCPCHゲイン測定モジュールと、
上記セルPCCPCH主要周波数ポイントがサービススロットTS0におけるゲインAGCTSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算するゲイン計算モジュールとを含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
上記端末機器は、さらに、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信する場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュールにより取得されたゲインAGCPCCPCHまたは上記ゲイン計算モジュールにより算出されたゲインを上記端末機器の初回受信した信号のゲインにする初期化ゲイン制御モジュールと、
上記端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さくない場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュールにより取得されたゲインAGCPCCPCH、または上記ゲイン計算モジュールにより算出されたゲインにより、本機械の現在受信した信号のゲインを制御する第1のゲイン制御モジュールと、
上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さい場合、上記端末機器の、前回受信した信号のゲインで現在受信した信号のゲインを制御し、または、上記端末機器の前回信号を受信したゲインを次回信号を受信するゲイン制御基準値にする第2のゲイン制御モジュールとを含む請求項10に記載の装置。
【請求項12】
上記端末機器は、無線通信機器、TD携帯電話を含む請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信技術分野に関し、特にTD−HSPA+(Time Division−High Speed Packet Access Plus、時間分割同期符号分割多元接続高速パケットアクセスプラス)端末設備のゲイン制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一、 TD−HSPA+連続パケット接続技術
3GPP R8(The 3rd Generation Partnership Project Release 8、第三世代パートナーシッププロジェクトリリース8)において、TD−SCDMA(Time Division−Synchronous Code Division Multiple Access、時間分割同期符号分割多元接続)プロトコルに、HSPA+(High Speed Packet Access Plus、高速パケット接続プラス)技術が導入されていた。TD−HSPA技術は従来のHSPA技術のアップグレードで、主にシステムのユーザ容量とスループットを高め、「連続オンライン」データサービスに対するサポートを最適化することが図られている。
【0003】
TD−HSPA+は複数のプラス技術の集合であり、物理層プラスと高層プラスとの二つの方面がある。物理層プラス技術は、例えば64QAM(Quadrate Amplitude Modulation、直交振幅変調)、MIMO(Multiple−Input Multiple−Output、マルチ入力マルチ出力)、及びマルチキャリア技術などのような高次変調を含む。高層プラス技術はCELL_FACH(Cell Forward Access Channel、セルフォワードアクセスチャネル)プラス、層2プラスとCPC(Continuous Packet Connectivity,連続パケット接続技術)を含む。
【0004】
CPCとは、パケットユーザの「永久オンライン」である。CPCは3GPP R5/R6のHSPA機能を改良することで、連続接続のニースがあるパケットユーザが頻繁な再確立によるスループットと時間遅延を避けることが可能になり、CELL−DCH(Cell Dedicated Channel、セル専用チャネル)パケットユーザの数を増加し、VoIP(Voice over Internet Protocol、インターネットプロトコルによる音声伝送)のユーザ容量とシステム能率を高めるという目的が達成される。
【0005】
CPCにおいて、半継続リソースが導入され、半継続リソースは基地局に配置されてから常時有効であり、端末設備は、基地局により配置されたRxモデル又はTxモデルに従いデータの受送信を行う。半継続リソースの配置は、半静的配置と動的配置がある。半静的配置は、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワークコントローラ)により、RRC(Radio Resource Control、無線リソースコントローラ)メッセージを介しリストの形で端末設備に配置する。動的配置は、基地局が下りHS−SCCH(High Speed Shared Control Channel、高速共有制御チャネル)又は上がりE−AGCH(Enhanced Absolute Grant Channel、強化された絶対許可チャネル)を介し動的に端末設備に配置する。端末設備は動的特性に基づき半静的配置を結び合わせて、総合的に端末設備の具体的な半継続リソース配置が得られる。
【0006】
制御チャネルのパワースループットを低減させるために、CPCにおいて、さらに制御チャネルDRX(Discontinuous Reception、間欠受信)操作が導入されている。制御チャネルDRX操作は、HS−SCCH DRXとE−AGCH DRXとが単独で行う。システムは、割りと長い期間内に、端末設備によりHS−SCCH又はE−AGCHチャネルをモニターする必要がないと確認する場合、基地局がタイマー又はコマンドの形で、端末設備に対して制御チャネルDRX状態に入ることを通知し、この時端末設備が所定の周期と時間オフセットで対応する制御チャネルを受信すればよい。
【0007】
二、 自動的ゲイン制御
