(54)【発明の名称】近距離通信(NFC)が有効なモバイル機器の間で無線(OTA)仮想カードを転送するための方法、OTAプロビジョニングサーバ、及びコンピュータ読取可能な媒体
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、NFCが有効なモバイル機器間の仮想カード転送のためのシステム、方法、及びコンピュータ製品への要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本書に記述される主題は、NFCが有効なモバイル機器間の仮想カード転送のための方法、システム、及びコンピュータ読取可能な媒体を含む。一の態様によると、NFCが有効なモバイル機器間のOTA(無線;over-the-air) 仮想カード転送のための方法が開示される。この方法は、送信モバイル機器から受信モバイル機器へ提供する仮想カードを、OTAプロビジョニングサーバ(provisioning server)で受信することを含む。仮想カードは受信モバイル機器に設定(provision)され、仮想カードは受信モバイル機器によってPOS端末で直ちに使用可能となる。
【0005】
他の態様によれば、主題は、近距離通信(NFC)が有効なモバイル機器間で仮想カード転送を提供するためのOTAサーバを含む。OTAプロビジョニング(provisioning)サーバは、送信モバイル機器から受信モバイル機器へ向けられる仮想カードを受信する受信モジュールを含む。口座モジュール(account module)は受信モバイル機器に仮想カードを設定し、仮想カードは受信モバイル機器によってPOS(point of sale)端末で直ちに使用可能となる。
【0006】
他の態様によれば、主題は、受理及び発行(acceptance and issuance)サーバを含む。受理及び発行サーバ機器は非接触支払インターフェース(payment interface)に通信接続された第1モジュールを含み、非接触支払インターフェースは、提案された仮想カード取引に関連するモバイル機器上のセキュアエレメント(secure element)から仮想カード情報を無線で読み出すための近距離通信(NFC)が有効なモバイル機器と通信可能に構成されている。第2モジュールは、仮想カード情報を金融機関に通信するための金融機関に通信接続されている。第2モジュールは、仮想カード情報に基づいて提案された取引を検証及び承認(verifies and authorizes)すると共に、仮想カードを用いて取引を終了する。いくつかの実施形態では、第2モジュールは、2番目、3番目等の受信機に転送される第2の仮想カードを生成するように構成されてもよい。
【0007】
本書で使用される "モバイル機器"、"NFCが有効なモバイル機器"、"スマートフォン"、及び"携帯電話機"という用語は、セキュアエレメント(例えば、暗号保護されたスマートチップ(smart chip))、無線周波数通信インターフェース(例えば、非接触又はNFC)、及びアンテナを組込み又は拡張機能で有効にされる、任意のモバイル機器をいう。モバイル機器は、非接触及び/又は無線デバイス読取機(device reader)との無線通信をユーザに可能にする組込みNFCサポート(support)回路/ソフトウェアを有する携帯電話であってもよい。
【0008】
同様に、NFCが有効な機器は、非接触及び/又は無線デバイス読取機との無線通信をユーザに可能にする外部メモリーベース又はプロセッサベースの回路/ソフトウェアを有してもよい。セキュアエレメントは、モバイル機器内に組込まれてもよく、SIM/USIMモジュール、拡張デバイス(例えば、μSDカード、SIMカード、又はプロセッサカード(processor card))、又は任意の他のプラグイン機器内に設置されてもよい。プラグイン機器はアンテナを搭載してもよく、又は内蔵する携帯電話アンテナを用いてもよい。
【0009】
本書で使用される "財布アプリケーション(wallet application)"という用語は、モバイル機器のプロセッサで実行され得るランダム・アクセス・メモリ(RAM)、フラッシュメモリ又は外部メモリのような、コンピュータ読取可能な媒体に記録されているコンピュータ実行可能な命令を含むソフトウェアアプリケーションをいい、財布アプリケーションは1又はそれ以上の仮想カードに関する情報を格納する。財布アプリケーションは、セキュアデータ(secure data)を管理すると共にセキュア非接触ペイメント(secure contactless payment)を許可し、複数の支払及び非支払に関するアプリケーションを有効にするNFCが有効な携帯電話上で動く。財布アプリケーションは、非接触/無線読取機を備えているPOS端末へ支払及び非支払に関するカード又はクーポン情報を直接送信するためと同様、モバイル機器にデータを設定するためのインターフェースを提供する。財布アプリケーションは、モバイル機器に保存された複数の仮想カードを管理してもよい。又、財布アプリケーションは、モバイル機器のセキュアエレメントの自身の管理と同様、OTAプロビジョニングのための自身のインターフェースで、仮想カードデータ、並びに支払及び非支払に関するアプリケーションのエンドツーエンド(end-to-end)保護を確実にするよう構成されてもよい。セキュアエレメントは、モバイル機器内で所定のデータを保護するための暗号化又は同様の手段を利用する任意のタイプのハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含んでもよい。
