【実施例】
【0045】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例中の各特性の測定方法、化合物の略称は以下の通りである。
【0046】
<化合物の略号>
[2個以上のヒドロキシル基を有する化合物]
GLY:グリセリン
GLY−Cap:グリセリンモノカプレート 理研ビタミン株式会社製「ポエムM−200」
GLY−Lau:グリセリンモノラウレート 理研ビタミン株式会社製「ポエムM−300」
GLY−Ste:グリセリンモノステアレート 理研ビタミン株式会社製「リケマールS−100A」
GLY−Ole:グリセリンモノオレート 理研ビタミン株式会社製「リケマールXO−100」
[反応溶媒]
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
【0047】
<微粒子(実施例8を除く。)の有機成分含有量の測定(TG測定)>
微粒子の有機成分含有量Cを式(1)に従って算出した。
式(1) C=A−[B(100−A)/(100−B)]
A:100〜600℃での微粒子の重量%減(下記条件で測定)
B:30.9%(水酸化マグネシウムが酸化マグネシウムに熱変換した際に生じる脱水の重量%減)
C:有機成分含有量(%)
[測定条件]
装置 :SIIナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200
測定温度:50〜600℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素200mL/min
【0048】
<実施例8の微粒子の有機成分含有量の測定(TG測定)>
下記条件でTG測定し、100〜600℃での重量%減を微粒子の有機成分含有量とした。
[測定条件]
装置 :SIIナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200
測定温度:50〜600℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素200mL/min
【0049】
<微粒子の構成成分(無機成分)の同定>
調製された微粒子の構成成分は、Rigaku株式会社製RINT−2500を用いてX線回折分析にて同定した。
[測定条件]
装置 :Rigaku株式会社製RINT−2500
走査モード :連続
走査軸 :2θ/θ
積算回数 :1回
スキャンスピード:4.000°/min
走査範囲 :10.000〜80.000°
サンプリング幅 :0.020°
θオフセット :0.000°
【0050】
<平均粒子径の測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)による測定にて20個以上の粒子を計測し、その平均値を求めた。
【0051】
<分散性の評価>
得られた微粒子の含有量が10重量%となるようにNMPに加え、超音波装置を用いて15分間分散することによって分散液を調製した。その後、1時間静置し、目視にて凝集物の生成の有無をもって「○」又は「×」で評価した。
○:1時間静置した後においても、凝集物の生成が見られず、分散液が無色透明を維持していた。
×:1時間以内に、凝集物の生成・沈降が明らかに認められた。
【0052】
実施例1
撹拌機・窒素導入管を備えた5Lの4つ口フラスコに、塩基としてナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液617g(3.2mol)、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY147g(1.6mol)加え、室温にて1時間撹拌して溶液Aを調製した。これとは別に、酢酸マグネシウム・四水和物343g(1.6mol)をメタノール1700gに溶解させた溶液Bを調製した。次いで、撹拌しながら溶液Bを溶液Aに加え、室温にて20時間反応させた。析出した白色沈殿物を遠心分離器にて得た後、メタノール2Lに撹拌しながら加えて再分散させた。遠心分離器にて白色沈殿物を回収した後、これをアセトン2Lにて撹拌しながら加えて再分散させた。遠心分離にて白色沈殿物を回収した後、大気下80℃で30分間乾燥して微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図1に示す。得られた微粒子は、X線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図11に示す。また、微粒子の加熱重量減(TG)を測定した結果を
図21に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0053】
実施例2
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY735g(8.0mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子91gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図2に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図12に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0054】
実施例3
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY1473g(16mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子91gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図3に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図13に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0055】
実施例4
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Cap394g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子88gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図4に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図14に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0056】
実施例5
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Lau439g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子88gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図5に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図15に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0057】
実施例6
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Ste574g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図6に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図16に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0058】
実施例7
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Ole570g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子82gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図7に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図17に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
GLYに代えて乳酸144g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、沈殿物は得られなかった。
【0060】
比較例2
塩基としてナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液1542g(8.0mol)を使用し、かつ、GLYに代えて乳酸144g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図8に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図18に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0061】
比較例3
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、クエン酸がメタノールに溶解しなかったため、製造できなかった。
【0062】
比較例4
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用し、かつ、塩基として水酸化ナトリウムの10%水溶液1280g(3.2mol)を使用し、溶液B調製のメタノールを水1700gに変更したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、沈殿物は得られなかった。
【0063】
比較例5
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用し、塩基として水酸化ナトリウムの10%水溶液3840g(9.6mol)を使用し、溶液B調製のメタノールを水1700gに変更したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子80gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図9に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を
図19に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0064】
実施例8
実施例1と同様の方法にて得られた水酸化マグネシウム微粒子20gを100mLビーカーに入れ、大気中300℃で1時間焼成することにより微粒子13.4gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を
図10に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。微粒子の平均粒子径は6nmであった。X線回折分析の結果を
図20に示す。また、微粒子の加熱重量減(TG)を測定した結果を
図22に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1の結果からも明らかなように、比較例2及び5の微粒子は平均粒子径100nm以下と小さいが、有機成分含有量が0.1%以下と少ないことから凝集が生じ、NMPへの分散性が低いことがわかる。これに対し、本発明のマグネシウム系複合微粒子は、有機成分含有量が0.2〜10%であり、平均粒子径が100nm以下と小さいにもかかわらず、NMPのような極性溶媒への分散性も優れていることが明らかである。
【0067】
すなわち、本発明のマグネシウム系複合微粒子は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を0.2%以上10%以下含有しており、小さな平均粒子径、高分散性を同時に満たす水酸化マグネシウム微粒子である。 また、実施例8に示すように、水酸化マグネシウム微粒子を所定の温度で熱処理することによって酸化マグネシウムを主成分とする微粒子の製造も可能となることがわかる。