通常の受信機の入力信号の動的変動が大きいため、AGC(AutomaticGain Control、自動ゲイン制御)の目的は、出力信号を正規化にし、割りと安定したレベルに維持させることである。
図1は従来技術において、AGCフィードバックループによりゲインを制御することの基本的な模式図である。
図1に示すように、AGC制御ユニットとVGA(Variable Gain Amplifier、可変ゲインアンプ)とがフィードバックループを構成する。ベースバンドのフィルタリング前のI、Q信号がフィルタリングループに入力され、所定の時間内に、電力累積と平均処理が行われ、その後、基準電力値と比較をして、比較で得られた誤差がフィードバックループのフィルターに送られ、フィルターによりフィルタリングされてAGC制御ユニットに出力されて、最後にAGC制御ユニットによりVGAとLNA(Low Noise Amplifier、低騒音アンプ)のゲイン調整が生成される。
【0008】
実際のTD−SCDMA端末受信機システムにおいて、AGC制御ユニットの計算処理は時間的遅延があるため、通常は、あるチャネルで前回受信した信号により算出されたゲイン(AGC基準値)により、次の同一チャネルで受信した信号のゲインを制御することになっている。無線チャネルの素早い時間変化特性により、隣接する二回で同一チャネルで信号を受信する受信間隔が大きくなってはならない。伝統的なHSPA技術において、この間隔は、通常幾つかのフレームしかない。
【0009】
三、 TD−HSPA+CPC状態におけるAGCの課題
CPC状態におけるAGC制御は他と異なっている。HSDPA(High Speed Downlink Packet Access、ハイスピード下りリンクパケットアクセス)のCPC伝送を例として、端末機器が基地局により配置された1グループのリソースパターン(繰り返し周期と繰り返し長さを含む)を用い、HS−DSCH(High−Speed Downlink Shared Channel、ハイスピード下りリンク共有チャネル)信号を受信し、HS−SCCHシグナリングによりフレームごとにスケジューリングする必要がない。プロトコルで規定した半継続リソースパターンにおいて、最も長い繰り返し周期は32フレームに達することができる、即ち、CPC HS−DSCHから信号を受信する隣接2回の間隔は32サブフレームに達することがある。
【0010】
基地局がHS−SCCHシグナリングにより半継続リソースに対して訂正(HS−SCCHを再配置)することができるが、HS−SCCH DRXを使わないとき、HS−SCCH再配置の送信時間が固定ではない。HS−SCCHを再配置する間隔が長くなることもある。例えば、ある代表的なネットワーク配置において、当該間隔は40サブフレームに達することが可能である。この間、端末機器が割り当てられたHS−SCCH物理リソースにHS−SCCH再配置のシグナリングが発行されたか否かを継続してモニターしなければならない。
【0011】
以上の場面において、CPC HS−DSCHから信号を受信する、またはHS−SCCHを再配置する間隔が非常に長くなることがあるため、信号電力がこの間に劇的な変化を発生する可能性がある。直接前回信号を受信した際に算出したAGC基準値を用い、今回信号を受信するゲインを制御すると、今回のゲインが実際信号の電力変化を反映できず、端末機器が転換した後の信号飽和または幅があまり小さくなることになり、下りデータをなくす、または重要な再配置スケジューリング情報をミスして、例えば受信器などの端末機器の性能を影響することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、少なくとも既存技術における端末機器がTD−HSPA+CPC状態において、隣接2回の信号受信間隔が長くなるとき、前回信号を受信したゲインで今回信号を受信するゲインを制御するできないという課題を解決するために、TD−HSPA+端末機器のゲイン制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は以下のような技術により上記課題を解決する。
【0014】
TD−HSPA+端末機器信号ゲインの制御方法であって、上記方法は、
端末機器が連続パケット伝送モデルにあるとき、本機械が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定し、そうでない場合、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定し、そうでない場合、セル主要公共制御物理チャンネルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHにより本機械の現在受信し信号のゲインを制御する。
【0015】
好適な実施例により、上記端末機器が上記PCCPCHの主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得する前に、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインが存在するか否かを判定し、そうである場合、上記PCCPCH主要周波数ポイントAGC
PCCPCHを取得するステップ及びその後のステップを実行し、そうでない場合、
上記端末機器がサービススロットTS
0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定し、上記AGC
TSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算し、上記AGC
TSO_PCCPCHと上記デフォルトゲイン変数との和により、当該機器の現在受信した信号のゲインを制御する。
【0016】
好適な実施例によると、上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい場合、上記端末機器は、本機器の受信した信号がHS−DSCHまたはチャネル状態がDRXであるHS−SCCHからのものであるかを判定する。
【0017】
そうである場合、上記端末機器が前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御する。