【0010】
本書で使用される"受理及び発行サーバ"という用語は、POS機器及び/又は汎用コンピュータシステム内のプロセッサで実行され得るランダム・アクセス・メモリ(RAM)又はフラッシュメモリのような、コンピュータ読取可能な媒体に記録されているコンピュータ実行可能な命令を含むソフトウェアアプリケーションをいい、受理及び発行サーバはフロントエンドサービスを間接的にサポートするバックエンドシステムである。フロントエンドサービスはユーザと情報を直接やりとりするサービス(例えば、アプリケーション、機器等)であるのと同時に、それゆえ、このサービスは、しばしば必要とされるリソースの近くに配置され、及び/又は上記必要とされるリソースと通信する(例えば、NFCを介して顧客のモバイル機器と通信する)機能を有し、バックエンドアプリケーションは、フロントエンドと情報を直接やりとりしてもよく、またより典型的にはフロントエンドをサポートするためのフロントエンド及びバックエンド活動(activity)を介在する中間プログラムから呼び出されるプログラムであるかも知れない。受理及び発行サーバは、無線でコマンドを送信することによって電話機から口座情報を読み取るよう命令する非接触インターフェースコマンドを利用することにより、カード口座、支払及び非支払のカード承認(authorization)の承認、ACH処理、口座検証(account validation)、取引総額処理、及びロイヤルティ、クーポン又は販促(promotion)処理に用いられる。
【0011】
本書で使用される"OTA基盤ソフトウェア"という用語は、OTAプロビジョニングサーバ又は類似の計算プラットホーム内のプロセッサで実行され得るランダム・アクセス・メモリ(RAM)又はフラッシュメモリのような、コンピュータ読取可能な媒体に記録されているコンピュータ実行可能な命令を含むソフトウェアをいい、OTA基盤ソフトウェアは仮想カードを財布アプリケーションに無線で設定することを可能とする。
【0012】
本書で使用される"カード"という用語は、関連する支払又は非支払のカード口座から引き出される(drawn on)であろう典型的には磁気ストライプカードである物理的カードをいう。カードを生成又は発行する人はカードに関する情報を転送しなければならないため、この情報は種々の制限(以下の閉ループ及び開ループカードを見ること)を受けるカードの受領者/所有者/使用者に直ちに利用できる。
【0013】
本書で使用される"仮想カード口座"という用語は、仮想カードに関連する口座をいう。
【0014】
本書で使用される"仮想カード"という用語は、カードの電子的、非物理的表現をいう。仮想カードは、電子的なバリュー(value)を含んでも含まなくてもよい。仮想カードは、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ギフトカード、ロイヤリティカード、ポイントカード(rewards card)、クーポン又は販促、名刺(business card)、健康手帳(health card)、会員カード、及び支払及び非支払のカード他の同様な表現を表してもよい。
【0015】
本書で使用される"ACH"という用語は、業務用電子商取引ソリューションを提供する包括的サービスの支払処理会社であるオートメ―テッド・クリアリング・ハウス社(Automated Clearing House Inc.,)をいう。ACHネットワークは、全米ACH協会(NACHA)によって運営される全国的なバッチ系の電子資金決済システムであり、預金取扱(depository)金融機関に参加するための電子決済の銀行間決済を提供する。連邦準備金及び電子決済(Reserve and Electronic Payments)ネットワークは、それを通して金融機関がACHエントリを送信又は受信する中央決済機関である、ACH運営者(Operator)としての役割を果たす。ACH決済の典型的な形式は、給与口座振込(direct payroll deposit)、社会保障及び他の政府給付金(government benefit)、税還付、消費者請求書の直接払い(例えば、貸付金、ローン、公共料金及び保険料)、企業間決済、電子請求書(E-check)、電子商取引決済、並びに連邦、州及び地方納税を含む。
