【実施例】
【0161】
実施例1
ホモ二官能性リンカーNH2[OCH2CH2]2ONH2の調製
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
2ONH
2
【化22】
【0162】
2つの活性アミノオキシ基を含有する(3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン)を、一級アミンの修飾ガブリエル合成を採用する2ステップ有機反応で、Boturynら(Tetrahedron 1997;53:5485−92)に従って合成した(
図3)。第1のステップでは、2,2−クロロジエチルエーテルの1つの分子を、ジメチルホルムアミド(DMF)中で、エンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドの2つの分子と反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、得られた中間体からエタノール中のヒドラジン分解によって調製した。
【0163】
実施例2
ホモ二官性リンカーNH2[OCH2CH2]4ONH2の調製
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
4ONH
2
【化23】
【0164】
2つの活性アミノオキシ基を含有する(3,6,9−トリオキサ−ウンデカン−1,11−ジオキシアミン)を、一級アミンの修飾ガブリエル合成を採用する2ステップ有機反応で、Boturynら(Tetrahedron 1997;53:5485−92)に従って合成した(
図3)。第1のステップでは、ビス−(2−(2−クロロエトキシ)−エチル)−エーテルの1つの分子を、DMF中で、エンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドの2つの分子と反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、得られた中間体からエタノール中のヒドラジン分解によって調製した。
【0165】
実施例3
ホモ二官性リンカーNH2[OCH2CH2]6ONH2の調製
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
6ONH
2
【化24】
【0166】
2つの活性アミノオキシ基を含有する(3,6,9,12,15−ペナトキサ(penatoxa)−ヘプタデカン−1,17−ジオキシアミン)を、一級アミンの修飾ガブリエル合成を採用する2ステップ有機反応で、Boturynら(Tetrahedron 1997;53:5485−92)に従って合成した。第1のステップでは、ヘキサエチレングリコール二塩化物の1つの分子を、DMF中で、エンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドの2つの分子と反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、得られた中間体からエタノール中のヒドラジン分解によって調製した。
【0167】
実施例4
アミノオキシ−PSA試薬の詳細な合成
3−オキサ−ペンタン−1,5ジオキシアミンを、実施例1に概説される2ステップ有機合成で、Botyrynら(Tetrahedron 1997;53:5485−92)に従って合成した。
【0168】
ステップ1:
700mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド(59.0g、1.00当量)の溶液に、無水K
2CO
3(45.51g、1.00当量)および2,2−ジクロロジエチルエーテル(15.84mL、0.41当量)を添加した。反応混合物を50℃で22時間撹拌した。混合物を減圧下で乾燥するまで蒸発させた。残渣を、2Lのジクロロメタン中で懸濁し、NaCl飽和水溶液(各1L)で2回、抽出した。ジクロロメタン層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで、減圧下で乾燥するまで蒸発させ、高真空内で乾燥して、白黄色の固体(中間体1)として64.5gの3−オキサペンタン−1,5−ジオキシ−エンド−2’,3’−ジカルボキシジイミドノルボルネンを得た。
【0169】
ステップ2:
800mLの無水エタノール中の中間体1(64.25g、1.00当量)の溶液に、31.0mLのヒドラジン水和物(4.26当量)を添加した。次いで、反応混合物を2時間還流させた。混合物を、減圧下で溶媒を蒸発させることによって、出発体積の半分まで濃縮した。生じた沈殿物を濾去した。残りのエタノール層を、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。粗生成物3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを含有する残渣を、真空内で乾燥させ、46.3gを得た。粗生成物を更に、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル60、ジクロロメタン/メタノール混合物での定組成溶離、9/1)によって精製して、11.7gの純最終生成物3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを得た。
【0170】
実施例5
アミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune,India)から得た1000mgの酸化PSA(分子量=20kD)を、16mLの50mMのリン酸緩衝液、pH6.0中に溶解した。次いで、170mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを反応混合物に添加した。室温で2時間振とうした後、78.5mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応を、一晩かけて18時間行った。次いで、反応混合物を、再生成されたセルロースから作製された5kDのカットオフを有する膜(50cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過の手順(UF/DF)に供した。
【0171】
実施例6
クロマトグラフィ精製ステップを採用するアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune,India)から得た1290mgの酸化PSA(分子量=20kD)を、25mLの50mMのリン酸緩衝液(緩衝液A)、pH6.0中に溶解した。次いで、209mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを反応混合物に添加した。室温で1時間振とうした後、101mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応を、3時間行った。次いで、混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィゲル(カラム寸法:XK26/135)を採用する穏やかな陰イオン交換クロマトグラフィに供した。反応混合物を110mLの緩衝液Aで希釈し、1cm/分の流速で、緩衝液Aで事前に平衡化したDEAEカラム上に負荷した。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で洗浄し、2cm/分の流速で、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンおよびシアン化物を除去した。次いで、アミノオキシ−PSA試薬を、67%の緩衝液Bおよび43%の緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなるステップ勾配で溶出した。溶出液を、ポリエーテルスルホンから作製された5kDの膜(50cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。最終透析濾過ステップを緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行った。調製物を、全PSA(レゾルシノールアッセイ)および全アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾の度合いを決定することによって分析的に特徴付けた。更に、多分散性、ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンおよびシアン化物を決定した。
【0172】
実施例7
還元ステップを行わないアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune,India)から得た573mgの酸化PSA(分子量=20kD)を、11,3mLの50mMのリン酸緩衝液(緩衝液A)、pH6.0中に溶解した。次いで、94mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを反応混合物に添加した。次いで、室温で5時間振とうした後、混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィゲル(カラム寸法:XK16/105)を採用する穏やかな陰イオン交換クロマトグラフィのステップに供した。反応混合物を50mLの緩衝液Aで希釈し、1cm/分の流速で、緩衝液Aで事前に平衡化したDEAEカラム上に負荷した。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で洗浄し、2cm/分の流速で、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンおよびシアン化物を除去した。アミノオキシ−PSA試薬を、67%の緩衝液Bおよび43%の緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなるステップ勾配で溶出した。溶出液を、ポリエーテルスルホンから作製された5kDの膜(50cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。最終透析濾過ステップを緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行った。調製物を、全PSA(レゾルシノールアッセイ)および全アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾の度合いを決定することによって分析的に特徴付けた。更に、多分散性、ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを決定した。
【0173】
実施例8
求核触媒m−トルイジンの存在下で、還元ステップを行わないアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune,India)から得た573mgの酸化PSA(分子量=20kD)を、9mLの50mMのリン酸緩衝液(緩衝液A)、pH6.0中に溶解する。次いで、94mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンをこの溶液に添加する。続いて、2.3mLの50mMのm−トルイジン原液をこの反応混合物に添加する。次いで、室温で2時間振とうした後、混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィゲル(カラム寸法:XK16/105)を採用する穏やかな陰イオン交換クロマトグラフィステップに供する。反応混合物を50mLの緩衝液Aで希釈し、1cm/分の流速で、緩衝液Aで事前に平衡化したDEAEカラム上に負荷する。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で洗浄し、2cm/分の流速で、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンおよびシアン化物を除去する。アミノオキシ−PSA試薬を、67%の緩衝液Bおよび43%の緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなるステップ勾配で溶出する。溶出液を、ポリエーテルスルホンから作製された5kDの膜(50cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行う。調製物を、全PSA(レゾルシノールアッセイ)および全アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾の度合いを決定することによって分析的に特徴付ける。更に、多分散性、ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを決定する。
【0174】
実施例9
アミノオキシ−PSA試薬の調製
アミノオキシ−PSA試薬を実施例4〜8に従い調製した。透析濾過後、生成物を−80℃で凍結し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、試薬を適切な体積の水中で溶解し、炭水化物修飾を介するPSA−タンパク質複合体の調製のために使用した。
【0175】
実施例10
異なる代替の求核触媒の有効性の評価
rFIXを、異なる求核触媒(アニリン、m−トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−アミノベンズアミド、スルファニル酸/標準濃度:10mM)を使用して、標準条件(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2中の1mg/mLのrFIX、pH6.0、5倍のモル過剰のアミノオキシ−PSA試薬、100μMのNaIO
4)下で、過ヨウ素酸ナトリウム、アミノオキシ−PSA試薬でインキュベートした。反応を、穏やかな撹拌下で、暗室で、室温で2時間行い、1mMの最終濃度でシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行った。
【0176】
カップリング効率を、Invitrogen X−cellミニシステムを使用するSDS−PAGEによって決定した。試料をリチウムドデシル硫酸塩(LDS)緩衝液でスパイクし、70℃で10分間変性した。次いで、試料を3〜8%のトリス−酢酸塩ゲルに適用し、150Vで60分間行った。続いて、ゲルをクマシーで染色した。
【0177】
加えて、試料を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するSEC−HPLCシステムの使用によって特徴付けた(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。
【0178】
不希釈の50μLの試料を注入し、0.5mL/分の流速で、20mMのNaH
2PO
4、50mMのNa
2SO
4、pH6.1の0.22μmの濾過溶液を使用して均一濃度で溶出した。溶出パターンを280nmで記録した。
【0179】
これらの結果を
図5A〜Cおよび6(SDS PAGE)ならびに表2(SEC− HPLCの結果)に要約する。異なる調製物の触媒効果を示す。m−トルイジンの使用が、アニリンで得たものと同等の結果をもたらすことが示される。
【表2】
【0180】
実施例11
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFIXのポリシアル化
方法1:
12.3mgのrFIXを、6.1mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解した。次いで、254μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、6.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行った。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去した。
【0181】
酸化rFIXを含有する残余分(8.8mL)を、2.46mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートした。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加して、5倍モル過剰の試薬を得た。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートした。
【0182】
遊離rFIXを、陰イオン交換クロマトグラフィ(AEC)によって除去した。反応混合物を、15mLの緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出した。遊離rFIXは、12〜25mS/cmの伝導率で溶出し、複合体は、27〜45mS/cmの伝導率で溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)を用いて190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)を用いて事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷した。遊離アミノオキシ−PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出する。複合体を含有する画分を、Vivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClおよび5mMのCaCl
2を含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行った。調製物を、総タンパク質(Bradford)およびFIX色原体活性の測定によって分析的に特徴付けた。PSA−rFIX複合体は、天然のrFIXと比較して50%超の特異的活性を決定することを示した。
【0183】
方法2:
12.3mgのrFIXを、L−ヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解し、rFIXの1mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、100μMの最終濃度を得、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、pH6.0で、4℃で1時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液(または他の反応停止試薬)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0184】
酸化rFIXを含有する得られた残余分(8.8mL)を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、10mMの最終濃度を得、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、pH6.0で、室温で2.5時間インキュベートし、暗室で、穏やかな撹拌下で、+4℃)で0.5時間〜18時間インキュベートした。
【0185】
遊離rFIXを、陰イオン交換クロマトグラフィ(AEC)によって除去する。反応混合物を、適切な量の緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する前に、溶液の伝導率およびpHを修正する。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出する。遊離rFIXを、25%の緩衝液Bを使用するステップ勾配によって溶出し、得られた画分中12〜25mS/cmの伝導率をもたらし、その複合体を、50%の緩衝液Bのステップ勾配を使用して溶出し、複合体画分中27〜45mS/cmの伝導率をもたらす。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液Cを使用して(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9、または例えば硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の抗カオトロピック塩の使用によって)、190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CTまたは同等のHIC培地)上に負荷する。遊離アミノオキシ−PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClおよび5mMのCaCl2を含有するL−ヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行う。調製物を、総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびにFIX色原体活性および凝固活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−rFIX複合体に対して、天然のrFIXと比較して50%超の特異的活性を決定する。
【0186】
方法3:
25.4mgのrFIXを、18.7mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解した。次いで、531μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および5.07mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加した。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得た。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、25μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行った。
【0187】
遊離rFIXを、陰イオン交換クロマトグラフィ(AEC)によって除去した。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出した。遊離rFIXを、12〜25mS/cmの伝導率で溶出し、複合体を、27〜45mS/cmの伝導率で溶出した。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)を用いて190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷した。遊離アミノオキシ−PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出した。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClおよび5mMのCaCl
2を含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行った。調製物を、総タンパク質(Bradford)およびFIX色原体活性を測定することによって分析的に特徴付けた。PSA−rFIX複合体に対して、天然のrFIXと比較して50%超の特異的活性を決定した。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付けた(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離FIXを含有しないことを示した。複合体は、57%のモノポリシアル化、31%のジポリシアル化、および12%のトリポリシアル化された生成物からなった。
【0188】
方法4:
25.4mgのrFIXを、L−ヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解し、rFIXの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得た。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分間以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分以内に10mMの最終濃度を得た。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得た。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得た。
【0189】
遊離rFIXを、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって除去した。反応混合物を、適切な量の緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF 16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する前に、溶液の伝導率およびpH値を修正した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出した。遊離rFIXを、25%の緩衝液Bを使用するステップ勾配によって溶出し、得られた画分中12〜25mS/cmの伝導率をもたらし、その複合体を、50%の緩衝液Bのステップ勾配を使用して溶出し、複合体画分中27〜45mS/cmの伝導率をもたらした。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液Cを使用して(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9、例えば酢酸アンモニウム等の抗カオトロピック塩の使用によって)、190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT;または同等のHIC培地)上に負荷した。遊離アミノオキシ−PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出した。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClおよび5mMのCaCl
