(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195736
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】介護用入浴装置
(51)【国際特許分類】
A61H 33/00 20060101AFI20170904BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
A61H33/00 310A
A47K3/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-114912(P2013-114912)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233328(P2014-233328A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】591127825
【氏名又は名称】株式会社アマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】水野 宗寛
(72)【発明者】
【氏名】西野 剛
(72)【発明者】
【氏名】安間 光宏
【審査官】
中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−014851(JP,A)
【文献】
実開平03−120881(JP,U)
【文献】
特開2006−051195(JP,A)
【文献】
特開2004−049476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00−33/14
A47K 3/00− 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
要介護者が入浴するための浴槽と、該浴槽へ供給する湯水を貯めおく貯湯タンクと、該貯湯タンクの該湯水を該浴槽に送るポンプとを有し、該貯湯タンクのタンク底の高さより高い位置に該ポンプが配設され、該ポンプの上方に向かって設けられた浴槽側流路を介して該湯水が該浴槽に注湯される介護用入浴装置において、
該浴槽側流路の該ポンプ側が分岐して外部に伸びる排出側分岐流路と、
該排出側分岐流路の該浴槽側流路との分岐点の近傍に設けられた残水排出用開閉弁とを備え、
該残水排出用開閉弁を開放した状態で、該貯湯タンクに注湯されることにより、該注湯された湯水の圧力で該貯湯タンクと該ポンプとを接続するタンク側流路内の残水が該ポンプ側に押し出され、さらに該貯湯タンクへの注湯が進むと、該ポンプ内に残水がある場合はそれも共に、該残水が該排出側分岐流路に至り、開放された該残水排出用開閉弁を介して、該残水が外部に排出されることを特徴とする介護用入浴装置。
【請求項2】
前記貯湯タンクに給湯が開始された時に、前記残水排出用開閉弁が開放され、
該貯湯タンクに給湯が開始された時刻から所定時間経過後に、該残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする請求項1記載の介護用入浴装置。
【請求項3】
前記浴槽側流路の前記ポンプ側に、温度検出器を備え、
該温度検出器で検出される該浴槽側流路内の湯水の温度が所定未満の場合に、前記残水排出用開閉弁が開放され、
該温度検出器で検出される該浴槽側流路内の湯水の温度が所定以上の場合に、該残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする請求項1記載の介護用入浴装置。
【請求項4】
前記貯湯タンクの水位を検出する貯湯タンク水位検出器と、
前記浴槽の水位を検出する浴槽水位検出器と、
前記浴槽側流路と前記排出側分岐流路との分岐点に設けられ、該分岐点での湯水の有無を検出する排出分岐点水位検出器とを備え、
該貯湯タンク水位検出器により該貯湯タンクが空であることが検出され、且つ該浴槽水位検出器により該浴槽が空であることが検出された場合に、前記残水排出用開閉弁が開放され、
該排出分岐点水位検出器により該分岐点に該湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に該残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする請求項1記載の介護用入浴装置。
【請求項5】
前記貯湯タンクの水位を検出する貯湯タンク水位検出器と、
前記浴槽の水位を検出する浴槽水位検出器と、
前記貯湯タンクの水位が前記浴槽側流路と前記排出側分岐流路との分岐点の高さと同じ水位か否かを検出する排出分岐点水位検出器とを備え、