【0016】
本書で使用される"バリュー(value)"という用語は、資産、企業体、物、サービス、負債又は債務(obligation)の価値をいう。バリューは、貨幣価値(例えば、ドル)又は非貨幣価値で表すことができる。例えば、バリューは、総額(amount)、(ロイヤリティ)ポイント、報酬、クーポン、個人情報又は販売促進価値(promotion value)を含んでもよい。
【0017】
本書で使用される"表示できる(presentable)"という用語は、付与され、表示され、又は提示されることが可能な特性をいう。例えば、モバイル機器は、モバイル機器から情報を読み出すためにNFCを介して通信するためのPOS端末に表示することができる。表示できるという用語は、表示された情報が仮想カードに関連するバリューの何かを含んでよいよう、支払取引を行う目的に単に関連するより広い意味を持つことを意図する。上記したように、このことはクーポン、ロイヤルティポイント、及び個人情報のような非金銭情報を含んでよい。
【0018】
モバイル機器間の仮想カードのための本書に記述される主題は、自身にコンピュータ実行可能な命令が保存されているコンピュータ読取り可能な媒体を用いて実行されてもよく、この命令がコンピュータのプロセッサによって実行されると上記の方法(上記参照)のステップを実行するためにコンピュータを制御する。本書に記述される主題を実行するのに適した典型的なコンピュータ読取り可能な媒体は、ディスクメモリ装置(disc memory devices)、プログラム可能論理回路(programmable logic devices)、及び特定用途向け集積回路を含むことができる。一つの実装では、コンピュータ読取り可能な媒体は、プロセッサによってアクセス可能なメモリを含んでもよい。上記メモリは、本書に記述されるモバイル機器間の仮想カード転送のためのあらゆる方法を実行するためのプロセッサによって実行可能な命令を含んでもよい。さらに、本書に記述される主題を実行するコンピュータ読取り可能な媒体は、複数の物理デバイス及び/又は計算プラットフォームに分散されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本書に記述された主題の好適な実施形態は、添付の図面を参照してここで説明される。
本書に記述された主題に従う、システム、方法、及びコンピュータ読取り可能な媒体は、NFCが有効なモバイル機器間で仮想カードを転送するために提供される。
図1は、本書に記述された主題の実施形態に従う、モバイル機器間の仮想カード転送を実行するための例示的なステップを示すフローチャートである。
図1を参照すると、ステップ100では、送信モバイル機器から受信モバイル機器へ仮想カードが受信される。
ステップ102では、新規又は既存の(existing)仮想カードが受信モバイル機器へ設定され、そこで仮想カードは受信モバイル機器によってPOS端末で直ちに使用可能となる。
【0021】
図2は、本書に記述された主題の実施形態に従う、送信機と受信機との間で仮想カードを転送するための例示的なシステムを示す図である。
図2を参照すると、システムは、第1のモバイル機器200(以下、「送信機」)、無線(OTA)プロビジョニングサーバ202、及び第2のモバイル機器204(以下、「受信機」)を含んでよい。モバイル機器200及び204は、近距離通信(NFC)が有効であるか、又はNFCが有効でないモバイル機器であってもよい。
【0022】
上記したように、NFCが有効なモバイル機器は、組み込みNFCサポート回路/ソフトウェアを有する携帯電話を含んでもよく、これは無線デバイス読取機との無線通信をユーザに可能にする。同様に、NFCが有効な機器は、非接触/無線デバイス読取機との無線通信をユーザに可能にする外部メモリーベース又はプロセッサベースの回路/ソフトウェアを有してもよい。同様に、NFCが有効なモバイル機器は、非接触/無線デバイス読取機と無線通信するための、ユニバーサル契約者識別モジュール(USIM)/USIM集積回路カード(UICC) NFCサポート回路/ソフトウェアを含んでもよい。例えば、POS端末は、短距離電磁場を介し、NFCが有効なモバイル機器、非接触/無線スマートカード(smart card)、又は他の非接触支払機器と通信可能な、非接触/無線デバイス読取機を含んでもよい。仮想/ソフトカード(softcard)をサポート可能な機器と、支払/クーポン取引のための無線デバイス読取機との間で使用されるであろう通信チャンネルの1つは、近距離通信(NFC)である。典型的に近距離通信は、モバイル機器と無線デバイス読取機との間で使用される通信周波数の約1波長内の距離で生じる。ソフトカードをサポート可能な機器と無線デバイス読取機との間の通信で使用され得る非接触通信プロトコルの一例は、ISO 14443インターフェースである。
【0023】
