特許第6195613号(P6195613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許6195613リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少
<>
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000002
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000003
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000004
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000005
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000006
  • 特許6195613-リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195613
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】リード情報を使用する心電図からのMRI干渉の減少
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/04 20060101AFI20170904BHJP
   A61B 5/0402 20060101ALI20170904BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   A61B5/04ZDM
   A61B5/04 310P
   A61B5/05 390
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-513314(P2015-513314)
(86)(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公表番号】特表2015-520649(P2015-520649A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】IB2013053947
(87)【国際公開番号】WO2013175349
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年5月11日
(31)【優先権主張番号】61/651,173
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】レイ エドゥアルド マリオ
(72)【発明者】
【氏名】リス ベルナルト
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04537200(US,A)
【文献】 米国特許第05436564(US,A)
【文献】 特開平04−244136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04 − 5/0472
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的信号S(f)のMR干渉を減少する、磁気共鳴(MR)システムにおいて使用する回路において、
MRIスキャナにより生成された全ての干渉成分N(f)及び生理学的信号S(f)を含む第1の信号、並びに前記生理学的信号S(f)及びエラー信号E(f)を含む第2の信号を入力し、前記第2の信号S(f)+E(f)を前記第1の信号S(f)+N(f)と減算的に組み合わせ、差分信号N(f)−E(f)を生成する第1の加算/減算ノードと、
前記第1の加算/減算ノードからの前記差分信号N(f)−E(f)をフィルタリングするハイパスフィルタと、
前記第1の信号S(f)+N(f)及び前記ハイパスフィルタからのフィルタリングされた信号H(f)*[N(f)−E(f)]を減算的に組み合わせ、前記第2の信号S(f)+E(f)を生成する第2の加算/減算ノードと、
を有する回路。
【請求項2】
ローパスフィルタ、
スルーレート制限ユニット、及び
補間ユニット、
の少なくとも1つを、前記第2の信号がフィードされるように含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1の加算/減算ノード、前記第2の加算/減算ノード、及び前記ハイパスフィルタが、それぞれ演算増幅器を含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載の回路。
【請求項4】
前記生理学的信号が、心電図(ECG)信号を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の回路。
【請求項5】
