特許第6195718号(P6195718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195718
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】マグネシウム系複合微粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 5/14 20060101AFI20170904BHJP
   C01F 5/06 20060101ALI20170904BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   C01F5/14
   C01F5/06
   C08K9/04
   C08L101/00
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-52557(P2013-52557)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-177379(P2014-177379A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191250
【氏名又は名称】新日本理化株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508114454
【氏名又は名称】地方独立行政法人 大阪市立工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105821
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 淳
(72)【発明者】
【氏名】竹上 明伸
(72)【発明者】
【氏名】帯田 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】川原 康行
(72)【発明者】
【氏名】中許 昌美
(72)【発明者】
【氏名】大野 敏信
(72)【発明者】
【氏名】山本 真理
(72)【発明者】
【氏名】柏木 行康
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 大志
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−129056(JP,A)
【文献】 特開昭60−011223(JP,A)
【文献】 特開2005−054038(JP,A)
【文献】 特開平09−110417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F5/00−5/42
C08K9/04
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が500nm以下である微粒子であって、
(1)a)酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種のマグネシウム成分と、b)有機成分とを含有し、
(2)前記有機成分が2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含み、
(3)前記有機成分の含有量が0.2〜20重量%である、
ことを特徴とするマグネシウム系複合微粒子を製造する方法であって、
1)マグネシウム塩、2)塩基ならびに3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を、液相中で反応させることにより反応生成物を得る工程を含み、
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物が、1)グリセリン又は2)グリセリンのエステル化合物である、
ことを特徴とするマグネシウム系複合微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記エステル化合物が、グリセリンと炭素数4〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
微粒子の平均粒子径が200nm以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
マグネシウム塩がマグネシウムの有機酸塩である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
塩基が金属アルコキシドである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
反応生成物をさらに熱処理する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
熱処理の温度が270〜330℃である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
液相中の溶媒が極性有機溶媒である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
上記反応が、1)マグネシウム塩を極性有機溶媒に溶解又は分散させて得られた原料液と2)塩基及び3)グリセリン又はグリセリンのエステル化合物を極性有機溶媒に溶解又は分散させて得られた原料液とを混合することにより行われる、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネシウム系複合微粒子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックの物性を改良するために無機フィラーが添加剤として使用されることが多い。その添加目的としては、例えば熱伝導性の向上、線膨張係数の低下、難燃性の付与、ガスバリア性の向上等の多方面にわたっている。
【0003】
これらの無機フィラーをプラスチックの添加剤として使用した場合、得られる樹脂成形体に濁りが生じることがある。これは、無機フィラーの粒子径が光の波長よりも大きいことによる光散乱が生じることによることのほか、プラスチックと無機フィラーの屈折率の差によるものである(非特許文献1)。そのため、レンズ等の無色透明性が要求される用途では、フィラーの粒子径をナノオーダーのレベルに制御する必要がある。
【0004】
金又は銀に代表されるように、無機フィラーの材質によっては微粒子化すると発色するものがある。これは、材料のプラズモン吸収、固有のバンドギャップ等によるものである(特許文献1)。そのため、無色透明性を付与する無機フィラーとしては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が好ましいとされている。
【0005】
これら無機フィラーの中でも、特に、水酸化マグネシウムは難燃付与効果が高く、プラスチックへの添加剤としても有用であることが知られている(特許文献2)。例えば電子材料基板等の用途では、使用中に発生する熱が蓄積されることによって発火するおそれがあるため、難燃性の付与が必要とされるため、難燃化を目的として水酸化マグネシウムがプラスチックに添加される。
【0006】