NFCが有効でないモバイル機器は、携帯電話、又は組込みNFC、外部メモリーベースのNFC若しくはUSIM/UICC NFCサポート回路/ソフトウェアを有しない他のモバイル機器、又はPOS端末と無線通信するあらゆる他の手段を含んでもよい。
【0024】
さらに、モバイル機器は、リモート構成(remote entity)とOTAプロビジョニング処理を介してデータ通信可能であってもよい。例えば、無線通信機能を有する機器は、リモート構成と通信するため、TCP/IP又はUDP上のHTTP、SMS PP, CAT_TP無線インターフェースを実装してもよい。無線通信機能を有する機器によって使用される無線インターフェースプロトコルは、機器によって変わってもよい。使用される無線インターフェースプロトコルの一例は、GSM, GPRS, CDMA, EDGE, 3G, Bluetooth, WIFI, WIMAX, LAN,イーサネット(登録商標)等を含む。
【0025】
図2を参照すると、送信機200は、仮想カードを転送する要求をOTAプロビジョニングサーバ202へ送信してもよい。例えば、リクエスト206は、いくらかのバリュー(例えば、20ドル)を有する仮想カードの転送を受信機204に要求してもよい。リクエスト206の受信に応答し、OTAプロビジョニングサーバ202は、受信機204に対して新規の仮想カードを設定してもよい。例えば、OTAプロビジョニングサーバ202は、メッセージ208を介して20ドル仮想カードを設定してもよい。仮想カード208を受信すると、受信機204は、対応する開又は閉ループ加盟店POS端末で支払うため、受信機204に関連する既存の口座に転送するためのどちらかで直ちに仮想カードを使用することができる。
【0026】
図3は、本書に記述された主題の実施形態に従う、送信機と受信機との間で仮想カードを転送するための例示的なステップを示すフローチャートである。
図3を参照すると、ステップ300で送信機は自身のモバイル機器上の財布アプリケーションを開く。例えば、送信機は、利用可能なプログラムの選択の中から財布アプリケーションを選択するため、及び以下の様々な情報を提供するために財布アプリケーションと情報をやりとりするため、モバイル機器(例えば、キーパッド又はタッチスクリーン)上のインターフェースを利用してもよい。
【0027】
ステップ302では、送信機は、バリュー移転(value transfer)(すなわち、ソース(source))の資金に使用される既存の口座を選択することができる。例えば、送信機200は、トラック(track )I及び/又はIIデータ、ルーティング番号、銀行口座番号、又は送信機200が使用を希望する口座に関連するACH識別子を入力するか選択してもよい。
【0028】
ステップ304では、送信機は自身の識別情報を提供することができる。例えば、仮想カードの送信機として自身を一意に識別するため、送信機200は自身の名前、住所、電話番号、電子メールアドレス、及び/又はパスワードを提供することができる。
【0029】
ステップ306では、送信機は、目的の仮想カードの特性に関する情報を提供することができる。例えば、送信機200は、転送される(例えば、20ドル)金額と、仮想カードが閉ループか開ループか否かを入力することができる。これは、仮想カードがターゲット(Target)(登録商標)店(すなわち、閉ループ)でのみ使用されるか、又はVisa(登録商標)が受け入れられる(すなわち、開ループ)どこでも使用されるかを指定することを含んでもよい。
【0030】
ステップ308では、送信機は、資金の対象となる受取人(すなわち、受信機)についての識別情報を提供することができる。例えば送信機200は、仮想カードの対象となる受取人として受信機204を一意に識別するために使用される名前、住所、電話番号、電子メールアドレス、又はその他の情報(例えば、秘密の質問(challenge question))を提供することができる。
【0031】
ステップ310では、送信機は、仮想カード認証を確認することができる。例えば、送信機200は必要に応じ、取引手数料又は取引に関する他の最終的な詳細を提供されてもよく、さらに送信機200は、これらの最終条件を受信すると共にバリュー移転を開始してもよい。
【0032】
ステップ312で、OTAソフトウェアアプリケーションは、ステップ304の送信機によって提供される識別情報を使用し、対象となる受取人として受信機を指定する要求された情報を有する新しい仮想カード口座を作成することができる。例えば、仮想カード口座は、閉ループ又は開ループ仮想カード口座であってもよい。開ループ仮想カード口座は、仮想カード口座発行者と加盟店契約を結んでいる複数のベンダーで引受可能な仮想カード口座である。典型的には、開ループカードは、大規模で多国籍銀行又は金融機関であるカード発行者と同一であるとしてブランド付けられている。開ループカードの例は、VISA(登録商標)、MasterCard(登録商標)、AMEX(登録商標)、又はDiscover(登録商標)によってブランド付けられた/発行されたプリペイド又はギフトカードを含み、1又はそれ以上のこれら企業の加盟店口座を維持する任意の店舗で引受可能である。閉ループの仮想カード口座は、カード発行会社の店又は小売店の店舗でのみ引受けされる仮想カード口座である。閉ループの仮想カードの例は、Belk's(登録商標)デパート、BestBuy(登録商標)、又はHomeDepot(登録商標)によって発行されたプリペイド/ギフトカードを含み、これらはそれぞれ、これらの店舗のそれぞれでのみ引き換えられるであろう。