【0018】
好適な実施例によると、上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい場合、上記端末機器は、本機器の受信した信号がチャネル状態が非DRXであるHS−SCCHからのものであるかを判定し、そうである場合、
上記端末機器が、現在信号を受信する信号対干渉比がデフォルト閾値より大きいか否かを判定し、そうである場合、上記端末機器は、前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御し、そうでない場合、上記端末機器が前回信号を受信したゲインを次回信号を受信するゲイン制御基準値として設定する。
【0019】
好適な実施例によると、上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信する場合、上記端末機器は、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインがあるか否かを判定する。
そうである場合、上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHを本機械の初回受信した信号のゲイン制御基準値にして、そうでない場合、サービススロットTS
0で上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定し、上記AGC
TSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算し、上記AGC
TSO_PCCPCHと上記デフォルト変数との和を本機械の初回受信した信号のゲイン制御基準値にする。
【0020】
上記ハイスピードパケットチャネルは、HS−DSCHとHS−SCCHを含む。
【0021】
上記デフォルトゲイン変数は−10〜0デシベルである。
【0022】
上記端末機器には、無線通信受信機、TD携帯電話を含む。
【0023】
本発明はさらに、下記技術を採用する。
TD−HSPA+端末機器信号ゲインの制御装置であって、上記装置は、端末機器を含み、
上記端末機器が連続パケット伝送モデルにあるとき、本機械が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定し、そうでない場合、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定し、そうでない場合、セル主要公共制御物理チャンネルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHにより本機械の現在受信し信号のゲインを制御するする。
【0024】
上記端末機器は、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定する初回受信判定モジュールと、
隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さいか否かを判定する受信間隔判定モジュールと、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントに測定済みのゲインがあるか否かを判定するPCCPCHゲイン判定モジュールと、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得するPCCPCHゲイン取得モジュールと、
サービススロットTS
0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定するPCCPCHゲイン測定モジュールと、
上記セルPCCPCH主要周波数ポイントがサービススロットTS
0におけるゲインAGC
TSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算するゲイン計算モジュールとを含む。
【0025】
上記端末機器は、さらに、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信する場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュールにより取得されたゲインAGC
PCCPCHまたは上記ゲイン計算モジュールにより算出されたゲインを上記端末機械の初回受信した信号のゲインにする初期化ゲイン制御モジュールと、
上記端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さくない場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュールにより取得されたゲインAGC
PCCPCH、または上記ゲイン計算モジュールにより算出されたゲインにより、本機械の現在受信した信号のゲインを制御する第1のゲイン制御モジュールと、
上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい場合、上記端末機器の、前回受信した信号のゲインで現在受信した信号のゲインを制御し、または、上記端末機器の前回信号を受信したゲインを次回信号を受信するゲイン制御基準値にする第2のゲイン制御モジュールとを含む。
【0026】
上記端末機器は、無線通信機器、TD携帯電話を含む。
【0027】
既存技術に比べて、本発明は以下のような有益な技術効果を有する。本発明は、CPCモデルにおける端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔が大きい場合に特別な処理をして、セルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインを用い、端末機器が現在受信した信号のゲインを正確に調節することができるため、端末機器がCPCモデルにおいても、下りデータまたは重要な再配置スケジューリング情報をなくすことはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下に記載の図面は、本発明をさらに理解するために提供され、本願の一部を構成し、本発明の好適の実施例及びその説明は本発明を解釈するものであり、本発明を限定するものではない。