また、酸化マグネシウムは、熱伝導性が非常に高いことが知られており、電子材料基板に使用される放熱材料として有効である。しかも、マグネシウムは金属元素の中でも軽量性に優れていることから、プラスチックへの添加剤として使用した際に、成形品の軽量化も期待することができる。プラスチック成形品の軽量化を図ることができれば、運搬する場合のほか、使用する際の省エネルギー化にも貢献することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−88296
【特許文献2】特公平07−042461
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「光時代における透明性樹脂」監修:井手文雄、2004年6月30日発行、発行者:辻賢司、発行所:株式会社シーエムシー、p.14−15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように、プラスチックの添加剤等として水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムの微粒子が利用されているものの、その分散性において改善の余地がある。すなわち、粒子径を小さくすればするほど粒子同士の凝集力が強くなり、特にナノオーダーになれば凝集が顕著となる。このため、これまで以上に優れた分散性を水酸化マグネシウム粒子等に与えることができれば、より少ない添加量で所定の効果が得られる結果、樹脂特性の改良をより効果的に行うことが可能となる。
【0010】
従って、本発明の主な目的は、ナノオーダーの微粒子であるにもかかわらず、特に分散性に優れたマグネシウム系微粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を備えたマグネシウム系微粒子が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記のマグネシウム系複合微粒子の製造方法に係る。
1. 平均粒子径が500nm以下である微粒子であって、
(1)a)酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種のマグネシウム成分と、b)有機成分とを含有し、
(2)前記有機成分が2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含み、
(3)前記有機成分の含有量が0.2〜20重量%である、
ことを特徴とするマグネシウム系複合微粒子を製造する方法であって、
1)マグネシウム塩、2)塩基ならびに3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を、液相中で反応させることにより反応生成物を得る工程を含み、
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物が、1)グリセリン又は2)グリセリンのエステル化合物である、
ことを特徴とするマグネシウム系複合微粒子の製造方法。
2. 前記エステル化合物が、グリセリンと炭素数4〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物である、前記項1に記載の製造方法。
3. 微粒子の平均粒子径が200nm以下である、前記項1に記載の製造方法。
4. マグネシウム塩がマグネシウムの有機酸塩である、前記項1に記載の製造方法。
5. 塩基が金属アルコキシドである、前記項1に記載の製造方法。
6. 反応生成物をさらに熱処理する工程を含む、前記項1に記載の製造方法。
7. 熱処理の温度が270〜330℃である、前記項6に記載の製造方法。
8. 液相中の溶媒が極性有機溶媒である、前記項1に記載の製造方法。
9. 上記反応が、1)マグネシウム塩を極性有機溶媒に溶解又は分散させて得られた原料液と2)塩基及び3)グリセリン又はグリセリンのエステル化合物を極性有機溶媒に溶解又は分散させて得られた原料液とを混合することにより行われる、前記項1に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマグネシウム系複合微粒子によれば、マグネシウム成分と有機成分とが所定の割合で粒子に含まれることから、500nm以下という微粒子であるにもかかわらず、高い分散性を発揮することができる。すなわち、マグネシウム系複合微粒子からなる粉末として、高い分散性を発揮することができる。このため、樹脂等に添加することによって効果的に分散させることができる結果、樹脂等の本来の物性を引き出すことができるほか、添加量の低減も期待することができる。
【0014】
また、本発明の製造方法によれば、特定の出発原料を用いて液相中で反応させることから、比較的高い収率で本発明のマグネシウム系複合微粒子を製造することができる。このため、工業的規模での製造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×50,000)である。
図2】実施例2で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×50,000)である。
図3】実施例3で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×50,000)である。
図4】実施例4で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×100,000)である。
図5】実施例5で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×200,000)である。
図6】実施例6で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×200,000)である。
図7】実施例7で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×200,000)である。
図8】比較例2で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×50,000)である。
図9】比較例5で得られた水酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×50,000)である。
図10】実施例8で得られた酸化マグネシウム微粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真(×100,000)である。
図11】実施例1において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図12】実施例2において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図13】実施例3において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図14】実施例4において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図15】実施例5において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図16】実施例6において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図17】実施例7において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図18】比較例2において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図19】比較例5において得られた水酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図20】実施例8において得られた酸化マグネシウム微粒子のX線回折分析結果である。