【0033】
例えば、ロイヤルティカード口座は、Safeway(登録商標)ロイヤルティ口座、Macy's(登録商標)ロイヤルティ口座、又はUnited Loyalty(登録商標)口座のような閉ループロイヤルティカード口座であってもよい。ロイヤルティ報酬データは、顧客が関連する加盟店を利用する購入を介して蓄積されたロイヤルティポイントを含んでもよい。割引、お知らせ、販売の早期申込み等の様々な報酬は、ロイヤルティポイントと交換されてもよく、又は顧客自身の口座内にロイヤルティポイントの限界数(threshold number)が提供されてもよい。例えば、特定の販売店若しくは加盟店、及び/又は特定の製品に対するクーポン又は販売促進は、本書に記述された主題の実施形態に従うモバイル機器の間で電子的に転送可能なバリューの項目とすることができる。このように、送信機200は、BestBuy(登録商標)で販売されているあらゆるテレビの20ドル割引クーポンを持つことができ、受信機204がBestBuy(登録商標)の店舗でテレビを購入した際に20ドル割引クーポンを直ちに引き換えることができるよう、このクーポンが受信機204に転送されてもよい。
【0034】
例えば、OTAプロビジョニングサーバ202は、コントロール/バイナリSMS(cSMS)又はベアラ独立プロトコル(BIP)チャンネル開始又はSMSポイントツーポイント(PP)メッセージを受信機204に送信してもよい。例えば、要求メッセージは、提供された受取人のモバイル機器の番号に仮想カードを発行することを、OTAプロビジョニングサーバ202に要求するメッセージとして具体化されてもよい。受取人のデータを受信すると、OTAプロビジョニングサーバ202は、受取人のモバイル機器がNFC有効か否かを決定するよう構成されてもよい。一実施形態では、OTAプロビジョニングサーバ202は、提供された受取人の番号に関連するモバイル機器(例えば、NFCが有効又はそれ以外)の種類に関連する情報を取得するため、データベースにアクセスしてもよい。
【0035】
モバイル機器の種類の情報(及び仮想カード情報)を受信した後、OTAプロビジョニングサーバ202は受信機204に仮想カードを配信してもよい。仮想カードが送信され得る方法は、受取人がNFC有効な携帯電話か、又はNFCが有効でない携帯電話かによる。前者の場合には、OTAプロビジョニングサーバ202は仮想カードを配信するように構成されてもよい。一実施形態では、無線インターフェースを介した仮想カードの設定は、例えばHTTP及びTCPプロトコル、BIPプロトコルを使用したSMS及びCAT_TPを用いた無線接続を介して生じてもよい。TCPソケットは、プロビジョニング接続のために生成されてもよい。接続の物理層は、CDMA、ブルートゥース、GPRS、GSM、Wi-Fi、Wi-Max、イーサネット(登録商標)又はLAN無線インターフェースプロトコルを利用してもよい。プロビジョニングは、インターネット上、又は企業若しくは他のイントラネット上、またTCP/IP、SMS PP、CAT_TP、UDPを利用して生じてもよい。起動されるに応答して、プロビジョニング構成サーバ(例えば、OTAプロビジョニングサーバ202)との接続を確立するモバイル機器上にプロビジョニングアプリケーションを提供することにより、プロビジョニングが自動的に生じてもよく、又はモバイル機器上でプロビジョニングアプリケーションを使用せず、プロビジョニング構成サーバがコントロール/バイナリSMSを使用してプロビジョニングを開始してもよい。
【0036】
また、受信機がNFCが有効でない電話機の場合、OTAプロビジョニングサーバ202は、仮想カードを認証コード又はSMSメッセージを介したURLとして配信してもよい。
【0037】
受信モバイル機器がNFCが有効になっている例示的な実施形態では、OTAプロビジョニングサーバ202は、コントロールSMSメッセージを送信し、又はNFCが有効なモバイル機器204へ、SMS PP又はSMSM PPを使用してBIPチャンネルを起動してもよい。これに応じ、NFCが有効なモバイル機器204は、SMSコントロールコンテンツを読み出し、このコンテンツはOTAプロビジョニングサーバ202から仮想カードを受信するため、OTAプロビジョニングサーバ202又はオープンBIPチャンネルから仮想カードを受信するためのダウンロード処理を開始するMIDletアプリケーション(例えば、財布クライアントアプリケーション)のトリガーとなってもよい。その次に、NFCが有効なモバイル機器204は(例えば、財布クライアントを介して)、OTAプロビジョニングサーバ202に確認メッセージを回答する。