【
図1】既存技術に係るAGCフィードバックループによりゲインを制御する基本的な原理図である。
【
図2】本発明の好適な実施例に係るTD−HSPA+端末機器のゲイン制御方法のフローチャート図である。
【
図3】本発明の好適な実施例に係るTD−HSPA+端末機器のゲイン制御装置のモジュールブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の解決しょうとする技術課題、技術構成、及び有益な技術効果をより明確で、分かりやすくするように、以下、図面と実施例を結合しながら、本発明をさらに詳しく説明する。なお、ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0030】
図2は本発明の好適な実施例に係るTD−HSPA+端末機器のゲイン制御方法のフローチャート図である。
図2に示すように、本発明の好適な実施例の方法は以下ようなステップを含む。
【0031】
ステップS201について、端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否か判定し、そうでない場合、ステップS204に進み、そうである場合、セルPCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインがあるか否かを判定する。
【0032】
本実施例におけるハイスピードパケットチャネルは、HS−DSCHとHS−SCCHを含む。なお、本発明は、例えば、E−AGCHとE−HICH(Enhanced HARQ Indicatoe Channel、強化型指示チャンル)などのような他の下りコードチャネルにも適用する。上記端末機器は、無線通信機器、TD携帯電話を含む。
【0033】
ステップS202について、そうである場合、セルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHを本機械の初回受信した信号のゲイン制御基準値にして、ステップS210に進む。
【0034】
上記ゲイン制御基準値は、上記端末機器が初回受信した信号のゲインを制御する。上記セルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHは、主に、基地局によりセルPCCPCHの2つのコードチャネルで測定して得られるもので、端末機器がPCCPCHの一般測定タスクを介し、上記主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを付随的に取得することができる。
【0035】
ステップS203について、そうでない場合、サービススロットTS
0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定し、上記AGC
TSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を本機器の初回受信した信号のゲイン制御基準値にして、ステップS210に進む。。
【0036】
セルPCCPCH主要周波数ポイントには、上記ゲインAGC
PCCPCHがない場合、上記端末機器が自発的にサービススロットTS
0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定することができ、自発的測定は、セルPCCPCHのすべてのコードチャネルを含むため、1つのデフォルト変数により、AGC
PCCPCHとAGC
TSO_PCCPCH との間の差を均衡化させることができる。
【0037】
上記デフォルト変数は−10〜0デシベルであり、好適な実施例として、ここでは、ー10デシベルにする。
【0038】
ステップS204について、隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さいか否かを判定し、そうである場合、ステップS207に進み、そうでない場合、上記PCCPCH主要周波数ポイントには、測定済みのゲインがあるか否かを判定する。
【0039】
上記デフォルト間隔は自由に配置することができるが、通常の場合は、8つのサブフレームを超えない。本実施例において、デフォルト間隔を8サブフレームにする。端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さくない場合、端末機器の前回の信号を受信したゲインが直接現在受信する信号のゲインを制御することができなく、ステップS205〜206で処理しなければならない。
【0040】
ステップS205について、そうである場合、セルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHを用い、本機械の現在受信した信号のゲインを制御して、ステップS210に進む。
【0041】
ステップS206について、そうでない場合、サービススロットTS
0にて上記PCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCH を測定し、上記AGC
TSO_PCCPCHと上記デフォルト変数との和により本機械の現在受信した信号をゲインを制御し、ステップS210に進む。
【0042】
端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい場合、通常は、本発明の「継承転送」のストラテジーにより現在受信した信号のゲインを制御することができる。端末機器がCPCモデルにあるとき、2種類の受信する状況がある。一つは、例えば周期的に下りデータチャネルHS−DSCHまたはDRX周期における下り制御チャネルHS−SCCHにある場合など端末機器が下り受信の確実な時間を知ることができる場合であり、この時、端末機器が前回受信した信号のゲインで現在受信した信号のゲイン(継承転送)を制御することができる。もう一つは、例えば、端末機器が非DRX状態にある下り制御チャネルを継続的にモニターしなければならない場合など端末機器が下り受信の確実な時間を判断することができない場合であり、この時、端末機器が現在真実で有効な下り信号があるか否かを判断しなければならない。確かにある場合、端末機器が前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御することができるが、そうでない場合、端末機器が前回の有効的な受信で取得したゲインを保持し後に転送することになる。