2を含有するL−ヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行った。調製物を、総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびにFIX色原体活性および凝固活性を測定することによって分析的に特徴付けた。PSA−rFIX複合体に対して、天然のrFIXと比較して50%超の特異的活性を決定した。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付けた(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離FIXを含有しないことを示した。複合体は、57%のモノポリシアル化、31%のジポリシアル化、および12%のトリポリシアル化された生成物からなった。
【0190】
実施例12
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFVIIIのポリシアル化
方法1:
50mgのrFVIIIを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得た。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得た。酸化を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間行った。次いで、反応物は、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行った。溶液を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化した20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供した。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化した。次いで、酸化rFVIIIを、緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)を使用して溶出した。rFVIIIを含有する画分を収集した。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整した。次いで、50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒(最終濃度:10mM)として、m−トルイジンを添加した。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行った。過剰のアミノオキシ−PSA試薬をHICによって除去した。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって130mS/cmに引き上げ、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷した。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出した。最後に、PSA−rFVIIIを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された30kDの膜(88cm
2、Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供した。調製物を、総タンパク質(Coomassie、Bradford)およびFVIII色原体活性の測定によって分析的に特徴付けた。PSA−rFVIII複合体は、天然のrFVIIIと比較して70%超の特異的活性を決定することを示した。
【0191】
方法2:
Hepes緩衝液(50mMのHEPES、約350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.1%のポリソルベート80、pH7.4)中のADVATEプロセス由来の58mgの組換え因子VIII(rFVIII)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0192】
酸化rFVIIIを、EMD TMAE(M)(Merck)上で陰イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH6.5)で希釈し、5ms/cmの伝導率を得る。この溶液を、1.5cm/分の流速を用いて、10mLのカラム体積を有するIEXカラム(床高さ:5.4cm)上に負荷する。続いて、このカラムを、5CVの緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8の混合物(w/w)で洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFVIIIを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)の混合物で溶出し、続いて、5CVの緩衝液Bを使用して溶出後のステップを行う。1.0cm/分の流速の使用によって溶出ステップを行う。
【0193】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化rFVIIIを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0194】
得られたPSA−rFVIII複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0195】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値は、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速でHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0196】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたPSA−rFVIII複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PSA−rFVIII複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集する。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIIを分離する。
【0197】
最後に、精製された複合体を、30kDの分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(88cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0198】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、FVIII色原体活性の測定によって、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。得られた複合体に対して、50%超の特異的特性および5.0超のPSAの度合いを算出する。
【0199】
方法3:
50mgのrFVIIIを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得た。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加した。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行った。続いて、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行った。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウムを含有する緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を添加することによって、130mS/cmに引き上げ、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷した。続いて、その複合体を50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出した。最後に、PSA−rFVIIIを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された30kDの膜(88cm
2、Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供した。調製物を、総タンパク質(Bradford)およびFVIII色原体活性の測定によって分析的に特徴付けた。PSA−rFVIII複合体に対して、天然のrFVIIIと比較して70%以上の特異的活性を決定した。
【0200】
方法4:
50mMのHepes緩衝液(50mMのHEPES、約350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.1%のポリソルベート80、pH7.4)中のADVATEプロセス由来の50mgの組換え因子VIII(rFVIII)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得た。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正した。
【0201】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このrFVIII溶液に最長期間(t)の15分以内で添加した。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得た。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得た。
【0202】
反応混合物を、穏やかな振とう下で、暗室で、T=+22+/−2℃の温度(T)で120+/−10分間インキュベートした。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートした。
【0203】
得られたPSA−rFVIII複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製した。
【0204】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクした。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値は、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正した。この混合物を、1cm/分の流速でHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行った。
【0205】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行った。次いで、精製されたrFVIII複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行った。PSA−rFVIII複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集した。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIIを分離した。
【0206】
最後に、精製された複合体を、30kDの分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(88cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮した。
【0207】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、FVIII色原体活性の測定によって、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付けた。
分析データ(6つの連続するバッチの平均):
プロセス収率(Bradford):58.9%
プロセス収率(FVIII色原体活性):46.4%
特異的活性:(FVIII色原体活性/mgタンパク質):4148IU/mg
特異的活性(出発物質の割合(%)):79.9%
PSAの度合い(mol/mol):8.1
【0208】
実施例13
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFVIIIのPEG化
方法1:
rFVIIIを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。14.7mgのrFVIIIを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、296μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去した。
【0209】
酸化rFVIIIを含有する残余分(10.9mL)を、2.94mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加して、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートした。
【0210】
最後に、PEG−rFVIII複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、30kDの膜(50cm2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、総タンパク質(Coomassie、、Bradford)およびFVIII色原体活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−rFVIII複合体では、天然のrFVIIIと比較して70%超の特異的活性が決定されることを示すことが予測される。
【0211】
方法2:
rFVIIIを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。出発重量または濃度のrFVIIIを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応を、T=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間で行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中での10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0212】
酸化rFVIIIを、EMD TMAE(M)(Merck)上で陰イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH6.5)で希釈し、5ms/cmの伝導率を得る。この溶液を、1.5cm/分の流速を用いて、10mLのカラム体積を有するIEXカラム(床高さ:5.4cm)上に負荷する。続いて、このカラムを、5CVの緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl2、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8の混合物(w/w)で洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFVIIIを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)の混合物で溶出し、続いて、5CVの緩衝液Bを使用して溶出後のステップを行う。1.0cm/分の流速の使用によって溶出ステップを行う。
【0213】
続いて、20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化rFVIIIを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0214】
得られたPEG−rFVIII複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0215】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値を、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速を用いてHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0216】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたrFVIII複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PEG−rFVIII複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集する。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIIを分離する。
【0217】
最後に、精製された複合体を、30kDの分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0218】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0219】
方法3:
rFVIIIを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。6mLのHepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解される7.84mgのrFVIIIを、314μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)、および1.57mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0220】
最後に、PEG−rFVIII複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、30kDの膜(88cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過に供する。FVIII色原体アッセイおよび総タンパク質(Bradford)の決定による複合体の分析的特徴付けは、rFVIII出発物質と比較して60%超の特異的活性を示す。
【0221】
方法4:
rFVIIIを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のrFVIIIを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、rFVIIIの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0222】
遊離rFVIIIを、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって除去する。反応混合物を、適切な量の緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する前に、溶液の伝導率およびpH値を修正した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出した。遊離rFVIIIを、25%の緩衝液Bを使用するステップ勾配によって溶出し、得られた画分中12〜25mS/cmの伝導率をもたらし、その複合体を、50%の緩衝液Bのステップ勾配を使用して溶出し、複合体画分中27〜45mS/cmの伝導率をもたらした。続いて、複合体を含有する画分の伝導率は、緩衝液Cを使用して(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9、例えば酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の抗カオトロピック塩の使用によって)、引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CTまたは同等のHIC培地)上に負荷する。遊離PEG試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出した。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0223】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0224】
実施例14
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFVIIaのポリシアル化
方法1:
出発濃度または重量の組換え因子VIIa(rFVIIa)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのNaOH水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、50μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0225】
酸化rFVIIaを、EMD TMAE(M)(Merck)上で陰イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH6.5)で希釈し、5ms/cmの伝導率を得る。この溶液を、1.5cm/分の流速を用いて、10mLのカラム体積を有するIEXカラム(床高さ:5.4cm)上に負荷する。続いて、このカラムを、5CVの緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8の混合物(w/w)で洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFVIIaを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)の混合物で溶出し、続いて、5CVの緩衝液Bを使用して溶出後のステップを行う。1.0cm/分の流速の使用によって溶出ステップを行う。
【0226】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化rFVIIaを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0227】
得られたPSA−rFVIIa複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0228】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値を、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速でHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0229】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたrFVIIa複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PSA−rFVIIa複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集する。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIaを分離する。
【0230】
最後に、精製された複合体を、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(例えば10kDのMWCO、88cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0231】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0232】
方法2:
出発重量または濃度のrFVIIaを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのNaOH水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0233】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このrFVIIa溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、150μMの濃度を得る。
【0234】