【0038】
ステップ314で、受信機は次に、仮想カードプロビジョニングの指示(indication)を受信し、モバイル機器上の財布アプリケーションがアクセスされる。受信機204はまた、仮想カードがプロビジョニングに使用されたことを示すOTA基盤ソフトウェアからの通知メッセージを任意に受信してもよい。例えば、これは受信機204がメッセージを自身のモバイル機器上に(例えば、"誕生日おめでとうジョン")表示することを含んでもよく、これは送金の理由を示すであろう。
【0039】
ステップ316で、財布アプリケーションは、仮想カードのダウンロード処理を開始するよう受信機に要求してもよい。例えば、オプションメッセージに関連付けられ、又は含まれているリンクをクリックすることで、受信機204が仮想カードの受信を確認するために財布アプリケーションにアクセスすることができる。このようにして、仮想カードが未承諾(例えば、スパム)であるか、又は受信機204が正規の対象とする受信機でない(例えば、転置された電話番号の桁数等の配送エラー、又は送信機200によって提供された電子メールアドレスのタイプミス)場合に、受信機204は仮想カード転送を受け入れるか又は拒否してもよい。
【0040】
ステップ318で、財布アプリケーションはOTA基盤ソフトウェアとの通信を開始してもよい。例えば、財布アプリケーションは、財布アプリケーションによりOTAプロビジョニングサーバ202へ確認メッセージの送信を完了する財布アプリケーションとOTAプロビジョニングサーバ202との間の通信ハンドシェイク手続きを含む、OTAプロビジョニングサーバ202との安全な通信チャンネルを要求してもよい。確認メッセージの受信に応答して、OTAプロビジョニングサーバ202は、NFCが有効なモバイル機器204と安全な接続を確立すると共に、識別データを提供してもよい。一実施形態では、識別データは仮想カードの受取人に固有のデータを含む。代わりの実施形態では、本主題は安全な接続の確立を実施せず、仮想カードは安全でない接続を介して送信されてモバイル機器の一般的なメモリに格納されてもよい。
【0041】
ステップ318で、OTAソフトウェア基盤は、財布アプリケーションに仮想カード設定処理を起動してもよい。例えば、OTAプロビジョニングサーバは、cSMSを送信し、又はダウンロード処理を開始するために受信機の携帯電話にBIPチャンネルを開始してもよい。一旦財布が開始され、又はBIPチャンネルが確立されると、OTAプロビジョニングサーバは、バリュー、ブランド画像、歓迎メッセージ及びその他のデータの有無に関わらずに、口座IDを持つ仮想バリューカードを設定するため安全なチャンネルを生成する。
【0042】
ステップ320で、設定処理が終了し、仮想カードがうまく受信機のモバイル機器内のセキュアエレメントにダウンロードされてもよい。ダウンロードされた仮想カードは、受信機ですぐに使用できる要求された口座情報を有するであろう。例えば、20ドルの閉ループTarget(登録商標)仮想カードを受信した後、受信機204は、自身のNFC有効なモバイル機器をPOS端末に関連付けられた非接触/無線読取機に接近させることにより、カードを提示してもよい。非接触/無線読取機は、モバイル機器上でセキュアエレメントから情報を読み取り、仮想カードから目的とする購入金額を差し引いてもよい。仮想カードは、将来の使用のためにTarget(登録商標)店舗で再利用することができる。
【0043】
ダウンロード処理が終了した後、財布クライアントは仮想カードを表示することがある。仮想カードがNFC有効なモバイル機器204に格納された後、受取人は適切な小売店等で仮想カードを使用することを決定することができる。例えば、店で特定の商品の購入を決定した後、受取人はレジ位置(station)に商品を持って行き、レジ係に支払方法を提示することを求められるであろう。それから受取人は、支払取引で使用されるクーポン仮想/ソフトカードを選択するため、モバイル機器204を使用してもよい。例えば、受取人は、NFC通信を介して無線デバイス読取機とモバイル機器204とをインターフェース接続してもよい。一実施形態では、仮想カード取引は又、従来の支払取引に結合されることができる。例えば、仮想カードが選択された商品をカバーするのに十分であると、他の支払方法は要求されなくてもよい。さもなければ、顧客は未払額のための追加支払を提供するよう求められるであろう。
【0044】