前記第2の信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器、
を含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の回路。
【請求項6】
前記ハイパスフィルタが、サレンキーフィルタを含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の回路。
【請求項7】
前記干渉成分N(f)が、傾斜パルス干渉を含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の回路。
【請求項8】
少なくとも1つの電極と、
それぞれ電極に接続された少なくとも1つのワイヤと、
前記磁気共鳴干渉N(f)を除去するように前記少なくとも1つのワイヤに接続された請求項1ないし7のいずれか一項に記載の回路と、
を有する心電図システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのワイヤの各々が、別の回路に接続される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
減少された磁気共鳴干渉を持つ生理学的信号S(f)を受け取る少なくとも1つの患者モニタ、
を含む、請求項8及び9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
生理学的信号S(f)のMR干渉を減少する、MRシステムにおいて使用する方法において、
MRIスキャナにより生成された全ての干渉成分N(f)及び生理学的信号S(f)を含む第1の信号を入力するステップと、
前記生理学的信号S(f)及びエラー信号E(f)を含む第2の信号S(f)+E(f)を前記第1の信号S(f)+N(f)から減算的に組み合わせ、差分信号N(f)−E(f)を生成するステップと、
ハイパスフィルタを使用して前記差分信号をフィルタリングするステップと、
前記第1の信号S(f)+N(f)及び前記ハイパスフィルタからのフィルタリングされた信号H(f)*[N(f)−E(f)]を減算的に組み合わせ、前記第2の信号S(f)+E(f)を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
ローパスフィルタを使用して前記第2の信号をフィルタリングするステップ、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の信号が、生理学的信号を含む、請求項11及び12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の信号をアナログ波形からデジタル波形に変換するステップ、
を含む、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、複数の心電図(ECG)電極リードの各々に対して実行される、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、広くは、医療用撮像及び患者モニタリングに関する。これは、磁気共鳴撮像及び/又は分光法処置中に患者をモニタリングすることと連動する特定の応用を見つけ、特にこれを参照して説明される。しかしながら、これは、他の使用シナリオにおいても応用を見つけ、必ずしも上述の応用に限定されないと理解される。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴(MR)撮像において、対象は、静磁場内に配置される。磁気共鳴は、無線周波数(RF)パルスを印加することにより対象の組織内で励起される。傾斜磁場又はパルスが、空間エンコード、傾斜エコーの誘導等のために前記対象に印加される。前記対象内の磁気共鳴が崩壊すると、弱いRF共鳴信号が発せられる。前記弱いRF共鳴信号は、画像を再構成されるのに使用される1つ又は複数のコイルにおいて電流を誘導する。
【0003】
撮像プロセス中に、対象は、しばしば、生理学的サインについてモニタされる。生理学的モニタリングは、前記対象のバイタルサインのモニタリングを提供する。生理学的モニタは、動き又は他のアーチファクトを補正するのに使用されることもできる。
【0004】
例えば脈拍又は心拍に対して前記対象をモニタするために、リードワイヤを持つ電極が、前記対象の皮膚上に配置される。前記電極は、心拍又は脈拍を計算するように電気的活動を測定する。前記電極からの前記リードワイヤは、感知された電気的活動を心電図信号(ECG)のような波形信号に変換する生理学的装置に接続される。前記波形信号は、ワイヤ、光媒体に沿って、又は無線で患者モニタ又は他の同様の装置に送信される。
【0005】
前記電極からの前記ワイヤは、導電性であるので、前記リードワイヤ及び他のワイヤは、前記対象に印加された傾斜磁場パルスにより誘導される干渉電流の影響を受けやすい。前記電極、前記電極リードワイヤ、若しくは患者モニタに対するリードワイヤ、又はこれらの組み合わせにおける誘導された電流は、前記ECG信号に対して傾斜ノイズ干渉を生じる。傾斜パルスからの干渉は、典型的には、約±100mVの振幅を持つが、±10Vの高さに到達することができる。ECGは、典型的には、ピーク間で約300uVないし5mVの振幅を持つ。