反応混合物を、穏やかな振とう下で、暗室で、T=+22+/−2℃の温度(T)で120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0235】
得られたPSA−rFVIIa複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0236】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値は、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速を使用するHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0237】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたrFVIIa複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PSA−rFVIIa複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集した。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIIを分離する。
【0238】
最後に、精製された複合体を、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0239】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0240】
実施例15
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFIXのPEG化
方法1:
rFIXを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。出発重量または濃度のrFIXを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0241】
酸化rFVIIIを、EMD TMAE(M)(Merck)上で陰イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl2、pH6.5)で希釈し、5mS/cmの伝導率を得る。この溶液を、1.5cm/分の流速を用いて、10mLのカラム体積を有するIEXカラム(床高さ:5.4cm)上に負荷する。続いて、このカラムを、5CVの緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl2、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8の混合物(w/w)で洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFIXを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)の混合物で溶出し、続いて、5CVの緩衝液Bを使用して溶出後のステップを行う。1.0cm/分の流速の使用によって溶出ステップを行う。
【0242】
続いて、20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化rFIXを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0243】
得られたPEG−rFIX複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0244】
反応混合物を、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値を、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速を用いてHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0245】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたrFIX複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PSA−rFIX複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集する。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFIXを分離する。
【0246】
最後に、精製された複合体を、10kDの分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(88cm2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0247】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0248】
方法2:
rFIXを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のrFIXを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、rFIXの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0249】
遊離rFIXを、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって除去する。反応混合物を、適切な量の緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する前に、溶液の伝導率およびpH値を修正した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH7.5)で溶出した。遊離rFIXを、25%の緩衝液Bを使用するステップ勾配によって溶出し、得られた画分中12〜25mS/cmの伝導率をもたらし、その複合体を、50%の緩衝液Bのステップ勾配を使用して溶出し、複合体画分中27〜45mS/cmの伝導率をもたらした。続いて、複合体を含有する画分の伝導率は、緩衝液Cを使用して(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9、例えば酢酸アンモニウム等の抗カオトロピック塩の使用によって)、引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CTまたは同等のHIC培地)上に負荷する。遊離アミノオキシ−PEG試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl2、pH7.4)で溶出した。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0250】
調製物を、公知の方法に従って総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0251】
実施例16
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するrFVIIaのPEG化
方法1:
rFVIIaを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。出発重量または濃度のrFVIIaを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのNaOH水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、50μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0252】
酸化rFVIIaを、EMD TMAE(M)(Merck)上で陰イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl2、pH6.5)で希釈し、5mS/cmの伝導率を得る。この溶液を、1.5cm/分の流速を用いて、10mLのカラム体積を有するIEXカラム(床高さ:5.4cm)上に負荷する。続いて、このカラムを、5CVの緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8の混合物(w/w)で洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFVIIaを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)の混合物で溶出し、続いて、5CVの緩衝液Bを使用して溶出後のステップを行う。1.0cm/分の流速の使用によって溶出ステップを行う。
【0253】
続いて、20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化rFVIIaを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0254】
得られたPEG−rFVIIa複合体を、15cmの床高さ(h)および81mLの得られたカラム体積(CV)を有するGE Healthcareによって製造されたカラムに充填されたフェニルセファロースFF低sub樹脂(GE Healthcare)を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって精製する。
【0255】
反応混合物に、350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9を含有する50mMのHepes緩衝液の添加によって、酢酸アンモニウムでスパイクする。2体積の反応混合物を、緩衝液系を含有する1体積の酢酸アンモニウムと混合し、pH値を、0.5NのNaOH水溶液の滴加によってpH6.9に修正する。この混合物を、1cm/分の流速を用いてHICカラム上に負荷し、続いて、3CV超の平衡化緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用する洗浄ステップを行う。
【0256】
反応副生成物および抗カオトロピック塩の除去に関しては、第2の洗浄ステップを、2cm/分の流速の上向流モードで、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を使用して行う。次いで、精製されたrFVIIa複合体の溶出を、1cm/分の流速の下向流モードで、40%の洗浄緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)および60%の溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)のステップ勾配を使用して行う。PEG−rFVIIa複合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、複合体を含有する溶出液を、4CV未満以内で収集する。溶出後のステップを同じ条件下で、3CV超の溶出緩衝液を使用して行い、主な生成物から微量および/または修飾されないrFVIIaを分離する。
【0257】
最後に、精製された複合体を、10kDの分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0258】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0259】
方法2:
rFVIIaを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のrFVIIaを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、rFVIIaの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0260】
遊離rFVIIaを、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって除去する。反応混合物を、適切な量の緩衝液A(50mMのHepes、5mMのCaCl2、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する前に、溶液の伝導率およびpH値を修正した。次いで、カラムを緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、5mMのCaCl2、pH7.5)で溶出した。遊離rFVIIaを、25%の緩衝液Bを使用するステップ勾配によって溶出し、得られた画分中12〜25mS/cmの伝導率をもたらし、その複合体を、50%の緩衝液Bのステップ勾配を使用して溶出し、複合体画分中27〜45mS/cmの伝導率をもたらした。続いて、複合体を含有する画分の伝導率は、緩衝液Cを使用して(50mMのHepes、5MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9、例えば酢酸アンモニウム等の抗カオトロピック塩の使用によって)、引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、5mMのCaCl
2、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CTまたは同等のHIC培地)上に負荷する。遊離PEG試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄した。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.4)で溶出した。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0261】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0262】
実施例17
o−アミノ安息香酸の存在下でのrFIXのポリシアル化
方法1:
8.2mgのrFIXを、4.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、82μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、4μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 6 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0263】
酸化rFIXを含有する残余分(6.5mL)を、1.64mLの水性o−アミノ安息香酸(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートした。
【0264】
本明細書に説明される通りに複合体の更なる精製を行う。
【0265】
方法2:
5倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を含有する0.65mLのリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0中の1mgのrFIXの溶液を調製した。333μLのo−アミノ安息香酸水溶液(30mM)を求核触媒として添加し、10mMの最終濃度を得た。続いて、20μLのNaIO
4水溶液(5mM)を添加し、100μMの最終濃度を生じた。カップリングプロセスを、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行い、1μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行った。本明細書に説明される通りに複合体の更なる精製を行う。
【0266】
実施例18
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するEPOのポリシアル化
方法1:
出発濃度のエリスロポエチン(EPO)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0267】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化EPOを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)を使用して溶出する。EPOを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0268】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ−PSA試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−EPOを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースで作製された膜(MWCO 10kD、50cm
2、Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0269】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。
【0270】
10mgのEPOを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0271】
酸化EPOを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0272】
遊離EPOを、陰イオン交換クロマトグラフィ(AEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)で溶出する。遊離EPOを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH7.4)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−EPO複合体に対して、天然のEPOと比較して50%超の特異性活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離EPOを含有しないことを示す。
【0273】
方法2:
EPOを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0274】
酸化EPOを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化EPOを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0275】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化EPOを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0276】
得られたPSA−EPO複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−EPO複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0277】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0278】
方法3:
エリスロポエチン(EPO)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−EPOを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(MWCO 10kD、88cm
2、Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0279】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。10mgのEPOを、8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0280】
遊離EPOを、陰イオン交換クロマトグラフィ(AEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)で溶出する。遊離EPOを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH7.4)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−EPO複合体に対して、天然のEPOと比較して50%超の特異性活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離EPOを含有しないことを示す。
【0281】
方法4:
EPOを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0282】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このEPO溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0283】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0284】
得られたPSA−EPO複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−EPOを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(MWCO 10kD、88cm
2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0285】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0286】
実施例19
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するAng−2のポリシアル化
方法1:
出発濃度のアンジオポエチン−2(Ang−2)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0287】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化した20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化Ang−2を緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)を使用して溶出する。Ang−2を含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0288】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−Ang−2−を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0289】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。アンジオポエチン−2(Ang−2)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0290】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0291】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−Ang−2複合体を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0292】
方法2:
Ang−2を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0293】
酸化Ang−2を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化Ang−2を含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0294】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化Ang−2を含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0295】
得られたPSA−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。
【0296】
PSA−Ang−2複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0297】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0298】
方法3:
アンジオポエチン−2(Ang−2)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−Ang−2−を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0299】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。アンジオポエチン−2(Ang−2)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA Ang−2−を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0300】