図21】実施例1において得られた水酸化マグネシウム微粒子の加熱重量減(TG)測定結果である。
図22】実施例8において得られた酸化マグネシウム微粒子の加熱重量減(TG)測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.マグネシウム系複合微粒子
本発明のマグネシウム系複合微粒子(本発明微粒子)は、平均粒子径が500nm以下である微粒子であって、
(1)a)酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種のマグネシウム成分と、b)有機成分とを含有し、
(2)前記有機成分が2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含み、
(3)前記有機成分の含有量が0.2〜20重量%である、
ことを特徴とする。
【0017】
本発明微粒子の平均粒子径は、通常500nm以下であり、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。このように、本発明では、ナノオーダーの微粒子からなる粉末を提供することができる。
【0018】
本発明微粒子(粉末)は、a)酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種のマグネシウム成分と、b)有機成分とを含有する。
【0019】
上記a)に関し、本発明微粒子は、マグネシウム成分として酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む。すなわち、本発明微粒子は、マグネシウム成分として1)酸化マグネシウム単独で含む場合、2)水酸化マグネシウム単独で含む場合、3)酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの両者を含む場合のいずれも包含される。
【0020】
前記3)の場合において、本発明微粒子に含まれる酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの比率は限定されず、本発明微粒子の用途、使用条件等に応じて適宜設定することができる。なお、両者の比率は、例えば熱処理等により水酸化マグネシウムから酸化マグネシウムと変化させるよって任意に制御することができる。
【0021】
本発明微粒子に含まれる酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの合計量が占める割合は特に限定的ではないが、80〜99重量%とすることが好ましく、特に90〜99重量%であることが好ましい。
【0022】
上記b)に関し、本発明微粒子は、前記マグネシウム成分のほかに有機成分を含有する。かかる有機成分は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含む。
【0023】
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては本発明微粒子(粉末)に所望の分散性を与えるものであれば特に限定されず、例えば二価アルコール、三価アルコール等の多価アルコールを好適に用いることができる。これらの多価アルコールは、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコールのいずれタイプであっても良い。
【0024】
本発明では、前記の2個以上のヒドロキシル基を有する化合物として、例えばメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の二価アルコール;グリセリン等の三価アルコールを挙げることができる。本発明では、特にグリセリンを好適に用いることができる。
【0025】
また、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物として、例えば3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールのエステル化合物を使用することができる。例えば、3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールにおいて、そのうちの1個のヒドロキシル基がエステル化されたエステル化合物を用いることができる。前記エステル化合物は、多価アルコールとカルボン酸とのエステル化反応により製造できる。前記カルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、コハク酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。この中でも、カルボン酸として炭素数4〜18の脂肪族モノカルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル化合物を好適に用いることができる。このようなエステル化合物としては、例えばグリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート等を挙げることができる。
【0026】
さらに、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物として、例えば3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールのエーテル化合物を使用することもできる。例えば、3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールにおいて、そのうちの1個のヒドロキシル基がエーテル化されたエーテル化合物を用いることができる。前記エーテル化合物は、多価アルコールとモノアルコールの脱水反応により製造できる。前記モノアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール等を挙げることができる。この中でも、モノアルコールとして炭素数4〜18のモノアルコール化合物とのエーテル化合物を好適に用いることができる。このようなエーテル化合物としては、例えば3−ブトキシ−1,2−プロパンジオール、3−ヘキシルオキシ−1,2−プロパンジオール、3−オクチルオキシ−1,2−プロパンジオール、3−オクタデシルオキシ−1,2−プロパンジオール等を挙げることができる。
【0027】
本発明では、有機成分は本発明微粒子中に含有されていれば良く、その位置は限定されない。例えば、本発明微粒子の内部、本発明微粒子の表面部等のいずれに含まれていても良い。特に、本発明では、少なくとも本発明微粒子表面の一部又は全部にあることが好ましい。すなわち、少なくとも本発明微粒子の表面の一部又は全部が有機成分で被覆されていることが好ましい。
【0028】