【0006】
MR干渉を減少する1つのアプローチは、シールディングである。重い遮蔽ケーブルが、前記電極の近くを除いて使用されることができる。前記電極をシールディングすることは、難しく、高価であり、多くの場合、漏れ電流制約のため禁制である。一部のアプローチは、前記生理学的波形を生成する装置と前記患者モニタとの間で光ファイバケーブル又は無線通信を使用する。しかしながら、干渉は、前記電極及び前記電極間のリードワイヤ、及び電気的ECG信号を光信号に変換する回路等において依然として生じる。
【0007】
他のアプローチは、フィルタを使用することである。アナログECG信号は、アナログ領域においてフィルタリングされることができる。代わりに、デジタルフィルタリングは、前記アナログ信号のデジタルへの変換後に実行されることができる。しかしながら、追加のファームウェアリソースが、必要とされ、デジタル信号処理ダイナミックレンジは、しばしば、減少され、これは、性能問題及び/又は増大されたコストを引き起こす。
【0008】
他のアプローチは、理論的傾斜ノイズ干渉を決定し、この情報をECG信号から予測される干渉を減算するのに使用することである。例えば、MRスキャナの傾斜コントローラに対する接続は、前記対象に印加される各傾斜磁場のアイデンティティ及びタイミングを提供することができる。しかしながら、干渉の生成されたソース(例えば、生成された傾斜磁場の測定値)に基づく予測された干渉及び各ワイヤリード又はリードケーブルにおける実際の干渉は、電極配置等に対して変化することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下は、上述の問題等に対処するリード(又は電極)情報を使用するECGからのMRI干渉の新しい改良された減少法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によると、生理学的信号S(f)のMR干渉を減少するのに磁気共鳴(MR)システムにおいて使用する回路は、第1の加算/減算ノード、ハイパスフィルタ、及び第2の加算/減算ノード(42)を含む。第1の加算/減算ノードは、MRIスキャナにより生成された全ての干渉成分N(f)及び生理学的信号S(f)を含む第1の信号、並びに生理学的信号S(f)及びエラー信号E(f)を含む第2の信号を入力し、第2の信号を第1の信号と減算的に組み合わせて、差分信号N(f)−E(f)を生成する。前記ハイパスフィルタは、第1の加算/減算ノードから差分信号N(f)−E(f)をフィルタリングする。第2の加算/減算ノードは、第1の信号S(f)+N(f)及び前記ハイパスフィルタからのフィルタリングされた信号H(f)*[N(f)−E(f)]を減算的に組み合わせ、第2の信号S(f)+E(f)を生成する。
【0011】
他の態様によると、生理学的信号S(f)のMR干渉を減少するのにMRシステムにおいて使用する方法は、MRIスキャナにより生成された全ての干渉成分N(f)及び生理学的信号S(f)を含む第1の信号を入力するステップ(46)を含む。生理学的信号S(f)及びエラー信号E(f)を含む第2の信号(38)S(f)+E(f)は、第1の信号S(f)+N(f)から減算的に組み合わせられ、差分信号N(f)−E(f)を生成する。前記差分信号は、ハイパスフィルタを使用してフィルタリングされる。第1の信号S(f)+N(f)及び前記ハイパスフィルタからのフィルタリングされた信号H(f)*[N(f)−E(f)]は、減算的に組み合わせられ、第2の信号S(f)+E(f)を生成する。
【0012】
他の態様によると、生理学的信号S(f)のMR干渉を減少するのに磁気共鳴(MR)システムにおいて使用する回路は、リード、フィードフォワードパス、及びノードを含む。前記リードは、N(f)で汚染されたS(f)を含む入力信号を運ぶ。前記フィードフォワードパスは、N(f)をフィードフォワード回路にフィードフォワードする。前記ノードは、前記入力信号及び前記フィードフォワード信号を減算的に組み合わせて出力信号を生成する。
【0013】
1つの利点は、減少されたMR傾斜干渉である。
【0014】
他の利点は、アナログ・デジタル変換の前のハードウェアにおける干渉の除去にある。
【0015】
他の利点は、実際の干渉自体を使用して傾斜干渉に対してECG信号を補正することにある。
【0016】
他の利点は、生理学的波形形態を維持することにある。
【0017】
他の利点は、スキャンシーケンスに独立な、よりロバストな生理学的信号品質である。
【0018】
他の利点は、より信頼できる心臓ゲーティング性能である。
【0019】
他の利点は、MRIスキャナにより生成される干渉成分を捕捉するのに追加の電極、リードワイヤ、又はガウスセンサ等を必要としないことである。