方法4:
Ang−2を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0301】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このAng−2溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0302】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0303】
得られたPSA−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−Ang−2を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0304】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0305】
実施例20
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するVEGFのポリシアル化
方法1:
出発濃度の血管内皮増殖因子(VEGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0306】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化VEGFを、緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。VEGFを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのNaOHの滴加によってpH6.0に調整する。
【0307】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−VEGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0308】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。血管内皮増殖因子(VEGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0309】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0310】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−VEGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0311】
方法2:
VEGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0312】
酸化VEGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化VEGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0313】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化VEGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0314】
得られたPSA−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−VEGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0315】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0316】
方法3:
血管内皮増殖因子(VEGF)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−VEGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0317】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。血管内皮増殖因子(VEGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−VEGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0318】
方法4:
VEGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0319】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このVEGF溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0320】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0321】
得られたVEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−VEGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0322】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0323】
実施例21
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するEGFのポリシアル化
方法1:
出発濃度の上皮増殖因子(EGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0324】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化EGFを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。EGFを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0325】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−EGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0326】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。上皮増殖因子(EGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0327】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0328】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−EGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0329】
方法2:
EGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0330】
酸化EGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化EGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0331】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化EGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0332】
得られたPSA−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−EGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0333】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0334】
方法3:
上皮増殖因子(EGF)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−EGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0335】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。上皮増殖因子(EGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0336】
方法4:
EGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0337】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このEGF溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0338】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0339】
得られたEGF−複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−EGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0340】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0341】
実施例22
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するNGFのポリシアル化
方法1:
出発濃度の神経増殖因子(NGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0342】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化NGFを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)を使用して溶出する。NGFを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0343】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−NGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0344】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。神経増殖因子(NGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0345】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0346】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−NGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0347】
方法2:
NGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0348】
酸化NGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化NGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0349】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化NGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0350】
得られたPSA−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−NGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0351】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0352】
方法3:
神経増殖因子(NGF)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−NGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0353】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。神経増殖因子(NGF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。次いで、溶出液のPSA−NGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0354】
方法4:
NGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、それに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0355】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このNGF溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0356】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0357】
得られたNGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−NGFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0358】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0359】
実施例23
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するHGHのポリシアル化
方法1:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル酸化される。
【0360】
出発濃度のヒト成長ホルモン(HGH)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0361】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化HGHを、緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。HGHを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0362】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−HGHを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0363】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。HGHを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0364】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0365】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−HGHを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0366】
方法2:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0367】
HGHを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0368】
酸化HGHを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化HGHを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0369】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化HGHを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0370】
得られたPSA−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−HGH複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0371】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0372】
方法3:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0373】
ヒト成長ホルモン(HGH)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA HGHを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0374】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。HGHを、反応緩衝液(例えば、50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。次いで、溶出液のPSA−HGHを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0375】
方法4:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0376】
HGHを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0377】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このHGH溶液に最長時間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0378】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0379】
得られたHGH−複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−HGHを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0380】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0381】
実施例24
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するTNF−αのポリシアル化
出発濃度の腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0382】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化TNF−αを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。TNF−αを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0383】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−TNF−α−を含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0384】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0385】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−TNF−αを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0386】
方法2:
TNF−αを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0387】
酸化TNF−αを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化TNF−αを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0388】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化TNF−αを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0389】
得られたPSA−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−TNF−α複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0390】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0391】
方法3:
腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈し、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−TNF−αを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0392】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−TNF−αを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0393】
方法4:
TNF−αを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0394】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このTNF−α溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0395】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0396】
得られたTNF−α複合体をイオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−TNF−αを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0397】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0398】
実施例25
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するインスリンのポリシアル化
方法1:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。出発濃度のインスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0399】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化インスリンを、緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。インスリンを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0400】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−インスリンを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0401】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。インスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0402】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0403】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−インスリンを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0404】
方法2:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0405】
インスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0406】