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物が有機成分中に占める割合は限定的ではない。例えば、通常は50〜100重量%とし、好ましくは80〜100重量%とし、より好ましくは90〜100重量%とすれば良い。
【0029】
本発明微粒子中における有機成分の含有量は通常0.2〜20重量%とし、特に0.2〜10重量%とすることが好ましい。有機成分の含有量が0.2重量%未満の場合は本発明微粒子が所望の分散性を発揮できなくなる。また、有機成分の含有量が20重量%を超える場合は、マグネシウム成分の本来の特性が損なわれるおそれがある。
【0030】
本発明微粒子中には、前記のようなマグネシウム成分と有機成分とが含まれるが、本発明の効果を妨げない範囲内において他の成分が含まれていても良い。従って、一般的にはマグネシウム成分と有機成分との合計量が本発明微粒子中95〜100重量%占めることが好ましく、特に99〜100重量%占めることがより好ましく、100重量%占めることが最も好ましい。他の成分としては、本発明微粒子を合成する際に使用された出発原料の未反応物等(但し、有機成分は除く。)が例示される。
【0031】
本発明微粒子は、そのままの形態(粉末)で使用することができるほか、溶媒に分散させて使用することもできる。すなわち、本発明は、マグネシウム系複合微粒子を溶媒に分散させてなる分散液も包含する。分散液を使用することによって、コーティング等の方法によって本発明微粒子を含む塗膜等を好適に形成することができる。溶媒としては、限定的でなく、例えばプロトン性溶媒、非プロトン系溶媒、フェノール系溶媒、エーテル系溶媒、カーボネート系溶媒等の有機溶媒を好適に用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、アセトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の高極性溶媒を使用することが望ましい。分散液中におけるマグネシウム系複合微粒子の分散量は限定的ではないが、通常は1〜30重量%程度の範囲内で適宜設定することができる。上記の分散液中には、必要に応じて分散剤、有機バインダー等の公知の添加剤が含まれていても良い。
【0032】
2.マグネシウム系複合微粒子の製造方法
本発明の製造方法は、マグネシウム系複合微粒子(本発明微粒子)を製造する方法であって、1)マグネシウム塩、2)塩基ならびに3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を液相中で反応させることにより反応生成物を得る工程を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の製造方法では、出発原料として1)マグネシウム塩、2)塩基ならびに3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を用いる。
【0034】
マグネシウム塩としては、特に限定的ではなく、例えば無機酸(鉱酸)の塩として塩化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等;有機酸塩としてギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等が挙げられ、その他にも有機金属塩が挙げられる。本発明では、これらの中でもマグネシウムの有機酸塩(特にカルボン酸塩)が有機溶媒への溶解性という点で好ましい。従って、例えば酢酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等を好ましく用いることができる。
【0035】
塩基としては、特に限定されず、例えば金属アルコキシド、アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することができる。特に、本発明では、金属アルコキシドを好適に用いることができる。金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド等が例示される。塩基の添加量は、通常はマグネシウム塩1モルに対し、通常1〜10モル程度、好ましくは2〜5モルとすれば良い。
【0036】
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、前記1.で挙げたものを使用することができる。例えばメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンモノエステル等の二価アルコール;グリセリン等の三価アルコールのほか、3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール化合物のエステル化合物を挙げることができる。本発明では、特にグリセリン、グリセリンモノエステル等を好適に用いることができる。グリセリンモノエステルとしては、例えばグリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート等を挙げることができる。
【0037】
本発明の製造方法において、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の添加量は、通常はマグネシウム塩1モルに対し、通常1〜20モル程度、好ましくは1〜10モルとすれば良い。
【0038】
出発原料としては、これらの成分のほか、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていても良いが、特に上記1)〜3)の3成分からなることがより好ましい。
【0039】
これらの出発原料を液相中で反応させることによって反応物を生成させる。従って、液相として通常は有機溶媒を使用することができる。この場合、例えば前記の2個以上のヒドロキシル基を有する化合物が常温・常圧下で液体であるようなときは、それが出発原料としての役割を果たすとともに、有機溶媒としての役割を果たすことができるので、別途に有機溶媒を使用しなくて済むこともある。有機溶媒を使用する場合、その使用できる有機溶媒としては特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の極性有機溶媒を好適に用いることができる。有機溶媒の使用量は限定的ではないが、前記のマグネシウム塩の濃度が通常0.1〜1.0モル/L、特に0.2〜0.8モル/Lとなるように適宜調整すれば良い。
【0040】
また、上記の反応条件としては、反応温度は5〜40℃程度とし、反応圧力は通常は大気圧下とすれば良い。反応時間は、反応温度、出発原料等によって異なるが、一般的には1〜24時間程度とすれば良い。
【0041】
反応させる手順としては、特に制限されず、例えば;
(A)出発原料を同時に液相中に添加して反応させる方法、
(B)1)マグネシウム塩、2)塩基ならびに3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の少なくとも1種をそれぞれ有機溶剤に溶解又は分散させて得られた各原料液を混合することにより反応させる方法、
(C)1)マグネシウム塩を有機溶剤に溶解又は分散させて得られた原料液と2)塩基及び3)2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を有機溶媒に溶解又は分散させて得られた原料液とを混合することにより反応させる方法