【0020】
更に他の利点は、以下の詳細な記載を読み、理解すると当業者に理解される。
【0021】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々なステップ及びステップの配置の形を取りうる。図面は、好適な実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】磁気共鳴撮像システム内に配置された干渉減少回路の一実施例を概略的に示す。
図2】磁気共鳴撮像システム内に配置された回路の他の実施例を概略的に示す。
図3】ブロック図において干渉減少回路の一実施例を概略的に示す。
図4】回路図において回路の一実施例を概略的に示す。
図5】減少されたMR干渉を持つECG波形をグラフで示す。
図6】リードに対するMR干渉を減少する一実施例を使用する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、磁気共鳴撮像システム内に配置された解消減少回路の一実施例が、概略的に示される。前記システムは、断面図においてMRスキャナ2を含む。スキャナ2は、主磁石4、1つ又は複数の傾斜コイル6、及び1つ又は複数の無線周波数(RF)コイル8を含む。主磁石4は、静磁場又はB0磁場を生成する。前記RFコイルは、対象10において磁気共鳴を励起及び操作するRFパルスを生成する。1つ又は複数の傾斜コイル6は、誘導された共鳴及び誘導された傾斜エコー等を空間エンコードするように前記静磁場にわたり傾斜磁場を生成する。前記スキャナは、対象10が分光及び/又は撮像検査のために配置される検査領域を規定する開口12又はボアを含む。前記対象は、パディング(padding)のような対象支持台により支持される。
【0024】
前記対象は、モニタリング装置16によりモニタされる。モニタリング装置16は、ディスプレイ18、1つ又は複数のプロセッサ20を含み、少なくとも1つの入力装置22を含むことができる。ディスプレイ18は、ECGのようなモニタされた波形を表示する。前記1つ又は複数のプロセッサは、アナログ・デジタル信号変換、フィルタリング、前記信号の表示のためのフォーマット化を提供する。前記モニタリング装置は、前記対象に関する情報及び前記モニタリング装置を駆動するためのコマンドの入力のために、キーパッド、キーボード、マウス等を含む。前記モニタリング装置は、病院情報システム(HIS)等に接続されることができる。
【0025】
ECG電極24のような1つ又は複数のセンサは、前記対象に取り付けられ、体表面から生理学的信号をモニタする。ECG電極24は、心臓関連の出来的活動を感知するように皮膚に接着する一時的な接着剤で取り付けられることができる。電極24は、ECG信号のような波形信号を生成する生理学的装置26に小さなワイヤにより接続する。前記生成された波形信号は、ケーブル30を介して生理学的装置26とモニタリング装置16との間で送信される。干渉減少回路32は、ケーブル30に沿って配置される。回路32は、前記ケーブルの端部又は中間のいずれかに配置されることができる。回路32は、前記波形信号及び前記磁気共鳴傾斜パルスからの干渉を含む信号を入力する。回路32は、減少された又は除去された磁気的干渉を持つ生理学的信号を出力する。前記回路は、前記回路が既存の装置とともに使用されることができるように標準的なハードウェアインタフェースを使用して前記生理学的装置、患者モニタ及び/又は前記ケーブルに接続することができる。
【0026】
代替実施例において、回路32は、生理学的装置26又はモニタリング装置20のいずれかに含まれることができる。前記信号が無線で又は光ファイバで送信される場合に、前記回路を前記装置の1つに組み込むことは、有利である。代わりに、前記回路は、前記ケーブル、コネクタ、別のアダプタ、及び/又はいかなる組み合わせにも含められることができる。
【0027】
ここで使用される「プロセッサ」は、プログラム又は機械実行可能命令を実行することができる電子コンポーネントを含む。「プロセッサ」を有する計算装置の参照は、場合により1より多いプロセッサ又は処理コアを含むものと解釈されるべきである。前記プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステム内の又は複数のコンピュータシステムにわたり分散されたひとまとめのプロセッサを参照してもよい。用語計算装置は、場合によりプロセッサ又は複数のプロセッサをそれぞれ有する計算装置のまとまり又はネットワークを参照すると解釈されるべきでもある。多くのプログラムは、同じ計算装置内であってもよい又は複数の計算装置にわたり分散されてもよい複数のプロセッサにより実行される命令を持つ。
【0028】