酸化インスリンを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化インスリンを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0407】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化インスリンを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0408】
得られたPSA−インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−インスリン複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0409】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0410】
方法3:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0411】
インスリンを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−インスリンを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0412】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0413】
インスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−インスリンを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0414】
方法4:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0415】
インスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0416】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このインスリン溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0417】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0418】
得られたインスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−インスリンを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0419】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0420】
実施例26
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するインターフェロンαのポリシアル化
方法1:
出発濃度のインターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0421】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化インターフェロン−αを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。インターフェロンαを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0422】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−インターフェロンαを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0423】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。インターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0424】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0425】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−インターフェロンαを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0426】
方法2:
インターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0427】
酸化インターフェロンαを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化インターフェロンαを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0428】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化インターフェロンγを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0429】
得られたPSA−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−インターフェロンα複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0430】
方法3:
インターフェロンαを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するPSAアミノオキシ試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−インターフェロンαを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0431】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。インターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−インターフェロンαを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0432】
方法4:
インターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0433】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このインターフェロンα溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0434】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0435】
得られたインターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−インターフェロンαを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0436】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0437】
実施例27
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するインターフェロンγのポリシアル化
方法1:
10mgのインターフェロンγを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0438】
酸化インターフェロンγを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加して、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0439】
遊離インターフェロンγを、陽イオン交換クロマトグラフィ(CEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離インターフェロンγを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH6.9)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−インターフェロンγ複合体に対して、天然のインターフェロンγと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離インターフェロンγを含有しないことを示す。
【0440】
方法2:
10mgのインターフェロンγを、8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0441】
遊離インターフェロンγを、陽イオン交換クロマトグラフィ(CEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離インターフェロンγを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH6.9)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−インターフェロンγ複合体に対して、天然のインターフェロンγと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離インターフェロンγを含有しないことを示す。
【0442】
方法3:
10mgのインターフェロンγを、8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0443】
遊離インターフェロンγを、陽イオン交換クロマトグラフィ(CEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離インターフェロンγを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH6.9)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−インターフェロンγ複合体に対して、天然のインターフェロンγと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離インターフェロンγを含有しないことを示す。
【0444】
方法4:
インターフェロンγを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0445】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このインターフェロンγ溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0446】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0447】
得られたインターフェロンγ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−インターフェロンγを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0448】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0449】
実施例28
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するG−CSFのポリシアル化
方法1:
出発濃度の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0450】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化G−CSFを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。G−CSFを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0451】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−G−CSFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0452】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0453】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−G−CSFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0454】
方法2:
G−CSFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0455】
酸化G−CSFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化G−CSFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0456】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化G−CSFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0457】
得られたPSA−G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−G−CSF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0458】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0459】
方法3:
顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−G−CSFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0460】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−G−CSFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0461】
方法4:
G−CSFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0462】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このG−CSF溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0463】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0464】
得られたG−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−G−CSFを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0465】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0466】
実施例29
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するヒュミラ(Humira)のポリシアル化
方法1:
出発濃度のヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0467】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化ヒュミラを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)で溶出する。ヒュミラを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0468】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−ヒュミラを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0469】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。ヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0470】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をイオン交換クロマトグラフィによって除去する。溶出液のPSA−ヒュミラを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0471】
方法2:
ヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0472】
酸化ヒュミラを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化ヒュミラを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0473】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化ヒュミラを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0474】
得られたPSA−ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PSA−ヒュミラ複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0475】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0476】
方法3:
ヒュミラを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA−ヒュミラを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0477】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。ヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行い、その複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−ヒュミラを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0478】
方法4:
ヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0479】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このヒュミラ溶液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0480】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0481】
得られたヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−ヒュミラを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0482】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0483】
実施例30
アミノオキシ−PSAおよび求核触媒としてm−トルイジンを使用するプロリアのポリシアル化
方法1:
出発濃度のプロリアを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。この溶液に、NaIO
4を添加して、200μMの最終濃度を得る。暗室で、穏やかな振とう下で、室温で30分間酸化を行う。次いで、反応物を、システイン(最終濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。
【0484】
次に、溶液を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去するか、代替法において、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.0)で平衡化された20mLの体積を有するIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供する。カラムを、5CVの緩衝液Aで平衡化する。酸化プロリアを緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl
2、1MのNaCl、pH7.0)を使用して溶出する。プロリアを含有する画分を収集する。タンパク質含有量を決定し(Coomassie、Bradford)、反応緩衝液を使用して1mg/mLに調整し、0.5MのHClの滴加によってpH6.0に調整する。
【0485】
50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。過剰のアミノオキシ試薬をHICによって除去する。反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9で事前に平衡化した80mLのフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液pH7.5で溶出する。最後に、PSA−プロリアを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0486】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。10mgのプロリアを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0487】
酸化プロリアを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加して、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0488】
遊離プロリアを、陽イオン交換クロマトグラフィ(CEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離プロリアを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH6.9)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−プロリア複合体に対して、天然のプロリアと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離プロリアを含有しないことを示す。
【0489】
方法2:
プロリアを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0490】
酸化プロリアを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化プロリアを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0491】
アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化プロリアを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、pH6.0で120+/−10分間インキュベートする(タンパク質濃度:1mg/mL)。
【0492】
得られたプロリア複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。プロリア複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0493】
この手順の使用によって調製された複合体を、総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0494】
方法3:
プロリアを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し、希釈して、1mg/mLのタンパク質濃度を得る。50倍モル過剰の20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、続いて、求核触媒としてm−トルイジン(10mMの最終濃度)およびNaIO
4(最終濃度:400μM)を添加する。カップリング反応を、暗室で、穏やかな振とう下で、室温で2時間行う。続いて、反応物を、システイン(システイン濃度:10mM)を使用して、室温で60分間反応停止処理を行う。次いで、反応混合物の伝導率を、酢酸アンモニウム(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を含有する緩衝液を添加することによって調整し、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%のTween80、pH6.9で事前に平衡化したフェニルセファロースFF(GE Healthcare,Fairfield,CT)で充填したカラム上に負荷する。続いて、その複合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出する。最後に、PSA プロリアを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)の使用によって限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0495】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。10mgのプロリアを、8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PSA試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0496】