等のいずれであっても良い。
【0042】
本発明では、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の水酸基が塩基によりイオン化しやすく、水酸化マグネシウム微粒子又は酸化マグネシウム微粒子への吸着が生じやすいという見地より、特に前記(C)の方法を好適に採用することができる。
【0043】
本発明の製造方法では、さらに上記反応生成物を熱処理することもできる。これによって、上記反応生成物である水酸化マグネシウムの一部又は全部を酸化マグネシウムに変化させることができる。
【0044】
熱処理温度は限定的ではないが、特に、水酸化マグネシウムの一部又は全部が酸化マグネシウムに変化する温度であって、なおかつ、有機成分が分解又は気化しない温度の範囲内とすることが好ましい。換言すれば、熱処理をする場合においては、水酸化マグネシウムの一部又は全部が酸化マグネシウムに変化する温度下でも変化しない有機成分を採用することが好ましい。例えば、有機成分としてグリセリンを使用すれば、300℃前後(例えば270〜330℃程度)での熱処理を実施することができるので、好適に酸化マグネシウムの微粒子を調製することができる。熱処理雰囲気は、通常は大気中又は酸化性雰囲気とすれば良い。
【実施例】
【0045】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例中の各特性の測定方法、化合物の略称は以下の通りである。
【0046】
<化合物の略号>
[2個以上のヒドロキシル基を有する化合物]
GLY:グリセリン
GLY−Cap:グリセリンモノカプレート 理研ビタミン株式会社製「ポエムM−200」
GLY−Lau:グリセリンモノラウレート 理研ビタミン株式会社製「ポエムM−300」
GLY−Ste:グリセリンモノステアレート 理研ビタミン株式会社製「リケマールS−100A」
GLY−Ole:グリセリンモノオレート 理研ビタミン株式会社製「リケマールXO−100」
[反応溶媒]
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
【0047】
<微粒子(実施例8を除く。)の有機成分含有量の測定(TG測定)>
微粒子の有機成分含有量Cを式(1)に従って算出した。
式(1) C=A−[B(100−A)/(100−B)]
A:100〜600℃での微粒子の重量%減(下記条件で測定)
B:30.9%(水酸化マグネシウムが酸化マグネシウムに熱変換した際に生じる脱水の重量%減)
C:有機成分含有量(%)
[測定条件]
装置 :SIIナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200
測定温度:50〜600℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素200mL/min
【0048】
<実施例8の微粒子の有機成分含有量の測定(TG測定)>
下記条件でTG測定し、100〜600℃での重量%減を微粒子の有機成分含有量とした。
[測定条件]
装置 :SIIナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200
測定温度:50〜600℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素200mL/min
【0049】
<微粒子の構成成分(無機成分)の同定>
調製された微粒子の構成成分は、Rigaku株式会社製RINT−2500を用いてX線回折分析にて同定した。
[測定条件]
装置 :Rigaku株式会社製RINT−2500
走査モード :連続
走査軸 :2θ/θ
積算回数 :1回
スキャンスピード:4.000°/min
走査範囲 :10.000〜80.000°
サンプリング幅 :0.020°
θオフセット :0.000°
【0050】
<平均粒子径の測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)による測定にて20個以上の粒子を計測し、その平均値を求めた。
【0051】
<分散性の評価>
得られた微粒子の含有量が10重量%となるようにNMPに加え、超音波装置を用いて15分間分散することによって分散液を調製した。その後、1時間静置し、目視にて凝集物の生成の有無をもって「○」又は「×」で評価した。
○:1時間静置した後においても、凝集物の生成が見られず、分散液が無色透明を維持していた。
×:1時間以内に、凝集物の生成・沈降が明らかに認められた。
【0052】
実施例1
撹拌機・窒素導入管を備えた5Lの4つ口フラスコに、塩基としてナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液617g(3.2mol)、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY147g(1.6mol)加え、室温にて1時間撹拌して溶液Aを調製した。これとは別に、酢酸マグネシウム・四水和物343g(1.6mol)をメタノール1700gに溶解させた溶液Bを調製した。次いで、撹拌しながら溶液Bを溶液Aに加え、室温にて20時間反応させた。析出した白色沈殿物を遠心分離器にて得た後、メタノール2Lに撹拌しながら加えて再分散させた。遠心分離器にて白色沈殿物を回収した後、これをアセトン2Lにて撹拌しながら加えて再分散させた。遠心分離にて白色沈殿物を回収した後、大気下80℃で30分間乾燥して微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図1に示す。得られた微粒子は、X線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図11に示す。また、微粒子の加熱重量減(TG)を測定した結果を図21に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0053】
実施例2
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY735g(8.0mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子91gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図2に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図12に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0054】
実施例3
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY1473g(16mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子91gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図3に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図13に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0055】