第2の実施形態では、仮想カードは、1又はそれ以上のSMSメッセージを介してNFCが有効でない携帯電話に提供されてもよい。例えば、モバイル機器204は、SMSコントロールメッセージを受信する代わりに、OTAプロビジョニングサーバ202からSMSメッセージを受信してもよい。受信したSMSメッセージは、仮想カードのコードを含んでもよい。一実施形態では、仮想カードコードは、POS端末でレジ係に提供される指定された金額に関連付けられるであろう。別の実施形態では、SMSメッセージは、代わりにバーコード画像にリンクされているURLを含んでもよい。
【0045】
仮想カードを受信した後、モバイル機器204のユーザは、小売店等で仮想カードを使用することを決定してもよい。例えば、購入のための商品を選択した後、ユーザはレジで商品を提示し、レジ係に支払方法を提示することを求められるであろう。それからユーザは、レジ係に仮想カードのコードを提示してもよい。次にレジ係は、POS端末に仮想カードのコードを入力するであろう。一実施形態では、仮想カードがまだ有効であること、又は仮想カードのバリューが取引をカバーするのに十分であることを確かめるため、POS端末は加盟店サーバと仮想カードコードを認証してもよい。クーポンコードが有効な場合、加盟店サーバが確認メッセージを返してもよい。受信機は、受信した資金を受信機に関連する既存の口座に転送することにより、又は第2の仮想カードとして第三者に金銭を再転送することにより、受信した資金を使用することができることは理解されるであろう。後者のケースでは、受信機は、第2のバリュー移転取引のための送信機となり、第三者が受信機になるであろう。
【0046】
図4は、本書に記述される主題の実施形態に従う、送信機の既存の口座からバリューを承認するための例示的なシステムを示す図である。
図4を参照すると、財布アプリケーション400は、モバイル機器200上に設けられると共に、受理及び発行サーバ404に関連する非接触インターフェース402と通信するよう構成されていてもよい。また、以下でより詳細に説明するように、受理及び発行サーバ404は、1又はそれ以上の金融機関406と電子的に通信するバックエンドサーバーを含んでもよい。示される典型的なメッセージ交換では、財布アプリケーション400は、既存の口座のバリューを認証するためのリクエスト408を送信することができる。リクエスト408の受信に応答して、受理及び発行サーバ404は、セキュアエレメント(図示せず)からトラックI及びII(又は類似の)データを要求するAPDUコマンド410を返してもよい。財布アプリケーション400は、トラックI及びIIデータと、メッセージ412に含まれる取引総額とを提供してもよい。最後に、検証/認証の後に、受理及び発行サーバ404は、取引承認又は拒否メッセージ414を返してもよい。
【0047】
1又はそれ以上の端末との統合を必要とする非受理及び発行サーバシステムとは異なり、受理及び発行サーバ404はパーソナルコンピュータ等の汎用コンピューティングプラットフォーム上で実行することができる。取引を処理するため、商店主は付属のクレジットカードリーダーにクレジットカードを通すか、又は付属の非接触決済リーダーを介して非接触支払を受け付ける。
【0048】
図5は、送信機の仮想カードを承認するための例示的なステップを示すフローチャートである。
図5を参照すると、ステップ500で、財布アプリケーションは、転送される仮想カード情報を認証するため、ホストの販売時点管理(POS)に接続することができる。
【0049】
ステップ502では、仮想カード情報を読み出すため、受理及び発行サーバは財布アプリケーションに命令を送ることができる。例えば、受理及び発行サーバ404は、仮想カード口座情報のコードであるトラックI、トラックIIデータを要求する1又はそれ以上のアプリケーションプロトコルデータユニット(APDU)コマンド406を、財布アプリケーション400に送信することができる。その代わりに、受理及び発行サーバ404は、ルーティング番号、銀行情報、口座番号、又はオートメ―テッド・クリアリング・ハウス(ACH)ネットワーク識別子を要求する1又はそれ以上のAPDUコマンド410を、財布アプリケーション400に送信することができる。
【0050】
ステップ508では、受理及び発行サーバは、仮想カードの検証及び送信機の識別情報を要求するステップ502-506で提供される情報/資格を使用することができる。
【0051】
取引が承認される場合は、ステップ510で、受理及び発行サーバは取引を終了し、送信機のモバイル機器に確認メッセージを送信してもよい。
【0052】
図6は、本書に記述された主題の実施形態に従う、仮想カードを使用したモバイル機器の間で電子マネー転送を実行するのに適したモバイル機器の例示的なコンポーネントの機能ブロック図である。
図6を参照すると、OTAプロビジョニングサーバ202は、受信モジュール600、口座モジュール602、及び送信モジュール604を含むことができる。受信モジュール600は、送信するモバイル機器から、受信モバイル機器向けの所定金額の電子的、金銭的預金を受信するよう構成されることができる。口座モジュール602は、所定金額の電子的、金銭的口座を設定するよう構成されることができる。送信モジュール604は、受信モバイル機器に所定金額の電子的、金銭的預金を送信するよう構成することができ、この預金は直ちに受信モバイル機器によりPOS端末で使用可能である。