遊離プロリアを、陽イオン交換クロマトグラフィ(CEC)によって除去する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離プロリアを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。続いて、複合体を含有する画分の伝導率を、緩衝液C(50mMのHepes、5MのNaCl、pH6.9)を使用して約190mS/cmに引き上げ、緩衝液D(50mMのHepes、3MのNaCl、pH6.9)で事前に平衡化した20mLのHiPrepブチルFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。遊離PSA試薬を、5CVの緩衝液D内で洗浄する。続いて、その複合体を、100%の緩衝液E(50mMのHepes、pH6.9)で溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm
2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PSA−プロリア複合体に対して、天然のプロリアと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離プロリアを含有しないことを示す。
【0497】
方法4:
プロリアを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解するか、またはそれに移して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。
【0498】
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH
2)試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、このプロリア溶液に最長時間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、400μMの濃度を得る。
【0499】
反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。次いで、L−システイン水溶液(1M)の添加によって反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0500】
得られたプロリア複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液のPSA−プロリアを含有する画分を収集し、再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0501】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質、生物活性の測定、およびPSA含有量の測定によるポリシアル化の度合いの決定(レゾルシノールアッセイ)によって分析的に特徴付ける。
【0502】
実施例31
他の治療用タンパク質のポリシアル化
本明細書に説明される、m−トルイジンまたはo−アミノ安息香酸のような代替的な求核触媒の存在下で行われるポリシアル化反応は、他の治療用タンパク質まで拡大され得る。例えば、本発明の種々の態様において、本明細書に説明されるPSAアミノオキシもしくはPEGアミノオキシ試薬による上述のポリシアル化またはPEG化反応が、本明細書に説明されるこれらのタンパク質等の治療用タンパク質で繰り返される。
【0503】
実施例32
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するEPOのPEG化
方法1:
エリスロポエチン(EPO)を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EPOを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0504】
次に、酸化EPOを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0505】
最後に、PEG−EPO複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0506】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。EPOを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのEPOを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0507】
酸化EPOを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0508】
最後に、PEG−EPO複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)で溶出する。遊離EPOを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−EPO複合体に対して、天然EPOと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離EPOを含有しないことを示す。
【0509】
方法2:
EPOを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。
【0510】
EPOを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0511】
酸化EPOを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化EPOを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0512】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化EPOを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0513】
得られたPEG−EPO複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−EPO複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0514】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0515】
方法3:
EPOを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EPOを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0516】
最後に、PEG−EPO複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0517】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。EPOを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのEPOを、約8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0518】
最後に、PEG−EPO複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH7.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep QFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)で溶出する。遊離EPOを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH7.2に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−EPO複合体に対して、天然EPOと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離EPOを含有しないことを示す。
【0519】
方法4:
EPOを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によって、PEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のEPOを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、EPOの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0520】
PEG−EPO複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm
2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0521】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0522】
実施例33
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するAng−2のPEG化
方法1:
Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。Ang−2を、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2))中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0523】
次に、酸化Ang−2を含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0524】
最後に、PEG−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0525】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。Ang−2を、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2))中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0526】
次に、酸化Ang−2を含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0527】
最後に、PEG−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量カットオフの膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0528】
方法2:
Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。
【0529】
Ang−2を、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0530】
酸化Ang−2を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化Ang−2を含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0531】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化Ang−2を含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0532】
得られたPEG−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−Ang−2複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0533】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0534】
方法3:
Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。Ang−2を、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0535】
最後に、PEG−Ang−2複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0536】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。Ang−2を、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0537】
最後に、PEG−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0538】
方法4:
Ang−2を、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のAng−2を、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、Ang−2の2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0539】
PEG−Ang−2複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0540】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0541】
続いて、遊離Ang−2を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって除去する。溶出液の複合体を含有する画分を、限外濾過/透析濾過によって濃縮する。
【0542】
実施例34
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するVEGFのPEG化
方法1:
VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。VEGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0543】
次に、酸化VEGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0544】
最後に、PEG−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0545】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。VEGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0546】
次に、酸化VEGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0547】
最後に、PEG−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0548】
方法2:
VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。VEGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0549】
酸化VEGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化VEGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0550】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化VEGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0551】
得られたPEG−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−VEGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0552】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0553】
方法3:
VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。VEGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0554】
最後に、PEG−VEGF複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0555】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。VEGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0556】
最後に、PEG−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体複合体の画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0557】
方法4:
VEGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のVEGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、VEGFの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0558】
PEG−VEGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0559】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0560】
実施例35
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するEGFのPEG化
方法1:
EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0561】
次に、酸化EGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0562】
最後に、PEG−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0563】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0564】
次に、酸化EGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0565】
最後に、PEG−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量カットオフの膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0566】
方法2:
EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0567】
酸化EGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化EGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0568】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化NGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0569】
得られたPEG−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−EGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0570】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0571】
方法3:
EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0572】
最後に、PEG−EGF複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0573】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0574】
最後に、PEG−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0575】
方法4:
EGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のEGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、EGFの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0576】
PEG−EGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0577】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0578】
実施例36
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するNGFのPEG化
方法1:
NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。NGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0579】
次に、酸化NGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0580】
最後に、PEG−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0581】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。NGFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0582】
次に、酸化NGFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0583】
最後に、PEG−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0584】
方法2:
NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。NGFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0585】
酸化NGFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化NGFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0586】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化NGFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0587】
得られたPEG−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−NGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0588】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0589】
方法3:
NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。NGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0590】
最後に、PEG−NGF複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0591】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。NGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0592】