該貯湯タンク水位検出器により該貯湯タンクが空であることが検出され、且つ該浴槽水位検出器により該浴槽が空であることが検出された場合に、前記残水排出用開閉弁が開放され、
該排出分岐点水位検出器により該分岐点の高さに該湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に該残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする請求項1記載の介護用入浴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や介護が必要な人が入浴する介護用入浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高齢者や介護が必要な人が入浴するために、通常の浴槽とは異なる介護用入浴装置が用いられている。この介護用入浴装置の一例として、例えば特許文献1に示されるようなものがある。
【0003】
特許文献1の介護用入浴装置は、浴槽と貯湯槽とが移送配管により接続され、移送配管は中途位置に移送ポンプが設けられている。そして、貯湯槽へ貯湯される湯水が、給水給湯源から貯湯配管を経由して貯湯槽へ貯湯される。移送ポンプを駆動させることにより貯湯槽に貯湯された湯水の移送が開始され、湯水が吸入口から浴槽本体内へ送られる。
【0004】
尚、移送ポンプの吸込口側における移送用配管の中途位置から排水管が分岐し、この排水管には手動により開閉可能な手動排水バルブが設けられ、介護者等が適宜手動により貯湯槽内の湯水を排水することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−63561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の介護用入浴装置では、湯水を排水した後でも、配管やポンプ内に湯水が残ってしまい、その後に新たに給湯すると、配管やポンプ内の残水が新たに給湯されたお湯に押される形で浴槽に注がれ、冷たい残水が浴槽に供給されたり、冷たい残水が入浴する要介護者に掛かったりして、快適な入浴の妨げになってしまう。また、残水を抜いた状態で新たなお湯を貯湯しても、冬期は配管やポンプで冷やされて浴槽側へ最初に吐出されるお湯が冷たくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、貯湯タンクから浴槽に繋がる流路やポンプ内の残水を、浴槽への移送前に排出することができ、冷たい残水が浴槽に供給されたり、冷たい残水が入浴する要介護者に掛かったりするような不快な動作を防止し、快適な入浴が可能な介護用入浴装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の介護用入浴装置は、浴槽側流路のポンプ側が分岐して外部に伸びる排出側分岐流路と、排出側分岐流路の浴槽側流路との分岐点の近傍に設けられた残水排出用開閉弁とを備え、残水排出用開閉弁を開放した状態で、
貯湯タンクに注湯されることにより、注湯された湯水の圧力で貯湯タンクとポンプとを接続するタンク側流路内の残水がポンプ側に押し出され、さらに貯湯タンクへの注湯が進むと、ポンプ内に残水がある場合はそれも共に、残水が排出側分岐流路に至り、開放された残水排出用開閉弁を介して、残水が外部に排出されることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の介護用入浴装置は、貯湯タンクに給湯が開始された時に、残水排出用開閉弁が開放され、貯湯タンクに給湯が開始された時刻から所定時間経過後に、残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の介護用入浴装置は、浴槽側流路のポンプ側に、温度検出器を備え、温度検出器で検出される浴槽側流路内の湯水の温度が所定未満の場合に、残水排出用開閉弁が開放され、温度検出器で検出される浴槽側流路内の湯水の温度が所定以上の場合に、残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の介護用入浴装置は、貯湯タンクの水位を検出する貯湯タンク水位検出器と、浴槽の水位を検出する浴槽水位検出器と、浴槽側流路と排出側分岐流路との分岐点に設けられ、分岐点での湯水の有無を検出する排出分岐点水位検出器とを備え、貯湯タンク水位検出器により貯湯タンクが空であることが検出され、且つ浴槽水位検出器により浴槽が空であることが検出された場合に、残水排出用開閉弁が開放され、排出分岐点水位検出器により分岐点に該湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