ここで使用される「ハードウェアインタフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部計算装置及び/又は機器とインタラクト及び/又は制御することを可能にするインタフェースを含む。ハードウェアインタフェースは、プロセッサが制御信号又は命令を外部計算装置及び/又は機器に送信することを可能にしうる。ハードウェアインタフェースは、プロセッサが外部計算装置及び/又は機器とデータを交換することをも可能にしうる。ハードウェアインタフェースの例は、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE488ポート、ブルートゥース接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インタフェース、MIDIインタフェース、アナログ入力インタフェース、及びデジタル入力インタフェースを含むが、これらに限定されない。
【0029】
ここで使用される「ディスプレイ」又は「表示装置」は、画像又はデータを表示する出力装置又はユーザインタフェースを含む。ディスプレイは、視覚的、オーディオ及び/又は触覚データを出力することができる。ディスプレイの例は、コンピュータモニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、ブライユスクリーン、陰極線管(CRT)、ストレージチューブ、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイを含むが、これらに限定されない。
【0030】
磁気共鳴(MR)データは、磁気共鳴撮像スキャン中に磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンにより発せられる無線周波数信号の記録された測定結果であるとここで規定される。磁気共鳴撮像(MRI)画像は、前記磁気共鳴撮像データ内に含まれる解剖学的データの二又は三次元視覚化であるとここで規定される。この視覚化は、コンピュータを使用して実行されることができる。
【0031】
図2は、磁気共鳴撮像システム内に配置された干渉減少回路32の他の実施例を概略的に示す。回路32は、対象10に固定された電極24から生理学的装置26までワイヤリード28の各々で電気的に接続される。各ワイヤリード28は、回路32を使用してフィルタリングされ、減少干渉生理学的波形を生成する。生理学的装置26は、患者モニタ16と無線で通信する。
【0032】
図3は、ブロック図において干渉減少回路32の位置実施例を概略的に示す。前記回路は、生理学的信号及び傾斜パルスのような磁気共鳴からの干渉を含む信号34を入力する。前記生理学的信号は、S(F)により表され、前記磁気共鳴の干渉又はノイズは、N(f)により表される。前記回路は、入力信号34、S(f)+N(f)、並びに前記生理学的信号及びエラー成分を含む第2の又はフィードバック信号38、S(f)+E(f)を受け取る第1の加算/減算ノード36を含む。第1のノード36は、入力信号34から第2の信号38を減算し、これは、サレンキー(Sallen-Key)フィルタのようなハイパスフィルタ40にフィードされる。ハイパスフィルタ40は、干渉信号N(f)を保存し、エラー成分E(f)を最小化しようとする。ハイパスフィルタ40からのフィルタリングされた信号、H(f)*[N(f)−E(f)]は、第2の加算/減算ノード42に入力又はフィードフォワードされる。第2のノード42は、元の入力信号34、S(f)+N(f)から、前記ハイパスフィルタからの信号、H(f)*[N(f)−E(f)]を減算し、これは、第2の信号38、S(f)+E(f)を生成する。第2の信号38は、第1のノード36にフィードバックされる前記生理学的信号及び前記エラー成分を含む。エラーフィードバックプロセスは、前記回路の出力信号39が前記生理学的信号であるように、エラー信号E(f)を最小化する。
【0033】
前記干渉減少回路は、他の処理、フィルタリング、又はディスプレイ18上の前記生理学的信号としての表示のために前記出力信号をデジタル波形に変換することができる。アナログ・デジタル変換の前に、ローパスフィルタリング、スルーレート制限若しくは補間段又はこれらの組み合わせのような他のオプションが、含まれることができる。ローパスフィルタは、第2のノード42における減算プロセスから残る高周波成分を減少又は消去することができる。前記干渉減少回路は、出力信号39を非電気的フォーマットに変換する電気・光トランスデューサ、又はRFトランスミッタ等を含むことができる。
【0034】