【0053】
図7は、本書に記述された主題の実施形態に従う、モバイル機器の間での仮想カード転送を実行するのに適したNFCが有効なモバイル機器の例示的な内部コンポーネントを示す機能ブロック図である。
図7を参照すると、モバイル機器200/204は、ベースバンドプロセッサ700、非接触チップ702、集積(integrated)アンテナ704、セキュアエレメント(外部メモリ)706、集積アンテナ708、セキュアエレメント(一体化された(integrated))710、USIM/ SIMカード712、セキュアエレメント(USIMカード/ SIMカード712内)714、及び電話アンテナ716を含むことができる。
図7に示すNFCコンポーネントは、SIMモジュールと集積され、外部メモリと集積され、携帯電話のメモリに関連付けられ、外部メモリに直接関連付けられる携帯電話200/204内の回路に組み込まれるか、又はNFCが有効な携帯電話として携帯機器が機能することを可能にする他のタイプのフォームファクタ(form factor)に組み込まれてもよいことは理解される。さらにモバイル機器200/204は、本書の主題の範囲から逸脱することなく、セキュアエレメント708、710、及び714に対して異なるフォームファクタを含むことができることが理解される。例えば、セキュアエレメント708、710、及び714は、組み合わせ、又は1つのインスタンス(single instance)(図示せず)であってもよい。
【0054】
ベースバンドプロセッサ(BP)700は、移動体通信のためのグローバルシステム(GSM)スタック等の無線通信スタックを実行するプロセッサを含むことができる。モバイル機器200/204等の殆どのスマートフォンが2つのプロセッサを含んでもよいことは理解される。オペレーティングシステム(OS)、ユーザーインターフェイス、及びアプリケーションは、ARMベースのCPU等のアプリケーションプロセッサ(AP)上で実行することができる一方で、携帯電話無線通信及び制御ソフトウェアはBP700上で実行されてもよい。APは、シリアル接続又はBP700とAP間の汎用入力/出力(GPIO)ライン等の定義された制御リンク上でBP700と通信することができる。BP700で分離した無線機能を配置する一つの理由は、無線制御機能(例えば、信号の変調、符号化、無線周波数シフト等)等の極めて時間に依存する機能を、より時間に依存しない機能から保護することにあるであろう。BPを利用するもう一つの利点は、一旦BPが設計され認定されると、アプリケーション及びOSの変更(例えば、OS、アプリケーション、及びドライバのエラーは、無線電話で誤動作を発生させない)に関係なく、適切に機能することが保証されることである。
【0055】
非接触チップ702は、非接触支払読取機又は他のNFCが有効な携帯電話のような非接触型デバイスと通信する集積アンテナ704に関連付けられてもよい。セキュアエレメント706は外部メモリ(例えば、microSD又は外部メモリ)内に設けられてもよく、集積アンテナ708に関連付けられるデバイスであってもよい。その代わりに、セキュアエレメント706は、携帯電話アンテナ716を利用することができる。セキュアエレメント710は、電話回路と集積されることができ、外部デバイスと通信するための携帯電話アンテナ716を使用することができる。USIM/ SIMカード712は、セキュアエレメント714を含むことができ、外部機器と無線通信するための電話アンテナ716に集積されることができる。これは、上記した任意の適切な非NFC通信プロトコルを介したOTAプロビジョニングサーバ202を含むことができる。USIM712は、携帯電話に挿入されるユニバーサル集積回路カード(UICC)スマートカード上で実行する、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)携帯電話通信のためのアプリケーションである。USIM712は物理的なUICCカード上にある論理要素であり、物理的なカード自身でないことは理解される。例えば、UICCカードは、プロセッサ等の物理的ハードウェア要素、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電子的消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、及び入力/出力(I/O)回路を含んでもよい。
【0056】
本書に開示される主題の範囲を逸脱しない限り、本書に開示される主題の各種の詳細を変更してよいことは理解されるであろう。さらに、前述の記述は説明を目的としたものに過ぎず、限定を目的としたものではない。