の介護用入浴装置は、貯湯タンクの水位を検出する貯湯タンク水位検出器と、浴槽の水位を検出する浴槽水位検出器と、貯湯タンクの水位が浴槽側流路と排出側分岐流路との分岐点の高さと同じ水位か否かを検出する排出分岐点水位検出器とを備え、貯湯タンク水位検出器により貯湯タンクが空であることが検出され、且つ浴槽水位検出器により浴槽が空であることが検出された場合に、残水排出用開閉弁が開放され、排出分岐点水位検出器により分岐点の高さに湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に残水排出用開閉弁が閉止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願の発明によれば、浴槽側流路のポンプ側が分岐して外部に伸びる排出側分岐流路と、排出側分岐流路の浴槽側流路との分岐点の近傍に設けられた残水排出用開閉弁とを備えることから、貯湯タンクから浴槽に繋がる流路やポンプ内の残水を、浴槽への給湯前に排出することができ、冷たい残水が浴槽に供給されたり、冷たい残水が入浴する要介護者に掛かったりするような不快な動作を防止し、快適な入浴が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る介護用入浴装置の構成の一例を示す説明図である。
【
図2】同介護用入浴装置の動作を示す説明図である。
【
図3】同介護用入浴装置の動作を示す説明図である。
【
図4】同介護用入浴装置の動作を示す説明図である。
【
図5】同介護用入浴装置の動作を示す説明図である。
【
図6】本発明に係る介護用入浴装置の構成の他の例を示す説明図である。
【
図7】本発明に係る介護用入浴装置の構成のさらに他の例を示す説明図である。
【
図8】本発明に係る介護用入浴装置の構成のさらに他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る介護用入浴装置の構成の一例を示す説明図である。
図2〜
図5は、同介護用入浴装置の動作を示す説明図である。
【0016】
本発明に係る介護用入浴装置1は、高齢者や介護が必要な人等(要介護者)が入浴するためのものである。介護用入浴装置1は、浴槽10、ポンプ12、貯湯タンク20等から構成されている。浴槽10は、要介護者が入浴するためのもので、近傍又は浴槽10の内部に、浴槽10へ供給する湯水を貯めおく貯湯タンク20を有している(
図1では、貯湯タンク20は、浴槽10の近傍に設けられている)。貯湯タンク20には、給湯流路30を介して、図示しないボイラー等から給湯される。
【0017】
ポンプ12は、貯湯タンク20に貯めおかれた湯水を、浴槽10に送るものであり、貯湯タンク20のタンク底20aの高さより高い位置に配設されている。そして、貯湯タンク20のタンク底20aから伸びるホース状のタンク側流路32が、ポンプ12の給湯側に接続されている。また、ポンプ12の送湯側には、ポンプ12の上方に向かってホース状の浴槽側流路34が設けられ、ポンプ12から送られた湯水が、浴槽10に注湯されるように接続されている。
【0018】
また、浴槽側流路34のポンプ12側が分岐して、外部に伸びる排出側分岐流路34aが設けられている。そして、排出側分岐流路34aの浴槽側流路34との分岐点の近傍には、排出側分岐流路34aの開閉を行う残水排出用開閉弁16が設けられている。
【0019】
さらに、浴槽10の湯水を抜くためのパイプ状の排水流路36が浴槽10の底である浴槽底10aから設けられ、排水流路36の途中には、排水流路36の開閉を行う排水用開閉弁14が設けられている。
【0020】
尚、貯湯タンク20への給湯や、ポンプ12の動作の開始や、残水排出用開閉弁16の開閉等の介護用入浴装置1の制御は、図示しない電子回路により行う構成になっている。
【0021】
次に、このように構成された介護用入浴装置1の動作を説明する。まず、初めて介護用入浴装置1を使用する場合には、介護用入浴装置1のどこにも水やお湯が残っていない状態で、貯湯タンク20に給湯を行うことになる。そして、まず、浴槽10に要介護者が入っていない状態で、貯湯タンク20にお湯を貯めていく。貯湯タンク20にお湯が貯まった状態で、要介護者が浴槽10に入り、その後、ポンプ12を動作させ、貯湯タンク20のお湯を、浴槽10に送ることで、要介護者は入浴できることになる。要介護者が入浴を終える場合には、まず、排水用開閉弁14を開放し、排水流路36を介して、浴槽10のお湯を抜く。そして、浴槽10のお湯が抜けたところで、要介護者が浴槽10から出ることで、要介護者が安全に入浴を終えることができる。
【0022】
ここで、一度、入浴が終了すると、