最後に、PEG−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0593】
方法4:
NGFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のNGFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、NGFの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0594】
PEG−NGF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0595】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0596】
実施例37
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するHGHのPEG化
方法1:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0597】
HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。HGHを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0598】
次に、酸化HGHを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0599】
最後に、PEG−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0600】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0601】
HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。HGHを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0602】
次に、酸化HGHを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0603】
最後に、PEG−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0604】
方法2:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0605】
HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。HGHを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0606】
酸化HGHを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化HGHを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0607】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化HGHを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0608】
得られたPEG−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−NGF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0609】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0610】
方法3:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0611】
HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。HGHを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0612】
最後に、PEG−HGH複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0613】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。HGHを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0614】
最後に、PEG−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0615】
方法4:
本明細書に説明されるように、ヒト成長ホルモン(HGH)のアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、HGHは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0616】
HGHを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のHGHを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、HGHの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0617】
PEG−HGH複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0618】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0619】
実施例38
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するTNF−αのPEG化
方法1:
TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。TNF−αを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0620】
次に、酸化TNF−αを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0621】
最後に、PEG−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0622】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。TNF−αを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0623】
次に、酸化TNF−αを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0624】
最後に、PEG−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量カットオフの膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0625】
方法2:
TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。TNF−αを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0626】
酸化TNF−αを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化TNF−αを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0627】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化TNF−αを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0628】
得られたPEG−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−TNF−α複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0629】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0630】
方法3:
TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。TNF−αを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0631】
最後に、PEG−TNF−α複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0632】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。TNF−αを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0633】
最後に、PEG−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0634】
方法4:
TNF−αを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のTNF−αを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、TNF−αの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0635】
PEG−TNF−α複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0636】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0637】
実施例39
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するインスリンのPEG化
方法1:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インスリンを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0638】
次に、酸化インスリンを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0639】
最後に、PEG−インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0640】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インスリンを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0641】
次に、酸化インスリンを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0642】
最後に、PEG−インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量カットオフの膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0643】
方法2:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0644】
インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インスリンを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0645】
酸化インスリンを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化インスリンを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0646】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化インスリンを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0647】
得られたPEG−インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−インスリン複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0648】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0649】
方法3:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0650】
インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インスリンを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0651】
最後に、PEG−インスリン複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0652】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インスリンを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0653】
最後に、インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0654】
方法4:
本明細書に説明されるように、インスリンのアミノ酸配列は、まず、少なくとも1つのグリコシル化部位を組み込むように修飾される。精製後、インスリンは、当該技術分野で公知の方法に従ってインビトロでグリコシル化される。
【0655】
インスリンを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のインスリンを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、インスリンの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0656】
PEG−インスリン複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0657】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0658】
実施例40
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するインターフェロンαのPEG化
方法1:
インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンαを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0659】
次に、酸化インターフェロンαを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0660】
最後に、PEG−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0661】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンαを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0662】
次に、酸化インターフェロンαを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0663】
最後に、PEG−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0664】
方法2:
インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンαを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0665】
酸化インターフェロンαを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化インターフェロンαを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0666】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化インターフェロンαを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0667】
得られたPEG−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−インターフェロンα複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0668】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0669】
方法3:
インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンαを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0670】
最後に、PEG−インターフェロンα複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0671】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンαを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0672】
最後に、PEG−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0673】
方法4:
インターフェロンαを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のインターフェロンαを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、インターフェロンαの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0674】
PEG−インターフェロンα複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0675】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0676】
実施例41
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するインターフェロンγのPEG化
方法1:
インターフェロンγを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのインターフェロンγを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0677】
酸化インターフェロンγを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0678】
最後に、PEG−インターフェロンγ複合体を、SPセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離インターフェロンγを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−インターフェロンγ複合体に対して、天然のインターフェロンγと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離インターフェロンγを含有しないことを示す。
【0679】
方法2:
インターフェロンγを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。インターフェロンγを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0680】
酸化インターフェロンγを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化インターフェロンγを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0681】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化インターフェロンγを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0682】
得られたPEG−インターフェロンγ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−インターフェロンγ複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0683】
この手順の使用によって調製された複合体を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0684】
方法3:
インターフェロンγを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのインターフェロンγを、約8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0685】
最後に、PEG−インターフェロンγ複合体を、SPセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SP FF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離インターフェロンγを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−インターフェロンγ複合体に対して、天然のインターフェロンγと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離インターフェロンγを含有しないことを示す。
【0686】
方法4:
インターフェロンγを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のインターフェロンγを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、インターフェロンγの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0687】
PEG−インターフェロンγ複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0688】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0689】
実施例42
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するG−CSFのPEG化
方法1:
G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。G−CSFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0690】
次に、酸化G−CSFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0691】
最後に、PEG−G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0692】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。G−CSFを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0693】
次に、酸化G−CSFを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0694】
最後に、PEG−G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0695】
方法2:
G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。G−CSFを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0696】
酸化G−CSFを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化G−CSFを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0697】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化G−CSFを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0698】
得られたPEG−G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−G−CSF複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0699】