実施例4
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Cap394g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子88gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図4に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図14に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0056】
実施例5
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Lau439g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子88gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図5に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図15に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0057】
実施例6
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Ste574g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図6に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図16に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0058】
実施例7
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としてGLY−Ole570g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子82gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図7に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図17に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
GLYに代えて乳酸144g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、沈殿物は得られなかった。
【0060】
比較例2
塩基としてナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液1542g(8.0mol)を使用し、かつ、GLYに代えて乳酸144g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子89gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図8に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図18に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0061】
比較例3
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、クエン酸がメタノールに溶解しなかったため、製造できなかった。
【0062】
比較例4
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用し、かつ、塩基として水酸化ナトリウムの10%水溶液1280g(3.2mol)を使用し、溶液B調製のメタノールを水1700gに変更したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子を製造しようと試みたが、沈殿物は得られなかった。
【0063】
比較例5
GLYに代えてクエン酸307g(1.6mol)を使用し、塩基として水酸化ナトリウムの10%水溶液3840g(9.6mol)を使用し、溶液B調製のメタノールを水1700gに変更したほかは、実施例1と同様の方法で微粒子80gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図9に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて水酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。X線回折分析の結果を図19に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0064】
実施例8
実施例1と同様の方法にて得られた水酸化マグネシウム微粒子20gを100mLビーカーに入れ、大気中300℃で1時間焼成することにより微粒子13.4gを得た。得られた微粒子の透過型電子顕微鏡による観察結果を図10に示す。得られた微粒子はX線回折分析にて酸化マグネシウムを主成分として含有していることを確認した。微粒子の平均粒子径は6nmであった。X線回折分析の結果を図20に示す。また、微粒子の加熱重量減(TG)を測定した結果を図22に示す。微粒子の平均粒子径及び有機成分含有量、NMPへの分散測定結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1の結果からも明らかなように、比較例2及び5の微粒子は平均粒子径100nm以下と小さいが、有機成分含有量が0.1%以下と少ないことから凝集が生じ、NMPへの分散性が低いことがわかる。これに対し、本発明のマグネシウム系複合微粒子は、有機成分含有量が0.2〜10%であり、平均粒子径が100nm以下と小さいにもかかわらず、NMPのような極性溶媒への分散性も優れていることが明らかである。
【0067】
すなわち、本発明のマグネシウム系複合微粒子は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を0.2%以上10%以下含有しており、小さな平均粒子径、高分散性を同時に満たす水酸化マグネシウム微粒子である。 また、実施例8に示すように、水酸化マグネシウム微粒子を所定の温度で熱処理することによって酸化マグネシウムを主成分とする微粒子の製造も可能となることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のマグネシウム系複合微粒子は、平均粒子径が500nm以下(特に200nm以下)であり、なおかつ、所定量の有機成分を含有していることから高分散性を発揮することができる。そのため、本発明のマグネシウム系複合微粒子をプラスチック材料等へ分散させることで得られる成形体は、レンズ等の無色透明性が要求される材料に配合することができる。その他にも、また、本発明のマグネシウム系複合微粒子は、例えば難燃剤、放熱材、ガスバリア性向上材等の各種用途に使用することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22