図2に示すように、残水WZ1や残水WZ2が、介護用入浴装置1に残ることになる。具体的に説明すると、浴槽10から湯水を完全に抜いたとしても、実際には、
図2に示すように、タンク側流路32の貯湯タンク20のタンク底20aとポンプ12よりも低い位置には、残水WZ1が残ってしまう。また、浴槽10へ湯水を送るために一般的に使用されている渦巻きポンプのようなポンプ停止時に止水機能を有さないポンプ12では、ポンプ12内に残水WZ2が残ってしまうことになる。
【0023】
このように、残水WZ1や残水WZ2が残った状態で、次の要介護者が入浴する場合には、まず、貯湯タンク20に給湯が開始された時に、残水排水用開閉弁16を開放するようにする。この残水排水用開閉弁16を開放した状態で、お湯WYが貯湯タンク20に貯まっていき、お湯WYの貯湯タンク20内の水位が上昇していくと、
図3に示すように、タンク側流路32内の残水WZ1が、お湯WYに押される形で、ポンプ12側の水位が上昇していく。尚、このタンク側流路32内の残水WZ1の水位は、お湯WYの貯湯タンク20内の水位と同一位置である。
【0024】
図3の状態からさらに貯湯タンク20のお湯WYの水位が上昇すると、
図4に示すように、タンク側流路32内の残水WZ1が、より一層、ポンプ12側に移動し、ポンプ12内を満たした上でさらに浴槽側流路34の方に上昇していく。そうすると、ポンプ12内にあった残水WZ2も、残水WZ1と一緒になって、上昇していくことになる。この時も、タンク側流路32内にあった残水WZ1(残水WZ2を含む)のポンプ12側の水位は、お湯WYの貯湯タンク20内の水位と同一位置である。
【0025】
そして、
図4の状態からさらに貯湯タンク20のお湯WYの水位が上昇すると、
図5に示すように、タンク側流路32内にあった残水WZ1(残水WZ2を含む)が、ポンプ12から溢れるように上昇し、排出側分岐流路34aへと流れ込んでいく。ここで、残水排水用開閉弁16が開放された状態なので、残水WZ1(残水WZ2を含む)は、排出側分岐流路34aを介して外部に排出されることになる。
【0026】
残水WZ1(残水WZ2を含む)が、外部に排出されるに十分な時間経過後に、残水排水用開閉弁16を閉止することにより、貯湯タンク20、タンク側流路32、ポンプ12及び浴槽側流路34は、新たに給湯された暖かいお湯WYのみで満たされることになる。そして、貯湯タンク20が満たされた状態で、要介護者が浴槽10に入った後、ポンプ12を動作させ、貯湯タンク20のお湯WYを、浴槽10に送ることで、要介護者は入浴できることになる。
【0027】
以上のように、本実施の形態の介護用入浴装置1によれば、浴槽側流路34のポンプ12側が分岐して外部に伸びる排出側分岐流路34aと、排出側分岐流路34aの浴槽側流路34との分岐点の近傍に設けられた残水排出用開閉弁16とを備えることから、貯湯タンク20から浴槽10に繋がる流路やポンプ12内の残水を、浴槽10への給湯前に排出することができ、冷たい残水が浴槽10に供給されたり、冷たい残水が入浴する要介護者に掛かったりするような不快な動作を防止し、快適な入浴が可能である。
【0028】
また、以下の介護用入浴装置2及び介護用入浴装置3でも、介護用入浴装置1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
尚、上述の残水排水用開閉弁16の開放及び閉止のタイミングについては、他の形態でも、上述の効果を奏することができる。具体的には、
図6や
図7に示す形態がある。
図6は、本発明に係る介護用入浴装置の構成の他の例を示す説明図であり、
図7は、本発明に係る介護用入浴装置の構成のさらに他の例を示す説明図である。
【0030】
図6に示す介護用入浴装置2は、
図1に示す介護用入浴装置1の構成に加え、浴槽側流路34のポンプ12側に、温度検出器40を備えている。温度検出器40は、排出側分岐流路34aに分岐する近辺の浴槽側流路34内の湯水の温度を測定するものである。
【0031】
そして、介護用入浴装置2の動作としては、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が残った状態で、給湯が開始されるわけであるが、給湯を開始し、温度検出器40で検出される浴槽側流路34内の湯水の温度が所定未満の場合に、残水排出用開閉弁16が開放される。すると、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が、排出側分岐流路34aを介して外部に排出される。
【0032】
そして、さらに貯湯タンク20内に給湯されると、温度検出器40で検出される浴槽側流路34内の湯水の温度が所定以上に上昇することになる。この所定温度以上になった場合に、残水排出用開閉弁16が閉止される。その後の動作は、介護用入浴装置1と同様である。