図4は、回路図において干渉減少回路32の一実施例を概略的に示す。図示された実施例は、ECGリード入力を持つECGフィルタを含む。ECGリード28は、生理学的信号34、例えばECG信号と、傾斜パルスからのような磁気共鳴干渉とを含む。第1のノード36は、演算増幅器及び別々の構成要素を含み、前記リードからの信号34を入力し、前記ECG信号及びエラー成分を含む第2の信号38を減算する。前記ノイズ又は干渉成分及び前記エラー成分を含む残りの信号は、ハイパスフィルタ40にフィードされる。ハイパスフィルタ40は、演算増幅器及び別々の構成要素を含む。前記ハイパスフィルタの出力信号は、第2のノード42にフィードされる。第2のノード42は、入力信号34から前記ハイパスフィルタの出力を減算し、これは、前記生理学的信号及び前記エラー成分を残し、エラー成分E(f)を最小化するように第2の信号38を第1のノード36にフィードバックする。第2のノード42は、演算増幅器及び別々の構成要素を含む。第2の信号38は、オプションのローパスフィルタ44にフィードされる。前記ローパスフィルタからの出力は、前記回路からの出力39を形成する。前記ローパスフィルタは、演算増幅器及び別々の構成要素を含む。この実施例の回路は、別々の構成要素を持つクアッド・アンプ・パッケージ(quad amp package)を用いて実装されることができる。
【0035】
図5は、減少されたMR干渉を持つECG波形をグラフで示す。全体的なピーク間ECG信号は、減少されておらず、前記傾斜パルスのノイズは、減少される。前記傾斜パルスは、前記ECG信号に対して約2mVのノイズを生じる。残りのノイズの原因は、傾斜シーケンスの開始及び終了であり、これらは、おそらく前記ハイパスフィルタのヘッド及びテールによる。
【0036】
図6は、リードに対するMR干渉を減少する一実施例を使用する1つの方法をフローチャートで示す。ステップ46において、リードワイヤ又は電極ワイヤからの信号34が、入力される。信号34は、ECGのような生理学的信号S(f)及び傾斜パルスからのような磁気共鳴撮像からの干渉N(f)を含む。ステップ48で始まる反復的な一連のステップにおいて、生理学的信号S(f)及びエラー成分E(f)を含む第2の信号38は、ノード36において入力信号34から減算される。減算された信号S(f)+N(f)−[S(f)+E(f)]は、ステップ50においてハイパスフィルタ40を使用して前記干渉を分離するようにフィルタリングされる。前記ハイパスフィルタは、前記磁気共鳴撮像からノイズ又は干渉N(f)を保存する。フィルタリングされた信号H(f)*[N(f)−E(f)]は、ステップ52においてノード42において入力信号34から減算され、生理学的信号S(f)及びエラー成分E(f)は、ノード36により前記入力信号から前記第2の信号を減算する前のステップ48にフィードバックされる。前記フィードバック及び減算プロセスは、前記エラー成分を最小化し、ECG信号のような生理学的信号S(f)のみを残す。
【0037】
オプションのステップ54において、第2の信号38は、ローパスフィルタ44を使用してフィルタリングされる。前記フィルタの出力は、ステップ56においてアナログ波形からデジタル波形に変換されることができる。アナログ・デジタル変換は、オプションとして、回路32に含まれる又は別々であることができる。前記信号は、無線で、光学的に、又は有線接続等を介して前記患者モニタに送信されることができる。
【0038】
ここに示された特定の説明用の実施例に関連して、特定の構造的及び/又は機能フィーチャが、規定された要素及び/又は構成要素に組み込まれると記載されていると理解されるべきである。しかしながら、これらのフィーチャは、同じ効果に対して、適切であれば他の要素及び/又は構成要素に同様に組み込まれてもよい。例示的な実施例の異なる態様が、所望の応用に適した代替的な実施例を達成するのに適切であると選択的に採用されてもよく、前記他の代替的な実施例は、これにより、ここに組み込まれた態様のそれぞれの利点を実現する。
【0039】
ここに記載された特定の要素又は構成要素が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより適切に実施される機能性を持ちうると理解されるべきである。加えて、一緒に組み込まれるとここに記載された特定の要素が、適切な環境下でスタンドアロン要素であってもよく、又は他の形で分割されてもよいと理解されるべきである。同様に、1つの特定の要素により実行されると記載されている複数の特定の機能は、個々の機能を実行するように独立に機能する複数の別個の要素により実行されてもよく、又は特定の個別の機能が、分割され、協力して機能する複数の別個の要素により実行されてもよい。代わりに、互いに別個であるとここに記載されている及び/又は示されている一部の要素又は構成要素は、適切であれば物理的に又は機能的に結合されてもよい。
【0040】
要するに、本明細書は、好適な実施例を参照して記載されている。明らかに、修正及び変更は、本明細書を読み、理解すると他者が思いつく。本発明が、添付の請求項又は同等物の範囲に入る限り全てのこのような修正及び変更を含むと解釈されるべきであると意図される。換言すると、様々な上で開示された及び他のフィーチャ及び機能、又はその代替例が、望ましくは多くの他の異なるシステム又は応用に結合されてもよく、以下の請求項により同様に含まれると意図される、様々な現在予期できない又は不測の代替例、修正例、変更例又は改良が、当業者により後でなされてもよいと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6