【0043】
ステップS207〜209が、端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい時の上記2種類の状況に対して、端末機器が受信した信号のゲインを制御できるようにそれぞれ対応する処理を行う。
【0044】
ステップS207について、本機械の受信した信号がHS−DSCHまたはチャネル状態がDRXのHS―SCCHから来たものかを判定し、そうである場合、前回信号を受信したゲインで現在受信した信号のゲインを制御する。
【0045】
ステップS208について、本機械の受信した信号がチャネル状態が非DRXであるHS−SCCHからのものであるか否かを判定し、そうである場合、現在受信した信号の信号対干渉比がデフォルト閾値より大きいかを判定する。
【0046】
ステップS209について、そうである場合、前回信号受信のゲインで現在信号受信のゲインを制御し、そうでない場合、前回信号受信のゲインを次回信号受信のゲイン制御基準値にする。
【0047】
制御チャンネル非DRX状態において、端末機器は、基地局が現在サブフレームで半継続リソース再配置のためのHS−SCCH情報を発送したか否かを事前に判定することができないため、HS−SCCHチャネルを継続的モニターしなければならない。よって、端末機器が受信チャネルの信号対干渉比により、現在サブフレームにはシグナリングが発送されたか否かを判定して、「継承転送」のストラテジーを採用するか否かを決定する。
【0048】
ステップS210について、ユーザーがCPCモデルを終了するか否かを判定し、そうである場合、流れが終了するが、そうでない場合、ステップS201に進む。
【0049】
上記ステップは、本発明の好適な実施例に係る技術を詳しく説明したが、本発明の好適な実施例において、CPCモデルにある端末機器が、隣接する2回の信号受信間隔が大きい場合に対して、特別な処理を行い、発射電力が安定で、発射電力と基地局の下り発射電力との関係が安定的であるPCCPCH主要周波数ポイントのゲインを用いることで、端末機器が現在受信した信号のゲインを正確的に調節でき、端末機器がCPCモデルにおいても、下りデータまたは重要な再配置スケジューリング情報をなくすことはない。
【0050】
図3は本発明の好適な実施例に係るTD−HSPA+端末機器のゲイン制御装置モジュールのブロック図である。
図3に示すように、本発明の好適な実施例に係る装置は、端末機器を含み、
上記端末機器が連続パケット伝送モデルにあるとき、本機械が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定し、そうでない場合、
隣接する2回の信号受信の間隔が所定の間隔より小さいか否かを判定し、そうでない場合、セル主要公共制御物理チャンネルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得し、上記AGC
PCCPCHにより本機械の現在受信し信号のゲインを制御する。
【0051】
上記端末機器は、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信するか否かを判定する初回受信判定モジュール31と、
隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さいか否かを判定する受信間隔判定モジュール32と、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントに測定済みのゲインがあるか否かを判定するPCCPCHゲイン判定モジュール33と、
上記セルPCCPCHの主要周波数ポイントのゲインAGC
PCCPCHを取得するPCCPCHゲイン取得モジュール34と、
サービススロットTS
0にて上記セルPCCPCH主要周波数ポイントのゲインAGC
TSO_PCCPCHを測定するPCCPCHゲイン測定モジュール35と、
上記セルPCCPCH主要周波数ポイントがサービススロットTS
0におけるゲインAGC
TSO_PCCPCHとデフォルトゲイン変数との和を計算するゲイン計算モジュール36とを含む。
【0052】
上記端末機器は、さらに、
上記端末機器が初めにハイスピードパケットチャネルから信号を受信する場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュール34により取得されたゲインAGC
PCCPCHまたは上記ゲイン計算モジュール36により算出されたゲインを上記端末機械の初回受信した信号のゲインにする初期化ゲイン制御モジュール37と、
上記端末機器の隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さくない場合、上記PCCPCHゲイン取得モジュール34により取得されたゲインAGC
PCCPCH、または上記ゲイン計算モジュール36により算出されたゲインにより、本機械の現在受信した信号のゲインを制御する第1のゲイン制御モジュール38と、
上記端末機器の、隣接する2回の信号受信の間隔がデフォルト間隔より小さい場合、上記端末機器の、前回受信した信号のゲインで現在受信した信号のゲインを制御し、または、上記端末機器の前回信号を受信したゲインを次回信号を受信するゲイン制御基準値にする第2のゲイン制御モジュール39とを含む。
【0053】
上記端末機器は、無線通信機器、TD携帯電話を含む。
【0054】
上記説明は本発明の好適な実施例を示し、説明したが、前述したように、本発明は本明細書に開示された形式に限らず、その他の実施例に対しての排除としてはならなく、他の様々な組み合わせ、変更及び環境に適用し、本明細書に記載した発明の構想範囲内にあり、上記示唆または関連分野の技術または知識により変更することができる。本発明の精神や原則を逸脱しないいずれの変更、改良なども本発明の保護範囲内に含まれる。