【0033】
ここで、温度検出器40で検出する残水排出用開閉弁16の開閉の判断対象となる所定温度は、例えば約35℃である。この約35℃に限定されるものではなく、任意に設定できるが、快適な入浴にあたっては、この程度の温度が好ましいといえる。
【0034】
また、
図7に示す介護用入浴装置3は、
図1に示す介護用入浴装置1の構成に加え、貯湯タンク水位検出器42、浴槽水位検出器44及び排出分岐点推移検出器46を備えている。
【0035】
貯湯タンク水位検出器42は、貯湯タンク20の水位を検出するもので、貯水タンク20が空であるか否かを検出することができる。また、浴槽水位検出器44は、浴槽10の水位を検出するもので、浴槽10が空であるか否かを検出することができる。さらに、排出分岐点水位検出器46は、浴槽側流路34と排出側分岐流路34aとの分岐点に設けられ、この分岐点での湯水の有無を検出するものである。
【0036】
そして、介護用入浴装置3の動作としては、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が残った状態で、給湯が開始されるわけであるが、まず、貯湯タンク水位検出器42により貯湯タンク20が空であることが検出され、且つ浴槽水位検出器44により浴槽10が空であることが検出された場合に、残水排出用開閉弁16が開放される。そして、給湯を開始し、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が、排出側分岐流路34aを介して外部に排出される。その後、排出分岐点水位検出器46により分岐点に湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に残水排出用開閉弁16が閉止される。尚、所定時間とは、残水WZ1や残水WZ2や冷たくなったお湯が外部に排出されるのに十分な時間である。
【0037】
また、
図8に示す介護用入浴装置4は、
図1に示す介護用入浴装置1の構成に加え、貯湯タンク水位検出器42、浴槽水位検出器44及び排出分岐点推移検出器48を備えている。
【0038】
貯湯タンク水位検出器42は、貯湯タンク20の水位を検出するもので、貯水タンク20が空であるか否かを検出することができる。また、浴槽水位検出器44は、浴槽10の水位を検出するもので、浴槽10が空であるか否かを検出することができる。さらに、排出分岐点水位検出器48は、貯湯タンク20の水位が浴槽側流路34と排出側分岐流路34aとの分岐点の高さと同じ水位か否かを検出するものである。
【0039】
そして、介護用入浴装置4の動作としては、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が残った状態で、給湯が開始されるわけであるが、まず、貯湯タンク水位検出器42により貯湯タンク20が空であることが検出され、且つ浴槽水位検出器44により浴槽10が空であることが検出された場合に、残水排出用開閉弁16が開放される。そして、給湯を開始し、介護用入浴装置1と同様に、残水WZ1や残水WZ2が、排出側分岐流路34aを介して外部に排出される。その後、排出分岐点水位検出器48により分岐点の高さに湯水が到達したことを検出した後、所定時間経過後に残水排出用開閉弁16が閉止される。尚、所定時間とは、残水WZ1や残水WZ2や冷たくなったお湯が外部に排出されるのに十分な時間である。尚、貯湯タンク水位検出器42と排出分岐点水位検出器48とを1つの検出器で行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明によれば、貯湯タンクから浴槽に繋がる流路やポンプ内の残水を、浴槽への給湯前に排出することができ、冷たい残水が浴槽に供給されたり、冷たい残水が入浴する要介護者に掛かったりするような不快な動作を防止し、快適な入浴が可能な介護用入浴装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・・・介護用入浴装置
2・・・・・介護用入浴装置
3・・・・・介護用入浴装置
4・・・・・介護用入浴装置
10・・・・浴槽
10a・・・浴槽底
12・・・・ポンプ
14・・・・排水用開閉弁
16・・・・残水排出用開閉弁
20・・・・貯湯タンク
20a・・・タンク底
30・・・・給湯側流路
32・・・・タンク側流路
34・・・・浴槽側流路
34a・・・排出側分岐流路
36・・・・排水流路
40・・・・温度検出器
42・・・・貯湯タンク水位検出器
44・・・・浴槽水位検出器
46・・・・排出分岐点水位検出器
48・・・・排出分岐点水位検出器