方法3:
G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。G−CSFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0700】
最後に、PEG−G−CSF複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0701】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。G−CSFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0702】
最後に、PEG−G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0703】
方法4:
G−CSFを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のG−CSFを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、G−CSFの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0704】
G−CSF複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0705】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0706】
実施例43
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するヒュミラのPEG化
方法1:
ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。ヒュミラを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0707】
次に、酸化ヒュミラを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0708】
最後に、PEG−ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0709】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。ヒュミラを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0710】
次に、酸化ヒュミラを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0711】
最後に、PEG−ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を収集し、次いで、適切な分子量カットオフの膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0712】
方法2:
ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。ヒュミラを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0713】
酸化ヒュミラを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化ヒュミラを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0714】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化ヒュミラを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0715】
得られたPEG−ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−ヒュミラ複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0716】
方法3:
ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。ヒュミラを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0717】
最後に、PEG−ヒュミラ複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0718】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。ヒュミラを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0719】
最後に、PEG−ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって精製する。複合体を含有する画分を収集し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0720】
方法4:
ヒュミラを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のヒュミラを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、ヒュミラの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0721】
ヒュミラ複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0722】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0723】
実施例44
アミノオキシ−PEG試薬および求核触媒としてm−トルイジンを使用するプロリアのPEG化
方法1:
プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。プロリアを、7.0mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2)中に溶解する。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、7.5μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物を、Vivaspin遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0724】
次に、酸化プロリアを含有する残余分を、m−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0725】
最後に、PEG−プロリア複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(例えばQセファロースFF上で)によって精製する。例えば、1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、適切な分子量のカットオフ膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。次に、調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Coomassie、Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0726】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法1を実行する。プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのrFIXを、5mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、100μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)を添加し、反応混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、4℃で1時間インキュベートし、50μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。続いて、その混合物をVivaspin 15R 10kDの遠心分離濾過機を採用する限外濾過/透析濾過に供し、過剰な過ヨウ素酸塩、反応停止剤、およびその副生成物を除去する。
【0727】
酸化プロリアを含有する残余分(約7mL)を、2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)と混合し、室温で30分間インキュベートする。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。この混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2.5時間インキュベートする。
【0728】
最後に、PEG−プロリア複合体を、SPセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SP FF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離プロリアを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−プロリア複合体に対して、天然のプロリアと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離プロリアを含有しないことを示す。
【0729】
方法2:
プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。プロリアを、反応緩衝液(例えば50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、1.0+/−0.25mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。次いで、溶液のpHを、0.5NのHCl水溶液の滴加によって6.0に修正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、10分以内で添加し、200μMの濃度を得る。酸化反応をT=+22+/−2℃の温度(T)で30+/−5分間行う。次いで、T=+22+/−2℃で、15分以内のL−システイン水溶液(1M)の添加により反応を停止し、反応混合物中で10mMの最終濃度を得て、60+/−5分間インキュベートする。
【0730】
酸化プロリアを、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。溶出液の酸化ヒュミラを含有する画分を収集し、複合化反応に使用する。
【0731】
20kDの分子量の試薬を有するアミノオキシ−PEG試薬を、穏やかな撹拌下で、50倍モル過剰で、精製された酸化プロリアを含有する溶出液に最長期間(t)の15分以内で添加する。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で添加し、10mMの最終濃度を得る。反応混合物を、暗室で、穏やかな振とう下で、T=+22+/−2℃の温度(T)で、120+/−10分間インキュベートする。
【0732】
得られたPEG−プロリア複合体を、イオン交換クロマトグラフィによって更に精製する。PEG−プロリア複合体を含有する画分を収集し、適切な分子量カットオフを有する再生成されたセルロースから作製された膜(Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって濃縮する。
【0733】
方法3:
プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。EPOを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)およびm−トルイジン水溶液(50mM)と混合する。続いて、アミノオキシ試薬を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、8μLのシステイン水溶液(1M)の添加によって、室温で15分間反応停止処理を行う。
【0734】
最後に、PEG−プロリア複合体を、QセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。1.5mgのタンパク質/mLゲルを、5mMのCaCl
2を含有する50mMのHepes緩衝液、pH7.4で事前に平衡化したカラム上に負荷する。複合体を、5mMのCaCl
2および500mMの塩化ナトリウム、pH7.4を含有する50mMのHepes緩衝液で溶出し、次いで、膜を使用する限外濾過/透析濾過に供する。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0735】
代替的な実施形態において、以下の通りに方法3を実行する。
【0736】
プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。10mgのプロリアを、約8mLのヒスチジン緩衝液、pH6.0(20mMのL−ヒスチジン、150mMのNaCl)中に溶解する。次いで、200μLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(5mM)および2mLのm−トルイジン水溶液(50mM)を添加する。続いて、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、5倍モル過剰の試薬を得る。その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、100μLの1Mのシステイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行う。
【0737】
最後に、PEG−プロリア複合体を、SPセファロースFF上でイオン交換クロマトグラフィによって精製する。反応混合物を、20mLの緩衝液A(50mMのHepes、pH6.5)で希釈し、緩衝液Aで事前に平衡化した20mLのHiPrep SPFF16/10カラム(GE Healthcare,Fairfield,CT)上に負荷する。次いで、カラムを、緩衝液B(50mMのHepes、1MのNaCl、pH6.5)で溶出する。遊離プロリアを、25%の緩衝液Bを使用してカラムを洗浄することによって溶出し、その複合体を、50%の緩衝液Bで溶出する。複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップを、150mMのNaClを含有するヒスチジン緩衝液、pH6.9に対して行う。調製物を、当該技術分野で公知の方法に従う総タンパク質(Bradford)および生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。PEG−プロリア複合体に対して、天然のプロリアと比較して50%超の特異的活性を決定する。更に、その複合体を、以前に説明されている条件下で、Shodex KW 803カラムを搭載したAgilent 1200 HPLCシステムを使用するサイズ排除HPLCによって分析的に特徴付ける(Kolarich et al,Transfusion 2006;46:1959−77)。調製物が遊離プロリアを含有しないことを示す。
【0738】
方法4:
プロリアを、アミノオキシ基を含有する直鎖20kDのPEG化試薬の使用によってPEG化する。このタイプの試薬の例は、NOF(NOF Corp.,Tokyo,Japan)のSunbright(登録商標)CAシリーズである。初期濃度または重量のヒュミラを、Hepes緩衝液(50mMのHepes、150mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移すか、またはその中に溶解して、プロリアの2mg/mLの最終タンパク質濃度を得る。続いて、5mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を15分以内で添加し、100μMの最終濃度を得、続いて、50mMのm−トルイジン水溶液の添加によって、30分の期間以内に10mMの最終濃度を得る。次いで、20kDの分子量を有するアミノオキシ−PEG試薬(上述)を添加し、20倍モル過剰の試薬を得る。pHを6.0に修正した後、その混合物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートし、1MのL−システイン水溶液の添加によって室温で15分間反応停止処理を行い、10mMの最終濃度を得る。
【0739】
プロリア複合体を、イオン交換クロマトグラフィ(IEC)によって精製する。溶出液の複合体を含有する画分を、再生成されたセルロースから作製された10kDの膜(88cm2、カットオフ10kD/Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮する。最終透析濾過ステップをHepes緩衝液(50mMのHepes、5mMのCaCl
2、pH7.5)に対して行う。
【0740】
調製物を、公知の方法に従う総タンパク質(BradfordおよびBCA手順)ならびに生物活性の測定によって分析的に特徴付ける。
【0741】
実施例45
分岐鎖PEGを使用する治療用タンパク質のPEG化
本発明の治療用タンパク質のPEG化は、アルデヒドおよび活性アミノオキシ基を含有する適切なリンカーから作製される分岐鎖または直鎖PEG化試薬まで拡大され得る。
【0742】
実施例46
天然のPSAへのジアミノオキシリンカーの結合
この実施例は、治療用タンパク質の化学修飾に使用することができる天然(即ち、事前酸化なし)のPSAを使用したアミノオキシ−PSA試薬を調製する手順を説明する。
【0743】
a)周囲温度での結合
【0744】
Serum Institute of India(Pune,India)から得た52.2mgの天然のPSA(分子量=20kD)を、1.05mLの50mMのリン酸緩衝液、pH6.0中に溶解した。次いで、10.3mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)を反応混合物に滴加した。この反応物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートした。
【0745】
b)上昇した温度での結合
【0746】
Serum Institute of India(Pune,India)から得た52.2mgの天然のPSA(分子量=20kD)を、1.05mLの50mMのリン酸緩衝液、pH6.0中に溶解した。次いで、10.3mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)を反応混合物に滴加した。この反応物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートした。次いで、温度を32〜37℃に上昇させ、反応混合物を更に14時間インキュベートした。
【0747】
c)上昇した温度でのおよび増加したリンカー過剰での結合
【0748】
Serum Institute of India(Pune,India)から得た52.2mgの天然のPSA(分子量=20kD)を、1.05mLの50mMのリン酸緩衝液、pH6.0中に溶解した。次いで、10.3mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)を反応混合物に滴加した。この反応物を、暗室で、穏やかな撹拌下で、室温で2時間インキュベートした。次いで、26.3mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを反応物に滴加し、温度を32〜37℃に上昇させ、反応混合物を更に14時間インキュベートした。
【0749】
d)PSA誘導体の精製
【0750】
インキュベーションが完了した後、ポイントa〜c下で生成した反応混合物を十分な透析により精製した。したがって、反応混合物の試料を、Slide−A−Lyzer透析カセット(0−5−3ml、MWCO3.5kD、再生成されたセルロース、Pierce)中に負荷し、以下のパターンに従い10mMのリン酸緩衝液、pH8.0に対して透析した:
【0751】
500mLの緩衝液に対して室温で2時間
【0752】
500mLの緩衝液に対して室温で2時間
【0753】
500mLの緩衝液に対して4℃で12時間
【0754】
初期試料の体積まで濃縮するために50mLの「透析のためのSlide−A−Lyzer濃縮溶液」に対して室温で1時間
【0755】
したがって、精製されたアミノオキシ−PSAは、例えば、上の実施例11、12、14、および17〜31に従ってタンパク質の複合化反応に使用できる状態である。同様に、本明細書に記載の水溶性ポリマーのいずれかは、この実施例に記載のアミノオキシリンカーに結合し、次いで、上の実施例に記載のタンパク質に複合化することができる。
【0756】
調製物を、全PSA(レゾルシノールアッセイ)および全アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾の度合いを決定することによって分析的に特徴付けた。調製物について、(a)修飾の度合い(MD)0.35、(b)MD=0.54、および(c)MD=0.58を決定した。更に、多分散性、ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを測定した。多分散性は、全ての調製について1.15より低く、遊離リンカーの含有量は、0.15モル%のPSA濃度より低いものであった。
【0757】
還元末端で修飾されたPSAについて、以下の構造が
13C NMR分光法によって決定された。
【化25】
【0758】
実施例47
クロマトグラフィ精製ステップを採用するアミノオキシ−PSAの4℃での調製
室温で調製されたアミノオキシ−PSA試薬の詳細な分析的特長付けの間に、NMR研究(例えば、参照によってその全体が組み込まれる米国仮出願第61/647,814号を参照されたい)は、ジアミノオキシリンカーを有する酸化PSAの誘導体化が、2つの別個の反応(PSAの非還元末端でのアルデヒド基の迅速な反応およびPSAの還元末端での(ヘミケタール形態の)アルデヒド基の遅い反応)からなることを明らかにした。後者の反応は、試薬の産生のために回避されるべきである望ましくない副反応と考えることができる。
【0759】
したがって、本実施例に記載のように、アミノオキシ−PSA試薬を調製するためのプロセスが最適化されている。還元末端は、プロセスが室温で実行される場合にかなりの程度で起こるのみである。したがって、プロセスは調整され、2〜8℃で行われる。2〜8℃でプロセス全体(化学反応、およびIEXによるPSA試薬の精製)を実行することにより、PSAの還元末端での副反応が実質的に減少した。したがって、このプロセスの変更は、より高い品質の試薬をもたらす。
【0760】
手順
【0761】
Serum Institute of India(Pune,India)から得た1290mgの酸化PSA(分子量=20kD)を、25mLの50mMのリン酸緩衝液(緩衝液A)、pH6.0中に溶解した。次いで、209mgの3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを反応混合物に添加し、暗室で、穏やかな撹拌下で、2〜8℃で1時間インキュベートした。
【0762】
インキュベーション後、混合物を、2〜8°Cの温度の冷室で実施されたFractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィゲル(カラム寸法:XK26/135)を採用する穏やかな陰イオン交換クロマトグラフィステップに供した。反応混合物を予め冷却した110mLの緩衝液Aで希釈し、1cm/分の流速で、緩衝液Aで事前に平衡化したDEAEカラム上に負荷した。次いで、2cm/分の流速で、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で洗浄し、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを除去した。次いで、アミノオキシ−PSA試薬を、67%の緩衝液Bおよび43%の緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなるステップ勾配で溶出した。溶出液を、ポリエーテルスルホンから作製された5kDの膜(50cm2、Millipore)を使用する限外濾過/透析濾過によって濃縮した。調製物を、全PSA(レゾルシノールアッセイ)および全アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾の度合いを決定することによって分析的に特徴付けた。最終調製物中のPSA濃度は、46.0mg/mlであり、修飾の度合いは83.5%であった。更に、1.131の多分散性値が決定された。加えて、0.22μg/mlの濃度(PSAの0.07mol%)が、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンについて測定された。
【0763】
したがって、精製されたアミノオキシ−PSAは、上の実施例11、12、14、および17〜31に従って複合化反応に使用できる状態である。